JP2002287293A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2002287293A JP2001086161A JP2001086161A JP2002287293A JP 2002287293 A JP2002287293 A JP 2002287293A JP 2001086161 A JP2001086161 A JP 2001086161A JP 2001086161 A JP2001086161 A JP 2001086161A JP 2002287293 A JP2002287293 A JP 2002287293A
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Tomoyuki Ozeki
智之 大関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低カブリで保存性がよく、さらに高感度、高
Dmax(最高濃度)および高色調を満たし、現像時の
温度および温度依存性の小さい医療診断用画像に最適な
熱現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体の一方面上に、非感光性有機銀
塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンのための還元剤、お
よびバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感
光材料であって、下記一般式(1)で表される化合物を
含有し、かつ、露光後に121℃、24秒の条件下で熱
現像したときの現像銀の90%以上が現像後の前記感光
性ハロゲン化銀粒子に接触していることを特徴とする熱
現像感光材料。 【化1】 [式中、XはN、S、P、SeまたはTeの少なくとも
1つの原子を有するハロゲン化銀吸着基または光吸収基
を表す。LはC、N、S、Oの少なくとも1つの原子を
有するk+n価の連結基を表す。Aは電子供与基を表
し、Bは脱離基または水素原子を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
するものである。詳細には、写真性能、画像保存性にも
優れた、高感度で色調に優れた熱現像感光材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療診断用フィルム分野や写真製
版フィルム分野において環境保全、省スペースの観点か
ら処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザ
ー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーに
より効率的に露光させることができ、高解像度および鮮
鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医
療診断用フィルムおよび写真製版用フィルムとして熱現
像感光材料に関する技術が必要とされている。これら熱
現像感光材料によれば、溶液系の処理化学薬品を必要と
せず、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システム
を顧客に対して供給することができる。
【0003】一般の画像形成材料の分野でも同様の要求
はあるが、特に医療診断用画像は微細な描写が要求され
るため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるう
え、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特
徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真
など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが
一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画
像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】一方、有機銀塩を利用した熱画像形成シス
テムが、例えば、米国特許3152904号明細書、同
3457075号明細書およびD.クロスタボーア(K
losterboer)著「熱によって処理される銀シ
ステム(ThermallyProcessed Si
lver Systems)」(イメージング・プロセ
ッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging P
rocessesand Materials)Neb
lette第8版、J.スタージ(Sturge)、
V.ウオールワース(Walworth)、A.シェッ
プ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989
年)に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般
に、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、還
元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、必要によ
り銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリッ
クス中に分散した感光性層(画像形成層)を有してい
る。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80
℃以上)に加熱し、還元可能な銀塩(酸化剤として機能
する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀
画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロ
ゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのた
め、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。米国特許
2910377号明細書、特公昭43−4924号公報
をはじめとする多くの文献に開示されている。
【0005】熱現像感光材料は処理剤を必要とせず、か
つ多量の廃材も排出することがない。このため、近年重
視されてきている環境への負荷が少ない優れたシステム
として熱現像感光材料は市場で広がりを見せている。ま
た、特に医療診断用画像は微細な描写が要求されるため
鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断
のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴があ
り、低カブリで保存性がよく、さらに高感度、高Dma
x(最高濃度)および高色調を満たし、現像時の温度お
よび温度依存性の小さい医療用診断用画像に最適な熱現
像感光材料を提供することが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点に鑑みて、本発明は、低カブリで保存性がよく、さ
らに高感度、高Dmax(最高濃度)および高色調を満
たし、現像時の温度および温度依存性の小さい医療診断
用画像に最適な熱現像感光材料を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、画像形成層に使用する材料を選択して組み
合わせることによって、所期の効果を示す熱現像感光材
料を提供しうることを見出し、本発明に到達した。すな
わち本発明は、 <1> 支持体の一方面上に、非感光性有機銀塩、感光
性ハロゲン化銀、銀イオンのための還元剤、およびバイ
ンダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料で
あって、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、
かつ、露光後に121℃、24秒の条件下で熱現像した
ときの現像銀の90%以上が現像後の前記感光性ハロゲ
ン化銀粒子に接触していることを特徴とする熱現像感光
材料である。
【0008】
【化2】 [式中、XはN、S、P、SeまたはTeの少なくとも
1つの原子を有するハロゲン化銀吸着基または光吸収基
を表す。LはC、N、S、Oの少なくとも1つの原子を
有するk+n価の連結基を表す。Aは電子供与基を表
し、Bは脱離基または水素原子を表し、A−Bは酸化
後、脱離または脱プロトンされてラジカルA’を生成す
る。kは0〜3を表し、mは0または1を表し、nは1
もしくは2を表す。ただし、k=0かつn=1の場合は
m=0である。]
【0009】<2> 前記画像形成層は、下記一般式
(D)で表される化合物を含有することを特徴とする<
1>の熱現像感光材料である。 一般式(D) Q1−NHNH−Q2 [一般式(D)において、Q1は炭素原子で−NHNH
−Q2と結合する芳香族基またはヘテロ環基を表し、Q2
はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基または
スルファモイル基を表す。]
【0010】<3> 前記一般式(D)で表される化合
物において、Q2がカルバモイル基であることを特徴と
する<2>の熱現像感光材料である。
【0011】なお、本明細書において「〜」はその前後
に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として
含む範囲を示す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の熱現像感
光材料について詳細に説明する。本発明の熱現像感光材
料は、支持体の一方面上に、非感光性有機銀塩(以下
「有機銀塩」という場合がある。)、感光性ハロゲン化
銀、銀イオンのための還元剤及びバインダーを含有する
画像形成層を有する。その特徴は、一般式(1)で表さ
れる化合物を含有している点にある。このような条件を
満たす本発明の熱現像感光材料は、低カブリで保存性が
よく、さらに高感度、高Dmax(最高濃度)および高
色調を満たし、現像時の温度および温度依存性が小さい
という利点を有する。
【0013】また、本発明の熱現像感光材料は、露光後
に121℃、24秒の条件下で熱現像したときの現像銀
の90%以上が現像後の上記感光性ハロゲン化銀粒子に
接触していることが必要である。本発明の熱現像感光材
料は、このような条件を満たすことで、出力した画像の
銀色調が冷黒調になるという利点を有するため、医療診
断用画像として最適に用いることができる。ここで、
「現像銀」とは、上記熱現像感光材料を熱現像すること
によって上記非感光性有機銀塩として生成する銀を意味
する。上記現像後のハロゲン化銀の粒子に接触している
現像銀の割合は、以下のようにして求めることができ
る。露光および熱現像された本発明の熱現像感光材料の
Dmax部分を、支持体面と垂直な方向にダイヤモンド
ナイフを用いて切断し超薄切片を作製する。該超薄切片
の厚さは0.1〜0.2μmであり、縦横の長さは任意
のサイズでよい。次いで、該超薄切片をメッシュ上に載
せ、透過型電子顕微鏡によって観察し、ハロゲン化銀の
粒子に接触している現像銀の個数(x)と、ハロゲン化
銀の粒子に接触していない現像銀の個数(y)とをそれ
ぞれカウントし、全ての現像銀の個数(x+y)に対す
るハロゲン化銀の粒子と接触している現像銀の個数の比
(100x/(x+y))を求めることによって上記割
合を算出できる。以下において、本発明の熱現像感光材
料に使用する材料について順に説明する。
【0014】まず、本発明の熱現像感光材料に用いる一
般式(1)で表わされる化合物について説明する。一般
式(1)中、XはN、S、P、SeまたはTeの少なく
とも1つの原子を有するハロゲン化銀吸着基または光吸
収基を表す。好ましいXは、N、S、P、SeまたはT
eの少なくとも1つの原子を有し、銀イオンリガンド構
造を有するハロゲン化銀吸着基である。銀イオンリガン
ド構造を有するハロゲン化銀吸着基として、例えば以下
の一般式で表される基を挙げることができる。
【0015】一般式(X−1) −G1−Z1−Y1 式中、G1は2価の連結基であり、置換もしくは無置換
のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ア
リーレン基、SO2基または2価のヘテロ環基を表す。
1は、S、SeまたはTe原子を表す。Y1は水素原子
またはZ1の解離体となった場合に必要な対イオンとし
て、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオ
ンおよびアンモニウムイオンを表す。
【0016】一般式(X−2a)、(X−2b)
【化3】
【0017】一般式(X−2a)、(X−2b)で表さ
れる基は5〜7員のヘテロ環または不飽和環を有してい
る。Zaは、O、N、S、SeまたはTe原子を表し、
1は0〜3を表す。Y2は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。
【0018】一般式(X−3) ―Y3―(Z2)n2―Y4 式中、Z2はS、SeまたはTe原子を表し、n2は1〜
3を表す。Y3は2価の連結基であり、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または
2価のヘテロ環基を表す。Y4はアルキル基、アリール
基またはヘテロ環基を表す。
【0019】一般式(X−4)
【化4】
【0020】式中、Y5およびY6は各々独立してアルキ
ル基、アルケニル基、アリーレン基またはヘテロ環基を
表す。
【0021】一般式(X−5a)、(X−5b)
【化5】
【0022】式中、Z3は、S、SeまたはTe原子を
表し、E1は水素原子、NH2、NHY10、N
(Y102、NHN(Y102、OY10またはSY10を表
す。E2は2価の連結基であり、NH、NY10、NHN
10、OまたはSを表す。Y7、Y8およびY9は各々独
立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール
基またはヘテロ環基を表し、Y8とY9は互いに結合して
環を形成していてもよい。Y10は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基を表
す。
【0023】一般式(X−6a)、(X−6b)
【化6】
【0024】式中、Y11は2価の連結基であり、アルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アルーレン
基または2価のヘテロ環基を表す。G2およびJは各々
独立して、COOY12、SO212、COY12、SOY
12、CN、CHOまたはNO2を表す。Y12はアルキル
基、アルケニル基またはアリール基を表す。
【0025】一般式(X−1)について詳細に説明す
る。式中、G1で表される連結基としては、それぞれ炭
素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖または分岐の
アルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメ
チレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメ
チレン基、3−オキサペンチレン基、2−ヒドロキシト
リメチレン基)、炭素数3〜18の置換もしくは無置換
の環状アルキレン基(例えばシクロプロピレン基、シク
ロペンチレン基、シクロへキシレン基)、炭素数2〜2
0の置換もしくは無置換のアルケニレン基(例えばエテ
ン基、2−ブテニレン基)、炭素数2〜10のアルキニ
レン基(例えばエチニレン基)、炭素数6〜20の置換
もしくは無置換のアリーレン基(例えば無置換p−フェ
ニレン基、無置換2,5−ナフチレン基)が挙げられ
る。
【0026】式中、G1で表されるSO2基としては、−
SO2−基の他に、炭素数1〜10の置換もしくは無置
換の直鎖または分岐のアルキレン基、炭素数3〜6の置
換もしくは無置換の環状アルキレン基あるいは炭素数2
〜10のアルケニレン基と結合した−SO2−基が挙げ
られる。
【0027】式中、G1で表される2価のヘテロ環基と
しては、無置換もしくはアルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、ヘテロ環基で置換されたもの、ベン
ゾ縮合またはナフト縮合されたもの(例えば、2,3−
テトラゾールジイル基、1,3−トリアゾールジイル
基、1,2−イミダゾールジイル基、3,5−オキサジ
アゾールジイル基、2,4−チアゾールジル基、1,5
−ベンゾイミダゾールジイル基、2,5−ベンゾチアゾ
ールジイル基、2,5−ベンゾオキサゾールジイル基、
2,5−ピリミジンジイル基、3−フェニル−2,5−
テトラゾールジイル基、2,5−ピリジンジイル基、
2,4−フランジイル基、1,3−ピペリジンジイル
基、2,4−モルホリンジイル基)が挙げられる。
【0028】上記式中、G1で表されるアルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、SO
2基または2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよ
い。採りうる置換基について以下に説明するが、本明細
書では以下に説明する置換基を「置換基Y」と称する。
置換基としては、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えばメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、t
ert−ブチル基)、アルケニル基(例えばアリル基、
2−ブテニル基)、アルキニル基(例えばプロパルギル
基)、アラルキル基(例えばベンジル基)、アリール基
(例えばフェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル
基)、ヘテロ環基(例えばピリジル基、フリル基、イミ
ダゾリル基、ピペリジニル基、モルホリル基)、アルコ
キシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
2−エチルヘキシルオキシ基、エトキシエトキシ基、メ
トキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えばフェノ
キシ基、2−ナフチルオキシ基)、アミノ基(例えば無
置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルアミノ
基、アニリノ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルア
ミノ基、ベンゾイルアミノ基)、ウレイド基(例えば無
置換ウレイド基、N−メチルウレイド基)、ウレタン基
(例えばメトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカル
ボニルアミノ基)、スルホニルアミノ基(例えばメチル
スルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基)、
スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスル
ファモイル基)、カルバモイル基(例えば無置換カルバ
モイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェ
ニルカルバモイル基)、スルホニル基(例えばメシル
基、トシル基)、スルフィニル基(例えばメチルスルフ
ィニル基、フェニルスルフィニル基)、アルキルオキシ
カルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば
フェノキシカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル
基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基)、アシ
ルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ
基)、リン酸アミド基(例えばN,N−ジエチルリン酸
アミド基)、シアノ基、スルホ基、チオスルホン酸基、
スルフィン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホ
ノ基、ニトロ基、アンモニオ基、ホスホニオ基、ヒドラ
ジノ基、チアゾリノ基が挙げられる。また、置換基が2
つ以上ある時はそれらは同じでも異なっていてもよく、
置換基はさらに置換基を有していてもよい。
【0029】一般式(X−1)の好ましい例を示す。好
ましい一般式(X−1)としては、G1は炭素数6〜1
0の置換もしくは無置換のアリーレン基、無置換もしく
はアルキレン基またはアリーレン基と結合された、もし
くはベンゾ縮合またはナフト縮合された5〜7員のヘテ
ロ環基が挙げられる。Z1としてはS、Seが挙げら
れ、Y1としては、水素原子、ナトリウムイオン、カリ
ウムイオンが挙げられる。さらに好ましくは、G1は、
炭素数6〜8の置換もしくは無置換のアリーレン基、ア
リーレン基と結合された、またはベンゾ縮合された5〜
6員のヘテロ環基であり、最も好ましくは、アリーレン
基と結合された、もしくはベンゾ縮合された5〜6員の
ヘテロ環基である。さらに好ましいZ1はSであり、Y1
は、水素原子、ナトリウムイオンである。
【0030】一般式(X−2a)および(X−2b)に
ついて詳細に説明する。式中、Y2で表されるアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基としては、炭素数1〜
10の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ter
t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヒドロキ
シエチル基、1−ヒドロキシエチル基、ジエチルアミノ
エチル基、n−ブトキシプロピル基、メトキシメチル
基)、炭素数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキ
ル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基)、炭素数2〜10のアルケニル基(例
えばアリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基)、
炭素数2〜10のアルキニル基(例えばプロパルギル
基、3−ペンチニル基)、炭素数6〜12のアラルキル
基(例えばベンジル基)等が挙げられる。アリール基と
しては、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリー
ル基(例えばヒドロキシフェニル基、4−メチルヒドロ
キシフェニル基)等が挙げられる。上記Y2はさらに置
換基Y等を有してもよい。
【0031】一般式(X−2a)および(X−2b)の
好ましい例を示す。式中、好ましくはY2が水素原子、
炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素
数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基であり、
ZaはO、NまたはSであり、n1が1〜3である。さ
らに好ましくは、Y2が水素原子および炭素数1〜4の
アルキル基であり、ZaはNまたはSであり、n1が2
もしくは3である。
【0032】次に一般式(X−3)について詳細に説明
する。式中、Y3で表される連結基としては、それぞれ
炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖または分岐
のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリ
メチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、ヘ
キサメチレン基、3−オキサペンチレン基、2−ヒドロ
キシトリメチレン基)、炭素数3〜18の置換もしくは
無置換の環状アルキレン基(例えばシクロプロピレン
基、シクロペンチニレン基、シクロへキシレン基)、炭
素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニレン基
(例えばエテン基、2−ブテニレン基)、炭素数2〜1
0のアルキニレン基(例えばエチニレン基)、炭素数6
〜20の置換もしくは無置換のアリーレン基(例えば無
置換p−フェニレン基、無置換2,5−ナフチレン基)
が挙げられ、ヘテロ環基としては、無置換もしくはアル
キレン基、アルケニレン基、アリーレン基、およびさら
にヘテロ環基が置換されたもの(例えば2,5−ピリジ
ンジイル基、3−フェニル−2,5−ピリジンジイル
基、1,3−ピペリジンジイル基、2,4−モルホリン
ジイル基)が挙げられる。
【0033】式中、Y4で表されるアルキル基として
は、炭素数1〜10の置換もしくは無置換の直鎖、また
は分岐のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソ
プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert
−ブチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オ
クチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル
基、ジエチルアミノエチル基、ジブチルアミノエチル
基、n−ブトキシメチル基、メトキシメチル基)、炭素
数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキル基(例え
ばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基)が挙げられ、アリール基としては、炭素数6〜1
