JP2002288613A - 共振タグおよびその製造方法 - Google Patents

共振タグおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2002288613A
JP2002288613A JP2001090471A JP2001090471A JP2002288613A JP 2002288613 A JP2002288613 A JP 2002288613A JP 2001090471 A JP2001090471 A JP 2001090471A JP 2001090471 A JP2001090471 A JP 2001090471A JP 2002288613 A JP2002288613 A JP 2002288613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
resonance
resin
layer
resonance tag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001090471A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Yamaguchi
秀樹 山口
Hiroyuki Nishimura
寛之 西村
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
Yoshinori Hatanaka
芳紀 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Miyake Inc
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Miyake Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, Miyake Inc filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2001090471A priority Critical patent/JP2002288613A/ja
Publication of JP2002288613A publication Critical patent/JP2002288613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C2045/14852Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles incorporating articles with a data carrier, e.g. chips

Landscapes

  • Road Signs Or Road Markings (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分が凝集する虞がなく、耐久性の高い共振
タグを得る。 【解決手段】 共振タグは、オレフィン系樹脂で構成さ
れた誘電体層2の両面に、薄膜状導電体3が積層された
共振回路1と、この共振回路1の外面に積層されたオレ
フィン系軟質樹脂層5とで構成されている。この軟質樹
脂層5は、インサート成形、二色成形などの多段階成形
により形成されており、薄膜状導電体3の周辺において
実質的に空気層を形成することなく、前記誘電体層2に
対して熱融着しているとともに、前記誘電体層2の外周
部において、前記樹脂層5同士が互いに熱融着してい
る。共振タグの断面形状は湾曲していてもよく、薄膜状
導電体3と樹脂層5との間には補強性樹脂層4を介在さ
せてもよい。共振タグは、地中埋設物に添付し、検知装
置からの電波に対する共振に基づいて前記埋設物の埋設
位置を探知するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検知装置からの特
定の周波数に対する共振を利用して、ガス管、水道管な
どの埋設物を探知するのに有用な共振タグ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス管、水道管などの地中埋設物を探知
する方法として、埋設物の近傍に、特定の周波数の電波
に対して共振する薄膜状導電体を備えた共振タグを設置
し、前記特定の周波数の電波を発信可能な検知装置によ
り共振タグの位置を検知することが行われている。ま
た、デパート、スーパーマーケット、コンパクトディス
ク販売店などの種々の店舗では、商品に前記共振タグを
添付し、商品の盗難を防止することが行われている。
