JP2002287355A - 水性フォトソルダーレジスト組成物 - Google Patents

水性フォトソルダーレジスト組成物

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JP2002287355A
JP2002287355A JP2001092196A JP2001092196A JP2002287355A JP 2002287355 A JP2002287355 A JP 2002287355A JP 2001092196 A JP2001092196 A JP 2001092196A JP 2001092196 A JP2001092196 A JP 2001092196A JP 2002287355 A JP2002287355 A JP 2002287355A
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solder resist
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JP2001092196A
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Naoya Yabuuchi
尚哉 藪内
Minoru Fujita
稔 藤田
Osamu Nanba
修 難波
Keiichi Okajima
圭一 岡島
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐金メッキ性、耐冷熱衝撃性、電気絶縁性な
どの特性に優れ、かつVOCを低減することができ、良
好な光感度を有する水性フォトソルダーレジスト組成物
を得る。 【解決手段】 (A)少なくともイソボルニル(メタ)
アクリレートとカルボキシル基含有ビニル単量体とをモ
ノマー単位として含むラジカル共重合体のカルボキシル
基に、環状エーテル基含有ビニル単量体の環状エーテル
基を付加して得られる、ラジカル重合性基及びカルボキ
シル基を含有する樹脂(a)を、ラジカル重合性基を有
する反応性アミンで中和して水溶化した樹脂、(B)無
機フィラー、(C)多官能性アクリルモノマー(c
1)、環状エーテル基を有する化合物(c2)、及び光
重合開始剤(c3)からなる光硬化性混合物を含む水性
フォトソルダーレジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ現像可能
な水性フォトソルダーレジスト組成物及びこれを用いて
得られるソルダーレジスト皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プリン
ト配線板の所定の箇所にはんだを付着させる方法とし
て、プリント配線板の上にソルダーレジストパターンを
形成する方法が一般に採用されている。ソルダーレジス
トは、そのパターンが形成されていない箇所にのみはん
だを付着させ、そのパターンが形成されている箇所への
はんだの付着を防止するとともに、パターンが形成され
ている箇所の回路を保護するためのものである。
【0003】プリント配線板上への電子部品の実装は、
近年高密度化しており、ソルダーレジストに対しても、
パターンの微細化が必要となってきている。このため、
フォトリソグラフィー法によりソルダーレジストをパタ
ーン化する方法が一般的となっており、この目的で、液
状のフォトソルダーレジストが用いられている。
【0004】このようなフォトソルダーレジストとし
て、特許第2868190号では、多官能エポキシ樹脂
にアクリル酸を付加し、この反応で生成した水酸基に酸
無水物を付加して得られる変性エポキシ樹脂が用いられ
ている。
【0005】しかしながら、このような変性エポキシ樹
脂は、分子内に加水分解を受け易いエステル結合を有し
ているため、耐酸性及び耐アルカリ性において劣るとい
う問題があった。このため、その後の金メッキ工程にお
いて不良を生じ易いという問題があった。また、脆性が
高いため、例えば、耐冷熱衝撃性に劣るという問題もあ
った。さらに、エポキシ変性樹脂であるためコストが高
くなるという問題もあった。
【0006】また、特開2000−191737号公報
では、アクリル樹脂系のフォトソルダーレジストが提案
されている。しかしながら、このアクリル樹脂系レジス
トは、親水性が高いため、耐水性や電気的特性に劣ると
いう問題がある。
【0007】一方、従来のフォトソルダーレジスト組成
