JP2002295374A - 流体ポンプ - Google Patents

流体ポンプ

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JP2002295374A
JP2002295374A JP2002011191A JP2002011191A JP2002295374A JP 2002295374 A JP2002295374 A JP 2002295374A JP 2002011191 A JP2002011191 A JP 2002011191A JP 2002011191 A JP2002011191 A JP 2002011191A JP 2002295374 A JP2002295374 A JP 2002295374A
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pump
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憲夫 竹花
Kenichi Kubota
賢一 久保田
Kiyoshi Sato
浄 佐藤
Shin Saito
伸 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸入ライン側において圧力変動が生じても、安
定した吐出量が得られ、かつ、小型化できる流体ポンプ
を提供する。 【解決手段】吸入ライン70から燃料を吸入しかつ吐出
ライン80に向け燃料を吐出する流体ポンプとして、電
磁駆動型のプランジャポンプ600を採用し、このプラ
ンジャポンプ600に対して、プランジャ607の軸線
方向と略直角方向に往復動するピストンバルブ612を
一体的に組み込む。ピストンバルブ612の背面(他端
側)には、コイルバネ619の付勢力及び吸入ライン7
0内の燃料の圧力が作用し、プランジャ607により吐
出された燃料が所定の圧力以上のときに吐出ライン80
に向けて燃料を圧送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を圧送する流
体ポンプに関し、特に、流体の吸入ライン側において圧
力変動を生じる流体供給系に好適な流体ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒータの燃料、エンジンの燃料、あるい
はその他の流体を圧送する従来の流体(圧送)ポンプと
しては、ダイヤフラムを往復動させる機械式ポンプ、あ
るいは、ローラベーン式、円周流式、プランジャを電磁
力によりポンピング動作させるソレノイド式等の電気式
ポンプ(プランジャポンプ)等が知られている。
【0003】また、ディーゼルエンジンを搭載した車両
において、エンジンへの燃料を供給する燃料供給系と、
温気、温水等の暖房器に適用されるブースターヒータへ
の燃料を供給する燃料供給系として、図11に示すもの
が知られている。この燃料供給系は、軽油が充填された
燃料タンク1から、エンジン用の燃料を圧送する燃料ポ
ンプ2及び噴射ポンプ3を介して、エンジン4の燃焼室
に燃料が導かれる燃料供給経路と、燃料タンク1からヒ
ータ用の燃料を圧送する流体ポンプとしての燃料ポンプ
5を介して、ブースターヒータ6に燃料が導かれる燃料
供給経路とにより形成されている。すなわち、燃料ポン
プ5は、その吸入側が燃料タンク1から導かれる吸入ラ
イン7に直接接続され、その吐出側が吐出ライン8に接
続されてブースターヒータ6に連通されている。したが
って、燃料ポンプ5は、燃料ポンプ2あるいは噴射ポン
プ3の影響を受けることなく、所望流量の燃料を吐出す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記燃料供
給系において、配管等の簡略化、共用化等により、図1
1において二点差線で示すように、燃料ポンプ2の下流
側に吸入ライン7´を接続し、この吸入ライン7´に燃
料ポンプ5の吸入側を接続して、ブースターヒータ6に
燃料を供給する燃料供給系が考えられる。
【0005】このような燃料供給系では、燃料ポンプ2
あるいは噴射ポンプ3の作動特性により、吸入ライン7
´内に圧力変動が生じる。そして、この圧力変動の影響
により、燃料ポンプ5から吐出される燃料の吐出量にバ
ラツキを生じる。それ故に、ブースターヒータ6には必
要に応じた一定の燃料が供給されず、ヒータ特性が不安
定になる。特に、燃料ポンプ2により圧送される燃料の
圧力が600〜700kPaと高圧になるため、燃料ポ
ンプ5から吐出される燃料の吐出量が著しく増加し、ヒ
ータ6の燃焼には好ましくない。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、装置の小型化、簡略
化等を図りつつ、上流側における吸入ライン内の圧力変
動等の影響を受けることなく、燃料等の流体を所定の吐
出量にて圧送供給できる流体ポンプを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の流体ポンプは、
吸入ラインから流体を吸入しかつ吐出ラインに向け所望
の圧力にて流体を吐出する圧送ポンプと、吐出ラインの
通路を閉鎖する方向に付勢されかつ吐出ラインに向けて
吐出された吐出流体が所定の圧力以上のときに吐出ライ
ンの通路を開放するように配された開閉弁とを備えた流
体ポンプであって、上記開閉弁には、吸入ライン内の流
体の圧力が、吐出流体の圧力に抗する向きから作用する
ように導かれている、ことを特徴としている。この構成
によれば、吸入ラインから吸入された流体は、圧送ポン
プにより所定の圧力に高められて吐出ラインに向けて吐
出される。そして、吐出流体が所定の圧力以上のとき開
閉弁が通路を開放して流体を下流側に向けて供給する。
この際に、開閉弁には、吸入ライン内の流体の圧力が通
路を閉鎖する方向に作用しているため、吸入ライン内の
圧力が変動しても、その変動圧力は開閉弁を開く方向と
閉じる方向の両側から作用してお互いにキャンセルされ
る。故に、開閉弁は、吸入ラインの圧力変動の影響を受
けることなく、所定の吐出圧力によって開弁動作を行な
い、流体の吐出量が安定する。
【0008】上記構成において、吸入ラインは、エンジ
