JP2002290969A - 同期制御装置 - Google Patents

同期制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信側における画像と音声との間の時間差の
影響を低コストで軽減する同期制御装置を提供する。 【解決手段】 遅延計測器19は、制御器16から符号
化開始信号が入力されると計測を開始し、有効データ検
出器17から検出信号が入力されると計測を終了する。
遅延計測器19の計測値は可変遅延回路18に供給さ
れ、可変遅延回路18は、その計測値に応じて遅延時間
を設定する。音声符号化器14によって符号化された音
声信号は、設定された遅延時間だけ遅延されて多重化器
20に入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、画像や音
声のようなデータの入力信号を符号化して多重伝送する
符号化装置の同期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、画像信号及び音声信号を符号化
して多重伝送する場合、受信側で分離及び復号化処理し
た後に再生する際に、同期がとられた画像信号及び音声
信号を出力する必要がある。その理由は、復号された画
像信号と音声信号との間に時間差が生じると、受信側で
違和感が発生するからである。
【0003】従来の同期制御装置は、図4に示すよう
に、画像信号が入力部1を通じて入力される画像符号化
器2と、画像信号と同期をとった音声信号が入力部3を
通じて入力される音声符号化器4と、入力部5を通じて
同期信号が入力される制御器6と、遅延回路7と、多重
化器8と、多重化器からの出力を伝送路に出力する出力
部9とを具える。
【0004】画像符号化器2は、入力された画像信号を
符号化し、符号化した画像信号を多重化器8に出力す
る。音声符号化器4は、入力された音声信号を符号化す
る。符号化された音声信号は、符号化された画像信号と
同期をとるために、遅延回路7に入力され、所定時間遅
延された後に多重化器8に入力される。
【0005】多重化器8は、符号化された画像信号及び
音声信号を多重化し、伝送路に応じたフォーマットに変
換した後に、多重化された画像信号及び音声信号を出力
部9を通じて伝送路に出力する。制御器6は、符号化開
始信号を画像符号化器2及び音声符号化器4に供給す
る。
【0006】近年、動画像符号化装置の国際標準として
MPEG(Moving Picture ExpertsGroup)方式が提案さ
れている。MPEG方式では、入力する動画像に対し
て、Iピクチャ(フレーム内符号化画像)、Pピクチャ
(順方向予測画像)及びBピクチャ(双方向予測画像)
の3種類の符号化画像を出力する。また、MPEG方式
では、タイムスタンプという出力タイミング情報を使用
している。タイムスタンプとしては、プレゼンテーショ
ンタイムスタンプと、デコーディングタイムスタンプと
がある。
【0007】MPEG方式の復号器のシステムタイムク
ロックがプレゼンテーションタイムスタンプに一致する
と、画像信号又は音声信号を再生し及び出力する。シス
テムタイムクロックは、MPEGで定義された基準とな
る時刻情報である。デコーディングタイムスタンプは、
Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャの復号順序及び
再生出力順序の相違に対応するために設けられる。プレ
ゼンテーションタイムスタンプがデコーディングタイム
スタンプと一致する場合、タイムスタンプとしてプレゼ
ンテーションタイムスタンプのみを付加する。
【0008】MPEG2では、PES(Packetized Elem
entary Stream)パケットのように複数のパケットを可変
長の長さでパケット化して、ビデオストリームにタイム
スタンプを付加している。一般に、符号化された画像信
号及び音声信号には、対応するタイムスタンプがそれぞ
れ付加される。そのようなタイムスタンプは、画像信号
及び音声信号とともにアクセスユニットを基準として付
加される。音声信号のアクセスユニットの場合、シンク
ワード(オーディオストリーム内の一定ワードごとに存
在するコード)部分を基準にしてタイムスタンプが付加
され、画像信号のアクセスユニットの場合、ピクチャス
タートコード(ビデオストリーム内にあるピクチャの区
分を示すコード)部分を基準にしてタイムスタンプが付
加される。
【0009】また、プレゼンテーションタイムスタンプ
及びデコーディングタイムスタンプは、PESパケット
