JP2002291711A - 血流量計測装置及び血圧計 - Google Patents

血流量計測装置及び血圧計

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JP2002291711A
JP2002291711A JP2001096297A JP2001096297A JP2002291711A JP 2002291711 A JP2002291711 A JP 2002291711A JP 2001096297 A JP2001096297 A JP 2001096297A JP 2001096297 A JP2001096297 A JP 2001096297A JP 2002291711 A JP2002291711 A JP 2002291711A
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blood
blood flow
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Sadako Honda
禎子 本田
Koji Morizaki
弘司 森崎
Yoshihiko Muraya
慶孫 村屋
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】生体組織に流れる血液の流量を計測することが
できる血流量計測装置及びこの血流量の計測値を利用し
て血圧を測定する血圧計を提供すること。 【解決手段】血流量計測装置Aは、少なくとも2つの異
なる波長の光で被検眼の眼底を照射する照射手段10
と、眼底に照射された光の反射光を受光して電気信号に
変換する受光手段20と、この受光手段20の出力に基
づいて動脈の血流量等を演算する制御手段30と、を備
えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体組織に流れる
血液の流量を計測する血流量計測装置及びこの計測した
血液の流量の計測値に基づいて血圧を測定する血圧計に
関する。
【0002】
【従来の技術】人体の各器官に必要な物質を供給する血
液の流量を計測することは、非常に重要である。例え
ば、血液中の血中糖度が高くなり、眼球の網膜細胞への
動脈の流れに問題が生じると、ついに失明にいたること
はよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記血
流量を計測する装置はこれまで存在しなかった。本発明
は、上記問題点を解決するためになされたものであり、
生体組織に流れる血液の流量を計測することができる血
流量計測装置及びこの血流量の計測値を利用して血圧を
測定する血圧計を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、 生体組織に光を照射し、生体組織を透過した光を利用し
て生体組織の血液の流量を計測する血流量計測装置であ
って、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
と、 受光手段の出力信号に基づき酸素飽和度を算出する酸素
飽和度算出機能と、受光手段で受光した透過光、或いは
反射光により血管径を計測する血管径計測機能と、前記
算出した酸素飽和度及び計測した血管径に基づいて、血
管に流れる血液の流量を演算する血流量演算機能とを有
する制御手段と、を備えたことを特徴とする。請求項2
の発明は、 生体組織に光を照射し、生体組織を透過した光を利用し
て生体組織の血液の流量を計測する血流量計測装置であ
って、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
と、 受光手段の出力信号に基づき、異なった波長による微分
信号より血液の流速を算出する流速算出機能と、受光手
段で受光した透過光、或いは反射光により血管径を計測
する血管径計測機能と、前記算出した血液の流速及び計
測した血管径に基づいて、血管に流れる血液の流量を演
算する血流量演算機能とを有する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする。請求項3の発明は、 生体組織に光を照射し、生体組織を透過した光を利用し
て生体組織の血圧を計測する血圧計であって、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
