JP4336912B2 - アルカリ現像型光硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物、更に詳しくはフォトレジスト、エッチングレジスト、ソルダレジスト、ドライフィルムレジスト、顔料分散レジスト、又は刷版材などに適用するのに好適な光硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板のエッチングレジスト、ソルダーレジスト、その他各種金属加工用レジストに、高分子バインダー、光重合性ビニルモノマー及び光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物が使用されてきた。
近年各種刷版、エレクトロニクス用途の発展に伴い、微細なパターンを得るために高解像力で高感度な前記組成物が求められている。更に、耐薬品性、耐熱性、耐メッキ性、絶縁性に優れ、且つ長期保存安定性がよいことなどが従来に増して要求されるようになってきた。更には、最近作業環境の改善や自然環境の保護の観点から、水又は希アルカリ水溶液で現像できる組成物やそれを構成する成分が人体に対して危険有害性が少ない低毒性であることが強く要望されるようになった。
【0003】
かかる市場ニーズの変化を受け、側鎖に複数個の二重結合を有する反応性オリゴマーあるいは重合体が、熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性樹脂等として、様々な用途分野で検討され、開発されてきた。
その中でも、特に側鎖に炭素−炭素二重結合を有する光硬化性樹脂は種々の特性が改良されることから、その用途が拡大しつつある。
上記のような側鎖に炭素−炭素二重結合を有する樹脂は、アクリル系共重合体のカルボキシル基に、ビニル基とエポキシ化合物を有する不飽和エポキシ化合物を開環付加反応させることによって合成されている。
【0004】
例えば、特開平1−289820号公報、特開平6−138659号公報、特開平7−25938号公報、特開平7−25937号公報、特開平8−41150号公報、特開平8−129104号公報、特開平8−211607号公報、特開平8−259624号公報、特開平8−211607号公報、特開平8−259624号公報、特開平8−262221号公報、特開平8−325323号公報、特開平8−339081号公報、特開平9−105810号公報、特開平9−160239号公報、特開平9−278842号公報、特開平9−278843号公報、特開平9−278869号公報、特開平10−7747号公報、特開平10−7755号公報、特開平10−10719号公報、特開平10−10726号公報、特開平10−17614号公報、特開平10−17779号公報、特開平10−81803号公報、特開平10−87725公報、特開平10−69081号公報等に開示されているように、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂に分子内に炭素−炭素二重結合とエポキシ基の両方を有する化合物を開環付加反応させることにより得られた樹脂は、高い耐加水分解性や塗膜乾燥後のタックフリー性など従来見られなかった優れた特性が発現することから最近注目を集めている。
【0005】
中でも、特開平1−29820号公報、特開平8−41150号公報、特開平8−259624号公報、特開平8−26221号公報、特開平9−278842号公報、特開平9−278869号公報、特開平10−7755号公報、特開平10−10726号公報、特開平10−17644号公報などに記載されているように、乾燥塗膜のタックフリー性が従来の樹脂を用いた場合に比べて改善されることが述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の如くこれ迄に種々の光硬化性樹脂組成物が提案されているが、乾燥塗膜のタックフリー性は従来に比べて改善されているものの、温度が比較的低い室温で測定されたものである。工業的には、特に露光時に塗着膜に密着されるマスクパターンが露光装置から発生する熱の放散や伝導により加熱されることによって、塗膜が粘着し易くなり、作業効率を著しく悪化させる原因となっている。従って、タックフリー性能は実用面からは未だ不十分であり、問題が解決された状況にはない。かような状況から、加温時の乾燥塗膜のタックフリー性の更なる向上が未だ強く望まれている。更には、最近の使用する薬品類の安全性の問題と環境問題の高まりから、組成物の製造並びにそれを使用するに当たって、組成物を構成する各成分が人体に対して危険有害性の少ない低毒性物質、より安全な物質であることも強く要請されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記2つの課題を解決すべく、(A)側鎖にカルボキシル基とビニル基を有する変性共重合体、(B)光重合性ビニルモノマー、(C)不活性有機溶剤、及び(D)光重合開始剤を必須成分としてなる希アルカリ水溶液で現像可能な光硬化性樹脂組成物を鋭意検討した結果、該組成物において、(A)成分として、カルボキシル基を有するセグメントを含む重合体(I)に一分子中に一個以上のビニル基とエポキシ基を有する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(II)を開環付加反応させて得られる側鎖にビニル基とカルボキシル基を有する変性共重合体、そして(B)成分として、炭素数が7以上の鎖状及び/又は環状構造を有するアルカンジオール類のジ(メタ)アクリルエステルからなる重合性ビニルモノマー、更に(C)成分として、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類及び/又はジプロレングリコールモノアルキルエーテル類を使用することにより、加温状態でも乾燥塗膜のタックフリー性が格段に向上し、実用上問題となっていたマスクと乾燥塗膜とが粘着するという問題が実質的に解消されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