ンの燃料を圧送する燃料ポンプの下流側に連通されてい
る、構成を採用することができる。この構成によれば、
流体ポンプは、エンジンの燃料を圧送する燃料ポンプの
下流側で発生する圧力変動の影響を受けることなく、所
望の対象物(例えば、ブースターヒータ)に対して安定
した吐出量で燃料を供給することができる。
【0009】上記構成において、開閉弁は、一端側に前
記吐出流体の圧力が作用し、かつ、他端側にバネの付勢
力及び吸入ライン内の流体の圧力が作用するように形成
された往復動自在なピストンバルブを有する、構成を採
用することができる。この構成によれば、ピストンバル
ブの一端側に吐出流体の圧力が作用し他端側に吸入ライ
ン内の流体の圧力とバネの付勢力とが作用する。この
際、吸入ライン内の変動圧力は、ピストンバルブの両側
に作用してキャンセルされるため、ピストンバルブは、
予め設定されたバネの付勢力と流体の吐出圧力との力関
係のみにより、通路の開閉動作を行なう。
【0010】上記構成において、圧送ポンプは、回転駆
動力により流体の吸入及び吐出を行なうプランジャを有
するプランジャポンプであり、ピストンバルブは、プラ
ンジャの軸線方向と平行に往復動自在となるように、プ
ランジャポンプに一体的に組み込まれている、構成を採
用できる。この構成によれば、吸入ラインの圧力をキャ
ンセルするピストンバルブを、プランジャポンプに一体
的に組み込んだことにより、取り扱い上の利便性が向上
し、供給ラインを簡素化できる。また、ロータリタイプ
のプランジャの軸線方向と平行にピストンバルブを配置
したことにより、プランジャポンプを小型化できる。
【0011】また、上記構成において、圧送ポンプは、
電磁力により駆動されて往復動し流体の吸入及び吐出を
行なうプランジャを有するプランジャポンプであり、ピ
ストンバルブは、プランジャの軸線方向と略直角に往復
動自在となるように、プランジャポンプに一体的に組み
込まれている、構成を採用できる。この構成によれば、
吸入ラインの圧力をキャンセルするピストンバルブを、
プランジャポンプに一体的に組み込んだことにより、取
り扱い上の利便性が向上し、供給ラインを簡素化でき
る。また、プランジャの軸線方向と略直角方向にピスト
ンバルブを配置したことにより、例えば、吸入口と吐出
口とを一直線上に有し、プランジャがその直線上に沿っ
て往復動するプランジャポンプにおいて、その外径寸法
を抑えつつ全長を極力短く設定でき、全体としてプラン
ジャポンプを小型化できる。
【0012】また、上記構成において、開閉弁は、一方
側の面に吐出流体の圧力が作用し、かつ、他方側の面に
バネの付勢力及び吸入ライン内の流体の圧力が作用する
ように形成されて、吐出ラインの通路を開閉するダイヤ
フラムを有する、構成を採用することができる。この構
成によれば、ダイヤフラムの一方側の面に吐出流体の圧
力が作用し他方側の面に吸入ライン内の流体の圧力とバ
ネの付勢力とが作用する。この際、吸入ライン内の変動
圧力は、ダイヤフラムの両側の面に作用してキャンセル
されるため、ダイヤフラムは、予め設定されたバネの付
勢力と流体の吐出圧力との力関係のみにより、通路の開
閉動作を行なう。特に、吐出ライン側と吸入ライン側と
が、ダイヤフラムを介して完全に遮断されるため、両者
間でのリーク(洩れ)を完全に防止でき、より安定した
吐出量を確保することができる。
【0013】さらに、上記構成において、開閉弁は、伸
縮自在に形成されたベローズと、一方側の面に吐出流体
の圧力が作用しかつ他方側の面にバネの付勢力及び吸入
ライン内の流体の圧力が作用するようにベローズの端部
に形成されて吐出ラインの通路を開閉するシール部とを
有する、構成を採用することができる。この構成によれ
ば、ベローズの端部に位置するシール部の一方側の面に
吐出流体の圧力が作用し他方側の面に吸入ライン内の流
体の圧力とバネの付勢力とが作用する。この際、吸入ラ
イン内の変動圧力は、同一の受圧面積をなすシール部の
両側の面に作用してキャンセルされるため、ベローズ
は、予め設定されたバネの付勢力と流体の吐出圧力との
力関係のみにより伸縮して、シール部が通路の開閉動作
を行なう。特に、吐出ライン側と吸入ライン側とがベロ
ーズ及びシール部を介して完全に遮断されるため、両者
間でのリーク(洩れ)を完全に防止でき、又、シール部
において吐出側と吸入側との受圧面積を同一にすること
が容易であり、これにより、より安定した吐出量を確保
することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1ないし図3
は、本発明に係る流体ポンプの一実施形態を示すもので
あり、図1はシステム図、図2は動作説明図、図3は圧
送ポンプの断面図である。この実施形態に係る流体ポン
プは、ディーゼルエンジンを搭載する車両のブースター
ヒータへの燃料供給に用いられるものである。図1に示
すように、燃料の供給系は、軽油を充填した燃料タンク
10から燃料ポンプ20及び噴射ポンプ30を介して、
エンジン40の燃焼室に燃料が供給されるエンジン側供
給経路と、燃料ポンプ20の下流側でかつ噴射ポンプ3
0の上流側から分岐し、流体ポンプ50を介して、ブー
スターヒータ60に燃料が供給されるヒータ側供給経路
とにより構成されている。
【0015】流体ポンプ50は、圧送ポンプとしてのプ
ランジャポンプ90と、吐出ライン80の通路を開閉す
る開閉弁100とにより構成されている。そして、プラ
ンジャポンプ90の上流側(吸入側)が燃料ポンプ20
の下流側から分岐した吸入ライン70に接続され、プラ
ンジャポンプ90の下流側(吐出側)がブースターヒー
タ60に連通する吐出ライン80に接続されている。ま
た、開閉弁100は、その一端側が吐出ライン80の途
中に(上流側吐出ライン81と下流側吐出ライン82と
の間に)接続され、その他端側が吸入ライン70に接続
されている。
【0016】すなわち、開閉弁100は、図1及び図2
に示すように、シリンダボア101内を往復動自在に配
された弁体としてのピストンバルブ110と、吐出ライ
ン80の通路を閉鎖(上流側吐出ライン81と下流側吐
出ライン82とを遮断)する方向にピストンバルブ11
0を付勢するコイルバネ120と、シリンダボア101