と、 受光手段の出力信号に基づき酸素飽和度を算出する酸素
飽和度算出機能と、受光手段で受光した透過光、或いは
反射光により血管径を計測する血管径計測機能と、前記
算出した酸素飽和度及び計測した血管径に基づいて、血
管に流れる血液の流量を演算する血流量演算機能と、こ
の演算した血液の流量に基づいて、血圧を算出する血圧
算出機能と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の血流量計測装置に
ついて、その基礎となる原理について説明し、その後、
この原理に対応させた具体的な血流量計測装置の構成及
びその動作について説明する。
【0006】まず、本発明の血流量計測の原理について
説明する。図2は、血液が動脈の血管Z中を流れる様子
を模式的に示した模式図である。同図に示す血液の単位
時間当たりの流量は、以下の式で表される。
【数式1】
【0007】ここで、上記血液の積算流量は、
【数式2】 となり、上記(2)式より、血液の流量は、血液の流速
及び粒子数を求めれば良いことが分かる。
【0008】以下、血液の流速を求める場合、及び血液
を構成する粒子の粒子数を求める場合に分けて説明す
る。まず、血液の流速を求める場合について説明する。
図3は、血液が動脈血管を脈打って流れる様子を模式的
に示した模式図である。同図(a)は、或る時刻t1の血
管の状態を、同図(b)は、時刻t1から一定時間経過し
た後の時刻t2の血管の状態を示している。また、同図
中、Aは動脈の血管の或る任意の地点、A´はA点近傍に
位置する血管の部位、BはA点から離れた部位をそれぞれ
示しており、また、血液は図中の矢印の方向に流れてい
るとする。
【0009】また、以下に述べる説明においては、動脈
の血管中を流れる血液を構成する粒子として酸化ヘモグ
ロビン(HbO2)を考え、さらに血液の流速を求めるため
に酸素飽和度(SaO2)を考えることとする。なお、酸素
飽和度(SaO2)とは、血液中のトータルヘモグロビン
(全ヘモグロビン)に対する酸化ヘモグロビン(HbO2
の割合を示している。
【0010】酸素飽和度(SaO2)は、主に肺のヘモグロ
ビンの酸化機能により決まるが、動脈の血管中に一定の
値を有しているのではなく、血管中に一定の値からはず
れた所定の分布を有して存在していると理解される。そ
して、この分布の移動の時間的な割合が、血液の速度と
なる。いま、図3中、t1時において、A地点では酸素飽
和度(SaO2)がn値を、A´地点では酸素飽和度(Sa
O2)がn´値を、B地点では酸素飽和度(SaO2)がn´
´値を示しているとすると、t1時にA地点に存在してい
た血液を構成する粒子群が、t2時においてはA´位置に
移動したことを示している。
【0011】つまり、酸素飽和度(SaO2)の値をA地点
で検出し、つぎにA´地点で検出すると、血液の流速v
(t)は、以下の式で求まる。
【数式3】
【0012】より具体的には、上記2地点での酸素飽和
度(SaO2)の測定は、図4に示す型となる。すなわち、
A地点を基準として酸素飽和度(SaO2)を測定すれば、
酸素飽和度(SaO2)の時間的分布は、A´地点において
は、(t2−t1)時間遅れて現れる。ここで、測定地点
がA点近傍のA´地点であれば、酸素飽和度(SaO2)の分
布がそのまま移動していると考えて良い。
【0013】この場合において、例えば、一度、A地点
での酸素飽和度(SaO2)の分布を電子機器のメモリに記
録しておき、A´地点での酸素飽和度(SaO2)の分布の
ずれから(t2−t1)の時間を求め、また、A及びA´地
点の間の距離は計測できるため、これにより血液の流速
を測定することができる。なお、A及びA´地点での両者
の酸素飽和度(SaO2)の分布状況をメモリしておくこと
も可能である。また、単に両地点での酸素飽和度(Sa
O2)のピーク値のずれを測定してもよく、また、任意の
特異点(変化のある地点)を測定してもよい。つまり、
少なくとも2地点で酸素飽和度(SaO2)を検出して、そ
の時間的分布のずれから血液の流速v(t)を求めるこ
とができる。
【0014】つぎに、血管中の酸素飽和度(SaO2)を測
定する原理について説明する。いま、図5に示すよう
に、光を散乱する物質((厚みD(t)、その時間的に変化
しない厚みをDo、厚みの時間的な変化部分f(t)として、
