JP2002293795A - シトクロムcに対して結合性を有するペプチド - Google Patents
シトクロムcに対して結合性を有するペプチドInfo
- Publication number
- JP2002293795A JP2002293795A JP2001100764A JP2001100764A JP2002293795A JP 2002293795 A JP2002293795 A JP 2002293795A JP 2001100764 A JP2001100764 A JP 2001100764A JP 2001100764 A JP2001100764 A JP 2001100764A JP 2002293795 A JP2002293795 A JP 2002293795A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pro
- ser
- amino acid
- thr
- cytochrome
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 試料中のシトクロムCに対して結合性を有
し、シトクロムC検出用として有用であり、化学合成に
よって容易かつ安価に製造可能なペプチド、及びこのペ
プチドを用いたシトクロムCの検出方法の提供。 【解決手段】 下記配列番号:(I)〜(XII)のア
ミノ酸配列又はその変異配列の少なくとも1つからな
り、シトクロムCに対する結合性を有するペプチドをシ
トクロムC検出用として用いる。
し、シトクロムC検出用として有用であり、化学合成に
よって容易かつ安価に製造可能なペプチド、及びこのペ
プチドを用いたシトクロムCの検出方法の提供。 【解決手段】 下記配列番号:(I)〜(XII)のア
ミノ酸配列又はその変異配列の少なくとも1つからな
り、シトクロムCに対する結合性を有するペプチドをシ
トクロムC検出用として用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シトクロムCに対して
結合性を有するペプチド及びそれを用いたシトクロムC
検出方法に関する。
結合性を有するペプチド及びそれを用いたシトクロムC
検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シトクロムCは広義にはヘムcを補欠分
子族とするシトクロムのうち、生理的にシトクロムCオ
キシダーゼ(あるいはそれに準じる酵素ならびに光合成
生物の光化学中心)に対する直接の直接の電子供与体と
なっているモノヘムシトクロムをいうが、ここでは特に
ミトコンドリアのシトクロムCを対象とする。シトクロ
ムCは、心臓の血液循環の異常や心臓の障害等による、
酸素欠乏常態にある心筋の酸素利用を高める薬として利
用されている。
子族とするシトクロムのうち、生理的にシトクロムCオ
キシダーゼ(あるいはそれに準じる酵素ならびに光合成
生物の光化学中心)に対する直接の直接の電子供与体と
なっているモノヘムシトクロムをいうが、ここでは特に
ミトコンドリアのシトクロムCを対象とする。シトクロ
ムCは、心臓の血液循環の異常や心臓の障害等による、
酸素欠乏常態にある心筋の酸素利用を高める薬として利
用されている。
【0003】投与されたシトクロムCの血中における濃
度は、例えば特開平06-130061号公報に開示されている
ように、モノクローナル抗体を用いたイムノアッセイに
よって測定されている。
度は、例えば特開平06-130061号公報に開示されている
ように、モノクローナル抗体を用いたイムノアッセイに
よって測定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】イムノアッセイに用い
られるモノクローナル抗体は抗体産生細胞を細胞融合法
によって骨髄腫細胞と融合させてクローニングし、目的
とする抗体を産生する単一クローンの細胞を分離するこ
とによって調製されるが、一般に高価である。このた
め、化学合成された、安価なシトクロムCに結合性を有
するペプチドが求められていた。
られるモノクローナル抗体は抗体産生細胞を細胞融合法
によって骨髄腫細胞と融合させてクローニングし、目的
とする抗体を産生する単一クローンの細胞を分離するこ
とによって調製されるが、一般に高価である。このた
め、化学合成された、安価なシトクロムCに結合性を有
するペプチドが求められていた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は試料中の
シトクロムCに対して特異的な結合性を有するペプチド
及びそれを用いたチトクロムCの検出方法を提供するこ
とである。
シトクロムCに対して特異的な結合性を有するペプチド
及びそれを用いたチトクロムCの検出方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のペプチドは、以
下のアミノ酸配列(I)〜(XII)及びこれらのアミノ
酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシトクロムCに対
する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置換もしくは付
加されたアミノ酸配列からなる群から選択された少なく
とも1つのアミノ酸配列からなることを特徴とするペプ
チドである。
下のアミノ酸配列(I)〜(XII)及びこれらのアミノ
酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシトクロムCに対
する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置換もしくは付
加されたアミノ酸配列からなる群から選択された少なく
とも1つのアミノ酸配列からなることを特徴とするペプ
チドである。
【0007】 Trp-Pro-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr(I)(配列番号:1) Trp-Arg-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr(II)(配列番号:2) Trp-Pro-Ser-Tyr-Pro-Ser-Tyr-Asn-Arg-Ile-His-Ser(III)(配列番号:3) Thr-Ser-Trp-Thr-Ile-Ala-Pro-Ser-Arg-Thr-Leu-Tyr(IV)(配列番号:4) Thr-Ser-Pro-Asp-Arg-Pro-Ser-Met-Leu-His-Thr-Tyr(V)(配列番号:5) Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-Pro-Gly(VI)(配列番号:6) Lys-Cys-Cys-Phe-Ser-Ala-Ala-Pro-Pro-Val-Ile-Pro(VII)(配列番号:7) Phe-His-Val-Asn-Pro-Thr-Ser-Pro-Thr-His-Pro-Leu(VIII)(配列番号:8) Phe-Pro-Gln-His-Asn-Pro-Ala-Arg-Asp-Pro-Ser-Asp(IX)(配列番号:9) Ser-Tyr-Phe-His-Ser-Pro-Met-His-Pro-Gly-Leu-Pro(X)(配列番号:10) Met-Asn-Pro-Pro-Trp-Lys-His-Thr-Met-Pro-Arg-Gln(XI)(配列番号:11) Ala-Ser-Thr-Asn-Pro-Leu-Thr-Met-His-His-Ser-Ser(XII)(配列番号:12) また、本発明にかかるチトクロムcの検出方法は、チト
クロムcに特異的に結合するペプチドを用いたチトクロ
ムcの検出方法であって、上記の特定のアミノ酸配列か
らなるペプチドを試料と接触させる工程と、該試料中に
おける該ペプチドとチトクロムcとの特異的な反応の有
無を検出する工程とを有することを特徴とするチトクロ
ムcの検出方法である。
クロムcに特異的に結合するペプチドを用いたチトクロ
ムcの検出方法であって、上記の特定のアミノ酸配列か
らなるペプチドを試料と接触させる工程と、該試料中に
おける該ペプチドとチトクロムcとの特異的な反応の有
無を検出する工程とを有することを特徴とするチトクロ
ムcの検出方法である。
【0008】本発明によれば、化学合成によって容易か
つ安価で入手できるチトクロムcの検出に有用なペプチ
ド及びそれを用いたチトクロムcの検出方法を提供する
ことができる。
つ安価で入手できるチトクロムcの検出に有用なペプチ
ド及びそれを用いたチトクロムcの検出方法を提供する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によるペプチドの構成に参
加するアミノ酸残基を命名するために、ヌクレイック・
アシッズ・リサーチ(NUCLEIC ACIDS RESERCH) 13, 3021
-3030 (1985)及びザ・バイオロジカル・ジャーナル(THE
BIOLOGICAL JOURNAL) 219, No.2, 345-371 (1984)に表
されるIUPAC-IUB規則(Rules)が用いられる。
加するアミノ酸残基を命名するために、ヌクレイック・
アシッズ・リサーチ(NUCLEIC ACIDS RESERCH) 13, 3021
-3030 (1985)及びザ・バイオロジカル・ジャーナル(THE
BIOLOGICAL JOURNAL) 219, No.2, 345-371 (1984)に表
されるIUPAC-IUB規則(Rules)が用いられる。
【0010】本発明によるペプチドは、公知の有機化学
