JP2002289716A - BiMOS半導体装置の製造方法 - Google Patents

BiMOS半導体装置の製造方法

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JP2002289716A
JP2002289716A JP2001093134A JP2001093134A JP2002289716A JP 2002289716 A JP2002289716 A JP 2002289716A JP 2001093134 A JP2001093134 A JP 2001093134A JP 2001093134 A JP2001093134 A JP 2001093134A JP 2002289716 A JP2002289716 A JP 2002289716A
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mos transistor
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Yoichi Yamazaki
陽一 山▲崎▼
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Sony Corp
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  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくともN型MOSトランジスタとPN
Pトランジスタを同一半導体基板に形成したBiMOS
半導体装置の製造方法において、工程数を少なくし、M
OSトランジスタのホットキャリア耐性やPNPトラン
ジスタの電流増幅率や遮断周波数等の性能を高める。 【解決手段】 N型MOSトランジスタの低濃度ソース
領域及びドレイン領域22を形成するためのN型不純物
の導入と、バーチカルPNPトランジスタのベース領域
26を形成するためのN型不純物の導入を同一の工程で
行う。そして、そのN型不純物のイオン種を砒素Asに
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BiMOS半導体
装置、特に、N型MOSトランジスタと、PNPトラン
ジスタを少なくとも備えたBiMOS半導体装置、或い
はそれに更にバーチカルNPNトランジスタ及びP型M
OSトランジスタを付加したBiCMOSICの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信の高周波化及びAV(オーディオ・
ビデオ)機器の低消費電力化、ディジタル化が進むにつ
れて高周波・低消費電力のアナログ/ディジタル混載I
Cの重要性が高まっている。そして、そのようなICに
おいては、バイポーラトランジスタの高周波特性の向
上、低消費電力化の必要性が強く、そのため、浅いエミ
ッタ・ベース接合の形成、ベース抵抗の低減、寄生容量
の低減が不可欠である。そのため、ポリシリコンを用い
ての低抵抗外部ベース領域(グラフトベース)の形成、
ポリシリコンからの不純物拡散による浅いエミッタ・ベ
ース(真性ベース領域)接合の形成、セルフアラインコ
ンタクトによるエミッタ形成等の技術が駆使されてい
る。
【0003】また、更なる浅接合化(接合深さをより浅
くしようとすること)を実現するためには総熱処理量の
低減が必要となり、ランプアニール技術による高温短時
間アニール技術が注目されており、この技術を利用する
ことにより浅接合化を実現すると共に、接合リーク電流
の低減、低エネルギーイオン注入法による不純物拡散層
の低抵抗化も達成されつつある。
【0004】更に、近年の高度情報処理社会は、膨大な
量の情報を迅速に処理することを必要とし、処理速度の
高速化を要求している。そのため、例えば、コンピュー
タ等の高速化を実現するためには、その基本部品である
集積回路素子、とりわけ、バイポーラトランジスタのス
イッチング性能の高速化が望まれている。バイポーラト
ランジスタにおいて、スイッチング性能の高速化を図る
ためには、性能指標の一つである最高発振周波数(fma
x)を高くする必要がある。この最高発振周波数fmaxは
下記の式1で表される。 fmax=(fT/8π・Rb・Cjc)^1/2 ・・・式1 ここで、fTは遮断周波数、Rbはベース抵抗、Cjcは
ベース・コレクタ間容量を指す。
【0005】上記式1から明らかなように、最高発振周
波数fmaxを高めるには、遮断周波数fTを高く、ベー
ス・コレクタ間接合Cjc及びベース抵抗Rbを減少させ
ることが必要である。従って、最高発振周波数fmaxを
より高めるために、更なる遮断周波数fTの向上、ベー
ス・コレクタ間接合Cjcの低減若しくは容量増加を最小
限にする抑制が重要になってきている。
【0006】ところで、上記の遮断周波数fTは、ベー
ス領域・エミッタ領域・一部コレクタ領域に蓄積される
少数キャリアの充放電の時定数の逆数(1/2π)と考
えられており、通常、ベース領域に蓄積される少数キャ
リアが遮断周波数fTの決定における支配的要因とな
り、次式2、2−1で表される。 fT=1/(2πτb)=(1/2π)・(2Dn/Wb^2)・・・式2 Dn=(kT/q)・μn ・・・式2−1
【0007】この式2から、遮断周波数fTを高めるに
は、Wb(ベース幅)を狭めることがもっとも効果的で
あることが解る。しかし、ベース幅Wbを狭めると、ま
た、ベース・コレクタ間容量を下げるためにベース領域
の不純物濃度を下げると、CE(コレクタ・エミッタ)
間耐圧の低下をもたらすことになる。従って、ベース幅
Wbを狭めることが無制限に許容されるわけではない。
【0008】また、アナログ−ディジタル混載ICは、
従来においては、バイポーラトランジスタのみで構成さ
れていたが、スイッチングスピードの向上と低消費電力
化を達成するために、スイッチ部にCMOSICを設け
るという要求が強まりつつある。その実現のため、アナ
ログ−ディジタル混載ICのバイポーラトランジスタの
特性をさらに向上させつつ、IC内にCMOSを追加す
ることの必要性が認識されつつある。
【0009】そこで、バイポーラトランジスタとしてバ
ーチカルNPNトランジスタと、バーチカルPNPトラ
ンジスタを備え、MOSトランジスタとしてP型MOS
トランジスタとN型MOSトランジスタを備えたBiC
MOS半導体装置が開発された。尚、バイポーラIC等
において、バーチカルNPNトランジスタと共に形成さ
れるPNPトランジスタは一般にラテラルトランジスタ