2の置換もしくは無置換のアリール基(例えば無置換フ
ェニル基、2−メチルフェニル基)が挙げられる。ヘテ
ロ環基としては、無置換もしくはアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、および、さらにヘテロ環基が置換さ
れたもの(例えばピリジル基、3−フェニルピリジル
基、ピペリジル基、モルホリル基)が挙げられる。上記
4はさらに置換基Y等を有してもよい。
【0034】一般式(X−3)の好ましい例を示す。式
中、好ましくはY3は炭素数1〜6の置換もしくは無置
換のアルキレン基、または炭素数6〜10の置換もしく
は無置換のアリーレン基であり、Y4は炭素数1〜6の
置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜1
0の置換もしくは無置換のアリール基であり、Z2はS
またはSeであり、n2は1〜2である。さらに好まし
くは、Y3は炭素数1〜4のアルキレン基であり、Y4
炭素数1〜4のアルキル基であり、Z2はSであり、n2
は1である。
【0035】次に一般式(X−4)について詳細に説明
する。式中、Y5およびY6で表されるアルキル基、アル
ケニル基としては、炭素数1〜10の置換もしくは無置
換の直鎖、または分岐のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、tert−ブチル基、2−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−
エチルヘキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキ
シエチル基、1−ヒドロキシエチル基、ジエチルアミノ
エチル基、ジブチルアミノエチル基、n−ブトキシメチ
ル基、n−ブトキシプロピル基、メトキシメチル基)、
炭素数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキル基
(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基)、炭素数2〜10のアルケニル基(例えば
アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基)が挙げ
られる。アリール基としては、炭素数6〜12の置換も
しくは無置換のアリール基(例えば無置換フェニル基、
4−メチルフェニル基)が挙げら、ヘテロ環基としては
無置換もしくはアルキレン基、アルケニレン基、アリー
レン基、およびさらにヘテロ環基が置換されたもの(例
えばピリジル基、3−フェニルピリジル基、フリル基、
ピペリジル基、モルホリル基)が挙げられる。上記式
中、Y5およびY6はさらに置換基Y等を有していてもよ
【0036】一般式(X−4)の好ましい例を示す。式
中、好ましくはY5およびY6が炭素数1〜6の置換もし
くは無置換のアルキル基、または炭素数6〜10の置換
もしくは無置換のアリール基である。さらに好ましくは
5およびY6が、炭素数6〜8のアリール基である。
【0037】次に一般式(X−5a)および(X−5
b)について詳細に説明する。式中、E1で表される基
としてはNH2、NHCH3、NHC25、NHPh、N
(CH32、N(Ph)2、NHNHC37、NHNH
Ph、OC49、OPh、SCH 3等が挙げられ、E2
しては、NH、NCH3、NC25、NPh、NHNC3
7、NHNPh等が挙げられる。なお、本明細書にお
いて「Ph」はフェニル基を表す。一般式(X−5a)
および(X−5b)中、Y7、Y8およびY9で表される
アルキル基、アルケニル基としては、炭素数1〜10の
置換もしくは無置換の直鎖または、分岐のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、2−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ter
t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシメ
チル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチ
ル基、ジエチルアミノエチル基、ジブチルアミノエチル
基、n−ブトキシメチル基、n−ブトキシプロピル基、
メトキシメチル基)、炭素数3〜6の置換もしくは無置
換の環状アルキル基(例えば、シクロプロピル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数2〜10の
アルケニル基(例えば、アリル基、2−ブテニル基、3
−ペンテニル基)が挙げられる。アリール基としては、
炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例
えば、無置換フェニル基、4−メチルフェニル基)が挙
げら、ヘテロ環基としては無置換もしくはアルキレン
基、アルケニレン基、アリーレン基、およびさらにヘテ
ロ環基が置換されたもの、(例えば、ピリジル基、3−
フェニルピリジル基、フリル基、ピペリジル基、モルホ
リル基)が挙げられる。Y7、Y8およびY9はさらに置
換基Y等を有していてもよい。
【0038】一般式(X−5a)および(X−5b)の
好ましい例を示す。式中、好ましくはE1はアルキル置
換もしくは無置換のアミノ基またはアルコキシ基であ
り、E2はアルキル置換もしくは無置換のアミノ連結基
であり、Y7、Y8およびY9は炭素数1〜6の置換もし
くは無置換のアルキル基、または炭素数6〜10の置換
もしくは無置換のアリーレン基であり、Z3はSまたは
Seである。さらに好ましくは、E1はアルキル置換も
しくは無置換のアミノ基であり、E2はアルキル置換も
しくは無置換のアミノ連結基であり、Y7、Y8およびY
9は炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基で
あり、Z3はSである。
【0039】次に一般式(X−6a)および(X−6
b)について詳細に説明する。式中、G2およびJで表
される基としてはCOOCH3、COOC37、COO
613、COOPh、SO2CH3、SO249、CO
25、COPh、SOCH3、SOPh、CN、CH
O、NO2等が挙げられる。式中、Y11で表される連結
基としては、それぞれ炭素数1〜20の置換もしくは無
置換の直鎖または分岐のアルキレン基(例えばメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テト
ラメチレン基、ヘキサメチレン基、3−オキサペンチレ
ン基、2−ヒドロキシトリメチレン基)、炭素数3〜1
8の置換もしくは無置換の環状アルキレン基(例えばシ
クロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシ
レン基)、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアル
ケニレン基(例えばエテン基、2−ブテニレン基)、炭
素数2〜10のアルキニレン基(例えばエチニレン
基)、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリーレ
ン基(例えば無置換p−フェニレン基、無置換2,5−
ナフチレン基)が挙げられる。式中、Y11で表される2
価のヘテロ環基としては、無置換もしくはアルキレン
基、アルケニレン基、アリーレン基、またはさらにヘテ
ロ環基が置換されたもの、(例えば2,5−ピリジンジ
イル基、3−フェニル−2,5−ピリジンジイル基、
2,4−フランジイル基、1,3−ピペリジンジイル
基、2,4−モルホリンジイル基)が挙げられる。式
中、Y11はさらに置換基Y等を有していてもよい。
【0040】一般式(X−6a)および(X−6b)の
好ましい例を示す。式中、好ましくはG2およびJが炭
素数2〜6のカルボン酸エステル類およびカルボニル類
であり、Y11が炭素数1〜6の置換もしくは無置換のア
ルキレン基または炭素数6〜10の置換もしくは無置換
のアリーレン基である。さらに好ましくは、G2および
Jが炭素数2〜4のカルボン酸エステル類であり、Y11
が炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキレン基ま
たは炭素数6〜8の置換もしくは無置換のアリーレン基
である。
【0041】Xで表されるハロゲン化銀吸着基の一般式
は、好ましい順に(X−1)、(X−2a)、(X−2
b)、(X−3)、(X−5a)、(X−5b)、(X
−4)、(X−6a)、(X−6b)である。
【0042】次に、一般式(1)中、Xで表される光吸
収基について詳細に説明する。一般式(1)中、Xで表
される光吸収基としては以下の一般式で表される基が挙
げられる。
【0043】一般式(X−7)
【化7】
【0044】式中、Z4は5または6員の含窒素ヘテロ
環を形成するために必要な原子群を表し、L2、L3、L
4およびL5はメチン基を表す。p1はOまたは1を表
し、n3は0〜3を表す。M1は電荷均衡対イオンを表
し、m2は分子の電荷を中和するために必要な0〜10
の数を表す。
【0045】式中、Z4で表される5または6員の含窒
素ヘテロ環としては、チアゾリジン核、チアゾール核、
ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール
核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾ
ール核、ベンゾセレナゾール核、3,3−ジアルキルイ
ンドレニン核(例えば、3,3−ジメチルインドレニン
核)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダ
ゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノ
リン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イ
ソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン
核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾ
ール核、ピリミジン核等が挙げられる。Z4で表される
5または6員の含窒素ヘテロ環は前述の置換基Yを有し
ていてもよい。
【0046】式中、L2、L3、L4およびL5は各々独立
したメチン基を表す。L2、L3、L 4およびL5で表され
るメチン基は置換基を有していてもよく、置換基として
は例えば、置換もしくは無置換の炭素数1〜15のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、2−カルボキシエ
チル基)、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリ
ール基(例えばフェニル基、o−カルボキシフェニル
基)、置換もしくは無置換の炭素数3〜20のヘテロ環
基(例えばN,N−ジエチルバルビツール酸基)、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃
素原子)、炭素数1〜15のアルコキシ基(例えばメト
キシ基、エトキシ基)、炭素数1〜15のアルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、炭素数6〜
20のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、炭素
数0〜15のアミノ基(例えばN,N−ジフェニルアミ
ノ基、Nーメチル−N−フェニルアミノ基、N−メチル
ピペラジン基)等が挙げられる。また、他のメチン基と
環を形成してもよい。あるいは、その他の部分と環を形
成することもできる。
【0047】式中、M1は光吸収基のイオン電荷を中性
にするために必要に応じて、陽イオン叉は陰イオンの存
在を示すために式の中に含まれている。典型的な陽イオ
ンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金属イオン
(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウ
ムイオン)等の無機陽イオン、アンモニウムイオン(例
えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウ
ムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイ
オン)等の有機陽イオンが挙げられる。陰イオンも無機
陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよ
く、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イ
オン、沃素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン
(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロ
ベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イ
オン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、
1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフ
タレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例
えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸
イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオ
ン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタ
ンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポ
リマーまたは逆電荷を有する光吸収基を用いてもよい。
本明細書では、例えばスルホ基をSO3 -、カルボキシ基
をCO2 -と表記しているが、対イオンが水素イオンであ
る時は各々SO3H、CO2Hと表記することができる。
式中、m2は電荷を均衡させるために必要な数を表し、
分子内で塩を形成する場合は0である。
【0048】一般式(X−7)の好ましい例を示す。好
ましい一般式(X−7)としては、Z4がベンゾオキサ
ゾール核、ベンゾチアゾール核、ベンゾイミダゾール核
またはキノリン核であり、L2、L3、L4およびL5が無
置換のメチン基であり、p1がOであり、n3が1もしく
は2である。さらに好ましくは、Z4がベンゾオキサゾ
ール核、ベンゾチアゾール核であり、n3が1である。
特に好ましいZ4はベンゾチアゾール核である。
【0049】一般式(1)中、好ましいkは0もしくは
1であり、さらに好ましくは1である。以下に一般式
(1)のXの具体例を挙げるが、本発明において採用す
ることができるXはこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】
【化12】
【0055】
【化13】
【0056】次に一般式(1)中、Lで表される連結基
について詳細に説明する。一般式(1)中、Lで表され
る連結基としては、それぞれ炭素数1〜20の置換もし
くは無置換の直鎖または分岐のアルキレン基(例えば、
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン
基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、3−オキサ
ペンチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基)、炭素
数3〜18の置換もしくは無置換の環状アルキレン基
(例えば、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、
シクロへキシレン基)、炭素数2〜20の置換もしくは
無置換のアルケニレン基(例えば、エテン基、2−ブテ
ニレン基)、炭素数2〜10のアルキニレン基(例え
ば、エチニレン基)、炭素数6〜20の置換もしくは無
置換のアリーレン基(例えば、無置換p−フェニレン
基、無置換2,5−ナフチレン基)、ヘテロ環連結基
(例えば、2,6−ピリジンジイル基)、カルボニル
基、チオカルボニル基、イミド基、スルホニル基、スル
ホニルオキシ基、エステル基、チオエステル基、アミド
基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ウレイド
基、チオウレイド基、チオスルホニル基等が挙げられ
る。また、これらの連結基が、互いに連結して新たに連
結基を形成してもよい。Lはさらに前述の置換基Y等を
有していてもよい。
【0057】好ましい連結基Lとしては、炭素数1〜1
0の無置換のアルキレン基とアミノ基、アミド基、チオ
エーテル基、ウレイド基またはスルホニル基と連結した
炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、さらに好ま
しくは炭素数1〜6の無置換のアルキレン基とアミノ
基、アミド基またはチオエーテル基と連結した炭素数1
〜6のアルキレン基が挙げられる。一般式(1)中、好
ましいmは0もしくは1であり、さらに好ましくは1で
ある。
【0058】次に電子供与基Aについて詳細に説明す
る。A−B部が酸化およびフラグメント化を受けて電子
を発生してラジカルA’が生成し、さらにラジカルA’
が酸化を受けて電子を発生させ、高感度化する反応過程
を以下に示す。
【0059】
【化14】
【0060】Aは電子供与基であるので、いずれの構造
のものでも芳香族基上の置換基はAが電子過多である状
態にするように選定するのが好ましい。例えば、芳香環
が電子過多でない場合は、電子供与性基を導入し、逆に
アントラセンのように非常に電子過多となっているよう
な場合は、電子吸引性基を導入してそれぞれ酸化電位を
調節するのが好ましい。好ましい、A基は次の一般式を
有するものである。 一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)
【0061】
【化15】
【0062】一般式(A−1)および(A−2)中、Y
12、Y12’、Y13およびY13’は各々独立に水素原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルキ
レン基およびアリ−レン基を表し、Y14およびY14’は
各々独立にアルキル基、COOH、ハロゲン原子、N
(Y152、OY15、SY15、CHO、COY15、CO
OY15、CONHY15、CON(Y152、SO315
SO2NHY15、SO2NY15、SO215、SOY15
CSY15を表す。Ar1およびAr1’は各々独立にアリ
ール基、ヘテロ環基を表す。Y12とY13、Y12とA
1、Y12’とY13’、およびY12’とAr1’はそれぞ
れ結合して環を形成していてもよい。Q2およびQ2’は
各々独立にO、S、Se、Teを表し、m3およびm4
各々独立に0もしくは1を表し、n4は1〜3を表す。
2はN−R、N−Ar、O、S、Seを表し、5〜7
員のヘテロ環もしくは不飽和環を有するものであっても
よい。Y 15は水素原子、アルキル基およびアリール基を
表す。一般式(A−3)の環状構造は、置換もしくは無
置換の5〜7員環の不飽和環またはヘテロ環基を表す。
【0063】一般式(A−1)、(A−2)および(A
−3)について詳細に説明する。式中、Y12、Y12’、
13およびY13’で表されるアルキル基としては、炭素
数1〜10の置換もしくは無置換の直鎖、または分岐の
アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル
基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2
−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、ジエ
チルアミノエチル基、ジブチルアミノエチル基、n−ブ
トキシメチル基、メトキシメチル基)、炭素数3〜6の
置換もしくは無置換の環状アルキル基(例えばシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)が挙
げられ、アリール基としては、炭素数6〜12の置換も
しくは無置換のアリール基(例えば無置換フェニル基、
2−メチルフェニル基)が挙げられる。アルキレン基と
しては、炭素数1〜10の置換もしくは無置換の直鎖、
または分岐のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、メトキシエ
チレン基)が挙げられ、アリーレン基としては炭素数6
〜12の置換もしくは無置換のアリーレン基(例えば無
置換フェニレン基、2−メチルフェニレン基、ナフチレ
ン基)が挙げられる。
【0064】一般式(A−1)および(A−2)中、Y
14およびY14’で表される基としては、アルキル基(例
えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヒド
ロキシエチル基、n−ブトキシメチル基)、COOH
基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子)、OH、N(CH32、NPh2、OCH3、OP
h、SCH3、SPh、CHO、COCH3、COPh、
COOC49、COOCH3、CONHC25、CON
(CH32、SO3CH3、SO337、SO2NHCH
3、SO2N(CH32、SO225、SOCH3、CS
Ph、CSCH3が挙げられる。一般式(A−1)およ
び(A−2)で表されるAr1およびAr1’としては、
炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例
えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、ナフチル
基)、置換もしくは無置換のヘテロ環基(例えば、ピリ
ジル基、3−フェニルピリジル基、ピペリジル基、モル
ホリル基)が挙げられる。
【0065】一般式(A−1)および(A−2)で表さ
れるL2としては、NH、NCH3、NC49、NC37
(i)、NPh、NPh−CH3、O、S、Se、Te
が挙げられる。一般式(A−3)の環状構造としては、
不飽和の5〜7員環、ヘテロ環(例えば、フリル基、ピ
ペリジル基、モルホリル基)が挙げられる。一般式(A
−1)および(A−2)中のY12、Y13、Y14、A
1、L2、Y12’、Y13’、Y14’、Ar1’および一
般式(A−3)中の環状構造上には前述の置換基Y等を
さらに有してもよい。
【0066】一般式(A−1)、(A−2)および(A
−3)の好ましい例を示す。一般式(A−1)および
(A−2)中、好ましくはY12、Y12’、Y13およびY
13’が各々独立に炭素数1〜6の置換もしくは無置換の
アルキル基、アルキレン基、または炭素数6〜10の置
換もしくは無置換のアリール基であり、Y14および
14’が炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル
基、炭素数1〜4のアルキル基でモノ置換またはジ置換
されたアミノ基、カルボン酸、ハロゲンまたは炭素数1
〜4のカルボン酸エステルであり、Ar1およびAr1
が炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基で
あり、Q2およびQ2’がO、SまたはSeであり、m3
およびm4が0もしくは1であり、n4が1〜3であり、
2が、炭素数0〜3のアルキル置換されたアミノ基で
ある。一般式(A−3)で表される環状構造は、5〜7
員のヘテロ環であることが好ましい。
【0067】一般式(A−1)および(A−2)中、さ
らに好ましくは、Y12、Y12’、Y13およびY13’が各
々独立に炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル
基またはアルキレン基であり、Y14およびY14’が炭素
数1〜4の無置換のアルキル基、炭素数1〜4のモノア
ミノ置換もしくはジアミノ置換されたアルキル基であ
り、Ar1およびAr1’が炭素数6〜10の置換もしく
は無置換のアリール基であり、Q2およびQ2’がOまた
はSであり、m3およびm4が0であり、n4が1であ
り、L2が炭素数0〜3のアルキル置換されたアミノ基
である。一般式(A−3)で表される環状構造は、5〜
6員のヘテロ環であることがさらに好ましい。一般式
(1)のAがXまたはLと結合する部分は、Xが一般式
(A−1)および(A−2)で表される場合はY12、Y
13、Ar1、Y12’、Y13’またはAr1’の中から選択
される。以下に一般式(1)のAの具体例を挙げるが、
本発明で採用することができるAはこれらの具体例に限
定されるものではない。
【0068】
【化16】
【0069】
【化17】
【0070】
【化18】
【0071】
【化19】
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】次に一般式(1)のBについて詳細に説明
する。Bが水素原子の場合は酸化後、分子内塩基によっ
て脱プロトンされてラジカルA’を生成する。好まし
い、Bは水素原子および次の一般式を有するものであ
る。 一般式(B−1)、(B−2)、(B−3)
【0075】
【化22】
【0076】一般式(B−1)、(B−2)および(B
−3)中、WはSi、SnまたはGeを表し、Y16は各
々独立してアルキル基を表し、Ar2は各々独立してア
リール基を表す。一般式(B−2)および(B−3)は
吸着基Xと結合させることができる。一般式(B−
1)、(B−2)および(B−3)について詳細に説明
する。式中、Y16で表されるアルキル基としては、炭素
数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖、または分岐のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル
