JP2023144540A - 調光素子の製造方法及び調光素子 - Google Patents

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朋史 濱村
Tomofumi Hamamura
秀樹 佐藤
Hideki Sato
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Abstract

【課題】 調光層に色素を含む場合でも、調光層と基板との密着性が良好であり、例えば、Roll to Rollプロセスにおける巻取り時に生じる調光素子の剥離による歩留まりを改善できる、調光素子の製造方法を提供する。【解決手段】 表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板を、各配向層が対向するように配置して、前記第1基板及び前記第2基板の間に硬化性組成物を配置する工程、前記硬化性組成物に対して、前記第1基板側及び前記第2基板側の両側から活性エネルギー線を照射する工程を有し、前記硬化性組成物は、色素、重合性化合物及び前記第1基板の導電層と前記第2基板の導電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含有する、調光素子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、調光素子の製造方法に関し、さらに調光素子に関する。
近年、ガラスの透明度を電気的に切り替えることができるスマートガラスの需要が大き
くなってきている。スマートガラスに用いられる調光材としては、液晶方式、エレクトロ
クロミック方式、SPD(Suspend Particle Device)方式等が
提案されている。この中でも、液晶方式は応答時間が圧倒的に短く、利用者にストレスを
感じさせないために注目されている。
液晶方式の中でも、PDLC(Polymer Dispersed Liquid
Crystals)が広く知られている(非特許文献1)。PDLCは粒子状の液晶が高
分子マトリクスに分散した液晶-高分子複合膜が、2枚の透明導電基板に挟まれた構造を
持つ。
PDLCは、電車、自動車等の車両、ビジネスビル、病院等の建物の窓、扉、間仕切り
等において、意匠性やプライバシーの保護等を目的とした調光シャッターとして実用化さ
れている。また、文字や図形を表示する表示装置としても用いられている。
PDLCの中でもノーマルモード駆動及びリバースモード駆動が存在し、リバースモー
ド駆動のPDLCとして、特許文献1には、電圧非印加状態での液晶の屈折率と異方性ゲ
ル(重合した高分子)の屈折率とが実質的に一致し、視野方向によらず透明性が高くなり
、電圧印加状態では液晶の誘電率異方性により液晶の配向が変化し、液晶の屈折率と異方
性ゲルの屈折率とが異なる状態となり、散乱状態を呈する液晶光学素子が開示されている
また、特許文献2には、リバースモード駆動のPDLCであって、特定の重合性化合物
及び非重合性の液晶組成物を含有する液晶性混合物を用いて得られる電気光学機能層を備
える液晶光学素子が開示されている。
米国特許第5188760号 日本国特開2005-202391号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献2に記載の液晶性混合物に全光線透過率の幅広
い制御を目的として色素を加えた場合、得られる液晶光学素子の電気機能層と基板との密
着性が不十分であり、液晶光学素子製造時の不具合を見出した。
そこで本発明は、調光層に色素を含む場合でも、調光層と基板との密着性が良好であり
、Roll to Rollプロセスにおける巻取り時に生じる調光素子の剥離による歩
留まりを改善できる、調光素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、色素を含む調光層と基板との密着性が良好である調光素子を提供する
ことを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の製造方法により、色素を含む調光層と基板との
密着性を改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板を、各配向層が対向
するように配置して、前記第1基板及び前記第2基板の間に硬化性組成物を配置する工程、
前記硬化性組成物に対して、前記第1基板側及び前記第2基板側の両側から活性エネル
ギー線を照射する工程を有し、
前記硬化性組成物は、色素、重合性化合物及び前記第1基板の導電層と前記第2基板の導
電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含有する、調光素子の製造方法。
[2] 表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板と、
前記配向層が対向するように配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され
た調光層とを備え、
前記調光層は、色素、ポリマーマトリクス及び前記第1基板の導電層と前記第2基板の導
電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含み、
180度剥離試験において剥離力が0.08N以上である、調光素子。
本発明によれば、調光層に色素を含む場合でも、調光層と基板との密着性が良好であり
、例えば、Roll to Rollプロセスにおける巻取り時に生じる調光素子の剥離
による歩留まりを改善できる、調光素子が製造可能となる。