物は有機溶剤に希釈されたものが大半であり、近年環境
衛生面から、有機溶剤を用いないフォトソルダーレジス
トが求められている。特開2000−290327号公
報では、無溶剤型のフォトソルダーレジスト組成物が提
案されている。ここでは、例えばアクリロイルモルホリ
ンなどのビニル単量体を溶剤の代わりに用いているが、
これは揮発性及び臭気を有するものであるので、作業環
境の改善の点からは好ましくなく、またVOC(揮発性
有機物質)の低減からも好ましいものではなかった。
【0008】特開2000−336132号公報におい
ては、カルボキシル基含有樹脂をトリエチルアミンのよ
うな化合物で中和して水溶化した樹脂を用いているが、
硬化させる際にトリエチルアミンなどの化合物が空気中
に放出されるため、VOCの低減からは好ましいもので
なかった。
【0009】本発明の目的は、耐金メッキ性、耐冷熱衝
撃性、電気絶縁性などの特性に優れ、かつVOCを低減
することができ、良好な光感度を有する水性フォトソル
ダーレジスト組成物及びこれを用いて得られるソルダー
レジスト被膜を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の水性フォトソル
ダーレジスト組成物は、(A)少なくともイソボルニル
(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ビニル単量
体とをモノマー単位として含むラジカル重合体のカルボ
キシル基に、環状エーテル基含有ビニル単量体の環状エ
ーテル基を付加して得られる、ラジカル重合性基及びカ
ルボキシル基を含有する樹脂(a)を、ラジカル重合性
基を有する反応性アミンで中和して水溶化した樹脂、
(B)無機フィラー、並びに(C)多官能性アクリルモ
ノマー(c1)、環状エーテル基を有する化合物(c
2)、及び光重合開始剤(c3)からなる光硬化性混合
物を含むことを特徴としている。
【0011】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物は、上記水溶化樹脂(A)、無機フィラー(B)、及
び光硬化性混合物(C)を含むことにより、耐酸性及び
耐アルカリ性に優れ、従って耐金メッキ性に優れている
とともに、耐冷熱衝撃性及び電気絶縁性において優れ、
かつVOCを低減することができ、良好な光感度を有し
ている。
【0012】樹脂(a)においては、二重結合量が1.
0×10-3〜3.0×10-3mol/gであることが好
ましい。また、カルボキシル基含有量(酸価)は30〜
200mgKOH/gであることが好ましい。
【0013】樹脂(a)中のカルボキシル基と光硬化性
混合物(C)中すなわち化合物(c2)中の環状エーテ
ル基との比率は、モル比で1.3/0.7〜0.7/
1.3であることが好ましい。
【0014】また、本発明の水性フォトソルダーレジス
ト組成物は、さらに着色顔料を含んでいてもよい。無機
フィラー(B)の含有量は、本発明の水性フォトソルダ
ーレジスト組成物全体の固形分100重量部中で、5〜
60重量部であることが好ましい。
【0015】また、樹脂(a)は、上記反応性アミンと
これ以外の塩基によって中和され水溶化されていてもよ
い。本発明のソルダーレジスト皮膜は、本発明の水性フ
ォトソルダーレジスト組成物を、基材に塗布し、50〜
90℃で乾燥後、活性エネルギー線を露光し、未露光部
をアルカリ性洗浄液で現像除去し、光硬化部分を140
〜170℃で加熱し、硬化して得られるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水性フォトソルダ
ーレジスト組成物の第1の成分である水溶化樹脂
(A)、第2の成分である無機フィラー(B)、及び第
3の成分である光硬化性混合物(C)についてそれぞれ
詳細に説明する。
【0017】(A)ラジカル重合性基とカルボキシル基
とを含有する樹脂(a)をラジカル重合性基を有する反
応性アミンで中和して水溶化した樹脂 第1成分である水溶化樹脂(A)は、ラジカル重合性基
及びカルボキシル基を含有する樹脂(a)をラジカル重
合性基を有する反応性アミンで中和して水溶化した樹脂
である。以下、樹脂(a)及び反応性アミンについて説
明する。
【0018】<ラジカル重合性基とカルボキシル基とを
含有する樹脂(a)>ラジカル重合性基とカルボキシル
基とを含有する樹脂(a)は、少なくともイソボルニル