基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2
−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、n−
ブトキシエチル基、メトキシメチル基)、炭素数6〜1
2の置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニ
ル基、2−メチルフェニル基)が挙げられる。一般式
(B−1)、(B−2)および(B−3)中のY16およ
びAr2は前述の置換基Y等をさらに有していてもよ
い。
【0077】一般式(B−1)、(B−2)および(B
−3)の好ましい例を以下に示す。一般式(B−2)お
よび(B−3)中、好ましくは、Y16が炭素数1〜4の
置換もしくは無置換のアルキル基であり、Ar2が炭素
数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基であり、
WはSiまたはSnである。一般式(B−2)および
(B−3)中、さらに好ましくは、Y16が炭素数1〜3
の置換もしくは無置換のアルキル基であり、Ar2が炭
素数6〜8の置換もしくは無置換のアリール基であり、
WはSiである。一般式(B−1)、(B−2)および
(B−3)中、最も好ましいのは、(B−1)のCOO
-および(B−2)におけるSi−(Y163である。一
般式(1)中、好ましいnは1である。以下に一般式
(1)中のA−Bの具体例を挙げるが、本発明において
採用することができるA−Bはこれらに限定されるもの
ではない。
【0078】
【化23】
【0079】
【化24】
【0080】
【化25】
【0081】
【化26】
【0082】
【化27】
【0083】
【化28】
【0084】上記A−Bの電荷バランスに必要な対イオ
ンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリ
エチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウ
ムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、およびテ
トラメチルグアニジニウムイオンが挙げられる。
【0085】A−Bの好ましい酸化電位は0〜1.5V
であり、より好ましくは0〜1.0Vであり、さらに好
ましくは0.3〜1.0Vの範囲である。結合開裂反応
から生じるラジカルA’(E2)の好ましい酸化電位は
−0.6〜−2.5Vであり、より好ましくは−0.9
〜−2Vであり、さらに好ましくは−0.9〜−1.6
Vの範囲である。
【0086】酸化電位の測定法は以下の通りである。E
1はサイクリックボルタンメトリー法で行うことができ
る。電子供与体Aをアセトニトリル/0.1M過塩素酸
リチウムを含有する水80%/20%(容量%)の溶液
に溶解させる。ガラス状のカーボンディスクを動作電極
に用い、プラチナ線を対電極に用い、飽和カロメル電極
(SCE)を参照電極に用いる。25℃で、0.1V/
秒の電位走査速度で測定する。サイクリックボルタンメ
トリー波のピーク電位の時に酸化電位対SCEをとる。
これらA−B化合物のE1値は欧州特許第93,731
A1号公報に記載されている。ラジカルの酸化電位測定
は過度的な電気化学およびパルス放射線分解法によって
行われる。これらはJ.Am.Chem.Soc.19
88,110,132、同1974,96,1287、
同1974,96,1295で報告されている。以下に
一般式(1)で表される化合物の具体例を記すが、本発
明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではな
い。
【0087】
【化29】
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
【化32】
【0091】
【化33】
【0092】
【化34】
【0093】
【化35】
【0094】
【化36】
【0095】
【化37】
【0096】
【化38】
【0097】
【化39】
【0098】
【化40】
【0099】
【化41】
【0100】
【化42】
【0101】
【化43】
【0102】一般式(1)で表される化合物の合成法と
しては、米国特許5,747,235号明細書、同5,
747,235号明細書、欧州特許公開786,692
A1号公報、同893,731A1号公報、同893,
732A1号公報、国際公開WO99/05570号公
報等に記載の方法、あるいはそれに準じた方法で容易に
合成することができる。
【0103】本発明の熱現像感光材料を製造する際に、
一般式(1)で表される化合物は、塗布用の乳剤調製工
程や熱現像感光材料の製造工程中のいかなる段階で使用
してもよい。例えば、粒子形成時、脱塩工程、化学増感
時、塗布前などに用いることができる。またこれらの工
程中において、複数回に分けて添加することもできる。
一般式(1)で表される化合物は、水、メタノール、エ
タノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に
溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、
pHを高くした方が溶解度が上がる化合物については、
pHを高くして溶解してもよい。逆に、水に溶解する場
合、pHを低くした方が溶解度が上がる化合物について
は、pHを低くして溶解してもよい。
【0104】一般式(1)で表される化合物は、画像形
成層(乳剤層)中に使用するのが好ましいが、画像形成
層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散
させてもよい。一般式(1)で表される化合物の添加時
期は増感色素添加の前後を問わず、各々好ましくはハロ
ゲン化銀1mol当り、1×10-9〜5×10-1mo
l、さらに好ましくは1×10-8〜2×10-1molの
割合でハロゲン化銀を含有する画像形成層に含有する。
【0105】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀
は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭
化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いること
ができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一で
あってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したも
のでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。ま
た、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ま
しく用いることができる。構造として好ましくいものは
2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコ
ア/シェル粒子である。また塩化銀または塩臭化銀粒子
の表面に臭化銀を局在させる技術も好ましく用いること
ができる。
【0106】感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界で
はよく知られており、例えば、リサーチディスクロージ
ャー1978年6月の第17029号、および米国特許
第3,700,458号明細書に記載されている方法を
用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他
のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合
物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、
その後で有機銀塩と混合する方法を用いることが好まし
い。また、特開平11−119374号公報の段落番号
[0217]〜[0224]に記載されている方法、特
願平11−98708号明細書、同11−84182号
明細書記載の方法も好ましい。
【0107】感光性ハロゲン化銀粒子のサイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さい方が好ま
しく、具体的には0.20μm以下、より好ましくは
0.01μm〜0.15μm、更に好ましくは0.02
μm〜0.12μmがよい。ここでいう粒子サイズと
は、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主
平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径
をいう。
【0108】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナ
ーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光
性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)に
ついては特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場
合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高
いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ま
しく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好
ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸
着における{111}面と{100}面との吸着依存性
を利用したT.Tani;J.Imaging Sc
i.,29、165(1985年)に記載の方法により
求めることができる。
【0109】本発明においては、六シアノ金属錯体を粒
子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子を用いることが
好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)
64 -、[Fe(CN)63-、[Ru(CN)64-
[Os(CN)64-、[Co(CN)63-、[Rh
(CN)63-、[Ir(CN)63-、[Cr(CN)
63-、[Re(CN)63-などが挙げられる。本発明
においては六シアノFe錯体を用いることが好ましい。
【0110】六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの
形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混
和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合してい
るナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオ
ン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ
金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウ
ムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テ
トラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモ
ニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオ
ン)を用いることが好ましい。
【0111】六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和し
うる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル
類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類
等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することが
できる。
【0112】六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当
たり1×10-5モル〜1×10-2モルが好ましく、より
好ましくは1×10-4モル〜1×10-3モルである。
【0113】六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表
面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に
使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セ
レン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等
の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終
了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前
に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないた
めには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加す
ることが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好
ましい。
【0114】尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成
をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加
した後から開始してもよく、98質量%添加した後から
開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特
に好ましい。
【0115】これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了
する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハ
ロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほと
んどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。こ
の六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の
塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、
粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造すること
が可能になる。
【0116】感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第
1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属また
は金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族
〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ま
しくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。こ
れら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金
属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は
銀1モルに対し1×10-9モル〜1×10-3モルの範囲
である。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法
については特開平7−225449号公報、特開平11
−65021号公報段落番号[0018]〜[002
4]、特開平11−119374号公報段落番号[02
27]〜[0240]に記載されている。
【0117】さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒
子に含有させることのできる金属原子(例えば[Fe
(CN)64-)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増
感法については、特開平11−84574号公報段落番
号[0046]〜[0050]、特開平11−6502
1号公報段落番号[0025]〜[0031]、特開平
11−119374号公報段落番号[0242]〜[0
250]に記載されている。
【0118】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に
含有させるゼラチンとしては、種々のゼラチンを使用す
ることができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含
有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子
量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用
することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子
形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよい
が、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0119】本発明では増感色素を用いることができ
る。増感色素としては、ハロゲン化銀粒子に吸着した
際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感でき
るもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有す
るものを有利に選択することができる。増感色素及び添
加法については、特開平11−65021号公報の段落
番号[0103]〜[0109]、特開平10−186
572号公報一般式(II)で表される化合物、特開平
11−119374号公報の一般式(I)で表される色
素及び段落番号[0106]、米国特許第5,510,
236号明細書、同第3,871,887号明細書実施
例5に記載の色素、特開平2−96131号公報、特開
昭59−48753号公報に開示されている色素、欧州
特許公開EP第0803764A1号公報の第19ペー
ジ第38行〜第20ページ第35行、特願2000−8
6865号明細書、特願2000−102560号明細
書等に記載されている。これらの増感色素は単独で用い
てもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明にお
いて増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、
脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましく
は脱塩後から化学熟成の開始前までの時期である。本発
明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に
合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層の
ハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、
さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
【0120】本発明は分光増感効率を向上させるため、
強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色
増感剤としては、欧州特許公開EP第587,338号
公報、米国特許第3,877,943号明細書、同第
4,873,184号明細書、特開平5−341432
号公報、同11−109547号公報、同10−111
543号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0121】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子
は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法を
にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合
物としては公知の化合物、例えば、特開平7−1287
68号公報等に記載の化合物等を使用することができ
る。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開
平11−65021号公報段落番号[0030]に記載
の文献に記載の化合物、特開平5−313284号公報
中の一般式(II),(III),(IV)で示される
化合物がより好ましい。
【0122】本発明においては、化学増感は粒子形成後
で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩
後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)
分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。特に分光増
感後に行われることが好ましい。本発明で用いられる硫
黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハ
ロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハ
ロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましく
は10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化
学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては
5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜
95℃程度である。本発明で用いるハロゲン化銀乳剤に
は、欧州特許公開EP第293,917号公報に示され
る方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよ
い。
【0123】本発明に用いられる熱現像画像記録材料中
の感光性ハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2
種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲ
ン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条
件の異なるもの)を併用してもよい。感度の異なる感光
性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節するこ
とができる。これらに関する技術としては特開昭57−
119341号公報、同53−106125号公報、同
47−3929号公報、同48−55730号公報、同
46−5187号公報、同50−73627号公報、同
57−150841号公報などに記載される技術が挙げ
られる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2log
E以上の差を持たせることが好ましい。
【0124】感光性ハロゲン化銀の添加量は、熱現像感
光材料1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03〜
0.6g/m2であることが好ましく、0.05〜0.
4g/m2であることがさらに好ましく、0.1〜0.
4g/m2であることが最も好ましく、有機銀塩1モル
に対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル〜0.
5モルが好ましく、0.02モル〜0.3モルがより好
ましい。
【0125】別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機
銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製
終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモ
ジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調
製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロ
ゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等がある
が、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制
限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分
散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合すること
は、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0126】ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好