であるが、遮断周波数が数GHzというように高い高速
用BiCMOS半導体装置において、PNPトランジス
タとしてバーチカルPNPトランジスタを形成するの
は、ラテラルトランジスタ(遮断周波数fT:数百MH
z程度)よりも顕著に遮断周波数が高く(fT:2〜5
GHz程度)、高速性を有するからである。因みに、バ
ーチカルNPNトランジスタの遮断周波数は8GHz程
度である。
【0010】図10(1)〜(4)、図11(5)〜
(8)及び図12(9)〜(15)は、バイポーラトラ
ンジスタとして、そのようなバーチカルNPNトランジ
スタと、バーチカルPNPトランジスタを備え、MOS
トランジスタとしてP型MOSトランジスタとN型MO
Sトランジスタを備えたBiCMOS半導体装置の製造
方法の従来例の一つを工程順(1)〜(15)に示す断
面図である。
【0011】(1)P型シリコン半導体基板1上に、従
来のフォトリソグラフィ技術及びイオン注入技術、酸化
・拡散技術を駆使してNPNトランジスタのコレクタ埋
込層2,P型MOSトランジスタの埋込層3、N型MO
SトランジスタとバーチカルPNPトランジスタのN型
埋込層4を形成し、更に、エピタキシャル成長技術を利
用し、エピタキシャル層5を形成し、その後、素子間分
離のための選択酸化層(LOCOS)6を形成する。図
10(1)は選択酸化層6形成後の状態を示す。
【0012】(2)次に、ゲート絶縁膜となる厚さ10
〜20nm程度の酸化膜8を熱酸化法により形成し、そ
の後、フォトレジスト膜PRを選択的に形成し、該フォ
トレジスト膜PRをマスクとしてPMOS領域にN型ウ
ェルを形成するためのN型不純物のイオン注入をする。
これはリンPのイオン注入を例えば2回(1回目のイオ
ン注入のエネルギー:360keV、濃度:5.0×1
11cm-2、2回目のイオン注入のエネルギー:120
keV、濃度:2.0×1012cm-2)行う。その後、
しきい値電圧Vth調整のためのホウ素Bのイオン注入
(エネルギー:20keV、濃度:2.9×1012cm
-2)を行う。イオンの矢印a1はそれ等のイオン注入を
示し、図10(2)はそれ等のイオン注入時の状態を示
す。
【0013】(3)次に、上記フォトレジスト膜PRと
は別のフォトレジスト膜PRを選択的に形成し、該フォ
トレジスト膜PRをマスクとしてN型MOSトランジス
タ領域にP型ウェルを形成するためと、素子分離領域を
形成するためと、バーチカルPNPトランジスタのコレ
クタ領域を形成するためのP型不純物のイオン注入をす
る。このイオン注入は素子分離領域を形成するために、
エネルギー:360keV、濃度:3.0×1013cm
-2の条件で、P型ウェルを形成するために、エネルギ
ー:90keV、濃度:5.0×1011cm-2の条件
で、バーチカルPNPトランジスタのコレクタ領域を形
成するために、エネルギー:20keV、濃度:1.6
×1012cm-2の条件で行う。
【0014】即ち、条件を切り替えて連続的に行う。7
はそのイオン注入層を示す。矢印a2はそのイオン注入
を示す。図10(3)はそのイオン注入時の状態を示
す。このように、P型ウェル形成用と素子分離用とバー
チカルPNPトランジスタのコレクタ形成用のイオン注
入は兼用するのである。
【0015】(4)次に、100〜400nm程度のポ
リシリコン膜9をCVD(Chemical Vaper Deposition)
により堆積し、リン濃度が10〜20wt%程度のリン
シリケードガラス(Phos Silicate Glass)10をCVD
により全面的に形成する。図10(4)はリンシリケー
ドガラス10形成後の状態を示す。その後、このリンシ
リケードガラス10中のリンPを上記ポリシリコン膜9
中に拡散させる。
【0016】(5)次に、上記ポリシリコン膜9に対し
て、フォトレジスト膜をマスクとするRIE(Reactive
ion Etching)技術により、ポリシリコン膜9とゲート
酸化膜8との選択比を利用してゲート酸化膜8を突き抜
けないように選択的エッチング処理を施すことによりゲ
ート電極11を形成する。その後、上記ゲート酸化膜8
を、該ゲート電極11をマスクとするエッチングにより
選択的に除去し、それによってゲート電極11下のみに
ゲート酸化膜8が残存するようにする。
【0017】次いで、イオン注入に際してのダメージに
対してバッファ膜として機能し、チャネリング防止層と
しても機能する厚さ10〜20nm程度の酸化膜(便宜
上図示せず)を形成し、その後、フォトレジスト膜PR
をマスクとしてバーチカルPNPトランジスタのベース
領域とすべき部分に選択的にリンPをイオン注入(エネ
ルギー:180keV程度、不純物濃度:2.0×10
13/cm2程度)する。40はそのイオン注入により生
じたP型不純物注入層であり、矢印a3はそのイオン注
入を示す。図11(5)はそのイオン注入時の状態を示
す。
【0018】(6)次に、選択的に形成したフォトレジ
スト膜PRをマスクとしてN型MOSトランジスタのソ
ース及びドレイン領域を形成すべき部分と、バーチカル
PNPトランジスタのベース領域を形成すべき部分に砒
素Asイオンをイオン注入(濃度:3.0×1015/c
2、エネルギー:40keV程度)する。41はそれ
により生じたN型不純物注入層を示し、矢印a4はその
イオン注入を示し、図11(6)はそのエネルギー注入
時の状態を示す。
【0019】(7)次に、PMOSトランジスタのソー
ス及びドレイン領域を形成するために、選択的に形成し
たフォトレジスト膜PRをマスクとして、BF2をイオ
ン注入(濃度3×1015/cm2、エネルギー40ke
V)する。42はそれにより生じたP型不純物注入層を
示し、矢印a5はそのイオン注入を示し、図11(7)
はそのイオン注入時の状態を示す。
【0020】(8)次に、厚さ100nm程度のTEO
S酸化膜12を形成し、該TEOS酸化膜12のバーチ
カルNPNトランジスタのアクティブ領域となる部分に
開口43を、選択的に形成したフォトレジスト膜をマス
クとするRIEによる選択的エッチングにより形成す
る。次いで、P型MOSトランジスタ及びN型MOSト
ランジスタ上を汚染防止用のシリコン窒化膜14で覆
う。その後、NPNバーチカルNPNトランジスタの低
抵抗外部ベース領域及びP+型ポリシリコン抵抗を形成
するためのポリシリコン膜(膜厚150nm程度)13
を堆積し、しかる後、該ポリシリコン膜13にそれを所
望の抵抗率にする条件で不純物のイオン打ち込みをす
る。矢印a6はそのイオン打ち込みを示す。図11
(8)は該ポリシリコン膜13に対するイオン打ち込み
時の状態を示す。 (9)次に、上記ポリシリコン膜13を、選択的に形成
