JP2002289992A - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JP2002289992A
JP2002289992A JP2001084986A JP2001084986A JP2002289992A JP 2002289992 A JP2002289992 A JP 2002289992A JP 2001084986 A JP2001084986 A JP 2001084986A JP 2001084986 A JP2001084986 A JP 2001084986A JP 2002289992 A JP2002289992 A JP 2002289992A
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lines
transmission line
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JP2001084986A
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Ayako Takagi
亜矢子 高木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部への放射ノイズを効果的に低減できる配線
基板を提供する。 【解決手段】一対の入力線路13,14に入力されるL
VDS信号を第1の伝送モード変換部20を介して伝送
線路21,22,23からなる差動3本線路24に入力
し、差動3本線路24から出力される電流信号を第2の
伝送モード変換部30によりLVDS信号として一対の
出力線路31,32に出力するように構成され、差動3
本線路24上の信号伝送モードが固有モードとなるよう
に伝送線路21,23の線路幅に比して伝送線路22の
線路幅を所定の比率で大きく設定した配線基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速動作のディジ
タル機器に好適な配線基板に係り、特に外部への輻射ノ
イズを低減させた配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータのような
ディジタル機器では動画像や高精細画像など大容量のデ
ータを扱うことが多くなるに従い、処理能力のさらなる
向上が望まれており、そのためにCPUのクロック周波
数が年々高くなっている。クロックの高速化に伴い、C
PUと周辺IC間のバス配線やクロック線、データ線な
どの高速化及び高密度化が進んでおり、EMI(Electr
omagnetic Interference:電磁障害)と呼ばれる不要輻
射ノイズが大きな問題となってきている。
【0003】ディジタル機器においては、クロック信号
やデータ信号の高調波成分が不要輻射ノイズや伝導エミ
ッションの直接的な要因となる。また、このような成分
が引き起こす高周波電流がシステム内の導線やプリント
基板あるいは筐体に流れ込んだ場合の非意図的な放射も
不要輻射の要因となる。これらを根源からなくすこと
が、今後のEMI対策に望まれている。
【0004】高調波成分による伝送線路からの不要輻射
ノイズを低減する技術として、互いに結合した一対の伝
送線路上をLVDS(Low Voltage Differential Signa
l:低電圧差動信号)信号、すなわち同振幅かつ逆位相の
信号を伝送させる技術が注目されている。このLVDS
伝送技術を具体的に実現するために、LVDS信号の入
出力ができる2本の入力端子あるいは出力端子を備えた
LVDS伝送用ICも既に市販されている。
【0005】ところで、LVDS伝送技術をFPC基板
や多層回路配線基板に適用する際には、LVDS信号を
伝送させる結合した一対の伝送線路とグラウンドとの関
係を考慮することが必要である。例えば、一対の伝送線
路間のインピーダンス(差動インピーダンスという)が
小さいほど両伝送線路間の結合量が大きく、他の系への
クロストークが小さくなり、他の系から受けるEMIも
小さくなるため、この差動インピーダンスをできるだけ
小さくすることが望まれる。一方、各伝送線路とグラウ
ンド間のインピーダンス、すなわちコモンモードインピ
ーダンスが大きい場合には、LVDS信号のアンバラン
スによる影響がグラウンドを介して基板全体に広がるた
め、コモンモードインピーダンスはできるだけ大きいこ
とが望ましい。
【0006】特開平11−251779には、このよう
な要求に対応した配線基板が記載されている。この配線
基板では第1の信号配線と、第1の信号配線の両側に沿
って形成された一対の第2の信号配線を有し、第2の信
号配線には第1の信号配線に入力される入力信号の反転
信号が入力され、入力信号の振幅をV1、反転信号の振
幅をV2とした場合に、0.3V1≦V2≦0.8V1の関
係を満たすように構成される。すなわち、外部から配線
基板に入力する第1の信号と第2の信号の電圧関係を規
定することにより、外部へ放射する電磁界をキャンセル
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2517
79に記載された配線基板では、配線基板に入力する二
つの信号の電圧V1,V2を0.3V1≦V2≦0.8V1
のように異ならせる必要があり、同振幅かつ逆位相であ
る通常のLVDS信号を入出力する前述した既存のLV
DS伝送用ICを利用することができない。また、高速
のクロック信号やデータ信号を扱うディジタル機器で
は、配線基板に入力されるクロック信号やデータ信号の
電圧を高調波成分を含めた広い周波数帯域にわたって全
て同一の最適値である0.3V1≦V2≦0.8V1の条