ましい添加時期は、塗布する180分前〜直前、好まし
くは60分前〜10秒前であるが、混合方法及び混合条
件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいて
は特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量
とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望
の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.
Harnby、M.F.Edwards、A.W.Ni
enow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新
聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタ
チックミキサーなどを使用する方法がある。
【0127】本発明における画像形成層は、下記一般式
(D)で表される化合物を含有するのが好ましい。 一般式(D) Q1−NHNH−Q2 (式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳
香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル
基を表す)
【0128】Q1で表される芳香族基またはヘテロ環基
としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例と
しては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミ
ジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、
1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール
環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,
2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4
−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、
1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジ
アゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,
2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾ
ール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオ
フェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮
合した縮合環も好ましい。
【0129】これらの環は置換基を有していてもよく、
2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は
同一であっても異なっていてもよい。置換基の例として
は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボン
アミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホ
ンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、およびアシル基を挙げることができ
る。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに
置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミ
ド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンア
ミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げる
ことができる。
【0130】Q2で表されるカルバモイル基は、好まし
くは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40の
カルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、
メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プ
ロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイ
ル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカ
ルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−
ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロ
ピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、
N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)
プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)
カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−
ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−ク
ロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバ
モイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジル
カルバモイル、N−ベンジルカルバモイルが挙げられ
る。
【0131】Q2で表されるアシル基は、好ましくは炭
素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル
基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプ
ロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイ
ル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロア
セチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデ
シルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイ
ルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル
基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素
数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチル
オキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、
ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル
が挙げられる。
【0132】Q2で表されるアリールオキシカルボニル
基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素
数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、
フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシ
カルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニ
ル、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げら
れる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素
数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニ
ル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニ
ル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニ
ル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オク
チルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニ
ル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられ
る。
【0133】Q2で表されるスルファモイル基は、好ま
しくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40
のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイ
ル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘ
キシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、
N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エ
チルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−
(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニ
ル)スルファモイル、N−(2−テトラデシルオキシフ
ェニル)スルファモイルが挙げられる。Q2で表される
基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される
5〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有し
ていてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、そ
れ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0134】次に、式(D)で表される化合物の好まし
い範囲について述べる。Q1としては5〜6員の不飽和
環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3
−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テト
ラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,
4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール
環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、
オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール
環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテ
ロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Q2はカルバ
モイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有す
るカルバモイル基が好ましい。以下に、一般式(D)で
表される化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる
化合物はこれらの具体例によって限定されるものではな
い。なお、本明細書の構造式において、(t)はter
tiary の略であり、(i)はiso の略であ
り、何も表記されていないアルキル基等は直鎖(nor
mal)であることを示す。
【0135】
【化44】
【0136】
【化45】
【0137】
【化46】
【0138】
【化47】
【0139】
【化48】
【0140】
【化49】
【0141】
【化50】
【0142】
【化51】
【0143】
【化52】
【0144】
【化53】
【0145】
【化54】
【0146】
【化55】
【0147】一般式(D)で表される化合物は、特開平
9−152702号公報、同8−286340号公報、
同9−152700号公報、同9−152701号公
報、同9−152703号公報、および同9−1527
04号公報等に記載の方法に従って合成することができ
る。一般式(D)で表される化合物は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物など
いかなる方法で材料に添加してもよい。固体微粒子分散
は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボール
ミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ロー
ラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散する
際に分散助剤を用いてもよい。一般式(D)の化合物の
使用量は還元剤に対して0.01〜100モル%の範囲
で使用することが好ましい。より好ましい使用量は還元
剤に対して0.1〜50モル%の範囲で、さらに好まし
くは0.5〜20モル%の範囲、最も好ましくは1〜1
0モル%の範囲である。
【0148】本発明における画像形成層は、水素結合性
化合物を含有していてもよい。本明細書でいう「水素結
合性化合物」とは、OH基および/またはNH基を有す
る化合物と水素結合を形成することが可能な基を有する
非還元性の化合物をいう。OH基またはNH基と水素結
合を形成することが可能な基としては、ホスホリル基、
スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド
基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ
基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ま
しいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但
し、>N−H基を持たず、>N−R(RはH以外の置換
基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但
し、>N−H基を持たず、>N−R(RはH以外の置換
基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但
し、>N−H基を持たず、>N−R(RはH以外の置換
基)のようにブロックされている。)を有する化合物で
ある。
【0149】本発明において、水素結合性化合物として
特に好ましいものは下記一般式(II)で表される化合
物である。
【化56】
【0150】一般式(II)において、R11、R12およ
びR13はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ
環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有
していてもよく、R11、R12およびR13のうち任意の2
つが互いに結合して環を形成してもよい。R11、R12
よびR13が置換基を有する場合の置換基としては、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
ミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、
オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、スルホニル基、ホスホリル基などが挙げられ、好ま
しくはアルキル基またはアリール基であり、具体例とし
ては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert
−ブチル基、tert−オクチル基、フェニル基、4−
アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基な
どが挙げられる。
【0151】R11、R12およびR13で表される基の具体
例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル
基、ドデシル基、イソプロピル基、tert−ブチル
基、tert−アミル基、tert−オクチル基、シク
ロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル
基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などの置
換または無置換アルキル基;フェニル基、クレジル基、
キシリル基、ナフチル基、4−tert−ブチルフェニ
ル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−アニシ
ジル基、3,5−ジクロロフェニル基などの置換または
無置換アリール基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、
3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘ
キシルオキシ基、ベンジルオキシ基などの置換または無
置換アルコキシル基;フェノキシ基、クレジルオキシ
基、イソプロピルフェノキシ基、4−tert−ブチル
フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基など
の置換または無置換アリールオキシ基;アミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、
ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ
基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、
N−メチル−N−フェニルアミノ基などの置換または無
置換アミノ基;2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−
フラニル基、4−ピペリジニル基、8−キノリル基、5
−キノリル基などのヘテロ環基が挙げられる。
【0152】R11、R12およびR13は、好ましくは、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオ
キシ基である。本発明の効果の点ではR11、R12および
13のうち一つ以上がアルキル基またはアリール基であ
ることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリー
ル基であることがより好ましい。また、安価に入手する
事ができるという点ではR11、R12およびR13が同一の
基であることが好ましい。
【0153】以下に一般式(II)で表される化合物の
具体例を示すが、本発明で用いることができる化合物は
これらに限定されるものではない。
【0154】
【化57】
【0155】
【化58】
【0156】
【化59】
【0157】
【化60】
【0158】水素結合性化合物は、還元剤と同様に溶液
形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布
液に含有せしめ、熱現像感光材料中で使用することがで
きる。水素結合性化合物は、溶液状態でフェノール性水
酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形
成しており、還元剤と水素結合性化合物との組み合わせ
によっては錯体として結晶状態で単離することができ
る。このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子
分散物として使用することは安定した性能を得る上で特
に好ましい。また、還元剤と水素結合性化合物を粉体で
混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミ
ル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いること
ができる。水素結合性化合物は還元剤に対して、1〜2
00モル%の範囲で使用することが好ましく、10〜1
50モル%の範囲で使用することがより好ましく、30
〜100モル%の範囲で使用することがさらに好まし
い。
【0159】次に、本発明の熱現像感光材料中の感光性
層に用いられるバインダーについて説明する。本発明に
おいて、感光性層(すなわち、有機銀塩含有層)に用い
るバインダーはいかなる種類のポリマーであってもよ
く、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色
であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂
やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する
媒体などが挙げられ、より具体的には、例えば、ゼラチ
ン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキ
シエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セル
ロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリド
ン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、
ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)
類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン
酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体
類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルア
セタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及び
ポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポ
リ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリ
デン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネー
ト)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)
類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類などが挙
げられる。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルシ
ョンから被覆形成してもよい。
【0160】本発明では、有機銀塩を含有する層のバイ
ンダーのガラス転移温度は10℃〜80℃である(以
下、高Tgバインダーということあり)ことが好まし
く、20℃〜70℃であることがより好ましく、23℃
〜65℃であることが更に好ましい。
【0161】なお、本明細書においてTgは下記の式で
計算した。 1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマ
ー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマ
ーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマ
ーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。
ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマ
ーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPol
ymer Handbook(3rd Editio
n)(J.Brandrup, E.H.Immerg
ut著(Wiley−Interscience、19
89))の値を採用した。
【0162】バインダーとなるポリマーは単独種で用い
てもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移
温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。
Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する
場合には、その質量平均Tgが上記の範囲にはいること
が好ましい。
【0163】本発明においては、有機銀塩含有層が、溶
媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、
乾燥して形成される場合、さらに有機銀塩含有層のバイ
ンダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能であ
る場合、特に有機銀塩含有層のバインダーが25℃相対
湿度60%での平衡含水率が2質量%以下のポリマーの
ラテックスからなる場合に熱現像感光材料としての性能
が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.