(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有ビニル単量
体とをモノマー単位として含むラジカル共重合体のカル
ボキシル基に、環状エーテル基含有ビニル単量体の環状
エーテル基を開環付加して得ることができる。樹脂
(a)中に含まれるイソボルニル(メタ)アクリレート
の含有率は10〜50重量%であることが好ましく、さ
らに好ましくは15〜35重量%である。10重量%未
満ではタック性、耐熱性に乏しくなる場合があり、 50
重量%を超えると脆性が高くなりすぎる場合がある。
【0019】カルボキシル基含有ビニル単量体としては
アクリル酸、メタアクリル酸などが挙げられる。環状エ
ーテル基含有ビニル単量体としてはグリシジルメタアク
リレートが代表的であり、特開2000−191737
号公報に記載されている3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメタアクリレートも用いることもできる。しかしなが
ら、付加反応性、材料価格等からは、グリシジルメタア
クリレートが特に好ましく用いられる。
【0020】このラジカル重合性基とカルボキシル基と
を含有する樹脂(a)は、1分子内に少なくとも1個以
上のラジカル重合性基とカルボキシル基とをそれぞれ有
するものであり、二重結合量は1.0×10-3〜3.0
×10-3mol/gであることが好ましく、カルボキシ
ル基の含有量は30〜200mgKOH/gであること
が好ましい。二重結合量が1.0×10-3mol/gよ
り低いと、得られるレジストの光硬化性が不十分になり
現像時の密着性や耐熱性が劣るおそれがあり、3.0×
10-3mol/gを超えると膜強度が脆くなるおそれが
あるばかりか解像性が低下する場合がある。 また、カル
ボキシル基の含有量が30mgKOH/g未満である
と、アルカリ現像性が低下し、200mgKOH/gを
上回ると、露光部分まで溶解してしまうおそれがある。
二重結合量は1.5×10-3〜2.7×10-3mol/
gであることがさらに好ましく、カルボキシル基の含有
量は70〜120mgKOH/gであることがさらに好
ましい。
【0021】樹脂(a)の数平均分子量は、2000〜
40000であることが好ましい。2000未満である
と、得られるレジストの耐熱性が十分でない場合があ
り、40000を上回ると、粘度が高くなりすぎるため
に、組成物製造時の作業性に問題を生ずる場合がある。
【0022】<ラジカル重合性基を有する反応性アミン
>ラジカル重合性基を有する反応性アミンとしては、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0023】上記反応性アミンの添加量は、樹脂(a)
の分子量及びカルボキシル基含有量に合わせて適宜決定
され、樹脂(a)を水溶化することができる量であれば
よい。例えば、カルボキシル基の30〜200%(0.
3〜2モル)を中和することができる量添加される。ま
た、本発明においては、上記反応性アミンの一部を他の
塩基性物質に置き換えてもよい。このような塩基性物質
は、特に限定されるものではなく、カルボキシル基の中
和剤としてよく知られたもの、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの無機物やト
リエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミ
ン化合物を用いることができる。このような他の塩基性
物質を用いる場合、反応性アミンの量は、反応性アミン
と他の塩基性物質の合計の20モル%以上用いることが
好ましく、さらに好ましくは40モル%以上である。
【0024】<希釈水の量>本発明において、水溶化樹
脂(A)は、通常、水溶液または水分散液の形態で用い
る。用いる希釈水の量は特に限定されるものではない
が、樹脂固形分が、10〜50重量%となるような量で
希釈水を用いることが好ましい。
【0025】(B)無機フィラー 本発明の水性フォトソルダーレジスト組成物に含まれる
第2の成分は、無機フィラーである。無機フィラーは、
レジストの耐熱性向上のために用いられるものであり、
硫酸バリウム、微粉状炭化珪素、無定型シリカ、タル
ク、マイカなどの公知のものを用いることができる。な
お、上記無機フィラーには公知の難燃剤も含まれる。な
お、上記無機フィラーは、樹脂(A)の存在下に公知の
方法で分散させることが可能である。
