JP2002296160A - 柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法と測定装置 - Google Patents
柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法と測定装置Info
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- JP2002296160A JP2002296160A JP2001095123A JP2001095123A JP2002296160A JP 2002296160 A JP2002296160 A JP 2002296160A JP 2001095123 A JP2001095123 A JP 2001095123A JP 2001095123 A JP2001095123 A JP 2001095123A JP 2002296160 A JP2002296160 A JP 2002296160A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カテーテル用チューブなどの柔軟性長尺部材
であっても、それを破壊させることなく、きわめて容易
に曲げ剛性を測定することができる新規な柔軟性長尺部
材の曲げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いら
れる測定装置を提供すること。 【解決手段】 チューブ2の長手方向の途中に少なくと
も一つのループ2aを形成し、チューブ2の両端を所定
荷重Pで引っ張った状態で、ループ2aにおける所定位
置の曲率半径ρを測定し、曲率半径ρと所定荷重Pと曲
げ剛性EIとの関係式から、チューブ2の曲げ剛性EI
を測定する。
であっても、それを破壊させることなく、きわめて容易
に曲げ剛性を測定することができる新規な柔軟性長尺部
材の曲げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いら
れる測定装置を提供すること。 【解決手段】 チューブ2の長手方向の途中に少なくと
も一つのループ2aを形成し、チューブ2の両端を所定
荷重Pで引っ張った状態で、ループ2aにおける所定位
置の曲率半径ρを測定し、曲率半径ρと所定荷重Pと曲
げ剛性EIとの関係式から、チューブ2の曲げ剛性EI
を測定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性長尺部材の
曲げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いられる
測定装置に関する。
曲げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いられる
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療の現場では、輸血、血管造
影、栄養補給、薬物投与、血管循環補助などの際に、カ
テーテルが多く用いられており、その需要は年々増加す
る傾向にある。カテーテルは、高分子材料により形成さ
れたチューブ状の構造を持つ医療器具の一つである。医
療用材料と言う点では、カテーテル用高分子材料とし
て、非毒性、可滅菌性などの条件が重要となるが、構造
全体を考えた場合、通常の工業材料と同様に、優れた力
学特性が要求される。
影、栄養補給、薬物投与、血管循環補助などの際に、カ
テーテルが多く用いられており、その需要は年々増加す
る傾向にある。カテーテルは、高分子材料により形成さ
れたチューブ状の構造を持つ医療器具の一つである。医
療用材料と言う点では、カテーテル用高分子材料とし
て、非毒性、可滅菌性などの条件が重要となるが、構造
全体を考えた場合、通常の工業材料と同様に、優れた力
学特性が要求される。
【0003】カテーテルを構成する高分子チューブは、
押出成形により成形されるが、その外径が小さい場合に
は、均一な肉厚のチューブを成形することが困難であ
る。たとえば二重管構造を持つ医療用カテーテルの内側
チューブの外径は、0.5mm程度に大変小さく、その製
造に際し、肉厚が、10%程度にばらつく。
押出成形により成形されるが、その外径が小さい場合に
は、均一な肉厚のチューブを成形することが困難であ
る。たとえば二重管構造を持つ医療用カテーテルの内側
チューブの外径は、0.5mm程度に大変小さく、その製
造に際し、肉厚が、10%程度にばらつく。
【0004】そこで、カテーテル用チューブを製造した
後に、その力学的特性を評価することが重要となる。力
学的特性が十分でないチューブをカテーテルの構成部材
として用いることは、カテーテルの機能を有効に発揮す
ることができず、不良品となるおそれがあるからであ
る。
後に、その力学的特性を評価することが重要となる。力
学的特性が十分でないチューブをカテーテルの構成部材
として用いることは、カテーテルの機能を有効に発揮す
ることができず、不良品となるおそれがあるからであ
る。
【0005】チューブの力学的特性を評価する方法の一
つとして、一般的な引張試験による弾性係数を測定する
方法がある。しかしながら、カテーテル用チューブは、
その使用に際しては、複雑で多様な形状を持つ体内の血
管などを曲がりながら進む。したがって、チューブの引
張弾性係数を測定するのみでは、カテーテル用チューブ
の正確な力学的特性評価を行うことはできない。
つとして、一般的な引張試験による弾性係数を測定する
方法がある。しかしながら、カテーテル用チューブは、
その使用に際しては、複雑で多様な形状を持つ体内の血
管などを曲がりながら進む。したがって、チューブの引
張弾性係数を測定するのみでは、カテーテル用チューブ
の正確な力学的特性評価を行うことはできない。
【0006】そこで、チューブの曲げ試験を行うことが
好ましいが、カテーテル用チューブの外径は、きわめて
小さいと共に、柔軟性に富みすぎている。したがって、
金属チューブや、その他の比較的に剛性が高いチューブ
に適用される一般的な曲げ試験を行うことができない。
好ましいが、カテーテル用チューブの外径は、きわめて
小さいと共に、柔軟性に富みすぎている。したがって、
金属チューブや、その他の比較的に剛性が高いチューブ
に適用される一般的な曲げ試験を行うことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、その目的とするところは、カテー
