JP2002289348A - ドナーシートの製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ドナーシートの製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002289348A
JP2002289348A JP2001090879A JP2001090879A JP2002289348A JP 2002289348 A JP2002289348 A JP 2002289348A JP 2001090879 A JP2001090879 A JP 2001090879A JP 2001090879 A JP2001090879 A JP 2001090879A JP 2002289348 A JP2002289348 A JP 2002289348A
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donor
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Noritaka Kawase
徳隆 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写層を十分に保護しつつ、ドナーシートの
保存に大きなスペースが必要なく、生産効率が低下する
ことを防ぐことができるドナーシートの製造方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 基材シートの一面上に少なくとも光−熱
変換層と転写層をこの順で含むドナーシートの基材シー
トの他面から光を照射して転写層を受容体に転写し、基
材シートを取り除くことにより、所望の形状の転写層由
来の膜を形成する際に使用されるドナーシートの製造方
法であって、基材シート上に転写層を形成した後、転写
層上に保護シートを積層する工程を含むことを特徴とす
るドナーシートの製造方法により上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドナーシートの製
造方法及び有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機
EL)素子に関する。更に詳しくは、本発明は、基材シ
ート上に形成された光−熱変換層、その上に形成された
転写層を含んでいる薄膜形成用ドナーシートを受容体に
貼り付け、その後基材シート裏面からレーザーを照射す
ることにより転写層を受容体に転写して、さらに基材シ
ートを取り除くことで薄膜を得るために使用されるドナ
ーシートの製造方法において、転写層を基材シート上に
形成した後、転写層を保護するために転写層上に保護シ
ートを積層する工程を含むドナーシートの製造方法及び
有機EL素子に関する。すなわち、転写層上に保護シー
トを載せることで、転写層欠損が抑制され、それにより
生産効率よくドナーシートを製造することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
薄膜の製造方法の一つとして熱転写法が知られている。
この方法は、基材シート上に形成された光−熱変換層、
その上に形成された転写層を含んでいる薄膜形成用ドナ
ーシートを受容体に密着させ、その後基材シート裏面か
らレーザーを照射することにより転写層を受容体に転写
して、さらに基材シートを取り除くことで薄膜を得るこ
とができるというものである。このドナーシートは表面
に薄い転写層を形成するため、転写層に欠損を生じさせ
ない状態で保持するには、転写層形成後のドナーシート
をそのまま保存するか、小切りにしおいて各々容器に入
れて保存する等が従来採用されている。しかしながら、
これら保存法は、転写層の保護を十分に行うことが困難
であり、更にドナーシートの保存に大きなスペースが必
要になってしまい生産効率を低下させるという問題があ
った。
【0003】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、基材シートの一面上に少なくとも光−熱変換層と転
写層をこの順で含むドナーシートの基材シートの他面か
ら光を照射して転写層を受容体に転写し、基材シートを
取り除くことにより、所望の形状の転写層由来の膜を形
成する際に使用されるドナーシートの製造方法であっ
て、基材シート上に転写層を形成した後、転写層上に保
護シートを積層する工程を含むことを特徴とするドナー
シートの製造方法が提供される。更に、本発明によれ
ば、上記方法で得られたドナーシートを用いて製造され
てなる有機エレクトロルミネッセンス素子が提供され
る。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の製造方法により得られるドナーシ
ートは、例えば、図1(a)に示したように、基材シー
ト1の一面上に少なくとも光−熱変換層2と転写層3が