のヘッダ内に付加される。この場合、PESパケットの
実効パケットデータであるペイロード中に出現するPE
Sパケットのヘッダの直後のアクセスユニットを基準に
して、プレゼンテーションタイムスタンプ及びデコーデ
ィングタイムスタンプの値が算出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図4に示したような従
来の同期制御装置の場合、遅延回路7の遅延時間が一定
である。したがって、画像符号化器2の処理時間が符号
化パラメータの変化などに起因して変動した場合、遅延
回路7が正確かつ高精度に追従できないので、受信側の
復号化器で再生したときに画像信号と音声信号との間に
時間差が生じ、受信側で違和感が発生する。
【0011】このような時間差を、復号器によって解消
することができるが、放送システムのように受信側の個
数が送信側の個数に比べて著しく多い場合には、受信側
で対応するとコスト的に高くなる。
【0012】特に、MPEGのような動画像符号化シス
テムの場合、符号化されたフレーム内画像及び予測画像
が混在して出力され、図4に示す構成の同期制御装置で
は、受信側の復号化器で再生したときの画像信号と音声
信号との時間差が顕著になる。
【0013】本発明の目的は、受信側における画像信号
と音声信号との間の時間差の影響を低コストで軽減する
同期制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による同期制御装
置は、第1信号を符号化する手段と、その第1信号と同
期をとるとともに前記第1信号よりも符号化速度が速い
第2信号を符号化する手段と、前記第1信号と前記第2
信号との同期をとった信号に基づいて、前記第1信号を
符号化する手段及び前記第2信号を符号化する手段の符
号化を開始させる信号を発生させる手段と、前記第1信
号の符号化を検出する信号を発生させる手段と、前記符
号化を開始させる信号と前記第1信号を符号化を検出す
る信号との位相差を検出する手段と、符号化された前記
第2信号を、その位相差に基づいた遅延時間だけ遅延さ
せる手段とを具えることを特徴とするものである。
【0015】本発明によれば、符号化された第2信号
を、符号化の開始時と第1信号の符号化の検出時との差
に基づいた遅延時間だけ遅延させているので、第1信号
と第2信号との位相差が大幅に小さくなる。その結果、
受信側における画像信号のような第1信号と音声信号の
ような第2信号との間の時間差の影響が大幅に軽減す
る。なお、本発明による同期制御装置を、送信側で比較
的少数の回路によって構成することができるので、コス
ト的に高くなるおそれはない。
【0016】本発明による他の同期制御装置は、第1信
号を符号化する手段と、その第1信号よりも符号化速度
が速く、かつ、前記第1信号と同期がとられた第2信号
を符号化する手段と、前記第1信号と前記第2信号との
同期をとった信号に基づいて、前記第1信号を符号化す
る手段及び前記第2信号を符号化する手段の符号化を開
始させる信号を発生させる手段と、前記第1信号の符号
化を検出する信号を発生させる手段と、前記符号化を開
始させる信号と前記第1信号の符号化を検出する信号と
の位相差を検出する手段と、符号化された前記第1及び
第2信号の出力タイミングを前記位相差に基づいて補正
して、前記第1及び第2信号を多重化する手段とを具え
ることを特徴とするものである。
【0017】本発明によれば、符号化された第1及び第
2信号の出力タイミングを位相差に基づいて補正して、
第1及び第2信号を多重化しているので、第1信号と第
2信号との位相差が大幅に小さくなる。その結果、受信
側における画像信号のような第1信号と音声信号のよう
な第2信号との間の時間差の影響が大幅に軽減する。本
発明による他の同期制御装置も、送信側で比較的少数の
回路によって構成することができるので、コスト的に高
くなるおそれはない。
【0018】前記位相差を検出する手段は、例えば、前
記符号化を開始させる信号によって計測を開始するとと
もに、前記第1信号の符号化を検出する信号によって計
測を終了する手段を有する。
【0019】本発明による同期制御装置は、符号化され
たフレーム内画像及び予測画像が混在して出力されるM
PEGの場合にも有効である。また、前記第1信号を画
像信号とし、前記第2信号を音声信号又は文字信号(例
えば、文字スーパー、字幕)とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明による同期制御装置の実施
