JP2002296111A - 対称x型光学系 - Google Patents
対称x型光学系Info
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Abstract
換型分光光度計では、試料の反射率と透過率測定で異な
った光学系を用いているおり、2つの量(反射率と透過
率)を測定するためには、途中で光学系を『差し替え』
なければならい煩雑さがあり、又この『差し替え』は、
測定結果の大きな誤差要因ともなるという問題がある
が、この点を解決するものである。 【解決手段】 4枚の楕円面鏡EM1〜4を対称なX
(エックス)型に配置し、その焦点に試料支持台SHを
もつ対称X型光学系により2つの絶対反射率と2つの絶
対透過率を測定し、それらの測定値を比較して、各々の
測定誤差を求め、光学測定が正確に行われているかどう
かを判断する。さらにこの絶対反射率と絶対透過率から
精度良く物質の光学定数を決定する。
Description
又はフーリエ変換型分光光度計に組み込める、絶対反射
率と絶対透過率の同時測定が可能な対称X型光学系であ
る。
高速大容量光通信や画像処理等、医療産業においてはレ
ーザメスやガン治療等、製造加工業においてはレーザを
用いたナノテクノロジーや同位体分離や表示器照明器
等、学術分野では精密光計測や情報処理技術開発等、現
代生活において非常に重要な技術である。
物質の光学定数(屈折率と消衰係数)、あるいは同じこ
とであるが複素誘電率、の決定である。この2つの未知
数(屈折率と消衰係数)を決定するためには、2つの独
立な測定が必要である。そのひとつの方法は、試料の絶
対反射率と絶対透過率の2つを測り、これらの連立方程
式を解いて光学定数を決定する方法である。これは、直
感的で有用な方法である。
計、及び赤外域用のフーリエ変換型分光光度計では、試
料の反射率と透過率測定で異なった光学系を用いてい
る。このために、2つの量(反射率と透過率)の測定を
するためには、途中で光学系を『差し替え』なければな
らず、煩雑である。さらにこの『差し替え』は、測定結
果の大きな誤差要因でもある。
過)測定には、次のような問題がある。絶対透過率は、
入射光軸上の試料の有・無による光強度の比として求め
られる。この時、入射光の光軸上に試料と検出器を一列
に並べればよいので、測定は容易である。一方、絶対反
射率の測定でも、試料の有・無による光強度の比として
求められる。しかし、試料無しの時は、光は入射光の方
向に進むが、試料有りの時は、反射のために、反射光の
進行方向は元の入射光の方向とは異なる。
移動させる方法(ゴニオメトリック法)と、検出器は固
定のままで追加の鏡を移動させる方法(V−N法やV−
W法)が開発されている。このようにいままでの方法で
は、絶対透過率測定と絶対反射率測定は、全く別の光学
系を用いてきた。このために、両方を測定するには、そ
の度に光学系の『差し替え』が必要であった。さらに、
絶対反射率測定では、検出器か鏡の移動が必要であっ
た。
することを目的とするものであり、広範に用いられてい
る分散型分光光度計(主に、近赤外の波長より短い波長
域で利用されている)やフーリエ変換型分光光度計(主
に、近赤外の波長より長い波長域で利用されている)
で、より簡便に、より精度良く物質の光学定数を決定す
るために、その物質の絶対反射率と絶対透過率を同時に
測定できる対称X型光学系を実現することを課題とする
ものである。
するために、試料に対して対称なX型に配置された4枚
の楕円面鏡を有し、その楕円面鏡から選択された少なく
とも2枚以上の楕円面鏡を組み合わせ、試料に対して表
面と裏面からそれぞれ光を入射することにより、表面入
射と裏面入射に対する絶対反射率及び表面入射と裏面入
射に対する絶対透過率のいずれもが測定可能であり、分
散型分光光度計又はフーリエ変換型分光光度計に組み込
めることを特徴とする対称X型光学系を提供する。
の絶対反射率と2つの絶対透過率をそれぞれ比較して、
測定誤差を求め、この誤差の情報から反射率と透過率測
定が正確におこなわれたかどうか判断できる。
実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明す
る。図1は、本発明に係わる対称X型光学系を説明する
図である。図1に示すように、本発明の対称X型光学系