件を満たすように制御することは、回路技術上から非常
に困難である。
【0008】さらに、LVDS信号伝送では一対の伝送
線路上をそれぞれ伝送される信号の位相が正確に逆位相
であることが要求されるが、LVDS信号の立ち上がり
時及び立ち下がり時には、この逆位相関係が崩れること
があり、コモンモード成分が生じてしまい、放射ノイズ
の低減効果が損なわれる。
【0009】本発明は、このような問題点を解消して、
外部への放射ノイズを効果的に低減できる配線基板を提
供する。
【0010】より具体的には、本発明では外部への放射
ノイズを効果的に低減できる同振幅かつ逆位相のLVD
S信号を伝送するための配線基板を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る配線基板は互いにほぼ同振幅かつ逆位
相の第1及び第2の電流信号がそれぞれ入力される第1
及び第2の入力線路と、第1の伝送線路と該第1の伝送
線路に隣接して配置された第2の伝送線路及び該第1の
伝送線路と反対側で第2の伝送線路に隣接して配置され
た第3の伝送線路からなる差動3本線路と、前記第1の
入力線路に入力された第1の電流信号を前記第1及び第
3の伝送線路の各一端に分岐して導き、前記第2の入力
線路に入力された第2の電流信号を前記第2の伝送線路
の一端に導く第1の伝送モード変換部と、第1及び第2
の出力線路と、前記第1及び第3の伝送線路の各一端か
ら出力される第1の電流信号を合流させて前記第1の出
力線路に導き、前記第2の伝送線路の他端から出力され
る第2の電流信号を前記第2の出力線路に導く第2の伝
送モード変換部とを具備し、前記差動3本線路上の信号
伝送モードが固有モードとなるように前記第1、第3の
伝送線路の線路幅に比して第2の伝送線路の線路幅を大
きく設定したことを特徴とする。
【0012】このように構成された配線基板では、差動
3本線路において第1、第3の伝送線路の線路幅に比し
て第2の伝送線路の線路幅を所定の比率で大きく設定す
ることにより差動3本線路上の伝送モードが固有モード
となる。固有モードでは、差動3本線路に3種類の伝送
モードが存在し、それらの伝送モードはどの周波数にお
いても過不足なく整合した状態となるので、外部への放
射ノイズは非常に小さくなる。
【0013】第1及び第2の入力線路に入力される互い
にほぼ同振幅かつ逆位相の第1及び第2の電流信号のう
ち第1の電流信号が第1及び第3の伝送線路によって伝
送され、第2の電流信号が第2の伝送線路によって伝送
される構成においては、第1及び第3の伝送線路上の電
流に対する第2の伝送線路上の電流の比が2のとき固有
モードが実現される。このような電流比は、第1及び第
3の伝送線路の線路幅に対する第2の伝送線路の線路幅
の比を2.4以上、3.6以下の範囲内に設定すること
によって達成される。
【0014】このように本発明に係る配線基板では、差
動3本線路の構成によって固有モード、すなわち外部へ
の放射ノイズを効果的に低減させた状態を作り出すこと
ができ、第1及び第2の電流信号は通常のLVDS信号
と同様、単純に同振幅かつ逆位相であればよい。従っ
て、特開平11−251779に記載された配線基板で
のように二つの入力信号の電圧関係を異ならせる必要が
なく、同振幅かつ逆位相である通常のLVDS信号を入
出力する既存のLVDS伝送用ICをそのまま利用する
ことができる。
【0015】また、高速のクロック信号やデータ信号を
扱うディジタル機器においては、クロック信号やデータ
信号の電圧を高調波成分を含めた広い周波数帯域にわた
って一定に保つ必要があるが、同振幅かつ逆位相である
通常のLVDS信号を入出力するLVDS伝送用ICで
あれば、この要求を満足することは容易である。
【0016】さらに、第1及び第3の伝送線路のインピ
ーダンスをZ1、第2の伝送線路のインピーダンスをZ
2、第1及び第3の伝送線路と第2の伝送線路間のイン
ピーダンスをZmとしたとき、第1及び第2の出力線路
間に 0.9×Rd<R<1.1Rd Rd=(Z1+2Z2−2Zm)/2 なる抵抗値Rを有する終端抵抗器を挿入することによ
り、配線基板と出力線路に接続されるLVDS伝送用受
信ICのインピーダンス整合がとられる。これによっ
て、LVDS伝送用受信ICの入力端子での反射による
放射ノイズも効果的に低減される。
【0017】他の観点によると、本発明は第1の伝送線
路と該第1の伝送線路に隣接して配置された第2の伝送
線路及び該第1の伝送線路と反対側で第2の伝送線路に
隣接して配置された第3の伝送線路からなる差動3本線
路を備え、前記第1及び第3の伝送線路により第1の電
流信号を伝送し、前記第2の伝送線路により該第1の電
流信号と逆位相の第2の電流信号を伝送させる配線基板
において、前記第1及び第2の伝送線路のインピーダン
スをZ1、前記第2の伝送線路のインピーダンスをZ2、
前記第1及び第3の伝送線路と第2の伝送線路間のイン
ピーダンスをZm、前記第1及び第3の伝送線路のアド
ミッタンスをY1、前記第2の伝送線路のアドミッタン
スをY2、前記第1及び第3の伝送線路と第2の伝送線
路間のアドミッタンスを−Ym(ただし、Ym>0)とした
とき、前記第1及び第3の伝送線路上の電流に対する前
記第2の伝送線路上の電流の比βが次式
【数2】 を満たすことを特徴とする。
【0018】このように電流比βを規定すると、差動3
本線路に入力される第1及び第2の電流信号が必ずしも
同振幅かつ逆位相の関係になくとも、伝送モードが固有
モードとなるため、外部への放射ノイズが低減される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施