【0003】この共振タグは、ポリエチレンなどの合成
樹脂フィルム薄膜層で構成された誘電体と、この誘電体
の両面に積層されたアルミニウム箔などの金属箔で構成
されている。このような共振タグは、合成樹脂フィルム
薄膜の両面に、前記金属箔を熱的に融着することにより
製造されており、薄膜状導電体の周囲の誘電率が変化す
ると、共振周波数が変化し、検知性能が低下する。特
に、共振回路の周囲に誘電率の高い水が存在すると、検
知性能が大きく低下する。そのため、共振タグを厚み1
mm程度の熱接着性保護シートで挟み、保護シートの周
囲を熱融着する方法が提案されている。しかし、この方
法では、保護シートの周囲だけを融着しているため、誘
電体層と保護シートとの間、つまり薄膜状導電体の周辺
には空気層(又は空隙層)が形成される。そのため、保
護シートの表面から水分が透過し、空気層内で水分が凝
集し、検知性能を低下させる。特に地中埋設物に適用す
る場合には、水分が凝集し、検出性能を大きく低下させ
る。さらに、前記の方法で得られた共振タグは、平板状
であるため、地中埋設管などの外面に沿わせて貼付する
ことが困難である。
【0004】特開2001−24550号公報には、電
磁場との相互作用に適した少なくとも1つのコンポーネ
ント(コイル)と、このコンポーネントに導電的に接続
した別の少なくとも1つのコンポーネント(集積回路)
とを含む電気回路を備えていると共に、前記コンポーネ
ントを保持するプラスチック材料とを備えたトランスボ
ンダであって、プラスチック材料がホットメルト接着剤
(特に融点が250℃以下のポリアミド)であるトラン
スボンダ(識別子、タグなど)が開示されている。この
文献には、圧力、温度が穏やかな条件で射出成形品を得
るため、金型のキャビティに前記電気回路を配置し、液
体の前記ホットメルト接着剤をキャビティに導入し、ホ
ットメルト接着剤で前記電気回路を完全に取り囲んでカ
プセル化することが開示されている。
【0005】しかし、この方法では、均一で空気層(又
は空隙層)のないカプセルを形成するためには、ホット
メルト接着剤を小さな速度で導入する必要があり、共振
タグの生産性が大きく低下する。しかも、共振回路を取
り囲むホットメルト接着剤が吸水性を有するポリアミド
であるため、水分が内部に透過し、誘電率およびQ値の
変化に伴って、検知性能も低下する。特に地中埋設物に
適用する場合には、水分が内部に浸透しやすくなり、共
振タグによる埋設物の検出性能を大きく低下させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い信頼性で共振特性を維持できる共振タグおよび
その製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、水分が凝集する虞が
なく、耐久性に優れた共振タグと、この共振タグを簡便
かつ効率よく成形できる方法を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、地中の埋設物
に添付することにより、長期間に亘り確実に埋設物の埋
設部位を検出するのに有用な共振タグとその製造方法、
並びに埋設物の位置を検出する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、誘電体層の両面に薄
膜状導電体が積層された共振回路の外面に対して、イン
サート成形、二色成形などの多段階成形法により樹脂層
を積層すると、薄膜状導電体の周縁において、誘電体と
樹脂層との間に空気層が生成するのを抑制でき、耐久性
および信頼性の高い共振タグが得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の共振タグは、樹脂で構
成された誘電体層の両面に薄膜状導電体(又はコイル)
が積層された共振回路と、この共振回路の外面に積層さ
れた樹脂層とで構成された共振タグであって、前記樹脂
層が多段階成形により形成されている。すなわち、誘電
体層と薄膜状導電体とで構成された共振回路の両面に、
空気層を実質的に形成することなく、樹脂層が熱的に溶
融接着(融着)している。このような共振タグにおい
て、通常、薄膜状導電体よりも誘電体層の面積は大き
く、この誘電体層よりも樹脂層の面積は大きく、前記誘
電体層の外周部において、樹脂層が互いに熱融着してい
る。共振タグは、埋設管に貼付しやすくするため、断面
形状が湾曲していてもよい。なお、薄膜状導電体を保護
するため、薄膜状導電体(又は共振回路)と樹脂層との
間には補強性樹脂層が介在していてもよい。
【0011】共振タグは、樹脂で構成された誘電体層の
両面に薄膜状導電体が積層された共振回路の外面を、樹