D(t)=Do+f(t)として表されるとする。)に波長λ、強度
Ioλの光を照射した際に、その物質を透過した光の強さ
Iλはクベルカ−ムンクの法則より、以下のように表さ
れる。
【数式4】
【0015】また、上記光を散乱する物質をヘモグロビ
ンとすると、bλ・Sλ>>1と見なせることから、上記
(11)式は、
【数式5】 逆に、波長λの反射光強度Rλは、
【数式6】 上記(13)式を変形して、
【数式7】
【0016】ここで、(14)式の対数表現をとると、
【数式8】 更に、上記(15)式の時間微分をとると(その微分値
をgλとして)、
【数式9】 つまり、
【数式10】 で表される。ここで、Sλ>>Kλと考えられるから、
【数式11】
【0017】ここで、波長λにおける散乱係数Sλ、吸
収係数Kλについて考える。ヘモグロビンは酸化型と還
元型があり、散乱係数Sλは両者による違いは微小であ
るが、吸収係数Kλは、酸化型、或いは還元型により敏
感に効くとされ、吸収係数Kλは以下の式で表される。
【数式12】
【0018】(19)式を(18)式に代入すると、
【数式13】 (20)式において、酸素飽和度(SaO2)は酸化ヘモグ
ロビン濃度により決まる未知数、
【数式14】 は、トータルヘモグロビン濃度とその時間変化量で、未
知数であるが掛け算になっており、2つの未知数として
よい。後の数字は、既知と考えて良いから、これによ
り、波長λを2つの波長にとり、2つの方程式から酸素
飽和度(SaO2)を求めれば、
【数式15】 を得ることができる。これが、反射式の2波長方式によ
る血液中の酸素飽和度(SaO2)の測定原理である。
【0019】ここで、更に詳しく、(21)式までを説
明する。図5は、(11)、(12)、(13)式で表
される前提となる生体組織の模式図で、入射光Ioλが、
脈打っている動脈に入射する際の様子を模式的に示した
模式図である。同図において、物質の厚さD(t)は、動脈
の血管の厚さを示している。ここで、血液中の場合、短
時間では、粒子の濃度が変わらないと考えられているか
ら、血管の厚さD(t)は、ある時刻の粒子数の変化で、動
脈の血管の容積に対応していると考えられる。また、f
(t)は、動脈の血管の変化部分に相当している。
【0020】(13)式の、Rλは、入射光は透過光以
外は反射していることに相当している。図6は、反射光
強度Rλの時間的変化を示している。(18)式から
(21)式の導き方は、異なる2つの波長(λ1,λ
2)であっても、微少な血管の変化分(df(t)/d
t)は変わらないこと、酸素飽和度(Sao2)も同様であ
ること、散乱係数S1とS2は、酸化ヘモグロビンであって
も、還元ヘモグロビンであっても略同じである。このた
め、微少な血管の変化分(df(t)/dt)が0でな
い限り、(21)式より、酸素飽和度(Sao2)は求める
ことができる。つまり、酸素飽和度(SaO2)は、異なる
2波長の比(g2/g1)が決まれば、求めることができ
る。すなわち、酸素飽和度(SaO2)と上記(g2/g1)と
は対応しており、酸素飽和度(SaO2)の分布の速度のみ
の計測には、(g2/g1)の比の分布のみで十分である。
【0021】つぎに、粒子数を求める場合について説明
する。血液中の粒子数は、粒子密度×容積で決まる。最
初に粒子密度を求める場合について説明する。これは、
(変動している粒子数)/(変動している容積)で求ま
る。
【0022】図7は、動脈の血管のある時刻での脈打っ
ている様子を示している。この変化を、血管の容積H(t)
の変化として表すと、以下の式で表される。
【数式16】 ここで、上記H(t)は、以下のようにして求めることがで
きる。すなわち、ある動脈の血管について、テレビカメ
ラ等により、図7の上方から観察することにより、図8
の(b)に示すように、その血管の血管径L(t)を計測す
る。
【0023】
【数式17】 これにより、血管の容積は、
【数式18】 と表されから、
【数式19】 (30)式との対応では、
【数式20】 である。そして、このh(t)が血管中の変動容積部分であ
る。なお、この場合、血管の厚さは薄いとしている。
【0024】変動している粒子数の求め方一方、このh
(t)に対応して粒子数が変動していることを示している
式は、(18)式のf(t)である。この積分型をとると、
【数式21】 ここで、Sλ、Kλについて考える。Sλは、HbO2或いはH
