JP2002286925A - カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 - Google Patents

カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

Info

Publication number
JP2002286925A
JP2002286925A JP2001086704A JP2001086704A JP2002286925A JP 2002286925 A JP2002286925 A JP 2002286925A JP 2001086704 A JP2001086704 A JP 2001086704A JP 2001086704 A JP2001086704 A JP 2001086704A JP 2002286925 A JP2002286925 A JP 2002286925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
ink
receiving layer
colored
ink receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001086704A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Koichiro Nakazawa
広一郎 中澤
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001086704A priority Critical patent/JP2002286925A/ja
Publication of JP2002286925A publication Critical patent/JP2002286925A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性に優れ、液晶素子組み立て工程におい
て色抜けや色ムラの発生しないカラーフィルタをインク
ジェット方式により製造する。 【解決手段】 熱硬化型樹脂組成物により透明基板1上
にインク受容層3を形成し、該インク受容層3にインク
7を付与して着色した後、200℃以上の熱処理と、カ
チオン性化合物を含むカチオン性処理液9中に浸漬する
化学的処理とを施して着色部8中の着色剤を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊技台等に使用されて
いるカラー液晶ディスプレイに好適に使用されるカラー
フィルタをインクジェット方式により製造する方法、及
び該製造方法により製造されたカラーフィルタ、さらに
は該カラーフィルタを用いて構成される液晶素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタは、カラー液晶ディスプ
レイの重要な構成部品であり、通常、透明基板上にR
(赤)、G(緑)、B(青)の各着色部を繰り返して多
数個配列した構造を有している。
【0003】近年、パーソナルコンピュータの発達、特
に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶デ
ィスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が増加
する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のために
はコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の高
いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっ
ている。
【0004】従来から、カラーフィルタの要求特性を満
足しつつ、上記要求に応えるべく種々のカラーフィルタ
の製造方法が試みられているが、未だ全ての要求性能を
満足する方法は確立されていないのが現状である。以下
に代表的なカラーフィルタの製造方法を説明する。
【0005】最も多く用いられている第1の方法が顔料
分散法である。この方法は、先ず基板上に顔料を分散し
た感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすること
により単色の着色部を得る。さらにこの工程を3回繰り
返すことにより、R、G、Bの3色の着色部を備えたカ
ラーフィルタを形成する。
【0006】次に多く用いられている第2の方法は染色
法である。染色法は、染色用の材料である水溶性の高分
子材料に感光剤を添加して感光化したものを用いて、こ
れをフォトリソグラフィ工程により透明基板上に所望の
形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴
に浸漬し単色の着色部を得る。この工程を3回繰り返し
て、R、G、Bの3色の着色部を備えたカラーフィルタ
を形成する。
【0007】第3の方法としては電着法がある。この方
法は、先ず基板上に透明電極をパターニングする。次に
顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬し、第
1の色の着色部を電着する。この工程を3回繰り返し
て、R、G、Bの3色の着色部を形成し、最後に焼成す
ることによりカラーフィルタを得る。
【0008】第4の方法として印刷法がある。この方法
は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させた塗料を用いて、繰