の側面に形成されかつ下流側吐出ライン82に連通する
連通路130とにより形成されている。また、シリンダ
ボア101の一端側は、上流側吐出ライン81に連通さ
れ、シリンダボア101の他端側は、吸入ライン70に
連通されている。
【0017】したがって、プランジャポンプ90から吐
出され上流側吐出ライン81内に導かれた吐出燃料(吐
出流体)の圧力が、ピストンバルブ110の一端側端面
111に作用し、吸入ライン70内の燃料(流体)の圧
力とコイルバネ120の付勢力とが、ピストンバルブ1
10の他端側端面112に作用するようように(吸入ラ
イン70内の燃料の圧力が吐出燃料の圧力に抗する向き
から作用するように)なっており、両側から作用する力
がバランスする位置にピストンバルブ110が留まるよ
うになっている。
【0018】開閉弁100の作用を説明すると、図2
(a)に示すように、プランジャポンプ90が非作動の
状態あるいはプランジャポンプ90から吐出される吐出
燃料の圧力が所定レベル以下の場合は、ピストンバルブ
110がコイルバネ120の付勢力により閉鎖方向に移
動して、吐出ライン80を閉鎖している。
【0019】一方、プランジャポンプ90の揚程圧力を
P、吸入ライン70内の燃料の圧力をPsとすると、プ
ランジャポンプ90が作動して吐出燃料の圧力が所定の
圧力(P+Ps)以上のときに、ピストンバルブ110
がコイルバネ120の付勢力に抗して移動し、吐出ライ
ン80の連通路130を開放する。このとき、図2
(b)に示すように、ピストンバルブ110に対して
は、一端側端面111に吐出燃料の圧力P+Psが作用
し、他端側端面112に吸入ライン70内の燃料の圧力
Psとコイルバネ120の付勢力とが作用している。
【0020】したがって、吸入ライン70内の燃料の圧
力Psは、ピストンバルブ110の両側から作用するた
めお互いに打ち消し合い、ピストンバルブ110に対し
ては圧力Pとコイルバネ120の付勢力のみが作用する
ことになり、両者のバランスにより予め設定された位置
にピストンバルブ110が移動して、所定の吐出量にて
燃料を下流側吐出ライン82に向けて供給することにな
る。
【0021】ここで、吸入ライン70内の燃料に圧力変
動ΔPが生じた場合、上流側吐出ライン81内の吐出燃
料の圧力P+(Ps+ΔP)がピストンバルブ110の
一端側端面111に作用し、吸入ライン70内の燃料の
圧力(Ps+ΔP)がピストンバルブ110の他端側端
面112に作用することになり、上述同様に、吸入ライ
ン70内の燃料の圧力(Ps+ΔP)はお互いに打ち消
し合うことになる。これにより、プランジャポンプ90
は、吸入ライン70内の燃料の圧力変動に影響されるこ
となく、安定した吐出量にて燃料を供給することができ
る。また、開閉弁100が、シリンダボア101内を摺
動するピストンバルブ110とコイルバネ120とによ
り構成されることにより、流体ポンプ50の小型化、構
造の簡略化を行なうことができる。
【0022】圧送ポンプとしてのプランジャポンプ90
は、既知の構成をなすポンプであり、図3に示すよう
に、吸入側パイプ90a、アウタヨーク90b、エンド
ヨーク90c、励磁用のコイル90d、吐出側パイプ9
0e、スリーブ90f、スリーブ90f内に摺動自在に
挿入されたプランジャ91、プランジャ91を上流側に
向けて付勢するコイルバネ92、プランジャ91内の通
路91aを開閉する吸入弁93、吸入弁93を閉鎖方向
に付勢するコイルバネ94、吐出弁95、吐出弁95を
閉鎖方向に付勢するコイルバネ96等により構成されて
いる。
【0023】そして、コイル90dが通電されると、プ
ランジャ91が下流側に移動し、この移動により圧縮さ
れた燃料は、コイルバネ96の付勢力に抗して吐出弁9
5を開放させ、吐出側パイプ90eを経て吐出ライン8
0に供給される。一方、コイル90dへの通電が断たれ
ると、吐出弁95がコイルバネ96の付勢力により通路
を閉鎖すると共に、プランジャ91はコイルバネ92の
付勢力により上流側に向けて移動する。このとき、吸入
弁93を境に、下流側の圧力が上流側の圧力よりも低く
なり、吸入弁93はコイルバネ94の付勢力に抗して開
放され、燃料が下流側に向けて吸入される。これら一連
の動作により、所定の流量の燃料が吸入及び吐出される
ことになる。
【0024】図4は、吸入ライン70内における燃料の
圧力が変化した場合の吐出特性を示すグラフであり、図
11中の二点差線で示す吸入ライン7´に従来のプラン
ジャポンプ90のみを接続した場合の吐出特性を従来の
特性として示し、プランジャポンプ90に開閉弁100
を加えた本発明の流体ポンプ50による吐出特性を本発
明の特性として示している。尚、本発明の特性におい
て、クリアランス大(例えば、15μ程度)とクリアラ
ンス小(たとえば、5μ程度)とのグラフは、開閉弁1
00のピストンバルブ110とシリンダボア101との
間のクリアランス(隙間)の違いによる吐出特性を示し
たものである。この結果から明らかなように、本発明の
流体ポンプ50によれば、吸入ライン70内の圧力が変
動しても、ほぼ一定の吐出量となる。
【0025】図5は、本発明に係る流体ポンプの他の実
施形態を示すものである。この実施形態に係る流体ポン
プ50´は、圧送ポンプとしての前述のプランジャポン
プ90と、ダイヤフラム式の開閉弁200とにより構成
されている。開閉弁200は、図5に示すように、吐出
側空間と吸入側空間とに二分するダイヤフラム210
と、ダイヤフラム210を吐出側空間に向けて付勢する
コイルバネ220とにより構成されている。吐出側空間
には、上流側吐出ライン81と下流側吐出ライン82と
が接続されており、ダイヤフラム210の上方に形成さ
れたシール部211が上流側吐出ライン81の開口部8
1aを開閉するようになっている。一方、吸入側空間に
は、コイルバネ220が配置され、又、吸入ライン70
が接続されている。
【0026】したがって、ダイヤフラム210の一方側
の面には、プランジャポンプ90から吐出される吐出燃
料(吐出流体)の圧力が作用し、ダイヤフラム210の
他方側の面には、コイルバネ220の付勢力と吸入ライ
ン70内の燃料の圧力とが作用するように(吸入ライン
70内の燃料の圧力が吐出燃料の圧力に抗する向きから