実施例における剥離力評価用サンプルの概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載は本発明の実施形態の一例であり、
本発明はその要旨を超えない限り、これらに特定されない。
本発明の第1の実施形態に係る調光素子の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板を、
各配向層が対向するように配置して、前記第1基板及び前記第2基板の間に硬化性組成物を
配置する工程、前記硬化性組成物に対して、前記第1基板側及び前記第2基板側の両側か
ら活性エネルギー線を照射する工程を有する。
表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板を、各配向層が対向するよ
うに配置して、前記第1基板及び前記第2基板の間に硬化性組成物を配置する工程は、第1
基板と第2基板とで硬化性組成物を挟む工程であり、例えば、一方の基板の配向層表面に
硬化性組成物を塗布し、もう一方の基板を積層することで行うことができる。他の方法と
しては、両方の基板の配向層表面に対して硬化性組成物を塗布し、貼合せることで行うこ
とができる。
塗布方法としては、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、ダイコート、スクリ
ーンコート、マイクログラビアロールコート、リバースロールコート、キスロールコート
、ディップロールコート、スピンコート、スプレーコート等、公知の塗布方法が使用でき
る。基板の性状に応じ、適宜基板洗浄をしてもよい。
塗布時のウェット膜厚は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また、
60μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましく、さらに好ましくは30μm以下
である。ウェット膜厚が上記下限値以上であることで、硬化性組成物の粗密が無くなり、
均一に塗布できる傾向がある。ウェット膜厚が上記上限値以下であることで、硬化後の密
着性が改善する傾向がある。
[第1基板、第2基板]
基板の材質としては、例えば、ガラスや石英等の無機透明物質、金属、金属酸化物、半
導体、セラミック、プラスチック板、プラスチックフィルム等の無色透明のものが挙げら
れる。これらの基板を単板で用いても、複数積層して用いてもよい。
基板にはキズや汚れから守る目的でハードコート層や特定波長域の光線を遮断するシャ
ープカット層やバンドパス層を付与してもよい。
電極を構成する導電層は、上記基板の上に、例えば、金属酸化物、金属、半導体、有機
導電物質等の薄膜を基板全面或いは部分的に、既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着
法等により形成される。また、導電性の薄膜形成後に部分的にエッチングしたものでもよ
い。特に大面積の調光素子を得るためには、生産性及び加工性の面からポリエステルテレ
フタレート(PET)等の透明高分子フィルム上にITO(酸化インジウムと酸化スズの
混合物)電極をスパッタ等の蒸着法や印刷法等を用いて形成した導電層付き基板を用いる
ことが望ましい。
基板上に導電層間或いは導電層と外部を結ぶための配線が設けられていてもよい。例え
ば、セグメント駆動用電極基板やマトリックス駆動用電極基板、アクティブマトリックス
駆動用電極基板等であってもよい。
第1基板、第2基板は、導電層上に配向層を備える。
配向処理としては、電極表面を直接ラビングしてもよく、TN液晶、STN液晶等に用
いられるポリイミド等の通常の配向膜を使用してもよいし、光配向処理を施してもよい。
配向層としては、耐熱性、透明性、配向制御の観点から、ポリイミドが好ましい。
対向する第1基板、第2基板は、周辺部に適宜、基板を接着支持する樹脂体を含む接着
層を有していてもよい。
対向配置される第1基板、第2基板間には、球状又は筒状のガラス、プラスチック、セ
ラミック、あるいはプラスチックフィルム等のスペーサーを存在させてもよい。スペーサ
ーは、本発明における硬化性組成物として含有させることで、基板間の調光層中に存在さ
せてもよく、調光素子組み立ての際に第1基板、第2基板上に散布したり、接着剤と混合
して接着層の中に存在させたりしてもよい。
[硬化性組成物]
本発明における硬化性組成物は、色素、重合性化合物及び前記第1基板の導電層と前記
第2基板の導電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含有する。
色素としては二色性色素が好ましく、二色性色素としては、例えば、アゾ系色素、アン
トラキノン系色素、ナフトキノン系色素、ペリレン系色素、キノフタロン系色素、テトラ
ジン系色素、ベンゾチアゾール系色素を用いることができ、二色性、液晶への溶解性、着
色力の観点から、アントラキノン系色素、またはアゾ系色素が好ましい。
色素は、1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。特に限定はないが
、硬化性組成物に含有される二色性色素に対して、アントラキノン系色素またはアゾ系色
素を20質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上含むことが好ましい。
硬化性組成物を構成する二色性色素の具体的例としては、例えば、以下の式で表される
化合物が挙げられる。
Figure 2023144540000001
上記式中、Xは各々独立に、―NH-又は―S―を示し、nは0又は1を示し、Arはフェニ
レン基又はナフレチレン基を示す。
Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、これらの置換基を有してもよいシクロヘ
キシル基、フェニル基、フェニルシクロヘキシル基、又はシクロヘキシルシクロヘキル基
を示す。
硬化性組成物中の色素の含有割合は、1.5質量%以上が好ましく、3.0質量%以上
がより好ましい。また、4.0質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましい
。前記下限値以上であれば、全光線透過率を幅広く制御できる傾向があり、前記上限値以
下であれば、光学特性のダイナミックレンジおよび粘着性が改善する傾向がある。
硬化性組成物中の色素と重合性化合物との質量比は、重合性化合物1に対して、色素は
0.05以上が好ましく、0.09以上がより好ましい。また、重合性化合物1に対して
、色素は0.20以下が好ましく、0.15以下がより好ましい。前記下限値以上であれ
ば、全光線透過率を幅広く制御できる傾向があり、前記上限値以下であれば、光学特性の
ダイナミックレンジおよび粘着性が改善する傾向がある。
硬化性組成物中の色素と液晶分子との質量比は、液晶分子1に対して、色素は0.02
以上が好ましく、0.04以上がより好ましい。また、液晶分子1に対して、色素は0.
09以下が好ましく、0.06以下がより好ましい。前記下限値以上であれば、全光線透
過率を幅広く制御できる傾向があり、前記上限値以下であれば、光学特性のダイナミック
レンジが改善する傾向がある。
重合性化合物としては、紫外線により重合する化合物であればよく、その際、どのよう
な反応形式で重合が進み、ポリマーネットワークを形成させてもよい。具体的な反応形式
としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合または重合付加反応が挙げられる
。光学特性の観点から、ラジカル重合であることが好ましい。その際、重合性化合物とし
ては、下記のラジカル重合型の重合性化合物、又はそのオリゴマーを用いることができる
。また、これらの重合性化合物を重合反応させたポリマーを用いることもできる。
ラジカル重合型の重合性化合物又はそのオリゴマーの具体例は、国際公開2015/1
99148号の7頁~9頁に記載される単官能重合性化合物、二官能重合性化合物及び多
官能重合性化合物が挙げられる。なかでも、本発明においては、同公報中の二官能重合性
化合物を用いることが好ましい。
更に、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレ
タンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネ
ートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレン
ジイソシアネートウレタンプレポリマーなどのポリウレタンアクリレート、又はこれらの
モノマーやオリゴマーを用いることもできる。これらラジカル型の重合性化合物は、各特
性に応じて1種又は2種以上をも使用できる。
硬化性組成物において、重合性化合物又はそのオリゴマーの含有割合は、液晶表示素子
の液晶層と液晶配向膜との密着性の観点から、硬化性組成物の質量に対して、20質量%
以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。また、60質量%以下が好ましく、4
5質量%以下がより好ましい。前記下限値以上であれば、密着性が改善する傾向があり、
前記上限値以下であれば、光学特性のダイナミックレンジが改善する傾向がある。
本発明における液晶分子は、第1基板の導電層と第2基板の導電層への電圧印加により配
向が変化するものであり、液晶分子としては、一般的に動作温度範囲の観点から単分子で
はなく、通常は組成物として用いられる。液晶には、ネマチック液晶、スメクチック液晶
又はコレステリック液晶を用いることができる。なかでも、負の誘電異方性を有するもの
が好ましい。また、低電圧駆動の観点から、誘電率の異方性が大きいものが好ましく、散
乱特性の観点からは屈折率の異方性が大きいものが好ましい。
硬化性組成物中の液晶分子の含有割合は、40質量%以上が好ましく、55質量%以上
がより好ましい。また、80質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。前
記下限値以上であれば、光学特性のダイナミックレンジが改善する傾向があり、前記上限
値以下であれば、密着性が改善する傾向がある。
液晶分子の屈折率異方性(Δn)の制限はなく、NI点(ネマチック相-等方相転移温
度)は、素子動作温度の観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上で
ある。
硬化性組成物には、本発明の調光素子の性能を損なわない範囲で、添加剤を含有してい
てもよい。具体的には高分子前駆体、重合開始剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁
止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性剤、カイラル剤等を有していてもよい。
重合開始剤は、紫外線によりラジカルが発生しすることで重合性化合物のラジカル重合
を促進させポリマーマトリクス形成をするため、導入することが好ましい。具体的には、
国際公開2015/199148号の10頁~11頁に記載されるラジカル開始剤が挙げ
られる。
ラジカル開始剤の使用割合は、調光素子の調光層と基板との密着性の点から、硬化性組
成物中の液晶成分に対して、0.01~10質量%が好ましい。より好ましいのは、0.