【0026】なお、上記無機フィラーの量は、本発明の
水性フォトソルダーレジスト組成物中の固形分に占める
割合として決定される。この割合については、後述の水
性フォトソルダーレジスト組成物についてのところで説
明する。
【0027】(C)光硬化性混合物 本発明の水性フォトソルダーレジスト組成物に含まれる
第3の成分は、多官能性アクリルモノマー(c1)、環
状エーテル基を有する化合物(c2)、及び光重合開始
剤(c3)からなる光硬化性混合物である。
【0028】<多官能性アクリルモノマー(c1)>上
記多官能性アクリルモノマー(c1)は、1分子内に2
個以上の重合性基(例えばアクリロイル基またはメタク
リロイル基)を有するものであればよく、この多官能性
アクリルモノマー(c1)を含有することにより、パタ
ーニングのための光硬化を行うことができる。
【0029】上記多官能性アクリルモノマー(c1)の
具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びこ
れらに対応するメタクリレート類などを挙げることがで
きる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて使
用することができる。
【0030】<環状エーテル基を有する化合物(c2)
>上記環状エーテル基を有する化合物(c2)は、加熱
により、レジスト組成物中の(主に樹脂(A)中の)カ
ルボキシル基と硬化反応するものである。環状エーテル
基がグリシジル基であるものとしてはビスフェノール
型、フェノールノボラック型、 クレゾールノボラック型
などの公知のものが挙げられる。脂環式エポキシ基を有
するものは、種々のものが市販されており、例えば、ダ
イセル化学工業社から販売されているセロキサイドシリ
ーズ、エポリードシリーズ、シクロマーシリーズ及びこ
れを重合したものなどを挙げることができる。また、オ
キセタン基を有するものについても、東亞合成社からア
ロンオキセタンシリーズとして販売されている。これら
の中で、1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基または
オキセタン基を持つものが好ましく、3個以上持つもの
が特に好ましい。
【0031】<光重合開始剤(c3)>上記光重合開始
剤(c3)としては、公知のものを用いることができ
る。具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピル
エーテルのようなベンゾイン及びベンゾインアルキルエ
ーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノ
ンのようなアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン
−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,N,N−ジメ
チルアミノアセトフェノンのようなアミノアセトフェノ
ン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラ
キノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−
クロロアントラキノンのようなアントラキノン類;2,
4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサントンのようなチオキサントン類;ア
セトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタ
ールのようなケタール類;ベンゾフェノン、4,4' −
ビスジエチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェ
ノン類またはキサントン類;2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げら
れる。これらは、単独または2種以上の混合物として使
用でき、さらにトリエタノールアミンなどの第3アミ
ン、ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの光開始助剤を
加えて用いることができる。
【0032】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物に含まれる光硬化性混合物における上記多官能性アク