順次積層されている構造をしている。図1(a)中、4
はドナーシート、aは保護シートを意味する。更に、図
1(b)に示すように、転写層は、基材シートの他面か
らレーザー5のような光を照射することにより、受容体
6に転写することで、転写層からなる膜を形成すること
ができる。このような膜の形成方法を転写法と称する。
更に詳しくは、この転写法とは、基材シートの他面から
光をドナーシートに照射して光−熱変換層で光−熱変換
を行って転写層をドナーシートから受容体に熱転写する
方法である。
【0005】基材シートはドナーシート全体を支持する
働きをする。基材シートは透明性高分子からなることが
好ましい。このような透明性高分子としては、例えばポ
リエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリ
アクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリサルホン等の樹脂を用いる
ことができる。また、基材シートは数種類の材料からな
る多層膜になっていてもよい。例えば、多層膜の構成層
として、大気成分、水分の進入を防ぐためのアルミ層等
の金属層が挙げられる。
【0006】保護シートは、ドナーシートを巻き取りす
る場合のことも考えると、高分子材料であることが望ま
しく、例えばポリエチレンテレフタレートのようなポリ
エステル、ポリアクリル、ポリエポキシ、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルホン等
の樹脂を用いることができる。また、保護シートは数種
類の材料からなる多層膜になっていてもよい。例えば、
多層膜の構成層として、大気成分、水分の進入を防ぐた
めのアルミ層等の金属層が挙げられる。
【0007】光−熱変換層としては、レーザー光のよう
な光を効率よく熱に変換できる材料であれば特に限定さ
れない。例えば、アルミニウム、その酸化物及び/又は
その硫化物よりなる金属や金属化合物層、カーボンブラ
ック、黒鉛又は赤外線吸収染料等が添加された高分子よ
りなる有機層等が挙げられる。転写層の形成法は、蒸着
方法や一般的なシートコーティング方法等が挙げられ
る。後者の方法は、例えば押出コーター、スピンコータ
ー、グラビアコーター、リバースロールコーター、ロッ
ドコーター、マイクログラビアコーター等を利用して転
写層を形成する方法である。転写層は、10nm〜10
μmの厚さに形成されているものが望ましい。またこれ
らの転写層をシートコーティングする装置には、ドナー
シートの表面に帯電した静電気を除電して転写層塗液を
均一にドナーシートに形成する目的で除電装置を取り付
けてあるのが好ましい。
【0008】保護シートの一部が基材シートに接触して
いることが好ましい。接触していることで、転写層の面
全体を保護することができる。また、接触は、保護シー
トを吸着剤(例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂等の接着剤、合成
樹脂を発泡加工処理したもの等)を用い基材シートと接
着させることで行ってもよい。これにより両シートのず
れを抑えて、より確実に両シートを固定することができ
る。次に、保護シートは、基材シートの縁部と接触し、
かつ中央部が窪んだ形状を有していてもよい。この形状
を備えることで、転写層との接触、摩擦を極力避けるこ
とができる。このような保護シートを用いると転写層の
表面は、保護シートにより常に保護されているため欠損
の発生を抑制することができる。
【0009】更に、保護シートの転写層側の表面には突
起を設けてもよい。これにより、保護シートと転写層と
を突起で接触させることができるため、両者の接触面積
を小さくすることができる。よって、保護シートと転写
層との接触、摩擦を極力避けることができ、その結果、
転写層の欠陥の発生を抑制することができる。突起の形
はどのような形でもよく、例えば放物線形状突起、円柱
形状突起、線状の凸形状突起、エンボス処理により形成
される突起、サンドブラスト処理により形成される突起
等が挙げられる。また、突起は、保護シート面上に所定
の間隔(一定間隔又は不定間隔)で所望数形成されてい
てもよい。保護シートは、その内部に乾燥剤を含有して
いてもよく、その表面に乾燥剤を存在させていてもよ
い。これにより、外部からの水分が転写層に吸着される
のを防止する効果がある。この場合の乾燥剤としては既
知の乾燥剤どれでもよく、例えばBaO、CaO、シリ
カゲル等が挙げられる。
【0010】本発明の方法により得られたドナーシート
は、保護シートが存在するため、ロール状に巻き取って
保存することができる。保護シートが存在しない場合、
転写層が基材シートと摩擦することにより欠損が発生す
る恐れがある。保護シートがなく、かつ欠損を生じさせ
ない状態で保持するには、ドナーシートをそのまま保存
するか、小切りにしておいて各々容器に入れて保存する