テル用チューブなどの柔軟性長尺部材であっても、それ
を破壊させることなく、きわめて容易に曲げ剛性を測定
することができる新規な柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定
方法と、その測定方法に好適に用いられる測定装置を提
供することである。
実状に鑑みてなされ、その目的とするところは、カテー
テル用チューブなどの柔軟性長尺部材であっても、それ
を破壊させることなく、きわめて容易に曲げ剛性を測定
することができる新規な柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定
方法と、その測定方法に好適に用いられる測定装置を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法
は、柔軟性長尺部材の長手方向の途中に少なくとも一つ
のループを形成し、前記柔軟性長尺部材の両端を所定荷
重で引っ張った状態で、前記ループにおける所定位置の
曲率半径を測定し、前記曲率半径と前記所定荷重と曲げ
剛性との関係式から、前記柔軟性長尺部材の曲げ剛性を
測定することを特徴とする。
に、本発明に係る柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法
は、柔軟性長尺部材の長手方向の途中に少なくとも一つ
のループを形成し、前記柔軟性長尺部材の両端を所定荷
重で引っ張った状態で、前記ループにおける所定位置の
曲率半径を測定し、前記曲率半径と前記所定荷重と曲げ
剛性との関係式から、前記柔軟性長尺部材の曲げ剛性を
測定することを特徴とする。
【0009】好ましくは、前記曲率半径をρとし、前記
所定荷重をPとし、前記曲げ剛性をEI(ただし、Eは
ヤング率、Iは断面二次モーメント)とした場合に、前
記関係式が、次に示す関係式(1)である。 EI=4×P×ρ2 …(1) 好ましくは、前記曲率半径を測定する位置が、前記ルー
プの頂点位置である。
所定荷重をPとし、前記曲げ剛性をEI(ただし、Eは
ヤング率、Iは断面二次モーメント)とした場合に、前
記関係式が、次に示す関係式(1)である。 EI=4×P×ρ2 …(1) 好ましくは、前記曲率半径を測定する位置が、前記ルー
プの頂点位置である。
【0010】好ましくは、前記柔軟性長尺部材の一端
に、所定の曲率半径を持ち途中に歪みゲージが取り付け
られた帯状部材の一端を取り付け、前記柔軟性長尺部材
の他端と、前記帯状部材の他端とを相対的に引き離し、
前記柔軟性長尺部材の両端に前記所定荷重を加え、その
状態で、前記帯状部材の歪み量を、前記歪みゲージで読
み取り、その歪み量信号に基づき、前記所定荷重を算出
する。
に、所定の曲率半径を持ち途中に歪みゲージが取り付け
られた帯状部材の一端を取り付け、前記柔軟性長尺部材
の他端と、前記帯状部材の他端とを相対的に引き離し、
前記柔軟性長尺部材の両端に前記所定荷重を加え、その
状態で、前記帯状部材の歪み量を、前記歪みゲージで読
み取り、その歪み量信号に基づき、前記所定荷重を算出
する。
【0011】好ましくは、前記帯状部材は、半リング状
帯状部材またはリング状帯状部材である。
帯状部材またはリング状帯状部材である。
【0012】好ましくは、前記柔軟性長尺部材の途中に
は、前記所定荷重が作用する方向からみて、相互に異な
る角度位置となるように、前記柔軟性長尺部材の長手方
向に沿って複数のループを形成する。
は、前記所定荷重が作用する方向からみて、相互に異な
る角度位置となるように、前記柔軟性長尺部材の長手方
向に沿って複数のループを形成する。
【0013】好ましくは、前記所定荷重を一定に保ちな
がら、前記ループを、前記柔軟性長尺部材の長手方向に
沿って移動させ、各位置での曲率半径を測定する。
がら、前記ループを、前記柔軟性長尺部材の長手方向に
沿って移動させ、各位置での曲率半径を測定する。
【0014】好ましくは、前記柔軟性長尺部材を成形す
るための押出成形機から押し出された前記柔軟性長尺部
材に、少なくとも一つの前記ループを形成し、その後、
この柔軟性長尺部材を巻き取る。
るための押出成形機から押し出された前記柔軟性長尺部
材に、少なくとも一つの前記ループを形成し、その後、
この柔軟性長尺部材を巻き取る。
【0015】本発明に係る引張力測定装置は、半リング
状またはリング状の帯状部材と、前記帯状部材の長手方
向途中に装着された歪みゲージと、を有する。
状またはリング状の帯状部材と、前記帯状部材の長手方
向途中に装着された歪みゲージと、を有する。
【0016】本発明の第1の観点に係る柔軟性長尺部材
の曲げ剛性測定装置は、柔軟性長尺部材の長手方向の途
中に少なくとも一つのループを、前記柔軟性長尺部材の
長手方向に沿って相対的に移動させるループ移動手段
と、前記柔軟性長尺部材の少なくとも一端に取り付けら
れ、前記柔軟性長尺部材を所定荷重で引っ張る張力付与
手段と、前記ループにおける所定位置の曲率半径を測定
する曲率半径計測手段と、を有する。
の曲げ剛性測定装置は、柔軟性長尺部材の長手方向の途
中に少なくとも一つのループを、前記柔軟性長尺部材の
長手方向に沿って相対的に移動させるループ移動手段
と、前記柔軟性長尺部材の少なくとも一端に取り付けら
れ、前記柔軟性長尺部材を所定荷重で引っ張る張力付与
手段と、前記ループにおける所定位置の曲率半径を測定
する曲率半径計測手段と、を有する。
【0017】好ましくは、本発明の曲げ剛性測定装置
は、前記張力付与手段により前記柔軟性長尺部材に加え
られる所定荷重を計測する荷重計測手段をさらに有す
る。
は、前記張力付与手段により前記柔軟性長尺部材に加え
られる所定荷重を計測する荷重計測手段をさらに有す
る。
【0018】好ましくは、前記荷重計測手段が、半リン
グ状またはリング状の帯状部材と、前記帯状部材の長手
方向途中に装着された歪みゲージと、を有する。
グ状またはリング状の帯状部材と、前記帯状部材の長手
方向途中に装着された歪みゲージと、を有する。
【0019】本発明の第2の観点に係る柔軟性長尺部材
の曲げ剛性測定装置は、柔軟性長尺部材の長手方向の途
中に少なくとも一つのループが形成されるように、前記
柔軟性長尺部材を、その長手方向に移動させる長尺部材
移動手段と、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って所