脂層で保護することにより製造できる。この方法におい
て、多段階成形法、例えば、インサート成形又は二色成
形により共振回路の両面に樹脂層を成形し、前記共振タ
グを製造する。なお、多段階成形法では、例えば、溝が
形成された金型を用いて第1の樹脂層を成形し、形成さ
れた第1の樹脂層の外面に共振回路を配置して第2の樹
脂層を成形してもよい。
【0012】本発明は、前記共振タグを地中埋設物に添
付し、検知装置からの所定の周波数の共振に基づいて前
記埋設物の埋設位置を探知する方法も含む。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、必要により添付図面を参
照しつつ本発明を詳細に説明する。図1は本発明の共振
タグの一例を便宜的に説明するための概略分解斜視図で
あり、図2は共振タグの一例を示す概略断面図である。
なお、図1において、外装樹脂層5を便宜上、2つのシ
ートの形態で図示しているが、図2に示すように、外装
樹脂層5は本来一体的に成形されている。
【0014】図1及び図2に示す共振タグは、オレフィ
ン系樹脂で構成された誘電体層2と、この誘電体層2の
両面に積層されたアルミニウム箔などの渦巻き状薄膜状
導電体3(第1の薄膜状導電体3及び第2の薄膜状導電
体3、又はコイル)とを備えており、誘電体層2(又は
誘電体中間層)と一対の薄膜状導電体3(又はコイル)
とで共振回路1又はマーカーを形成している。この共振
回路1において、誘電体層2の面積は薄膜状導電体3よ
りも大きく形成されており、薄膜状導電体3の外周部に
は、前記誘電体層2が延出している。
【0015】この共振回路1の両面(すなわち、前記一
対の薄膜状導電体3の外面)には、薄膜状導電体3を保
護するため、低吸水性で軟質の電気絶縁性樹脂層5(第
1の樹脂層5及び第2の樹脂層5)が積層されており、
図2の共振タグでは、断面形状が湾曲した積層体を形成
している。さらに、薄膜状導電体3を有効に保護するた
め、前記共振回路1の薄膜状導電体3と樹脂層5との間
には、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの補強
性樹脂層4が介在している。この補強性樹脂層4の面積
は、通常、前記薄膜状導電体3をカバー可能なサイズで
あり、かつ誘電体層2と同等又はそれ以上のサイズ(特
に、誘電体層2よりも大きなサイズ)に形成されてい
る。前記樹脂層5(第1及び第2の樹脂層5)の面積
は、前記誘電体層2よりも大きく形成されている。すな
わち、薄膜状導電体3を基準として、誘電体層2と補強
性樹脂層4とが順次外方に延出し、前記樹脂層5は、誘
電体層2及び補強性樹脂層4から外方に延出している。
【0016】そして、前記樹脂層5は多段階成形により
形成され、前記共振回路3の回路部を境界として、前記
薄膜状導電体の周囲に実質的に空気層を形成することな
く、前記誘電体層2に対して前記各樹脂層4,5が直接
的に熱融着している。すなわち、前記薄膜状導電体3の
周囲には実質的に空気層がなく、第1の薄膜状導電体3
と第2の薄膜状導電体3は誘電体層2で電気的に絶縁さ
れていると共に、補強性樹脂層4と樹脂層5との間にも
実質的に空気層を形成することなく、第1の樹脂層5お
よび第2の樹脂層5は、渦巻き状の薄膜状導電体3(又
はコイル)の隙間で誘電体層2及び/又は補強性樹脂層
4と熱融着していると共に、前記誘電体層2の外周部に
おいて所定の幅で互いに熱融着している。なお、多段階
成形法では、後述するように、通常、射出成形などによ
り形成された第1の樹脂層5に、補強性樹脂層4を介し
て、共振回路1を配置し、さらに補強性樹脂層4を介し
て、第2の樹脂を射出して第2の樹脂層5を積層するこ
とにより行うことができる。
【0017】このような共振タグでは、共振回路1が樹
脂層5により緊密にシールされて保護されている。すな
わち、共振回路1の薄膜状導電体3の周囲に空気層が実
質的になく、しかも低吸水性樹脂層5同士が熱的に融着
して一体化しているため、水分が空気層に浸透して凝集
する虞がなく、長期間に亘り安定した共振特性を示し、
耐久性が高い。そのため、地中に埋設される埋設物(ガ
ス管、水道管など)などのように、水分と接触する可能
性の高い用途に用いても、高い信頼性で確実に埋設位置
を検知できる。しかも、共振タグの断面形状が湾曲し、
誘電体層2及び樹脂層5が軟質樹脂で構成されているた
め、埋設管などの埋設物の外面に沿わせて共振タグを安
定に配置でき、埋設作業に伴って共振タグが位置ずれす
る虞も少ない。従って、高い精度で埋設部位を検知でき
る。
【0018】なお、前記誘電体層2を構成する樹脂は、
誘電特性が安定した種々の樹脂が使用でき、通常、オレ
