JP2002292611A - 傾斜機能材料の製造方法 - Google Patents

傾斜機能材料の製造方法

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JP2002292611A JP2001102166A JP2001102166A JP2002292611A JP 2002292611 A JP2002292611 A JP 2002292611A JP 2001102166 A JP2001102166 A JP 2001102166A JP 2001102166 A JP2001102166 A JP 2001102166A JP 2002292611 A JP2002292611 A JP 2002292611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の傾斜パターンで組成又は組織が変化す
る傾斜機能材料を得ることができる傾斜機能材料の製造
方法を提供する。 【解決手段】 原料スラリA,Bは、各々供給速度を変
動させながら混合・吐出部13の混合スペース18に供
給され、振盪混合及び攪拌混合にて混合されて混合スラ
リとされる。混合スラリは、混合と同時に吐出口20か
らスプレー吐出されて成形型12に積層充填される。混
合スペース18に供給されるときの原料スラリAと原料
スラリBの比率は、混合スラリにおいても維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続的、段階的又
は断続的に組成又は組織が変化する傾斜機能材料の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の傾斜機能材料の製造方法として
は、例えば組成を少しずつ変化させた薄板を順次積層し
て一体化する方法(第1の製造方法)が知られている。
また、別の製造方法(第2の製造方法)としては、ある
組成の原料スラリの入った容器に、その原料スラリとは
異なる組成の原料スラリを加えながら攪拌し、容器中の
スラリの組成を変化させながらこれを積層(充填)する
方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第1の
製造方法の場合は、段階的に組成が変化する傾斜機能材
料を得ることはできるが、連続的又は断続的に組成が変
化する傾斜機能材料を作製することは不可能である。
【0004】一方、上記第2の製造方法の場合は、連続
的に組成が変化する傾斜機能材料を作製することはでき
るが、その組成変化を大きくするなど、傾斜パターンを
種々変化させることは困難であり、組成変化の自由度が
低いという欠点がある。
【0005】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、種々の傾斜パターンで組成又は組織が変化
する傾斜機能材料を得ることができる傾斜機能材料の製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、連続的、段階的又は断
続的に組成又は組織が変化する傾斜機能材料を製造する
傾斜機能材料の製造方法であって、二種以上の流動性を
有する材料を各々所定の供給速度で混合スペースに供給
する工程と、前記混合スペースにて前記材料を混合して
混合物を得る工程と、前記混合物をスプレー吐出して成
形型内に積層充填する工程とを備えるとともに、前記混
合スペースに供給されるときの各材料の比率が、混合物
においても維持されるようにしたことを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の傾斜機能材料の製造方法において、前記混合スペース
における材料の混合が振盪混合にて行われることを要旨
とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の傾斜機能材料の製造方法において、前記混合スペース