5mS/cm以下になるように調製されたバインダーを
用いる場合であり、このような調製法としては、ポリマ
ー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げら
れる。
【0164】ここでいう前記ポリマーが可溶または分散
可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下
の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性
の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミ
ドなどを挙げることができる。
【0165】なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておら
ず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、こ
こでは水系溶媒という語句を使用する。
【0166】また「25℃相対湿度60%における平衡
含水率」とは、25℃相対湿度60%の雰囲気下で調湿
平衡にあるポリマーの質量W1と25℃で絶乾状態にあ
るポリマーの質量W0を用いて以下のように表すことが
できる。 25℃相対湿度60%における平衡含水率={(W1
0)/W0}×100(質量%)
【0167】含水率の定義と測定法については、例えば
高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会
編、地人書館)を参考にすることができる。
【0168】本発明のバインダーポリマーの25℃相対
湿度60%における平衡含水率は2質量%以下であるこ
とが好ましいが、より好ましくは0.01質量%〜1.
5質量%、さらに好ましくは0.02質量%〜1質量%
である。
【0169】本発明においては水系溶媒に分散可能なポ
リマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶
な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスや
ポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散し
ているものなどがあるが、いずれも好ましい。分散粒子
の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜
1000nm程度の範囲である。分散粒子の粒径分布に
関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも
単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0170】本発明において水系溶媒に分散可能な好ま
しいポリマーとしては、アクリル系ポリマー、ポリ(エ
ステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレ
タン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)
類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類
等の疎水性ポリマーが挙げられる。これらポリマーとし
ては直鎖状のポリマーでも分岐状のポリマーでもまた架
橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合し
たいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノ
マーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合
はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよ
い。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000
〜1000000のものが好ましく、より好ましくは1
0000〜200000のものである。分子量が小さす
ぎると、画像形成層の力学強度が不十分であり、大きす
ぎると、成膜性が悪く好ましくない。
【0171】好ましいポリマーラテックスの具体例とし
ては下記のものを挙げることができる。下記ポリマーラ
テックスは原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は
質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマー
を使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適
用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略し
た。Tgはガラス転移温度を表す。
【0172】P−1;−MMA(70)−EA(27)
−MAA(3)−のラテックス(分子量37000) P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St
(5)−AA(5)−のラテックス(分子量4000
0) P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)
−のラテックス(架橋性) P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−
のラテックス(架橋性) P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−
のラテックス(架橋性,Tg24℃) P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−
のラテックス(架橋性) P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−
のラテックス(架橋性) P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)
−MAA(2)−のラテックス(架橋性) P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)
−AA(3)−のラテックス(架橋性) P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(2
0)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量
80000) P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA
(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量6700
0) P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテッ
クス(分子量12000) P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA
(3)のラテックス(分子量130000) P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA
(2)のラテックス(分子量33000) P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−A
A(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃) P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−A
A(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0173】上記構造中の略号は以下のモノマーを表
す。 MMA;メチルメタクリレート EA;エチルアクリレート MAA;メタクリル酸 2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート St;スチレン Bu;ブタジエン AA;アクリル酸 DVB;ジビニルベンゼン VC;塩化ビニル AN;アクリロニトリル VDC;塩化ビニリデン Et;エチレン IA;イタコン酸
【0174】上記のポリマーラテックスは市販もされて
いて、以下のような製品が利用できる。アクリル系ポリ
マーの例としては、セビアンA−4635,4718,
4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipo
l Lx811、814、821、820、857(以
上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例
としては、FINETEX ES650、611、67
5、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−
size、WMS(以上イーストマンケミカル製)な
ど、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN
AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学
(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR
7310K、3307B、4700H、7132C
(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx
416、410、438C、2507(以上日本ゼオン
(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、
G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、
ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L
513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフ
ィン)類の例としては、ケミパールS120、SA10
0(以上三井石油化学(株製)などを挙げることができ
る。
【0175】これらのポリマーラテックスは単独で用い
てもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよ
い。
【0176】本発明に用いられるポリマーラテックスと
しては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテッ
クスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけ
るスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位
との質量比は40:60〜95:5であることが好まし
い。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノ
マー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%
であることが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と
同様である。
【0177】本発明に好ましく用いられるスチレン−ブ
タジエン共重合体のラテックスとしては、前記のP−3
〜P−8、14、15、市販品であるLACSTAR−
3307B、7132C、Nipol Lx416等が
挙げられる。
【0178】本発明の熱現像感光材料の有機銀塩含有層
には、バインダーとして、必要に応じてゼラチン、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親
水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマ
ーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量
%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であ
る。
【0179】本発明における有機銀塩含有層(即ち、画
像形成層)は、バインダーとしてポリマーラテックスを
用いて形成されるのが好ましい。有機銀塩含有層のバイ
ンダーの量は、全バインダー/有機銀塩の質量比が1/
10〜10/1、更には1/5〜4/1の範囲が好まし
い。
【0180】また、このような有機銀塩含有層は、通
常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された
感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バ
インダー/ハロゲン化銀の質量比は400〜5、より好
ましくは200〜10の範囲が好ましい。
【0181】本発明における画像形成層の全バインダー
量は0.2〜30g/m2の範囲が好ましく、より好ま
しくは1〜15g/m2の範囲である。本発明の画像形
成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面
活性剤などを添加してもよい。
【0182】本発明に用いることのできる非感光性有機
銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光
触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存
在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画
像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元で
きる源を含む任意の有機物質であってよい。このような
非感光性の有機銀塩については、特開平10−6289
9号公報の段落番号[0048]〜[0049]、欧州
特許公開EP第0803764A1号公報の第18ペー
ジ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開EP
第0962812A1号公報に記載されている。有機酸
の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜
28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。有機
銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸
銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カ
プロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、これら
の混合物などを含む。本発明においては、これら有機銀
塩の中でも、ベヘン酸銀含有率75モル%以上の有機酸
銀を用いることが好ましい。
【0183】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん
片状でもよい。本発明においてはりん片状の有機銀塩を
用いることが好ましい。本明細書において、りん片状の
有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を
電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と
近似し、この直方体の辺を1番短い方からa、b、cと
した(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の
数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。 x=b/a
【0184】このようにして200個程度の粒子につい
てxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平
均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好
ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは2
0≧x(平均)≧2.0である。因みに針状とは1≦x
(平均)<1.5である。
【0185】りん片状粒子において、aはbとcを辺と
する面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることがで
きる。aの平均は0.01μm〜0.23μmが好まし
く0.1μm〜0.20μmがより好ましい。c/bの
平均は好ましくは1〜6、より好ましくは1.05〜
4、さらに好ましくは1.1〜3、特に好ましくは1.
1〜2である。
【0186】有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散である
ことが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さ
の標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分
率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以
下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状
の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡
像より求めることができる。単分散性を測定する別の方
法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求
める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率
(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましく
は80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定
方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー
光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自
己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体
積加重平均直径)から求めることができる。
【0187】本発明に用いられる有機酸銀の製造及びそ
の分散法は、公知の方法を適用することができる。例え
ば上記の特開平10−62899号公報、欧州特許公開
EP第0803763A1号公報、欧州特許公開EP9
62812A1号公報を参考にすることができる。
【0188】なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を
共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下する
ため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことが
より好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感
光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し
0.1mol%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加
は行わないものである。
【0189】本発明において有機銀塩水分散液と感光性
銀塩水分散液を混合して熱現像画像記録材料を製造する
ことが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率
は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩
の割合は1〜30モル%の範囲が好ましく、更に3〜2
0モル%、特に5〜15モル%の範囲が好ましい。混合
する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光
性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のた
めに好ましく用いられる方法である。
【0190】有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量
として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましく
は1〜3g/m2である。
【0191】本発明の熱現像感光材料は銀イオンのため
の還元剤を含む。銀イオンのための還元剤は、銀イオン
を金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)
であってよい。このような還元剤は、特開平11−65
021号公報の段落番号[0043]〜[0045]
や、欧州特許公開EP第0803764A1号公報の第
7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されて
いる。
【0192】本発明においては、還元剤としてビスフェ
ノール類の還元剤を用いることが好ましく、特に下記一
般式(I)で表される化合物を用いることが好ましい。
【化61】
【0193】一般式(I)において、R1およびR1’は
各々独立にアルキル基を表す。R2およびR2’は各々独
立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表
す。XおよびX'はそれぞれ独立に水素原子またはベン
ゼン環に置換可能な基を表す。R1とX、R1'とX'、R
2とX、およびR2'とX'は、互いに結合して環を形成し
てもよい。Lは−S−基または−CH3−基を表す。R3
は水素原子またはアルキル基を表す。
【0194】一般式(I)において、R1およびR1'
それぞれ独立に置換または無置換の、直鎖、分岐または
環状のアルキル基である。アルキル基の炭素数は1〜2
0が好ましい。アルキル基の置換基は特に限定されるこ
とはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ス
ルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル
基、エステル基、ハロゲン原子などである。
【0195】R1およびR1'は、より好ましくは炭素数
3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的
にはイソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、tert−アミル基、tert−オクチル基、シク
ロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘ
キシル基、1−メチルシクロプロピル基などである。さ
らに好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基であ
り、その中でもtert−ブチル基、tert−アミル
基、および1−メチルシクロヘキシル基が特に好まし
く、tert−ブチル基が最も好ましい。
【0196】R2およびR2'はそれぞれ独立に、水素原
子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。XおよびX
'はそれぞれ独立に、水素原子またはベンゼン環に置換
可能な基を表す。ベンゼン環に置換可能な基としては、
好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アシルアミノ基などが挙げられる。
【0197】R2およびR2'は、好ましくは炭素数1〜
20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert
−ブチル基、tert−アミル基、シクロヘキシル基、
1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメ
チル基、メトキシエチル基などである。より好ましくは
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基また
はtert−ブチル基である。
【0198】XおよびX'は、好ましくは水素原子、ハ
ロゲン原子またはアルキル基であり、特に好ましくは水
素原子である。R1とX、R1'とX'、R2とX、および
2'とX'は、互いに結合して環を形成してもよい。こ
の環としては、好ましくは5〜7員環であり、より好ま
しくは飽和の6員環である。
【0199】Lは−S−基または−CHR3−基を表
す。Lは好ましくは−CHR3−基である。R3は水素原
子またはアルキル基である。R3で表されるアルキル基
は、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよく、ま
た置換されていてもよい。R3で表されるアルキル基の
炭素数は好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1
〜15である。無置換のアルキル基の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル
基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチ
ル基、2,4,4−トリメチルペンチル基などが挙げら
れる。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリ
ールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スル
ホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基などが挙げられる。R3
して好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペ
ンチル基である。R3として特に好ましいのは水素原
子、メチル基、エチル基またはプロピル基である。
【0200】R3が水素原子である場合、R2および
2’は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、
エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も
好ましい。R3が炭素数1〜8の1級または2級のアル
キル基である場合、R2およびR2’はメチル基であるこ
とが好ましい。R3がとりうる炭素数1〜8の1級また
は2級のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、
エチル基、プロピル基が更に好ましい。
【0201】一般式(I)で表される化合物の中でも特
に好ましい化合物は、R1およびR1’が各々独立に2級
または3級のアルキル基、R2およびR2’が各々独立に
アルキル基、さらにR3が水素原子またはアルキル基で
あり、XおよびX’はいずれも水素原子である化合物;
1およびR1’が3級アルキル基、R2およびR2’がア
ルキル基、R3が水素原子またはアルキル基である化合
物;なかでも、R1およびR1’が3級アルキル基、R2
およびR2’が炭素数2以上のアルキル基、R3が水素原
子である化合物である。
【0202】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明で使用することができる化合物は
これらに限定されるものではない。
【0203】
【化62】
【0204】
【化63】
【0205】
【化64】
【0206】
【化65】
【0207】
【化66】
【0208】本発明において還元剤の添加量は0.01
〜5.0g/m2であることが好ましく、0.1〜3.