定荷重の引張力が加える張力付与手段と、前記ループに
おける所定位置の曲率半径を測定する曲率半径計測手段
と、を有する。
の曲げ剛性測定装置は、柔軟性長尺部材の長手方向の途
中に少なくとも一つのループが形成されるように、前記
柔軟性長尺部材を、その長手方向に移動させる長尺部材
移動手段と、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って所
定荷重の引張力が加える張力付与手段と、前記ループに
おける所定位置の曲率半径を測定する曲率半径計測手段
と、を有する。
【0020】好ましくは、前記張力付与手段が、前記柔
軟性長尺部材を巻き取る巻き取り機であり、前記柔軟性
長尺部材は、押出機から押し出される。
軟性長尺部材を巻き取る巻き取り機であり、前記柔軟性
長尺部材は、押出機から押し出される。
【0021】
【作用】本発明に係る柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方
法によれば、上記関係式(1)により、柔軟性長尺部材
の曲げ剛性EIを、非破壊式に、きわめて容易に測定す
ることができる。
法によれば、上記関係式(1)により、柔軟性長尺部材
の曲げ剛性EIを、非破壊式に、きわめて容易に測定す
ることができる。
【0022】曲げ剛性の測定に際し、柔軟性長尺部材に
加える所定荷重Pは、0.05N以下程度に、きわめて
小さいことから、通常の荷重測定器により測定すること
は困難である。本発明では、半リング状またはリング状
の帯状部材と、前記帯状部材の長手方向途中に装着され
た歪みゲージと、を有する引張力測定装置を用いること
により、所定荷重Pを容易に測定することができる。曲
率半径ρは、ループを、CCDカメラなどの撮像装置で
撮像することにより容易に求められる。これらの装置に
より測定された所定荷重Pおよび曲率半径ρにより、曲
げ剛性EIが求められる。
加える所定荷重Pは、0.05N以下程度に、きわめて
小さいことから、通常の荷重測定器により測定すること
は困難である。本発明では、半リング状またはリング状
の帯状部材と、前記帯状部材の長手方向途中に装着され
た歪みゲージと、を有する引張力測定装置を用いること
により、所定荷重Pを容易に測定することができる。曲
率半径ρは、ループを、CCDカメラなどの撮像装置で
撮像することにより容易に求められる。これらの装置に
より測定された所定荷重Pおよび曲率半径ρにより、曲
げ剛性EIが求められる。
【0023】また、計測対象である柔軟性長尺部材のヤ
ング率Eまたは断面二次モーメントIのいずれかが既知
である場合には、その曲げ剛性EIから、長尺部材の断
面二次モーメントIまたはヤング率を測定することもで
きる。なお、上記関係式(1)は、エラスチカの理論に
より求めることができる。
ング率Eまたは断面二次モーメントIのいずれかが既知
である場合には、その曲げ剛性EIから、長尺部材の断
面二次モーメントIまたはヤング率を測定することもで
きる。なお、上記関係式(1)は、エラスチカの理論に
より求めることができる。
【0024】本発明に係る引張力測定装置によれば、
0.05N以下程度に、きわめて小さい荷重でも、比較
的に正確に計測することができる。
0.05N以下程度に、きわめて小さい荷重でも、比較
的に正確に計測することができる。
【0025】本発明の第1の観点に係る柔軟性長尺部材
の曲げ剛性測定装置によれば、ループを、柔軟性長尺部
材の長手方向に沿って相対的に移動させながら、曲げ剛
性を測定するために、柔軟性長尺部材の長手方向に沿っ
て、曲げ剛性を測定することができる。
の曲げ剛性測定装置によれば、ループを、柔軟性長尺部
材の長手方向に沿って相対的に移動させながら、曲げ剛
性を測定するために、柔軟性長尺部材の長手方向に沿っ
て、曲げ剛性を測定することができる。
【0026】なお、柔軟性長尺部材の途中に、前記所定
荷重が作用する方向からみて、相互に異なる角度位置と
なるように、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って複
数のループを形成することで、柔軟性長尺部材の横断面
において、異なる方向における曲げ剛性を測定すること
ができる。
荷重が作用する方向からみて、相互に異なる角度位置と
なるように、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って複
数のループを形成することで、柔軟性長尺部材の横断面
において、異なる方向における曲げ剛性を測定すること
ができる。
【0027】本発明の第2の観点に係る柔軟性長尺部材
の曲げ剛性測定装置によれば、たとえば、押出機から成
形された直後の高分子チューブなどの柔軟性長尺部材の
曲げ剛性を、連続的に測定することができる。したがっ
て、計測中に、所定以下の曲げ剛性を持つ柔軟性長尺部
材が成形された場合には、アラーム信号を出し、成形機
を停止させるなどの動作も可能である。
の曲げ剛性測定装置によれば、たとえば、押出機から成
形された直後の高分子チューブなどの柔軟性長尺部材の
曲げ剛性を、連続的に測定することができる。したがっ
て、計測中に、所定以下の曲げ剛性を持つ柔軟性長尺部
材が成形された場合には、アラーム信号を出し、成形機
を停止させるなどの動作も可能である。
【0028】本発明において、柔軟性長尺部材として
は、特に限定されないが、たとえば医療用カテーテルと
して用いられる高分子チューブである。この高分子チュ
ーブの外径は、特に限定されないが、特に、0.1〜1m
mである場合に、本発明の効果が大きい。
は、特に限定されないが、たとえば医療用カテーテルと
して用いられる高分子チューブである。この高分子チュ
ーブの外径は、特に限定されないが、特に、0.1〜1m
mである場合に、本発明の効果が大きい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。第1実施形態 図1に示す本実施形態に係る曲げ剛性測定装置20は、
図2に示す柔軟性長尺部材としてのカテーテルチューブ
2の曲げ剛性EIを測定するための装置である。カテー
テルチューブ2は、たとえばポリウレタン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド等の合成
樹脂チューブ、あるいは金属スプリング補強チューブ、
ステンレス細管等で構成される。なお補強材として、ス