的ペプチド合成方法のいずれかで、または組み換えDN
A技術を用いて調製できる。
的ペプチド合成方法のいずれかで、または組み換えDN
A技術を用いて調製できる。
【0011】有機化学的ペプチド合成方法は、必要なア
ミノ酸同士を均質相中で、またはいわゆる固相を用いて
縮合反応により結合させることを含む。
ミノ酸同士を均質相中で、またはいわゆる固相を用いて
縮合反応により結合させることを含む。
【0012】縮合反応は、 a)遊離カルボキシル基を有し、その他の反応性基は保
護されている化合物(アミノ酸、ペプチド)を、遊離ア
ミノ基を有し、その他の反応性基は保護されている化合
物(アミノ酸、ペプチド)と、縮合剤存在下に縮合させ
るか、または b)活性化されたカルボキシル基を有し、その他の反応
性基は遊離であるか、または保護されている化合物(ア
ミノ酸、ペプチド)を、遊離アミノ基を有し、その他の
反応性基は遊離であるか、または保護されている化合物
(アミノ酸、ペプチド)と縮合させることによって実施
し得る。
護されている化合物(アミノ酸、ペプチド)を、遊離ア
ミノ基を有し、その他の反応性基は保護されている化合
物(アミノ酸、ペプチド)と、縮合剤存在下に縮合させ
るか、または b)活性化されたカルボキシル基を有し、その他の反応
性基は遊離であるか、または保護されている化合物(ア
ミノ酸、ペプチド)を、遊離アミノ基を有し、その他の
反応性基は遊離であるか、または保護されている化合物
(アミノ酸、ペプチド)と縮合させることによって実施
し得る。
【0013】カルボキシル基の活性化は特に、カルボキ
シル基を酸ハロゲン化物、アジド、酸無水物、イミダゾ
リド、またはN−ヒドロキシ−スクシンイミド、N−ヒ
ドロキシ−ベンゾトリアゾールもしくはp−ニトロフェ
ニルエステルなどの活性化エステルに変換することによ
って行なう。
シル基を酸ハロゲン化物、アジド、酸無水物、イミダゾ
リド、またはN−ヒドロキシ−スクシンイミド、N−ヒ
ドロキシ−ベンゾトリアゾールもしくはp−ニトロフェ
ニルエステルなどの活性化エステルに変換することによ
って行なう。
【0014】上記縮合反応を生起させる最も普通の方法
は、カルボジイミド法、アジド法、混合酸無水物法、並
びにE. Gross及びJ. Meienhofer
編,The Peptides, Analysis,
Synthesis,Biology, vols.1
−3, Academic Press Inc., 19
79, 1980, 1981に記載されているような活
性化エステルを用いる方法である。
は、カルボジイミド法、アジド法、混合酸無水物法、並
びにE. Gross及びJ. Meienhofer
編,The Peptides, Analysis,
Synthesis,Biology, vols.1
−3, Academic Press Inc., 19
79, 1980, 1981に記載されているような活
性化エステルを用いる方法である。
【0015】本発明による上述のペプチドの適当なフラ
グメントを、‘固相法’を用いて調製する方法は、例え
ばJ. Amer. Chem.Soc.85, p.2
149, 1963及びInt. J. Peptide
ProteinRes. 35, pp.161−21
4, 1990に記載されている。調製するべきペプチ
ドのアミノ酸の結合は普通、カルボキシル末端側から始
まる。この方法の場合、反応性基を担持するか、または
その上に反応性基が導入され得る固相が必要である。固
相は、例えばベンゼン及びジビニルベンゼンと反応性ク
ロロメチル基とのコポリマーか、またはヒドロキシメチ
ルもしくはアミン官能基と反応する性質を付与されたポ
リマー固相であり得る。
グメントを、‘固相法’を用いて調製する方法は、例え
ばJ. Amer. Chem.Soc.85, p.2
149, 1963及びInt. J. Peptide
ProteinRes. 35, pp.161−21
4, 1990に記載されている。調製するべきペプチ
ドのアミノ酸の結合は普通、カルボキシル末端側から始
まる。この方法の場合、反応性基を担持するか、または
その上に反応性基が導入され得る固相が必要である。固
相は、例えばベンゼン及びジビニルベンゼンと反応性ク
ロロメチル基とのコポリマーか、またはヒドロキシメチ
ルもしくはアミン官能基と反応する性質を付与されたポ
リマー固相であり得る。
【0016】特に適当な固相は、例えばJ. Am. C
hem. Soc. 95, p.1328, 1974に
Wangが述べているp−アルコキシベンジルアルコー
ル樹脂(4−ヒドロキシ−メチル−フェノキシ−メチル
−コポリスチレン−1%ジビニルベンゼン樹脂)であ
る。合成後、ペプチドは上記固相から穏和条件下に分離
され得る。
hem. Soc. 95, p.1328, 1974に
Wangが述べているp−アルコキシベンジルアルコー
ル樹脂(4−ヒドロキシ−メチル−フェノキシ−メチル
−コポリスチレン−1%ジビニルベンゼン樹脂)であ
る。合成後、ペプチドは上記固相から穏和条件下に分離
され得る。
【0017】所望のアミノ酸配列の合成後、続いて樹脂
からペプチドを、例えばトリフルオロメタンスルホン
酸、またはトリフルオロ酢酸に溶解させたメタンスルホ
ン酸で分離する。ペプチドは、低級アルコール、好まし
くはメタノールまたはエタノールを用いるエステル交換
反応によっても支持体から分離でき、この場合ペプチド
の低級アルキルエステルが直接生成する。同様に、アン
モニアを用いる分離によって本発明によるペプチドのア
ミドが得られる。
からペプチドを、例えばトリフルオロメタンスルホン
酸、またはトリフルオロ酢酸に溶解させたメタンスルホ
ン酸で分離する。ペプチドは、低級アルコール、好まし
くはメタノールまたはエタノールを用いるエステル交換
反応によっても支持体から分離でき、この場合ペプチド
の低級アルキルエステルが直接生成する。同様に、アン
モニアを用いる分離によって本発明によるペプチドのア
ミドが得られる。
【0018】縮合反応に関与しない反応性基は、先に述
べたように、酸、塩基を用いる加水分解または還元によ
ってきわめて容易に再度除去することができる基によっ
て有効に保護する。即ち、カルボキシル基であれば、例
えばメタノール、エタノール、t−ブタノール、ベンジ
ルアルコールまたはp−ニトロベンジルアルコールとの
エステル化、及び固体支持体に結合したアミンによって
有効に保護し得る。
べたように、酸、塩基を用いる加水分解または還元によ
ってきわめて容易に再度除去することができる基によっ
て有効に保護する。即ち、カルボキシル基であれば、例
えばメタノール、エタノール、t−ブタノール、ベンジ
ルアルコールまたはp−ニトロベンジルアルコールとの
エステル化、及び固体支持体に結合したアミンによって
有効に保護し得る。
【0019】アミノ基を有効に保護し得る基は、エトキ
シカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキ
シ−カルボニル(t−boc)もしくはp−メトキシ−
ベンジルオキシカルボニル基であるか、またはベンゼン
−スルホニルもしくはp−トルエン−スルホニル基など
の、スルホン酸に由来する酸基であるが、置換または非
置換アリールまたはアラルキル基、例えばベンジル及び
トリフェニルメチルや、オルト−ニトロフェニル−スル
フェニル及び2−ベンゾイル−1−メチル−ビニルなど
の基のような他の基を用いることも可能である。特に適
当なα−アミノ保護基は、例えば塩基感受性の9−フル
オレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)基(Car
pino及びHan, J. Amer. Chem. S
oc.92, p.5748, 1970)である。
シカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキ
シ−カルボニル(t−boc)もしくはp−メトキシ−
ベンジルオキシカルボニル基であるか、またはベンゼン
−スルホニルもしくはp−トルエン−スルホニル基など
の、スルホン酸に由来する酸基であるが、置換または非
置換アリールまたはアラルキル基、例えばベンジル及び
トリフェニルメチルや、オルト−ニトロフェニル−スル
フェニル及び2−ベンゾイル−1−メチル−ビニルなど
の基のような他の基を用いることも可能である。特に適
当なα−アミノ保護基は、例えば塩基感受性の9−フル
オレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)基(Car
pino及びHan, J. Amer. Chem. S
oc.92, p.5748, 1970)である。
【0020】用い得る保護基についてのより広範な記述
が、Gross, Udenfriend及びMeie
nhofer編, The Peptides, Ana
lysis, Synthesis, Biology,
vols.1−9,Academic Press I
nc., 1979−1987中に見出され得る。
が、Gross, Udenfriend及びMeie
nhofer編, The Peptides, Ana
lysis, Synthesis, Biology,
vols.1−9,Academic Press I
nc., 1979−1987中に見出され得る。
【0021】リシンのε−アミノ基を保護することも必
要であり、またアルギニンのグアニジン基は保護するこ
とが適当である。このような保護に通常用いられる保護
基は、リシンの場合はBoc基、アルギニンの場合はP
mc基、Pms基、Mbs基またはMtr基である。
要であり、またアルギニンのグアニジン基は保護するこ