0g/m2であることがより好ましく、画像形成層を有
する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれるこ
とが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさら
に好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好
ましい。
【0209】還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微
粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せし
め、熱現像感光材料に含有させてもよい。よく知られて
いる乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリク
レジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートある
いはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシ
クロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的
に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0210】また、固体微粒子分散法としては、還元剤
の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ロー
ラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を
調製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド
(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例え
ばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合
物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水
分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナト
リウム塩)を含有させることができる。
【0211】画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布
性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0212】本発明に用いることのできるカブリ防止
剤、安定剤および安定剤前駆体としては特開平10−6
2899号公報の段落番号[0070]、欧州特許公開
EP第0803764A1号公報の第20頁第57行〜
第21頁第7行に記載のものが挙げられる。また、本発
明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化
物であり、これらについては、特開平11−65021
号公報の段落番号[0111]〜[0112]に記載さ
れているものが挙げられる。特に特願平11−8729
7号明細書の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、
特開平10−339934号公報の一般式(II)で表
される有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0213】以下、本発明で好ましい有機ポリハロゲン
化合物について具体的に説明する。好ましいポリハロゲ
ン化合物は下記一般式(III)で表される化合物であ
る。 一般式(III): Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X 一般式(III)において、Qは置換基を有していても
よいアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、
Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1
およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または
電子求引性基を表す。
【0214】一般式(III)のQで表わされるアルキ
ル基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、
好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、
特に好ましくは1〜6である。例えば、メチル、エチ
ル、アリル、n−プロピル、iso−プロピル、sec
−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、sec
−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、
tert−オクチル、1−メチルシクロヘキシル等が挙
げられる。好ましくは3級のアルキル基である。
【0215】Qで表わされるアルキル基は置換基を有し
ていてもよく、置換基としては写真性能に悪影響を及ぼ
さない置換基であればどのような基でも構わないが、例
えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原
子、または沃素原子)、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒
素ヘテロ環基を含む、例えばモルホリノ基)、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバ
モイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、カルバゾイル基、シアノ基、チオカルバ
モイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環
オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリ
ールオキシ)カルボニルオキシ基、スルホニルオキシ
基、アシルアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、
チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリ
ールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、(ア
ルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、ニト
ロ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、スル
ファモイル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構
造を含む基、シリル基、カルボキシル基またはその塩、
スルホ基またはその塩、リン酸基、ヒドロキシ基、4級
アンモニウム基等が挙げられる。これら置換基は、これ
ら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0216】一般式(III)のQで表わされるアリー
ル基は単環または縮合環のアリール基であり、好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ま
しくは6〜10であり、フェニル基またはナフチル基が
好ましい。Qで表わされるアリール基は置換基を有して
いてもよく、置換基としては写真性能に悪影響を及ぼさ
ない置換基であればどのような基でも構わないが、例え
ば前述のアルキル基の置換基と同様の基が挙げられる。
特に好ましいのは、Qがハメットのσpが正の値をとる
電子求引性基で置換されたフェニル基である場合であ
る。電子求引性基σp値は0.2〜2.0の範囲が好ま
しく、0.4〜1.0の範囲がより好ましい。具体的に
は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキ
ルホスホリル基、スルホキシド基、アシル基、ヘテロ環
基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ホスホリル
基等があげられる。より好ましい電子吸引基は、カルバ
モイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニ
ル基、アルキルホスホリル基であり、なかでもカルバモ
イル基が最も好ましい。
【0217】一般式(III)のQで表わされるヘテロ
環基としては、ヘテロ環が窒素、酸素および硫黄原子か
らなる群より選ばれるヘテロ原子を1個以上含む5また
は7員の飽和または不飽和の単環または縮合環であるも
のが好ましい。ヘテロ環の例としては、好ましくはピリ
ジン、キノリン、イソキノリン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピリダジン、フタラジン、トリアジン、フラン、チ
オフェン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾー
ル、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベ
ンゾイミダゾール、チアジアゾール、トリアゾール等が
挙げられ、さらに好ましくはピリジン、キノリン、ピリ
ミジン、チアジアゾール、ベンゾチアゾールであり、特
に好ましくは、ピリジン、キノリン、ピリミジンであ
る。Qで表わされるヘテロ環基は置換基を有してもよ
く、例えばQで表わされるアルキル基の置換基と同様の
基が挙げられる。
【0218】Qとして特に好ましいのは、上記のハメッ
トのσpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェ
ニル基である。Qの置換基として、拡散性を低下させる
ために写真用素材で使用されるバラスト基や銀塩への吸
着基や水溶性を付与する基を有していてもよいし、互い
に重合してポリマーを形成してもよいし、置換基どうし
が結合してビス型、トリス型、テトラキス型を形成して
もよい。
【0219】一般式(III)において、Yは2価の連
結基を表わすが好ましくは−SO2−、−SO−、−C
O−であり、特に好ましくは−SO2−である。一般式
(III)において、nは0または1を表わすが、好ま
しくは1である。Z1およびZ2はそれぞれ独立にハロゲ
ン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素など)を表
すが、Z1およびZ2は両方とも臭素原子であることが最
も好ましい。Xは水素原子または電子求引性基を表す。
Xで表される電子求引性基は、ハメットの置換基定数σ
pが正の値を取りうる置換基であり、具体的には、シア
ノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン原子、
アシル基、ヘテロ環基等が挙げられる。Xは好ましくは
水素原子またはハロゲン原子であり、最も好ましくは臭
素原子である。
【0220】一般式(III)のポリハロゲン化合物と
しては、例えば米国特許第3,874,946号明細
書、米国特許第4,756,999号明細書、米国特許
第5,340,712号明細書、米国特許第5,36
9,000号明細書、米国特許第5,464,737号
明細書、特開昭50−137126号公報、同50−8
9020号公報、同50−119624号公報、同59
−57234号公報、特開平7−2781号公報、同7
−5621号公報、同9−160164号公報、同10
−197988号公報、同9−244177号公報、同
9−244178号公報、同9−160167号公報、
同9−319022号公報、同9−258367号公
報、同9−265150号公報、同9−319022号
公報、同10−197989号公報、同11−2423
04号公報、特願平10−181459号公報、同10
−292864号公報、同11−90095号公報、同
11−89773号公報、同11−205330号公報
等に記載された化合物が挙げられる。以下に一般式(I
II)で表されるポリハロゲン化合物の具体例を示す
が、本発明で用いることができる化合物はこれらに限定
されるものではない。
【0221】
【化67】
【0222】
【化68】
【0223】
【化69】
【0224】一般式(III)で表されるポリハロゲン
化合物は、1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
一般式(III)で表される化合物は画像形成層の非感
光性銀塩1モルあたり、10-4〜1モルの範囲で使用す
ることが好ましく、より好ましくは10-3〜0.8モル
の範囲で、さらに好ましくは5×10-3〜0.5モルの
範囲で使用することが好ましい。本発明において、カブ
リ防止剤を熱現像感光材料に含有せしめる方法として
は、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有
機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添
加することが好ましい。
【0225】その他のカブリ防止剤としては特開平11
−65021号公報段落番号[0113]の水銀(I
I)塩、同号公報段落番号[0114]の安息香酸類、
特願平11−87297号明細書の式(Z)で表される
サリチル酸誘導体、特願平11−23995号明細書の
式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、
特開平11−352624号公報の請求項9に係るトリ
アジン化合物、特開平6−11791号公報の一般式
(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げら
れる。
【0226】本発明の熱現像感光材料はカブリ防止を目
的としてアゾリウム塩を含有してもよい。アゾリウム塩
としては、特開昭59−193447号公報記載の一般
式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581
号公報記載の化合物、特開昭60−153039号公報
記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
アゾリウム塩は熱現像画像記録材料のいかなる部位に添
加してもよいが、添加層としては画像形成層を有する面
の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加
することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期と
しては塗布液調製のいかなる工程で行ってもよく、有機
銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液
調製時のいかなる工程でもよいが有機銀塩調製後から塗
布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉
末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行ってもよ
い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と
混合した溶液として添加してもよい。本発明においてア
ゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でもよいが、銀
1モル当たり1×10-6モル〜2モルが好ましく、1×
10-3モル〜0.5モルがさらに好ましい。
【0227】本発明には現像を抑制あるいは促進させて
現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、
現像前後の保存性を向上させるためなどの目的でメルカ
プト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有
させることができ、特開平10−62899号公報の段
落番号[0067]〜[0069]、特開平10−18
6572号公報の一般式(I)で表される化合物及びそ
の具体例として段落番号[0033]〜[0052]、
欧州特許公開EP第0803764A1号公報の第20
ページ第36〜56行、特願平11−273670号明
細書等に記載されているものを用いることができる。中
でもメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0228】本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加
が好ましく、色調剤については、特開平10−6289
9号公報の段落番号[0054]〜[0055]、欧州
特許公開EP第0803764A1号公報の第21ペー
ジ第23〜48行、特開2000−35631号公報に
記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノ
ン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジ
ヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類
とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル
酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル
酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジ
ン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)
フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−ter
t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7
−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラ
ジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好まし
く、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好まし
い。
【0229】画像形成層に用いることのできる可塑剤お
よび潤滑剤については特開平11−65021号公報段
落番号[0117]、超硬調画像形成のための超硬調化
剤やその添加方法や量については、同号公報段落番号
[0118]、特開平11−223898号公報段落番
号[0136]〜[0193]、特願平11−8729
7号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、
(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載
の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:
化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11
−65021号公報段落番号[0102]、特開平11
−223898号公報段落番号[0194]〜[019
5]に記載されている。
【0230】蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用
いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を
有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1
ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0231】本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用
いる場合には、五酸化二リンが水和してできる酸または
その塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リン
が水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸
(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リ
ン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)
などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五
酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、
オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げる
ことができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリ
ウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがあ
る。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使
用量(熱現像画像記録材料1m2あたりの塗布量)は感
度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100
mg/m2がより好ましい。
【0232】本発明における熱現像感光材料には、画像
形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けること
ができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であっ
てもよい。表面保護層については、特開平11−650
21号公報段落番号[0119]〜[0120]に記載
されている。表面保護層のバインダーとしてはゼラチン
が好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる
ことも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン
(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例
えば新田ゼラチン801)など使用することができる。
PVAとしては、完全けん化物のPVA−105、部分
けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリ
ビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)
製の商品名)などが挙げられる。保護層(1層当たり)
のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)
としては0.3〜4.0g/m2が好ましく、0.3〜
2.0g/m2がより好ましい。
【0233】特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発
明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバ
ック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エ
マルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行
(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝
明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会
発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井
宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記
載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質
量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリ
ル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチ
ルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(4
7.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーの
ラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9
質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4
質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸
(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタ
クリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量
%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アク
リル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが
挙げられる。さらに、表面保護層用のバインダーとし
て、特願平11−6872号明細書のポリマーラテック
スの組み合わせ、特願平11−143058号明細書の
段落番号[0021]〜[0025]に記載の技術、特
願平11−6872号明細書の段落番号[0027]〜
[0028]に記載の技術、特開2000−19678
号公報の段落番号[0023]〜[0041]に記載の
技術を適用してもよい。表面保護層のポリマーラテック
スの比率は全バインダーの10質量%〜90質量%が好
ましく、特に20質量%〜80質量%が好ましい。表面
保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー
及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2
当たり)としては0.3〜5.0g/m2が好ましく、
0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0234】画像形成層塗布液の調製温度は30℃〜6
5℃がよく、さらに好ましい温度は35℃〜60℃未
満、より好ましい温度は35℃〜55℃である。また、
ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度
が30℃〜65℃で維持されることが好ましい。また、
ポリマーラテックス添加前に還元剤と有機銀塩が混合さ
れていることが好ましい。
【0235】画像形成層は、支持体上に1またはそれ以
上の層で構成される。1層で構成する場合は有機銀塩、
感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりな
り、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤など
の所望による追加の材料を含む。2層以上で構成する場
合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中
に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像
形成層または両層中にいくつかの他の成分を含まなけれ
ばならない。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色
についてこれらの2層の組合せを含んでよく、また、米
国特許第4,708,928号明細書に記載されている
ように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染
料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般
に、米国特許第4,460,681号明細書に記載され
ているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能
性のバリアー層を使用することにより、互いに区別され
て保持される。
【0236】画像形成層(感光性層)には色調改良、レ
ーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止
の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigme
ntBlue60、C.I.Pigment Blue
64、C.I.Pigment Blue15:6)を
用いることができる。これらについては国際公開WO9
8/36322号公報、特開平10−268465号公
報、同11−338098号公報等に詳細に記載されて
いる。
【0237】本発明の熱現像感光材料においては、アン
チハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側
に設けることができる。
【0238】熱現像感光材料は一般に、感光性層に加え
て非感光性層を有する。非感光性層は、その配置から
(1)感光性層の上(支持体よりも遠い側)に設けられ
る保護層、(2)複数の感光性層の間や感光性層と保護
層の間に設けられる中間層、(3)感光性層と支持体と
の間に設けられる下塗り層、(4)感光性層の反対側に
設けられるバック層に分類できる。フィルター層は、
(1)または(2)の層として熱現像画像記録材料に設
けられる。アンチハレーション層は、(3)または
(4)の層として熱現像画像記録材料に設けられる。
【0239】アンチハレーション層については特開平1
1−65021号公報段落番号[0123]〜[012
4]、特開平11−223898号公報、同9−230
531号公報、同10−36695号公報、同10−1
04779号公報、同11−231457号公報、同1
1−352625号公報、同11−352626号公報
等に記載されている。アンチハレーション層には、露光
波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有す
る。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を
用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染
料が好ましい。可視域に吸収を有する染料を用いてハレ
ーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色
が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像
の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に
非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加し
てアンチハレーション層として機能させることが好まし
い。これらの技術については特開平11−231457
号公報等に記載されている。
【0240】消色染料の添加量は、染料の用途により決
定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光
学濃度(吸光度)が0.1を超える量で使用する。光学
濃度は、0.2〜2であることが好ましい。このような
光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.00
1〜1g/m2程度である。
【0241】なお、このように染料を消色すると、熱現
像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができ
る。2種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現
像感光材料において併用してもよい。同様に、2種類以
上の塩基プレカーサーを併用してもよい。このような消
色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、
特開平11−352626号公報に記載のような塩基プ
レカーサーと混合すると融点を3℃以上降下させる物質
(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル
(フェニル)スルホン)を併用することが熱消色性等の
点で好ましい。
【0242】本発明においては、銀色調、画像の経時変
化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有
する着色剤を添加することができる。このような着色剤
は、特開昭62−210458号公報、同63−104
046号公報、同63−103235号公報、同63−
208846号公報、同63−306436号公報、同
63−314535号公報、特開平01−61745号
公報、特願平11−276751号明細書などに記載さ
れている。このような着色剤は、通常、0.1mg/m
2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては画
像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
【0243】本発明における熱現像感光材料は、支持体
の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む
画像形成層を有し、他方の側にバック層を有する、いわ
ゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0244】本発明において、搬送性改良のためにマッ
ト剤を添加することが好ましく、マット剤については、
特開平11−65021号公報段落番号[0126]〜
[0127]に記載されている。マット剤は熱現像画像
記録材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましく
は1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300m
g/m2である。また、画像形成面のマット度は星屑故
障が生じなければいかようでもよいが、ベック平滑度が
30秒〜2000秒が好ましく、特に40秒〜1500
秒が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JI
S)P8119「紙および板紙のベック試験器による平
滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により
容易に求めることができる。
【0245】本発明においてバック層のマット度として
はベック平滑度が10秒〜1200秒が好ましく、20
秒〜800秒が好ましく、さらに好ましくは40秒〜5
00秒である。
【0246】本発明において、マット剤は熱現像画像記
録材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する
層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好まし
く、またいわゆる保護層として作用する層に含有される
ことが好ましい。
【0247】本発明に適用することのできるバック層に
ついては特開平11−65021号公報段落番号[01
28]〜[0130]に記載されている。
【0248】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前
の膜面pHが6.0以下であることが好ましく、さらに
好ましくは5.5以下である。その下限には特に制限は
ないが、3程度である。膜面pHの調節はフタル酸誘導
体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニア
などの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減さ
せるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発し
やすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できるこ
とから低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜面
pHの測定方法は、特願平11−87297号明細書の
段落番号[0123]に記載されている。
【0249】画像形成層、保護層、バック層など各層に
は硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としてはT.H.