等が考えられる。しかし、これら方法では、ドナーシー
トの保存に大きなスペースが必要になってしまい生産効
率が低くなるという問題がある。本発明ではこのような
問題を小さくすることができる。
【0011】転写層は、有機EL材料を含んでいてもよ
い。有機EL材料は、単独で用いても、複数用いてもよ
く、更に有機EL材料以外の材料と混合して用いてもよ
い。有機EL材料としては、発光材料、正孔注入輸送材
料、電子注入輸送材料等が挙げられる。有機EL材料以
外の材料としては、例えば、光安定剤、酸化防止剤、p
H調製剤、防腐剤、構造安定剤等が挙げられる。これら
有機EL材料以外の材料によって、転写層の耐久性を向
上させることができる。
【0012】発光材料としては、共役系高分子有機化合
物又はその前駆体が挙げられる。具体的には、PPV
(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))誘導体又はその
前駆体、ポリフルオレン誘導体が好ましい。PPV又は
PPV誘導体の前駆体として、例えばPPV(ポリ(パ
ラ−フェニレンビニレン))及びその前駆体、MO−P
PV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン
ビニレン))及びその前駆体、CN−PPV(ポリ
(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−
(1−シアノビニレン)))、MEH−PPV(ポリ
(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキ
シ))−パラ−フェニレンビニレン)等が挙げられる。
ポリフルオレン誘導体としては、例えばポリ(2,7−
(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン))等が挙げら
れる。特にPPV誘導体は強い蛍光を持ち、また二重結
合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高
分子である。また置換基の導入による分子構造の変更に
よって、π−π*エネルギーギャップを変えることがで
きる。つまり発光色も変えることができ、高性能の電界
発光素子を得ることができる。
【0013】その他の発光材料(ドーパント材料を含
む)としては、低分子材料として金属オキシノイド化合
物(例えば、8−ヒドロキシキノリン金属錯体)、ブタ
ジエン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラ
ン誘導体、フルオレッセイン誘導体、ペリレン誘導体、
ペリノン誘導体、アミノピレン誘導体、ベンズオキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘
導体、チアジアゾール誘導体、スチリルアミン誘導体、
ビススチリルベンゼン誘導体、トリススチリルベンゼン
誘導体等が挙げられる。しかし、上記に限定されるもの
ではない。発光層の膜厚は通常、1nm〜1μm程度の
範囲で選ぶことが好ましく必要であれば2層以上の構成
でもよい。
【0014】正孔注入輸送材料としては、従来、光伝導
材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されている
ものや電界発光素子の正孔輸送材料に使用される公知の
ものの中から任意のものを選択して用いることができ
る。具体的には、ポリビニルカルバゾール、ポリシラ
ン、ポリチオフェン誘導体、PPV(ポリ(パラ−フェ
ニレンビニレン))誘導体等の高分子化合物の他、トリ
アゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾー
ル誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘
導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、
ビフェニレンジアミン誘導体、ビナフチレンジアミン誘
導体、アリールアミン誘導体、オキサゾール誘導体、ス
チリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒド
ラゾン誘導体、スチルベン誘導体等の低分子化合物が挙
げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
またこれらの正孔注入輸送材料に正孔注入輸送能を増加
させる働きを持つ添加物を加えてもよい。正孔注入輸送
層の膜厚は通常、1nm〜1μm程度の範囲で選ぶこと
が好ましく、必要であれば2層以上の構成でもよい。
【0015】電子注入輸送材料としては、従来、光伝導
材料において電子の電荷輸送材料として慣用されている
ものや電界発光素子の電子輸送材料に使用される公知の
ものの中から任意のものを選択して用いることができ