テンレス線、ニッケル・チタン合金線などが用いられる
こともある。このチューブ2の内径は、たとえば0.1
5〜0.8mmである。このチューブ2の肉厚は、たとえ
ば0.05〜0.4mmである。
形態に基づき説明する。第1実施形態 図1に示す本実施形態に係る曲げ剛性測定装置20は、
図2に示す柔軟性長尺部材としてのカテーテルチューブ
2の曲げ剛性EIを測定するための装置である。カテー
テルチューブ2は、たとえばポリウレタン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド等の合成
樹脂チューブ、あるいは金属スプリング補強チューブ、
ステンレス細管等で構成される。なお補強材として、ス
テンレス線、ニッケル・チタン合金線などが用いられる
こともある。このチューブ2の内径は、たとえば0.1
5〜0.8mmである。このチューブ2の肉厚は、たとえ
ば0.05〜0.4mmである。
【0030】この測定装置20は、引張力測定装置10
を有する。引張力測定装置10は、チューブ2に作用す
る微少な引張荷重Pを測定するためのものである。引張
力測定装置10は、図3に示す半リング状の帯状部材1
2を二つ組み合わせて、リング状にしたものである。各
帯状部材12には、その両端部に、第1接合片16aお
よび第2接合片16bが形成してあり、各接合片16a
または16b同士を接合することにより、リング状の測
定装置10となる。各帯状部材12は、たとえば銅、真
鍮、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属箔板で構
成される。
を有する。引張力測定装置10は、チューブ2に作用す
る微少な引張荷重Pを測定するためのものである。引張
力測定装置10は、図3に示す半リング状の帯状部材1
2を二つ組み合わせて、リング状にしたものである。各
帯状部材12には、その両端部に、第1接合片16aお
よび第2接合片16bが形成してあり、各接合片16a
または16b同士を接合することにより、リング状の測
定装置10となる。各帯状部材12は、たとえば銅、真
鍮、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属箔板で構
成される。
【0031】各帯状部材12の半円状円弧部分における
途中部分(たとえば1/4円弧位置)には、歪みゲージ
14が、帯状部材の表裏面に装着してあり、その部分の
歪みを測定可能になっている。歪みゲージ14として
は、特に限定されないが、圧電素子、箔歪みゲージ、半
導体ゲージなどが用いられる。歪みゲージ14を複数の
位置に取り付けるのは、各歪みゲージ14により測定さ
れた歪み信号を、平均化して、正確な歪み信号を得るた
めである。
途中部分(たとえば1/4円弧位置)には、歪みゲージ
14が、帯状部材の表裏面に装着してあり、その部分の
歪みを測定可能になっている。歪みゲージ14として
は、特に限定されないが、圧電素子、箔歪みゲージ、半
導体ゲージなどが用いられる。歪みゲージ14を複数の
位置に取り付けるのは、各歪みゲージ14により測定さ
れた歪み信号を、平均化して、正確な歪み信号を得るた
めである。
【0032】歪みゲージ14により測定される歪みε信
号から、チューブ2に作用する引張荷重Pを求めること
ができる。引張荷重Pを歪みεから求めるには、次に示
す関係式(2)を用いる。この関係式(2)は、曲がり
梁の理論に基づき、カスチリアノの定理から求められ
る。なお、下記の関係式中において、Eは帯状部材12
の弾性係数、bは帯状部材12の幅、hは帯状部材12
の厚み、Rは帯状部材12の曲率半径、πは円周率であ
る。
号から、チューブ2に作用する引張荷重Pを求めること
ができる。引張荷重Pを歪みεから求めるには、次に示
す関係式(2)を用いる。この関係式(2)は、曲がり
梁の理論に基づき、カスチリアノの定理から求められ
る。なお、下記の関係式中において、Eは帯状部材12
の弾性係数、bは帯状部材12の幅、hは帯状部材12
の厚み、Rは帯状部材12の曲率半径、πは円周率であ
る。
【0033】
【数1】
【0034】本実施形態の測定装置によれば、通常の引
張試験機では測定が不可能な極小さな引張荷重Pを測定
することができる。極小さな引張荷重Pとしては、たと
えば0.05N以下である。
張試験機では測定が不可能な極小さな引張荷重Pを測定
することができる。極小さな引張荷重Pとしては、たと
えば0.05N以下である。
【0035】本実施形態では、図1に示すように、チュ
ーブ2の一端を、第1チャック部4に取り付け、他端を
第2チャック部6に取り付け、チューブ2の途中には、
一つのループ2aを形成する。第1チャック部4は、装
置に固定され、第2チャック部6は、引張力測定装置1
0における一方の第1接合片16aに取り付けられる。
引張力測定装置10における他方の第2接合片16b
は、第3チャック部8に取り付けられる。
ーブ2の一端を、第1チャック部4に取り付け、他端を
第2チャック部6に取り付け、チューブ2の途中には、
一つのループ2aを形成する。第1チャック部4は、装
置に固定され、第2チャック部6は、引張力測定装置1
0における一方の第1接合片16aに取り付けられる。
引張力測定装置10における他方の第2接合片16b
は、第3チャック部8に取り付けられる。
【0036】第3チャック部8を、第1チャック部4に
対して、所定荷重で引っ張ることにより、チューブ2の
両端には、所定荷重Pが加えられる。第3チャック部8
を引っ張るための装置としては、特に限定されず、通常
の引張試験機で用いられる駆動機構が例示される。駆動
機構としては、たとえばステップモータを含む駆動機構
が例示される。
対して、所定荷重で引っ張ることにより、チューブ2の
両端には、所定荷重Pが加えられる。第3チャック部8
を引っ張るための装置としては、特に限定されず、通常
の引張試験機で用いられる駆動機構が例示される。駆動
機構としては、たとえばステップモータを含む駆動機構
が例示される。
【0037】本実施形態では、図4に示すように、チュ
ーブ2のループ2aを、透明パネル15により両側から
挟み込み、ループ2aが解けないようにする。ループ2
aは、パネル15に対して直角位置に配置された撮像手
段としてのCCDカメラ18により撮像され、図5に示
すように、ループ2aの頂点Aにおける曲率半径ρを測
定可能になっている。なお、透明パネル15は、たとえ
ばアクリル板などで構成される。