形態に係る配線基板の平面図である。また、図2及び図
3は図1のA−A′線及びB−B′線に沿う断面図であ
る。
【0020】この配線基板は、下から順に第1の信号配
線層、第1の誘電体層11A、グラウンド層12、第2
の誘電体層11B及び第2の信号配線層が積層された構
造となっている。信号配線層及びグラウンド12層は、
例えば銅などの金属導体により形成される。第1、第2
の誘電体層11A,11Bは、例えばFR4や紙フェノ
ールなどの誘電体からなる。第1、第2の誘電体層11
A,11Bは誘電体基板11を構成する。
【0021】第1の誘電体層11Aの下面には、第1の
信号配線層として第1、第2の入力線路13,14、接
続線路18,29及び第1、第2の出力線路31,32
が設けられている。第1の誘電体層11Aの上面にはグ
ラウンド層12が設けられ、グラウンド層12の上面に
は第2の誘電体層11Bが設けられている。
【0022】第2の誘電体層11Bの上面には、第2の
信号配線層として接続線路16,17,25,26と、
第1、第2及び第3の伝送線路21,22,23が設け
られている。伝送線路21,22,23は平行に設けら
れ、差動3本線路24を構成している。第1、第3の伝
送線路21,23は、第2の伝送線路22を中心に対称
関係、すなわち線路幅が同一であって、第2の伝送線路
22との線路間距離も同一となっている。
【0023】第1、第2の入力線路13,14には、例
えば図示しない既存のLVDS伝送用送信ICから出力
されるLVDS信号、すなわち同振幅でかつ逆位相の第
1及び第2の電流信号がそれぞれ入力される。第1の入
力線路13は、第1の絶縁層11Aとグラウンド層12
及び第2の絶縁層11Bを貫通するスルーホール15を
介して接続線路16,17の各一端に接続される。接続
線路16,17は一端側から他端側に向けて間隔が徐々
に広がるように形成され、その各他端は第1、第3の伝
送線路21,23の各一端にそれぞれ接続される。
【0024】第2の入力線路14は、接続線路16の下
部を接続線路16と交差するように形成された接続線路
18の一端に接続され、接続線路18の他端は第2の伝
送線路22の一端側の下部に延在している。この接続線
路18の他端は第1の絶縁層11Aとグラウンド層12
及び第2の絶縁層11Bを貫通するスルーホール19を
介して第2の伝送線路22の一端に接続される。
【0025】このようにスルーホール15,19及び接
続線路16,17,18からなる第1の伝送モード変換
部20によって、入力線路13,14である差動2本線
路から、伝送線路21,22,23により構成される差
動3本線路24への伝送モードの変換が行われ、第1の
入力線路13に入力された第1の電流信号は第1、第3
の伝送線路21,23の各一端に分岐して導かれ、第2
の入力線路15に入力された第2の電流信号は第2の伝
送線路22の一端に導かれる。
【0026】第1、第3の伝送線路21,23の各他端
は、接続線路25,26の各一端にそれぞれ接続され
る。接続線路25,26は、一端側から他端側に向けて
間隔が徐々に狭まるように形成され、その各他端は第1
の絶縁層11Aとグラウンド層12及び第2の絶縁層1
1Bを貫通するスルーホール27を介して第1の出力線
路31に接続される。第2の伝送線路22の他端は、第
1の絶縁層11Aとグラウンド層12及び第2の絶縁層
11Bを貫通するスルーホール28を介して、接続線路
25の下部を接続線路25と交差するように形成された
接続線路29の一端に接続され、接続線路29の他端は
第1の出力線路31に接続される。
【0027】このように接続線路25,26,29及び
スルーホール27,28からなる第2の伝送モード変換
部30によって、伝送線路21,22,23よりなる差
動3本線路24から出力線路31,32である差動2本
線路への伝送モード変換が行われ、第1、第3の伝送線
路21,23の他端から出力される第1の電流信号は合
流して第1の出力線路31に、第2の伝送線路22の各
他端から出力される第2の電流信号は第2の出力線路3
2にそれぞれ導かれる。
【0028】第1、第2の出力線路31,32から出力
される第1、第2の電流信号、すなわちLVDS信号
は、例えば図示しない既存のLVDS伝送用受信ICに
入力される。また、第1、第2の出力線路31,32間
には、終端抵抗器33が接続される。
【0029】ここで、特開平11−251779に記載
の配線基板は電圧モードで信号を伝送するのに対して、
本実施形態の配線基板では入力線路14,15に入力さ
れる第1、第2の信号であるLVDS信号は電流モード
で伝送される。このとき、差動3本線路24のが固有モ
ードとなるように、第1、第3の伝送線路21,23の
線路幅に比して、第2の伝送線路22の線路幅が所定の
比率で大きく設定されている。
【0030】以下、本実施形態の配線基板により放射ノ
イズが低減する原理について詳細に説明する。まず、差
動3本線路24におけるが固有モードになる条件を考え
る。ここで、固有モードとは固有値をとるモードであ
り、3つの伝送線路21,22,23が結合している差
動3本線路24においては3種類の伝送モードが存在
し、それらの伝送モードはどの周波数においても過不足
なく整合した状態で伝送するモードである。正方行列A
に対して、Ax=λx(但し、x≠0)となるスカラλ
をAの固有値(eigenvalue)といい、xを固有ベクトル(e
igenvector)という(電子情報通信学会発行「電子情報
通信ハンドブック」)。
【0031】差動3本線路24が固有モードをとると
き、配線基板から外部への放射ノイズは大きく低減され
る。本実施形態によると、後述するように第1、第3の
伝送線路21,23の線路幅に対して第2の伝送線路2