の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
発明による同期制御装置の第1の実施の形態を示す図で
ある。本実施の形態では、符号化方式としてMPEG方
式に適用し、第1信号として画像信号を使用し、第2信
号として音声信号を使用し、これら画像信号及び音声信
号を多重化して出力する場合について説明する。
【0021】この同期制御装置は、画像信号が入力部1
1を通じて入力される画像符号化器12と、画像信号と
同期をとった音声信号が入力部13を通じて入力される
音声符号化器14と、入力部15を通じて同期信号が入
力される制御器16と、有効データ検出器17と、可変
遅延回路18と、遅延計測器19と、多重化器20と、
多重化器からの出力を伝送路に出力する出力部21とを
具える。
【0022】画像信号及び音声信号は、入力部11及び
13にそれぞれ入力される前に互いに同期がとられてい
る。画像符号化器12によって符号化された画像信号
は、有効データ検出器17及び多重化器20に入力され
る。
【0023】有効データ検出器17は、復号化された画
像信号の有効データを検出するものであり、有効データ
を検出すると、遅延計測器19に検出信号を出力する。
有効データを、例えばMPEG2のSHC(Sequence He
ader Code: 0x000001B3)から始まるデータとする。SH
Cは、規格でMPEG2ビデオストリームの開始信号と
して定められる32ビット長のユニークな符号語であ
る。すなわち、開始符号以外の意味で現れることはな
い。このユニークコードを1バイトずつ比較して検出す
る。
【0024】音声符号化器14によって符号化された音
声信号は、可変遅延回路18に入力される。画像信号と
音声信号との同期をとった同期信号が、入力部15を通
じて制御器16に入力される。制御器16は、符号化開
始信号を画像符号化器12、遅延計測器19及び音声符
号化器14に出力し、計測用クロック(フレーム)信号
を遅延計測器19に出力する。
【0025】遅延計測器19は、符号化開始信号が入力
されると計測を開始し、検出信号が入力されると計測を
終了する。なお、計測の際には計測用クロック信号を使
用する。計測用クロック信号としては、同期信号に基づ
いて発生したクロック信号を使用するが、遅延時間が数
フレームに及ぶ場合にはフレームパルス信号を使用して
もよい。遅延計測器19の計測値に音声符号化器14で
の処理時間を減算した値を、制御値として可変遅延回路
18に供給され、可変遅延回路18は、その制御値に応
じて遅延時間を設定する。または、計測値を可変遅延回
路18に供給して、可変遅延回路18内で音声符号化器
14の処理時間を減算した値を、遅延時間として設定し
てもよい。
【0026】画像符号化器12からの出力及び可変遅延
回路18からの出力は、多重化器20で多重化され、伝
送路に応じたフォーマットに変換した後に、多重化され
た画像信号及び音声信号を出力部21を通じて伝送路に
出力される。
【0027】遅延計測器19の動作を、図2のタイムチ
ャートを用いて更に詳しく説明する。図2において、入
力同期信号としてフレームパルス信号を使用する。すな
わち、入力同期信号は、2フィールドに1回のパルス信
号となる。符号化開始信号は、任意のタイミングで出力
される。
【0028】画像符号化器12は、符号化開始信号によ
って符号化処理を開始するが、フレーム内符号化やフレ
ーム間符号化のために、有効な符号化画像をすぐに得る
ことができない。また、符号化パラメータの設定によっ
ても有効な画像をすぐに得ることができない。図2の場
合には、有効データが2フレーム遅れて出力されること
を示している。
【0029】有効データ検出器17は、符号化された画
像信号が有効となったタイミングでパルスを出力する。
MPEG2方式の場合、SHCを検出したときが有効デ
ータとなる。遅延計測器19は、符号化開始信号が出力
された瞬時から有効データが出力された瞬時までの区間
Tdに音声符号化処理時間Daを減じた値、すなわち
(Td−Da)を、可変遅延回路18に供給する。
【0030】図3は、本発明による同期制御装置の第2
の実施の形態を示す図である。図3において、図1と同
一構成のパーツについては同一符号を付す。本実施の形
態では、可変遅延回路18(図1)の代わりに、遅延回
路7(図4)と同一構成の遅延回路22を設ける。
【0031】多重化器20には、画像符号化器12の出
力及び遅延回路22の出力だけでなく、遅延計測器19