したフォトレジスト膜PRをマスクとするRIEによる
選択的エッチングによりパターニングする。図12
(9)はそのパターニング後の状態を示す。
【0021】(10)次に、CVD法により厚さ400
nm程度の酸化膜15を形成し、該酸化膜15上にレジ
スト膜PRを選択的に形成し、該レジスト膜PRをマス
クとして該酸化膜15及びポリシリコン膜13を選択的
にエッチングすることにより、バーチカルPNPトラン
ジスタの真性ベース領域を形成すべき部分に半導体基板
1表面を露出させる開口44を形成する。図12(1
0)は該開口44形成後の状態を示す。 (11)次に、イオン注入時に生じるチャネリングを防
止するために熱酸化膜(膜厚10nm程度)16を形成
し、その後、真性ベース領域を形成すべき部分にホウ素
B(エネルギー:30keV、濃度:1.0×1013
-2)をイオン打ち込みする。矢印a7はそのイオン打
ち込みを示す。図12(11)はそのイオン打ち込み時
の状態を示す。
【0022】(12)次に、TEOS酸化膜(膜厚55
0nm)45をCVDにより形成し、上記ポリシリコン
膜13からそれに含まれる不純物であるホウ素Bを単結
晶であるシリコン半導体基板1表面部に真性ベース領域
17及びグラフトベース領域18が形成されるように拡
散させるための熱処理を施す。すると、これによってN
PNトランジスタの真性ベース領域17及びグラフトベ
ース領域18が形成され、また、既に半導体表面近傍に
打ち込まれている不純物が拡散するのでそれによりN型
MOSトランジスタ及びP型MOSトランジスタのソー
ス及びドレイン領域と、バーチカルPNPトランジスタ
のエミッタ及びコレクタ領域が形成される。図12(1
2)はその熱処理後のNPNバイポーラトランジスタの
部分のみを示す。尚、図12(12)に示す工程以降に
おいては、P型MOSトランジスタ、N型MOSトラン
ジスタ及びバーチカルPNPトランジスタは不純物の拡
散により拡散層が変化するのみであるのでその図示は図
12(12)以降においては省略し、NPNトランジス
タの部分のみを図示する。
【0023】(13)次に、上記TEOS酸化膜(膜厚
550nm)45に対して異方性エッチング、例えばR
IE処理を施すことにより、上記開口44の内側壁のみ
にシリコン酸化膜からなるサイドウォール46が残存す
るようにする。図12(13)は該サイドウォール46
形成後の状態を示す。 (14)次に、全面的にポリシリコン膜(膜厚150n
m)47を例えばCVD法により形成し、その後、エミ
ッタを形成するための不純物として砒素Asイオンの該
ポリシリコン膜47に対する注入(エネルギー:60k
eV、濃度:2×1016cm-2)を行う。a8はそのイ
オン注入を示し、図12(14)はその砒素イオンの注
入後の状態を示す。
【0024】(15)次に、上記ポリシリコン膜13に
注入された砒素Asイオンをポリシリコン膜19に拡散
させる熱処理(温度:900℃、時間:10秒)を行
い、セルフアラインによりエミッタ領域19を形成す
る。その後、上記シリコン膜47をフォトレジスト膜P
Rをマスクとする選択的エッチングによりエミッタ取り
出し領域48を形成する。図12(15)はそのエッチ
ング時の状態を示す。尚、その後は、図示はしないが、
ベース取り出し電極、コレクタ取り出し電極、ソース・
ゲート・ドレイン取り出し電極を形成し、その後、金属
配線を形成し、しかる後、N2(95%)とH2(5%)か
らなるフォーミングガス雰囲気中での熱処理であるシン
タリングを行う。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したB
iCMOS半導体装置の製造方法においても低価格化の
ためにより一層の工程数の低減が要求され、その要求に
は応え切れていないと言う問題があった。また、従来に
おいては、バーチカルPNPトランジスタのベースはリ
ンPを不純物として形成されており、そのため、電流増
幅率(hFE)や遮断周波数(:fT、或いは最大遮断周
波数:fTmax)を高めることが制約され、より特性を高
めることが制約された。
【0026】更に、高速バイポーラトランジスタを得る
には、接合深さをより浅くする必要があり、そのため、
ランプアニールにより熱処理する必要性が生じるが、ラ
ンプアニール技術を採用するとホットキャリア耐性が低
くなり、シングルドレイン構造のMOSトランジスタに
おいては無視できない問題となる。そして、従来におい
ては、図11(6)、(7)に示すようにN型MOSト
ランジスタもP型MOSトランジスタもシングルドレイ
ン構造を有していたので、構造が簡単だという利点があ
るが、プロセス的に実効のゲート長がフォトリソグラフ
ィの実力(露光装置の解像度による線幅の制御性)によ
り決まるので、トランジスタ自体が大きくなる傾向があ
り、更に、MOSトランジスタのホットキャリア耐性が
ランプアニール工程のあることに起因して低下する問題
を回避することができなかった。
【0027】本発明はこのような問題点を解決すべく為
されたものであり、工程数が少なく、且つMOSトラン
ジスタのホットキャリア耐性やPNPトランジスタの電
流増幅率(hFE)や遮断周波数等の性能が優れたBiM
OS半導体装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1のBiMOS半
導体装置の製造方法は、N型MOSトランジスタとPN
Pトランジスタを同一半導体基板に形成したBiMOS
半導体装置の製造方法において、上記N型MOSトラン
ジスタのソース領域及びドレイン領域を形成するための
N型不純物の導入と、上記バーチカルPNPトランジス
タのベース領域を形成するためのN型不純物の導入を同
一の工程で行うことを特徴とする。
【0029】従って、請求項1のBiMOS半導体装置
の製造方法によれば、従来別々の工程で行っていたN型
MOSトランジスタのソース領域及びドレイン領域を形
成するためのN型不純物の導入とバーチカルPNPトラ
ンジスタのベース領域を形成するためのN型不純物の導
入を、同一の工程で行うので、BiMOS半導体装置の
製造工程数の低減を図ることができる。従って、BiM
OS半導体装置の低価格化を図ることができる。
【0030】請求項2のBiMOS半導体装置の製造方
法は、少なくともバーチカルNPNトランジスタとPN
PトランジスタとN型MOSトランジスタを同一半導体
基板に形成したBiMOS半導体装置の製造方法におい
て、上記半導体基板上に形成した多結晶シリコン膜に、
上記バーチカルNPNトランジスタのエミッタを形成す