とが適当である。このような保護に通常用いられる保護
基は、リシンの場合はBoc基、アルギニンの場合はP
mc基、Pms基、Mbs基またはMtr基である。
【0022】保護基は、当該基の性質に応じて様々な通
常方法で、例えばトリフルオロ酢酸を用いて、または水
素とパラジウムなどの触媒とを用いる穏和な還元によっ
て、または氷酢酸中のHBrを用いて除去可能である。
常方法で、例えばトリフルオロ酢酸を用いて、または水
素とパラジウムなどの触媒とを用いる穏和な還元によっ
て、または氷酢酸中のHBrを用いて除去可能である。
【0023】本発明によるシトクロムC結合ペプチド
は、複数を組み合わせてただ1個の分子とすることもで
きる。2個以上のペプチドを共有結合させて混成ペプチ
ドまたは複合ペプチドとすることは、例えば先に述べた
方法を用いてペプチド配列を固相ペプチド合成すること
により可能であり、その際個々のペプチドのアミノ酸配
列は互いに整列させる。個々のペプチド配列間にはリン
カー配列を挿入することもできる。そのようなリンカー
配列は、例えばグリシンの2〜5残基の伸長部(str
etch)であり得る。
は、複数を組み合わせてただ1個の分子とすることもで
きる。2個以上のペプチドを共有結合させて混成ペプチ
ドまたは複合ペプチドとすることは、例えば先に述べた
方法を用いてペプチド配列を固相ペプチド合成すること
により可能であり、その際個々のペプチドのアミノ酸配
列は互いに整列させる。個々のペプチド配列間にはリン
カー配列を挿入することもできる。そのようなリンカー
配列は、例えばグリシンの2〜5残基の伸長部(str
etch)であり得る。
【0024】混成または複合ペプチドは、フラグメント
縮合技術を用いる固相合成によっても調製可能である。
(その配列が本発明の個々のペプチドの配列に対応し得
る)複数のフラグメントを個別に調製及び精製するこの
方法は、比較的長い混成または複合ペプチド配列を合成
する場合に好ましい。比較的長いペプチドを調製する方
法は当業者に公知であり、例えばThe Peptid
es, Analysis, Synthesis, B
iology, vols.1−9(上記参照)に記載
されている。
縮合技術を用いる固相合成によっても調製可能である。
(その配列が本発明の個々のペプチドの配列に対応し得
る)複数のフラグメントを個別に調製及び精製するこの
方法は、比較的長い混成または複合ペプチド配列を合成
する場合に好ましい。比較的長いペプチドを調製する方
法は当業者に公知であり、例えばThe Peptid
es, Analysis, Synthesis, B
iology, vols.1−9(上記参照)に記載
されている。
【0025】あるいは他の場合には、適宜修飾した本発
明のペプチド同士を結合させることによって混成または
複合ペプチドを調製し得る。
明のペプチド同士を結合させることによって混成または
複合ペプチドを調製し得る。
【0026】システインアミノ酸を欠いた2個の異なる
ペプチド配列を結合させる好ましい方法ではペプチド
を、カルボキシル末端かまたはアミノ末端に付加的なシ
ステイン残基を有する誘導体に変換する。その後、一方
のペプチドを単一システインチオール官能基において
2,2′−ジチオジピリジンで活性化する。得られたピ
リジル−ジチオ−ペプチド誘導体を、システインチオー
ル基を有する第二のペプチドと反応させて、個別のペプ
チドがジスルフィド結合によって連結された混成ペプチ
ドを得る。
ペプチド配列を結合させる好ましい方法ではペプチド
を、カルボキシル末端かまたはアミノ末端に付加的なシ
ステイン残基を有する誘導体に変換する。その後、一方
のペプチドを単一システインチオール官能基において
2,2′−ジチオジピリジンで活性化する。得られたピ
リジル−ジチオ−ペプチド誘導体を、システインチオー
ル基を有する第二のペプチドと反応させて、個別のペプ
チドがジスルフィド結合によって連結された混成ペプチ
ドを得る。
【0027】他の多くの混成ペプチド調製方法も実施可
能である。タンパク質−タンパク質結合の分野で開発さ
れた化学的方法も用い得る。このような方法については
Means及びFeeney(Bioconj. Ch
em. 1, pp.2−12, 1990)を参照さ
れたい。例えば、良く知られたホモまたはヘテロ二官能
架橋剤を用いれば、個々のペプチドをジスルフィド結
合、またはチオエーテル結合、またはアミド結合等で結
合させることができる。
能である。タンパク質−タンパク質結合の分野で開発さ
れた化学的方法も用い得る。このような方法については
Means及びFeeney(Bioconj. Ch
em. 1, pp.2−12, 1990)を参照さ
れたい。例えば、良く知られたホモまたはヘテロ二官能
架橋剤を用いれば、個々のペプチドをジスルフィド結
合、またはチオエーテル結合、またはアミド結合等で結
合させることができる。
【0028】すべての保護基が除去され、固体の担体か
ら放出された粗製の生成物は、凍結乾燥され、約70%
の純度のペプチドを得るために中圧の液体クロマトグラ
フィーにより精製される。生成物は、次に高圧液体クロ
マトグラフィー(HPLC)によるか又は他の種類のク
ロマトグラフィーにより精製され、分析用HPLCによ
ると95%の純度のペプチドが得られる。
ら放出された粗製の生成物は、凍結乾燥され、約70%
の純度のペプチドを得るために中圧の液体クロマトグラ
フィーにより精製される。生成物は、次に高圧液体クロ
マトグラフィー(HPLC)によるか又は他の種類のク
ロマトグラフィーにより精製され、分析用HPLCによ
ると95%の純度のペプチドが得られる。
【0029】先に触れたように、本発明によるペプチド
は組み換えDNA技術を用いても調製し得る。この可能
性は、ペプチドを反復配列中に(‘タンデムに’)組み
込む場合、またはペプチドを(はるかに大きい)タンパ
ク質またはポリペプチドの構成要素として、もしくは例
えばβ−ガラクトシダーゼ(の一部)との融合タンパク
質として調製し得る場合特に重要である。従って、上記
のようなペプチドも本発明の範囲内である。この調製方
法では、組み換えDNAの構成要素として、本発明によ
るペプチドをコードする塩基配列を用いる。
は組み換えDNA技術を用いても調製し得る。この可能
性は、ペプチドを反復配列中に(‘タンデムに’)組み
込む場合、またはペプチドを(はるかに大きい)タンパ
ク質またはポリペプチドの構成要素として、もしくは例
えばβ−ガラクトシダーゼ(の一部)との融合タンパク
質として調製し得る場合特に重要である。従って、上記
のようなペプチドも本発明の範囲内である。この調製方
法では、組み換えDNAの構成要素として、本発明によ
るペプチドをコードする塩基配列を用いる。
【0030】上記方法は、宿主として適当な微生物にお
いて調製したい1種以上のペプチドをコードする塩基配
列を含む組み換えポリヌクレオチドを発現させることに
より所望のペプチドを調製することを含む。
いて調製したい1種以上のペプチドをコードする塩基配
列を含む組み換えポリヌクレオチドを発現させることに
より所望のペプチドを調製することを含む。
【0031】なお、本発明にかかるペプチドの発現用の
塩基配列には、発現されるペプチドのチトクロームCと
の結合性を損なわない範囲内で塩基の欠失、置換または
付加が行われた変異体塩基配列も含まれる。このような
変異塩基配列としては、例えば上記の式(I)〜(XI
I)のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列の
相補配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし得る塩基配列を挙げることができる。
塩基配列には、発現されるペプチドのチトクロームCと
の結合性を損なわない範囲内で塩基の欠失、置換または
付加が行われた変異体塩基配列も含まれる。このような
変異塩基配列としては、例えば上記の式(I)〜(XI
I)のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列の
相補配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし得る塩基配列を挙げることができる。
【0032】本発明によるペプチドをコードする塩基配
列は、該配列が天然には会合または連結しない様々な複
製実現DNA配列と連結させていわゆる組み換えベクタ
ー分子とすることができ、この分子は適当な宿主の形質
転換に用い得る。有用な組み換えベクター分子は好まし
くは、例えばプラスミド、バクテリオファージ、コスミ
ドまたはウイルスに由来する。
列は、該配列が天然には会合または連結しない様々な複
製実現DNA配列と連結させていわゆる組み換えベクタ
ー分子とすることができ、この分子は適当な宿主の形質
転換に用い得る。有用な組み換えベクター分子は好まし
くは、例えばプラスミド、バクテリオファージ、コスミ
ドまたはウイルスに由来する。
【0033】塩基配列のクローニングに用い得る特異的
ベクターまたはクローニングビヒクルは当業者に公知で
あり、特にpBR322、様々なpUC、pGEMおよ
びBluescriptプラスミドなどのプラスミドベ
クター、バクテリオファージ、例えばkgt−Wes、
Charon 28及びM13由来ファージ、またはS
V40、アデノウイルスもしくはポリオーマウイルスな
どのウイルスベクターを含む(R. L. Rodriq
uez及びD. T. Denhardt編,Vecto
rs: A survey of molecular c
loningvectors and their us
es, Butterworths,1988; J.