における材料の混合が振盪混合及び攪拌混合にて行われ
ることを要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか一項に記載の傾斜機能材料の製造方法
において、前記材料がスラリ状であって、該材料には分
散粒子の沈降・分離を防止する安定剤が添加されている
ことを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について図面に基づき説明する。図1(a)は、本実
施形態における傾斜機能材料の製造装置(以下、単に製
造装置ともいう。)を示す概念図である。同図に示すよ
うに、この製造装置は、原料スラリA,B(流動性を有
する材料)を貯留する一対の貯留タンク11a,11b
と、貯留タンク11a,11bから供給される原料スラ
リA,Bを混合して混合スラリ(混合物)とすると同時
にその混合スラリをスプレー吐出して成形型12内に積
層充填する混合・吐出部13とを備えている。
【0011】前記貯留タンク11a,11bと混合・吐
出部13は、輸送ポンプ14a,14b及び開閉弁15
a,15bを介して、接続管16a,16bによって接
続されており、各貯留タンク11a,11bに貯留され
る原料スラリA,Bは接続管16a,16bを介して混
合・吐出部13に供給されるようになっている。
【0012】輸送ポンプ14a,14bには、各貯留タ
ンク11a,11bから混合・吐出部13へと供給され
る原料スラリA,Bの供給速度を制御するための制御部
17が接続されている。本実施形態の場合、輸送ポンプ
14a,14bには無脈動の一軸偏心ポンプが使用され
ており、制御部17は、各一軸偏心ポンプに搭載された
サーボモータの回転数を連動して制御することによって
各原料スラリA,Bの供給速度を互いに連動させるよう
に制御する。
【0013】図1(b)は、前記混合・吐出部13を拡
大して示す半断面図である。同図に示すように、前記混
合・吐出部13は、原料スラリA,Bの混合の場となる
混合スペース18を有し、各貯留タンク11a,11b
から混合・吐出部13に供給される原料スラリA、Bは
まずこの混合スペース18に供給されて混合されるよう
になっている。
【0014】この混合・吐出部13には図示しない振動
装置が取付けられており、振動装置によって混合・吐出
部13を振動させることにより、混合スペース18にお
いて原料スラリA,Bが振盪混合されるようになってい
る。また、混合スペース18には混合用ボール19が収
容されているので、振盪混合に加えて混合用ボール19
による攪拌混合も同時に行われることになる。
【0015】混合スペース18は、混合・吐出部13の
下端に設けられた吐出口20に対し連通路21を介して
連通しており、混合スペース18で原料スラリA,Bを
混合して得られる混合スラリは、連通路21を経由して
吐出口20から吐出されるようになっている。連通路2
1の中間部には、図示しないコンプレッサから延びるエ
ア供給管22が接続されているため、前記吐出口20か
らの混合スラリの吐出は、コンプレッサからエア供給管
22を介して供給される圧縮空気によってスプレー吐出
されるようになっている。
【0016】尚、前記の混合スペース18の容積(混合
用ボール19の体積を除いた容積)はできる限り狭小で
あることが好ましいが、混合スラリの混合スペース18
から連通路21に至る移動速度、すなわち混合スペース
18における混合処理の速度が、各原料スラリA,Bの
供給速度の和と略同一となるような容積であることが必
須である。そうすることによって、両接続管16a,1
6bから混合スペース18へと供給されるときの原料ス
ラリAと原料スラリBの比率を、成形型12にスプレー
吐出される混合スラリにおいても維持させることができ
る。
【0017】次に、上記の製造装置を使用した傾斜機能
材料の製造方法について説明する。上記の製造装置を使