リルモノマー(c1)、グリシジル基以外の環状エーテ
ル基を有する化合物(c2)、及び光重合開始剤(c
3)の量比は、本発明の水性フォトソルダーレジスト組
成物中の固形分に占める割合として決定される。この割
合については、後述の水性フォトソルダーレジスト組成
物についてのところで説明する。
【0033】また、上記光硬化性混合物には、上記成分
以外に、環状エーテル基と反応するジシアンジアミドの
ようなアミノ基を含む化合物や、メラミン、ブロックイ
ソシアネート等を含めることができる。
【0034】水性フォトソルダーレジスト組成物 本発明の水性フォトソルダーレジスト組成物は、(A)
少なくともイソボルニル(メタ)アクリレートとカルボ
キシル基含有ビニル単量体とをモノマー単位として含む
ラジカル共重合体のカルボキシル基に、環状エーテル基
含有ビニル単量体の環状エーテル基を付加して得られ
る、ラジカル重合性基及びカルボキシル基とを含有する
樹脂(a)を、ラジカル重合性基を有する反応性アミン
で中和して水溶化した樹脂、(B)無機フィラー並び
に、(C)多官能性アクリルモノマー(c1)、環状エ
ーテル基を有する化合物(c2)、及び光重合開始剤
(c3)からなる光硬化性混合物を含んでいる。
【0035】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物は、上記成分を、当業者によく知られた方法で混合す
ることにより得られる。その際、各成分比は以下の条件
を満たしていることが、レジスト組成物及びそれから得
られるレジストの性能を向上させるため、好ましい。
【0036】まず、水溶化樹脂(A)の樹脂(a)中の
カルボキシル基と、光硬化性混合物(C)中の環状エー
テル基との比率は、モル比で1.3/0.7〜0.7/
1.3であることが好ましい。この範囲を外れると、架
橋度が上がらず、耐熱性が十分でなくなるおそれがあ
る。また、この比率は、1.15/0.85〜0.85
/1.15であることがさらに好ましい。
【0037】次に無機フィラー(B)は、本発明の水性
フォトソルダーレジスト組成物の固形分100重量部中
の5〜60重量部であることが好ましい。5重量部未満
では、耐熱性及び硬化収縮を防ぐ効果に乏しい場合があ
り、60重量部を上回ると現像性が低下する場合があ
る。15〜50重量部であることがさらに好ましい。
【0038】さらに、光硬化性混合物(C)に含まれる
多官能性アクリルモノマー(c1)は、本発明の水性フ
ォトソルダーレジスト組成物の固形分100重量部中の
2.0〜15.0重量部であることが好ましい。2.0
重量部未満では、光硬化性に乏しい場合があり、15.
0重量部を上回ると耐冷熱衝撃性が低下する場合があ
る。
【0039】一方、光硬化性混合物(C)に含まれる光
重合開始剤(c3)は、本発明の水性フォトソルダーレ
ジスト組成物の固形分100重量部中の0.5〜7.5
重量部であることが好ましい。0.5重量部未満では、
光硬化性が十分でない場合があり、7.5重量部を上回
ると、光硬化時の二重結合連鎖が短くなりすぎるため、
脆性が高くなるおそれがある。1.0〜5.0重量部で
あることがさらに好ましい。
【0040】また、光硬化性混合物(C)に含まれる環
状エーテル基を有する化合物(c2)は、本発明の水性
フォトソルダーレジスト組成物の固形分100重量部中
の5.0〜15重量部であることが好ましい。5.0重
量部未満では硬化密度が低いために耐熱性に乏しい場合
があり、15重量部を超えると硬化膜が脆くなる場合が
ある。 さらに好ましくは7.5〜12.0重量部であ
る。
【0041】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物は、上記の含有成分以外に必要に応じて内部溶剤を含
んでいてもよい。これは、膜を均一化するための助剤と
して用いられるもので、上記の含有成分中の油性のもの
を溶解することができ、沸点が120〜250℃、好ま
しくは135〜200℃であって、具体的には、プロピ
レングリコールジアセテート、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート等を挙げることができる。この内部
溶剤を用いる場合には、本発明の水性フォトソルダーレ
ジスト組成物の固形分100重量部に対して、25重量
部以下が好ましく、10重量部以下であることがさらに
好ましい。
【0042】また、本発明の水性フォトソルダーレジス