A. Lenstra等, Arch. Virol. 1
10,pp.1−24, 1990も参照されたい)。
組み換えベクター分子の構築に用いるべき方法は当業者
に公知であり、特にT. Maniatis等が提示し
ている(Molecular Cloning: ALa
boratory Manual, second ed
ition, Cold Spring Harbor L
aboratory, 1989)。
ベクターまたはクローニングビヒクルは当業者に公知で
あり、特にpBR322、様々なpUC、pGEMおよ
びBluescriptプラスミドなどのプラスミドベ
クター、バクテリオファージ、例えばkgt−Wes、
Charon 28及びM13由来ファージ、またはS
V40、アデノウイルスもしくはポリオーマウイルスな
どのウイルスベクターを含む(R. L. Rodriq
uez及びD. T. Denhardt編,Vecto
rs: A survey of molecular c
loningvectors and their us
es, Butterworths,1988; J.
A. Lenstra等, Arch. Virol. 1
10,pp.1−24, 1990も参照されたい)。
組み換えベクター分子の構築に用いるべき方法は当業者
に公知であり、特にT. Maniatis等が提示し
ている(Molecular Cloning: ALa
boratory Manual, second ed
ition, Cold Spring Harbor L
aboratory, 1989)。
【0034】例えば、本発明によるペプチドをコードす
る塩基配列をクローニングベクターに挿入することは、
遺伝子と所望のクローニングビヒクルとの両方を(1種
以上の)同じ制限酵素で切断すれば、それによって相補
的DNA末端が形成されるので容易に実施可能となる。
る塩基配列をクローニングベクターに挿入することは、
遺伝子と所望のクローニングビヒクルとの両方を(1種
以上の)同じ制限酵素で切断すれば、それによって相補
的DNA末端が形成されるので容易に実施可能となる。
【0035】組み換えベクター分子は、pBR322の
アンピシリン及びテトラサイクリン耐性、並びにpUC
8のアンピシリン耐性及びβ−ガラクトシダーゼのα−
ペプチドをコードする領域の活性のような、所望の形質
転換体の選択に用い得る1種以上のマーカー活性を付加
的に有していてもよい。
アンピシリン及びテトラサイクリン耐性、並びにpUC
8のアンピシリン耐性及びβ−ガラクトシダーゼのα−
ペプチドをコードする領域の活性のような、所望の形質
転換体の選択に用い得る1種以上のマーカー活性を付加
的に有していてもよい。
【0036】本発明によるペプチドは例えばグリコシル
化、アミド化、カルボキシル化またはリン酸化によりi
n vivoまたはin vitroで修飾可能であ
る。従って、本発明によるペプチドの例えば酸付加塩、
アミド、エステル、特にC末端エステル、及びN−アシ
ル誘導体などの機能性変形例も本発明の一部とみなす。
本発明に含まれるペプチドには自然の改変が存在するこ
とも有り得ると理解される。そのような改変は、配列全
体の中にみられる(一つ以上の)アミノ酸の相違によっ
て、または(1個以上の)アミノ酸の欠失、置換、挿
入、逆位または付加によって明示され得る。生物活性及
び免疫活性を実質的に変更しないと考えられるアミノ酸
置換が開示されている。関連するアミノ酸間でのアミノ
酸置換、もしくは進化の過程でしばしば生起した置換は
特に、Ser/Ala、Ser/Gly、Asp/Gl
y、Asp/Asn、Ile/Valである(M.
D. Dayhof, “Atlas ofprotei
n sequence and structure,”
Nat. Biomed. Res. Found.,
vol.5, suppl.3, Washington
D. C., 1978参照)。この情報に基づき、L
ipman及びPearsonは迅速かつ高感度のタン
パク質比較法を開発し(Science 227, p
p.1434−1441, 1985)、相同タンパク
質同士の機能類似度を測定した。
化、アミド化、カルボキシル化またはリン酸化によりi
n vivoまたはin vitroで修飾可能であ
る。従って、本発明によるペプチドの例えば酸付加塩、
アミド、エステル、特にC末端エステル、及びN−アシ
ル誘導体などの機能性変形例も本発明の一部とみなす。
本発明に含まれるペプチドには自然の改変が存在するこ
とも有り得ると理解される。そのような改変は、配列全
体の中にみられる(一つ以上の)アミノ酸の相違によっ
て、または(1個以上の)アミノ酸の欠失、置換、挿
入、逆位または付加によって明示され得る。生物活性及
び免疫活性を実質的に変更しないと考えられるアミノ酸
置換が開示されている。関連するアミノ酸間でのアミノ
酸置換、もしくは進化の過程でしばしば生起した置換は
特に、Ser/Ala、Ser/Gly、Asp/Gl
y、Asp/Asn、Ile/Valである(M.