るためのN型不純物の導入と、上記PNPトランジスタ
のベース領域を形成するためのN型不純物の導入と、上
記N型MOSトランジスタのソース領域及びドレイン領
域を形成するためのN型不純物の導入とを同時に行う不
純物の導入工程を、有することを特徴とする。
【0031】従って、請求項2のBiMOS半導体装置
の製造方法によれば、バーチカルNPNトランジスタの
エミッタを形成するためのN型不純物の導入と、上記P
NPトランジスタのベース領域を形成するためのN型不
純物の導入と、上記N型MOSトランジスタのソース領
域及びドレイン領域を形成するためのN型不純物の導入
とを一つの工程で同時に行うので、BiMOS半導体装
置の製造工程数の低減を図ることができる。従って、B
iMOS半導体装置の低価格化を図ることができる。
【0032】請求項3のBiMOS半導体装置の製造方
法は、少なくともN型MOSトランジスタとPNPトラ
ンジスタを同一半導体基板に形成したBiMOS半導体
装置の製造方法において、上記N型MOSトランジスタ
のソース領域及びドレイン領域と、上記PNPトランジ
スタのベース領域を同時に形成する工程と、上記N型M
OSトランジスタのソース領域及びドレイン領域の電極
の取り出しのための不純物導入領域と、上記PNPトラ
ンジスタのベースの電極の取り出しのための不純物導入
領域を同時に形成する工程と、を備えたことを特徴とす
る。
【0033】従って、請求項3のBiMOS半導体装置
の製造方法によれば、N型MOSトランジスタのソース
領域及びドレイン領域と、上記PNPトランジスタのベ
ース領域を同時に形成し、また、N型MOSトランジス
タのソース領域及びドレイン領域の電極の取り出しのた
めの不純物導入領域と、上記PNPトランジスタのベー
スの電極の取り出しのための不純物導入領域を同時に形
成するので、BiMOS半導体装置の製造工程数の低減
を図ることができる。従って、BiMOS半導体装置の
低価格化を図ることができる。
【0034】請求項4のBiMOS半導体装置の製造方
法は、請求項1、2又は3記載のBiMOS半導体装置
の製造方法において、上記N型MOSトランジスタのド
レイン領域をLDD(Light Doped Drain)構造にし、そ
のドレイン領域の低濃度部分を形成するためのN型不純
物の導入を上記バーチカルPNPトランジスタのベース
領域を形成するためのN型不純物の導入と同一の工程で
行うことを特徴とする。
【0035】従って、請求項4のBiMOS半導体装置
の製造方法によれば、従来、MOSトランジスタがシン
グルドレイン構造であったために生じていたところの、
浅接合実現のために必要なランプアニール技術により、
MOSトランジスタのホットキャリア耐性を充分に強め
ることができないという問題を、MOSトランジスタを
LDD構造にすることによりホットキャリア効果を弱め
ることができるので、解決することができる。そして、
LDD構造のMOSトランジスタの低濃度ソース・ドレ
イン領域を不純物として砒素Asを用いて形成したの
で、マスク上で同一ゲート長であればあれば、その不純
物Asの拡散係数が小さいことからMOSトランジスタ
の実効ゲート長が広くなり、マスク上のゲート長を更に
微細化することができ、延いてはショートチャンネル効
果の抑制を図ることができる。
【0036】請求項5のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、請求項1、2、3又は4記載のBiMOS
半導体装置の製造方法において、上記PNPトランジス
タとしてバーチカルPNPトランジスタを形成すること
を特徴とする。従って、請求項5のBiMOS半導体装
置の製造方法によれば、PNPトランジスタとしてバー
チカルトランジスタを用いるので、ラテラルトランジス
タを用いた場合よりも、電流増幅率、及び遮断周波数を
顕著に高めることができ、性能、特に、高速性の良い半
導体装置を得ることができる。
【0037】請求項6のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、請求項1、2、3、4又は5記載のBiM
OS半導体装置の製造方法において、上記N型不純物と
して砒素を用いることを特徴とする。従って、請求項6
のBiMOS半導体装置の製造方法によれば、PNPト
ランジスタのベース領域等のN型領域を形成する不純物
として従来使用されていたリンPに代えて砒素Asを使
用するので、浅接合実現が容易である。というのは、イ
オン注入におけるイオン飛程距離は砒素AsとリンPを
比較すると、砒素AsはリンPよりも短いからである。
【0038】即ち、リンPと砒素Asの核酸係数を示す
図5(B)に示すように、同一熱処理における拡散係数
は砒素AsがリンPの1/100程度と極めて小さく、
同一熱処理において極めて浅接合形成に有利なのであ
る。尚、リンPと砒素Asそれぞれ拡散係数と温度の関
係を示す線が複数あるのは、拡散係数と温度の関係に不
純物濃度依存性があり、濃度の異なる複数の関係を示し
ているからである。
【0039】また、PNPバーチカルトランジスタのN
型ベースを、砒素Asを不純物として形成した場合、ベ
ース領域の浅接合化が極めて容易となり、且つ、コレク
タ領域との間の接合濃度が下がるため、ベース・コレク
タ間の接合容量を小さくすることができる。更に、砒素
Asの拡散係数の小さいことによりベース幅を狭めるこ
とができ、延いてはよりPNPトランジスタの高速化を
図ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくともN型MOS
トランジスタとPNPトランジスタを同一半導体基板に
形成したBiMOS半導体装置の製造方法を対象とする
が、更に、それにP型MOSトランジスタを付加した、
或いは更にNPNトランジスタをも付加したBiCMO
S半導体装置も本発明で言うBiCMOS半導体装置に
含まれる。
【0041】ちなみに、本発明で製造される半導体装置
の最も典型的な例は、バーチカルNPNトランジスタ、
特にダブルポリシリコンタイプのバーチカルPNPトラ
ンジスタと、バーチカルPNPトランジスタと、P型M
OSトランジスタと、N型MOSトランジスタを備えた
BiCMOS半導体装置である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説
明する。図1(1)〜(4)、図2(5)〜(9)、図
3(10)〜(13)、図4(14)〜(17)は本発
明BiMOS半導体装置の製造方法の第1の実施例を工
程順に示す示す断面図である。
【0043】(1)P型シリコン半導体基板1上に、従