bによっては変わらないが、両者のトータルヘモグロビ
ン濃度には比例していると考えられる。また、Kλは
(19)式に示した通りである。トータルヘモグロビン
濃度は、粒子の密度に比例しており、(35)式はつぎ
のように表される。密度をi(t)として
【数式22】 ここで、
【数式23】 整理すると、
【数式24】 ここで、A,B,S1,S2,A′,B′は全て定数であるため、以
上の式より求まる。
【0025】つぎに、密度の求め方について説明する。
密度i(t)は、定義より、
【数式25】 (35)′′と(34)とをとりだせば、未知数i(t),f
(t)の2つのどちらかであるから数i(t)を求めることが
できる。整理すると、
【数式26】 i(t)の正値を考えて、密度は、
【数式27】 と表される。また、定義により、粒子数M(t)は、
【数式28】 だから、(30)、(33)、(37)を用いて整理す
ると、
【数式29】 となり、Lo,l(t),SaO2,gλ(t)は、計測できる値であ
り、M(t)は求めることができる。
【0026】以上述べたように、本発明の血流量計測装
置の理論においては、第1の波長及び第2の波長として
血液を透過した光を計測すれば、これらの波長の比より
酸素飽和度を算出し、この算出された酸素飽和度に基づ
いて血液の流速を求めることができる。また、上記のよ
うに血管の径を求めることができれば、これから血液の
粒子数を求めることができ、これら血液の流速及び粒子
数の値より血液の血流量を求めることができる構成とな
っている。
【0027】つぎに、上記理論に基づいた、本願発明の
血流量計測装置の具体的な構成について図1を用いて説
明する。なお、本実施形態においては、計測の対象とし
て眼底の網膜に光を照射し、この反射光を利用して網膜
の血管に流れる血液の血流量を計測する場合について説
明する。
【0028】同図に示すように、本発明の血流量計測装
置Aは、少なくとも2つの異なる波長の光で被検眼の眼
底を照射する照射手段10と、眼底に照射された光の反
射光を受光して電気信号に変換する受光手段20と、こ
の受光手段20の出力に基づいて動脈の血流量等を演算
する制御手段30と、を備えて構成されている。
【0029】上記照射手段10は、眼底Gに光を照射す
るためのもので、本実施形態においては、発光ダイオー
ド11及び12を用いて構成されており、この発光ダイ
オード11は波長λ1、発光ダイオード12は波長λ2
の波長の光を発光する。なお、上記波長λ1、λ2とし
ては、血液(酸化ヘモグロビンや還元ヘモグロビン)に
関する測定に適している600〜950nmの光を用い
る。
【0030】受光手段20は、上記照射手段10から照
射された光が網膜Gで反射した反射光を受光して電気信
号に変換するもので、本実施形態においては、CCDイメ
ージングセンサ(以下、CCDイメージングセンサ20と
呼ぶ。)が使用されている。
【0031】上記照射手段10及びCCDイメージングセ
ンサ20との間の光路上には、光学系40が配設されて
いる。この光学系40は、上記照射手段10の発光ダイ
オード11及び12から照射された光を照射対象である
網膜Gに照射するための透過型の照明用ハーフミラー4
1、この照明用のハーフミラー41により網膜Gに照射
される照射光を拡散して網膜Gに照射する反射板42及
び網膜Gからの反射光を結像してCCDイメージングセンサ
20に照射する結像レンズ43とを備えて構成されてい
る。
【0032】制御手段30は、CCDイメージングセンサ
20からの出力信号(電気信号)に基づいて酸素飽和度
を算出する酸素飽和度算出機能と、上記イメージングセ
ンサ20からの出力信号に基づいて、異なった波長によ
る微分信号より血液の流速を算出する流速算出機能と、
CCDイメージングセンサ20で受光した反射光により生
体組織の皮膚表面近傍を流れる血管の血管径を計測する
血管径計測機能と、この算出した血管径に基づいて血液
の粒子数を算出する粒子数算出機能と、前記算出した血
液の流速及び粒子数に基づいて、動脈の血管に流れる血
液の流量を演算する血流量演算機能とを備えて構成され
ている。
【0033】本実施形態においては、上記制御手段30
として、マイクロコンピュータ(以下、マイクロコンピ
ュータ30と呼ぶ。)が使用されており、このマイクロ
コンピュータ30には、上述したCCDイメージングセン
サ20、マイクロコンピュータ30が行う処理プログラ