05~5質量%である。これらラジカル開始剤は、各特性に応じて1種又は2種以上を使
用できる。
カイラル剤は、液晶成分へ相溶するカイラル化合物であればいずれでもよく、合成品で
も市販品でよい。また、それ自体が液晶性を示すものでもよいし、重合性の官能基を有し
ていてもよい。さらに、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイ
ラル剤を併用してもよい。
また、カイラル剤としては、粘度の低いものが調光素子の駆動電圧低減及び応答速度の
観点から好ましく、カイラル剤が液晶をねじる力の指標とされるHelical Twi
sting Powerが大きいほうが好ましい。
市販のカイラル剤としては、例えば、CB15(商品名 メルク社製)、C15(商品
名 メルク社製)、S-811(商品名 メルク社製)、R-811(商品名 メルク社
製)、S-1011(商品名 メルク社製)、R-1011(商品名 メルク社製)が挙
げられる。
硬化性組成物は有機溶媒を含んでいてもよく、有機溶媒としては、揮発性が低いものが
好ましく、例えば、ノルマルヘキサン、アセトニトリルが挙げられる。硬化性組成物に有
機溶媒を含むことで塗工性が改善し、塗工後は十分乾燥し有機溶媒を除去することで成膜
性が改善する。
本発明の製造方法では、第1基板及び第2基板の間に硬化性組成物を配置する工程の後に
、前記硬化性組成物に対して、前記第1基板側及び前記第2基板側の両側から活性エネル
ギー線を照射する工程を有する。従来の片面からの照射では、活性エネルギー線が照射面
から対向する基板まで到達する間に、色素が活性エネルギー線を吸収することでエネルギ
ーロスが生じ、硬化反応の進行が阻害される。一方、両面からの照射では、色素によるエ
ネルギーロスを低減できるため、硬化反応が効率よく進行する。
活性エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線の光線が挙げられ、中
でも取扱い容易性の観点から、紫外線を用いることが好ましい。
紫外線の光源としては、LED、高圧水銀ランプが挙げられ、中でも電力消費、温度上昇
抑制の観点から、LEDが好ましい。
照射条件(照射強度、時間、温度)は任意に設定できる。
本発明においては、調光素子の端部あるいは切断面を、粘着テープ、熱圧着テープ、熱
硬化性テープ等のテープ類、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化型樹脂、室温硬化型
接着剤、嫌気性接着剤、エポキシ系接着剤、シリコ-ン系接着剤、フッ素樹脂系接着剤、
ポリエステル系接着剤、塩化ビニル系接着剤等の硬化性樹脂類や熱可塑性樹脂類等で封止
する工程を有することで、内部の調光層等の染み出しを防ぐことができる。また、この封
止により、調光素子の劣化を防ぐ効果が得られる場合もある。その際の端面の保護法とし
ては、端面を全体に覆ってもよいし、端部から調光素子内部に硬化性樹脂類や熱可塑性樹
脂類を流し込み固化させてもよく、更にこの上をテープ類で覆ってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る調光素子について説明する。
本発明の第2の実施形態に係る調光素子は、表面から順に導電層、配向層を備える第1
基板及び第2基板と、前記配向層が対向するように配置された前記第1基板と前記第2基
板との間に挟持された調光層とを備え、前記調光層は、色素、ポリマーマトリクス及び前
記第1基板の導電層と前記第2基板の導電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を
含み、180度剥離試験において剥離力が0.08N以上である、調光素子である。
180度剥離試験において剥離力が0.08N以上であることにより、調光層と基板間
の密着性が改善する傾向がある。
剥離力は、0.08N以上が好ましく、0.09N以上がより好ましい。また、上限は特に
制限されないが、通常は0.2N以下である。
第1基板及び第2基板としては、第1の実施形態に係る調光素子の製造方法で挙げた導電
層、配向層を備える基板を用いることができ、好ましい導電層、配向層、基板も同様であ
る。
色素及び液晶分子としても、第1の実施形態に係る調光素子の製造方法で挙げた色素及
び液晶分子を用いることができ、好ましい色素及び液晶分子も同様である。