2の線路幅を所定の比率で大きくすることにより、この
固有モードを実現する。
【0032】図4に、本実施形態における差動3本線路
24の等価回路を示す。図4において、差動3本線路の
各々とグラウンドとの間のインピーダンスを3行3列の
Z、アドミッタンスを3行3列のYを次のように表すこ
とができる。
【数3】 第1の伝送線路21のインピーダンスをZ1、第2の伝
送線路22のインピーダンスをZ2、第1、第2の伝送
線路21,22間のインピーダンスをZ12、第1の伝送
線路21のアドミッタンスをY1、第2の伝送線路22
のアドミッタンスをY2、第1、第2の伝送線路21,
22間のアドミッタンスをY12で表している。
【0033】また、伝送線路21,22,23のそれぞ
れのインピーダンス行列とアドミッタンス行列の成分は
正確には9種類ずつ、合計18種類あるはずであるが、
第1、第3の伝送線路21,23は前述したように左右
対称なので、以後Z1=Z3,Y1=Y3,Zm=Z12=Z2
3=Z12=Z23,Ym=Y12=Y23=Y21=Y32と、同一
の値は同一記号で表現するものとする。また、第2の伝
送線路22を挟んで両側にある第1、第3の伝送線路2
1,23間のインピーダンス及びアドミッタンス(Z1
3,Z31,Y13,Y31)は、他に比べて無視できる程度に小
さいので、省略している。
【0034】差動3本線路24の固有モードを求める伝
送方程式を次式に示す。
【数4】 (1)式をzで微分し、(2)式を代入すると、次式と
なる。
【数5】 ここで、(3)式における3行3列の行列をAとする
と、次式となる。
【数6】 次に、(4)式の両側に3行3列の行列Tをかけて固有
値と固有ベクトルを求める。
【数7】 (5)式を変形すると、次式となる。
【数8】 これらより、(A,B,C),(D,E,F),(G,
H,I)が固有ベクトルであり、γ1,γ2,γ3が固有
値である。すなわち、電流の比が固有ベクトルのときに
伝送モードが安定した状態にあり、適切な終端抵抗を置
くと反射が起こらない状態といえる。固有ベクトル
(A,B,C),(D,E,F),(G,H,I)を解
くと、以下の通りとなった。
【0035】
【数9】 ここで、ベクトル値α,βは次のように表される。
【数10】 また、固有ベクトル(A,B,C),(D,E,F),
(G,H,I)に対する固有値γ1,γ2,γ3は、次式
となる。
【数11】 ここで、図1の差動3本線路24において、第1、第3
の伝送線路21,23の線路幅をW1、第2の伝送線路
2の線路幅をW2、第1、第2の伝送線路21,22間
及び第2、第3の伝送線路22,23間の線路間距離を
等しくSとし、Z1,Z2,Zm,Y1,Y2,Ymを電磁界
シミュレーションにより求め、さらに固有ベクトル値
α,βを求めた。
【0036】図5に、線路間距離Sを一定とし、誘電体
層11A,11Bの厚みhをパラメータとした場合のベ
クトル値α,βの線路幅W2による依存性を示す。但
し、第1、第3の伝送線路21,23の線路幅W1は1
25μmとした。図5から誘電体基板11の厚みhより
も、第2の伝送線路22の線路幅W2の方がα,βに影
響を及ぼすことが分かる。αは正の値をとり、βは負の
値をとるので、伝送線路21,22,23の電流比1:
β:1が差動3本線路24にLVDS信号を入力したと
きの差動伝送に適している。以下、伝送線路21,2
2,23の電流比が1:β:1となるを差動3本伝送モ
ードと呼ぶ。
【0037】また、この結果から第1、第3の伝送線路
21,23の線路幅W1と第2の伝送線路22の線路幅
W2によって、固有モードをとるときの伝送線路21,
23と伝送線路22との電流比が異なることが分かる。
逆に、伝送線路21,23と伝送線路22との電流比が
決まっていれば、最適な線路幅W1,W2を決定すること
ができる。
【0038】既存のLVDS伝送用送信ICは、2つの
出力端子から同振幅で逆位相の一定電流のLVDS信号
を出力する。本実施形態においては、このLVDS伝送
用送信ICから出力されるLVDS信号の伝送モード、
すなわち差動2本線路の伝送モードを差動3本線路24
の伝送モードである差動3本伝送モードに変換するため
に、第1の伝送モード変換部20が用いられる。第1の
伝送モード変換部20では、差動2本線路を構成する一
方の入力線路13からの電流信号については2分岐さ
せ、接続線路18,19を介して第1、第3の伝送線路
21,23の各一端に導き、他方の入力線路14からの
電流信号については中央の第2の伝送線路22の一端に
導く。
【0039】ここで、LVDS伝送用送信ICから出力
され、差動3本線路24によって伝送されるLVDS信
号の位相差が180°からずれないように、すなわち第
1、第2及び第3の伝送線路21,22,23上の電流
位相が相対的に変化しないように、第1の伝送モード変
換部20においては第1の入力線路13から第1、第3
の伝送線路21,23に至る経路と、第2の入力線路1
4から第2の伝送線路22に至る経路内のスルーホール
数及び線路長は同一に設定される。
【0040】本実施形態の構成では、入力線路13から
伝送線路21,23に至る経路と入力線路14から第2
の伝送線路22に至る経路内には、それぞれ1個のスル
ーホール15,19が存在し、また前者の経路内の接続
線路16,17と後者の経路内の接続線路18の線路長
は等しく設定されており、これによって第1の伝送モー
ド変換部20でLVDS信号の各々が受ける位相シフト
量は等しく、LVDS信号の位相差は正しく180°に
保たれる。
【0041】なお、LVDS伝送用送信ICから出力さ
れるLDVS信号の立ち上がりと立ち下がりのタイミン
グが同一でない場合は、例えば後述するように第2の伝