更に、上記に加わうるに、皮膚刺激性の低い低毒性光重合性ビニルモノマー及び危険有害性の少ない安全溶媒及び各種光重合開始剤の中で特定のものを選択し組合わせること、並びに制限された配合比を設定することによって、高感度、高解像力を備えしかも優れたタックフリー性を有する危険有害性がより少ない低毒性のアルカリ現像型光硬化性組成物が新たに構築できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を説明する。
即ち、本発明は下記(A)側鎖にビニル基とカルボキシル基を有する変性共重合体、(B)重合性ビニルモノマー、(C)不活性有機溶剤、及び(D)光重合開始剤を必須成分としてなることを特徴とする希アルカリ水溶液で現像可能な光硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明で使用する成分(A)は、カルボキシル基を有するセグメントを含む共重合体(I)に一分子中に一個以上のビニル基とエポキシ基を有する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(II)を開環付加反応させて得られる側鎖にビニル基とカルボキシル基を有する変性共重合体である。
前記カルボキシル基を有するセグメントを有する共重合体(I)としては、一般式(I)
【化3】
[式中、R1 は同一又は異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、R2 は炭素数1〜5の直鎖又は側鎖構造のアルキル基を表す。また、m及びnは重合度を表し、m/n=0.5〜2.4(モル比)である。]
で示される共重合体(I)が例示できる。
【0010】
共重合体(I)としては、具体的には、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。更には具体的には、メタクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
【0011】
又、一分子中に一個以上のビニル基とエポキシ基を有する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(II)としては、例えば下記の一般式(a)〜(j)で示される化合物が挙げられる。
これらの一般式において、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は炭素数1〜6の脂肪族飽和炭化水素を示す。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
上記の化合物の中でも、本発明で使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(II)としては、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0014】
前記共重合体(I)とエポキシ基含有不飽和化合物(II)とのエポキシ開環付加反応は、例えば、特開平10−10726号公報、特開平10−87725号公報に開示されているように、溶媒及びトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下に反応温度60〜120℃で実施することができる。
即ち、本発明においては、上記開環付加反応によって得られる下記一般式(II)で示される側鎖にカルボキシル基とビニル基を有する変性共重合体(A)を用いることを特徴とする。
一般式(II):
【化6】
[式中、R1 は同一又は異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表し、R2 は炭素数1〜5の直鎖又は側鎖構造のアルキル基を表す。a,b,及びcは重合度を表す。]
【0015】
本発明で使用する変性共重合体(A)の酸価(JIS K−1557準拠)は、50〜150mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
酸価が50mgKOH/g以下になると希アルカリ水溶液による現像時に未硬化樹脂組成物の除去が難しくなる。一方、酸価が150mgKOH/g以上になると希アルカリ水溶液による現像時に画像が流れたり、或いは硬化皮膜の耐湿性や電気特性が悪くなる場合がある。
又、変性共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は用途によって異なるが、ソルダーレジスト、エッチングレジスト等塗膜厚が30μm以下の用途では、5,000〜20,000の範囲が好ましい。
変性共重合体(A)の重量平均分子量が5,000以下であると、乾燥塗膜のタックフリー性能が劣り、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、また現像時に膜べりが生じ解像度が大きく劣るという問題がある。一方、重量平均分子量が20,000を越えると、希アルカリ水溶液による現像性が著しく悪くなることや貯蔵安定性が劣る等の問題が生ずる。