ム及びこの処理の過程で必要なデータが記憶されている
メモリ35及びマイクロコンピュータ30の演算結果を
表示する表示器50が接続されている。
【0034】上記のように構成されたマイクロコンピュ
ータ30は、CCDイメージングセンサ20からの出力信
号が入力インターフェイスを介して入力されると、この
入力された入力信号に基づいて必要なデータをメモリ3
5から取り込み、予めメモリ35内に記憶された所定の
処理プログラムを実行処理して、血液の流量を求める。
また、上記マイクロコンピュータ30には、CCDイメー
ジングセンサ20からの出力信号を信号処理して眼底の
血管の画像を表示する画像表示機能を有している。
【0035】つぎに、上記のように構成された血流量測
定装置Aの具体的な動作について説明する。まず、照射
手段10の発光ダイオード11及び12を、眼底の網膜
Gに照射する。この網膜Gの照射は、それぞれ連続光であ
っても、パルス光であってもよく、また、用いる光源と
して赤外レーザ光であってもよい。なお、上記受光手段
及び光学系は、網膜G上の血管が分解できる波長に適合
するものであればよく、波長λ1、λ2の交互型のパル
ス光であれば一種類の光学系を、連続光なら2種類の光
学系を配置する構成とすることも可能である。
【0036】上記照射手段10の発光ダイオード11か
ら照射された光は、透過型の照明用ハーフミラー41を
介して、反射板42に到達し、この反射板42で拡散さ
れて、眼球に照射される。そして、上記眼球に照射され
た光は、網膜Gで反射し、該反射光は結像レンズ43で
結像されて、CCDイメージングセンサ20で受光され
る。また、このCCDイメージングセンサ20で受光され
た反射光は電気信号に変換され、入力インターフェイス
を介してマイクロコンピュータ30に入力される。
【0037】ここで、上記マイクロコンピュータ30の
処理手順を、フローチャートを用いて説明する。図9
は、CCDイメージングセンサ20で受光した透過光によ
り血管径を計測する血管径計測機能を説明するためのフ
ローチャートである。本実施形態においては、ステップ
1で、照射手段10により眼底に照射された光をCCDイ
メージングセンサ20に取り込み、該CCDイメージング
センサ20からの出力信号をマイクロコンピュータ30
で演算処理して眼底のイメージ情報を作成し、図8
(a)に示すように、眼底のイメージとして表示器50
に画像表示する。
【0038】つぎに、ステップ2で、上記表示器50に
表示された動脈の血管のイメージに基づいて血管径を測
定する。本実施形態においては、人間が表示器50を確
認しながら血管径を測定する。具体的には、図8(a)
の一部を拡大した同図(b)を用いて、血管径を測定す
るのであるが、この場合において、血管の伸びている方
向に直交する方向より径を計測することにより、血管径
L(t)、血管の変化しない部分の血管径Lo、血管の変化す
る部分の血管径l(t)をそれぞれ計測する。そして、ス
テップ3で、上記計測した血管径の計測値を手動で入力
して、メモリ35に記憶する。
【0039】図10は、上記CCDイメージングセンサ2
0で受光され、電気信号に変換された出力信号より酸素
飽和度を算出する酸素飽和度算出機能を説明するための
フローチャートである。
【0040】同図に示すように、マイクロコンピュータ
30は、発光ダイオード11、12からの波長λ1、λ
2の光が照射された血管の部位の酸素飽和度を算出す
る。具体的には、まず、ステップ11で、入力インター
フェイスを介して発光ダイオード11、12からの光を
図8(b)に示す血管の部位に照射した際の透過光のデ
ータを取り込んでメモリ35に記憶する。
【0041】つぎに、ステップ12で、ステップ11で
メモリ35に記憶したそれぞれのデータに基づいて、酸
素飽和度(SaO2)を算出する。この酸素飽和度(SaO2
の算出は、例えば、前述した酸素飽和度算出の理論に用
いられた式(21)に必要なデータを、CCDイメージン
グセンサ20で電気信号に変換された出力信号に基づい
てメモリ35から取り込むとともに、予めメモリ35内
に格納されたプログラムを実行処理して、酸素飽和度
(SaO2)を算出することにより行う。そして、ステップ
13では、この算出した酸素飽和度(SaO2)をメモリ3
5に記憶する。
【0042】つぎに、上記手順で算出された血管径及び
算出された酸素飽和度に基づいて、動脈の血管に流れる