James著“THE THEORY OF THE
PHOTOGRAPHIC PROCESS FOUR
TH EDITION”(Macmillian Pu
blishing Co., Inc.刊、1977年
刊)77頁〜87頁に記載の各方法があり、クロムみょ
うばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルス
ルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニ
ルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の
多価金属イオン、米国特許4,281,060号明細
書、特開平6−208193号公報などのポリイソシア
ネート類、米国特許4,791,042号明細書などの
エポキシ化合物類、特開昭62−89048号公報など
のビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0250】硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の
保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前〜
直前、好ましくは60分前〜10秒前であるが、混合方
法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる
限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法とし
ては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞
留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合す
る方法やN.Harnby、M.F.Edwards、
A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”
(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載さ
れているスタチックミキサーなどを使用する方法があ
る。
【0251】本発明に適用できる界面活性剤については
特開平11−65021号公報段落番号[0132]、
溶剤については同号公報段落番号[0133]、支持体
については同号公報段落番号[0134]、帯電防止又
は導電層については同号公報段落番号[0135]、カ
ラー画像を得る方法については同号公報段落番号[01
36]に、滑り剤については特開平11−84573号
公報段落番号[0061]〜[0064]や特願平11
−106881号明細書段落番号[0049]〜[00
62]記載されている。
【0252】透明支持体は2軸延伸時にフィルム中に残
存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱
収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲
で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレ
フタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光
材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8
−240877号公報実施例記載の染料−1)で着色さ
れていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開
平11−84574号公報の水溶性ポリエステル、同1
0−186565号公報のスチレンブタジエン共重合
体、特願平11−106881号明細書段落番号[00
63]〜[0080]の塩化ビニリデン共重合体などの
下塗り技術を適用することが好ましい。また、帯電防止
層若しくは下塗りについて特開昭56−143430号
公報、同56−143431号公報、同58−6264
6号公報、同56−120519号公報、特開平11−
84573号公報の段落番号[0040]〜[005
1]、米国特許第5,575,957号明細書、特開平
11−223898号公報の段落番号[0078]〜
[0084]に記載の技術を適用することができる。
【0253】熱現像感光材料は、モノシート型(受像材
料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上
に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0254】熱現像感光材料には、さらに、酸化防止
剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤
を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは
非感光性層のいずれかに添加する。それらについて国際
公開WO98/36322号公報、欧州特許公開EP8
03764A1号公報、特開平10−186567号公
報、同10−18568号公報等を参考にすることがで
きる。
【0255】本発明における熱現像感光材料はいかなる
方法で塗布されてもよい。具体的には、エクストルージ
ョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコ
ーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、
フローコーティング、または米国特許第2,681,2
94号明細書に記載の種類のホッパーを用いる押出コー
ティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、S
tephen F.Kistler、Peter M.
Schweizer著“LIQUID FILM C
OATING”(CHAPMAN & HALL社刊、
1997年)399頁〜536頁記載のエクストルージ
ョンコーティング、またはスライドコーティングが好ま
しく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが
用いられる。スライドコーティングに使用されるスライ
ドコーターの形状の例は同書427頁のFigure1
1b.1にある。また、所望により同書399頁〜53
6頁記載の方法、米国特許第2,761,791号明細
書および英国特許第837,095号明細書に記載の方
法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆すること
ができる。
【0256】本発明における有機銀塩含有層塗布液は、
いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。チ
キソトロピー性とは剪断速度の増加に伴い、粘度が低下
する性質を言う。粘度測定にはいかなる装置を使用して
もよいが、レオメトリックスファーイースト株式会社製
RFSフルードスペクトロメーターが好ましく用いら
れ、25℃で測定される。ここで、本発明における有機
銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は
400mPa・s〜100,000mPa・sが好まし
く、さらに好ましくは500mPa・s〜20,000
mPa・sである。また、剪断速度1000S-1におい
ては1mPa・s〜200mPa・sが好ましく、さら
に好ましくは5mPa・s〜80mPa・sである。
【0257】チキソトロピー性を発現する系は各種知ら
れており高分子刊行会編「講座・レオロジー」、室井、
森野共著「高分子ラテックス」(高分子刊行会発行)な
どに記載されている。流体がチキソトロピー性を発現さ
せるには固体微粒子を多く含有することが必要である。
また、チキソトロピー性を強くするには増粘線形高分子
を含有させること、含有する固体微粒子の異方形でアス
ペクト比を大きくすること、アルカリ増粘、界面活性剤
の使用などが有効である。
【0258】本発明の熱現像感光材料に用いることので
きる技術としては、欧州特許公開EP803764A1
号公報、欧州特許公開EP883022A1号公報、国
際公開WO98/36322号公報、特開昭56−62
648号公報、同58−62644号公報、特開平9−
281637、同9−297367号公報、同9−30
4869号公報、同9−311405号公報、同9−3
29865号公報、同10−10669号公報、同10
−62899号公報、同10−69023号公報、同1
0−186568号公報、同10−90823号公報、
同10−171063号公報、同10−186565号
公報、同10−186567号公報、同10−1865
69号公報〜同10−186572号公報、同10−1
97974号公報、同10−197982号公報、同1
0−197983号公報、同10−197985号公報
〜同10−197987号公報、同10−207001
号公報、同10−207004号公報、同10−221
807号公報、同10−282601号公報、同10−
288823号公報、同10−288824号公報、同
10−307365号公報、同10−312038号公
報、同10−339934号公報、同11−7100号
公報、同11−15105号公報、同11−24200
号公報、同11−24201号公報、同11−3083
2号公報、同11−84574号公報、同11−650
21号公報、同11−109547号公報、同11−1
25880号公報、同11−129629号公報、同1
1−133536号公報〜同11−133539号公
報、同11−133542号公報、同11−13354
3号公報、同11−223898号公報、同11−35
2627号公報も挙げられる。
【0259】本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で
現像してもよいが、通常イメージワイズに露光した熱現
像感光材料を昇温して現像する。好ましい現像温度とし
ては80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜
140℃である。現像時間としては、2〜30秒が好ま
しく、5〜19秒がより好ましく、5〜16秒が特に好
ましい。
【0260】熱現像の方式としてはプレートヒーター方
式が好ましい。プレートヒーター方式による熱現像方式
とは特開平11−133572号公報に記載の方法が好
ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて
加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装
置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、
かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押
えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレー
トヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現
像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレート
ヒータを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃
程度温度を下げることが好ましい。このような方法は特
開昭54−30032号公報にも記載されており、熱現
像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外
させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱
されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を押
さえることもできる。
【0261】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で露光されてもよいが、露光光源としてレーザー光が
好ましい。本発明によるレーザー光としては、ガスレー
ザー(Ar+、He−Ne)、YAGレーザー、色素レ
ーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体
レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもでき
る。好ましくは赤〜赤外発光のガス若しくは半導体レー
ザーである。
【0262】露光部及び熱現像部を備えた医療用のレー
ザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザ
ーイメージャーFM−DP Lを挙げることができる。
FM−DP Lに関しては、Fuji Medical
Review No. 8,page39〜55に記
載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料
のレーザーイメージャーとして適用することは言うまで
もない。また、DICOM規格に適応したネットワーク
システムとして富士メディカルシステムが提案した「A
D network」の中でのレーザーイメージャー用
の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0263】本発明の熱現像感光材料は、銀画像による
黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業
写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM
用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0264】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに
具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、
割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱し
ない限り適宜変更することができる。したがって、本発
明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈される
べきものではない。
【0265】<実施例1> 《下塗り支持体の作製》 (PET支持体の作製)テレフタル酸とエチレングリコ
−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェ
ノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25
℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後1
30℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから
押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになる
ような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、周速
の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ
−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれ
ぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃
で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和
した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、
両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、
厚み175μmのロ−ルを得た。
【0266】(表面コロナ処理)ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両
面を室温下において20m/分で処理した。この時の電
流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV
・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。
この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−
ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0267】 (下塗り支持体の作製) (1)下塗層塗布液の作製 処方1(画像形成層側下塗り層用) ・高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 59g ・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル (平均エチレンオキシド数=8.5、10質量%溶液) 5.4g ・ポリマー微粒子 0.91g (綜研化学(株)製、MP−1000、平均粒径0.4μm) ・蒸留水 935ml
【0268】 処方2(バック面第1層用) ・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g (固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32) ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩 20g (8質量%水溶液) ・ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 10ml ・蒸留水 854ml
【0269】 処方3(バック面側第2層用) ・SnO2/SbO 84g (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) ・ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g ・信越化学(株)製、メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g ・綜研化学(株)製、MP−1000 0.01g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 10ml ・NaOH(1質量%) 6ml ・プロキセル(ICI社製) 1ml ・蒸留水 805ml
【0270】(下塗り支持体の作製)上記厚さ175μ
mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面
それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画
像形成層面)に上記下塗り塗布液処方1をワイヤーバー
でウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)に
なるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこ
の裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方2をワイヤ
ーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるよう
に塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック
面)に上記下塗り塗布液処方3をワイヤーバーでウエッ
ト塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して18
0℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0271】《バック面塗布液の調製》 (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物11を64g、ジフェニルスル
ホンを28gおよび花王(株)製界面活性剤デモールN
10gを蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミ
ル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサン
ドグラインダーミル)を用いてビーズ分散し、平均粒子
径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分
散液(a)を得た。
【0272】(染料固体微粒子分散液の調製)シアニン
染料化合物13を9.6gおよびp−ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混
合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1
/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いて
ビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子
分散液を得た。
【0273】(ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラ
チン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プ
レカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記染料
固体微粒子分散液56g、単分散ポリメチルメタクリレ
ート微粒子(平均粒子サイズ8.0μm、粒径標準偏差
0.4)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03
g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青色
染料化合物14を0.2g、黄色染料化合物15を3.
9g、水を844ml混合し、ハレーション防止層塗布
液を調製した。
【0274】(バック面保護層塗布液の調製)容器を4
0℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム0.2g、N,N−エチレンビス(ビニル
スルホンアセトアミド)2.4g、tert−オクチル
フェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、
ベンゾイソチアゾリノン30mg、N−パーフルオロオ
クチルスルホニル−N−プロピルアラニンカリウム塩3
7mg、ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオ
ロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチ
ル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15]
0.15g、C817SO3K32mg、C817SO2
(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Na64
mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重
合質量比5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメ
リカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳
化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml
混合してバック面保護層塗布液とした。
【0275】《ハロゲン化銀乳剤1の調製》蒸留水14
21mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加
え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、
フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス
製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸
銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した
溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.
8gとを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液B
を一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、
3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さ
らにベンヅイミダゾールの10質量%水溶液を10.8
ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を
加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム
44.2gとヨウ化カリウム2.2gとを蒸留水にて容
量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で
20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に
維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加し
た。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イ
リジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液D
を添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、
溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリ
ウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加し
た。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8
に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこな
った。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてp
H5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物
を作製した。
【0276】上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら3
8℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソ
チアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、
40分後に分光増感色素Aと分光増感色素Bとモル比で
1:1のメタノール溶液を銀1モル当たり分光増感色素
AとBとの合計として1.2×10-3モル加え、1分後
に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオス
ルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対し
て7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感
剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4
モル加えて91分間熟成した。N,N’−ジヒドロキシ
−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶
液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2
−メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀
1モル当たり4.8×10-3モル及び1−フェニル−2
−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾー
ルをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3
モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。調製で
きたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.0
42μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に
3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ
等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求
めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク
法を用いて80%と求められた。
【0277】《ハロゲン化銀乳剤2の調製》ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を4
7℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留
水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液
Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400m
lに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分
にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は
同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロ
ゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行っ
た。更に分光増感色素Aと分光増感色素Bとのモル比で
1:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり分光
増感色素Aと分光増感色素Bとの合計として7.5×1
-4モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり
1.1×10-4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5
−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに
対して3.3×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様
にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカ
プトベンヅイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル
−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を
行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2
の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径
の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0278】《ハロゲン化銀乳剤3の調製》ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を2
7℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3
の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈
殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光
増感色素Bとのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン
水溶液)として添加量を銀1モル当たり分光増感色素A
と分光増感色素Bとの合計として6×10-3モル、テル
ル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10-4
ルに変えた以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳
剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球
相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨ
ウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であっ
た。
【0279】《塗布液用混合乳剤A〜Jの調製》ハロゲ
ン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15
質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベン
ゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モ
ル当たり7×10-3モル添加した。次いで、表1に記載
の一般式(1)で表される化合物をハロゲン化銀1モル
当り1×10-3モルを添加し、さらに塗布液用混合乳剤
1kg当りハロゲン化銀の含有量が銀として38.2g
となるように加水した。
【0280】《脂肪酸銀分散物の調製》ベヘン酸(ヘン
ケル社製、製品名Edenor C22−85R)8
7.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNa
OH水溶液49.2L、tert−ブタノール120L
を混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸
ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水
溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて
保温した。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブタ
ノールを入れた反応容器を30℃に保温し、撹拌しなが
ら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の
全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて
添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間
は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベ
ヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添
加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみ
が添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度
は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロ
ールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配
管は、スチームトレースにより保温し、添加ノズル先端
の出口の液温度が75℃になるようにスチーム開度を調
製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管
の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン
酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置
は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に
接触しないような高さに調製した。
【0281】ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そ
のままの温度で20分間撹拌放置し、25℃に降温し
た。その後、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過
水の伝導度が45μS/cmになるまで水洗した。こう
して脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させな
いでウエットケーキとして保管した。得られたベヘン酸
銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、
平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.