り返し印刷により基板表面をR、G、Bの3色に塗り分
けた後、塗料に含まれる樹脂を熱硬化させて3色の着色
部を有するカラーフィルタを形成する。
【0009】各方法とも、着色部上に保護膜を形成する
のが一般的である。また、R、G、Bを形成するために
同一工程を3回繰り返す必要があり、必然的にコスト高
を招いている。また、工程数が多いほど歩留まりが低下
するという問題も有している。さらに、第3の電着法で
は、形成可能なパターンが限定されるため、現状の技術
ではTFT型(TFT、即ち薄膜トランジスタを用いた
アクティブマトリクス駆動方式)液晶素子には適用でき
ない。さらに、第4の印刷法では、解像性、平滑性が悪
いという問題があり、ファインピッチのパターンが形成
できない。
【0010】このような従来のカラーフィルタの製造方
法を改良するために、インクジェット方式を用いた製造
方法が提案されている(特開昭59−75205号、特
開昭63−235901号、特開平1−217302
号、特開平4−123005号)。
【0011】インクジェット方式によれば、R、G、B
の各着色剤を含有するインクを基板に吐出して着色部を
形成するため、R、G、Bの3色の着色部を1回の工程
で形成することができ、さらにインクの使用量にも無駄
が生じないため、大幅な生産性の向上、コスト削減等の
効果を得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法で
は、基板上に吐出したインクの固定化が必ずしも十分で
ない等の理由から、液晶素子組立工程における染料の溶
出による色抜け、染料の着色部内での移動による色ムラ
の発生などの問題が生じていた。インクの固定化につい
ては、例えば、タンニン酸等の固着処理剤の溶液に基板
を浸漬する方法が公知であるが、当該処理時にカラーフ
ィルタの分光特性が低下するという問題があった。
【0013】本発明の課題は、上記問題を解決し、イン
クジェット方式によるカラーフィルタの製造方法におい
て、インクを十分に固定化し、よって、後工程において
色抜けや色ムラが発生しない、信頼性の高いカラーフィ
ルタを提供することにあり、該カラーフィルタを用いて
信頼性の高い液晶素子をより安価に提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、透明基
板上に複数色の着色部を少なくとも備えたカラーフィル
タの製造方法であって、透明基板上にインク吸収能を有
する硬化型樹脂組成物からなるインク受容層を形成する
工程と、上記インク受容層に所定の着色パターンに沿っ
てインクジェット方式により着色剤を含有するインクを
付与して着色する工程と、着色したインク受容層に20
0℃以上の雰囲気下で熱処理を施し、次いでカチオン性
化合物を含有するpH4〜11のカチオン性処理液によ
る化学的処理を施すことにより、該インク受容層に浸透
した着色剤を固定化する工程と、を少なくとも有するこ
とを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0015】上記本発明のカラーフィルタの製造方法に
おいては、下記の構成を好ましい態様として含むもので
ある。上記硬化型樹脂組成物が、モノマー成分として水
溶性アクリル系モノマーを含有する樹脂を含んでいる。
上記カチオン性化合物が、ジシアン系化合物、ポリアミ
ン系化合物、ポリカチオン系化合物から選択される少な
くとも一つを含有する。上記ジシアン系化合物が、ジシ
アンジアミド・ホルマリン重縮合物及びジシアンジアミ
ド・ジエチレントリアミン重縮合物の少なくとも一種で
ある。上記カチオン性処理液の温度が10〜40℃であ
る。上記硬化型樹脂組成物が感光性であり、着色工程に
先立ってインク受容層をパターン露光し、インク吸収能
を有する被着色部と該被着色部よりインク吸収能の低い
非着色部を形成し、該被着色部にインクを付与して着色
部を形成する。
【0016】本発明の第二は、透明基板上に複数色の着
色部を少なくとも備え、上記本発明のカラーフィルタの
製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィ
ルタであり、好ましくは、着色部上に保護膜を備えてい
る。
【0017】本発明の第三は、一対の基板間に液晶を挟
持してなり、一方の基板が上記本発明のカラーフィルタ
を用いて構成されたことを特徴とする液晶素子である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、インクジェット方式に
よりインク受容層にインクを付与して着色した後、着色
したインク受容層に熱処理とカチオン性処理液による化
学的処理とを施すことによって、インクを固定化するこ
とに特徴を有する。
【0019】以下、本発明を実施形態を挙げて説明す
る。
【0020】図1に、本発明のカラーフィルタの製造方
法の一実施形態の工程を模式的に示す。本実施形態は、
上記したインク受容層を着色して着色部を形成する形態
であり、図中の1は透明基板、2はブラックマトリク
ス、3はインク受容層、4はフォトマスク、5は非着色
部、6は被着色部、7はインク、8、8’は着色部、9
はカチオン性処理液、10は保護膜である。尚、図1の
(a)〜(e)はそれぞれ、下記工程(a)〜(e)に
対応する断面模式図である。
【0021】工程(a) 透明基板1上に、必要に応じてブラックマトリクス2を
形成する。透明基板1としては、一般にガラスが用いら
れるが、カラーフィルタの透明性を損なわず、強度等必
要な特性を備えたものであれば、プラスチック等も用い
ることができる。また、ブラックマトリクス2はブラッ
クストライプでも良く、その膜厚は、通常0.1〜0.