血液の流量を演算する血流量演算機能について説明す
る。この手順は、図11に示すマイクロコンピュータ3
0の血液の流量算出機能により実現される。具体的に
は、ステップ31でメモリ35に記憶された血管径に基
づいて、血液の粒子数を算出する。これは、上述した
(39)式が、予めプログラム形式でメモリ35に記憶
されており、このプログラムを実行処理することによ
り、血液の粒子数を算出する。
【0043】次に、ステップ32で、メモリ35に記憶
された酸素飽和度に基づいて、血液の流速を算出する。
これは、上述した(3)式が、予めプログラム形式でメ
モリ35に記憶されており、このプログラムを実行処理
することにより、血液の流速を算出する。そして、ステ
ップ33で、これら算出した血液の粒子数及び流速の値
を予めメモリ35に記憶された血流量算出用の処理プロ
グラムに代入して血流量を求める。具体的には、上述し
た(1)式が、予めプログラム形式でメモリ35に記憶
されており、このプログラムを実行処理することによ
り、血流量を算出することができる。
【0044】上述したように、本発明の血流量計測装置
Aによれば、眼底に光を照射することにより、例えば、
眼底検査とともに血流量を計測することができ、健康状
態を容易にチェックして管理することができるという効
果がある。
【0045】以上、本発明の血流量計測装置Aの一実施
の形態について説明したが、上記血流量計測装置Aは、
請求項に記載の範囲内において種々に変更可能であっ
て、上記実施形態においては、血管径を計測する際に図
8(b)の部分拡大画面を用いて血流量を計測したが、例
えば、図8(a)に示す全画面の全てを対象として自動
的にスキャニングし、全ての血管の血流量を計測するこ
とも可能である。
【0046】この場合において、図8(a)に示す全画面
を、複数からなる小さい画面に分割し、図8(b)に示す
ように、一本の動脈の血管のみが表示されている画面を
抽出する。この場合において、動脈及び静脈の判別は、
動脈の脈動する動きにより行う。これにより、図8に示
す全画面を自動的にスキャニングすることにより、分割
された画面の条件に適合する動脈を抽出し、これら抽出
された動脈の血管の画面を用いて、上述した方法によ
り、血流量を測定することができる。さらにまた、予め
異なった波長の各々の面の必要な情報を或る時間メモリ
しておき、それらの値を順次用いて自動或いは手動で任
意点(2点間の演算により)の血液の流速、流量を求め
ることができる。また、上記以外にも、例えば、或る太
さの血管を抽出して血流量を計測する等の計測方法も可
能である。
【0047】また、上記のように求めた血液の血管径、
酸素飽和度、粒子数、血液の流速或いは血液の流量等の
必要なデータをリアルタイムで出力することもでき、ま
た、最終的な血流量の値は、画面表示でもよいし、印字
による出力であっても構わない。
【0048】つぎに、上述した血流量計測装置の理論を
利用して、血圧を測定する場合の理論について説明す
る。すなわち、動脈の血液の流量と血圧との間には、以
下の関係がある。
【数式30】 ここで、Pは血圧であり、Qiは、ある血管に流れ込む血
流量をQoは出ていく血液量を表している。
【数式31】 と表される。Vは容積を、つまり、圧力に対する容積変
化を表す。ここで、血中密度は短時間では変化しないた
め、圧力の変化は粒子数の変化に対応していると考えら
れ、
【数式32】 また、dVは、(30)式のdh(t)に相当している。従っ
て、
【数式33】 Δh(t)は(33)式より求められる。また、Δf
(t)については、(35)"と(34)式からi(t)を消
去することにより求めることができる。
【0049】すなわち、
【数式34】 以上より、Δf(t)は求めることができ、Qi、Qoは、血
液の流量であり、結局、血圧Pを求めることができる。
【0050】上記理論に基づいて血圧を測定するには、
上述した血流量計測装置と同じ構成で血圧を測定するこ
とができる。すなわち、上記血流量計測装置における制
御手段30のメモリ35に、上記血圧を測定するのに必
要な計算式及び定数をプログラム形式で記憶しておき、
該プログラムを実行処理することにより血圧を測定する
ことができる。この結果、血液の流量を計測すると同時
に、血圧を測定することができ、健康管理の容易化を図
ることができるという効果がある。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明は、生体組織に光を照射
