JP2002287126A - 光散乱型液晶デバイス、及びその製造方法 - Google Patents

光散乱型液晶デバイス、及びその製造方法

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JP2002287126A
JP2002287126A JP2001089636A JP2001089636A JP2002287126A JP 2002287126 A JP2002287126 A JP 2002287126A JP 2001089636 A JP2001089636 A JP 2001089636A JP 2001089636 A JP2001089636 A JP 2001089636A JP 2002287126 A JP2002287126 A JP 2002287126A
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dimensional network
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JP2001089636A
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Hidetoshi Nakada
秀俊 中田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用いる液晶や三次元網目構造を形成する透明
性固体物質の性質に依存せず、種々の液晶と透明性固体
物質とを用いて、高い液晶表示コントラストと低い駆動
電圧特性が得られる、光散乱型液晶デバイス、及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 透明性固体物質からなる三次元網目構造
で形成された調光層の空隙部に、液晶と透明性物質との
均一な混合物を含浸させた後、該混合物を相分離させる
か、又は液晶と重合性組成物との均一な混合物を含浸さ
せた後、該重合性組成物を重合させることによって相分
離させるか、又は相分離させてから重合させるか、もし
くは重合と相分離が同時に進行させることを特徴とす
る、電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板
とこれらの基板間に支持された調光層とを有する光散乱
型液晶デバイスの製造方法、及び該製法により得られた
光散乱型液晶デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光板を使用しな
い液晶及び透明性固体物質を含有する調光層を有する液
晶デバイス、及びその製造方法に関し、詳しくは、光の
散乱・反射と透過を低電圧で電気的に走査し得る光散乱
型液晶デバイス、及びその製造方法に関する。
【0002】本発明により得られる光散乱型液晶デバイ
スは、建物の窓やショーウィンドウなどで視野遮断のス
クリーンに利用されると共に、文字や図形を表示し、高
速応答性を以て電気的に表示を切り替えることによっ
て、広告板等の装飾表示板や時計、電卓の表示装置や、
明るい画面を必要とする表示装置、特に低消費電力のコ
ンピューター端末の表示装置やプロジェクションの表示
装置として有用である。
【0003】
【従来の技術】偏光板や配向処理を要さず、明るくコン
トラスト(CR:T100 /T0)の良い液晶デバイ
スを製造する方法として、ポリマー中に液晶からなる小
滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する方法が知
られている。特表昭58−501631号公報、米国特
許第4435047号、特表昭61−502128号公
報、特開昭62−2231号公報等には、カプセル化物
質として、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコ
ール等が提案されている。
【0004】しかしながら、ポリマー中に液晶小滴を分
散させた液晶デバイスは、一般に液晶の含有量が少ない
ため、液晶を駆動させるのに必要な電圧が50v以上と
高く表示用の液晶デバイスの実用化において重視される
低い駆動電圧特性を備えていなかった。
【0005】米国特許5304323号や特開平1−1
98725号公報には、液晶が連続層を形成し、この連
続層中に透明性固体物質が三次元網目状に分布した構造
を有する液晶デバイスが開示されている。これら液晶の
連続層中に透明性固体物質の三次元網目状が形成された
液晶デバイスでは、一般に液晶の含有量が高いため、低
電圧駆動が可能で、20v以下の低駆動電圧が実現され
ている。
【0006】しかしながら、これら液晶の連続層中に透
明性固体物質の三次元網目構造が形成された液晶デバイ
スは、通常、液晶と重合性組成物、及び必要に応じ重合
開始剤から成る調光層形成材料を熱処理及び/又はエネ
ルギー線照射して、重合性組成物を重合させると同時に
相分離させる重合相分離法を用いて作製されるために、
液晶と重合性組成物との相溶状態や重合性組成物の重合
速度により、得られる透明性固体物質の三次元網目構造
の平均空隙が異なる。
【0007】特に液晶と重合性組成物との相溶性が高す
ぎて相分離が進行し難い場合や、重合性組成物の重合速
度が遅すぎる場合には、透明性固体物質の三次元網目構
造の構造制御が困難で、その平均空隙間隔が1.5μm
以上と大きくなってしまい、コントラストが低下する問
題があった。
【0008】特に、高いコントラストを得るために、屈