ーブ2のループ2aを、透明パネル15により両側から
挟み込み、ループ2aが解けないようにする。ループ2
aは、パネル15に対して直角位置に配置された撮像手
段としてのCCDカメラ18により撮像され、図5に示
すように、ループ2aの頂点Aにおける曲率半径ρを測
定可能になっている。なお、透明パネル15は、たとえ
ばアクリル板などで構成される。
【0038】この曲率半径ρと引張荷重Pとチューブ2
の曲げ剛性EIの関係は、次に示す関係式(1)の関係
にある。この関係式(1)は、エラスチカの理論により
求めることができる。 EI=4×P×ρ2 …(1) 引張荷重Pは、引張力測定装置10により求めることが
でき、ループ2aの曲率半径ρは、CCDカメラ18に
よる撮像結果から求めることができる。したがって、本
実施形態では、チューブ2の曲げ剛性EIを、チューブ
2を破壊することなく容易に求めることができる。
の曲げ剛性EIの関係は、次に示す関係式(1)の関係
にある。この関係式(1)は、エラスチカの理論により
求めることができる。 EI=4×P×ρ2 …(1) 引張荷重Pは、引張力測定装置10により求めることが
でき、ループ2aの曲率半径ρは、CCDカメラ18に
よる撮像結果から求めることができる。したがって、本
実施形態では、チューブ2の曲げ剛性EIを、チューブ
2を破壊することなく容易に求めることができる。
【0039】引張荷重Pと曲率半径ρとの関係を、図6
に示す。図6に示すように、引張荷重Pが大きくなるほ
ど、曲率半径ρが小さくなる関係にあることが分かる。
なお、後述するように、実際のチューブの場合は、引張
荷重Pを大きくすると、図6に示すグラフの右端部分
で、曲率半径ρが急激に低下する現象がみられ、この部
分を測定することにより、チューブ2のループ2aにお
ける頂点位置Aで、チューブ2の座屈が生じる直前の状
態を検出することができる。
に示す。図6に示すように、引張荷重Pが大きくなるほ
ど、曲率半径ρが小さくなる関係にあることが分かる。
なお、後述するように、実際のチューブの場合は、引張
荷重Pを大きくすると、図6に示すグラフの右端部分
で、曲率半径ρが急激に低下する現象がみられ、この部
分を測定することにより、チューブ2のループ2aにお
ける頂点位置Aで、チューブ2の座屈が生じる直前の状
態を検出することができる。
【0040】本実施形態において、上記関係式からチュ
ーブ2の曲げ剛性EIを求めるためには、引張荷重P
は、0.005〜0.05Nの範囲にあり、曲率半径ρ
は、2〜4mmの範囲にあることが好ましい。引張荷重P
が小さすぎると、その荷重Pを測定することが困難であ
り、大きすぎると、チューブ2が座屈してしまい、正確
な曲げ剛性EIを測定することができない。また、曲率
半径ρが小さすぎると、チューブ2が座屈する傾向にあ
り、大きすぎると、引張荷重Pが小さく成りすぎて、測
定が困難になる。
ーブ2の曲げ剛性EIを求めるためには、引張荷重P
は、0.005〜0.05Nの範囲にあり、曲率半径ρ
は、2〜4mmの範囲にあることが好ましい。引張荷重P
が小さすぎると、その荷重Pを測定することが困難であ
り、大きすぎると、チューブ2が座屈してしまい、正確
な曲げ剛性EIを測定することができない。また、曲率
半径ρが小さすぎると、チューブ2が座屈する傾向にあ
り、大きすぎると、引張荷重Pが小さく成りすぎて、測
定が困難になる。
【0041】本実施形態では、チューブ2の外径が、1
mm以下に小さい場合でも、非破壊式に正確にチューブ2
の曲げ剛性EIを測定することができる。チューブ2の
曲げ剛性EIは、チューブの曲がり易さ、チューブの押
し込み特性などに大きく影響する。医療用カテーテルチ
ューブは、血管などの曲がりくねった部位に操作性良く
挿入されることが重要である。したがって、この評価手
法は、医療用カテーテルチューブの品質管理に多大な貢
献を寄与することになる。
mm以下に小さい場合でも、非破壊式に正確にチューブ2
の曲げ剛性EIを測定することができる。チューブ2の
曲げ剛性EIは、チューブの曲がり易さ、チューブの押
し込み特性などに大きく影響する。医療用カテーテルチ
ューブは、血管などの曲がりくねった部位に操作性良く
挿入されることが重要である。したがって、この評価手
法は、医療用カテーテルチューブの品質管理に多大な貢
献を寄与することになる。
【0042】第2実施形態 図7および図8に示すように、押出成形により成形され
たカテーテルチューブ2は、その軸方向に沿って、幾分
異なる断面を持つ。このことは、カテーテルチューブ2
は、軸方向に沿って、必ずしも同じ断面二次モーメント
Iを持つものとは限らないと言える。また、カテーテル
チューブ2は、押出成形により成形され、しかも電子線
架橋材料で構成されることがあるため、必ずしも素材の
ヤング率Eと同一のヤング率Eを持つとは限らない。し
かも、チューブ2の軸方向に沿って、ヤング率Eが変化
していることも考えられる。なお、図8(A)〜図8
(D)は、図7に示すチューブ2の長手方向に沿ってL
1間隔(たとえばL1=50mm)での断面を示す。
たカテーテルチューブ2は、その軸方向に沿って、幾分
異なる断面を持つ。このことは、カテーテルチューブ2
は、軸方向に沿って、必ずしも同じ断面二次モーメント
Iを持つものとは限らないと言える。また、カテーテル
チューブ2は、押出成形により成形され、しかも電子線
架橋材料で構成されることがあるため、必ずしも素材の
ヤング率Eと同一のヤング率Eを持つとは限らない。し
かも、チューブ2の軸方向に沿って、ヤング率Eが変化
していることも考えられる。なお、図8(A)〜図8
(D)は、図7に示すチューブ2の長手方向に沿ってL
1間隔(たとえばL1=50mm)での断面を示す。
【0043】そこで、本実施形態では、図9および図1
0に示すように、カテーテルチューブ2のループ2aの
内部に、ループ位置移動用棒(ループ移動手段)30を
通し、この移動用棒30を、透明パネル15と共に、チ
ューブ2の長手方向に沿って移動させる。その結果、ル
ープ2aは、チューブ2の長手方向に沿って移動するこ
とになる。もちろん、図9では図示省略してあるCCD
カメラも、ループ2aの移動に合わせて移動させ、ルー
プ2aの頂点における曲率半径ρを測定する。本実施形
態におけるその他の構成は、図1〜図6に示す第1実施
形態の場合と同様である。なお、本実施形態において、
ループ2aをチューブ2の長手方向に沿って移動させる