ポリマーマトリクスは、第1の実施形態に係る調光素子の製造方法で挙げた重合性化合
物を重合して得られるポリマーを用いることができる。好ましいポリマーマトリクスとし
ては、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンメタクリレート、イソボルニルアク
リレート、イソボルニルメタクリレート、アクリレートエステル、メタクリレートエステ
ル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシ
プロピルアクリレート及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の重合性化合物を含むことが好ましい。その際、これらのオリゴマーを
用いてもよい。より好ましくは、脂肪族ウレタンアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、アクリレートエステル又はヒドロキシエチルメタクリレートである。
本発明の調光素子は電圧の印加によって透明状態と着色状態を切り替えることができる
ものであり、透明状態での全光線透過率は55%以上が好ましく、60%以上がより好ま
しい。着色状態での全光線透過率は25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
また、透明状態でのヘーズは10%以下が好ましく、着色状態でのヘーズは80%以上が
好ましい。
本明細書における全光線透過率は、JIS K7136で規定された方法で測定され、
全光線透過率は可視光領域(波長380nm~780nm)で測定されるものとする。
また、本明細書におけるヘーズは、JIS K7136の方法で測定される。
以下に本実施形態を実施例などにより、具体的に説明する。本発明は、その要旨を超え
ない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
Δn=0.20、Δε=-3.1、NI点=101℃のネマチック液晶を液晶成分とし
、これに下記式(D-1)で表されるアントラキノン系シアン色の二色性色素、下記式(
D-2)で表されるアゾ系イエロー色の二色性色素、林原社製アゾ系マゼンタ色の二色性
色素「NKX-3739」、およびカイラル剤(CB-15)を混合した後、江蘇和成顯
示科技股▲分▼有限公司社製アクリレートモノマー「HCM-021」とBASF社製アク
リレートモノマー「Paliocolor LC242」を混合した。最後に、Henkel社
製「ロックタイト3736」を混合して、重合性組成物1を得た。
式中のCはブチル基、C17はオクチル基、C15はヘプチル基を表す
Figure 2023144540000002
重合性組成物1中の各成分の配合割合については、まず、下記<1>~<5>を含む混
合液1の総量を100とした場合に、
<1>ネマチック液晶は、94.2質量%、
<2>式(D-1)で表される色素は、3.4重量%、
<3>式(D-2)で表される色素は、0.6質量%、
<4>「NKX―3739」は、1.0質量%、
<5>「CB―15」は、0.8質量%
となるように混合した。
次いで、前記混合液1と下記<6>~<7>の総量を100とした場合に、
<6>「HCM-021」は、11質量%、
<7>「LC242」は、8質量%、
となるように混合し、混合液2を調製した。
次いで、前記混合液2に対して、20質量%となるように「ロックタイト3736」を
混合し、硬化性組成物1を得た。
硬化性組成物1を25℃で10分攪拌した後、硬化性組成物1を基板の間に挟持したも
のである液晶セルを以下のように作製した。まず、透明電極上に垂直配向用ポリイミド薄
膜を形成した一対の基板を準備した。次いで、片方の基板に対して、形成されたポリイミ
ド薄膜の上に、硬化性組成物1を塗布した。
次いで、硬化性組成物1を塗布した面に対して、もう片方の基板を、ポリイミド薄膜を
形成した面が対向するように貼合せることで、液晶セルを作成した。
液晶セルをガラス板で挟込み固定した上で、主波長が約365nmのLEDランプにより、
一対の基板に対して、一方の基板面側より照度37mW/cm2、もう片方の基板面側から
同じく、約38mW/cm2の条件下、紫外線を4分間照射した。以上のようにして、重合
性組成物1から光重合層分離プロセスを経て、調光素子1を得た。
(比較例1)
重合性組成物2として、下記<1>~<2>を含む混合液3の総量を100とした場合