折率異方性の高い液晶を用いた場合は、一般に屈折率異
方性の高い液晶はネマティック−アイソトロピック転移
点(NI転移点)が高いために、液晶と重合性組成物と
の相溶性が高まり、上記の問題が発生しやすい。
【0009】この問題を解決する手段として、特開平5
−119301号公報では、平均粒径を制御した多孔体
中に液晶を含浸する手法、特開平6−11700号公報
では、三次元網目構造体に厚みが0.2〜2μmの高分
子皮膜を形成した後、液晶を三次元網目構造体中に含
浸、注入する手法を示しているが、これらは予め三次元
網目構造体を作製し、その後、液晶を三次元網目構造中
に含浸する方法である。
【0010】しかしながら、これらの製造方法で作製さ
れた液晶デバイスは、三次元網目構造を形成する透明性
固体物質と液晶との間に明確な界面が形成されるため
に、三次元網目構造体の界面近傍での液晶が動作し難
く、結果的に高い駆動電圧となる問題が発生してしま
う。
【0011】即ち、従来の、液晶と重合性組成物から成
る調光層形成材料に熱処理、又はエネルギー線を照射し
て、重合性組成物を重合させると同時に相分離させる重
合相分離法を用いて作製される液晶デバイスでは、用い
る液晶と重合性組成物との性質によって、形成される透
明性固体物質の三次元網目構造の平均空隙間隔を好まし
い大きさに制御することが困難で、高い液晶表示コント
ラストを得ることが困難であった。また、予め三次元網
目構造体を作製し、その後、液晶を三次元網目構造中に
含浸させる方法で得られる液晶デバイスでは、高い駆動
電圧となる問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、用いる液晶や三次元網目構造を形成する透
明性固体物質の性質に依存せず、種々の液晶と透明性固
体物質とを用いて、高い液晶表示コントラストと低い駆
動電圧特性が得られる、光散乱型液晶デバイス、及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0013】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、透明性固体物質の
三次元網目構造内において、液晶と透明性物質との相分
離に基づく新たな界面を形成させることによって、課題
が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】即ち、本発明は、透明性固体物質からなる
三次元網目構造で形成された調光層の空隙部に、液晶と
透明性物質との均一な混合物を含浸させた後、該混合物
を相分離させることを特徴とする、電極層を有する少な
くとも一方が透明な2枚の基板とこれらの基板間に支持
された調光層とを有する光散乱型液晶デバイスの製造方
法である。
【0015】また本発明は、透明性固体物質からなる三
次元網目構造で形成された調光層の空隙部に、液晶と重
合性組成物との均一な混合物を含浸させた後、該重合性
組成物を重合させることによって相分離させるか、又は
相分離させてから重合させるか、もしくは重合と相分離
が同時に進行させることを特徴とする、電極層を有する
少なくとも一方が透明な2枚の基板とこれらの基板間に
支持された調光層とを有する光散乱型液晶デバイスの製
造方法である。
【0016】更に、透明性固体物質からなる三次元網目
構造で形成された調光層の透明性固体物質が、特に重合
性組成物の重合物である調光層の空隙部に、該重合性組
成物と同一の重合性組成物と液晶との均一な混合物を含
浸させることを特徴とする、光散乱型液晶デバイスの製
造方法である。
【0017】本発明の製造方法で得られる光散乱型液晶
デバイスは、三次元網目構造の平均空隙間隔が0.4〜
1.5μmであること、又は、重合性組成物の重合物の
表面自由エネルギーが27〜37mN/m2であるこ
と、或いは、三次元網目構造の平均空隙間隔が0.4〜
1.5μmであり、且つ、重合性組成物の重合物の表面
自由エネルギーが27〜37mN/m2であることを特
徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明により製造される液晶デバ
イスは、透明性固体物質からなる三次元網目構造内で液
晶と透明性物質を相分離させて成る調光層を有し、光の
透過散乱を電界効果により制御する光散乱型液晶デバイ
スである。ここで、本発明で言う液晶とは、液晶性を示
す液晶化合物、又は1つ以上の液晶化合物から成る液晶
組成物をも含む。
【0019】本発明で使用する調光層の三次元網目構造
を形成する透明性固体物質は、その空隙が連通した構造
を持つものであり、このようなものとしては高分子の多
孔質体が挙げられる。具体的には、特開平5−2815
21号公報に開示されているような、ハイポア100
0、2000、3000(旭化成工業株式会社製)、K
T−50、LE−85、デュラカード、エクセポール
(三菱化成工業株式会社製)、フロロポア(住友電工株
式会社製)等が挙げられる。これら多孔質体の中でも、
多孔質体内の平均空隙間隔が0.4〜1.5μmである
ものが好ましく、更に、その空隙の割合が全体積の70
%以上のものがより好ましい。
【0020】透明性固体物質からなる三次元網目構造を
形成するには、界面活性剤や有機溶媒等の被溶出物質を
含有する高分子を製膜後、該被溶出物質を溶出させる方
法、高分子粒子を焼結又は成形して該粒子間の空隙を微
孔とする方法、フィルムをエンボスしてから延伸した
り、結晶性フィルムを段階的に延伸して孔を生成する方