ト組成物は、着色顔料を含んでいてもよい。着色顔料と
しては、例えば、銅フタロシアニン、塩素化フタロシア
ニン、キナクリドンレッドなどの公知のものを使用する
ことができる。着色顔料を含む場合、着色顔料は、本発
明の水性フォトソルダーレジスト組成物の固形分100
重量部中の0.02〜4.0重量部であることが好まし
い。0.02重量部未満では、着色性に乏しく、4.0
重量部を上回ると光硬化性が低下するため、現像時に膜
の剥離が生じるおそれがある。0.1〜1.5重量部で
あることがさらに好ましい。
【0043】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物は、上記成分を混合することにより得られるが、通
常、まず、水溶化樹脂(A)を製造し、これに無機フィ
ラー(B)及び必要に応じて着色顔料を加えて、分散を
行ったものに、光硬化性混合物(C)の各成分及び必要
に応じて内部溶剤を加えて均質化するのが一般的であ
る。商品形態としては、樹脂(A)及び無機フィラー
(B)の混合物と光硬化性混合物(C)とからなる2液
混合型、及び樹脂(A)、無機フィラー(B)、及び光
硬化性混合物(C)の全てを含む1液型が可能である。
【0044】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物のエマルションの粒子径は、面積平均粒径で0.1〜
10.0μmであることが好ましく、0.3〜2.0μ
mであることがさらに好ましい。0.1μm未満では、
製造が困難であり、10.0μmを上回ると粒子の沈降
や凝集が起こる場合がある。
【0045】また、本発明の水性フォトソルダーレジス
ト組成物の固形分率は、30〜90重量%が好ましく、
50〜85重量%がさらに好ましい。30重量%未満で
は、経済性に乏しく、90重量%を超えると、粘度が高
くなりすぎて生産が困難である場合がある。
【0046】本発明の水性フォトソルダーレジスト組成
物は、基板などの基材に塗布され、通常50〜90℃で
乾燥される。乾燥後、紫外線などの活性エネルギー線を
露光し、未露光部をアルカリ性洗浄液で現像除去して、
さらに光硬化部分を例えば、140〜170℃で加熱す
ることにより、熱硬化を進行させ、ソルダーレジスト皮
膜を得ることができる。
【0047】
【実施例】製造例1 ラジカル重合性基とカルボキシル
基とを含有する樹脂(a)の製造 環流管、温度調節器、撹拌翼を備えた2Lセパラブルフ
ラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル76
0重量部を仕込み、温度を110℃に調節した。 ここ
に、イソボルニルメタアクリレート150重量部、スチ
レン50重量部、メタクリル酸300重量部、tert
−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート17.
5重量部の混合液を2時間かけて滴下し、さらに1時間
反応を継続した。次いでプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル50重量部、tert−ブチルパーオキシー
2−エチルヘキサノエート0.75重量部の混合液を3
0分かけて滴下してさらに1時間反応を継続し、温度を
120℃に上げて3時間保持した。温度を100℃に下
げ、グリシジルメタアクリレート285重量部、ベンジ
ルメチルアミン2.0重量部、ハイドロキノン1.5重
量部の混合物を添加し、空気流下に8時間反応を継続し
た。 重量平均分子量は1440、酸価は105.9mg
KOH/gであった。また、二重結合量は2.5×10
-3mol/gであった。
【0048】製造例2 水溶化樹脂(A)の製造 製造例1の樹脂溶液200gにジメチルアミノプロピル
メタアクリルアミド30gとイオン交換水600gを加
えて1時間攪拌し、次いで減圧によって溶剤と水の一部
を除去し、固形分率30.0重量%の水溶液を得た。
【0049】製造例3 水溶化樹脂(A)の製造 製造例1の樹脂溶液200gにジエチルアミノエチルア
クリレート30gとイオン交換水600gを加えて1時
間攪拌し、次いで減圧によって溶剤と水の一部を除去
し、固形分率30.0重量%の水溶液を得た。
【0050】製造例4 水溶化樹脂(A)の製造 製造例1の樹脂溶液200gにトリエチルアミン20g
とイオン交換水600gを加えて1時間攪拌し、次いで
減圧によって溶剤と水の一部を除去し、固形分率30.