ための手段としては、棒30に限らず、その他の部材を
用いることもできる。たとえば、対向して配置される一
対の透明パネル15の対向するいずれかの内面に突起を
形成し、その突起をループ2aに係止させ、透明パネル
15を移動させることにより、ループ2aを移動させて
も良い。
0に示すように、カテーテルチューブ2のループ2aの
内部に、ループ位置移動用棒(ループ移動手段)30を
通し、この移動用棒30を、透明パネル15と共に、チ
ューブ2の長手方向に沿って移動させる。その結果、ル
ープ2aは、チューブ2の長手方向に沿って移動するこ
とになる。もちろん、図9では図示省略してあるCCD
カメラも、ループ2aの移動に合わせて移動させ、ルー
プ2aの頂点における曲率半径ρを測定する。本実施形
態におけるその他の構成は、図1〜図6に示す第1実施
形態の場合と同様である。なお、本実施形態において、
ループ2aをチューブ2の長手方向に沿って移動させる
ための手段としては、棒30に限らず、その他の部材を
用いることもできる。たとえば、対向して配置される一
対の透明パネル15の対向するいずれかの内面に突起を
形成し、その突起をループ2aに係止させ、透明パネル
15を移動させることにより、ループ2aを移動させて
も良い。
【0044】本実施形態に係る測定装置および測定方法
によれば、チューブ2の長手方向に沿って、曲げ剛性E
Iが変化する場合でも、各長手方向位置における曲げ剛
性EIを、連続的または断続的に測定することができ
る。本実施形態におけるその他の作用効果は、前記第1
実施形態の場合と同様である。
によれば、チューブ2の長手方向に沿って、曲げ剛性E
Iが変化する場合でも、各長手方向位置における曲げ剛
性EIを、連続的または断続的に測定することができ
る。本実施形態におけるその他の作用効果は、前記第1
実施形態の場合と同様である。
【0045】第3実施形態 図11に示す実施形態では、カテーテルチューブ2の途
中に、所定荷重Pが作用する方向からみて、相互に異な
る角度位置となるように、チューブ2の長手方向に沿っ
て複数のループ2aおよび2bを形成し、各ループ2a
または2bの頂点における曲率半径ρを測定する。本実
施形態におけるその他の構成は、図1〜図6に示す第1
実施形態または図9および図10に示す第2実施形態の
場合と同様である。すなわち、本実施形態において、複
数のループ2aおよび2bを、チューブ2の長手方向に
沿って、同時に移動させても良い。
中に、所定荷重Pが作用する方向からみて、相互に異な
る角度位置となるように、チューブ2の長手方向に沿っ
て複数のループ2aおよび2bを形成し、各ループ2a
または2bの頂点における曲率半径ρを測定する。本実
施形態におけるその他の構成は、図1〜図6に示す第1
実施形態または図9および図10に示す第2実施形態の
場合と同様である。すなわち、本実施形態において、複
数のループ2aおよび2bを、チューブ2の長手方向に
沿って、同時に移動させても良い。
【0046】本実施形態に係る測定装置および測定方法
によれば、チューブ2の周方向に沿って、曲げ剛性EI
が変化する場合でも、各周方向位置における曲げ剛性E
Iを、連続的または断続的に測定することができる。本
実施形態におけるその他の作用効果は、前記第1実施形
態または第2実施形態の場合と同様である。
によれば、チューブ2の周方向に沿って、曲げ剛性EI
が変化する場合でも、各周方向位置における曲げ剛性E
Iを、連続的または断続的に測定することができる。本
実施形態におけるその他の作用効果は、前記第1実施形
態または第2実施形態の場合と同様である。
【0047】第4実施形態 図12に示すように、本実施形態では、押出機40から
押出成形した直後のカテーテルチューブ2を、冷却水槽
46内に通し、その後、巻き取り機44で巻き取る途中
において、チューブガイド42の間で、ループ2aを形
成する。押出機40から押し出されて巻き取り機44で
巻き取られるチューブ2に加えられる引張荷重Pは、成
形条件を変化させなければ一定であり、予め計測してお
けば良い。本実施形態では、押出機40、チューブガイ
ド42および巻き取り機44が、本発明の長尺部材移動
手段および張力付与手段に対応する。
押出成形した直後のカテーテルチューブ2を、冷却水槽
46内に通し、その後、巻き取り機44で巻き取る途中
において、チューブガイド42の間で、ループ2aを形
成する。押出機40から押し出されて巻き取り機44で
巻き取られるチューブ2に加えられる引張荷重Pは、成
形条件を変化させなければ一定であり、予め計測してお
けば良い。本実施形態では、押出機40、チューブガイ
ド42および巻き取り機44が、本発明の長尺部材移動
手段および張力付与手段に対応する。
【0048】本実施形態におけるその他の構成は、図1
〜図6に示す第1実施形態、図9および図10に示す第
2実施形態、または図11に示す第3実施形態の場合と
同様である。すなわち、本実施形態において、複数のル
ープ2aおよび2bを、チューブ2の長手方向に沿っ
て、同時に形成しても良い。ただし、本実施形態では、
ループ2aおよび2bを移動させることなく、チューブ
2を、その長手方向に沿って移動させ、ループ2aおよ
び2b自体は、チューブガイド42間の同じ位置に形成
される。
〜図6に示す第1実施形態、図9および図10に示す第
2実施形態、または図11に示す第3実施形態の場合と
同様である。すなわち、本実施形態において、複数のル
ープ2aおよび2bを、チューブ2の長手方向に沿っ
て、同時に形成しても良い。ただし、本実施形態では、
ループ2aおよび2bを移動させることなく、チューブ
2を、その長手方向に沿って移動させ、ループ2aおよ
び2b自体は、チューブガイド42間の同じ位置に形成
される。
【0049】本実施形態に係る測定装置および測定方法
によれば、チューブ2の成形直後に、チューブ2の曲げ
剛性EIを連続的に測定することができるので、所定以
下の曲げ剛性を持つチューブ2が成形された場合には、
たとえば測定中に、アラーム信号を出し、不良箇所にマ
ーキングする、または、押出機を停止させるなどの動作
も可能である。したがって、不良なチューブの成形を極
力防止することが可能になり、材料の無駄がなくなり、
生産効率が向上する。本実施形態におけるその他の作用
効果は、前記第1実施形態、第2実施形態または第3実
施形態の場合と同様である。
によれば、チューブ2の成形直後に、チューブ2の曲げ