【0016】
更に、前述した開環付加反応に際し、エポキシ基含有不飽和化合物(II)とカルボキシル基含有アクリル共重合体(I)の比率に特に制限がないが、開環付加反応後の樹脂(変性共重合体(A))1Kgにつき二重結合が通常1.0〜3.5モル(即ち二重結合当量1,000〜286g/mol不飽和基)であることが望ましく、好ましくは1.5〜3.5モル(二重結合当量667〜333g/mol)である。
当該変性共重合体(A)の二重結合が1.0モルより少ない場合には、充分な光硬化物が得られないことがある。また、3.5モルより多い場合には充分な貯蔵安定性が得にくい等の問題がある。
【0017】
変性共重合体(A)に該当する製品としては、例えばダイセル化学工業(株)製「サイクロマーP」が市販品されており、本発明において使用できる。
前記サイクロマーPには、下記の四銘柄が市販されており、いずれの銘柄も本発明において使用できる。
これらの銘柄はいずれもメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体に(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレートを付加させたものである。
【0018】
*MFDG:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点187.2℃)
MMPG:プロピレングリコールモノメチルエーテル (沸点121℃)
PFG:プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点149.8℃)
【0019】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、用途及び要求される塗膜性能に応じて適宜公知の光重合性多官能ビニルモノマーを配合することができるが、本発明で成分(B)として使用する光重合性ビニルモノマーとしては、炭素数7個以上の鎖状及び/又は脂環式アルカンジオール類のジ(メタ)アクリルエステルからなる重合性ビニルモノマーを使用することを特徴とする。
本発明で使用する好適な光重合性ビニルモノマーとして、具体的には1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘサンジメンタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、水添ビフェノールジ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
中でも1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレートを使用した場合には、優れた感度と解像力が得られると共に乾燥塗膜の加温時のタックフリー性が格段に向上する。又、貯蔵安定性に優れた組成物が得られる。
【0020】
ところで、各種アクリルエステル類については、一般に皮膚刺激性が強い性質を有するために、危険有害性の面から皮膚刺激性の弱いものを選択して使用することが望まれている。
化学物質の皮膚刺激性の評価基準としては、PII値(Primary Irritation Index)が使用されており、このPII値は0から8までの数値で下記のように分類されている。
中でも、米国OSHAではPIIが5を越えるものを刺激性物質に指定している。
【0021】
上記の炭素数7以上のアルカンジオール類のジ(メタ)アクリレート類は一般に皮膚刺激性が弱いとされている。例えば、炭素数5及び6のアルカンジオールから誘導されるネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートのPII値が5〜6であるのに対し、炭素数9及び12のアルカンジオールから誘導される1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンのPII値はそれぞれ1.9及び2.5である。
このように本発明で使用するジアクリレート類は皮膚刺激性が低いため、人体に対する危険有害性はより少ない。
【0022】
本発明の組成物における上記ジ(メタ)アクリレートの配合量は当該変性重合体(A)100重量部に対して0.1〜25重量部が好適である。
上記ジ(メタ)アクリレートの配合量が25重量部を越えると、乾燥塗膜のタックフリー性、アルカリ水溶液による現像性が劣るという問題が生じる。
一方、0.1重量部以下になると、感度と解像力が劣り、実用に耐えないレベルとなる。
【0023】
本発明組成物の調製には不活性有機溶媒(C)を使用するが、かかる不活性溶媒として、危険有害性の比較的少ないとされるプロピレングリコールモノアルキルエーテル類及び/又はジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類を使用することを特徴としている。
即ち、本発明においては、当該組成物の取り扱い作業時における安全衛生に配慮した安全溶媒を使用することを特徴としている。
例えば、各種組成物の調製において、代表的なエチレングリコール系溶媒であるエチルセロソルブは、皮膚から体内に吸収され易いためその許容濃度は5ppmと小さく、又急性毒性はラット経口でLD50=3g/Kgであり、労働衛生法18条の名称等を表示すべき有害物質に該当する。これに対して、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルは皮膚刺激性が少なく、LD50=6.6g/Kgであり、労働安全衛生法に該当しない溶媒である。