0重量%の水溶液を得た。
【0051】製造例5 光硬化性混合物(C)の製造 多官能アクリルモノマー(c1)としてのトリメチロー
ルプロパントリメタアクリレート115重量部及びペン
タエリスリトールテトラアクリレート35重量部と、光
重合開始剤(c3)としてのIrgacure907
(チバガイギー製光重合開始剤)22.0重量部及びジ
エチルチオキサントン8.0重量部と、環状エーテル基
を有する化合物(c2)としてのEHPE3150(ダ
イセル化学製多官能エポキシ化合物)220重量部と、
内部溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート100重量部とを混合して、光硬化性混
合物を調製した。
【0052】製造例6 顔料分散体の製造 製造例2の樹脂水溶液(固形分30重量%)600重量
部、B−34(堺化学社製の硫酸バリウム)298重量
部、フタロシアニンブルー2.0重量部、イオン交換水
60重量部をダイノーミルによって混和した。
【0053】製造例7 顔料分散体の製造 製造例3の樹脂水溶液(固形分30重量%)600重量
部、B−34(堺化学社製の硫酸バリウム)298重量
部、フタロシアニンブルー2.0重量部、イオン交換水
60重量部をダイノーミルによって混和した。
【0054】製造例8 顔料分散体の製造 製造例4の樹脂水溶液(固形分30重量%)600重量
部、B−34(堺化学社製の硫酸バリウム)298重量
部、フタロシアニンブルー2.0重量部、イオン交換水
60重量部をダイノーミルによって混和した。
【0055】実施例1 水性フォトソルダーレジスト組
成物の製造 その1 製造例5で得られた光硬化性混合物(C)の溶液50重
量部と、製造例6の顔料分散体320重量部を混合し
た。
【0056】実施例2 水性フォトソルダーレジスト組
成物の製造 その2 製造例5で得られた光硬化性混合物(C)の溶液50重
量部と、製造例7の顔料分散体320重量部を混合し
た。
【0057】比較例1 水性フォトソルダーレジスト組
成物の製造 その2 製造例5で得られた光硬化性混合物(C)の溶液50重
量部と、製造例8の顔料分散体320重量部を混合し
た。
【0058】<評価試験>実施例1〜2及び比較例1の
水性フォトソルダーレジスト組成物を、それぞれ膜厚が
23〜27μmになるようにスクリーン印刷で、現像
性、はんだ耐熱性、耐金メッキ性、及び耐冷熱衝撃性評
価用のパターン形成された銅箔基板、並びに電気絶縁性
評価用のIPC B−25のクシ型電極クーポン上に塗
布し、これを80℃で20分乾燥した。乾燥後、ネガフ
ィルムを当て200mj/cm2 及び100mj/cm
2 で露光し、スプレー圧2kg/cm2 の炭酸ソーダ水
溶液で現像した後、150℃に加熱して硬化させた。得
られたレジスト膜について、下記の評価基準に基づき、
それぞれの評価を行った。また、顔料分散体の貯蔵安定
性について評価するとともに、水性フォトソルダーレジ
スト組成物としてのVOC評価試験を行なった。また、
光感度について、上記の2種類の露光量のときの感度を
評価した。
【0059】現像性:得られた銅箔基板の50/50
(μm)線の抜け具合から目視で判断した。 はんだ耐熱性:得られた銅箔基板にロジン系フラックス
を塗布し、これを予め260℃に設定したはんだ槽に浸
積し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視
によりレジスト層の膨れ及び剥がれの状態について評価
した。判定基準は以下の通りである。
【0060】 ◎:10秒間浸積を6回以上繰り返しても剥がれが認め
られない ○:10秒間浸積を3〜5回繰り返しても剥がれが認め
られない △:10秒間浸積を3回以上繰り返すと少し剥がれが認
められる ×:10秒間浸積を1回行うと、膨れ及び剥がれが認め
られる 電気絶縁性:ASTM D257に基づき、体積固有抵
抗率を測定した。
【0061】耐金メッキ性:メッキ厚を0.1μmと
し、メッキ後のテープ剥離によって評価した。 耐冷熱衝撃性:最高温度125℃、最低温度−65℃、
各温度での保持時間を10分として、200サイクル繰
り返した後、テープ剥離試験を行った。
【0062】顔料分散体の貯蔵安定性:40℃で2週間
放置後外観をチェックした。評価結果を表1に示す。 光感度:ストファーステップタブレットの硬化段数から
評価した。なお、ストファータブレットの総段数は21
段である。
【0063】VOC評価試験:光硬化段階まで終了した
塗布サンプルをエタノール中に1時間浸漬し、溶出物を
含むエタノール溶液をガスクロマトグラフィーによって
分析し、配合したアミンのうち何%が検出されるかを評
価した。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示す結果から明らかなように、本発
明に従う実施例1及び2の水性フォトソルダーレジスト
は、現像性においてて良好であり、体積固有抵抗率も高
く、電気絶縁性に優れていることがわかる。また、はん
だ耐熱性、耐金メッキ性、耐冷熱衝撃性においても優れ
ていることがわかる。さらに、顔料分散体の貯蔵安定性