来のフォトリソグラフィ技術及びイオン注入技術、酸化
・拡散技術を駆使してNPNトランジスタのコレクタ用
の埋込層2,P型MOSトランジスタ用の埋込層3、N
型MOSトランジスタ・バーチカルPNPトランジスタ
用N型埋込層4を形成し、更に、エピタキシャル成長技
術を利用し、エピタキシャル層5を形成し、その後、素
子間分離のための選択酸化層(LOCOS)6を形成す
る。図1(1)は選択酸化層6形成後の状態を示す。
【0044】(2)次に、ゲート絶縁膜となる厚さ10
〜20nm程度の酸化膜8を熱酸化法により形成し、そ
の後、フォトレジスト膜PRを選択的に形成し、該フォ
トレジスト膜PRをマスクとしてPMOS領域にN型ウ
ェルを形成するためのN型不純物のイオン注入をする。
これはリンPのイオン注入を例えば2回(1回目のイオ
ン注入のエネルギー:360keV、濃度:5.0×1
11cm-2、2回目のイオン注入のエネルギー:120
keV、濃度2.0×1012cm-2)行う。その後、し
きい値電圧Vth調整のためのホウ素Bのイオン注入
(エネルギー:20keV、濃度:2.0×1012cm
-2)を行う。イオンの矢印a1はそのイオン注入を示
し、図1(2)はそのイオン注入時の状態を示す。
【0045】(3)次に、上記フォトレジスト膜PRと
は別のフォトレジスト膜PRを選択的に形成し、該フォ
トレジスト膜PRをマスクとしてN型MOSトランジス
タ領域にP型ウェルを形成するためと、素子分離領域を
形成するためと、バーチカルPNPトランジスタのコレ
クタ領域を形成するためのP型不純物としてホウ素Bの
のイオン注入をする。
【0046】このイオン注入は素子分離領域を形成する
ために、エネルギー:360keV、濃度3.0×10
13cm-2の条件で、P型ウェルを形成するために、エネ
ルギー:90keV、濃度5.0×1011cm-2の条件
で、バーチカルPNPトランジスタのコレクタ領域を形
成するために、エネルギー:20keV、濃度1.6×
1012cm-2の条件で行う。即ち、条件を切り替えて連
続的に行う。7はそのP型不純物注入層を示す。矢印a
2はそれ等のイオン注入を示す。図1(3)はそれ等の
イオン注入時の状態を示す。このように、P型ウェル形
成用と素子分離用バーチカルPNPトランジスタのコレ
クタ形成用のイオン注入は兼用するのである。
【0047】(4)次に、100〜400nm程度のポ
リシリコン膜9をCVDにより全面的に形成し、リン濃
度が10〜20wt%程度のリンシリケードガラス10
をCVD法により全面的に形成する。図1(4)はリン
シリケードガラス10形成後の状態を示す。その後、こ
のリンシリケードガラス10中のリンPを上記ポリシリ
コン膜9中に拡散させる。これ等の図1(1)〜(4)
に示す工程は、図10(1)〜(4)に示す工程と同じ
である。
【0048】(5)次に、上記N+型ポリシリコン膜9
に対するフォトレジスト膜をマスクとする選択的エッチ
ングによりP型MOSトランジスタ及びN型MOSトラ
ンジスタのゲート電極11を形成する。この場合、例え
ばRIEによりポリシリコン膜9とゲート酸化膜8との
エッチング選択比を利用して該ゲート酸化膜8を突き抜
けないようにする。
【0049】その後、N型MOSトランジスタの低濃度
ソース領域及びドレイン領域を形成すべく、そのゲート
電極11と、低濃度ソース領域及びドレイン領域を形成
すべき部分と、バーチカルPNPトランジスタのベース
領域を形成すべき部分を露出させる開口を有するパター
ンのフォトレジスト膜PRを形成し、これをマスクとし
て砒素Asをイオン注入(エネルギー:200keV、
濃度:2.0×1013cm-2)を行う。図2(5)はそ
の砒素Asのイオン注入時の状態を示す。矢印a3はそ
のイオン注入を示す。28はそのイオン注入により形成
されたN型不純物注入層である。
【0050】(6)次に、図2(6)に示すように、P
型MOSトランジスタの低濃度ソース領域及びドレイン
領域を形成すべく、そのゲート電極11と、低濃度ソー
ス領域及びドレイン領域を形成すべき部分を露出させる
開口を有するパターンのフォトレジスト膜PRを形成
し、これをマスクとしてBF2をイオン注入(エネルギ
ー:50keV、濃度:2.0×1015cm-2)を行
う。矢印a4はそのイオン注入を示し、29はそのイオ
ン注入により形成されたP型不純物注入層である。
【0051】(7)次に、MOSトランジスタをLDD
構造にするためのスペーサ(サイドウォール)を形成す
るための膜厚例えば約300nm程度のシリコン酸化膜
(例えばTEOSiO2膜)30を形成する。図2
(7)はシリコン酸化膜30形成後の状態を示す。 (8)次に、上記シリコン酸化膜30を異方性エッチン
グによりエッチバックすることにより上記N型MOSト
ランジスタ及びP型MOSトランジスタのゲート電極1
1の側面にスペーサ(サイドウォール)20を形成す
る。
【0052】次に、N型MOSトランジスタと、バーチ
カルPNPトランジスタのベース取り出し領域を露出さ
せる開口を有するパターンのフォトレジスト膜PRを形
成し、該フォトレジスト膜PRをマスクとして砒素As
のイオン注入(エネルギー:50keV、濃度:2×1
15cm-2)を行う。これによりN型MOSトランジス
タの高濃度のソース領域及びドレイン領域及びバーチカ
ルPNPトランジスタのベース取り出し領域を形成す
る。図2(8)はそのイオン注入時の状態を示す。a5
はその砒素Asのイオン注入を示し、31はそのイオン
注入により形成されたN型不純物注入層を示す。
【0053】(9)次に、上記フォトレジスト膜PRを
除去する。図2(9)はそのフォトレジスト膜PR除去
後の状態を示す。 (10)次に、厚さ100nm程度のTEOS酸化膜1
2を形成し、該TEOS酸化膜12をRIEによる選択
的エッチングにより、バーチカルNPNトランジスタの
アクティブ領域となる部分及びバーチカルPNPトラン
ジスタのエミッタ領域、コレクタ領域に開口32を形成
する。
【0054】次いで、PMOSトランジスタ及びN型M
OSトランジスタ上をその汚染防止のためにシリコン窒
化膜14で覆う。その後、ポリシリコン膜(膜厚例えば
150nm程度)13を例えばCVDにより全面的に形
成し、しかる後、該ポリシリコン膜13にそれを所望の
抵抗率ρsにする条件で不純物のイオン打ち込みをす
る。尚、本実施例においては、高抵抗と低抵抗を形成す
るため、全面に、二フッ化ホウ素BF2のイオン注入
(エネルギー:40keV、濃度5×1014cm-2)と
ホウ素Bのイオン注入(エネルギー:15keV、濃度
2.5×1015cm-2)を行う。図3(10)は該ポリ