6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.5
2μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶で
あった。(a,b,cは本文の規定)乾燥固形分100
g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA−217)7.4gおよび水を添加
し、全体量を385gとしてからホモミキサーにて予備
分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(マイクロ
フルイデックス・インターナショナル・コーポレーショ
ン製、商品名:マイクロフルイダイザーM−110S−
EH、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧
力を1750kg/cm2に調節して、3回処理し、ベ
ヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をイ
ンタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の
温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0282】《還元剤の25質量%分散物の調製》上記
一般式(I)の例示化合物(I−14)10kgと変性
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP
203)の20質量%水溶液10kgに、水16kgを
添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリー
をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmの
ジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(アイメッ
クス(株)製、UVM−2)にて3時間30分分散した
のち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと
水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製
し、還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に
含まれる還元剤粒子はメジアン径0.42μm、最大粒
子径2.0μm以下であった。得られた還元剤分散物は
孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ
過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0283】《水素結合性化合物の20%分散物の調
製》上記水素結合性化合物の例示化合物(II−1)1
0kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、
ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgに、
水16kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径
0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミ
ル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間3
0分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム
塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が20
質量%になるように調製し、分散物を得た。こうして得
た分散物に含まれる添加剤粒子はメジアン径0.42μ
m、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた分散
物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターに
てろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0284】《メルカプト化合物の10質量%分散物の
調製》1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−
1,3,4−トリアゾールを5kgと変性ポリビニルア
ルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20
質量%水溶液5kgに、水8.3kgを添加して、良く
混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラム
ポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビー
ズを充填した横型サンドミル(アイメックス(株)製、
UVM−2)にて6時間分散したのち、水を加えてメル
カプト化合物の濃度が10質量%になるように調製し、
メルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化合
物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子はメジアン径
0.40μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得
られたメルカプト化合物分散物は孔径10.0μmのポ
リプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異
物を除去して収納した。また、使用直前に再度孔径10
μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過した。
【0285】《有機ポリハロゲン化合物の20質量%分
散物−1の調製》トリブロモメチルナフチルスルホン5
kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポ
バールMP203)の20質量%水溶液2.5kgと、
トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの2
0質量%水溶液213gと、水10kgを添加して、良
く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラ
ムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ
ーズを充填した横型サンドミル(アイメックス(株)
製、UVM−2)にて5時間分散したのち、ベンゾイソ
チアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポ
リハロゲン化合物の濃度が20質量%になるように調製
し、有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得
たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲ
ン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径
2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化
合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィル
ターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し
た。
【0286】《有機ポリハロゲン化合物の25質量%分
散物−2の調製》有機ポリハロゲン化合物の20質量%
分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチル
スルホン5kgの代わりにトリブロモメチル(4−
(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニ
ル)スルホン5kgを用い、分散し、この有機ポリハロ
ゲン化合物が25質量%となるように希釈し、ろ過を行
った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物分散物に含
まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.3
8μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた
有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリ
プロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物
を除去して収納した。
【0287】《有機ポリハロゲン化合物の26質量%分
散物−3の調製》有機ポリハロゲン化合物の20質量%
分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチル
スルホン5kgの代わりにトリブロモメチルフェニルス
ルホン5kgを用い、20質量%MP203水溶液を5
kgとし、分散し、この有機ポリハロゲン化合物が26
質量%となるように希釈し、ろ過を行った。こうして得
た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハ
ロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子
径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン
化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィ
ルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し
た。また、収納後、使用までは10℃以下で保管した。
【0288】《フタラジン化合物の5質量%溶液の調
製》8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコール
MP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリ
イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質
量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジン
の70質量%水溶液14.28kgを添加し、6−イソ
プロピルフタラジンの5質量%液を調製した。
【0289】《顔料の20質量%分散物の調製》C.
I.Pigment Blue 60を64gと花王
(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良
く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジル
コニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッ
セルに入れ、分散機(アイメックス(株)製、1/4G
サンドグラインダーミル)にて25時間分散し顔料分散
物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子
は平均粒径0.21μmであった。
【0290】《SBRラテックス40質量%の調製》下
記のSBRラテックスを蒸留水で10倍に希釈したもの
を限外濾過(UF)精製用モジュール(ダイセン・メン
ブレン・システム(株)製、FS03−FC−FUY0
3A1)を用いてイオン伝導度が1.5mS/cmにな
るまで希釈精製し、三洋化成(株)製サンデット−BL
を0.22質量%になるよう添加した。更にNaOHと
NH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:
2.3(モル比)になるように添加し、pH8.4に調
整した。この時のラテックス濃度は40質量%であっ
た。 (SBRラテックス:−St(71)−Bu(26)−
AA(3)−のラテックス)平均粒径0.1μm、濃度
45質量%、25℃、相対湿度60%における平衡含水
率0.6質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオ
ン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−
30S使用し、ラテックス原液(40質量%)を25℃
にて測定)、pH8.2
【0291】《画像形成層塗布液A〜Jの調製》上記で
得た顔料の20質量%分散物を1.1g、脂肪酸銀分散
物103g、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、
PVA−205)の20質量%水溶液5g、還元剤の2
5質量%分散物25.0g、水素結合性化合物の20%
分散物を還元剤の使用量に対し100モル%、有機ポリ
ハロゲン化合物分散物−1,−2,−3を5:1:3
(質量比)で総量14.0g、メルカプト化合物の10
質量%分散物5.8g、限外濾過(UF)精製してpH
調整したSBRラテックス(Tg:24℃)40質量%
を106g、フタラジン化合物の5質量%溶液18m
l、表1に記載される種類の一般式(D)の化合物を等
モル量のアンモニア水とともに5%メタノール/水(1
/1)に溶解した溶液を還元剤の使用量に対し3モル%
で順次添加し、塗布直前に塗布液用混合乳剤A〜J 1
0gを良く混合した画像形成層(乳剤層、感光性層)塗
布液をそのままコーティングダイへ70ml/m2とな
るように送液し、塗布した。上記画像形成層塗布液の粘
度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.
1ローター、60rpm)で85[mPa・s]であっ
た。レオメトリックスファーイースト株式会社製RFS
フルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布
液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、10
00[1/秒]においてそれぞれ1500、220、7
0、40、20[mPa・s]であった。
【0292】《画像形成面中間層塗布液の調製》ポリビ
ニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−205)の
10質量%水溶液772g、顔料の20質量%分散物
5.3g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルア
クリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリ
ル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)
ラテックス27.5質量%液226gにエアロゾールO
T(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を
2ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液
を10.5ml、総量880gになるように水を加え、
pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗
布液とし、10ml/m2になるようにコーティングダ
イへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(N
o.1ローター、60rpm)で21[mPa・s]で
あった。
【0293】《画像形成面保護層第1層塗布液の調製》
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリ
レート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエ
チルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量
比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%
液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23
ml、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23m
l、0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾ
ールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水
溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾ
イソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになる
ように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょう
ばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合し
たものを18.6ml/m2になるようにコーティング
ダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(N
o.1ローター、60rpm)で17[mPa・s]で
あった。
【0294】《画像形成面保護層第2層塗布液の調製》
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリ
レート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエ
チルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量
比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%
液102g、N−パーフルオロオクチルスルホニル−N
−プロピルアラニンカリウム塩の5質量%溶液を3.2
ml、ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロ
オクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチ
ル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=15]の
2質量%水溶液を32ml、エアロゾールOT(アメリ
カンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23ml、ポ
リメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)
4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.
5μm)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル
酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44ml、ベ
ンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよ
う水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.6
7質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布
直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層
塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティン
グダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃
(No.1ローター,60rpm)で9[mPa・s]
であった。
【0295】《熱現像感光材料1〜10の作製》上記下
塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液
を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2
なるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布
量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥
し、バック層を作製した。バック面と反対の面に下塗り
面から画像形成層(ハロゲン化銀の塗布銀量0.14g
/m2)、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番
でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像
感光材料の試料を作製した。塗布乾燥条件は以下のとお
りである。塗布はスピード160m/minで行い、コ
ーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.
30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜
882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風に
て除電した。引き続くチリングゾーンにて、乾球温度1
0〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送
して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23
〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させ
た。乾燥後、25℃で相対湿度40〜60%で調湿した
後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱
後、膜面を25℃まで冷却した。作製された熱現像感光
材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が55
0秒、バック面が130秒であった。また、画像形成面
側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0296】
【化70】
【0297】
【化71】
【0298】
【化72】
【0299】《評価》 (写真性能の評価)得られた試料は半切サイズに切断
し、25℃、相対湿度50%の環境下で以下の包装材料
に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行
った。 (包装材料)PET 10μm/PE 12μm/アル
ミ箔 9μm/Ny 15μm/カーボン3%を含むポ
リエチレン50μm 酸素透過率:0ml/Pa・m2・25℃・day、水
分透過率:0g/Pa・m2・25℃・day
【0300】作製された熱現像感光材料の試料に富士メ
ディカルドライレーザーイメージャーFM−DP L
(最大60mW(IIIB)出力の660nm半導体レ
ーザー搭載)にてレーザー露光を行い、熱現像(約11
2℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚の
バネルヒータで24秒)を行った後、各試料の相対感度
(ΔS)とカブリ濃度とを測定した。これらの値も表1
中に記載した。
【0301】(画像の銀色調差の評価)作製された各熱
現像感光材料の試料を富士メディカルドライレーザーイ
メージャーFM−DP L(最大60mW(IIIB)
出力の660nm半導体レーザー搭載)にてレーザー露
光処理をおこなった。ついで標準熱現像温度(約112
℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚のバ
ネルヒータで24秒)に対して+3℃、−3℃の各温度
で熱現像した。各温度条件における銀色調の差を目視に
よって下記の規準に従って評価した。結果を表1に示
す。
【0302】<評価> ◎:温度条件による銀色調差がほとんどなく良好であ
る。 ○:温度条件による銀色調差が小さいが識別できる。 △:温度条件による銀色調差が大きいが許容内である。 ×:温度条件による銀色調差が大きく問題である。
【0303】(システム環境依存性の評価)富士メディ
カルドライレーザーイメージャーFM−DP L(最大
60mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー
搭載)を恒温恒湿槽に設置し、32℃・相対湿度70
%、32℃・相対湿度10%、13℃・相対湿度70%
および13℃・相対湿度25%の4条件で熱現像感光材
料を、露光、熱現像し、得られた画像の評価を濃度計に
よっておこなった。25℃・相対湿度60%の条件下に
おいて濃度1.2を与える露光量に対して、実際に得ら
れた濃度を測定し、上記4条件での出力濃度の中で最大
値と最小値との差を比較した。結果を表1に示す。
【0304】
【表1】
【0305】
【化73】
【0306】表1から一般式(1)で表される化合物を
含有する本発明の熱現像感光材料は、感度、かぶり、画
像の色調および環境依存性に優れていることがわかる。
また、一般式(D)の化合物を含むとさらに感度、画像
の色調および環境依存性が向上することがわかる。
【0307】
【発明の効果】本発明の熱現像感光材料は、低カブリで
保存性がよく、さらに高感度、高Dmax(最高濃度)
および高色調を満たし、現像時の温度および温度依存性
の小さいという特徴を備えている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方面上に、非感光性有機銀
    塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンのための還元剤、お
    よびバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感
    光材料であって、下記一般式(1)で表される化合物を
    含有し、かつ、露光後に121℃、24秒の条件下で熱
    現像したときの現像銀の90%以上が現像後の前記感光
    性ハロゲン化銀粒子に接触していることを特徴とする熱
    現像感光材料。 【化1】 [式中、XはN、S、P、SeまたはTeの少なくとも
    1つの原子を有するハロゲン化銀吸着基または光吸収基
    を表す。LはC、N、S、Oの少なくとも1つの原子を
    有するk+n価の連結基を表す。Aは電子供与基を表
    し、Bは脱離基または水素原子を表し、A−Bは酸化
    後、脱離または脱プロトンされてラジカルA’を生成す
    る。kは0〜3を表し、mは0または1を表し、nは1
    もしくは2を表す。ただし、k=0かつn=1の場合は
    m=0である。]
  2. 【請求項2】 前記画像形成層は、下記一般式(D)で
    表される化合物を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の熱現像感光材料。 一般式(D) Q1−NHNH−Q2 [一般式(D)において、Q1は炭素原子で−NHNH
    −Q2と結合する芳香族基またはヘテロ環基を表し、Q2
    はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基または
    スルファモイル基を表す。]
  3. 【請求項3】 前記一般式(D)で表される化合物にお
    いて、Q2がカルバモイル基であることを特徴とする請
    求項2に記載の熱現像感光材料。
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