送モード変換部20において伝送線路21,23に入力
される第1、第3の電流信号と伝送線路22に入力され
る第2の信号に対する経路長の比について最適化を行え
ばよい。
【0042】一方、既存のLVDS伝送用受信ICは、
2つの入力端子にLVDS信号を入力する構成となって
いる。そこで、本実施形態においては差動3本線路24
の伝送モードである差動3本伝送モードをLVDS伝送
用受信ICに入力されるLVDS信号の伝送モードであ
る差動2本伝送モードに変換するために、第2の伝送モ
ード変換部30が用いられる。第2の伝送モード変換部
30では、第1、第3の伝送線路21,23の各他端か
ら出力される電流信号については合流させて第1の出力
線路31に導き、第2の伝送線路22の他端からの電流
信号についてはそのまま第2の出力線路32に導く。そ
して、出力線路31,32間に終端抵抗器33が挿入さ
れ、この終端抵抗器33の両端電圧がLVDS伝送用受
信ICに入力信号として供給される。
【0043】この場合においても、LVDS伝送用受信
ICに入力されるLVDS信号の位相差が180°に保
たれるように、すなわち第1、第2及び第3の伝送線路
21,22,23上の電流位相が相対的に変化しないよ
うに、第2の伝送モード変換部30においては第1、第
3の伝送線路21,23から第1の出力線路31に至る
経路と、第2の伝送線路22から第2の出力線路32に
至る経路内のスルーホール数及び線路長は同一に設定さ
れる。
【0044】本実施形態によれば、伝送線路21,23
から出力線路31に至る経路と伝送線路22から出力線
路32に至る経路内には、それぞれ1個のスルーホール
27,28が存在し、また前者の経路内の接続線路2
5,26と後者の経路内の接続線路29の線路長は等し
く設定されており、これによって第2の伝送モード変換
部30でLVDS信号の各々が受ける位相シフト量は等
しく、LVDS信号の位相差は正しく180°に保たれ
る。
【0045】また、第1のモード変換部20においては
接続線路16と接続線路18が交差しており、第2の伝
送モード変換部30においても接続線路25と接続線路
29が交差している。このように線路が交差する部分で
は、互いの信号クロストークを考慮する必要がある。本
実施形態によれば、互いに交差する接続線路をそれぞれ
誘電体基板11の上下両面上、つまり異なる信号配線層
に設けていることにより、信号クロストークを小さくす
ることができ、しかも両信号配線層の間にグラウンド層
12が介在しているため、その効果はさらに大きい。
【0046】次に、伝送線路21,22,23上の電
流、電圧の関係について述べる。第1、第3の伝送線路
21,23は同じ線路幅を有し、それぞれに第1の電流
信号を2等分した電流信号が供給されているため、第1
の電流信号と同一振幅で逆位相の第2の電流信号が供給
される第2の伝送線路22上の電流の1/2の電流が流
れている。そこで、β=−2となるように、つまり伝送
線路21,23上の各々の電流値に対する伝送線路22
上の電流値の比が2となるように、図4の各パラメータ
Z1,Z2,Zm,Y1,Y2,Ymを決めれば、差動3本線
路24の伝送モードは固有モード(差動3本伝送モー
ド)となる。具体的には、β=−2となるような伝送線
路21,23の線路幅W1、伝送線路22の線路幅W2、
及び伝送線路21,22,23の線路間距離Sの組み合
わせを選べばよい。
【0047】ここで、差動3本伝送モードとなる伝送線
路21,22,23の形状及び配置の組み合わせは何種
類もあるが、実装面積をなるべく小さくすることを考慮
して、線路幅W1,W2及び線路間距離Sを設計上の最小
ルールとして伝送線路21,22,23を作製すること
が望ましい。また、誘電体基板11の厚みについては、
配線基板を使用する機器による制約がある。このように
差動3本線路24が差動3本伝送モードをとるためには
誘電体層厚によっても線路間距離も関係してくるが、差
動3本伝送モードを形成する際に最も影響のあるパラメ
ータは伝送線路21,23の線路幅W1に対する伝送線
路22の線路幅W2の比W2/W1である。
【0048】例えば、図4よりβ=−2となるときの伝
送線路22の線路幅W2は375μmである。伝送線路
21,23の線路幅W1は前述した通り125μmであ
るので、W2/W1=3となる。しかしながら、厳密に電
流比をW2/W1=1/3とする必要はなく、本発明者ら
の検討によればW2/W1=2.4〜3.6の範囲内、よ
り好ましくはW2/W1=2.7〜3.3の範囲内に設定
すればβは−2に近い値となり、差動3本伝送モード
(固有モード)を実現することが可能である。
【0049】次に、伝送線路21,22,23上の電流
(I1,I2,I3=I1)の比が I1:I2=1:2 (15) となっている場合、伝送線路21,22,23上の電圧
(V1,V2,V3=V1)の比は、図6に示されるように V1:V2=1:1 (16) となるのが望ましい。しかし、実際には基板設計のプロ
セスによる誤差、レイアウト的な余裕等で誤差が生じる
ので、 0.8×V2<V1<1.2×V2 (17) となるように設計すればよい。これは従来の技術の項で
挙げた特開平11−251779に記載されている条件
0.3V1≦V2≦0.8V1(但し、記号V1,V2の意
味は本実施形態と逆である)とは明らかに異なってい
る。
【0050】但し、伝送線路21,23上の電圧と伝送
線路22上の電圧の比V1:V2が1:1からずれてくる
と、図7に示されるようにオフセット電圧(LVDS伝
送用受信ICの2つの入力端子間に印加される電圧の中
心のオフセット電圧)が信号の周期毎に微妙にずれるた
め、電圧比の1:1からのずれは電気特性の面でも、E