シリコン膜13に対するイオン打ち込み時の状態を示
す。矢印a6はその不純物のイオン注入を示す。
【0055】(11)次に、上記ポリシリコン膜13上
に選択的にフォトレジスト膜PRを形成し、該フォトレ
ジスト膜PRをマスクとして該ポリシリコン膜13をR
IEにより選択的にエッチングすることにより、バーチ
カルNPNトランジスタの外部ベース取り出し用領域
と、バーチカルPNPトランジスタのエミッタ取り出し
用領域及びコレクタ取り出し用領域を形成する。図3
(11)はそのポリシリコン膜13からなる、上記ベー
ス取り出し用領域(NPNトランジスタ)と、エミッタ
取り出し用領域及びコレクタ取り出し用領域(PNPト
ランジスタ)を形成した後の状態を示す。
【0056】(12)次に、CVDにより厚さ400n
m程度の酸化膜15を形成し、該酸化膜15上にレジス
ト膜PRを選択的に形成し、該レジスト膜PRをマスク
として該酸化膜15及びポリシリコン膜13を選択的に
エッチングすることにより、バーチカルPNPトランジ
スタの真性ベース領域を形成すべき部分に半導体基板1
表面を露出させる開口33を形成する。図3(12)は
該開口33形成後の状態を示す。 (13)次に、イオン注入時のチャネリング防止用の熱
酸化膜16を10nmの厚さ堆積し、その後、真性ベー
ス領域にホウ素Bをイオン注入(エネルギー:30ke
V、濃度1.0×1013cm-2)する。図3(13)は
そのイオン注入時の状態を示す。矢印a7はそのイオン
注入を示す。
【0057】(14)次に、TEOS酸化膜(膜厚55
0nm)45をCVDにより形成し、上記ポリシリコン
膜13からそれに含まれる不純物であるホウ素を単結晶
であるシリコン半導体基板1表面部に真性ベース領域1
7及びグラフトベース領域18が形成されるように拡散
させるための熱処理(例えば温度:1050℃、時間:
10秒)を施す。すると、これによってNPNトランジ
スタの真性ベース領域17及びグラフトベース領域18
が形成され、また、既に半導体表面近傍に打ち込まれて
いる不純物が拡散するのでそれによりN型MOSトラン
ジスタ及びP型MOSトランジスタのソース及びドレイ
ンと、バーチカルPNPトランジスタのエミッタ及びコ
レクタが形成される。図4(14)はその熱処理後のN
PNバイポーラトランジスタの部分のみを示す。尚、工
程(14)〜(16)においては、P型MOSトランジ
スタ、N型MOSトランジスタ及びバーチカルPNPト
ランジスタは不純物の拡散により拡散層が変化するのみ
であるのでその図示は図4(14)〜(16)において
は省略し、NPNトランジスタの部分のみを図示する。
【0058】(15)次に、上記TEOS酸化膜(膜厚
550nm)45に対して異方性エッチング(例えばR
IE)処理を施すことにより、上記開口33の内側壁の
みにシリコン酸化膜からなるサイドウォール46が残存
するようにする。図4(15)は該サイドウォール46
形成後の状態を示す。 (16)次に、全面的にポリシリコン膜(膜厚150n
m)47を例えばCVD法により形成し、その後、エミ
ッタを形成するための不純物として砒素Asイオンの該
ポリシリコン膜47に対する注入(エネルギー:40k
eV、濃度:1.7×1015cm-2)を行う。図4(1
6)はその砒素イオンの注入後の状態を示し、矢印a8
はそのイオン注入を示す。
【0059】(17)次に、上記ポリシリコン膜47中
にイオン注入された砒素Asを半導体基板1表面中に拡
散させてエミッタ領域19を形成するための熱処理(温
度:1050℃、時間:10秒)を施す。その後、該ポ
リシリコン膜47に対してフォトレジスト膜PRをマス
クとして選択的エッチング処理を施すことによりNPN
トランジスタのエミッタ電極となる部分以外を除去す
る。図4(17)はその除去直後の状態を示す。同図に
おいて、21はP型MOSトランジスタのソース領域及
びドレイン領域、22はN型MOSトランジスタの低濃
度ソース領域及びドレイン領域、23は同じく高濃度ソ
ース領域及びドレイン領域、24はコレクタ領域電極取
り出し用領域、25はバーチカルPNPトランジスタの
P型エミッタ領域、26はN型ベース領域、27はP型
コレクタ領域である。
【0060】尚、その後は、図示はしないが、ベース取
り出し電極、コレクタ取り出し電極、ソース・ゲート・
ドレイン取り出し電極を形成し、その後、金属配線を形
成し、しかる後、N2(95%)とH2(5%)からなるフ
ォーミングガス雰囲気中での熱処理であるシンタリング
を行う。更に、2層配線においても同様に金属配線形成
(金属配線膜堆積→加工→層間絶縁膜まで)後、プラズ
マCVD法により膜厚750nm程度の絶縁膜をオーバ
ーパシベーション膜として全面的に堆積し、ボンディン
グパッド用のオーバーパシベーション膜をRIE法でエ
ッチングした後、N2(95%)とH2(5%)からなるフ
ォーミングガス雰囲気中での熱処理であるシンタリング
を行い、半導体装置を完成させる。
【0061】本BiMOS半導体装置の製造方法によれ
ば、N型MOSトランジスタのスペーサ直下の低濃度ソ
ース領域及びドレイン領域を形成するための不純物注入
と、バーチカルPNPトランジスタのベース領域を形成
するための不純物注入とを兼用化したので、製造工程数
を低減することができる。しかも、バーチカルPNPト
ランジスタのベース領域の不純物として図10〜図12
に示した従来例のようにリンPを用いた場合と砒素As
を用いた場合とを遮断周波数fTについて比較すると、
図5(A)に示すようになる(○:りんP[center 3
V],●:砒素As[200keV 3V])。この図から明らかな
ように、遮断周波数fTはイオン種により大きく相違
し、りんPよりも砒素Asの方が遮断周波数fTを高く
することができる。
【0062】また、バーチカルPNPトランジスタのベ
ース領域の不純物のイオン種の違いは、それ以外のトラ
ンジスタの特性についても違いをもたらす。図6(A)
〜(D)はイオン種がりんPの場合の特性を、図7
(A)〜(D)はイオン種が砒素Asの場合の特性を示
し、図6、図7とも(A)は電流増幅率hFEを、(B)
はGummelを、(C)はVceoを、(D)はVcboを示す。こ
の図6、図7の比較から明らかなように、これら各特性
においてベース領域のイオン種を砒素Asにした方が優
れており、耐圧の低下を伴うことなく電流増幅率hFE
を高くし、高速性を高めることができることが明らかで
ある。
【0063】図8(A)、(B)はバーチカルPNPト
ランジスタのベース領域の不純物のイオン種を砒素As
にした場合の深さ方向における不純物濃度プロファイル