フィン系樹脂[例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体などのα−オレフィンの単独又は共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂などのα−オレ
フィンと共重合性単量体との共重合体など]などが例示
できる。誘電体層2の誘電率は、ASTMD150に準
拠して周波数106Hzで測定したとき、通常、2〜5
(例えば、2〜3.5)程度である。また、誘電体層2
の厚みは、例えば、0.015〜0.05mm、好まし
くは0.02〜0.03mm程度である。
【0019】薄膜状導電体3は、導電性薄膜(アルミニ
ウム箔などの金属箔など)を用い、曲線枠又は多角枠
(四角枠など)状に渦巻いた形状に成形することにより
得ることができる。また、前記誘電体層2に、物理的ま
たは化学的蒸着法により導電性薄膜を形成し、エッチン
グにより所定のパターンを有する薄膜状導電体3を形成
してもよい。なお、薄膜状導電体3は誘電体層2に対し
て接着剤又はプライマー層などを利用して積層してもよ
いが、熱融着などを利用して誘電体層2に対して直接的
に積層してもよい。薄膜状導電体3を構成する導電性薄
膜の厚みは、例えば、0.03〜0.15mm、好まし
くは0.05〜0.1mm程度であってもよい。
【0020】前記補強性樹脂層4は、強靱な樹脂、例え
ば、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、これらのポリアルキ
レンテレフタレートを主たる成分とするコポリエステル
など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエー
テル系樹脂などで形成できる。これらの補強性樹脂層4
の厚みは、例えば、0.01〜0.15mm、好ましく
は0.03〜0.1mm程度であってもよい。
【0021】共振回路1の薄膜状導電体3と補強性樹脂
層4とは、接着剤、熱接着などを利用して積層(ラミネ
ート)してもよく、接着剤などを利用することなく、薄
膜状導電体に対して補強性樹脂層4を配置して、誘電体
層2と第1及び第2の樹脂層5との熱融着などにより密
着させて積層してもよい。
【0022】なお、共振回路1の薄膜状導電体3と樹脂
層5との間には、必ずしも補強性樹脂層4を介在させる
必要はないが、補強性樹脂層4を利用すると、多段階成
形法を利用して樹脂層5を形成しても、射出圧による共
振回路1の損傷を有効に防止できる。特に、第1の樹脂
層5に対して共振回路1の一方の薄膜状導電体を積層す
る工程では大きな圧力を必要としないものの、積層した
共振回路1の他方の薄膜状導電体に対して、第2の樹脂
を射出して第2の樹脂層5を積層する場合には、他方の
薄膜状導電体に対して大きな射出圧が作用する場合があ
る。そのため、補強性樹脂層4は、共振回路1の両面の
うち、少なくとも第2の樹脂層5が形成される面に配置
するのが好ましい。また、第2の樹脂層5の形成面であ
るか否かを識別する煩雑性を解消するため、共振回路1
の両面に補強性樹脂層4を配置するのが好ましい。
【0023】樹脂層5(保護材)は、オレフィン系樹脂
[例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポ
リエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体
などのα−オレフィンの単独又は共重合体など]、オレ
フィン系ゴム(エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレン−ジエンゴムなど)、ポリエステル系樹脂
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、これらのコポリエステルなど)、熱可塑性エラ
ストマー(ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、塩化
ビニル系エラストマーなど)などで形成できる。これら
の樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、第1の樹脂層5と第2の樹脂層5の種類は同じで
あってもよく異なっていてもよい。
【0024】好ましい樹脂層5は、吸水率が小さな軟質
樹脂、例えば、オレフィン系樹脂(エチレンを主成分と
するエチレン系樹脂、プロピレンを主成分とするプロピ
レン系樹脂など)、特にメタロセン触媒などを用いて重
合した超低密度ポリエチレンなどで形成できる。樹脂層
5を構成する樹脂の吸水率は、通常、ASTM D57
0に準拠して測定したとき(24時間浸漬)、0〜0.