MIの面でも極力小さくすべきである。
【0051】次に、終端抵抗器33の好ましい値につい
て述べる。終端抵抗器33は、配線基板とLVDS伝送
用受信ICの入力とのインピーダンス整合のために設け
られる。この場合、差動3本線路24とLVDS伝送用
受信ICの入力端子との間に設けられた第2の伝送モー
ド変換部30における出力線路31,32の間に終端抵
抗器33を挿入することによって、伝送モード変換部3
0での不連続による電圧変動を抑えるようにした方が望
ましい。この終端抵抗器33の抵抗値の選択は、電気特
性を決める重要な項目である。
【0052】図8に、差動3本線路24の伝送線路2
1,22,23の電流値の固有ベクトルが(1,β,
1)である時の各部のインピーダンスのモデル図を表
す。差動3本線路24は伝送線路22を挟んで伝送線路
21,23が配置された左右対称の形状であるため、伝
送線路22のインピーダンスZ2を伝送線路21側と伝
送線路23側に分割し、それぞれの値を2×Z2とす
る。図7から、伝送線路21の特性インピーダンスZ(1
β),伝送線路22の特性インピーダンスZ(2β),伝送
線路23の特性インピーダンスZ(3β)はそれぞれ Z(1β)=Z1−Z12 (18) Z(2β)=2×Z2−Z12 (19) Z(3β)=Z1−Z12 (20) となる。ここでは、Z1=Z3、Z12=Z23とした。差動
3本伝送モードでは、図8の対称性を考慮しても、およ
そ Z1β:Z2β:Z3β=1:2:1 (21) になるのが望ましい。
【0053】ここで、伝送線路21,22間及び伝送線
路22,23間に、それぞれR12,R23なる抵抗値の終
端抵抗器をおくとすると、図8より R12=R23=Z1β+Z2β=Z1+2×Z2−2×Z12 (22) である。
【0054】一方、伝送線路22と接続線路29間の差
動インピーダンスRdは、(22)式の抵抗の並列合成
抵抗と等価であり、 Rd=(Z1+2×Z2―2×Z12)/2 (23) ここで、表記方法を(11)式及び(12)式と合わ
せ、Z12=Zmとすると、 Rd=(Z1+2×Z2―2×Zm)/2 (24) となる。従って、Rdとほぼ同じ抵抗値Rmを持つ整合抵
抗器33を出力線路31,32間に挿入すると、配線基
板とLVDS伝送用受信ICのインピーダンス整合がと
られ、出力線路31,32に接続されるLVDS伝送用
受信ICの入力端子での反射が最小となる。但し、整合
抵抗器33の抵抗値Rmは厳密にRdと等しい必要はな
く、次式に示すようにRdに対して±10%の範囲内に
あれば実用上は十分である。 0.9×Rd<R<1.1Rd (25) 図9に、差動3本線路24において伝送線路21,2
2,23の線路間距離S及び伝送線路21,23の線路
幅W1を一定にして、伝送線路22の線路幅W2を変化さ
せたときの伝送線路21,22間及び伝送線路23,2
2間の差動インピーダンスを示す。先に示した図5よ
り、差動3本線路24はW2=375μm近傍で固有モ
ードをとるが、固有モードのとき伝送線路21,23の
インピーダンスZ1と伝送線路22のインピーダンスZ2
が近い値となっていることが分かる。
【0055】図10に、本発明の第2の実施形態に係る
配線基板の平面図を示す。第1の実施形態に示したよう
な配線基板においては、実際には特に差動3本伝送線路
24の製造誤差、あるいは配線基板に入力されるLVD
S信号自体に同相モードの成分がノイズとして存在する
ことから、差動3本線路24上に同相モードの電流成分
がある程度生じることは避けられない。
【0056】これに対しては、図10に示すように出力
線路31,32とグラウンド間にも終端抵抗器34,3
5を挿入することによって、出力線路31,32間に接
続される終端抵抗器31を流れる電流と終端抵抗器3
4,35を流れる電流との比が(9)式に示した同相モ
ードの固有ベクトル(1,α,1)となるようにして、
同相モード電流によるノイズの反射を低減することがで
きる。
【0057】図11に、差動2本線路と差動3本線路2
4の差動インピーダンス及び同相コモンモードインピー
ダンスのTDRによる実測例を示す。差動インピーダン
スは中央部の伝送線路22の線路幅が同じ場合、差動2
本線路より差動3本線路の方が小さく、コモンモードイ
ンピーダンスも差動2本線路より差動3本線路の方が小
さい。従って、差動3本線路24を用いる本発明による
配線基板の方が放射ノイズ低減の上で有利であることが
分かる。
【0058】図12に、差動2本線路と差動3本線路に
ついての3m法によるEMIの実験結果を示す。差動3
本伝送線路の方が通常の差動2本線路よりEMIが小さ
くなっていることが分かる。これは差動3本線路の方が
隣接する伝送線路間のインピーダンス(差動インピーダ
ンス)が小さいためである。
【0059】このように、差動3本線路は伝送モードが
固有モードであるときに安定状態となり、単一のモード
で伝送でき、しかもEMIが低減するという利点があ
る。また、伝送線路が3本であることによりパラメータ
が増えるため、各種物理定数の微調整がより簡単にでき
るという利点もある。
【0060】図13に、本発明に係る配線基板の利用形
態の一例を示す。信号源である発振器41からの信号は
LVDS伝送用送信IC42によってLVDS信号に変
換された後、本発明に基づく差動3本線路43を含む配
線基板に入力される。終端抵抗器43を介して取り出さ
れたLVDS信号は、LVDS伝送用受信IC45に入
力される。
【0061】差動3本線路の利点は低EMIであるが、
そのためには前述のようにLVDS信号を厳密に位相差
180°の関係を保って伝送することが望まれる。二つ
の信号の立ち上がり時や立ち下がり時の位相がずれる