【0024】
本発明で使用する不活性有機溶媒としては、具体的にはプロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、並びにジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類が例示できる。
これらの溶媒は単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
変性共重合体(A)を含む当該組成物は、光重合開始剤を配合することによって本発明の光硬化性樹脂組成物となる。
光重合開始剤(D)としては、ハロメチルオキサゾール系化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物、オニウム塩、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、キサントン類、アセトフェノン誘導体、アジド等種々のものが使用できる。
より具体的には、ハロメチルオキサゾール系化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0026】
また、ハロメチル−s−トリアジン化合物としては、特にトリハロメチル−s−トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−フェニルスチリル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジ、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニル−s−トリアジン、2〔2′(5″−メチルフリル)エチリデン)エチリデン〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2(2′−フリルエチリデン)−4,6−(トリクロロメチル)−s−トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン等が挙げられる。
【0027】
また、ベンゾインエーテル類としては、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン類としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、ミヒラースケトン、o−ベンゾイルメチルベンソエート等が挙げられる。キサントン類としては、例えば、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−アルキルチオキサントン、2,4−ジアルキルチオキサントン等が挙げられる。
【0028】
アセトフェン誘導体としては、例えばアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。アジドとしては、例えば4,4′−ジアジドスチルベン、4,4′−ジアジドスチルベン−2,2−ジスルホン酸−N,N−ジエチレンオキシエチルアミド、p−アジドベンザルアセトフェノン、アジドカルコン等が挙げられる。
【0029】
オニウム塩としては、種々のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩が挙げられ、具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、α−ナフチルメチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(又はヘキサフルオロアンチモネート)、ジフェニル−t−ブチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルメトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(又はヘキサフルオロアンチモネート、又はテトラフルオロボレート)、メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、アミノフェニルベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、ピレンジアゾニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数組み合わせてもよい。
【0030】
本発明の組成物では、変性重合体(A)との組み合わせにおいて、画像形成性という点では、光重合開始剤として4−ジメチルアミノ安息香酸エチル[日本化薬(株) カヤキュアEPA)、2,4−ジエチルチオキサントン[日本化薬(株) カヤキュアDETX]及び2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン[チバスペシャルティーケミカル(株)製 イルガキュア369]の3種類を混合して用いるのがよい。
また、本発明においては、感度向上のために増感剤を組合わせて用いてもよい。
【0031】
増感剤としては、2−ニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、ベンズアンスロン、ピクラミド、1,2−アンスラキノン、1,1−クロロ−6−ヒドロキシベンズアンスロン、フェナンスラキノン、4−(4−ブトキシフェニル)−2,6−ジフェニルチオピリリウムパークレート等が例示できる。