4%、好ましくは0〜0.1%、さらに好ましくは0〜
0.05%程度である。
【0025】なお、共振回路1の薄膜状導電体3又は補
強性樹脂層4の表面には、接着剤又はプライマー層を介
して前記樹脂層5を積層してもよく、接着剤などを利用
することなく、樹脂層5を直接的に積層してもよい。な
お、各樹脂層5の厚みは、薄膜状導電体3を保護可能で
あり、かつ取扱い性を損なわない限り特に制限されず、
例えば、0.1〜2mm、好ましくは0.3〜1.7m
m、さらに好ましくは0.5〜1.5mm程度であって
もよい。
【0026】共振タグの形状は特に制限されず用途に応
じて選択でき、平板状であってもよく、断面形状が湾曲
した湾曲板状であってもよい。湾曲板状の共振タグにお
いて、曲率は埋設物(特に埋設管)の外面の曲率などに
応じて選択でき、埋設物の表面に対する保持性又は追従
性を高めるため、埋設物(特に埋設管)の曲率よりも小
さくてもよい。
【0027】本発明の共振タグは、誘電体層2の両面に
薄膜状導電体3が積層された共振回路1に対して、樹脂
層5を多段階成形法により成形することにより製造でき
る。すなわち、金型のキャビティに熱可塑性樹脂を注入
又は射出して第1の樹脂層5を成形する工程と、この樹
脂層5の所定位置に共振回路1を配置する工程と、熱可
塑性樹脂を注入又は射出して第2の保護樹脂層5を形成
する工程とを経ることにより、共振タグを製造できる。
また、前記のように、共振回路1の両面には、補強性樹
脂層4を配置して、第1の樹脂層5および第2の樹脂層
5を形成してもよい。なお、補強性樹脂層4を予め共振
回路1の両面にラミネートした積層ユニットを形成し、
この積層ユニットの両面に樹脂層5を形成してもよい。
【0028】代表的な多段階成形法は、例えば、二色成
形法又はインサート成形法である。二色成形では、一次
側と二次側の熱可塑性樹脂を利用して、一次側で第1の
樹脂層5を成形し、この第1の樹脂層5に対して共振回
路1を配設して二次側で第2の樹脂層5を成形すること
により共振タグを製造できる。樹脂と樹脂との界面での
融着性の高い樹脂では、インサート成形法を利用して樹
脂層5を熱融着により積層してもよいが、好ましい方法
は二色成形法である。
【0029】図3は本発明の製造方法を説明するための
概略工程図である。この例では、二色成形法が示されて
おり、型離れ性を高めるため、共振タグのうち樹脂層5
の両側部(所定の幅で樹脂層5同士が熱融着した領域の
両側部など)に対応する位置に溝12が形成された金型
を利用している。すなわち、金型は、断面形状において
外方に膨出して湾曲した成形面(アール面)と、この湾
曲した成形面の両側に、互いに平行に形成された溝12
とを備えた第1の成形型11aと、この第1の型の湾曲
面に対応して湾曲した湾曲面を有する一次側の第2の成
形型(図示せず)と、前記第1の型の湾曲面に対応して
湾曲した湾曲面を有する二次側の第2の成形型(図示せ
ず)とで構成されている。
【0030】図示する方法では、一次側において第1の
成形型11aと第2の成形型とのキャビティに第1の樹
脂を注入又は射出して、両側部に凸部が延びる第1の樹
脂層5を形成する工程(A)と、この第1の樹脂層5に
対して、必要により補強性樹脂層4を介して、共振回路
1を位置決めして配設する工程(B)と、二色成形の二
次側において、前記共振回路1の薄膜状導電体に対し
て、必要により補強性樹脂層4を介して、第1の成形型
11aと第2の成形型とのキャビティに第2の樹脂を注
入又は射出して第2の樹脂層5を形成する工程とを経る
ことにより共振タグを製造している。補強性樹脂層4
は、前記のように、共振回路の両面にラミネートした積
層ユニットとして用いてもよい。
【0031】なお、インサート成形では、第1の樹脂層
5と共振回路1(又は共振回路1と補強性樹脂層4との
積層ユニット)との積層体をキャビティ内に配置し、第
2の樹脂層5を射出成形により成形することにより共振
タグを成形できる。前記第1の樹脂層5に対する補強性
樹脂層4及び/又は共振回路1(又は積層ユニット)の
位置決めには、接着剤などによる貼り付けを利用しても
よく、補強性樹脂層4及び/又は共振回路1(又は積層
ユニット)の移動を規制するための規制手段(凸部やピ
ンなど)を利用してもよい。なお、前記金型の形状は共
振タグの用途などに応じて選択でき、湾曲した成形面や
溝は必ずしも必要ではなく、平面状などの成形面を有し
ていてもよい。
【0032】本発明の共振タグは、物品に貼付、吊り下
げなどにより添付することにより、デパート、スーパー
マーケットなどの店舗における種々の物品のマーカーと
して使用でき、販売管理、盗難防止などの種々の用途に
利用できる。前記共振タグは、耐久性が高く、水分など
によりQ値などの共振特性が変動しない。そのため、共
振タグは、水分が存在する環境であっても長期間に亘り
安定に使用できる。
【0033】本発明の方法では、前記共振タグを物品