と、コモンモードの電磁界分布が生じ、差動2本線路に
よる伝送時の数100倍の大きな放射ノイズを発生させ
る。また、LVDS信号の位相ずれは信号品質の劣化に
もつながる。
【0062】ここで、LVDS伝送用送信ICから出力
されるLVDS信号を構成する二つの信号の位相差が正
しく180°であれば、先に説明したように第1の伝送
モード変換部20において入力線路13から伝送線路2
1,23に至る経路と、入力線路14から伝送線路22
に至る経路内のスルーホール数及び線路長を同一に設定
し、また第2の伝送モード変換部30において伝送線路
21,23から出力線路31に至る経路と、伝送線路2
2から出力線路32に至る経路内のスルーホール数及び
線路長を同一に設定すればよい。
【0063】しかし、LDVS伝送用送信ICから出力
されるLDVS信号の立ち上がり時や立ち下がり時の位
相がずれることが想定される場合には、例えばその位相
ずれ量に応じて入力線路13から伝送線路21,23に
至る経路の線路長と入力線路14から伝送線路22に至
る経路の線路長を設計時に予め異ならせておくことによ
り、LDVS伝送用送信ICから出力されるLDVS信
号の位相ずれを吸収し、LVDS信号を正しく位相差1
80°の関係を保って伝送することができる。
【0064】図14は、本発明の第3の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の信号伝送方向に直角
な断面を示している。本実施形態では、伝送線路21,
22,23が表層でなく内層に設けられたストリップ線
路構造となっている。すなわち、伝送線路21,22,
23は第1の誘電体層11A上に形成され、この上に第
2の誘電体層11Bが設けられている。また、誘電体層
11Aの下面にグラウンド層12A、誘電体層11Bの
上面にグラウンド層12Bが被着されている。このよう
な構成によっても、第1の実施形態と同様に放射ノイズ
の低減に有効である。
【0065】図15に、本発明の第4の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の信号伝送方向に直角
な断面を示す。本実施形態では、第1、第3の伝送線路
21,23と中央にある第2の伝送線路22が同一面に
ない場合の例であり、図15の例では誘電体基板11の
上面に伝送線路21,23が設けられ、また誘電体基板
11の下面の伝送線路21,23の間に対応する位置に
伝送線路22が設けられている。また、グラウンド層1
2は誘電体基板11の下面に設けられている。本実施形
態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0066】図16に、本発明の第5の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の信号伝送方向に直角
な断面を示す。本実施形態では、誘電体基板11の上面
に第1、第2及び第3の伝送線路21,22,23が設
けられ、誘電体基板11の下面にグラウンド層12が設
けられている。グラウンド層12は、伝送線路21,2
3の直下の部分36がメッシュ状あるいは規則的なピッ
チのボイド状となっており、この部分36では他の部分
より導体の占有率が小さくなっている。このような構成
とすることにより、差動インピーダンスの値を変えずに
コモンモードインピーダンスを大きくすることができ
る。
【0067】図17は、本発明の第6の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の信号伝送方向に直角
な断面を示す図であり、伝送線路21,22,23とグ
ラウンド層(あるいはグラウンド線)12が誘電体基板
11の同一面上に設けられている。このような構成で
も、第1の実施形態と同様の効果が得られることはいう
までもない。
【0068】図18に、本発明の第7の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の信号伝送方向に直角
な断面を示す。本実施形態では、伝送線路21,22,
23が誘電体基板11内において垂直方向に、すなわち
各伝送線路21,22,23がそれぞれの幅方向におい
て結合した構成となっている。このような構成でも同様
に差動3本伝送モードを形成することが可能であり、第
1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】図19に、本発明の第8の実施形態に係る
配線基板における差動3本線路部の概略平面図を示す。
本実施形態では、伝送線路21,22,23の途中にコ
ネクタ部37が介在している。このように差動3本線路
に不連続部分がある場合においても、本発明によると伝
送線路21,22,23間の結合が強いので、外部ノイ
ズに強く、外側にもノイズを出さない構造をとることが
できる。
【0070】図20に、本発明の第9の実施形態の要部
の概略構成を示す。これまでの実施形態では差動3本線
路を用いたが、本実施形態は差動4本線路を用いてい
る。また、本発明はこれに限られず、差動n本線路(n
≧3)を用いた場合にも有効であり、実装密度の増大、
位相のずれ方、差動インピーダンスの目標値などから考
慮してnを決めることが望ましい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると外
部への放射ノイズを効果的に低減することが可能であ
り、高速信号を扱うディジタル機器等の電子機器に有用
な配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る配線基板の平面
【図2】同実施形態に係る配線基板のA−A′線に沿う
断面図