更には、本発明の光硬化性樹脂組成物には、その他の添加剤としてこの種の分野で慣用されている熱重合禁止剤、レベリング剤、シリコーン系又は弗素系消泡剤、酸化防止剤、フィラー、着色顔料、着色染料などを活性エネルギー線による硬化を阻害しない程度で添加することができる。
【0032】
本発明の組成物を用いて被膜を形成する方法は、以下のように実施される。
ガラス、プラスチック、金属(亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、又はこれらの合金)などの基板或いは金属蒸着板に、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、スクリーン印刷機、カーテンコーター、エアースプレー、バーコーター、ナイフコーター、スピンコーター、刷毛、浸漬(ディップ)塗装機等を用いて当該組成物を塗布する。前記基板は加熱処理、表面研磨、エッチング又は薬剤などで表面処理して、特性の改良を施してもよい。又、本発明組成物と基板間の密着性を改良するために、前記組成物に密着性促進剤を含めてもよく、例えばシランカップリング剤を配合してもよい。
【0033】
膜厚は応用分野によって異なるが、通常1〜70μmの範囲とするとよい。次いで、得られた塗布物を室温又は温風ヒーター中で乾燥させて塗着膜を形成させる。加熱温度は前記組成物及び基板の劣化が起こらない温度、例えば150℃まで加熱することができる。
得られた塗着膜にネガマスクを介して、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を使用して活性エネルギー線を照射して露光を行う。次いで、スプレーガン、浸漬法又はパッド法等で現像し、乾燥塗膜で1〜70μmのレジストパターンを形成する方法が採用される。
次いで、アルカリによって現像処理される。
【0034】
本発明の光硬化性樹脂組成物で形成した塗着膜の現像には、希アルカリ水溶液が用いられる。前記希アルカリ水溶液のアルカリ成分としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩等の無機塩基、ピロリン酸塩、ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン、ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアンモニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド類、並びにこれらアルカリ成分と緩衝液の混合液が挙げられる。これらの1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0035】
現像用の希アルカリ水溶液のアルカリ成分の使用量は、希アルカリとなる程度であればよく特に限定されない。例えば、希アルカリ水溶液として通常0.5〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
上記の如く、現像処理したレジストパターン塗膜は更に必要に応じて100〜200℃の温度で10分〜3時間程度のポストベークが施される。これにより塗膜の重合硬化を更に進行させ耐熱性、耐エッチング性、密着性、タックフリー性を向上させることができる。
【0036】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、フォトレジスト、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、ドライフィルムレジスト、刷版等に使用されるが、エッチングレジストとして使用する場合には、前記のように基板上に形成されたレジストパターンをエッチング液で処理して、基板に所望のパターンを転写形成させる。
エッチング液としては、特に限定されないが、通常塩化第二鉄、塩化第二銅などの水溶液が用いられる。
エッチング処理終了後、次いでアルカリ水溶液を用いて塗膜の剥離処理が行われる。剥離処理は、5〜10%苛性ソーダ水溶液を60℃以上に加熱して処理すれば、容易に剥膜できる。
【0037】
又、ドライフィルムレジストとして使用する場合には、本発明の光硬化性樹脂組成物をポリエチレン、ポリエステル等の可撓性フィルム上にアプリケーター、バーコーター、ロールコーター、カーテンコーター等を使用して10〜100μmに塗布した後乾燥して感光性樹脂層を形成し、その上に離型フィルムを重ね合わせてドライフィルムレジストとする。前記離型フィルムとしては通常ポリエチレンフィルム等が使用される。又、レジスト塗布用のベースフィルムとしては、ポリエステルフィルム等が使用される。
上記ドライフィルムの使用方法としては、常法に従い、先ずドライフィルムレジストから離型フィルムを剥ぎ取り、露出した感光性樹脂層を加熱した基板面に重ね合わせ、次いで所定のネガマスクを該感光性樹脂被膜の上に重ね合わせ、露光、現像及び乾燥処理を行う方法によって画像等を有する刷版等の目的物を得ることができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0039】
<測定項目とその測定方法>
(1)タック性能
10×10cmサイズのガラス基板上にホエラー塗布装置を用いて試験に供する感光液を塗布した。次いで、感光液を塗布したガラス基板を80℃のホットプレート上で10分間プレベークした。
次にこのサンプル(塗布ガラス基板)を50℃に保ったホットプレートに塗布面が上になるように置き、その塗布面上に上記と同じサイズのガラス板を重ね合わせ、その上に荷重2Kgの重りを載せ10分間放置した。その後、レジスト被膜とガラス板との粘着力、即ち上下2枚のガラス板を剥がすのに要する力を評価し、これを加温時のタックフリー性の尺度とした。