は、2個のビーム切換器R1、R2と、4個の楕円面鏡
EM1,EM2,EM3,EM4から成る。この4個の
楕円面鏡を対称なX(エックス)型に配置して、その焦
点に試料支持台SHが配置されている。
さの穴がある。一方は試料無しのブランクで、他方はそ
の穴を完全に覆うように試料を取り付ける。このSH
は、光軸上に試料又はブランクが置かれるように、自動
的に切り替わる。この時ビーム切換器(R1とR2)も
連動して動作するように構成されている。この結果、移
動部分が無くなり、従来必要であった『差し替え』も不
要となり、絶対反射率と絶対透過率のデータの再現性も
向上し、測定誤差が小さくなる。
X型光学系とは異なった装置により実施される手法であ
るが、強いて図1を参照して説明すると、楕円面鏡EM
2,EM3とEM4を用いず、ビーム切換器R1は固定
で、入射光を楕円面鏡EM1に送り、この鏡で反射して
試料支持台SHの所に集光する。まず、このSHはブラ
ンクを選び、リファレンス信号を楕円面鏡EM4の代わ
りに検出器を置いて測定する。次に、SHは試料を選
び、サンプル信号を楕円面鏡EM3の代わりに同じ検出
器を移動させて測定する。これらの比として反射率を求
めている。検出器の移動を再現性よくできれば、絶対反
射率を測定できる。
EM3を用いず、試料支持台SHに光を集光するところ
までは、ゴニオメトリック法と同じである。まず、SH
はブランクを選び、リファレンス信号を測定するため
に、ビームを楕円面鏡EM4で集めてビーム切換器R2
に送り、検出器で検出する。次に、SHは試料を選び、
サンプル信号を測定するために、楕円面鏡EM4を楕円
面鏡EM3の位置に移動させ、このEM4でビームを集
めて回転したビーム切換器R2に送り検出器で検出す
る。これらの比として反射率を求めている。このEM4
を移動して、同じEM4で光を反射させて、その比とし
て試料の反射率を測定しているために、このEM4の反
射率を測る必要はない。このEM4の反射率が鏡全体で
一様であるとすると、絶対反射率を測定できる。
楕円面鏡は対称なX(エックス)型に配置されており、
その焦点に試料支持台SHが固定されている。試料の表
面が、楕円面鏡EM1と楕円面鏡EM3で作る面を向
き、さらにこの面に平行になるように置かれている。V
−N法と類似の方法で試料の絶対反射率を、表面と裏面
から測定する。
鏡の組み合わせ』で求まる表面からの絶対反射率をrと
し、次に『EM2,EM3、EM4の楕円面鏡の組み合
わせ』で求まる裏面からの絶対反射率をr’とする。た
だし、この測定のためには、前もって楕円面鏡EM3と
EM4の相対的な反射率を、精度良く求めておかなけれ
ばならない。
いて説明する。分光光度計からの光をビーム切換器R1
が受けて、楕円面鏡EM1に送る。EM1はこの光を試
料支持台SHの所に集光する。リファレンス信号測定の
ためにSHはブランクを選び、全ての光は、楕円面鏡E
M4に送られ、EM4はこの光を集めてビーム切換器R
2に送り、分光光度計の検出器に集められる。この時の
出力をIoとする。
めに試料支持台SHは、試料を選び、入射光は試料によ
り反射されて、楕円面鏡EM3に送られ、EM3はこの
光を集めて回転したビーム切換器R2に送り、分光光度
計の検出器に集められる。この時の出力をIrとする。
表面からの絶対反射率rは、r=Ir/Ioとして求ま
る。
説明する。分光光度計からの光を回転したビーム切換器
R1が受けて、楕円面鏡EM2に送る。EM2はこの光
を試料支持台SHの所に集光する。リファレンス信号測
定のためにSHはブランクを選び、全ての光は、楕円面
鏡EM3に送られ、EM3はこの光を集めてビーム切換
器R2に送り、分光光度計の検出器に集められる。この
時の出力をI’oとする。
めに試料支持台SHは、試料を選び、入射光は試料によ
り反射されて、楕円面鏡EM4に送られ、EM4はこの
光を集めて回転したビーム切換器R2に送り、分光光度
計の検出器に集められる。この時の出力をI’rとす
る。裏面からの絶対反射率r’は、r’=I’r/I’
oとして求まる。前もって測定してある楕円面鏡の相対
反射率を使うと、理想的な試料では、表面からの絶対反
射率と裏面からの絶対反射率は等しい(r=r’)。
らの絶対透過率と、裏面からの絶対透過率を測定する。
まず、楕円面鏡EM1とEM4を用いて、ブランクと試