5μm程度であり、透明基板1上にクロム等金属をスパ
ッタ或いは蒸着等により成膜し、フォトリソ工程により
パターニングして得られる。また、ブラックマトリクス
2はインク受容層3上に形成しても良く、金属以外にも
黒色樹脂等を用いて形成しても良い。
【0022】次いで、透明基板1上に全面にインク吸収
能を有する硬化型樹脂組成物からなるインク受容層3を
形成する。インク受容層3は、後述する工程において着
色して着色部8’を形成するための着色媒体であり、光
照射或いは熱処理等のエネルギー付与により硬化する材
料である。熱処理により硬化する材料を用いた場合、後
述する工程(d)における着色剤の固定化のための熱処
理によって同時にインク受容層3が硬化するため、効率
が良く、好ましい。さらに好ましくは、光照射によって
インク吸収能が変化する感光性樹脂組成物で形成し、次
工程においてパターン露光して混色防止のための非着色
部5を形成する。感光性としては、ネガ型、ポジ型のい
ずれでも良い。
【0023】このような材料としては、耐熱性を考慮す
ると、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂
が好適であり、さらに水性インク吸収性を考慮すると、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス等のセルロース系水溶性ポリマーを含むものが好まし
い。他にも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリエス
テル等や、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷ
ん、カチオン化でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソ
ーダ等の天然樹脂を挙げることができる。中でも、耐熱
性やインク吸収性だけでなく、着色部の透明性やにじ
み、染料の耐光性をも考慮すると、ヒドロキシプロピル
セルロースとメチロール化メラミンとの混合物、或い
は、水溶性アクリル系モノマーからなるポリマーが好ま
しく、特に、以下の構造単位からなるモノマー及び/ま
たは他のビニル系モノマーとの共重合体を少なくとも含
む組成物が好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】上記式中、R1はHまたはCH3、R2はH
またはC1〜C5のアルキル基を示す。
【0026】また、上記樹脂組成物を感光性とする場合
には、必要に応じて光開始剤(架橋剤)と併せて用いら
れる。光開始剤としては、重クロム酸塩、ビスアジド化
合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン
系開始剤等が使用可能であり、さらには、これらの光開
始剤を混合して、或いは他の増感剤と組み合わせて使用
することができる。さらに、オニウム塩などの光酸発生
剤を架橋剤として使用することも可能である。
【0027】また、上記硬化型樹脂組成物には、必要に
応じて各種添加剤を含ませても良い。具体的には、各種
界面活性剤、染料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防
止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整
剤、pH調整剤、防かび剤、可塑剤が挙げられる。これ
らの添加剤については従来公知の化合物から目的に応じ
て任意に選択すればよい。
【0028】上記樹脂組成物は、スピンコート、ロール
コート、バーコート、スプレーコート、ディップコート
等の方法により透明基板1上に塗布し、必要に応じてプ
リベークしてインク受容層3とする。インク受容層3の
厚さは、通常0.3〜3.0μm程度である。
【0029】工程(b) インク受容層3が感光性である場合には、フォトマスク
4を用いて、インク受容層3をパターン露光し、露光部
分のインク吸収性を消失(或いは低減)せしめて非着色
部5を形成する。非着色部5はブラックマトリクス2に
重なる位置に形成され、特に、ブラックマトリクス2の
開口部境界における白抜けを防止する観点から、ブラッ
クマトリクス2の幅よりも非着色部5が狭くなるように
形成することが好ましい。また、混色防止効果を高める
上で、非着色部5が撥インク性を発現するような成分を
インク受容層3に付与しておくことも好ましく適用され
る。
【0030】当該工程において露光されなかった領域は
被着色部6となる。また、本実施形態では、インク受容
層3の感光性がネガ型の場合を示したが、ポジ型の場合
には、逆のパターンで露光すればよい。
【0031】工程(c) 不図示のインクジェットヘッドより、所定の着色パター