(商品など、特に地中埋設物)に添付し、検知装置から
の所定の周波数の共振に基づいて前記物品(特に埋設
物)の埋設位置を探知する。
【0034】地中埋設物としては、流体を流すための種
々の管体(ガス管、水道管、排水管など)、起点などの
基準点を示すマーカー、タイムカプセル、貴金属や宝物
などの種々の部材又は物品が例示できる。また、共振タ
グは、埋設物に対して、接着などによる貼付、位置決め
配置又は仮止め、吊り下げなどの種々の方法で添付させ
ることができ、埋設物の近傍に配置することにより添付
してもよい。本発明の方法では、所定の周波数の電波を
検知装置から発信させ、前記共振タグの共振を利用して
埋設部位を検知できる。しかも、共振タグの耐久性が高
く、安定した共振特性を示すため、長期間に亘り埋設し
ていても、埋設位置を高い精度で検出できる。
【0035】
【発明の効果】本発明では、共振回路が樹脂層により緊
密にシールされているため、高い信頼性で共振特性を維
持できる。また、共振タグ内で水分が凝集する虞がな
く、耐久性に優れている。さらに、多段階成形により共
振タグを簡便かつ効率よく成形できる。さらに、共振タ
グを地中の埋設物に添付することにより、長期間に亘り
確実に埋設物の埋設部位を検出するのに有用である。
【0036】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0037】実施例1 共振回路として、ポリエチレン(中密度ポリエチレン、
三井化学(株)製、バイブロンPタイプ)のシート(厚
み0.025mm、サイズ:104×154mm)の両
面に、アルミニウム箔で図示する形状に形成された薄膜
状導電体(厚み0.05mm,サイズ:100×150
mm)を積層した積層体(サイズ:104×154m
m)を用いた。この積層体の両面に、補強性樹脂層とし
てのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚み0.032mm、サイズ110×160mm)を
ラミネートし、積層ユニットを調製した。
【0038】二色成形機を用いて、一次側で超低密度ポ
リエチレン(超低密度PE,日本ポリケム(株)製、カ
ーネルKS560)を射出成形し、厚み1mmの第1の
樹脂層を形成し、この第1の樹脂層に、前記積層ユニッ
トを貼り付け、二次側で上記超低密度ポリエチレンを射
出成形し、厚み1mmの第2の樹脂層を形成し、第1の
樹脂層と第2の樹脂層とが周縁部で幅10mmで融着し
た共振タグを得た。
【0039】実施例2〜3 超低密度ポリエチレンに代えて、低密度ポリエチレン
(低密度PE,日本ポリケム(株)製、M6520、実
施例2)、ポリプロピレン(PP,日本ポリケム(株)
製、NEWKON NGK5160、実施例3)を用いる以外、実施
例1と同様にして共振タグを得た。
【0040】比較例 実施例1で用いた2枚のPETフィルム(厚み0.03
2mm、サイズ110×160mm)間に、接着剤を用
いて共振回路を貼り付け、得られた積層体を、2枚の低
密度ポリエチレン(低密度PE,日本ポリケム(株)
製、M6520)のシート(厚み1mm、サイズ:12
0×170mm)間に貼り付け、印加電圧6110W
(13V×470A)及び圧力0.55MPaで2.5
秒間に亘り圧着し、低密度ポリエチレンシートが周縁部
で幅10mmで融着した共振タグを得た。
【0041】得られた共振タグを温度70℃の温水中に
500時間浸漬し、浸漬前後における共振特性(Q値)
により検知性能を評価した。結果を表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、比較例に比べ、
実施例の共振タグは、Q値の変化が少なく、安定した共
振特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の共振タグの一例を便宜的に説明
するための概略分解斜視図である。
【図2】図2は共振タグの一例を示す概略断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の製造方法を説明するための概略
工程図である。
【符号の説明】
1…共振回路 2…誘電体層 3…薄膜状導電体 4…補強性樹脂層 5…樹脂層(第1の樹脂層及び第2の樹脂層) 11…金型 12…溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 7/00 G06K 19/00 H // B29L 31:00 K (72)発明者 西村 寛之 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 早川 秀樹 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 畑中 芳紀 広島市西区上天満町10番33号 株式会社三 宅内 Fターム(参考) 2D064 AA09 BA15 CA03 CA05 DA05 DA06 EA11 GA00 JA01 4F206 AA03 AD19 AH81 JA07 JB12 JB22 JN12 JQ81 5B035 AA04 AA07 BA05 BB09 CA02 CA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂で構成された誘電体層の両面に薄膜