剛性EIを連続的に測定することができるので、所定以
下の曲げ剛性を持つチューブ2が成形された場合には、
たとえば測定中に、アラーム信号を出し、不良箇所にマ
ーキングする、または、押出機を停止させるなどの動作
も可能である。したがって、不良なチューブの成形を極
力防止することが可能になり、材料の無駄がなくなり、
生産効率が向上する。本実施形態におけるその他の作用
効果は、前記第1実施形態、第2実施形態または第3実
施形態の場合と同様である。
【0050】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば本発明の測定方法および測定装
置により測定される柔軟性長尺部材としては、カテーテ
ルチューブ2に限定されるものではなく、その他の用途
のチューブあるいは柔軟性ロッドにも適用することがで
きる。
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば本発明の測定方法および測定装
置により測定される柔軟性長尺部材としては、カテーテ
ルチューブ2に限定されるものではなく、その他の用途
のチューブあるいは柔軟性ロッドにも適用することがで
きる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0052】実施例1 カテーテルチューブとして、外径が0.5mm、肉厚が6
0.5μmの電子線架橋ポリエチレンチューブ3本(N
O,1〜NO,3)を成形した。このチューブをそれぞ
れ、図1に示す測定装置20に取り付け、引張荷重Pと
ループ2aの曲率半径ρとの関係を求めた。その結果
を、図13に示す。なお、図1に示す帯状部材12とし
ては、曲率半径R=50mm、断面幅b=15mm、断面厚
みh=0.5mmの銅箔板を用いた。
0.5μmの電子線架橋ポリエチレンチューブ3本(N
O,1〜NO,3)を成形した。このチューブをそれぞ
れ、図1に示す測定装置20に取り付け、引張荷重Pと
ループ2aの曲率半径ρとの関係を求めた。その結果
を、図13に示す。なお、図1に示す帯状部材12とし
ては、曲率半径R=50mm、断面幅b=15mm、断面厚
みh=0.5mmの銅箔板を用いた。
【0053】図13から、本発明の測定方法によれば、
カテーテルチューブについての荷重と円率半径の関係が
双曲線になり、ループ状にして引張ることにより、軸方
向の微小領域についての曲げ剛性の測定が可能になった
ことが分かる。
カテーテルチューブについての荷重と円率半径の関係が
双曲線になり、ループ状にして引張ることにより、軸方
向の微小領域についての曲げ剛性の測定が可能になった
ことが分かる。
【0054】また、荷重が大きくなると円率半径が急激
に低下していることから、これは円管状のカテーテルチ
ューブが座屈を生じていると考えられる。
に低下していることから、これは円管状のカテーテルチ
ューブが座屈を生じていると考えられる。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、カテーテル用チューブなどの柔軟性長尺部材であっ
ても、それを破壊させることなく、きわめて容易に曲げ
剛性を測定することができる新規な柔軟性長尺部材の曲
げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いられる測
定装置を提供することができる。
ば、カテーテル用チューブなどの柔軟性長尺部材であっ
ても、それを破壊させることなく、きわめて容易に曲げ
剛性を測定することができる新規な柔軟性長尺部材の曲
げ剛性測定方法と、その測定方法に好適に用いられる測
定装置を提供することができる。
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係るチューブの
曲げ剛性測定方法を実施するための測定装置の概略構成
図である。
曲げ剛性測定方法を実施するための測定装置の概略構成
図である。
【図2】 図2は図1に示す測定装置で用いるチューブ
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図3】 図3は図1に示す測定装置で用いる帯状部材
の斜視図である。
の斜視図である。
【図4】 図4は図1に示すチューブにおけるループの
形状を保持させるための透明パネルとCCDカメラとの
関係を示す斜視図である。
形状を保持させるための透明パネルとCCDカメラとの
関係を示す斜視図である。
【図5】 図5はチューブにおけるループの曲率半径と
引張荷重との関係を示す概略図である。
引張荷重との関係を示す概略図である。
【図6】 図6は引張荷重と曲率半径との関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図7】 図7はチューブの斜視図である。
【図8】 図8(A)〜図8(D)は図7に示すチュー
ブの断面図である。
ブの断面図である。
【図9】 図9は本発明の他の実施形態に係る測定方法
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図10】 図10は図9に示す測定方法の原理図であ
る。
る。
【図11】 図11は本発明の他の実施形態に係る測定
方法の原理図である。
方法の原理図である。
【図12】 図12は本発明のさらにその他の実施形態
に係る測定方法を示す概略図である。
に係る測定方法を示す概略図である。
【図13】 図13は本発明の実施例に係る測定方法に
より得られた引張荷重と曲率半径との関係を示すグラフ
である。
より得られた引張荷重と曲率半径との関係を示すグラフ
である。
2… カテーテルチューブ 2a,2b… ループ 10… 引張力測定装置 12… 帯状部材 14… 歪みゲージ 15… 透明パネル 18… CCDカメラ 20… 曲げ剛性測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G061 AA07 AB01 BA07 CA09 CB04 CB05 EA02
Claims (15)
- 【請求項1】 柔軟性長尺部材の長手方向の途中に少な
くとも一つのループを形成し、 前記柔軟性長尺部材の両端を所定荷重で引っ張った状態
で、前記ループにおける所定位置の曲率半径を測定し、 前記曲率半径と前記所定荷重と曲げ剛性との関係式か
ら、前記柔軟性長尺部材の曲げ剛性を測定することを特