ンに沿って、所定の色のインク7を被着色部6に吐出
し、着色する。
【0032】本発明において用いられるインクジェット
方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体
を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、或いは、
圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能で
あり、着色面積及び着色パターンは任意に設定すること
ができる。
【0033】また、本発明においてインク受容層3の着
色に用いられるインク7は、染料或いは顔料等着色剤を
含有し、吐出時に液状であるものであれば、いずれでも
好ましく用いられるが、特に本発明の場合には、水性イ
ンクが好適である。
【0034】本発明に用いられるインク7中に含まれる
染料或いは顔料等着色剤の割合は、0.1〜15重量%
が好ましく、より好ましくは1〜10重量%、望ましく
は2〜8重量%である。また、インク7の溶媒として
は、水と水溶性有機溶剤との混合物が好ましく、水溶性
有機溶剤として好ましくは、沸点が150〜250℃、
好ましくは180〜230℃の溶剤を5〜50重量%
と、沸点が250℃を超える溶剤が30重量%以下、好
ましくは230℃を超える溶剤が20重量%以下含むも
のである。本発明に用いられる好ましい水溶性有機溶剤
の具体例を下記表1〜3に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】また、上記インク7には、非イオン系、ア
ニオン系、カチオン系等の界面活性剤や、pH調整剤、
防かび剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0039】工程(d) 着色したインク受容層3に熱処理を施して硬化させた
後、pH4〜11のカチオン性処理液9による化学的処
理を施し、着色部8内に浸透した着色剤を固定化する。
インク受容層3が熱硬化型の場合にはこの熱処理工程
が、インク受容層3の硬化工程を兼ねることもできる。
【0040】本発明にかかる熱処理は、200℃以上、
好ましくは200〜250℃の雰囲気下で好ましくは2
0〜60分間行う。当該処理にはオーブン或いはホット
プレートを用いることができる。
【0041】また、本発明にかかる、カチオン性処理液
9による処理とは、カチオン性化合物を少なくとも含む
カチオン性処理液9に着色したインク受容層3を浸漬す
ることで達成される。ここで用いられるカチオン性化合
物とは、ジシアン系化合物、ポリアミン系化合物、ポリ
カチオン系化合物が好ましく、ジシアン系化合物として
は、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアン
ジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が、ポリアミ
ン系化合物及びポリカチオン系化合物としては、ジアリ
ルメチルアンモニウムクロライド二酸化イオウ共重合
物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合
物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリ
ルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロ
ライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合物、ジアリ
ルアミン塩酸塩・二酸化イオウ共重合物、ジアリルメチ
ルアミン塩酸塩重合物、ポリアリルアミン、ポリアリル
アミン塩酸塩、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ジ
アリルアミン・エピクロルヒドリン共重合物、ポリメチ
ルジアリルアミン・エピクロルヒドリン反応物、ジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩重合物等
の化合物を挙げることができる。これらは単独で用いて
も、2種以上を組み合わせても良い。
【0042】また、カチオン性処理液9に用いる溶媒と
しては、水が好適に用いられるが、上記カチオン性化合
物を溶解し、着色剤の固定化に支障を来さない範囲で各
種有機溶剤を使用、或いは水と併用することができる。
カチオン性処理液9におけるカチオン性化合物の含有量
としては、好ましくは0.01〜5重量%、より好まし
くは0.1〜2重量%の範囲から適宜選択される。
【0043】また、本発明に用いられるカチオン性処理
液9のpHは4〜11である。カチオン性処理液9のp
Hが4未満、或いは11を超える場合には、着色部8’