作用するように)なっており、両側から作用する力関係
により、シール部211が吐出ライン80の通路を開閉
するようになっている。
【0027】以上の構成からなる開閉弁200を有する
流体ポンプ50´においても、前述の流体ポンプ50と
同様に、吸入ライン70内の燃料に圧力変動ΔPが生じ
た場合、上流側吐出ライン81内の吐出燃料の圧力P+
(Ps+ΔP)がダイヤフラム210の一方側の面に作
用し、吸入ライン70内の燃料の圧力(Ps+ΔP)が
ダイヤフラム210の他方側の面に作用することにな
る。したがって、受圧面積の相違に応じた調整がされる
ことにより、吸入ライン70内の燃料の圧力(Ps+Δ
P)はお互いに打ち消されることになる。これにより、
プランジャポンプ90は、吸入ライン70内の燃料の圧
力変動に影響されることなく、安定した吐出量にて燃料
を供給することができる。特に、ダイヤフラム210に
より、吐出側空間と吸入側空間とが完全に遮断されてい
るため、両者間でのリーク(洩れ)が無く、より安定し
た吐出特性を得ることができる。
【0028】図6は、本発明に係る流体ポンプのさらに
他の実施形態を示すものである。この実施形態に係る流
体ポンプ50´´は、圧送ポンプとしての前述のプラン
ジャポンプ90と、ベローズ式の開閉弁300とにより
構成されている。開閉弁300は、図6に示すように、
吐出側空間と吸入側空間とに二分すると共に一方向に伸
縮自在なベローズ310と、ベローズ310を吐出側空
間に向けて付勢するコイルバネ320とにより構成され
ている。吐出側空間には、上流側吐出ライン81と下流
側吐出ライン82とが接続されており、ベローズ310
の上方端部に形成されたシール部311が上流側吐出ラ
イン81の開口部領域を開閉するようになっている。一
方、吸入側空間には、コイルバネ320が配置され、
又、吸入ライン70が接続されている。
【0029】したがって、ベローズ310の上端に位置
するシール部311においては、その上面には、プラン
ジャポンプ90から吐出される吐出燃料(吐出流体)の
圧力が作用し、その下面には、コイルバネ320の付勢
力と吸入ライン70内の燃料の圧力とが作用するように
(吸入ライン70内の燃料の圧力が吐出燃料の圧力に抗
する向きから作用するように)なっており、両側から作
用する力関係により、シール部311が吐出ライン80
の通路を開閉するようになっている。
【0030】以上の構成からなる開閉弁300を有する
流体ポンプ50´´においても、前述の流体ポンプ5
0,50´と同様に、吸入ライン70内の燃料に圧力変
動ΔPが生じた場合、上流側吐出ライン81内の吐出燃
料の圧力P+(Ps+ΔP)がシール部311の一方側
の面(上面)に作用し、吸入ライン70内の燃料の圧力
(Ps+ΔP)がシール部311の他方側の面(下面)
に作用することになる。この構成においては、特に、シ
ール部311における吐出側と吸入側との受圧面積が同
一であるため、吸入ライン70内の燃料の圧力(Ps+
ΔP)は、このシール部311を境にお互いに打ち消さ
れることになる。これにより、プランジャポンプ90
は、吸入ライン70内の燃料の圧力変動に影響されるこ
となく、安定した吐出量にて燃料を供給することができ
る。また、ベローズ310及びシール部311により、
吐出側空間と吸入側空間とが完全に遮断されているた
め、両者間でのリーク(洩れ)が無く、より安定した吐
出特性を得ることができる。
【0031】図7及び図8は、本発明に係る流体ポンプ
のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態
に係る流体ポンプは、開閉弁を一体的に組み込んだプラ
ンジャポンプ(圧送ポンプ)500からなるものであ
る。すなわち、プランジャポンプ500は、回転及び往
復動により燃料の吸入及び吐出を行なうロータリ形式の
ものであり、図7及び図8に示すように、吸入ライン7
0に接続される吸入側パイプ501、吐出ライン80に
接続される吐出側パイプ502、燃料の通路を画定する
本体503、本体503内に配置されたプランジャ50
4、圧力のキャンセル作用をなす開閉弁としてのピスト
ンバルブ505及びコイルバネ517、プランジャ50
4に回転駆動力を及ぼすステップモータ550等を備え
ている。
【0032】図7及び図8に示すように、吸入側パイプ
501には、吸入通路501aが形成され、その途中に
フィルタ501bが配置されている。吐出側パイプ50
2には、吐出通路502aが形成され、その途中には、
吐出通路502aを開閉するストップ弁506及びスト
ップ弁506を閉鎖方向に付勢するコイルバネ506a
が配置されている。ストップ弁506は、下流側が昇圧
されたときに燃料の逆流を防止する。
【0033】本体503には、図7及び図8に示すよう
に、吸入通路501a及び吐出通路502aに対して略
垂直方向に伸長する軸線をもつ円筒状の案内路507が
形成され、案内路507の周りには燃料通路508が形
成されている。そして、プランジャ504が案内路50
7に挿入されて、往復動かつ回動自在に支持されてい
る。
【0034】プランジャ504は、図7及び図8に示す
ように、案内路507に摺動自在に嵌合された拡径部5
04aと軸受509により回動自在に支持された縮径部
504bとにより形成され、縮径部504bの先端には
マグネット510が固着されている。一方、拡径部50
4aには、燃料通路504cが形成され、さらに燃料通
路504cに連通すると共に端部にて開口する挿入部5
04dが形成され、挿入部504dには、サブプランジ
ャ511が往復動自在に嵌合されている。燃料通路50
4cは、プランジャ504が所定の回転角度の範囲にあ
るとき、案内路507に開口する連通孔507aを通し
て、燃料通路508と連通し得るようになっている。
【0035】サブプランジャ511には、図8に示すよ
うに、その外側にキャップ512が固着され、キャップ
512とプランジャ504(拡径部504a)との間に
コイルバネ513が配置されている。サブプランジャ5
11の外側端面は、コイルバネ513の付勢力により、
本体503に固着されたカバー514に当接した状態で
保持されている。すなわち、サブプランジャ511は、