【図3】同実施形態に係る配線基板のB−B′線に沿う
断面図
【図4】同実施形態に係る配線基板の差動3本線路の各
部のインピーダンス及びアドミッタンスについて説明す
るための等価回路図
【図5】同実施形態に係る配線基板の固有モードにおけ
る各ベクトル値の第2の伝送線路の線路幅に対する依存
性を示す図
【図6】同実施形態に係る配線基板の固有モードにおけ
る終端抵抗器両端の電圧波形を示す図
【図7】同実施形態に係る配線基板の固有モードからず
れた状態における終端抵抗器両端の電圧波形を示す図
【図8】同実施形態における固有モードでの整合終端抵
抗器の最適な抵抗値について説明するためのモデル図
【図9】同実施形態における固有モードでの第2の伝送
線路の線路幅による各伝送線路のインピーダンス変化を
示す図
【図10】本発明の第2の実施形態に係る配線基板の平
面図
【図11】差動2本線路と差動3本線路についての差動
インピーダンス及び同相インピーダンスの実測例を示す
【図12】差動2本線路と差動3本線路についての3m
法による放射磁界強度の周波数特性を示す図
【図13】本発明に係る配線基板の利用形態の一例を示
す図
【図14】本発明の第3の実施形態に係る配線基板の断
面図
【図15】本発明の第4の実施形態に係る配線基板の断
面図
【図16】本発明の第5の実施形態に係る配線基板の断
面図
【図17】本発明の第6の実施形態に係る配線基板の断
面図
【図18】本発明の第7の実施形態に係る配線基板の断
面図
【図19】本発明の第8の実施形態に係る配線基板の平
面図
【図20】本発明の第9の実施形態に係る配線基板の概
略構成を示す図
【符号の説明】
11…誘電体基板 11A,11B…誘電体層 12,12A,12B…グラウンド層 13…第1の入力線路 14…第2の入力線路 15,19…スルーホール 17,18…接続線路 20…第1の伝送モード変換部 21…第1の伝送線路 22…第2の伝送線路 23…第3の伝送線路 24…差動3本線路 25,26,29…接続線路 27,28…スルーホール 30…第2の伝送モード変換部 31…第1の出力線路 32…第2の出力線路 33,34,35…終端抵抗器 36…グラウンド層の伝送線路直下の部分 37…コネクタ部 42…LVDS伝送用送信IC 45…LVDS伝送用受信IC

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いにほぼ同振幅かつ逆位相の第1及び第
    2の電流信号がそれぞれ入力される第1及び第2の入力
    線路と、 第1の伝送線路と該第1の伝送線路に隣接して配置され
    た第2の伝送線路及び該第1の伝送線路と反対側で第2
    の伝送線路に隣接して配置された第3の伝送線路からな
    る差動3本線路と、 前記第1の入力線路に入力された第1の電流信号を前記
    第1及び第3の伝送線路の各一端に分岐して導き、前記
    第2の入力線路に入力された第2の電流信号を前記第2
    の伝送線路の一端に導く第1の伝送モード変換部と、 第1及び第2の出力線路と、 前記第1及び第3の伝送線路の各一端から出力される第
    1の電流信号を合流させて前記第1の出力線路に導き、
    前記第2の伝送線路の他端から出力される第2の電流信
    号を前記第2の出力線路に導く第2の伝送モード変換部
    とを具備し、 前記差動3本線路上の信号伝送モードが固有モードとな
    るように前記第1、第3の伝送線路の線路幅に比して第
    2の伝送線路の線路幅を大きく設定したことを特徴とす
    る配線基板。
  2. 【請求項2】前記第1及び第3の伝送線路の線路幅に対
    する第2の伝送線路の線路幅の比を2.4以上、3.6
    以下の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1記載
    の配線基板。
  3. 【請求項3】第1の伝送線路と該第1の伝送線路に隣接
    して配置された第2の伝送線路及び該第1の伝送線路と
    反対側で第2の伝送線路に隣接して配置された第3の伝
    送線路からなる差動3本線路を備え、前記第1及び第3
    の伝送線路により第1の電流信号を伝送し、前記第2の
    伝送線路により該第1の電流信号と逆位相の第2の電流
    信号を伝送させる配線基板において、 前記第1及び第2の伝送線路のインピーダンスをZ1、
    前記第2の伝送線路のインピーダンスをZ2、前記第1
    及び第3の伝送線路と第2の伝送線路間のインピーダン
    スをZm、前記第1及び第3の伝送線路のアドミッタン
    スをY1、前記第2の伝送線路のアドミッタンスをY2、
    前記第1及び第3の伝送線路と第2の伝送線路間のアド
    ミッタンスを−Ym(ただし、Ym>0)としたとき、前記
    第1及び第3の伝送線路上の電流に対する前記第2の伝
    送線路上の電流の比βが次式 【数1】 を満たすことを特徴とする配線基板。
  4. 【請求項4】前記電流比βがほぼ−2であることを特徴
    とする請求項3記載の配線基板。
  5. 【請求項5】前記第1及び第3の伝送線路のインピーダ
    ンスをZ1、前記第2の伝送線路のインピーダンスをZ
    2、前記第1及び第3の伝送線路と第2の伝送線路間の
    インピーダンスをZmとしたとき、前記第1及び第2の
    出力線路間に接続された 0.9×Rd<R<1.1Rd Rd=(Z1+2Z2−2Zm)/2 なる抵抗値Rを有する終端抵抗器を含むことを特徴とす
    る請求項1記載の配線基板。
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