し、生体組織を透過した光を利用して生体組織の血液の
流量を計測する血流量計測装置であって、少なくとも2
つの異なる波長の光で計測の対象となる生体組織を照射
する照射手段と、上記生体組織に照射された光の生体組
織からの透過光、或いは反射光を受光し、電気信号に変
換する受光手段と、受光手段の出力信号に基づき酸素飽
和度を算出する酸素飽和度算出機能と、受光手段で受光
した透過光、或いは反射光により血管径を計測する血管
径計測機能と、前記算出した酸素飽和度及び計測した血
管径に基づいて、血管に流れる血液の流量を演算する血
流量演算機能とを有する制御手段と、を備えたことを特
徴とするため、制御手段の酸素飽和度算出機能で算出し
た酸素飽和度に基づいて、血液の流速を算出するととも
に、血管径計測機能で計測した血管径から血液の粒子数
を算出し、これら算出した血液の流速及び粒子数から血
流量演算機能を実行処理して血管に流れる血液の流量を
演算することができるという効果がある。
【0052】請求項2の発明は、生体組織に光を照射
し、生体組織を透過した光を利用して生体組織の血液の
流量を計測する血流量計測装置であって、少なくとも2
つの異なる波長の光で計測の対象となる生体組織を照射
する照射手段と、上記生体組織に照射された光の生体組
織からの透過光、或いは反射光を受光し、電気信号に変
換する受光手段と、受光手段の出力信号に基づき、異な
った波長による微分信号より血液の流速を算出する流速
算出機能と、受光手段で受光した透過光、或いは反射光
により血管径を計測する血管径計測機能と、前記算出し
た血液の流速及び計測した血管径に基づいて、血管に流
れる血液の流量を演算する血流量演算機能とを有する制
御手段と、を備えたことを特徴とするため、制御手段の
異なった波長による微分信号より血液の流速を算出する
とともに、血管径計測機能で計測した血管径から血液の
粒子数を算出し、これら算出した血液の流速及び粒子数
から血流量演算機能を実行処理して血管に流れる血液の
流量を演算することができるという効果がある。
【0053】請求項3の発明は、生体組織に光を照射
し、生体組織を透過した光を利用して生体組織の血圧を
計測する血圧計であって、少なくとも2つの異なる波長
の光で計測の対象となる生体組織を照射する照射手段
と、上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過
光、或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手
段と、受光手段の出力信号に基づき酸素飽和度を算出す
る酸素飽和度算出機能と、受光手段で受光した透過光、
或いは反射光により血管径を計測する血管径計測機能
と、前記算出した酸素飽和度及び計測した血管径に基づ
いて、血管に流れる血液の流量を演算する血流量演算機
能と、この演算した血液の流量に基づいて、血圧を算出
する血圧算出機能と、を備えたことを特徴とするため、
制御手段の酸素飽和度算出機能で算出した酸素飽和度に
基づいて、血液の流速を算出するとともに、血管径計測
機能で計測した血管径から血液の粒子数を算出し、これ
ら算出した血液の流速及び粒子数から血流量演算機能を
実行処理して血管に流れる血液の流量を演算し、この血
液の流量を用いて血圧を算出することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血流量計測装置の構成を示す図であ
る。
【図2】動脈の血管中を血液が流れる様子を模式的に示
した模式図である。
【図3】血液が動脈の血管を脈打って流れる様子を模式
的に示した模式図である。
【図4】同上を示す別の模式図である。
【図5】入射光が脈打っている動脈に入射する際の様子
を模式的に示した模式図である。
【図6】反射光強度の時間的変化を示す模式図である。
【図7】動脈の血管の脈打っている様子を示す模式図で
ある。
【図8】眼底のイメージを表示した表示器を示す図であ
る。
【図9】制御手段の動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図10】制御手段の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図11】制御手段の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