法、放射線を利用してポリマーを損傷させ溶媒でエッチ
ングし微孔をあける方法、又はこれらの方法の組み合わ
せ等で作製しても良い。
【0021】このような高分子としては、ポリエチレン
テレフタレート,ポリカーボネート,ポリアミド,ポリ
メタクリル酸メチル,メタクリル酸メチル−スチレン共
重合体,ポリスチレン,スチレン−アクリロニトリル共
重合体,ポリプロピレン,低密度ポリエチレン,高密度
ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリテトラフルオロエ
チレン,ポリクロロトリフルオロエチレン,フッ化エチ
レン−プロピレン共重合体,ポリアリレート,ポリスル
ホン,セルロース,ポリエーテルエーテルケトン等が挙
げられる。
【0022】更に、特開平5−119301号公報に開
示されている、ポリマーラテックス等のポリマービー
ズ、シリカ、石英、又は、亜硫酸カルシウム等の無機微
粒子を重合性組成物と混合させ、重合性組成物を重合さ
せた後、微粒子を溶剤等で除去する方法で作製された三
次元網目構造を有する透明性固体物質も用いることもで
きる。
【0023】これらの重合性組成物としては、例えば、
下に記載する重合性化合物を含むものが挙げられる。こ
れら重合性組成物の重合物は、本発明の調光層を形成す
る三次元網目構造を形成する透明性固体物質として好ま
しく用いられる。
【0024】一般式(II)
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1は−CH2−又は−CH2CH2
COOCH2−、R2は脂肪族基,環状脂肪族基,芳香族
基,又はそれらの置換体、R3は脂肪族エーテル基、R4
とR5は各々水素原子又は−CH3を表し、Xは−CH2
−、エーテル結合又はエステル結合、Yはエーテル結
合、エステル結合を表し、nは2〜4の整数、p及びq
は0又は1を表す。)で表される重合性化合物、
【0027】一般式(II)
【0028】
【化2】
【0029】(式中、−COR1−は、−COO−、−
COOCH2−、−COOCH2CH2COO−又は−C
OOCH2CH2COOCH2−を表わし、 R2及びR3
各々独立に置換基を有していても良い脂肪族基、環状脂
肪族基又は芳香族基を表わし、R 4及びR5は、各々独立
的に、H−又はCH3−を表わし、 X及びYは、各々独
立に、エーテル結合又はエステル結合を表わし、nは1
〜4の整数を表わし、pは0又は1を表わす)で表わさ
れる重合性化合物、
【0030】又は、アルキル、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン及びペンタエリスリトール等のモノ(メ
タ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、モノマ
レイミド又はポリマレイミド;
【0031】酢酸ビニル、酪酸ビニル又は安息香酸ビニ
ル、アクリロニトリル、セチルビニルエーテル、リモネ
ン、シクロヘキセン、ジアリルフタレート、2−、3−
又は4−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメ
チルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルメタクリ
ルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合物;トリメ
チロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサ
イド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリ
オールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、又はマレイ
ミド;
【0032】ネオペンチルグリコール1モルに2モル以
上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド
を付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、又
はマレイミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート1モルとフェニルイソシアネート若しくはn−ブチ
ルイソシアネート1モルとの反応生成物;ジペンタエリ
スリトールのポリ(メタ)アクリレート、又はマレイミ
ド;
【0033】トリスー(ヒドロキシエチル)ーイソシア
ヌル酸のポリ(メタ)アクリレート、又はマレイミド;
トリスー(ヒドロキシエチル)ーリン酸のポリ(メタ)
アクリレート、又はマレイミド;ジー(ヒドロキシエチ
ル)ージシクロペンタジエンのモノ(メタ)アクリレー
ト又はジ(メタ)アクリレート、又はマレイミド;ピバ
リン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレー
ト;カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステル
ネオペンチルグリコールジアクリレート;
【0034】脂肪族ジアクリレート;ポリオレフィン変
性ネオペンチルグリコールジアクリレート;エポキシ
(メタ)アクリレート、エポキシマレイミド、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、ポリエステルマレイミド、
ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリウレタンマレ
イミド、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエー
テルマレイミド等、又はこれら複数の化合物との混合物
等である。
【0035】重合性組成物を重合する手段としては、
熱、紫外線の如きエネルギー線を用いることができる。
熱重合の場合は、重合開始剤として熱重合開始剤が必要
であり、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(ター
シャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、n−ブチル−4,4’−ジ(ターシャ
リーブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキ
サイドの如き過酸化物類;7−アゾビスイソブチルニト
リルの如きアゾ化合物類;テトラメチルチウラムジスル
フィドなどが挙げられる。
【0036】また、エネルギー線として紫外線を用いる
場合には、重合開始剤として光重合開始剤が通常必要で
ある。但し、重合性組成物の重合性官能基にマレイミド
を用いる場合は、光重合開始剤を要しない場合がある。
【0037】光重合開始剤としては、分子内結合開裂型
と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。前者の例
としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシル−フェニルケトン、
【0038】2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメ
チルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−
ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テルの如きベンゾイン系;2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの如きアシルホ
スフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリ
オキシエステルなどが挙げられる。
【0039】一方、後者の例としては、ベンゾフェノ
ン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベン
ゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒド
ロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル
−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノ
ン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−
4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;
【0040】2−イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキ
サントン系;ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミ
ノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10
−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラ
キノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファー
キノン等が挙げられる。
【0041】更に、前述の重合性組成物、重合開始剤と
液晶及び/又は溶剤等の混合物を特開平1−19872
5号公報等に開示されているような重合相分離法を用い
て重合相分離した後、液晶及び/又は溶剤等を除去する
ことによって得られる三次元網目構造を有する透明性固
体物質をも用いることもできる。液晶及び/又は溶剤等
を除去する手段としては、溶剤等で洗い流す手法、真空
乾燥することにより除去する手法等が挙げられる。
【0042】この方法では重合性組成物、液晶及び/又
は溶剤等の組合せを適宜、選択することにより、調光層
に形成される三次元網目構造が、好ましい平均空隙間
隔、例えば、平均空隙間隔が0.4〜1.5μmである
三次元網目構造を、容易に、且つ、予め形成しておくこ
とが出来るので、好ましい。
【0043】これら用いる透明性固体物質の三次元網目
構造の平均空隙間隔は、0.4μm〜5.0μmが好ま
しく、0.5〜1.5μmがより好ましく、0.5〜
1.0μmが更に好ましい。また、透明性固体物質から
なる三次元網目構造の厚さは、5〜100μmが好まし
く、6〜50μmがより好ましい。
【0044】本発明で用いられる液晶は、単一の液晶性
化合物であることを要しないのは勿論で、2種以上の液
晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物であっ
ても良く、通常この技術分野で液晶材料として認識され
るものであれば良く、そのうちの正の誘電異方性を有す
るものが好ましい。用いる液晶としては、ネマチック液
晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好まし
く、ネマチック液晶が特に好ましい。その性能を改善す
るために、コレステリック液晶、カイラルネマチック液
晶、カイラルスメクチック液晶等やカイラル化合物、二
色性色素等が適宜含まれていてもよい。
【0045】本発明で使用する液晶は、以下に示した化
合物群から選ばれる1種類以上の化合物から成る組成物
が好ましく、液晶の特性、即ち、抵抗値、等方性液体と
液晶の相転移温度、融点、粘度、屈折率異方性(Δ
n)、誘電率異方性(Δε)及び重合性組成物等との溶
解性等を改善することを目的として適宜選択、配合して
用いることができる。
【0046】液晶としては、安息香酸エステル系、シク
ロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニル系、ター
フェニル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシ
クロヘキサン系、ピリミジン系、ピリジン系、ジオキサ
ン系、シクロヘキサンシクロヘキサンエステル系、シク
ロヘキシルエタン系、トラン系、アルケニル系等の各種
液晶化合物が使用される。
【0047】液晶の具体例としては、4−置換安息香酸
4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサン
カルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステル、
4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息
香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換シク
ロヘキシル)安息香酸4’−シクロヘキシルエステル、
4−置換4’−置換ビフェニル、4−置換フェニル4’
置換シクロヘキサン、4−置換4”−置換ターフェニ
ル、4−置換ビフェニル4’−置換シクロヘキサン、2
−(4−置換フェニル)5−置換ピリジン、4−置換
(4−置換フェニルエチニル)フェニル等を挙げること
ができる。
【0048】液晶に混合し、透明性固体物質からなる三
次元網目構造内に含浸させ、三次元網目構造内で相分離
をさせる透明性物質としては、液晶と相溶する領域があ
り、且つ温度変化、重合等の状態変化により相分離し、
透明性固体物質の三次元網目構造の表面に新たな界面を
作製することができるものであれば良く、具体的には、
前述で示した重合性組成物、及びその重合性官能基が無
い物質等を用いることができる。
【0049】重合性組成物を用い、熱処理及び/又はエ
ネルギー線照射して、重合性組成物を重合させると同時
に相分離させる重合相分離法を用いて、又は温度変化に
より、相分離させた後、重合させる手法を用いて透明性
固体物質の三次元網目構造表面に新たな界面を作製した
調光層は、界面を形成する物質が架橋されているため、
熱安定性が高くより好ましい。
【0050】また、透明性固体物質からなる三次元網目
構造体が、重合性組成物の重合体からなり、更に液晶と
混合し三次元網目構造内の空隙部に含浸され、相分離さ
れ、三次元網目構造の表面に新たな界面を形成する透明
性物質として、三次元網目構造体形成で用いられた重合
性組成物と同一の重合性組成物を用い、重合相分離、又
は相分離後、重合させることによって得られる調光層
は、調光層内に存在する液晶以外の物質の屈折率が一致
するため、電圧を印加した場合に高い透明性が得られる
と共に、三次元網目構造体と液晶と相分離し重合した透
明性物質との親和性が良く、三次元網目構造体表面に新
たな界面が形成され易いため、更に好ましい。
【0051】更に、より低い駆動電圧を実現するために
は、上記の如き重合性組成物を重合させた物質の表面自
由エネルギーが27〜37mN/m2であることが好ま
しく、更に好ましくは30mN/m2〜35mN/m2
下である。
【0052】また、「リクイドクリスタルズ(LIQU
ID CRYSTALS),1993,14巻,4号,
929〜935頁」に示されているような、ポリマービ
ーズ構造を三次元網目構造体内部に作製し、液晶のメモ
リー性(電圧印加後、電圧を0vとしても電圧印加状態
を保持する)を付与することもできる。
【0053】本発明の液晶デバイスは、次のようにして
製造することができる。即ち、前述の如き透明性固体物
質からなる三次元網目構造で形成された調光層内の空隙
部に液晶と透明性物質との均一な混合物を含浸させる。
この時、透明性固体物質からなる三次元網目構造は、フ
ィルム状、基板上に存在する状態、又は2枚の基板間に
挟まれる状態のいずれであっても良い。用いる基板とし
ては、堅固な材料、例えばガラス、金属であっても良
く、柔軟性を有する材料、例えばプラスチックフィルム
の如きものであっても良い。
【0054】透明性固体物質からなる三次元網目構造で
形成された調光層内の空隙部に液晶と透明性物質との混
合物を含浸させる手法としては、液晶と透明性物質との
混合物中に三次元網目構造の調光層を浸ける方法、透明
性固体物質からなる三次元網目構造が基板上に存在する
状態で混合物を透明性固体物質からなる三次元網目構造
上に乗せ、その上に基板をかぶせる方法、真空注入法等
が挙げられる。この時、液晶と透明性物質との混合物は
均一状態であることが必要で、均一状態を得るために適
当に熱を加えても良い。
【0055】次に、三次元網目構造を有する透明性固体
物質内に均一な状態で含浸させた液晶と透明性物質との