の出力も入力される。MPEG方式などのように、プレ
ゼンテーションタイムスタンプやデコーディングタイム
スタンプと称する時刻情報を多重化して伝送する場合、
遅延計測器19によって得られた遅延量をプレゼンテー
ションタイムスタンプやデコーディングタイムスタンプ
に加算することによって、これらプレゼンテーションタ
イムスタンプやデコーディングタイムスタンプが補正さ
れ、補正したプレゼンテーションタイムスタンプやデコ
ーディングタイムスタンプを、新たな時刻情報として多
重化する。
【0032】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例え
ば、上記実施の形態では符号化方式としてMPEG方式
に適用した場合について説明したが、本発明を、MPE
G方式以外の他の任意の符号化方式に適用することもで
きる。
【0033】また、第1信号として画像信号を用いると
ともに第2信号として音声信号を用いる場合について説
明したが、第1信号と第2信号のそれ以外の組合せにつ
いても適用することができ、例えば、第1信号として画
像信号を用いるとともに第2信号として文字信号を用い
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による同期制御装置の第1の実施の形
態を示す図である。
【図2】 図1の遅延計測器のタイミングチャートであ
る。
【図3】 本発明による同期制御装置の第2の実施の形
態を示す図である。
【図4】 従来の同期制御装置を示す図である。
【符号の説明】
1,3,5,11,13,15 入力部 2,12 画像符号化器 4,14 音声符号化器 6,16 制御器 7,22 遅延回路 8,20 多重化器 9,21 出力部 17 有効データ検出器 18 可変遅延回路 19 遅延計測器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1信号を符号化する手段と、 その第1信号と同期をとるとともに前記第1信号よりも
    符号化速度が速い第2信号を符号化する手段と、 前記第1信号と前記第2信号との同期をとった信号に基
    づいて、前記第1信号を符号化する手段及び前記第2信
    号を符号化する手段の符号化を開始させる信号を発生さ
    せる手段と、 前記第1信号の符号化を検出する信号を発生させる手段
    と、 前記符号化を開始させる信号と前記第1信号を符号化を
    検出する信号との位相差を検出する手段と、 符号化された前記第2信号を、その位相差に基づいた遅
    延時間だけ遅延させる手段とを具えることを特徴とする
    同期制御装置。
  2. 【請求項2】 第1信号を符号化する手段と、 その第1信号よりも符号化速度が速く、かつ、前記第1
    信号と同期がとられた第2信号を符号化する手段と、 前記第1信号と前記第2信号との同期をとった信号に基
    づいて、前記第1信号を符号化する手段及び前記第2信
    号を符号化する手段の符号化を開始させる信号を発生さ
    せる手段と、 前記第1信号の符号化を検出する信号を発生させる手段
    と、 前記符号化を開始させる信号と前記第1信号の符号化を
    検出する信号との位相差を検出する手段と、 符号化された前記第1及び第2信号の出力タイミングを
    前記位相差に基づいて補正して、前記第1及び第2信号
    を多重化する手段とを具えることを特徴とする同期制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記位相差を検出する手段が、 前記符号化を開始させる信号によって計測を開始すると
    ともに、前記第1信号の符号化を検出する信号によって
    計測を終了する手段を有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の同期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記符号化の方式をMPEG方式とした
    ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項
    に記載の同期制御装置。
  5. 【請求項5】 前記第1信号を画像信号とし、前記第2
    信号を音声信号又は文字信号としたことを特徴とする請
    求項1から4のうちのいずれか1項に記載の同期制御装
    置。
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