用して傾斜機能材料を製造する場合には、まず貯留タン
ク11a,11bにそれぞれ原料スラリA,Bを投入す
る。この原料スラリA,Bの具体例としては、セラミッ
クス・ガラス・金属等の無機材料、あるいは合成樹脂等
の有機材料を、分散媒(水、有機溶剤)でスラリ化した
ものが挙げられる。この原料スラリには、分散剤、安定
剤、バインダなどが必要に応じて添加される。分散粒子
の沈降・分離を防止する前記安定剤の具体例としては、
アルコール系あるいはグリコール系の有機溶剤、ポリビ
ニルアルコール、結晶セルロースなどが挙げられるが、
その中でも特に結晶セルロースが好ましい。
【0018】続いて、原料スラリA,Bの混合・吐出部
13への供給を開始し、混合・吐出部13の混合スペー
ス18で両スラリA,Bを混合して混合スラリとすると
同時にスプレー吐出させて成形型12内に積層充填させ
る。
【0019】このときの原料スラリA,Bの供給速度
は、図2(a)に示すように、原料スラリAの供給速度
を時間の経過とともに直線的に増大させると同時に、原
料スラリBの供給速度を直線的に減少させるようにす
る。こうすれば、図2(b)に示すように、一方の面か
ら他方の面に向かうにつれて原料スラリAに含まれる成
分aの濃度が直線的に増大するとともに、原料スラリB
に含まれる成分bの濃度が直線的に減少するような、厚
み方向で組成が変化する成形体(傾斜機能材料)を得ら
れる。
【0020】本実施形態によって得られる効果につい
て、以下に記載する。 ・ 本実施形態によれば、混合スペース18の容積は、
混合スラリの混合スペース18から連通路21に至る移
動速度、すなわち混合スペース18における混合処理の
速度が、各原料スラリの供給速度の和と略同一となるよ
うな容積とされる。このため、両接続管16a,16b
から混合スペース18へと供給されるときの原料スラリ
Aと原料スラリBの比率を、成形型12にスプレー吐出
される混合スラリにおいても維持させることができる。
従って、各原料スラリの供給速度を制御部17で種々に
制御することによって、種々の傾斜パターンで組成が変
化する傾斜機能材料を得ることができる。
【0021】・ 本実施形態の製造方法によって得られ
る連続的に組成が変化する傾斜機能材料は、内部に異相
界面がない。従って、収縮率や熱膨張係数の相違に基づ
いて生じる歪みを緩和することができるので、その歪み
に起因する剥離やひび割れを抑制することができる。
【0022】・ 混合スペース18における原料スラリ
A,Bの混合が振盪混合及び攪拌混合にて行われるの
で、狭小な混合スペース18であっても確実に両者を混
合させることができる。
【0023】・ 原料スラリA,Bに安定剤を添加する
ことにより、分散粒子の沈降・分離を防止することがで
きる。また、安定剤として結晶セルロースを添加した場
合には、分散粒子の沈降・分離を防止すると同時に、原
料スラリA,Bにチキソトロピックな性質を付与するこ
とができ、各原料スラリA,Bを輸送する接続管16
a,16bにおいて空気を咬むのを防止することができ
る。
【0024】尚、前記実施形態を次のように変更して構
成することもできる。 ・ 前記実施形態においては原料スラリA,Bの供給速
度について、一方は増大するのみ他方は減少するのみで
変動の方向が不変あったが、各スラリA,Bの供給速度
の変動の方向を途中で逆転させてもよい。
【0025】例えば図3(a)に示すように、スラリ
A,Bの供給速度について、最初一方(原料スラリA)
を直線的に増大させるとともに他方(原料スラリB)を
直線的に減少させ、その後一方(原料スラリA)を直線
的に減少させるとともに他方(原料スラリB)を直線的
に増大させるように変動させてもよい。このようにすれ
ば、同じく図3(a)に示すように、各スラリA,Bに
含まれる成分a,bが、厚み方向の一方の面から他方の
面に向かうにつれて、最初一方(成分a)が直線的に増
大するとともに他方(成分b)が直線的に減少し、その