混合物を相分離させる。相分離させる時、調光層は2枚
の基板に支持された状態であっても良く、相分離させた
後2枚の基板で支持しても良い。相分離させる手段とし
ては、温度変化により相分離させる手法でも良く、透明
性物質として重合性組成物を用い、熱処理及び/又はエ
ネルギー線照射して、重合性組成物を重合させると同時
に相分離させる重合相分離法を用いても良く、温度変化
により、相分離させた後、同法で重合させても良い。
【0056】この内、重合を伴う手法で作製された調光
層は、相分離された物質が架橋されているため、熱安定
性が高く好ましい。特に、エネルギー線照射による方法
は、生産性が高くより好ましい。エネルギー線照射とし
ては、通常、紫外線が用いられる。照射する時の温度
は、均一状態から液晶と重合性組成物との2相に分離す
る温度(以下転移点とする)から(転移点+20)℃以
下であることが好ましい。更に好ましくは転移点から
(転移点+5)℃である。
【0057】紫外線の照射強度としては、10W/m2
〜5000W/m2の照射強度であることが好ましく、
更に好ましくは50W/m2〜2000W/m2である。
ここで、液晶の劣化を防止するため、適当な紫外線カッ
トフィルターを用いることも好ましい。紫外線カットフ
ィルターとしては、液晶の吸収波長をカットし、開始剤
の吸収波長を通過させるものが良く、例えば、UV3
5、UV37、L39(東芝ガラス社製)等を用いるこ
とができる。
【0058】上記の方法、則ち、既に好ましい平均空隙
間隔を有する透明性固体物質からなる三次元網目構造で
形成された調光層の空隙部に、液晶と透明性物質との均
一な混合物を含浸させた後、液晶と透明性物質とを相分
離させる方法によって作製される光散乱型の液晶デバイ
スは、好ましい平均空隙間隔を有するため、高い光散乱
能(高いコントラスト、CR:T100 /T0)を有
し、且つ、液晶と液晶に接する透明性物質との界面が相
分離現象を用いて作製されているため、界面が液晶と透
明性物質とが混在した状態となり、これにより液晶界面
での表面エネルギー差が小さくなることから、界面近傍
での液晶が動作し易くなり、低電圧駆動が可能となる。
【0059】ここで、コントラスト(CR:T100
/T0)のT0とは白濁度であり、白色光源のみの透過
率を100%とした時の印加電圧0のときの光透過率
(%)を言う。またT100とは透明度であり、デバイ
スに印加電圧を増加させていき、白色光源の光透過率が
飽和したときの光透過率(%)を言う。電圧印加時の光
透過性が80%以上であると透明性が高く好ましい。ま
たコントラスト(CR値)は20以上であることが好ま
しい。T100が80%以上である材質を得ることは比
較的容易であるが、高いコントラストを得る上では、T
0を小さくすることがより重要であり、且つ困難であっ
た。
【0060】本発明の三次元網目構造の平均空隙間隔が
0.4〜1.5μmであり、且つ、重合性組成物の重合
物の表面自由エネルギーが27〜37mN/m2である
こと光散乱型液晶デバイスは、T0が小さく、且つま
た、電圧印加時の透明性も高いため、建築物の窓やショ
ーウィンドウ等の視野遮断スクリーン、採光コントロー
ルのカーテンに有用であるばかりか、文字や画像を表示
し高速応答性で電気的に表示を切り替える広告板や装飾
表示板、時計、コンピューター端末やプロジェクターの
表示装置としても有用である。
【0061】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいて、「%」及び「部」は各々「重量%」及び「重量
部」を表わし、評価特性の各々は以下の記号及び内容を
意味する。
【0062】T0:白濁度−印加電圧0Vの時の光透過
率(%) T100:透明度−印加電圧を増加させていき光透過率
が殆ど増加しなくなった時の光透過率(%) V90:駆動電圧−T0を0%、T100を100%と
したとき光透過率が90%となる印加電圧(vrms)
【0063】(実施例1)化3の液晶組成物(B−1)
70%、化4の重合性組成物(A1)29.7%、光重
合開始剤(C)イルガキュア651(チバスペシャリテ
ィーケミカルズ社製)0.3%から成る均一な溶液を、
11μmのスペーサーが散布された2枚のITO付きガ
ラスの間に注入した後、400W/m2の紫外線をUV
カットフィルター:UV35(東芝硝子社製)を通し
て、60秒間照射し、重合性組成物(A1)を硬化させ
た後、片側基板を剥がし、アセトンにて液晶を洗い流
し、乾燥させることによって、透明性固体物質の三次元
網目構造体を得た。
【0064】液晶組成物(B−1)
【0065】
【化3】
【0066】重合性組成物(A1)
【0067】
【化4】
【0068】得られた透明性固体物質の三次元網目構造
体の平均空隙間隔をSEMにて観察したところ、0.8
μmであった。次に、化5の液晶組成物(B−2)90
%、重合性組成物(A1)9.85%、光重合開始剤
(C)イルガキュア651(チバスペシャリティーケミ
カルズ社製)0.15%から成る溶液を100℃に加熱
し、均一な混合物を得られた透明性固体物質の三次元網
目構造体内に含浸した後、片側基板と張り合わせ、10
0W/m2の紫外線をUVカットフィルター:UV35
(東芝硝子社製)を通して、60秒間照射し、透明性固
体物質の三次元網目構造表面に相分離に基づく新たな界
面を形成した、光散乱型の液晶デバイスを得た。
【0069】液晶組成物(B−2)
【0070】
【化5】
【0071】得られた光散乱型液晶デバイスの電圧透過