上記加温時のタックフリー性能は、次の基準で評価した。
○:タックがない。(力をかけなくとも容易に剥離できる)
△:タックがややある。(力を少しかけると剥離できる)
×:タックがある。(力をかなりかけても剥離できない)
【0040】
(2)残膜率
現像前の膜厚と現像後の膜厚を重量法で測定した。
○:現像前の90%以上の膜厚を有していた。
△:現像前の85〜90%の膜厚を有していた。
×:現像前の85%未満の膜厚しか有していなかった。
(3)現像時間
現像は液温25℃の1%炭酸ナトリウム水溶液で行い、未露光部分の塗膜を全て溶解するまでの時間を現像時間とした。
尚、本発明に希アルカリ水溶液に可溶とは、この現像時間が2分以内を意味する。
現像性は次の基準で評価した。
○:2分未満で現像可能
△:2〜5分で現像可能
×:5分を越える現像時間が必要
【0041】
(4)感度
感度はKodak Photographic Step Tablet No.2を用いて評価し、グレースケール感度即ち段数で表示した。
この段数が高いほど高感度であることを示す。
(5)解像度
ネガとポジタイプの解像力チャートを用いて測定した。テストパターンの線幅5、10、15、20、25、30、40・・・・・500μmのラインが明確に解像されている下限値を求めた。
この値が低いほど解像度がよいことを示す。
【0042】
(6)密着性
得られたレジスト塗膜について、JIS D−O20試験法に準じてセロハンテープによるピーリング試験を行ない、剥離の発生を観察した。
評価基準は次の通りである。
○:密着性良好 100/100
△:密着性やや劣る 50/100〜99/100
×:密着性劣る 0/100〜49/100
(7)耐エッチング液性能
ポストベークした後、液温50℃の45°Be塩化第二鉄水溶液で5分間スプレーエッチングを行った。その後、塗膜のパターンをSEM写真及び目視で観察した。
耐エッチング液性は次の評価基準で行った。
○:塗膜に変化が見られない
△:僅かに塗膜に光沢がなくなる
×:光沢がなく、塗膜に侵食が見られる
【0043】
(8)光硬化性樹脂組成物の経日安定性
室温、暗所で30日間 経日テストを行ない、その間の組成物の粘度変化を追跡した。
○:組成物に粘度変化は見られない
△:組成物に少し粘度上昇が見られる
×:組成物にかなりの粘度上昇が見られる
(9)乾燥塗膜の経日安定性
25℃のオーブン中に、プレベーク処理した乾燥塗布基板を60日間置き、その間の感度変化をコダック社製ステップタブレットNo.2を用いて追跡した。
当該安定性は次の基準を用いて行った。
○:グレースケール感度が0.5段未満低下
△:グレースケール感度が0.5以上〜1.0段未満の範囲で低下
×:グレースケール感度が1.0段以上低下
【0044】
合成例1: ポリマーI
メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体の(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート付加物(ポリマーI)の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモノメチルエーテル250gとt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gを仕込み、95℃に昇温した後、メタクリル酸170g,メタクリル酸メチル130g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル250g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合物を4時間かけて滴下した。更に、5時間熟成させることにより、カルボキシル基を有するメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体溶液を得た。
次に、酸素7%−窒素93%の混合ガスを通しながら、この樹脂溶液に(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート(ダイセル化学工業(株)製[サイクロマーM100])200g、トリフェニルホスフィン2g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gを添加して、100℃で19時間付加反応させることにより変性共重合体(ポリマーI)溶液を得た。
このポリマーIの樹脂物性を測定したところ、次の通りであった。
酸価:105mgKOH/g,二重結合当量:490g/mol
重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算):13,500
【0045】
合成例2: ポリマーII
メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のグリシジルメタクリレート付加物(ポリマーII)の合成
前記合成例1で得られたメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂溶液に、グリシジルメタクリレート150g、トリフェニルホスフィン2g及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gを加えて、100℃で15時間付加反応させることにより変性共重合体(ポリマーII)溶液を合成した。尚、反応は酸素7%−窒素93%の気流下で行った。