    状導電体が積層された共振回路と、この共振回路の外面
    に積層された樹脂層とで構成された共振タグであって、
    前記樹脂層が多段階成形により形成されている共振タ
    グ。
  2. 【請求項2】 薄膜状導電体よりも誘電体層の面積が大
    きく、この誘電体層よりも樹脂層の面積が大きく、前記
    誘電体層の外周部において、樹脂層が互いに熱融着して
    いる請求項1記載の共振タグ。
  3. 【請求項3】 断面形状が湾曲している請求項1又は2
    記載の共振タグ。
  4. 【請求項4】 オレフィン系樹脂で構成された誘電体層
    と、この誘電体層に直接的に積層し、かつ金属箔で渦巻
    き状に形成された薄膜状導電体と、この薄膜状導電体の
    外面に直接的に積層され、かつオレフィン系軟質樹脂で
    構成された樹脂層とを備えている請求項1〜3のいずれ
    かの項に記載の共振タグ。
  5. 【請求項5】 薄膜状導電体と樹脂層との間に補強性樹
    脂層が介在する請求項1〜4のいずれかの項に記載の共
    振タグ。
  6. 【請求項6】 樹脂で構成された誘電体層の両面に薄膜
    状導電体が積層された共振回路の外面を、樹脂層で保護
    して共振タグを製造する方法であって、多段階成形法に
    より共振回路の両面に樹脂層を成形し、共振タグを製造
    する方法。
  7. 【請求項7】 インサート成形又は二色成形により共振
    回路の両面に樹脂層を積層し、誘電体層の外周部におい
    て、樹脂層を互いに熱融着させる請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 溝が形成された金型を用いて第1の樹脂
    層を成形し、形成された第1の樹脂層の外面に共振回路
    を配置して第2の樹脂層を成形する請求項6又は7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかの項に記載の共
    振タグを地中埋設物に添付し、検知装置からの所定の周
    波数の共振に基づいて前記埋設物の埋設位置を探知する
    方法。
JP2001090471A 2001-03-27 2001-03-27 共振タグおよびその製造方法 Pending JP2002288613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090471A JP2002288613A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 共振タグおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090471A JP2002288613A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 共振タグおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002288613A true JP2002288613A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18945247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001090471A Pending JP2002288613A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 共振タグおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002288613A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007038490A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Hitachi Cable Ltd モールド成形体及びその製造方法
WO2008047436A1 (en) * 2006-10-19 2008-04-24 Nitta Ind. Co., Ltd. Ic tag