A 血流量計測装置 G 網膜 10 照射手段 11 発光ダイオード 12 発光ダイオード 20 CCDイメージングセンサ(受光手段) 30 マイクロコンピュータ 40 光学系 41 ハーフミラー 42 反射板 43 結像ミラー 50 表示器
フロントページの続き Fターム(参考) 4C017 AA08 AA11 AA12 AB01 AC26 BC11 FF05 FF08 4C038 KK01 KL07 KX01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体組織に光を照射し、生体組織を透過し
    た光を利用して生体組織の血液の流量を計測する血流量
    計測装置であって、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
    体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
    或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
    と、 受光手段の出力信号に基づき酸素飽和度を算出する酸素
    飽和度算出機能と、受光手段で受光した透過光、或いは
    反射光により血管径を計測する血管径計測機能と、前記
    算出した酸素飽和度及び計測した血管径に基づいて、血
    管に流れる血液の流量を演算する血流量演算機能とを有
    する制御手段と、を備えたことを特徴とする血流量計測
    装置。
  2. 【請求項2】生体組織に光を照射し、生体組織を透過し
    た光を利用して生体組織の血液の流量を計測する血流量
    計測装置であって、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
    体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
    或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
    と、 受光手段の出力信号に基づき、異なった波長による微分
    信号より血液の流速を算出する流速算出機能と、受光手
    段で受光した透過光、或いは反射光により血管径を計測
    する血管径計測機能と、前記算出した血液の流速及び計
    測した血管径に基づいて、血管に流れる血液の流量を演
    算する血流量演算機能とを有する制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする血流量計測装置。
  3. 【請求項3】生体組織に光を照射し、生体組織を透過し
    た光を利用して生体組織の血圧を計測する血圧計であっ
    て、 少なくとも2つの異なる波長の光で計測の対象となる生
    体組織を照射する照射手段と、 上記生体組織に照射された光の生体組織からの透過光、
    或いは反射光を受光し、電気信号に変換する受光手段
    と、 受光手段の出力信号に基づき酸素飽和度を算出する酸素
    飽和度算出機能と、受光手段で受光した透過光、或いは
    反射光により血管径を計測する血管径計測機能と、前記
    算出した酸素飽和度及び計測した血管径に基づいて、血
    管に流れる血液の流量を演算する血流量演算機能と、こ
    の演算した血液の流量に基づいて、血圧を算出する血圧
    算出機能と、を備えたことを特徴とする血圧計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008117338A1 (en) * 2007-03-22 2008-10-02 Aqumen Biopharmaceuticals K.K. Oxygen consumption measurement system and diagnostic system
JP2020501629A (ja) * 2016-11-11 2020-01-23 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation 非接触血圧モニタリング

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