コイルバネ513により、プランジャ504の挿入部5
04dから飛び出す方向に付勢されている。
【0036】プランジャ504の拡径部504aと縮径
部504bの境には、図8に示すように、プランジャ5
04の軸線方向においてカム作用をなすカム面504e
が形成されている。カム面504eは、コイルバネ51
3の付勢力により、本体503に植設されたピン515
に常時接触している。したがって、プランジャ504が
回転すると、カム面504eとピン515とのカム作用
により、プランジャ504が軸線方向に往復動して、サ
ブプランジャ511の右側端面511aと燃料通路50
4cとの間に画定される挿入部504dの空間が膨縮す
るようになっている。
【0037】案内路507の下方には、その軸線方向と
平行に伸長する円筒状の案内路516が形成され、案内
路516に対してピストンバルブ505が往復動自在に
嵌合されている。また、案内路516の右側には燃料通
路516aが形成され、ピストンバルブ505の右側端
面505aが面している。そして、燃料通路516a
は、プランジャ504が所定の回転角度の範囲にあると
き、燃料通路504cと連通し得るようになっている。
【0038】一方、ピストンバルブ505の左側端面5
05bとカバー514との間には、コイルバネ517が
配置されて、ピストンバルブ505が案内路516の内
部に向けて付勢されている。案内路516の下側には、
連通孔516bが形成されており、コイルバネ517の
付勢力に抗して、ピストンバルブ505が左向きの所定
位置まで移動すると、連通孔516bを介して燃料通路
516aと吐出通路502aとが連通するようになって
いる。
【0039】したがって、プランジャ504が回転し
て、吸入通路501a、燃料通路508を介して燃料を
吸入し、かつ、燃料通路516aに向けて加圧した燃料
を吐出すると、その吐出圧によりピストンバルブ505
がコイルバネ517の付勢力に抗して左向きに移動させ
られる。そして、加圧された燃料が、連通孔516bを
通して燃料通路516aから吐出通路502aに流れ出
る。
【0040】この際、ピストンバルブ505の右側端面
505a(一方側)には、プランジャ504のポンプ作
用により吐出される燃料(吐出流体)の圧力が作用し、
ピストンバルブ505の左側端面505b(他端側)に
は、コイルバネ517の付勢力と燃料通路508内の燃
料の圧力すなわち吸入ライン70内の燃料の圧力とが、
吐出燃料の圧力に抗する向きから作用するようになって
おり、吐出時において、ピストンバルブ505は両側か
ら作用する力がバランスする位置に留まる。
【0041】ステップモータ550は、図7に示すよう
に、モータ部551、ロータ552、ロータ552を囲
繞する樹脂製のカバーキャップ553等により形成され
ている。ロータ552は円筒状をなし、その内周面に
は、プランジャ504のマグネット510と吸引及び反
発をなすマグネットあるいは磁性材料からなる作用片5
52aが固着されている。
【0042】カバーキャップ553は、プランジャ50
4のマグネット510を収容する凹部553aを有し、
シール部材554を介して、本体503に結合されてい
る。上記のように結合されたステップモータ550は、
プランジャ504に対して、非接触すなわちマグネット
カップリングにより回転駆動力を及ぼすようになってい
る。したがって、燃料が仮に燃料通路508から軸受5
09を通って凹部553a内に漏れ出たとしても、凹部
553aから外部あるいはステップモータ550の内部
には漏れないように密閉(シール)されている。
【0043】次に、上記プランジャポンプ(流体ポン
プ)500の動作について説明する。先ず、ステップモ
ータ550が駆動されて、ロータ552が回転すると、
マグネット510を介してプランジャ504が回転する
と共に、カム面504eの作用によりプランジャ504
が軸線方向右向きに移動し、サブプランジャ511の先
端に位置する挿入部504dの空間が膨張し始める。こ
れにより、吸入通路501aから燃料通路508に導か
れた燃料は、連通孔507aを通って燃料通路504c
及び挿入部504dに吸入される。
【0044】さらにプランジャ504が回転すると、燃
料通路504cが連通孔507aから逸脱して案内路5
07の内壁面により閉塞されると共に、カム面504e
の作用によりプランジャ504が軸線方向左向きに移動
し、サブプランジャ511と協働して燃料通路504c
及び挿入部504d内の燃料を圧縮し始める。
【0045】そして、プランジャ504が所定の回転角
度位置に達した時点で、燃料通路504cが燃料通路5
16aと連通する。これにより、加圧された燃料は、ピ
ストンバルブ505の右側端面505aに作用し、コイ
ルバネ517の付勢力に抗してピストンバルブ505を
軸線方向左向きに移動させる。
【0046】そして、ピストンバルブ505が所定量移
動した時点で、燃料通路516aが吐出通路502aに
連通する。これにより、加圧された燃料は、ストップ弁
506を開放させて、吐出通路502aから吐出ライン
80に圧送される。
【0047】上記のプランジャポンプ(流体ポンプ)5
00においても、前述の流体ポンプ50,50´,50
´´と同様に、吸入ライン70(吸入通路501a及び
燃料通路508)内の燃料に圧力変動ΔPが生じた場
合、燃料通路504c,516a内の吐出燃料の圧力P
+(Ps+ΔP)がピストンバルブ505の右側端面5
05aに作用し、吸入ライン70(吸入通路501a及
び燃料通路508)内の燃料の圧力(Ps+ΔP)がピ
ストンバルブ505の左側端面505bに作用すること
になり、前述同様に、吸入ライン70内の燃料の圧力
(Ps+ΔP)はお互いに打ち消し合うことになる。
【0048】これにより、プランジャポンプ500は、
吸入ライン70内の燃料の圧力変動等に影響されること
なく、安定した吐出量にて燃料を供給することができ
る。また、開閉弁としてのピストンバルブ505及びコ
イルバネ517が、プランジャポンプ500の一部とし
て本体503内に組み込まれているため取り扱い上の利
便性が向上すると共に、燃料の供給ラインを簡素化で
き、又、案内路507すなわちプランジャ504の軸線
方向と平行な方向に往復動自在となるように配置されて