D. Dayhof, “Atlas ofprotei
n sequence and structure,”
Nat. Biomed. Res. Found.,
vol.5, suppl.3, Washington
D. C., 1978参照)。この情報に基づき、L
ipman及びPearsonは迅速かつ高感度のタン
パク質比較法を開発し(Science 227, p
p.1434−1441, 1985)、相同タンパク
質同士の機能類似度を測定した。
【0037】本発明のペプチドはシトクロムCに対する
結合性を有しており、従って、これを支持体に担持し
て、シトクロムCを含む試料と接触させれば、試料中の
シトクロムcを支持体近傍に捕捉することができる。従
って標識物質を備えた既知濃度のシトクロムCとの競合
反応、または標識物質を備えた遊離のペプチドとのサン
ドイッチ反応や凝集反応を利用すれば、生物学的試料に
おけるインビトロでのシトクロムCの検出・定量に使用
することができる。
結合性を有しており、従って、これを支持体に担持し
て、シトクロムCを含む試料と接触させれば、試料中の
シトクロムcを支持体近傍に捕捉することができる。従
って標識物質を備えた既知濃度のシトクロムCとの競合
反応、または標識物質を備えた遊離のペプチドとのサン
ドイッチ反応や凝集反応を利用すれば、生物学的試料に
おけるインビトロでのシトクロムCの検出・定量に使用
することができる。
【0038】使用できる支持体は例えば、マイクロ試験
ウエルまたはキュベットの内壁、管または細管、膜、フ
ィルター、試験ストリップまたは粒子[例えばラテック
ス粒子、アルデヒド粒子(例えば活性アルデヒド表面基
を有するセラミック磁化性粒子)]の表面、色素ゾル、金
属ゾルまたはゾル粒子としての金属化合物、ウシ血清ア
ルブミンのようなキャリアータンパク質である。
ウエルまたはキュベットの内壁、管または細管、膜、フ
ィルター、試験ストリップまたは粒子[例えばラテック
ス粒子、アルデヒド粒子(例えば活性アルデヒド表面基
を有するセラミック磁化性粒子)]の表面、色素ゾル、金
属ゾルまたはゾル粒子としての金属化合物、ウシ血清ア
ルブミンのようなキャリアータンパク質である。
【0039】使用できる標識物質はとりわけ、蛍光化合
物、放射性同位体、酵素、色素ゾル、金属ゾルまたはゾ
ル粒子としての金属化合物である。
物、放射性同位体、酵素、色素ゾル、金属ゾルまたはゾ
ル粒子としての金属化合物である。
【0040】本発明のペプチドとシトクロムCとの結合
反応は、pH5〜9、好ましくはpH6〜7.5程度の適
当な緩衝液中で、温度2〜40℃、好ましくは4〜10℃の
条件で、通常、10分間〜24時間、好ましくは30分間〜60
分間行うのが適当である。用いる緩衝液に特に制限はな
いが、例えば、濃度0.01〜1M程度、好ましくは0.1〜
0.5M程度のリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が適当
である。
反応は、pH5〜9、好ましくはpH6〜7.5程度の適
当な緩衝液中で、温度2〜40℃、好ましくは4〜10℃の
条件で、通常、10分間〜24時間、好ましくは30分間〜60
分間行うのが適当である。用いる緩衝液に特に制限はな
いが、例えば、濃度0.01〜1M程度、好ましくは0.1〜
0.5M程度のリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が適当
である。
【0041】結合複合体を形成せしめる反応後、および
/又は結合複合体と標識プローブとの反応後、反応生成
物を適当な洗浄液、例えば、蒸留水、生理食塩水、リン
酸緩衝液、トリトンX-100含有緩衝液又はトゥイーン20
含有緩衝液等にて洗浄して未反応物を除去する。結合複
合体は、洗浄後、酵素、放射能、および蛍光等の標識物
に適した測定機器、例えば、分光光度計、井戸型シンチ
レーションカウンター、蛍光光度計等にて標識物質の存
在又はその量を測定する。
/又は結合複合体と標識プローブとの反応後、反応生成
物を適当な洗浄液、例えば、蒸留水、生理食塩水、リン
酸緩衝液、トリトンX-100含有緩衝液又はトゥイーン20
含有緩衝液等にて洗浄して未反応物を除去する。結合複
合体は、洗浄後、酵素、放射能、および蛍光等の標識物
に適した測定機器、例えば、分光光度計、井戸型シンチ
レーションカウンター、蛍光光度計等にて標識物質の存
在又はその量を測定する。
【0042】
【実施例】実施例1 (ペプチドの合成)樹脂に固定したアミノ酸誘導体に、
1個ずつアミノ酸をカルボキシル末端側から結合させて
いく方法(固相合成法)でペプチドを化学合成した。各
サイクルで使用するアミノ酸はαアミノ基および残基部
分の反応基が保護基でブロックされた特殊なアミノ酸誘
導体を用いた。本実施例では、それぞれのαアミノ基が
Fmoc(9−フルオレニル・メチロキシカルボニル)によ
りブロックされているアミノ酸を用いた(Fmoc法)。ま
た、ペプチド合成は樹脂に結合したアミノ酸のαアミノ
基のFmocを脱保護し、次にカルボキシル基が活性化した
アミノ酸誘導体を結合させるという反応を順次繰り返し
て行なった。
1個ずつアミノ酸をカルボキシル末端側から結合させて
いく方法(固相合成法)でペプチドを化学合成した。各
サイクルで使用するアミノ酸はαアミノ基および残基部
分の反応基が保護基でブロックされた特殊なアミノ酸誘
導体を用いた。本実施例では、それぞれのαアミノ基が
Fmoc(9−フルオレニル・メチロキシカルボニル)によ
りブロックされているアミノ酸を用いた(Fmoc法)。ま
た、ペプチド合成は樹脂に結合したアミノ酸のαアミノ
基のFmocを脱保護し、次にカルボキシル基が活性化した
アミノ酸誘導体を結合させるという反応を順次繰り返し
て行なった。
【0043】シトクロムCに対する特異的な結合性を有
する各ペプチドは、ペプチド合成機(PSSM−8:島
津製作所(株)社製)を用い上記のFmoc固相合成法にて
合成した。
する各ペプチドは、ペプチド合成機(PSSM−8:島
津製作所(株)社製)を用い上記のFmoc固相合成法にて
合成した。
【0044】まず、下記式:(I)で表されるペプチドの
合成について説明する。
合成について説明する。
【0045】 Trp-Pro-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (I) 合成するペプチドのC末端残基に相当するアミノ酸(Th
r)が導入されているFmoc-Thr(tBu)-レジン樹脂(0.
44mmol/g;島津製作所(株)社製)の30mg
を上記ペプチド合成機の反応容器にセットし、ジメチル
ホルムアミド(以下「DMF」という)で1回洗浄し
た。次にデプロテクション溶液(30%(v/v)ピペ
リジン/DMF)を5分間、3分間と2回反応させ、樹
脂に結合しているアミノ酸のFmoc基を除き、DMFで5
回洗浄した。C末側から2番目のアミノ酸に相当する1
50μmolのFmoc-Tyr(tBu)-OH/PyBOP に、アクチベ
ーター溶液(0.5M 1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(HOBt)/DMFと1M N−メチルモルホリ
ン/DMF)を加えて活性化したものと、先のFmoc基を
除いた樹脂に結合しているアミノ酸を30分間室温で反
応させた。ここで生成したFmoc-Tyr(tBu)-Thr(tBu)-レ
ジン樹脂をDMFで4回洗浄後、再びFmoc基のデプロテ
クションを行い、DMFで5回洗浄後、活性化Fmoc-Asn
(Trt)-OH/PyBOP溶液と反応させた。
r)が導入されているFmoc-Thr(tBu)-レジン樹脂(0.
44mmol/g;島津製作所(株)社製)の30mg
を上記ペプチド合成機の反応容器にセットし、ジメチル
ホルムアミド(以下「DMF」という)で1回洗浄し
た。次にデプロテクション溶液(30%(v/v)ピペ
リジン/DMF)を5分間、3分間と2回反応させ、樹
脂に結合しているアミノ酸のFmoc基を除き、DMFで5
回洗浄した。C末側から2番目のアミノ酸に相当する1
50μmolのFmoc-Tyr(tBu)-OH/PyBOP に、アクチベ
ーター溶液(0.5M 1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(HOBt)/DMFと1M N−メチルモルホリ
ン/DMF)を加えて活性化したものと、先のFmoc基を
除いた樹脂に結合しているアミノ酸を30分間室温で反
応させた。ここで生成したFmoc-Tyr(tBu)-Thr(tBu)-レ
ジン樹脂をDMFで4回洗浄後、再びFmoc基のデプロテ
クションを行い、DMFで5回洗浄後、活性化Fmoc-Asn
(Trt)-OH/PyBOP溶液と反応させた。
【0046】同様の操作を繰り返すことにより、目的と
する保護ペプチド樹脂(Fmoc-Trp-Pro-Ser(tBu)-Pro-Hi
s(Trt)-Tyr(tBu)-Ser(tBu)-Phe-Tyr(tBu)-Asn-Tyr(tBu)
-Thr(tBu)-レジン樹脂)を合成した。
する保護ペプチド樹脂(Fmoc-Trp-Pro-Ser(tBu)-Pro-Hi
s(Trt)-Tyr(tBu)-Ser(tBu)-Phe-Tyr(tBu)-Asn-Tyr(tBu)
-Thr(tBu)-レジン樹脂)を合成した。
【0047】ペプチド合成に使用したアミノ酸は以下の
通りである( ( )内は残基部分の反応基を保護する保護
基を表す;島津製作所(株)社製):Fmoc-Ala-OH/PyBO
P、Fmoc-Arg(Pmc)-OH/PyBOP、Fmoc-Asn(Trt)-OH/PyBO
P、Fmoc-Asp(OtBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Cys(Trt)-OH/PyBO