で、(A)は砒素Asのイオン注入エネルギーを360
keVにした場合を、(B)は本発明BiMOS半導体
装置の製造方法の実施例におけるようにイオン注入エネ
ルギーをした場合を示し、図9はイオン種をリンPにし
た場合における深さ方向における不純物濃度プロファイ
ル(エネルギー:180keV)を示す。図8、図9は
不純物のイオン種、イオン注入エネルギーの違いを除け
ば他の条件は同じである。図9に示すリンPの場合(エ
ネルギー:180keV)には、ベース幅が0.363
3μm程度になったが、図8(A)に示すように砒素A
sを360keVでイオン注入した場合には、そのベー
ス幅を0.3239μmに狭くできた。しかし、図8
(B)に示すように砒素Asを200keVでイオンし
た場合(本発明BiMOS半導体装置の製造方法の実施
例の場合)には、ベース幅を0.1975μmと極めて
狭くできる。これが上述したようにバーチカルPNPト
ランジスタの電流増幅率hFEを高くでき、遮断周波数
fTを高くできる理由である。
【0064】また、P型MOSトランジスタ及びN型M
OSトランジスタをマスク工程の追加を伴うことなくシ
ングルドレイン構造からLDD構造にすることがでで
き、ホットキャリア耐性を高めることができ、ランプア
ニール技術によるホットキャリア耐性の低下の問題を回
避することができる。
【0065】N型MOSトランジスタの低濃度ソース・
ドレイン領域を砒素Asにて形成したため、マスク上で
同一ゲート長であれば、その拡散係数がリンPよりも小
さいことから、MOSトランジスタの実行ゲート長が広
くなり、マスク上のゲート長を更に微細に設定すること
ができ、延いてはチップ面積をより小さくすることがで
きる。
【0066】
【発明の効果】請求項1のBiMOS半導体装置の製造
方法によれば、従来別々の工程で行っていたN型MOS
トランジスタのソース領域及びドレイン領域を形成する
ためのN型不純物の導入とバーチカルPNPトランジス
タのベース領域を形成するためのN型不純物の導入を、
同一の工程で行うので、BiMOS半導体装置の製造工
程数の低減を図ることができる。従って、BiMOS半
導体装置の低価格化を図ることができる。
【0067】請求項2のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、バーチカルNPNトランジスタのエミッタ
を形成するためのN型不純物の導入と、上記PNPトラ
ンジスタのベース領域を形成するためのN型不純物の導
入と、上記N型MOSトランジスタのソース領域及びド
レイン領域を形成するためのN型不純物の導入とを一つ
の工程で同時に行うので、BiMOS半導体装置の製造
工程数の低減を図ることができる。従って、BiMOS
半導体装置の低価格化を図ることができる。
【0068】請求項3のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、N型MOSトランジスタのソース領域及び
ドレイン領域と、上記PNPトランジスタのベース領域
を同時に形成し、また、N型MOSトランジスタのソー
ス領域及びドレイン領域の電極の取り出しのための不純
物導入領域と、上記PNPトランジスタのベースの電極
の取り出しのための不純物導入領域を同時に形成するの
で、BiMOS半導体装置の製造工程数の低減を図るこ
とができる。従って、BiMOS半導体装置の低価格化
を図ることができる。
【0069】従って、請求項4のBiMOS半導体装置
の製造方法によれば、従来、シングルドレイン構造であ
ったMOSトランジスタ場合に生じたところの、浅接合
実現のために必要なランプアニール技術により、MOS
トランジスタのホットキャリア耐性を充分に強めること
ができないという問題を、MOSトランジスタをLDD
構造にすることによりホットキャリア効果を弱めること
ができるので、解決することができる。そして、LDD
構造のMOSトランジスタの低濃度ソース・ドレイン領
域を不純物として砒素Asを用いて形成したので、マス
ク上で同一ゲート長であればあれば、その不純物Asの
拡散係数が小さいことからMOSトランジスタの実効ゲ
ート長が広くなり、マスク上のゲート長を更に微細化す
ることができ、延いてはショートチャンネル効果の抑制
を図ることができる。
【0070】請求項5のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、請求項1、2、3又は4記載のBiMOS
半導体装置の製造方法において、上記PNPトランジス
タとしてバーチカルPNPトランジスタを形成すること
を特徴とする。従って、請求項5のBiMOS半導体装
置の製造方法によれば、PNPトランジスタとしてバー
チカルトランジスタを用いるので、ラテラルトランジス
タを用いた場合よりも、電流増幅率、及び遮断周波数を
顕著に高めることができ、性能、特に、高速性の良い半
導体装置を得ることができる。
【0071】請求項6のBiMOS半導体装置の製造方
法によれば、PNPトランジスタのベース領域等のN型
領域を形成する不純物として従来使用されていたリンP
に代えて砒素Asを使用するので、浅接合実現が容易で
ある。また、PNPバーチカルトランジスタのN型ベー
スを、砒素Asを不純物として形成した場合、ベース領
域の浅接合化が極めて容易となり、且つ、コレクタ領域
との間の接合濃度が下がるため、ベース・コレクタ間の
接合容量を小さくすることができる。更に、砒素Asの
拡散係数の小さいことによりベース幅を狭めることがで
き、延いてはよりPNPトランジスタの高速化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(4)は本発明BiMOS半導体装置
の製造方法の一つの実施例の工程(1)〜(4)を順に
示す断面図である。
【図2】(5)〜(9)は本発明BiMOS半導体装置
の製造方法の上記一つの実施例の工程(5)〜(9)を
順に示す断面図である。
【図3】(10)〜(13)は本発明BiMOS半導体
装置の製造方法の上記一つの実施例の工程(10)〜
(13)を順に示す断面図である。
【図4】(14)〜(17)は本発明BiMOS半導体
装置の製造方法の上記一つの実施例の工程(14)〜
(17)を順に示す断面図である。
【図5】(A)はバーチカルPNPトランジスタのベー
ス領域の不純物のイオン種をリンPにした場合と、砒素
Asにした場合のトランジスタの遮断周波数fTを示す
図であり、(B)はリンPと砒素Asの拡散係数を示す
ものである。
【図6】(A)〜(D)はバーチカルPNPトランジス