る。具体的には、例えばオキサジアゾール誘導体、トリ
アゾール誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘
導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノアントラキ
ノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノ
ン誘導体、金属オキシノイド化合物、PPV(ポリ(パ
ラ−フェニレンビニレン))誘導体等の有機化合物が挙
げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
またこれらの電子注入輸送材料に電子注入輸送能を増加
させる働きを持つ添加物を加えてもよい。電子注入輸送
層の膜厚は、通常、1nm〜1μm程度の範囲で選ぶこ
とが好ましく、必要であれば2層以上の構成でもよい。
【0016】上記転写層は、シートコーティング方法を
用いることで形成することができる。この方法に使用さ
れる溶剤は、転写層の形成用材料を溶かすことができさ
えすればどのようなものを用いてもよい。例えば、有機
溶剤、水等が挙げられる。図2〜4に、本発明のドナー
シートを用いて製造される有機EL素子(有機電界発光
パネル)の画素の断面概略図の一例を示した。図2の構
造における正孔輸送層9は、正孔輸送材料からなる層で
あり、基板7上の第1電極8より注入された正孔を発光
層10に伝達する機能を有する。この構造により正孔輸
送層9から発光層10への正孔注入効率が向上して、発
光輝度や発光効率を増加させることができる。
【0017】また図3は、正孔輸送層9を二層にした例
である。この構成によれば、正孔が第1電極8より注入
される層、正孔を輸送する層に分けているので、発光層
10に効率よく正孔を伝達することができる。上記図2
又は図3の構造以外に、正孔輸送層9に加えて電子輸送
層11を有する図4の構造が挙げられる。電子輸送層1
1は、電子輸送材料からなる層であり、第2電極12よ
り注入された電子を発光層10に伝達する機能を有す
る。この構造により電子輸送層11から発光層10への
電子注入効率が向上して、発光輝度や発光効率を増加さ
せることができる。このように、有機層13を多層構造
にすることにより、クエンチングにより輝度や寿命の低
下を防ぐことができる。なお、上記図2〜4の構成にお
いて、発光層、正孔輸送層及び電子輸送層を別々に、又
は一体で、本発明のドナーシートを用いた転写法により
形成することができる。また、これら図では、第1電極
8を備えた基板7が受容体に相当する。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 (実施例1)図5はドナーシートの製造装置の主要部の
概略構成図である。ここではシートコーティング方法に
よるドナーシート製造方法について述べる。基材シート
Aを所定の搬送スピードで搬送する搬送手段としてロー
ラーEがある。液塗布手段Bに入った塗液b4をローラ
ーb1,b2,b3を回転させることによって光−熱変
換層、熱伝播及び剥離性層をこの順で備えた基材シート
に転写層を塗布、形成していく。塗工の方式はここでは
マイクログラビア方式を用いた。転写層を塗布された基
材シートはローラーEの回転に併せて搬送されていく。
搬送経路は窒素ガス供給排出管Cによって一定の流量で
窒素ガスが流されている。また搬送経路には基材シート
上の転写層を乾燥させる目的で加熱手段Dが設置されて
いる。転写層を乾燥させた後、基材シートGはさらに搬
送されて保護シート供給手段Hにより基材シートの転写
層面側に保護シートIが積層され、ドナーシートが得ら
れる。次いで、ドナーシート巻き取り手段Fによってで
きあがったドナーシートが巻き取られて保存される。以
下、本実施例をより具体的に説明する。
【0019】まず、膜厚0.2mmのポリエチレンテレ
フタレートからなる基材シート上にカーボンブラックを
混合した熱硬化型エポキシ樹脂を膜厚5μmにコーティ
ングして硬化させることで光−熱変換層を形成した。次
に、熱伝播及び剥離性層としてポリ−α−メチルスチレ
ン酸を膜厚1μmにコーティングすることで形成した。
転写層形成用塗液としてはシアノポリフェニレンビニレ
ン(CN−PPV 下記化1に示す)5gをキシレン1
Lに溶かした塗液を用いた。この塗液b4を図5の液塗
布手段Bの塗液槽b5に入れてローラーb1,b2,b
3の回転数を調節することにより基材シート(幅300
mm×長さ3000mm)の熱伝播及び剥離性層上に塗
布した。転写層を形成した基材シートは、両端に一定間
隔で穴があけてあり、両端表面に突起物のついたローラ
ーEを回転させることにより搬送した。搬送の途中で加
熱手段(ヒーター)DとローラーEに内蔵させたヒータ
ーで温度を150℃に保ち、槽内に乾燥窒素ガスを循環
させることにより転写層を乾燥させた。