このポリマーIIの樹脂物性は次の通りであった。
酸価:120mgKOH/g,二重結合当量:440g/mol
重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算):12,000
【0046】
合成例3: ポリマーIII
メタクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸n−ブチル共重合体(20:40:40)(ポリマーIII )の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル460gとt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10gを仕込み、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸65g、メタクリル酸メチル140g、メタクリル酸ブチル199g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル280g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合液を4時間かけて滴下し、更に5時間熟成することにより、カルボキシル基含有アクリル樹脂(ポリマーIII )溶液を合成した。
尚、反応は窒素気流下で行った。
このポリマーIII の樹脂物性は次の通りであった。
酸価:110mgKOH/g,重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算):31,000
【0047】
合成例4: ポリマーIV
メタクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸ベンジル共重合体(20:40:40)(ポリマーIV)の合成
前記合成例3において、メタクリル酸n−ブチルの代わりにメタクリル酸ベンジル247gを添加して、合成例3と同様に反応させることによりカルボキシル基含有アクリル樹脂(ポリマーIV)溶液を合成した。
このポリマーIVの樹脂物性は次の通りであった。
酸価:105mgKOH/g,重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算):38,000
【0048】
実施例1〜8
(1)感光液の調製
表1に示す各成分の所定量を攪拌器付きフラスコに秤取し、十分攪拌混合して溶解した。次いで、この溶解液中のパーテイクルを除去するために、該溶解液を絶対口径0.6μmのフィルタ−を通して精密濾過し、光硬化性樹脂組成物(以下感光液と称する)をそれぞれ調製した。これらの感光液を以下の試験に供した。
尚、変性共重合体(A)として、アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体の(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート付加物については、ダイセル化学工業製のサイクロマ−Pを使用した。
尚、使用したサイクロマ−Pの銘柄はACA−200、ACA−200M及びACA−210Pである。
【0049】
(2)基板の脱脂
42合金(42Ni−Fe合金)板を60℃の日本表面処理(株)製ジャスコクリーンNo.5水溶液に2分間浸漬してアルカリ脱脂を行った。次いで水洗・乾燥処理した。これを以下の評価試験に供した。
(3)感光液の塗布及びプレベーク
上記(1)で調製した感光液を上記(2)の42合金基板にホワラー塗布装置を用いてレジスト膜厚が約10μmになるように塗布した。塗布後、塗布板を更に乾燥するため3分間回転を続けた。次いで、80℃に温度調整された熱風恒温乾燥器中に前記塗布板を10分間入れ、プレベーク処理を行った。
【0050】
(4)露光
プレベーク処理した基板の塗布面に解像力チャート(テストパターン)とコダック社製ステップタブレットNo.2を真空密着させながら、1Kw超高圧水銀灯を用いて距離1mにて2分間露光した。
(5)現像
前記(4)の露光した基板を25℃の0.5%炭酸ナトリウム水溶液中に通常60〜80秒間浸漬してバット現像した。その後、水洗処理をした。
【0051】
(6)ポストベーク
150℃に温度調整された熱風恒温乾燥機中に前記(5)のパターンが形成された基板を10分間入れて、ポストベーク処理を行った。
(7)エッチング試験
上記(6)でポストベーク処理した基板を45°Be′塩化第二鉄水溶液を用いて50℃で5分間スプレーエッチングを行った。
【0052】
上記各工程において、必要に応じて前記タックフリー性などの各測定項目について試験を行った。これらの結果を表2に纏めた。
【0053】
注:
*1,2,3)ダイセル化学工業製サイクロマ−P(溶媒DPM,固形分濃度48%)
*4)1,9−ノナンジオールジアクリレート
*5)1,10−デカンジオールジアクリレート
*6)日本化薬製 4−ジメチル安息香酸エチル
*7)日本化薬製 2,4−ジエチルキサントン
*8)チバスペシャルティケミカルズ製 2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン
*9)プロピレングリコールモノメチルエーテル
*10)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0054】
【0055】
実施例9〜11
実施例2において、1,9−ノナンジオールジアクリレートを