料有りでそれぞれ光強度を測定し、その比から表面から
の絶対透過率tを求める。次に、楕円面鏡EM2とEM
3を用いて、ブランクと試料有りでそれぞれの光強度を
測定し、その比から裏面からの絶対透過率t’を求め
る。
いて説明する。分光光度計からの光をビーム切換器R1
が受けて、楕円面鏡EM1に送る。EM1はこの光を試
料支持台SHの所に集光する。リファレンス信号測定の
ためにSHはブランクを選び、全ての光は、楕円面鏡E
M4に送られ、EM4はこの光を集めてビーム切換器R
2に送り、分光光度計の検出器に集められる。この時の
出力をIoする。
めに試料支持台SHは、試料を選び、入射光のうち試料
を透過した光が、同じ楕円面鏡EM4に送られ、EM4
はこの光を集めてビーム切換器R2に送り、分光光度計
の検出器に集められる。この時の出力をItとする。表
面からの絶対透過率tは、t=It/Ioして求まる。
説明する。分光光度計からの光を回転したビーム切換器
R1が受けて、楕円面鏡EM2に送る。EM2はこの光
を試料支持台SHの所に集光する。リファレンス信号測
定のためにSHはブランクを選び、全ての光は、楕円面
鏡EM3に送られ、EM3はこの光を集めて回転したビ
ーム切換器R2に送り、分光光度計の検出器に集められ
る。この時の出力をI’oとする。
めに試料支持台SHは、試料を選び、入射光のうち試料
を透過した光が同じ楕円面鏡EM3に送られ、EM3は
この光を集めてビーム切換器R2に送り、分光光度計の
検出器に集められる。この時の出力をI’tとする。裏
面からの絶対透過率t’は、t’=I’t/I’oとし
て求まる。理想的な試料では、表面からの絶対透過率と
裏面からの絶対透過率は等しい(t=t’)。
に比べて、光学系の『差し替え』が無いために、測定時
間を1/2に短縮できる。これに伴う試料の脱着が不要
なため、測定データの再現性に優れており、測定精度の
向上が見込める。さらに標準試料を使わずに絶対反射率
と絶対透過率が測定可能である。そして、一様な試料の
場合、実測値の2つの絶対反射率(rとr’)の差、2
つの絶対透過率(tとt’)の差から、各々の測定誤差
を見積もることも可能となる。この誤差の情報から光学
測定が正しくおこなわれたかどうかを判定できる。
れらの実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記
載の技術事項の範囲内でいろいろ実施例があることは言
うまでもない。
ような構成であるから、今までに市販されている分光光
度計に適した形に改造可能である。各分光器メーカーが
自社分光光度計用に改造した製品を作ると期待できる。
その結果、対称X型光学系は広く社会で使われ、社会・
経済・学術の発展に役立つと期待できる。
の絶対反射率と2つの絶対透過率を測定し、これらから
測定誤差が求まる。この誤差の情報から、光学測定が正
しく行われているかどうかを判定できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 試料に対して対称なX型に配置された
4枚の楕円面鏡を有し、その楕円面鏡から選択された少
なくとも2枚以上の楕円面鏡を組み合わせ、上記試料に
対して表面と裏面からそれぞれ光を入射することによ
り、表面入射と裏面入射に対する絶対反射率及び表面入
射と裏面入射に対する絶対透過率のいずれもが測定可能
であり、分散型分光光度計又はフーリエ変換型分光光度
計に組み込めることを特徴とする対称X型光学系。 - 【請求項2】 上記表面入射と裏面入射に対する絶対
反射率及び表面入射と裏面入射に対する絶対透過率をそ
れぞれ比較して、測定誤差を求め、この誤差の情報から
光学測定が正確におこなわれたかどうか判断できること
を特徴とする対称X型光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001096543A JP3470267B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 対称x型光学系 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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