後一方(成分a)が直線的に減少するとともに他方(成
分b)が直線的に増大するような傾斜機能材料を得るこ
とができる。
【0026】あるいは図3(b)に示すように、図3
(a)に示す供給速度の変動の態様が連続して二度繰り
返されるように各スラリA,Bの供給速度を変動させて
もよい。このようにすれば、同じく図3(b)に示すよ
うに、図3(a)に示す成分a,bの濃度の変化の態様
が連続して二度繰り返されるような傾斜機能材料を得る
ことができる。
【0027】・ 前記実施形態においては、各スラリ
A,Bの供給速度を常に変動させたが、供給速度が一定
のまま維持される期間があってもよい。例えば図4
(a)に示すように、スラリA,Bの供給速度につい
て、最初両者とも一定で、その後一方(原料スラリA)
を直線的に増大させるとともに他方(原料スラリB)を
直線的に減少させ、最後再び両者とも一定となるように
変動させてもよい。このようにすれば、同じく図4
(a)に示すように、各スラリA,Bに含まれる成分
a,bが、厚み方向の一方の面から他方の面に向かうに
つれて、最初両者とも一定で、その後一方(成分a)が
直線的に増大するとともに他方(成分b)が直線的に減
少し、最後再び両者とも一定となるような断続的に組成
が変化する傾斜機能材料を得ることができる。
【0028】あるいは、図4(b)に示すように、最初
一方(原料スラリA)を直線的に増大させるとともに他
方(原料スラリB)を直線的に減少させ、その後両者と
も一定とした後、最後再び一方(原料スラリA)を直線
的に増大させるとともに他方(原料スラリB)を直線的
に減少させるように変動させてもよい。このようにすれ
ば、同じく図4(b)に示すように、各スラリA,Bに
含まれる成分a,bが、厚み方向の一方の面から他方の
面に向かうにつれて、最初一方(成分a)が直線的に増
大するとともに他方(成分b)が直線的に減少し、その
後両者とも一定で、最後再び一方(成分a)が直線的に
増大するとともに他方(成分b)が直線的に減少するよ
うな断続的に組成が変化する傾斜機能材料を得ることが
できる。
【0029】・ 前記実施形態においては各スラリA,
Bの供給速度を連続的に変動させたが、段階的に変動さ
せるようにしてもよい。例えば図5に示すように、原料
スラリA,Bの供給速度について、一方(原料スラリ
A)を階段状に増大させ、他方(原料スラリB)を階段
状に減少させるように変動させてもよい。このようにす
れば、同じく図5に示すように、各スラリA,Bに含ま
れる成分a,bが、厚み方向の一方の面から他方の面に
向かうにつれて、一方(成分a)が階段状に増大すると
ともに他方(成分b)が階段状に減少するような段階的
に組成が変化する傾斜機能材料を得ることができる。
【0030】・ 前記実施形態においては各スラリA,
Bの供給速度の変動の大きさを常に一定としたが、その
変動の大きさを途中で変化させてもよい。例えば図示し
ないが、原料スラリA,Bの供給速度について、一方を
曲線的に増大させ、他方を曲線的に減少させるように変
動させてもよい。このようにすれば、各スラリA,Bに
含まれる成分a,bが、厚み方向の一方の面から他方の
面に向かうにつれて、一方が曲線的に増大するとともに
他方が曲線的に減少するような傾斜機能材料を得ること
ができる。
【0031】・ 接続管を介して混合・吐出部13に接
続される貯留タンクの数を前記実施形態の二つから三つ
以上に変更してもよい。三つの貯留タンクを備えた製造
装置の場合、各貯留タンクに貯留される三種の原料スラ
リA〜Cの供給速度については、例えば図6に示すよう
に変動させることができる。すなわち、スラリAを直線
的に増大させるとともにスラリBを直線的に減少させ、
その後スラリBの供給を停止してそれに代わってスラリ
Cの供給を開始し、そのスラリCの供給速度を直線的に
増大させるとともにスラリAを減少させる。このように
すれば、同じく図6に示すように、各原料スラリA〜C
に含まれる成分a〜cが、厚み方向の一方の面から他方