いるため、プランジャポンプ500を小型化できる。
【0049】図9は、本発明に係る流体ポンプのさらに
他の実施形態を示すものである。この実施形態に係る流
体ポンプは、開閉弁が一体的に組み込まれかつ電磁力に
より往復動されるプランジャを備えたプランジャポンプ
(圧送ポンプ)600からなるものである。このプラン
ジャポンプ600は、図9に示すように、吸入ライン7
0に接続される吸入側パイプ601、燃料通路を画定す
るケース602、アウタヨーク603、インナーヨーク
604,605、ケース602及びインナーヨーク60
4,605に嵌合されたスリーブ606、スリーブ60
6内でかつケース602及びインナーヨーク604に摺
動自在に支持されて軸線方向に往復動自在なプランジャ
607、インナーヨーク604内の燃料通路に配置され
た吸入弁608及び吐出弁609、スリーブ606の外
側において巻回された励磁用のコイル610、インナー
ヨーク605を収容するケース611、インナーヨーク
605内において往復動自在に配置された開閉弁として
のピストンバルブ612及びコイルバネ619、吐出ラ
イン80に接続される吐出側パイプ613、吐出側パイ
プ613内に配置されたストップ弁614等を備えてい
る。ストップ弁614は、上流側が昇圧されたときに燃
料の逆流を防止する。
【0050】吸入側パイプ601には、吸入通路601
aが形成され、その途中にフィルタ601bが配置され
ている。吐出側パイプ613には、吐出通路613aが
形成され、その途中には、吐出通路613aを開閉する
ストップ弁614及びストップ弁614を閉鎖方向に付
勢するコイルバネ614aが配置されている。ストップ
弁614には、吐出通路613aと連通する燃料通路6
14bが形成され、燃料通路614bの上流側に、コイ
ルバネ614aが配置されている。
【0051】ケース602には、プランジャ607を摺
動自在に案内する案内路602aが形成され、案内路6
02aの上流側には通路形成部材615及びそれに隣接
してストッパゴム616が配置されている。通路形成部
材615には、吸入通路601aに連通する燃料通路6
15a及び燃料通路615aから径方向に伸長する燃料
通路615bが形成されている。また、案内路602a
の内壁面には、スリーブ606により画定される燃料通
路606aと燃料通路615bとを連通させる溝状の燃
料通路602bが形成されている。
【0052】インナーヨーク604には、プランジャ6
07を摺動自在に案内する案内路604aが形成され、
案内路604aの下流側には、吸入弁608及び吸入弁
608を上流側に向けて付勢するコイルバネ608aが
配置されている。インナーヨーク604の上流側端面に
は、ストッパゴム617が配置されている。また、イン
ナーヨーク604の外周面には、燃料通路606aに連
通する溝状の燃料通路604bが形成されている。
【0053】プランジャ607には、軸心を貫通する燃
料通路607aが形成されており、燃料通路607aの
上流端は燃料通路615aに連通し、一方、燃料通路6
07aの下流端は、吸入弁608により開閉されるよう
になっている。プランジャ607とインナーヨーク60
4との間には、コイルバネ618が配置されて、プラン
ジャ607を上流側に向けて常時付勢している。
【0054】インナーヨーク605には、燃料通路60
4aに連通され得る燃料通路605a、燃料通路604
bに連通する燃料通路605b、ピストンバルブ612
を摺動自在に案内する案内路605c等が形成されてい
る。案内路605cは、プランジャ607の軸線方向と
略直角方向に、ピストンバルブ612を往復動自在に案
内するように形成されている。
【0055】ピストンバルブ612は、その右側端面
(一端側)612aが燃料通路605aに面し、その左
側端面(他端側)612bが燃料通路605bに面して
いる。そして、左側端面612bには、ピストンバルブ
612を常時右向きに付勢するコイルバネ619が配置
されている。ピストンバルブ612には、右側端面61
2aに開口するT字状の燃料通路612cが形成されて
おり、ピストンバルブ612がコイルバネ619の付勢
力に抗して左向きに所定量移動することで、燃料通路6
05dを介して燃料通路614bに連通し得るようにな
っている。
【0056】すなわち、ピストンバルブ612の右側端
面612aには、プランジャ607のポンプ作用により
吐出される燃料(吐出流体)の圧力が作用し、ピストン
バルブ612の左側端面612bには、コイルバネ61
9の付勢力と燃料通路601a,615a,615b,
602b,606a,604b,605b内の燃料の圧
力すなわち吸入ライン70内の燃料の圧力とが、吐出燃
料の圧力に抗する向きから作用するようになっており、
吐出時において、ピストンバルブ612は、両側から作
用する力がバランスする位置に留まる。
【0057】次に、上記プランジャポンプ600の動作
について説明する。先ず、コイル610への非通電状態
において、プランジャ607はコイルバネ618に付勢
されて移動範囲の上流端に(すなわち、ストッパゴム6
16に当接した位置に)位置し、ピストンバルブ61
2、吸入弁608、吐出弁609、及びストップ弁61
4は全て閉鎖位置に位置している。
【0058】ここで、コイル610が通電されると、ア
ウターヨーク603〜ケース602〜プランジャ607
〜インナーヨーク604〜インナーヨーク605〜スト
ップ弁614〜吐出側パイプ613〜アウターヨーク6
03において磁路が形成され、プランジャ607とイン
ナーヨーク604との間で発生する電磁力(吸引力)に
より、プランジャ607はストッパゴム617に当接す
るまで下流側に向けて移動する。そして、電磁力により
ストップ弁614も上流側へ移動して開弁し、燃料通路
605dと吐出通路613aとを連通させる。
【0059】これにより、燃料通路604a内の燃料が
加圧されて吐出弁609が開弁し、かつ、加圧された燃
料が右側端面612aに作用し、コイルバネ619の付
勢力に抗して、ピストンバルブ612を左向きに移動さ
せる。このとき、ピストンバルブ612の左側端面61
2bには、燃料通路615b,602b,606a,6