P、Fmoc-Gln(Trt)-OH/PyBOP、Fmoc-Glu(OtBu)-OH/PyBO
P、Fmoc-Gly-OH/PyBOP、Fmoc-His(Trt)-OH/PyBOP、Fmoc
-Ile-OH/PyBOP、Fmoc-Lys(Boc)-OH/PyBOP、Fmoc-Met-OH
/PyBOP、 Fmoc-Phe-OH/PyBOP 、Fmoc-Pro-OH/PyBOP 、F
moc-Ser(tBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Thr(tBu)-OH/PyBOP、Fmo
c-Trp-OH/PyBOP 、Fmoc-Tyr(tBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Val-
OH/PyBOP 。
通りである( ( )内は残基部分の反応基を保護する保護
基を表す;島津製作所(株)社製):Fmoc-Ala-OH/PyBO
P、Fmoc-Arg(Pmc)-OH/PyBOP、Fmoc-Asn(Trt)-OH/PyBO
P、Fmoc-Asp(OtBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Cys(Trt)-OH/PyBO
P、Fmoc-Gln(Trt)-OH/PyBOP、Fmoc-Glu(OtBu)-OH/PyBO
P、Fmoc-Gly-OH/PyBOP、Fmoc-His(Trt)-OH/PyBOP、Fmoc
-Ile-OH/PyBOP、Fmoc-Lys(Boc)-OH/PyBOP、Fmoc-Met-OH
/PyBOP、 Fmoc-Phe-OH/PyBOP 、Fmoc-Pro-OH/PyBOP 、F
moc-Ser(tBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Thr(tBu)-OH/PyBOP、Fmo
c-Trp-OH/PyBOP 、Fmoc-Tyr(tBu)-OH/PyBOP、Fmoc-Val-
OH/PyBOP 。
【0048】なお、上記説明において使用されている略
語の意味は以下の通りである:Trt=トリチル;Pmc =
2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スル
ホニル;Boc =t−ブトキシカルボニル;tBu =tert−
ブチル;PyBOP =ベンゾトリアゾール−1−イル−オキ
シ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム・ヘキサフルオ
ロホスフェート;OtBu=tert- ブトキシ。
語の意味は以下の通りである:Trt=トリチル;Pmc =
2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スル
ホニル;Boc =t−ブトキシカルボニル;tBu =tert−
ブチル;PyBOP =ベンゾトリアゾール−1−イル−オキ
シ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム・ヘキサフルオ
ロホスフェート;OtBu=tert- ブトキシ。
【0049】まず、上記のように合成し得られた保護ペ
プチド樹脂(Fmoc-Trp-Pro-Ser(tBu)-Pro-His(Trt)-Tyr
(tBu)-Ser(tBu)-Phe-Tyr(tBu)-Asn-Tyr(tBu)-Thr(tBu)-
レジン樹脂)にデプロテクション溶液を5分間、3分間
と2回反応させて、N末端Fmoc基を脱保護した。
プチド樹脂(Fmoc-Trp-Pro-Ser(tBu)-Pro-His(Trt)-Tyr
(tBu)-Ser(tBu)-Phe-Tyr(tBu)-Asn-Tyr(tBu)-Thr(tBu)-
レジン樹脂)にデプロテクション溶液を5分間、3分間
と2回反応させて、N末端Fmoc基を脱保護した。
【0050】次にDMFにて5回洗浄後、メタノールで
2回、t−ブチルメチルエーテルにて1回洗浄し、さら
に窒素ガスを吹き付けることにより10分間乾燥させ
た。
2回、t−ブチルメチルエーテルにて1回洗浄し、さら
に窒素ガスを吹き付けることにより10分間乾燥させ
た。
【0051】樹脂を取り出し、クリベージ溶液(940
0mlのトリフロロ酢酸、300mlのチオアニソール
および300mlのエタンジチオールを混合し、5mg
の2−メチルインドールを溶解したもの)を0.5ml
加え、室温で2時間反応させることにより樹脂からのペ
プチドの切断およびアミノ酸側鎖保護基の除去を行い、
ペプチド溶液を得た。これに、10mlの冷エーテルを
加え、ペプチドを沈殿させた。これを遠心して(200
0×g、10分間)沈殿物を集め、再び冷エーテルを加
えて分散させては回収する操作を4回繰り返してペプチ
ドを洗浄した。得られたペプチドを凍結乾燥させ、目的
とするペプチドを得た。
0mlのトリフロロ酢酸、300mlのチオアニソール
および300mlのエタンジチオールを混合し、5mg
の2−メチルインドールを溶解したもの)を0.5ml
加え、室温で2時間反応させることにより樹脂からのペ
プチドの切断およびアミノ酸側鎖保護基の除去を行い、
ペプチド溶液を得た。これに、10mlの冷エーテルを
加え、ペプチドを沈殿させた。これを遠心して(200
0×g、10分間)沈殿物を集め、再び冷エーテルを加
えて分散させては回収する操作を4回繰り返してペプチ
ドを洗浄した。得られたペプチドを凍結乾燥させ、目的
とするペプチドを得た。
【0052】同様にして以下の11種類の配列のペプチド
(II)〜(XII)を合成した。
(II)〜(XII)を合成した。
【0053】 Trp-Arg-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (II) Trp-Pro-Ser-Tyr-Pro-Ser-Tyr-Asn-Arg-Ile-His-Ser (III) Thr-Ser-Trp-Thr-Ile-Ala-Pro-Ser-Arg-Thr-Leu-Tyr (IV) Thr-Ser-Pro-Asp-Arg-Pro-Ser-Met-Leu-His-Thr-Tyr (V) Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-Pro-Gly (VI) Lys-Cys-Cys-Phe-Ser-Ala-Ala-Pro-Pro-Val-Ile-Pro (VII) Phe-His-Val-Asn-Pro-Thr-Ser-Pro-Thr-His-Pro-Leu (VIII) Phe-Pro-Gln-His-Asn-Pro-Ala-Arg-Asp-Pro-Ser-Asp (IX) Ser-Tyr-Phe-His-Ser-Pro-Met-His-Pro-Gly-Leu-Pro (X) Met-Asn-Pro-Pro-Trp-Lys-His-Thr-Met-Pro-Arg-Gln (XI) Ala-Ser-Thr-Asn-Pro-Leu-Thr-Met-His-His-Ser-Ser (XII) (結合性の確認)合成したペプチド(I)をリン酸バッフ
ァー(pH8.0)に1 mg/mlの濃度に成るように溶解した。フ
ルオレセイン イソチオシアネート(FITC)をモル比で8倍
になるように添加し、室温で40分間反応させた。標識反
応は反応溶液をセファデックスG-25(予め50mMのリン酸
バッファー(pH7.5)で平衡化した)カラムに素早くロード
することによって終結させた。FITC標識された溶出画分
を分取し、CM-52カラム(予め10mMのリン酸バッファー(p
H7.5)で平衡化した)にアプライし、10〜150mMのリン酸
ナトリウムバッファー(pH7.5)の直線グラジエントで溶
出し、様々なFITC標識されたペプチドを分取した。280n
mにおける吸光度からペプチドを定量し、494nm吸光度か
ら導入されたFITCを定量した。ペプチドに対して1:1の
モル比でFITC標識されたペプチドフラクションを調製し
た。
ァー(pH8.0)に1 mg/mlの濃度に成るように溶解した。フ
ルオレセイン イソチオシアネート(FITC)をモル比で8倍
になるように添加し、室温で40分間反応させた。標識反
応は反応溶液をセファデックスG-25(予め50mMのリン酸
バッファー(pH7.5)で平衡化した)カラムに素早くロード
することによって終結させた。FITC標識された溶出画分
を分取し、CM-52カラム(予め10mMのリン酸バッファー(p
H7.5)で平衡化した)にアプライし、10〜150mMのリン酸
ナトリウムバッファー(pH7.5)の直線グラジエントで溶
出し、様々なFITC標識されたペプチドを分取した。280n
mにおける吸光度からペプチドを定量し、494nm吸光度か
ら導入されたFITCを定量した。ペプチドに対して1:1の
モル比でFITC標識されたペプチドフラクションを調製し
た。
【0054】ウシ心筋由来のシトクロムC(シグマ社製)
を100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)に0.1 mg/mlになるよう
に溶解させ、マイクロ試験ウエルに0.1 ml添加し、4℃
で12時間放置することによってシトクロムCを固定化し
た。シトクロムC溶液をすて、代わりに5 mg/mlウシ血
清アルブミン(シグマ社製)、0.02%アジ化ナトリウムを
含む100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)(ブロッキングバッフ
ァー)を加え、室温で1時間ブロッキングした。 ブロッ
キングバッファーをすて、代わりに0.5%Tween-20、150
mM塩化ナトリウムを含むトリス−塩酸バッファー(pH7.