にも優れていることがわかる。
【0066】本発明に従う実施例1及び2の水性フォト
ソルダーレジスト組成物は、比較例1の水性フォトソル
ダーレジスト組成物に比べ、光感度が高くなっているこ
とがわかる。これは、水溶化樹脂(A)を得るのに、ラ
ジカル重合性基を有する反応性アミンを用いているため
であると考えられる。また、実施例1及び2の水性フォ
トソルダーレジスト組成物は、比較例1の水性フォトソ
ルダーレジスト組成物に比べ、VOC評価試験において
優れている。これは、実施例1及び2の水性フォトソル
ダーレジスト組成物において用いている反応性アミン
が、樹脂と架橋するためVOCが低減されるものと考え
られる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、耐金メッキ性、耐冷熱
衝撃性、電気絶縁性などの特性に優れ、かつVOCを低
減することができ、良好な光感度を有する水性フォトソ
ルダーレジスト組成物とすることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 (72)発明者 難波 修 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 岡島 圭一 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA08 AA20 AB15 AC01 AD01 BC13 BC42 BC53 BC81 BC85 BC86 BC87 BD03 BJ10 CC08 CC11 FA17 4J002 BQ00X CD02W CD05W CD06W DG047 DJ017 DJ047 DJ057 EE039 EH076 EV319 FD098 4J036 AA01 FA01 FB03 HA01 JA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少なくともイソボルニル(メタ)
    アクリレートとカルボキシル基含有ビニル単量体とをモ
    ノマー単位として含むラジカル共重合体のカルボキシル
    基に、環状エーテル基含有ビニル単量体の環状エーテル
    基を付加して得られる、ラジカル重合性基及びカルボキ
    シル基を含有する樹脂(a)を、ラジカル重合性基を有
    する反応性アミンで中和して水溶化した樹脂、 (B)無機フィラー、 (C)多官能性アクリルモノマー(c1)、環状エーテ
    ル基を有する化合物(c2)、及び光重合開始剤(c
    3)からなる光硬化性混合物を含む水性フォトソルダー
    レジスト組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂(a)において、二重結合量が
    1.0×10-3〜3.0×10-3mol/g、カルボキ
    シル基含有量が30〜200mgKOH/gである請求
    項1に記載の水性フォトソルダーレジスト組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂(a)中のカルボキシル基と前
    記光硬化性混合物(C)中の環状エーテル基との量比
    が、モル比で1.3/0.7〜0.7/1.3である請
    求項1または2に記載の水性フォトソルダーレジスト組
    成物。
  4. 【請求項4】 さらに着色顔料を含んでいる請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の水性フォトソルダーレジスト
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記無機フィラー(B)の含有量が、レ
    ジスト組成物の固形分100重量部中の5〜60重量部
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性フォト
    ソルダーレジスト組成物。
  6. 【請求項6】 前記樹脂(a)が前記反応性アミン以外
    の塩基によっても中和され水溶化されている請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の水性フォトソルダーレジスト
    組成物。
  7. 【請求項7】 前記化合物(c2)の環状エーテル基
    が、エポキシ基またはオキセタン基である請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の水性フォトソルダーレジスト組
    成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水
    性フォトソルダーレジスト組成物を、基材に塗布し、5
    0〜90℃で乾燥後、活性エネルギー線を露光し、未露
    光部をアルカリ性洗浄液で現像除去し、光硬化部分を1
    40〜170℃で加熱し、硬化して得られるソルダーレ
    ジスト皮膜。
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