率特性を測定したところ、T0=0.5%、V90=
5.3v(0.48v/μm)であった。
【0072】(実施例2)液晶組成物(B−2)90
%、重合性組成物(A2)ポリプロピレングリコールジ
アクリレート:APG700(新中村化学社製)6.8
5%、重合性組成物(A3)ラウリルアクリレート:L
A(日本化薬社製)3.00%光重合開始剤(C)イル
ガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社
製)0.15%から成る溶液を100℃に加熱し、均一
状態を保持しながら実施例1で得られた透明性固体物質
の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板と張り合
わせ、100W/m2の紫外線をUVカットフィルタ
ー:UV35(東芝硝子社製)を通して、60秒間照射
し、透明性固体物質の三次元網目構造表面に相分離に基
づく新たな界面を形成した、光散乱型の液晶デバイスを
得た。得られた光散乱型液晶デバイスの電圧透過率特性
を測定したところ、T0=0.6%、V90=7.8v
(0.71v/μm)であった。
【0073】(実施例3)液晶組成物(B−2)90
%、重合性組成物(A1)10%から成る溶液を、10
0℃に加熱し、均一状態を保持しながら実施例1で得ら
れた透明性固体物質の三次元網目構造体内に含浸した
後、片側基板と張り合わせ、室温まで冷却することによ
って、透明性固体物質の三次元網目構造表面に相分離に
基づく新たな界面を形成した、光散乱型の液晶デバイス
を得た。得られた光散乱型液晶デバイスの電圧透過率特
性を測定したところ、T0=0.5%、V90=7.7
v(0.7v/μm)であった。
【0074】(比較例1)液晶組成物(B−2)のみを
160℃に加熱しながら実施例1で得られた透明性固体
物質の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板と張
り合わせ、室温まで冷却することによって光散乱型の液
晶デバイスを得た。この光散乱型液晶デバイスの電圧透
過率特性を測定したところ、T0=0.5%、V90=
23.8v(2.16v/μm)であり、液晶組成物
(B−2)のみを含浸すると高駆動電圧となった。
【0075】(実施例4)液晶組成物(B−1)90
%、重合性組成物(A1)9.85%、光重合開始剤
(C)イルガキュア651(チバスペシャリティーケミ
カルズ社製)0.15%から成る溶液を、80℃に加熱
し、均一状態を保持しながら実施例1で得られた透明性
固体物質の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板
と張り合わせ、100W/m2の紫外線をUVカットフ
ィルター:UV35(東芝硝子社製)を通して、60秒
間照射し、透明性固体物質の三次元網目構造表面に相分
離に基づく新たな界面を形成した、光散乱型の液晶デバ
イスを得た。得られた光散乱型液晶デバイスの電圧透過
率特性を測定したところ、T0=0.7%、V90=
4.6v(0.42v/μm)であった。
【0076】(比較例2)液晶組成物(B−1)のみを
100℃に加熱しながら実施例1で得られた透明性固体
物質の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板と張
り合わせ、室温まで冷却することによって光散乱型の液
晶デバイスを得た。得られた光散乱型液晶デバイスの電
圧透過率特性を測定したところ、T0=0.7%、V9
0=18.5v(1.68v/μm)であり、液晶組成
物(B−1)のみを含浸すると高駆動電圧となった。
【0077】(実施例5)透明性固体物質の三次元網目
構造を有する50μm厚の多孔質体:ハイポア3000
(旭化成工業社製)をガラス基板上にラミネートした
後、液晶組成物(B−1)90%、重合性組成物(A
1)9.85%、光重合開始剤(C)イルガキュア65
1(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.15%
から成る溶液を、80℃に加熱し、均一状態を保持しな
がら上記の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板
と張り合わせ、100W/m2の紫外線をUVカットフ
ィルター:UV35(東芝硝子社製)を通して60秒間
照射し、透明性固体物質の三次元網目構造表面に相分離
に基づく新たな界面を形成した、光散乱型の液晶デバイ
スを得た。得られた光散乱型液晶デバイスの電圧透過率
特性を測定したところ、T0=0.08%、V90=4
8.6v(0.97v/μm)であった。
【0078】(比較例3)透明性固体物質の三次元網目
構造を有する50μm厚の多孔質体:ハイポア3000
(旭化成工業社製)をガラス基板上にラミネートした
後、液晶組成物(B−1)のみを100℃に加熱しなが
ら上記の三次元網目構造体内に含浸した後、片側基板と
張り合わせ、室温まで冷却することによって光散乱型の
液晶デバイスを得た。得られた光散乱型液晶デバイスの
電圧透過率特性を測定したところ、T0=0.09%、
V90=167.4v(3.35v/μm)であり、液
晶組成物(B−1)のみを含浸すると高駆動電圧となっ
た。
【0079】(比較例4)実施例1〜3で透明性固体物
質の三次元網目構造体内に含浸された液晶組成物(B−
2)と実施例1及び3で透明性固体物質の三次元網目構
造体形成に用いた重合性組成物(A1)を用いて、紫外
線照射による重合相分離法のみで光散乱型液晶デバイス