徴とする柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法。 - 【請求項2】 前記曲率半径をρとし、前記所定荷重を
Pとし、前記曲げ剛性をEI(ただし、Eはヤング率、
Iは断面二次モーメント)とした場合に、前記関係式
が、次に示す関係式(1)であることを特徴とする請求
項1に記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法。 EI=4×P×ρ2 …(1) - 【請求項3】 前記曲率半径を測定する位置が、前記ル
ープの頂点位置であることを特徴とする請求項1または
2に記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法。 - 【請求項4】 前記柔軟性長尺部材の一端に、所定の曲
率半径を持ち途中に歪みゲージが取り付けられた帯状部
材の一端を取り付け、 前記柔軟性長尺部材の他端と、前記帯状部材の他端とを
相対的に引き離し、前記柔軟性長尺部材の両端に前記所
定荷重を加え、その状態で、前記帯状部材の歪み量を、
前記歪みゲージで読み取り、その歪み量信号に基づき、
前記所定荷重を算出することを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方
法。 - 【請求項5】 前記帯状部材は、半リング状帯状部材ま
たはリング状帯状部材であることを特徴とする請求項4
に記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法。 - 【請求項6】 前記柔軟性長尺部材の途中には、前記所
定荷重が作用する方向からみて、相互に異なる角度位置
となるように、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って
複数のループを形成することを特徴とする請求項1〜5
のいずれかに記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方
法。 - 【請求項7】 前記所定荷重を一定に保ちながら、前記
ループを、前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って移動
させ、各位置での曲率半径を測定することを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の柔軟性長尺部材の曲げ
剛性測定方法。 - 【請求項8】 前記柔軟性長尺部材を成形するための押
出成形機から押し出された前記柔軟性長尺部材に、少な
くとも一つの前記ループを形成し、その後、この柔軟性
長尺部材を巻き取ることを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法。 - 【請求項9】 半リング状またはリング状の帯状部材
と、 前記帯状部材の長手方向途中に装着された歪みゲージ
と、を有する引張力測定装置。 - 【請求項10】 柔軟性長尺部材の長手方向の途中に少
なくとも一つのループを、前記柔軟性長尺部材の長手方
向に沿って相対的に移動させるループ移動手段と、 前記柔軟性長尺部材の少なくとも一端に取り付けられ、
前記柔軟性長尺部材を所定荷重で引っ張る張力付与手段
と、 前記ループにおける所定位置の曲率半径を測定する曲率
半径計測手段と、を有する柔軟性長尺部材の曲げ剛性測
定装置。 - 【請求項11】 前記張力付与手段により前記柔軟性長
尺部材に加えられる所定荷重を計測する荷重計測手段を
さらに有する請求項10に記載の柔軟性長尺部材の曲げ
剛性測定装置。 - 【請求項12】 前記荷重計測手段が、 半リング状またはリング状の帯状部材と、 前記帯状部材の長手方向途中に装着された歪みゲージ
と、を有する請求項11に記載の柔軟性長尺部材の曲げ
剛性測定装置。 - 【請求項13】 柔軟性長尺部材の長手方向の途中に少
なくとも一つのループが形成されるように、前記柔軟性
長尺部材を、その長手方向に移動させる長尺部材移動手
段と、 前記柔軟性長尺部材の長手方向に沿って所定荷重の引張
力が加える張力付与手段と、 前記ループにおける所定位置の曲率半径を測定する曲率
半径計測手段と、を有する柔軟性長尺部材の曲げ剛性測
定装置。 - 【請求項14】 前記張力付与手段が、前記柔軟性長尺
部材を巻き取る巻き取り機であり、前記柔軟性長尺部材
は、押出機から押し出されることを特徴とする請求項1
3に記載の柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定装置。 - 【請求項15】 押出成形機から押出して柔軟性長尺部
材を成形する工程と、前記柔軟性長尺部材を冷却する工
程と、前記柔軟性長尺部材に少なくとも一つのループを
形成して前記柔軟性長尺部材の曲げ剛性率を測定する工
程と、前記柔軟性長尺部材を巻き取る工程と、を有する
柔軟性長尺部材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001095123A JP2002296160A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 柔軟性長尺部材の曲げ剛性測定方法と測定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008175832A (ja) * | 2008-04-10 | 2008-07-31 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 長尺材の曲げ剛性評価方法 |
JP2009139179A (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-25 | Nagoya Institute Of Technology | 計測装置 |
CN110779810A (zh) * | 2019-12-04 | 2020-02-11 | 通鼎互联信息股份有限公司 | 一种柔性光缆松套管柔性性能检测装置及其检测方法 |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001095123A patent/JP2002296160A/ja active Pending
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