【0020】乾燥させた転写層を備えた基材シートGに
は、保護シート供給手段Hで転写層側に保護シートIを
積層することでドナーシートを得た。その後、ドナーシ
ート巻き取り手段Fによって筒状に巻き取った。保護シ
ートIとしては転写層に近い方からポリエチレン/アル
ミニウム/ポリエチレンテレフタレートの積層膜で表面
をエンボス処理した膜厚0.1mmのシートを用いた。
保護シートの縁はポリウレタン系接着剤を用いることで
基材シートに接着した。ドナーシート中の転写層を段差
計で膜厚測定したところ、全面に渡って厚さむらのない
良好な膜を100nmの厚さで連続的に得ることができ
た。得られた保護シート付きドナーシートをサファイヤ
製引っ掻き芯(径0.5mm)を用いて加重10g、速
度100mm/minの条件で引っ掻き試験を行い、転
写層に形成された傷の深さを測定した。その結果保護シ
ートを被覆したドナーシートの転写層には傷がなかっ
た。転写層の保護のために保護シートを備えた上記本発
明のドナーシートを用いれば、転写層全面に渡って欠損
のない良好な膜を連続的に得ることができた。
【0021】(実施例2)ここでは図6を例に本実施例
を説明する。実施例1と同様にして基材シート(幅30
0mm×長さ3000mm)にCN−PPVからなる転
写層を塗布により形成した。乾燥させた転写層を備えた
基材シートGは、さらに搬送されて保護シート供給手段
Hで基材シートの転写層側に保護シートIが積層される
ことで、ドナーシートを得た。得られたドナーシートは
300mmの長さに切り取って保存される。図中、Jは
切り取り済み保護シートつきドナーシートを意味する。
保護シートIとしては転写層に近い方からポリエチレン
/BaO/ポリエチレンテレフタレートの積層膜で表面
を凹状に成形加工した膜厚0.5mmのシートを用い
た。保護シートの縁はポリウレタン系接着剤を用いるこ
とで基材シートに接着した。ドナーシート上転写層を段
差計で膜厚測定したところ全面に渡って厚さむらのない
良好な膜を100nmの厚さで連続的に得ることができ
た。得られた保護シート付きドナーシートをサファイヤ
製引っ掻き芯(径0.5mm)を用いて加重10g、速
度100mm/minの条件で引っ掻き試験を行い転写
層に形成された傷の深さを測定した。その結果保護シー
トを被覆したドナーシートの転写層には傷がなかった。
【0022】(比較例1)実施例1及び2と同様に転写
層を作成するが、保護シートで被覆していないドナーシ
ートに引っ掻き試験を行った。引っ掻き試験は実施例1
及び2と同様にサファイヤ製引っ掻き芯(径0.5m
m)を用いて加重10g、速度100mm/minの条
件で引っ掻き試験を行い転写層に形成された傷の深さを
測定した。その結果、転写層には層の厚さ分の傷が段差
計で測定された。また実施例1のように巻き取りを保護
シートなしで行った場合、転写層表面の段差は保護シー
トありの場合のものと比較して凹凸が多く、実施例1の
ドナーシートが±5nmの段差におさまっていたのに対
し、最大±20nmと大きかった。
【0023】(実施例3) ・基板上の透明電極洗浄 75μmの幅でストライプ状にパターニングしたシート
抵抗15Ω/□のITO(インジウムすず酸化物)コー
トガラス基板(ITO膜厚1600Å)を、界面活性
剤、水、イソプロパノールで超音波洗浄し、乾燥させ
た。超音波洗浄後のITOコートガラス基板を、紫外線
照射装置(エキシマランプ172nm(Xe 2 *)放射照
度10mW/cm2)を用いて、30分間、紫外線を照
射した。 ・有機EL素子の作成 固形分1.2wt%のPEDOT/PSS(ポリエチレ
ンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフ
ェン)(下記化2に示す)溶液を用いて実施例1と同様
な方法で膜厚100nmのPEDOT/PSS層と保護
シートを基材シート上に積層し、ドナーシートを得た。
得られたドナーシートの保護シートを除去し、上記IT
O上にPEDOT/PSS層(転写層)が接するように
密着させ、ポリエチレンテレフタレートシート上に光源
よりITOのストライプと平行にレーザー光を照射して
前記ITO電極上にPEDOT/PSS正孔注入層を形
成した。
【0024】実施例1と同様に膜厚100nmのCN−
PPV層(転写層)を形成したドナーシートを用いてレ
ーザー光を照射してPEDOT/PSS層上にCN−P
PV発光層を形成した。この時の光源としてはビームの
大きさが約100μm(1/e2)のNd−YAG8W
レーザーを用いた。この上にITO電極と直交するよう
にCaを40nm、Alを150nm蒸着して第2電極
を形成して有機EL素子を得た。なお、PEDOT/P
SS層、CN−PPV層を形成したドナーシートは窒素
雰囲気下で保護シートを剥離したものを用い、転写も窒
素雰囲気下で行った。また蒸着の条件はいずれの層の場
合も、到達真空度:1×10-6Torr、基材温度:室