ジメチロールトリシクロドデカンジアクリレート(実施例9)、
シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(実施例10)及び
水添ビスフェノールFジアクリレート(実施例11)にそれぞれ代えて実施例2と同じ配合比で感光液を調製し、評価試験を行った。結果を表3に纏めた。
【0056】
比較例1
実施例2において、1,9−ノナンジオールジアクリレートの配合量のみを72重量部に増加させて感光液を調製し、評価試験を行った。尚、これらの配合量はACA−200M中の固形分即ち変性重合体(A)に対して30%の配合比率に相当する。結果を表4に纏めた。
比較例2
実施例2において、1,9−ノナンジオールジアクリレートを配合せずに感光液を調製して、評価試験を行った。結果を表4に示した。
【0057】
比較例3〜5
実施例2において、サイクロマ−P「ACA−200M」の代わりに別途合成したポリマーII、III 及びIVを用いて実施例2と同じ配合比で感光液を調製し、評価試験を行った。結果を表4に示した。
比較例6〜8
実施例2において、1,9−ノナンジオールジアクリレートの代わりに1,4−ブタンジオールジアクリレート(比較例6)、ネオペンチルグルコールジアクリレート(比較例7)及びトリメチロールプロパントリアクリレート(比較例8)をそれぞれ用いて実施例2と同じ配合比で感光液を調製し、評価試験を行った。結果を表4に示した。
【0058】
実施例12〜15
実施例2において、1,9−ノナンジオールジアクリレートの代わりに1,9−ノナンジオールジメタクリレート(実施例12)、1,10−デカンジオールジメタクリレート(実施例13)、ジメチロールトリシクロドデカンジメタクリレート(実施例14)及びシクロヘキサンジメタノールジメタクリレート(実施例15)をそれぞれ用いて実施例2と同じ配合比で感光液を調製し、評価試験を行った。結果を表3に示した。
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の効果】
本発明のアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物に通常要求される感度、解像力、耐エッチング性、密着性等の各種の特性に優れ、且つ加温時のタックフリー性が抜本的に改善されることから、銅配線パターン、ICリードフレーム等のエッチング用レジスト、ドライフィルムレジスト、ソルダレジスト等の多種類の用途に対して工業的に有利に使用できる。
又、本発明の光硬化性樹脂組成物は、人体に対して危険有害性の小さい低毒性成分から構成されており、作業環境及び自然環境に悪影響を与えることなく使用できる。
Claims (5)
- 下記(A)、(B)、(C)及び(D)を必須成分としてなることを特徴とする希アルカリ水溶液で現像可能な光硬化性樹脂組成物。
(A)下記一般式(I)で示されるカルボキシル基を有するセグメントを含む共重合体(I)に一分子中に一個以上のビニル基とエポキシ基を有する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(II)を開環付加反応させて得られる側鎖にビニル基とカルボキシル基を有する変性重合体。
一般式(I)
(B)炭素数7以上の鎖状及び/又は環状構造を有するアルカンジオール類のジ(メタ)アクリレートからなる光重合性ビニルモノマー。
(C)プロピレングリコール及び/又はジプロピレングリコール及び/又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル及び/又はジプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる不活性有機溶媒。
(D)光重合開始剤。 - 側鎖にビニル基とカルボキシル基を有する変性共重合体(A)が、カルボキシル基を有するセグメントを含む共重合体(I)に(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート或いは(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレートから選択されるエポキシ基含有不飽和化合物(II)を開環付加反応させて得られる下記一般式(II)で示される側鎖にカルボキシル基とビニル基を有する変性共重合体(A)であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物。
一般式(II)
- 変性共重合体(A)の酸価が50〜150mgKOH/g、二重結合当量が667〜333g/mol(不飽和基1.5〜3.5モル/樹脂1,000g)、重量平均分子量(Mw)が5,000〜20,000であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物。
- 光重合性ビニルモノマー(B)として、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートの1種又は2種以上の混合物を配合せしめることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物。
- 光重合性ビニルモノマー(B)を変性共重合体(A)100重量部に対して0.1〜25重量部配合せしめることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型光硬化性樹脂組成物。
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