04b,605bを通して、吸入通路601a(吸入ラ
イン70)内の燃料の圧力が作用している。そして、燃
料通路612cが燃料通路605dに連通すると、加圧
された燃料は、燃料通路614bに流れ込んで、吐出通
路613aから吐出ライン80に向けて圧送される。
【0060】一方、コイル610への通電が断たれる
と、それに同期して、ストップ弁614がコイルバネ6
14aの付勢力により上流側に移動して燃料通路を閉鎖
し、吐出弁609がコイルバネ609aの付勢力により
燃料通路を閉鎖すると共に、プランジャ607はコイル
バネ618の付勢力により上流側に向けて移動する。こ
のとき、吸入弁608を境に、下流側の圧力が上流側の
圧力よりも低くなり、吸入弁608はコイルバネ608
aの付勢力に抗して開放され、燃料が下流側に向けて吸
入される。これら一連の動作により、所定の流量の燃料
が吸入及び吐出されることになる。
【0061】このプランジャポンプ(流体ポンプ)60
0においても、前述の流体ポンプ50,50´,50´
´,500と同様に、吸入ライン70(吸入通路601
a及び燃料通路615a)内の燃料に圧力変動ΔPが生
じた場合、燃料通路605a内の吐出燃料の圧力P+
(Ps+ΔP)がピストンバルブ612の右側端面61
2aに作用し、吸入ライン70(吸入通路601a及び
燃料通路615a)内の燃料の圧力(Ps+ΔP)がピ
ストンバルブ612の左側端面612bに作用すること
になり、前述同様に、吸入ライン70内の燃料の圧力
(Ps+ΔP)はお互いに打ち消し合うことになる。
【0062】これにより、プランジャポンプ600は、
吸入ライン70内の燃料の圧力変動等に影響されること
なく、安定した吐出量にて燃料を供給することができ
る。特に、図10に示すように、開閉弁としてのピスト
ンバルブ612を組み込まない従来のプランジャポンプ
を流体ポンプとして適用した従来例に比べ、ピストンバ
ルブ612を組み込んだプランジャポンプ600を適用
した本発明では、吸入ライン70内の燃料の圧力変動に
拘わらず、吐出される燃料流量が略一定となることが理
解される。
【0063】また、開閉弁としてのピストンバルブ61
2及びコイルバネ619が、プランジャポンプ600の
一部としてインナーヨーク605内に組み込まれている
ため取り扱い上の利便性が向上すると共に燃料の供給ラ
インを簡素化でき、又、プランジャ607の往復動方向
(軸線方向)と略直角方向に往復動自在となるように配
置されているため、その外径寸法を抑えつつ全長を極力
短く設定でき、全体としてプランジャポンプを小型化で
きる。
【0064】上記実施形態においては、流体ポンプ5
0,50´,50´´の一部を構成する圧送ポンプとし
てプランジャポンプ90、あるいは、開閉弁を一体的に
組み込んだプランジャポンプ500,600を示した
が、これに限定されるものではなく、その他従来の機械
式あるいは電気式の流体ポンプ(圧送ポンプ)を適用す
ることができる。
【0065】また、上記実施形態においては、流体ポン
プ50,50´,50´´,500,600を適用する
流体供給系として、ブースターヒータ60に燃料を供給
する燃料供給系を示したが、これに限定されるものでは
なく、吸入ラインにおいて圧力変動等の影響を受ける供
給系であれば、流体が軽油に限らず、燃料としてのガソ
リン、あるいは、作動媒体としてのオイル、さらには、
水、蒸気、ガス(気体)等を流体として供給する供給系
にも適用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の流体ポンプ
によれば、吸入ラインから流体を吸入しかつ吐出ライン
に向け所望の圧力にて流体を吐出する圧送ポンプと、吐
出ラインの通路を閉鎖する方向に付勢されかつ吐出ライ
ンに向けて吐出された吐出流体が所定の圧力以上のとき
に吐出ラインの通路を開放するように配された開閉弁と
を備え、開閉弁に対して、吸入ライン内の流体の圧力が
吐出流体の圧力に抗する向きから作用するように導かれ
ていることにより、吸入ライン側に圧力変動を生じるよ
うな流体供給系においても、その圧力変動の影響を受け
ることなくあるいは影響が抑制されて、所望の安定した
吐出量にて流体を供給することができる。特に、車両に
おけるエンジンへの燃料供給系の途中から分岐した経路
を吸入ラインとしたヒータへの燃料供給系に適用する場
合は、燃料供給系での脈動等による圧力変動の影響を受
けることなく、安定した燃料をヒータに供給することが
できる。
【0067】また、流体ポンプを構成する開閉弁を、ピ
ストンバルブ及びバネ等により形成することにより、装
置の小型化、簡略化が行なえ、又、ダイヤフラムあるい
はベローズ等により形成することにより、吐出側と吸入
側との間のリークを防止でき、より安定した吐出特性を
得ることができる。さらに、吸入ラインの圧力変動等を
キャンセルする開閉弁をプランジャポンプに一体的に組
み込んで流体ポンプを構成することにより、供給ライン
の簡素化、取り扱い上の利便性の向上、流体ポンプの小
型化等を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体ポンプを示す概略システム図
である。
【図2】流体ポンプの一部を構成する開閉弁の作動原理
を説明するものであり、(a)は圧送ポンプが非作動の
状態における開閉弁の状態、(b)は圧送ポンプが作動
した状態における開閉弁の状態を示す図である。
【図3】流体ポンプの一部を構成する圧送ポンプを示す
断面図である。
【図4】流体ポンプの吐出特性を示す図である。
【図5】本発明に係る流体ポンプの他の実施形態を示す
概略システム図である。
【図6】本発明に係る流体ポンプのさらに他の実施形態
を示す概略システム図である。
【図7】本発明に係る流体ポンプとして、開閉弁をプラ
ンジャポンプに一体的に組み込んだ実施形態を示す概略
構成断面図である。
【図8】図7に示すプランジャポンプの一部を拡大した
拡大断面図である。
【図9】本発明に係る流体ポンプとして、開閉弁をプラ
ンジャポンプに一体的に組み込んだ他の実施形態を示す
概略構成断面図である。
【図10】図9に示すプランジャポンプの吐出性能を示
すグラフである。
【図11】従来の燃料供給系における流体ポンプを示す