5)(TBSTバッファー)を加え、ウエルを良く洗浄した。
を100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)に0.1 mg/mlになるよう
に溶解させ、マイクロ試験ウエルに0.1 ml添加し、4℃
で12時間放置することによってシトクロムCを固定化し
た。シトクロムC溶液をすて、代わりに5 mg/mlウシ血
清アルブミン(シグマ社製)、0.02%アジ化ナトリウムを
含む100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)(ブロッキングバッフ
ァー)を加え、室温で1時間ブロッキングした。 ブロッ
キングバッファーをすて、代わりに0.5%Tween-20、150
mM塩化ナトリウムを含むトリス−塩酸バッファー(pH7.
5)(TBSTバッファー)を加え、ウエルを良く洗浄した。
【0055】シトクロムCを固定化したマイクロ試験ウ
エルに上記FITC標識ペプチドを各種濃度になるように添
加した。室温で1時間放置後、吸着された標識ペプチド
量をFITCの蛍光スペクトルから定量した。
エルに上記FITC標識ペプチドを各種濃度になるように添
加した。室温で1時間放置後、吸着された標識ペプチド
量をFITCの蛍光スペクトルから定量した。
【0056】吸着された標識ペプチドの量に対して、吸
着/未吸着の標識ペプチド量の比をプロット(Scatchard
plot)すると、直線関係が得られ、傾きから結合定数10
10[l/mol]を求めることができた。
着/未吸着の標識ペプチド量の比をプロット(Scatchard
plot)すると、直線関係が得られ、傾きから結合定数10
10[l/mol]を求めることができた。
【0057】同様にしてペプチド(II)〜(XII)をFITC標
識し、シトクロムCを固定化したマイクロ試験ウエルを
用いて結合定数の測定をしたところ、ペプチド(I)と同
程度の結合定数が得られた。
識し、シトクロムCを固定化したマイクロ試験ウエルを
用いて結合定数の測定をしたところ、ペプチド(I)と同
程度の結合定数が得られた。
【0058】実施例2 (蛍光標識シトクロムCの調製)ウシ心筋由来のシトク
ロムC(シグマ社製)をリン酸バッファー(pH8.0)に1 mg/
mlの濃度に成るように溶解した。フルオレセイン イソ
チオシアネート(FITC)をモル比で8倍になるように添加
し、室温で40分間反応させた。標識反応は反応溶液をセ
ファデックスG-25(予め50mMのリン酸バッファー(pH7.5)
で平衡化した)カラムに素早くロードすることによって
終結させた。FITC標識された溶出画分を分取し、CM-52
カラム(予め10mMのリン酸バッファー(pH7.5)で平衡化し
た)にアプライし、10〜150mMのリン酸ナトリウムバッフ
ァー(pH7.5)の直線グラジエントで溶出し、様々なFITC
標識されたシトクロムC画分を分取した。280nmにおけ
る吸光度からシトクロムcを定量し、494nm吸光度から導
入されたFITCを定量した。シトクロムCに対して1:1の
モル比でFITC標識されたシトクロムC画分を調製した。 (競合法によるシトクロムCの測定)合成ペプチド(I)
を100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)に100 pmol/mlになるよ
うに溶解させ、マイクロ試験ウエルに0.1 ml添加し、4
℃で12時間放置することによってペプチド(I)を固定化
した。ペプチド(I)溶液をすて、代わりに5 mg/mlウシ血
清アルブミン(シグマ社製)、0.02%アジ化ナトリウムを
含む100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)(ブロッキングバッフ
ァー)を加え、室温で1時間ブロッキングした。ブロッキ
ングバッファーをすて、代わりに0.5%Tween-20、150mM
塩化ナトリウムを含むトリス−塩酸バッファー(pH7.5)
(TBSTバッファー)を加え、ウエルを良く洗浄した。
ロムC(シグマ社製)をリン酸バッファー(pH8.0)に1 mg/
mlの濃度に成るように溶解した。フルオレセイン イソ
チオシアネート(FITC)をモル比で8倍になるように添加
し、室温で40分間反応させた。標識反応は反応溶液をセ
ファデックスG-25(予め50mMのリン酸バッファー(pH7.5)
で平衡化した)カラムに素早くロードすることによって
終結させた。FITC標識された溶出画分を分取し、CM-52
カラム(予め10mMのリン酸バッファー(pH7.5)で平衡化し
た)にアプライし、10〜150mMのリン酸ナトリウムバッフ
ァー(pH7.5)の直線グラジエントで溶出し、様々なFITC
標識されたシトクロムC画分を分取した。280nmにおけ
る吸光度からシトクロムcを定量し、494nm吸光度から導
入されたFITCを定量した。シトクロムCに対して1:1の
モル比でFITC標識されたシトクロムC画分を調製した。 (競合法によるシトクロムCの測定)合成ペプチド(I)
を100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)に100 pmol/mlになるよ
うに溶解させ、マイクロ試験ウエルに0.1 ml添加し、4
℃で12時間放置することによってペプチド(I)を固定化
した。ペプチド(I)溶液をすて、代わりに5 mg/mlウシ血
清アルブミン(シグマ社製)、0.02%アジ化ナトリウムを
含む100mM炭酸ナトリウム(pH8.6)(ブロッキングバッフ
ァー)を加え、室温で1時間ブロッキングした。ブロッキ
ングバッファーをすて、代わりに0.5%Tween-20、150mM
塩化ナトリウムを含むトリス−塩酸バッファー(pH7.5)
(TBSTバッファー)を加え、ウエルを良く洗浄した。
【0059】ペプチド(I)を固定化したマイクロ試験ウ
エルに、上記FITC標識シトクロムCの一定量1 pmolと標
識していないシトクロムCの0.1 〜 10 pmolを添加し
た。室温で1時間放置後、シトクロムC溶液を取り出
し、ウエルをTBSTバッファーで良く洗浄し、吸着された
標識シトクロムCをFITCの蛍光量から定量した。
エルに、上記FITC標識シトクロムCの一定量1 pmolと標
識していないシトクロムCの0.1 〜 10 pmolを添加し
た。室温で1時間放置後、シトクロムC溶液を取り出
し、ウエルをTBSTバッファーで良く洗浄し、吸着された
標識シトクロムCをFITCの蛍光量から定量した。
【0060】投入した標識していないシトクロムC量に
対して、吸着された標識シトクロムCの量をプロットす
ることによって、検量線を作成した。図1にその1例を示
す。図1のプロットにおける縦軸の蛍光強度は、10 pmol
のペプチド(I)に対して、標識シトクロムC 10 pmolを
添加し結合させたときの蛍光強度を1としたときの相対
値である。このような検量線を利用することによって、
試料中に含まれる0.1〜 10 pmolのシトクロムCを定量
することができた。
対して、吸着された標識シトクロムCの量をプロットす
ることによって、検量線を作成した。図1にその1例を示
す。図1のプロットにおける縦軸の蛍光強度は、10 pmol
のペプチド(I)に対して、標識シトクロムC 10 pmolを
添加し結合させたときの蛍光強度を1としたときの相対
値である。このような検量線を利用することによって、
試料中に含まれる0.1〜 10 pmolのシトクロムCを定量
することができた。
【0061】同様にしてペプチド(II)〜(XII)をマイク
ロ試験ウエルに固定化し、FITC標識したシトクロムCを
用いてシトクロムcの競合法による定量試験を行ったと
ころ、試料中に含まれる0.1 〜 10 pmolのシトクロムC
を定量することができた。
ロ試験ウエルに固定化し、FITC標識したシトクロムCを
用いてシトクロムcの競合法による定量試験を行ったと
ころ、試料中に含まれる0.1 〜 10 pmolのシトクロムC
を定量することができた。
【0062】
【発明の効果】本発明のペプチドはシトクロムCに対す
る結合性を有しており、シトクロムCを含む試料と接触
させれば、試料中のシトクロムCをペプチド近傍に捕捉
することができる。従って標識物質を備えた既知濃度の
シトクロムCとの競合反応などの利用により、生物学的
試料におけるインビトロでのシトクロムCを検出するこ
とが可能となる。
る結合性を有しており、シトクロムCを含む試料と接触
させれば、試料中のシトクロムCをペプチド近傍に捕捉
することができる。従って標識物質を備えた既知濃度の
シトクロムCとの競合反応などの利用により、生物学的
試料におけるインビトロでのシトクロムCを検出するこ
とが可能となる。
【0063】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>Canon INC. <120>A peptide and method of detecting cytochrome using the peptide. <130>4396104 <160>7 <210>1 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>1 Trp Pro Ser Pro His Tyr Ser Phe Tyr Asn Tyr Thr 1 5 10 <210>2 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>2 Trp Arg Ser Pro His Tyr Ser Phe Tyr Asn Tyr Thr 1 5 10 <210>3 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>3 Trp Pro Ser Tyr Pro Ser Tyr Asn Arg Ile His Ser 1 5 10 <210>4 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>4 Thr Ser Trp Thr Ile Ala Pro Ser Arg Thr Leu Tyr 1 5 10 <210>5 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>5 Thr Ser Pro Asp Arg Pro Ser Met Leu His Thr Tyr 1 5 10 <210>6 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>6 Thr Leu Pro Pro Gln Gly Leu Ser Pro Ser Pro Gly 1 5 10 <210>7 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>7 Lys Cys Cys Phe Ser Ala Ala Pro Pro Val Ile Pro 1 5 10 <210>8 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>8 Phe His Val Asn Pro Thr Ser Pro Thr His Pro Leu 1 5 10 <210>9 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>9 Phe Pro Gln His Asn Pro Ala Arg Asp Pro Ser Asp 1 5 10 <210>10 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>10 Ser Tyr Phe His Ser Pro Met His Pro Gly Leu Pro 1 5 10 <210>11 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>11 Met Asn Pro Pro Trp Lys His Thr Met Pro Arg Gln 1 5 10 <210>12 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Peptide for detecting cytochrome <400>12 Ala Ser Thr Asn Pro Leu Thr Met His His Ser Ser 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】競合法によるシトクロムCの定量曲線である。