WO2013114893A1 (ja) * 2012-02-03 2013-08-08 株式会社 東芝 アンテナ磁心とそれを用いたアンテナおよび検知システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007038490A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Hitachi Cable Ltd モールド成形体及びその製造方法
US8568547B2 (en) 2005-08-02 2013-10-29 Hitachi Cable, Ltd. Molded product and manufacturing method thereof
WO2008047436A1 (en) * 2006-10-19 2008-04-24 Nitta Ind. Co., Ltd. Ic tag
JPWO2008047436A1 (ja) * 2006-10-19 2010-02-18 新田工業株式会社 Icタグ
JP4971347B2 (ja) * 2006-10-19 2012-07-11 株式会社サトー知識財産研究所 Icタグ
WO2013114893A1 (ja) * 2012-02-03 2013-08-08 株式会社 東芝 アンテナ磁心とそれを用いたアンテナおよび検知システム
JPWO2013114893A1 (ja) * 2012-02-03 2015-05-11 株式会社東芝 アンテナ磁心とそれを用いたアンテナおよび検知システム
US9466882B2 (en) 2012-02-03 2016-10-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Antenna magnetic core, antenna using same, and detection system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4283667B2 (ja) 射出成形品およびその製造方法
CA2759688C (en) Antenna sheet, data carrier with non-contact ic, and method for manufacturing antenna sheet
JP2008107947A (ja) Rfidタグ
WO2002055315A1 (fr) Dispositif de communication et sa structure d'installation, et procede de fabrication et de communication
WO2005110862A1 (ja) リブ付きインモールドラベル容器およびその製造方法
WO2012129178A2 (en) Thermally-armored radio-frequency identification device and method of producing same
JP2002288613A (ja) 共振タグおよびその製造方法
JP2004327047A (ja) ポリマー電池及びポリマー電池パック
WO2007069802A1 (en) Radio frequency identification tag for the metal product with high thermal resistance and the fabricating method thereof
JP4971347B2 (ja) Icタグ
JP2004295163A (ja) 共振タグおよびその製造方法
US10123423B1 (en) Thinned electronic product and manufacturing method thereof
JP2012148554A (ja) Icタグ一体成形品の製造方法
US20120267434A1 (en) Body in the form of a packaging or of a molded part
EP3912227B1 (en) Cover for an antenna and method of producing such a cover
JP2008051885A (ja) 熱圧着ラベル及びicタグ付き樹脂製容器
JP2003006593A (ja) パッケージマーカー及びその製造方法
CN207938766U (zh) 热管理装置及电池模组
CN207458098U (zh) 电子标签及射频识别系统
JP5244688B2 (ja) 非接触型データ受送信体
JP4185438B2 (ja) 誘導加熱調理用の発熱体
JP2018190351A (ja) 非接触型データ受送信体
KR102536070B1 (ko) 제빙장치
EP4367600A1 (en) Wire embedded label on special substrate with or without inductive coupling
JP2001105531A (ja) 透明導電性袋