概略システム図である。
【符号の説明】
10 燃料タンク 20 燃料ポンプ 30 噴射ポンプ 40 エンジン 50,50´,50´´ 流体ポンプ 60 ブースターヒータ 70 吸入ライン 80 吐出ライン 81 上流側吐出ライン 82 下流側吐出ライン 90 プランジャポンプ(圧送ポンプ) 100 開閉弁 101 シリンダボア 110 ピストンバルブ 111 一端側端面 112 他端側端面 120,220,320 コイルバネ 130 連通路 200,300 開閉弁 210 ダイヤフラム 211 シール部 310 ベローズ 311 シール部 500 プランジャポンプ(圧送ポンプ) 501a 吸入通路 502a 吐出通路 503 本体 504 プランジャ 504c 燃料通路 504d 挿入部 504e カム面 505 ピストンバルブ 505a 右側端面(一端側) 505b 左側端面(他端側) 506 ストップ弁 506a,513,517 コイルバネ 507 案内路 507a 連通孔 508,516a,516b, 燃料通路 510 マグネット 511 サブプランジャ 515 ピン 516,605c 案内路 550 ステップモータ 600 プランジャポンプ(圧送ポンプ) 601a 吸入通路 603 アウターヨーク 604,605 インナーヨーク 604a,604b,605a,605b,605d
燃料通路 606 スリーブ 606a,607a,612c,614b,615a,
615b 燃料通路 607 プランジャ 608 吸入弁 608a,609a,614a,618,619 コイ
ルバネ 609 吐出弁 610 励磁用のコイル 612 ピストンバルブ 612a 右側端面(一端側) 612b 左側端面(他端側) 613a 吐出通路 614 ストップ弁 615 通路形成部材 616,617 ストッパゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 9/00 F04B 9/04 C 9/04 13/00 A 13/00 21/02 D (72)発明者 佐藤 浄 岩手県岩手郡滝沢村滝沢字外山309番地 株式会社ミクニアデック内 (72)発明者 斎藤 伸 岩手県岩手郡滝沢村滝沢字外山309番地 株式会社ミクニアデック内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 BA12 BA67 CA05T CA09 CE22 3H071 AA07 BB01 CC47 DD03 DD06 DD12 DD13 DD14 DD84 3H075 AA03 BB03 BB04 BB12 BB30 CC11 CC36 CC40 DA03 DA04 DA05 DA06 DB03 DB08 DB24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入ラインから流体を吸入しかつ吐出ラ
    インに向け所望の圧力にて流体を吐出する圧送ポンプ
    と、前記吐出ラインの通路を閉鎖する方向に付勢されか
    つ前記吐出ラインに向けて吐出された吐出流体が所定の
    圧力以上のときに前記吐出ラインの通路を開放するよう
    に配された開閉弁と、を備えた流体ポンプであって、 前記開閉弁には、前記吸入ライン内の流体の圧力が、前
    記吐出流体の圧力に抗する向きから作用するように導か
    れている、ことを特徴とする流体ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記吸入ラインは、エンジンへの燃料を
    圧送する燃料ポンプの下流側に連通されている、ことを
    特徴とする請求項1記載の流体ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記開閉弁は、一端側に前記吐出流体の
    圧力が作用し、かつ、他端側にバネの付勢力及び前記吸
    入ライン内の流体の圧力が作用するように形成された往
    復動自在なピストンバルブを有する、ことを特徴とする
    請求項1又は2記載の流体ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記圧送ポンプは、回転駆動力により流
    体の吸入及び吐出を行なうプランジャを有するプランジ
    ャポンプであり、 前記ピストンバルブは、前記プランジャの軸線方向と平
    行に往復動自在となるように、前記プランジャポンプに
    一体的に組み込まれている、ことを特徴とする請求項3
    記載の流体ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記圧送ポンプは、電磁力により駆動さ
    れて往復動し流体の吸入及び吐出を行なうプランジャを
    有するプランジャポンプであり、 前記ピストンバルブは、前記プランジャの軸線方向と略
    直角方向に往復動自在となるように、前記プランジャポ
    ンプに一体的に組み込まれている、ことを特徴とする請
    求項3記載の流体ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記開閉弁は、一方側の面に前記吐出流
    体の圧力が作用し、かつ、他方側の面にバネの付勢力及
    び前記吸入ライン内の流体の圧力が作用するように形成
    されて、前記吐出ラインの通路を開閉するダイヤフラム
    を有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の流体
    ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記開閉弁は、伸縮自在に形成されたベ
    ローズと、一方側の面に前記吐出流体の圧力が作用しか
    つ他方側の面にバネの付勢力及び前記吸入ライン内の流
    体の圧力が作用するように前記ベローズの端部に形成さ
    れて前記吐出ラインの通路を開閉するシール部とを有す
    る、ことを特徴とする請求項1又は2記載の流体ポン
    プ。
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