Claims (14)
- 【請求項1】 以下のアミノ酸配列(I)〜(XII)及
びこれらのアミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が
シトクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠
失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなる群か
ら選択された少なくとも1つのアミノ酸配列からなるこ
とを特徴とするペプチド。 Trp-Pro-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (I) Trp-Arg-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (II) Trp-Pro-Ser-Tyr-Pro-Ser-Tyr-Asn-Arg-Ile-His-Ser (III) Thr-Ser-Trp-Thr-Ile-Ala-Pro-Ser-Arg-Thr-Leu-Tyr (IV) Thr-Ser-Pro-Asp-Arg-Pro-Ser-Met-Leu-His-Thr-Tyr (V) Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-Pro-Gly (VI) Lys-Cys-Cys-Phe-Ser-Ala-Ala-Pro-Pro-Val-Ile-Pro (VII) Phe-His-Val-Asn-Pro-Thr-Ser-Pro-Thr-His-Pro-Leu (VIII) Phe-Pro-Gln-His-Asn-Pro-Ala-Arg-Asp-Pro-Ser-Asp (IX) Ser-Tyr-Phe-His-Ser-Pro-Met-His-Pro-Gly-Leu-Pro (X) Met-Asn-Pro-Pro-Trp-Lys-His-Thr-Met-Pro-Arg-Gln (XI) Ala-Ser-Thr-Asn-Pro-Leu-Thr-Met-His-His-Ser-Ser (XII) - 【請求項2】 下記式:(I)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Trp-Pro-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (I) - 【請求項3】 下記式:(II)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Trp-Arg-Ser-Pro-His-Tyr-Ser-Phe-Tyr-Asn-Tyr-Thr (II) - 【請求項4】 下記式:(III)で表されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシ
トクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 Trp-Pro-Ser-Tyr-Pro-Ser-Tyr-Asn-Arg-Ile-His-Ser (III) - 【請求項5】 下記式:(IV)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Thr-Ser-Trp-Thr-Ile-Ala-Pro-Ser-Arg-Thr-Leu-Tyr (IV) - 【請求項6】 下記式:(V)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Thr-Ser-Pro-Asp-Arg-Pro-Ser-Met-Leu-His-Thr-Tyr (V) - 【請求項7】 下記式:(VI)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-Pro-Gly (VI) - 【請求項8】 下記式:(VII)で表されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシ
トクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 Lys-Cys-Cys-Phe-Ser-Ala-Ala-Pro-Pro-Val-Ile-Pro (VII) - 【請求項9】下記式:(VIII)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Phe-His-Val-Asn-Pro-Thr-Ser-Pro-Thr-His-Pro-Leu (VIII) - 【請求項10】下記式:(IX)で表されるアミノ酸配列ま
たは該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシト
クロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチド。 Phe-Pro-Gln-His-Asn-Pro-Ala-Arg-Asp-Pro-Ser-Asp (IX) - 【請求項11】 下記式:(X)で表されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシ
トクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 Ser-Tyr-Phe-His-Ser-Pro-Met-His-Pro-Gly-Leu-Pro (X) - 【請求項12】 下記式:(XI)で表されるアミノ酸配列
または該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸がシ
トクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 Met-Asn-Pro-Pro-Trp-Lys-His-Thr-Met-Pro-Arg-Gln (XI) - 【請求項13】 下記式:(XII)で表されるアミノ酸配
列または該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が
シトクロムCに対する結合性を保持し得る範囲内で欠
失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるペプ
チド。 Ala-Ser-Thr-Asn-Pro-Leu-Thr-Met-His-His-Ser-Ser (XII) - 【請求項14】 チトクロムcに特異的に結合するペプ
チドを用いたチトクロムcの検出方法であって、 請求項1〜14のいずれかに記載のペプチドを試料と接
触させる工程と、該試料中における該ペプチドとチトク
ロムcとの特異的な反応の有無を検出する工程とを有す
ることを特徴とするチトクロムCの検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001100764A JP2002293795A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | シトクロムcに対して結合性を有するペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001100764A JP2002293795A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | シトクロムcに対して結合性を有するペプチド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002293795A true JP2002293795A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18954179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001100764A Pending JP2002293795A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | シトクロムcに対して結合性を有するペプチド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002293795A (ja) |
-
2001
- 2001-03-30 JP JP2001100764A patent/JP2002293795A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5572207B2 (ja) | ヒト第viii因子および第viii因子様タンパク質に対する結合分子 | |
JP2575296B2 (ja) | イムノアッセイ用合成スタンダード | |
US5229491A (en) | Peptides immunochemically reactive with antibodies directed against hepatitis non-a, non-b virus | |
US9156883B2 (en) | Binding molecules for human factor VIII and factor VIII-like proteins | |
Vidal et al. | Solid‐phase synthesis and cellular localization of a C‐and/or N‐terminal labelled peptide | |
JP4618751B2 (ja) | ルシフェラーゼに対して結合性を有するペプチド | |
JP2002293794A (ja) | インスリンに対して結合性を有するペプチド | |
JP2002293795A (ja) | シトクロムcに対して結合性を有するペプチド | |
Teruya et al. | Fmoc‐based chemical synthesis and selective binding to supercoiled DNA of the p53 C‐terminal segment and its phosphorylated and acetylated derivatives | |
Patel et al. | A cyclic peptide analogue of the loop III region of platelet‐derived growth factor‐BB is a synthetic antigen for the native protein | |
Bahyrycz et al. | Plant peptide hormone phytosulfokine (PSK‐α): synthesis of new analogues and their biological evaluation | |
JP4258271B2 (ja) | ポリアミノ酸担体 | |
JPH05301889A (ja) | 非a非b型ペプチド | |
JPH05320192A (ja) | 非a非b型肝炎ウイルスに対する抗体に免疫化学反応性を示すペプチド | |
WO2017113445A1 (zh) | 促红细胞生成素肽及衍生物和聚合物、制备方法和应用 | |
WO1997013522A1 (en) | Generating d-peptides: methods and compositions | |
JPH0570484A (ja) | ペプチドおよびその塩 | |
AU635219B2 (en) | Synthetic polypeptides immunochemically reactive with hiv-antibodies | |
JPH04221398A (ja) | 非a非b型肝炎ウイルスに対する抗体と免疫化学反応するペプチド | |
KRCHŇÁK et al. | Solid‐phase synthesis of a nonadecapeptide coded for by the v‐myb oncogene | |
WO1998015572A1 (en) | A composition comprising an immobilised, acylated peptide | |
JPH07228598A (ja) | ペプチド、およびヒトbnpの非特異吸着を抑制する方法 | |
JPH05125096A (ja) | ペプチドおよびそれを含んでなるエイズ診断用要素 | |
JPH05140193A (ja) | ペプチドおよびその塩 |