タのベース領域のイオン種がリンPの場合のトランジス
タの特性を示し、(A)は電流増幅率hFEを、(B)は
Gummelを、(C)はVceoを、(D)はVcboを示す。
【図7】(A)〜(D)はバーチカルPNPトランジス
タのベース領域のイオン種が砒素Asの場合のトランジ
スタの特性を示し、(A)は電流増幅率hFEを、(B)
はGummelを、(C)はVceoを、(D)はVcboを示す。
【図8】(A)、(B)はバーチカルPNPトランジス
タのベース領域の不純物のイオン種を砒素Asにした場
合の深さ方向における不純物濃度プロファイルで、
(A)は砒素Asのイオン注入エネルギーを360ke
Vにした場合を、(B)は本発明BiMOS半導体装置
の製造方法の実施例におけるようにイオン注入エネルギ
ーをした場合を示す。
【図9】イオン種をリンPにした場合深さ方向における
不純物濃度プロファイル(エネルギー:180keV)
を示す。
【図10】(1)〜(4)はBiMOS半導体装置の製
造方法の一つの従来例の工程(1)〜(4)を順に示す
断面図である。
【図11】(5)〜(8)はBiMOS半導体装置の製
造方法の上記従来例の工程(5)〜(8)を順に示す断
面図である。
【図12】(9)〜(15)はBiMOS半導体装置の
製造方法の上記従来例の工程(9)〜(15)を順に示
す断面図である。
【符号の説明】
1・・・P型半導体基板、2・・・NPNトランジスタ
のコレクタ埋め込み層、4・・・N型MOSトランジス
タのN型埋め込み層、5・・・N-型エピタキシャル
層、6・・・LOCOS酸化膜(選択酸化膜)、7・・
・P型不純物注入層、8・・・熱シリコン酸化膜(ゲー
ト絶縁膜)、9・・・N型ポリシリコン膜(ポリシリコ
ンゲート膜)、10・・・PSG膜、11・・・ゲート
電極用N型ポリシリコン膜、12・・・TEOSシリコ
ン酸化膜、13・・・P型ポリシリコン膜、14・・・
シリコン窒化膜、15・・・CVDシリコン酸化膜、1
6・・・熱酸化膜、17・・・P型ベース拡散層領域、
18・・・P型グラフトベース拡散領域、19・・・N
+型エミッタ拡散領域、20・・・サイドウォール、2
1・・・P型MOSトランジスタのソース領域及びドレ
イン領域、22・・・N型MOSトランジスタの低濃度
ソース・ドレイン領域、23・・・N型MOSトランジ
スタのソース・ドレイン領域、24・・・バーチカルP
NPトランジスタのコレクタ取り出し用領域、25・・
・エミッタ領域、26・・・ベース領域、27・・・コ
レクタ領域、45・・・TEOSシリコン酸化膜、46
・・・サイドウォール。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F003 BA93 BA97 BB06 BB07 BB08 BE07 BE08 BJ03 BJ15 BJ20 BM01 BP04 BP06 BP21 BP25 BP31 BP93 BS06 BS08 5F048 AA10 AC05 BA02 BA12 BB06 BC06 BE03 BG12 BH07 CA03 CA07 CA14 DA07 DA25 DB02 DB05 5F082 AA11 BA11 BA41 BC03 BC09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともN型MOSトランジスタとP
    NPトランジスタを同一半導体基板に形成したBiMO
    S半導体装置の製造方法において、 上記N型MOSトランジスタのソース領域及びドレイン
    領域を形成するためのN型不純物の導入と、上記バーチ
    カルPNPトランジスタのベース領域を形成するための
    N型不純物の導入を同一の工程で行うことを特徴とする
    BiMOS半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくともバーチカルNPNトランジス
    タとPNPトランジスタとN型MOSトランジスタを同
    一半導体基板に形成したBiMOS半導体装置の製造方
    法において、 上記半導体基板上に多結晶シリコン膜を形成する工程
    と、 上記多結晶シリコン膜に、上記バーチカルNPNトラン
    ジスタのエミッタを形成するためのN型不純物の導入
    と、上記PNPトランジスタのベース領域を形成するた
    めのN型不純物の導入と、上記N型MOSトランジスタ
    のソース領域及びドレイン領域を形成するためのN型不
    純物の導入とを同時に行う不純物の導入工程を、 有することを特徴とするBiMOS半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくともN型MOSトランジスタとP
    NPトランジスタを同一半導体基板に形成したBiMO
    S半導体装置の製造方法において、 上記N型MOSトランジスタのソース領域及びドレイン
    領域と、上記PNPトランジスタのベース領域を同時に
    形成する工程と、 上記N型MOSトランジスタのソース領域及びドレイン
    領域の電極の取り出しのための不純物導入領域と、上記
    PNPトランジスタのベースの電極の取り出しのための
    不純物導入領域を同時に形成する工程と、 を備えたことを特徴とするBiMOS半導体装置の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記N型MOSトランジスタのドレイン
    領域をLDD構造にし、 そのドレイン領域の低濃度部分を形成するためのN型不
    純物の導入を上記バーチカルPNPトランジスタのベー
    ス領域を形成するためのN型不純物の導入と同一の工程
    で行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載のBi
    MOS半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記PNPトランジスタとしてバーチカ
    ルPNPトランジスタを形成することを特徴とする請求
    項1、2、3又は4記載のBiMOS半導体装置の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記N型不純物として砒素を用いること
    を特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のBiM
    OS半導体装置の製造方法。
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