に、
<1>前記ネマチック液晶は、99.2重量%、
<2>「CB―15」は、0.8質量%
となるように混合し、混合液3を得た。
次いで、前記混合液3と<6>と<7>の総量を100とした場合に、
<6>「HCM-021」は、11質量%、
<7>「LC242」は、8質量%、
となるように混合し、混合液4を得た。
次いで、前記の混合液4に対して、20質量%となるように「ロックタイト3736」
を混合し、重合性組成物2を得た。
重合性組成物1の代わりに前記重合性組成物2を用いたこと以外は実施例1と同様の操
作により、調光素子2を得た。
(比較例2)
液晶セルへ紫外線を照射する工程において、主波長が約365nmのHgXeランプによ
り、一対の基板に対して、一方の基板面側より照度37mW/cm2の条件下で、紫外線を
1分間照射したこと以外は、比較例1と同様の操作により、調光素子3を得た。
(比較例3)
液晶セルへ紫外線を照射する工程において、主波長が約365nmのLEDランプにより
、一対の基板に対して、一方の基板面側より照度37mW/cm2の条件下で、紫外線を1
分間照射したこと以外は、実施例1と同様の操作により、調光素子4を得た。
(180度剥離試験における剥離力評価)
次に、調光素子の剥離力に関する評価試験について説明する。調光素子の180度剥離
試験における剥離力は、引張圧縮試験機(A&D社製 AND STB-1225L)を用いて、移動速度
5cm/minで評価した。
剥離力評価用のサンプルは、調光素子1を短冊状(横幅2cm、縦幅7.5cm)にカッ
トした。続いて、サンプルを引張圧縮試験機に固定するために、図1に示すように短冊状
にカットした調光素子1の片方の短辺に対して、実施例1で用いた透明電極を横幅2cm
、縦幅7.5cmにカットしたものが、約0.5cm重なるように両面テープで貼付け、
固定箇所を作製した。以上のようにして、横幅2cm、縦幅14.5cmの評価用サンプ
ルを作成した。
剥離力評価中に、引張圧縮試験機への固定箇所が調光素子本体から剥がれないようにす
るため、調光素子を予め一部剥離した上で、評価した。
調光素子2~4についても同様の手順により、剥離力を評価した。剥離力の結果を表1
に示す。
Figure 2023144540000003
表1の実施例1と比較例3との比較から、両面露光した色素ありの調光素子1は、色素
ありで片面露光した調光素子4に比べて、荷重(剥離力)の増加を示し、密着性は改善し
ていることが分かる。
また、表1の実施例1と比較例3、及び比較例1と比較例2との比較から、片面露光か
ら両面露光したことによる改善効果は、色素なしが1.3倍に対して、色素を含む場合は
2.1倍と高い値を示した。これは、両面露光にしたことで、色素の紫外光吸収による、
光重合の進行が改善されたためだと考えられる。
以上から、本発明の方法により製造された調光素子は、色素を含むことから全光線透過
率の幅広く制御でき、かつ、調光層と基板との密着性に優れるため、例えば、Roll
to Rollプロセスにおいて巻取り時に生じる調光素子の剥離による歩留まりを抑制
する効果が発揮できると考えられる。

Claims (2)

  1. 表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板を、各配向層が対向するよ
    うに配置して、前記第1基板及び前記第2基板の間に硬化性組成物を配置する工程、
    前記硬化性組成物に対して、前記第1基板側及び前記第2基板側の両側から活性エネル
    ギー線を照射する工程を有し、
    前記硬化性組成物は、色素、重合性化合物及び前記第1基板の導電層と前記第2基板の導
    電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含有する、調光素子の製造方法。
  2. 表面から順に導電層、配向層を備える第1基板及び第2基板と、
    前記配向層が対向するように配置された前記第1基板と前記第2基板との間に挟持され
    た調光層とを備え、
    前記調光層は、色素、ポリマーマトリクス及び前記第1基板の導電層と前記第2基板の導
    電層への電圧印加により配向が変化する液晶分子を含み、
    180度剥離試験において剥離力が0.08N以上である、調光素子。
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