を作製した。
【0080】則ち、液晶組成物(B−2)70%、重合
性組成物(A1)29.7%、光重合開始剤(C)イル
ガキュア651(チバスペシャリティーケミカルズ社
製)0.3%から成る均一な溶液を、11μmのスペー
サーが散布された2枚のITO付きガラスの間に注入し
た後、800W/m2の紫外線をUVカットフィルタ
ー:UV35(東芝硝子社製)を通して、60秒間照射
し、重合性組成物(A1)を硬化させ、液晶の連続層中
に透明性固体物質の三次元網目構造を有する光散乱型の
液晶デバイスを得た。
【0081】得られた透明性固体物質の三次元網目構造
体の平均空隙間隔をSEMにて観察したところ、2.8
μmと大きかった。この光散乱型液晶デバイスの電圧透
過率特性を測定したところ、T0=25.9%、V90
=4.3v(0.39v/μm)であり、通常の紫外線
照射による重合相分離法では、最適な三次元網目構造が
形成されず、T0が大きい、則ち、光散乱効率が悪くコ
ントラストの低い光散乱型の液晶デバイスが形成され
た。実施例1〜5、比較例1〜3の結果を表1に示す。
尚、T100の値は表に示していないが、実施例及び比
較例のT100の値は、いずれも80%以上であった。
【0082】
【表1】
【0083】本発明の製造方法によれば、比較例4に示
したような、通常の紫外線照射による重合相分離法で
は、最適な三次元網目構造の形成が困難な液晶を用いた
場合でも、実施例1〜3に示すように、T0の低い、即
ち、高散乱性能でコントラストの高い液晶デバイスを作
製することができ、且つ、透明性固体物質の三次元網目
構造内において、液晶と透明性物質との相分離に基づく
新たな界面を形成させることにより、表1に示すような
低駆動電圧が実現されることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明は、用いる液晶や三次元網目構造
を形成する透明性固体物質の性質により、調光層中に形
成される三次元網目構造、特に平均空隙間隔の大きさが
制限される為に、用いる液晶や三次元網目構造を形成す
る透明性固体物質の種類によっては、適切な平均空隙間
隔を有する三次元網目構造で形成された調光層を製造す
ることが困難であったが、本発明は用いる液晶や三次元
網目構造を形成する透明性固体物質の性質に依存せず
に、種々の液晶と透明性固体物質とを用いて、高い液晶
表示コントラストと低い駆動電圧特性が得られる、光散
乱型液晶デバイス、及びその製造方法を提供することが
できる。
【0085】これにより、文字や図形を表示し、高速応
答性を以て電気的に表示を切り替えることによって、広
告板等の装飾表示板や時計、電卓の表示装置や、明るい
画面を必要とする表示装置ばかりでなく、コントラスト
が高く視認性に優れ、且つ低消費電力で駆動するコンピ
ューター端末の表示装置やプロジェクションの表示装置
又は反射型の液晶ディスプレイを容易に製造することが
できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性固体物質からなる三次元網目構造
    で形成された調光層の空隙部に、液晶と透明性物質との
    均一な混合物を含浸させた後、該混合物を相分離させる
    ことを特徴とする、電極層を有する少なくとも一方が透
    明な2枚の基板とこれらの基板間に支持された調光層と
    を有する光散乱型液晶デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 透明性固体物質からなる三次元網目構造
    で形成された調光層の空隙部に、液晶と重合性組成物と
    の均一な混合物を含浸させた後、該重合性組成物を重合
    させることによって相分離させるか、又は相分離させて
    から重合させるか、もしくは重合と相分離が同時に進行
    させることを特徴とする、電極層を有する少なくとも一
    方が透明な2枚の基板とこれらの基板間に支持された調
    光層とを有する光散乱型液晶デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】 透明性固体物質からなる三次元網目構造
    で形成された調光層の透明性固体物質が重合性組成物の
    重合物である調光層の空隙部に、該重合性組成物と同一
    の重合性組成物と液晶との均一な混合物を含浸させるこ
    とを特徴とする、請求項2に記載の光散乱型液晶デバイ
    スの製造方法。
  4. 【請求項4】 光散乱型液晶デバイスの三次元網目構造
    の平均空隙間隔が0.4〜1.5μmであることを特徴
    とする、請求項1〜3いずれか1つに記載の製造方法で
    得られた光散乱型液晶デバイス。
  5. 【請求項5】 重合性組成物の重合物の表面自由エネル
    ギーが27〜37mN/m2であることを特徴とする、
    請求項2又は3に記載の製造方法で得られた光散乱型液
    晶デバイス。
  6. 【請求項6】 三次元網目構造の平均空隙間隔が0.4
    〜1.5μmであり、且つ、重合性組成物の重合物の表
    面自由エネルギーが27〜37mN/m2であることを
    特徴とする、請求項2又は3に記載の製造方法で得られ
    た光散乱型液晶デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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