の面に向かうにつれて、最初成分aが直線的に増大する
とともに成分bが直線的に減少し、その後成分bに代わ
って成分cが直線的に増大するとともに成分a直線的に
減少するような傾斜機能材料を得ることができる。
【0032】・ 前記実施形態及び上記各別例では、傾
斜機能材料として連続的、段階的又は断続的に組成を変
化させたものを例示したが、連続的、段階的又は断続的
に組織を変化させたものであってもよい。
【0033】連続的、段階的又は断続的に組織が変化す
る傾斜機能材料を得る方法の一つとしては、原料スラリ
A,Bのうち少なくともいずれか一方に気孔付与材を添
加し、前記実施形態と同様に操作して気孔付与材の分布
が厚み方向で異なる成形体を得た後、その成形体を焼成
して気孔付与材を焼失させる方法がある。こうすれば、
連続的、段階的又は断続的に密度が変化する傾斜機能材
料を得ることができる。このときの気孔付与材の具体例
としては、焼成によって消失するアクリル樹脂などの合
成樹脂、デンプン、セルロース等の有機化合物、炭素、
無機バルーンなどが挙げられる。
【0034】また、連続的、断続的又は段階的に密度が
変化する傾斜機能材料を得る別の方法としては、原料ス
ラリA,Bのうち少なくともいずれか一方に焼結助剤を
添加し、前記実施形態と同様に操作して焼結助剤の分布
が厚み方向で異なる成形体を得た後、その成形体を焼成
する方法がある。焼結助剤の濃度によって焼成後の緻密
さの程度が相違してくるので、焼結助剤の分布を厚み方
向で異ならしめることで、厚み方向で密度の異なる傾斜
機能材料を得ることができる。このときの焼結助剤の具
体例としては、酸化アルミニウム、酸化イットリウムな
どが挙げられる。
【0035】・ 原料スラリA,Bとして導電性材料及
び絶縁性材料をスラリ化したものを用い、導電性材料及
び絶縁性材料の分布を厚み方向で異ならしめることで連
続的、段階的又は断続的に電気抵抗が変化するような傾
斜機能材料を作製するようにしてもよい。このときの導
電性材料の具体例としては、チタン・ジルコニウム・ハ
フニウム・バナジウム・タンタル及びニオブの炭化物・
窒化物及びホウ化物、窒化クロム・炭化クロム・炭化タ
ングステン、タングステン・コバルト・モリブデン・ニ
ッケル・マンガン・鉄・チタン・クロム・銅・亜鉛・ス
ズ・アルミニウム等の金属単体及びその一部酸化物、炭
素、黒鉛等が挙げられる。また絶縁性材料の具体例とし
ては、窒化ケイ素・窒化アルミニウム・窒化ホウ素・炭
化ケイ素等の非酸化物系セラミックス、酸化アルミニウ
ム・酸化ジルコニウム・ムライト・ジルコン等の酸化物
系セラミックス、ガラス、熱可塑性樹脂、ゴム等が挙げ
られる。
【0036】・ 前記実施形態では、貯留タンク11
a,11bに投入される流動性を有する材料としてスラ
リ状の材料(原料スラリA,B)を用いたが、それに限
定されない。例えば粉体、液状の樹脂材料又は溶液を、
流動性を有する材料として用いてもよいが、その場合に
は材料の積層充填後に硬化又は固化させる操作が必要で
ある。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1)前記実施形態の製造装置を使用して、貯留
タンク11a,11bに下記の表1に示すような組成に
調製された原料スラリA,Bをそれぞれ投入し、両スラ
リA,Bの混合・吐出部13への供給を12分間行っ
て、成形型12内に成形体を得た。このとき、原料スラ
リAについては、初期供給速度を12cc/分として1
cc/分の傾斜で徐々に供給速度を減少させるように
し、原料スラリBについては、初期供給速度を0cc/
分として1cc/分の傾斜で徐々に供給速度を増大させ
るようにした。尚、混合スペース18に供給される2種
類の原料スラリA,Bの合計の供給速度は常に12cc
/分である。
【0038】
【表1】 ここで本実施例では、接続管16a,16bには内径4
mmのフッ素樹脂製のチューブ、吐出口20の径は1.