温、蒸着速度:Caが2〜3Å/sec、Alが4〜5
Å/secで形成した。上記のようにして作製した有機
EL素子のITO膜を陽極、Ca/Al電極層を陰極と
して、室温、大気中で両電極間に直流電圧を印加して発
光層を発光させ、その発光輝度を、輝度計を用いて測定
したところ、CN−PPV層から、8Vの駆動電圧で約
100cd/m2の赤色発光が観測された。実施例2と
同様な方法で得たPEDOT/PSS層、CN−PPV
層を形成したドナーシートを用いても同様の結果を得
た。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
【発明の効果】本発明の方法により形成されたドナーシ
ートは、転写層の保護に保護シートを用いることでドナ
ーシート製造時、製造後の転写層欠損が減り、非常に効
率よくドナーシートの製造が可能になる。またこの方法
を例えば有機LEDディスプレイの有機層形成、液晶デ
ィスプレイのカラーフィルタ形成等薄膜形成手段に用い
ることによりこれらの薄膜デバイスが生産効率よく製造
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られるドナーシートの概
略断面図及び転写法の概略説明図である。
【図2】本発明の方法により得られるドナーシートの概
略断面図である。
【図3】本発明の方法により得られるドナーシートの概
略断面図である。
【図4】本発明の方法により得られるドナーシートの概
略断面図である。
【図5】本発明のドナーシートの製造方法に使用される
製造装置の概略図である。
【図6】本発明のドナーシートの製造方法に使用される
製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1、A、G 基材シート 2 光−熱変換層 3 転写層 4 ドナーシート 5 レーザー 6 受容体 7 基板 8 第1電極 9 正孔輸送層 10 発光層 11 電子輸送層 12 第2電極 13 有機層 a、I 保護シート B 液塗布手段 C 窒素ガス供給排出管 D 加熱手段 E、b1、b2、b3 ローラー b4 塗液 b5 塗液槽 F ドナーシート巻き取り手段 H 保護シート供給手段 J 切り取り済み保護シートつきドナーシート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一面上に少なくとも光−熱
    変換層と転写層をこの順で含むドナーシートの基材シー
    トの他面から光を照射して転写層を受容体に転写し、基
    材シートを取り除くことにより、所望の形状の転写層由
    来の膜を形成する際に使用されるドナーシートの製造方
    法であって、基材シート上に転写層を形成した後、転写
    層上に保護シートを積層する工程を含むことを特徴とす
    るドナーシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 保護シートが、その少なくとも一部で基
    材シートと接触している請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 保護シートが、中央に窪み部を有し、窪
    み部が基材シート側に面し、保護シートと基材シートが
    端部で接触している請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 保護シートが、転写層との接触面積を低
    減しうる凹凸を備えてなる請求項1〜3のいずれか1つ
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 保護シートが、その内部に乾燥剤を含む
    か、その表面に乾燥剤を存在させてなる請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ドナーシートを巻き取る工程を含む請求
    項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 転写層が、正孔注入輸送材料、発光材料
    及び電子注入輸送材料から選択される1種又は複数種の
    有機エレクトロルミネッセンス材料から構成される請求
    項1〜6のいずれか1つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の方法で得られたドナー
    シートを用いて製造されてなる有機エレクトロルミネッ
    センス素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004247310A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Eastman Kodak Co 有機発光デバイスの形成方法
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