2mm、スプレー圧は0.1MPa、混合スペース18
の容積は0.8cc(直径5mmのジルコニアボールの
体積を除く)とした。
【0039】得られた成形体は雰囲気焼成法により焼成
して焼成体とした。具体的には、0.7MPaの窒素雰
囲気下、1750℃で3時間にわたって成形体を焼成し
て焼成体とした。
【0040】得られた焼成体にはやや湾曲が見られたも
のの、ひび割れは認められなかった。この焼成体につい
て、積層方向に5等分し、各サンプル中に含まれるケイ
素及びチタンをX線マイクロアナライザ(株式会社堀場
製作所製)を使用して分析した。図7は、その分析結果
を示すグラフである。同図に示すように、チタンのピー
クの高さは(a)から(e)に向かうほど小さくなる。
従って、積層方向(厚さ方向)に沿って徐々にチタンの
含有量(濃度)は減少しており、積層方向に組成が変化
していることが示された。
【0041】(実施例2)実施例1において、雰囲気焼
成法でなくホットプレス焼成法により成形体の焼成を行
うように変更した。具体的には、9.8MPaのプレス
圧を加えながら(プレス開始温度1100℃)0.7M
Paの窒素雰囲気下、1600℃で2時間にわたって成
形体を焼成するように変更した。それ以外は実施例1と
同様に操作して、焼成体を得た。
【0042】得られた焼成体には、湾曲、ひび割れとも
認められなかった。この焼成体について、日本電子株式
会社製の電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)
にて分析した。そうしたところ、積層方向に沿って切断
した断面(積層方向切断面)において、ケイ素は一方か
ら他方に向かうにつれて徐々に濃度が増大し、チタンは
その逆に他方から一方に向かうにつれて徐々に濃度が増
大するような濃度分布を示すことがわかった。(図8
(a)及び(b)参照) また、得られた焼成体の電気抵抗についてテスターを使
って測定したところ、積層方向切断面において一方の端
面側から他方の端面側に向かうにつれて電気抵抗が0〜
1000Ωの範囲で連続的に変化することが示された。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
によれば、種々の傾斜パターンで組成又は組織が変化す
る傾斜機能材料を得ることができる。
【0044】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、狭小な混合スペースであっ
ても確実に材料を混合させることができる。請求項3に
記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果をよ
り向上させることができる。
【0045】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加
え、材料中の分散粒子の沈降・分離を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本実施形態の傾斜機能材料の製造装
置を示す概念図、(b)は同製造装置の混合・吐出部を
拡大して示す半断面図。
【図2】 (a)は原料スラリの供給速度と時間との関
係を示すグラフ、(b)は傾斜機能材料における各原料
スラリに含まれる成分の濃度と、厚み方向における位置
との関係を示すグラフ。
【図3】 (a)及び(b)は原料スラリの供給速度と
時間との関係を示すグラフ。
【図4】 (a)及び(b)は原料スラリの供給速度と
時間との関係を示すグラフ。
【図5】 (a)及び(b)は原料スラリの供給速度と
時間との関係を示すグラフ。
【図6】 (a)及び(b)は原料スラリの供給速度と
時間との関係を示すグラフ。
【図7】 (a)〜(e)は、X線マイクロアナライザ
を使用して実施例1の傾斜機能材料を分析した結果を示
すグラフ。
【図8】 (a)は実施例2の傾斜機能材料の積層方向
切断面におけるケイ素の濃度分布を示すマッピング像、
(b)は同じくチタンの濃度分布を示すマッピング像。
【符号の説明】
A,B…流動性を有する材料としての原料スラリ、12
…成形型、18…混合スペース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉知 一正 岐阜県多治見市星ヶ台3丁目11番地 岐阜 県セラミックス技術研究所 内 (72)発明者 野村 貴徳 岐阜県美濃市前野777 岐阜県製品技術研 究所 美濃分室 内 Fターム(参考) 4D075 AA04 CA47 DA29 DC50 EA08 EA31 EB56 EB60 4G030 AA12 AA36 AA49 AA52 CA03 GA04 GA16 GA18 4G055 AA07 AC01 AC09 CA09 CA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的、段階的又は断続的に組成又は組
    織が変化する傾斜機能材料を製造する傾斜機能材料の製
    造方法であって、 二種以上の流動性を有する材料を、各々供給速度を変動
    させながら混合スペースに供給する工程と、 前記混合スペースにて前記材料を混合して混合物を得る
    工程と、 前記混合物をスプレー吐出して成形型内に積層充填する
    工程とを備えるとともに、 混合スペースに供給されるときの各材料の比率が、混合
    物においても維持されるようにしたことを特徴とする傾
    斜機能材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合スペースにおける材料の混合が
    振盪混合にて行われることを特徴とする請求項1に記載
    の傾斜機能材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合スペースにおける材料の混合が
    振盪混合及び攪拌混合にて行われることを特徴とする請
    求項1に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記材料がスラリ状であって、該材料に
    は分散粒子の沈降・分離を防止する安定剤が添加されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    一項に記載の傾斜機能材料の製造方法。
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