の色純度の劣化が発生し易い。
【0044】さらに、カチオン性処理液9の温度を10
〜40℃に調整することで、当該処理時の色劣化を最小
限に抑えることができ、好ましい。即ち、カチオン性処
理液9の温度が10℃未満では十分な処理を行うことが
困難になり易く、40℃を超えると色劣化し易くなる。
【0045】また、カチオン性処理液9への浸漬時間と
しては、特に限定されるものではないが、好ましくは1
秒間〜60分間、より好ましくは10秒間〜10分間、
望ましくは30秒間〜5分間の範囲から適宜選択され
る。その後、必要に応じてホットプレート等を用いて、
好ましくは120〜250℃で5〜30分間加熱処理を
行い、着色剤の固定化を完結させ、着色部8’を得る。
【0046】工程(e) 必要に応じて着色部8’上に保護膜10を形成し、本発
明のカラーフィルタを得る。保護膜10は光硬化型、熱
硬化型、或いは熱・光併用硬化型の樹脂組成物層、或い
は蒸着、スパッタ等によって形成された無機膜等を用い
ることができる。いずれの場合もカラーフィルタとして
の透明性を有し、その後のITO形成工程、配向膜形成
工程等に耐えるものであれば使用することができる。
【0047】次に、図2に本発明の液晶素子の一実施形
態の断面模式図を示す。本実施形態は、図1の工程によ
り得られた本発明のカラーフィルタを用いて、TFT型
カラー液晶素子を構成した例である。図中、12は共通
電極、13、23は配向膜、14は液晶、21は対向基
板、22は画素電極であり、図1と同じ部材には同じ符
号を付して説明を省略する。
【0048】カラー液晶素子は、一般的にカラーフィル
タ側の基板1と対向基板21とを合わせ込み、液晶14
を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基
板21の内側に、TFT(不図示)と画素電極22がマ
トリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ側
の基板1の内側には、画素電極22に対向する位置に、
R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着色部
8’が形成され、その上に透明な共通電極12が形成さ
れる。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルタ側
に形成されるが、BMオンアレイタイプの液晶素子等で
は対向基板21側に形成される場合もある。さらに、両
基板の面内には配向膜13,23が形成されており、液
晶分子を一定方向に配列させている。これらの基板は、
スペーサー(不図示)を介して対向配置され、シール材
(不図示)によって貼り合わされ、その間隙に液晶14
が充填される。
【0049】上記液晶素子は、透過型の場合には、基板
21及び画素電極22を透明素材で形成し、それぞれの
基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板
を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバッ
クライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして
機能させることにより表示を行う。また、反射型の場合
には、基板21或いは画素電極22を反射機能を備えた
素材で形成するか、或いは、基板21上に反射層を設
け、透明基板1の外側に偏光板を設け、カラーフィルタ
側から入射した光を反射して表示を行う。
【0050】また、本発明の液晶素子においては、本発
明のカラーフィルタを用いて構成されていれば、他の部
材については従来の技術をそのまま用いることができる
ことは言うまでもない。
【0051】
【実施例】(実施例1〜8、比較例1〜3)60μm×
150μmの開口部を有するブラックマトリクスを備え
たガラス基板上に、インク受容層としてN−メチロール
アクリルアミドとヒドロキシエチルメタクリレート
〔1:1(モル比)〕の共重合体からなる硬化型樹脂組
成物を、膜厚1.0μmとなるようにスピンコートし、
120℃で20分間プリベークを行った。次いで、下記
組成のインクを用いて所定の着色パターンに従って上記
インク受容層を着色し、表4に示す条件の固定化処理を
施し、着色部を形成してカラーフィルタを得た。尚、G
インクについてはインク調整時に黄色染料(C.I.ダ
イレクトイエロー23)で調色した。
【0052】 〔インク組成〕 染料 5.0重量% R:C.I.アシッドレッド35 B:C.I.アシッドブルー1 G:C.I.アシッドグリーン9 エチレングリコール(沸点:197.9℃) 30.0重量% 水 65.0重量%
【0053】得られたカラーフィルタについて、下記に
示す方法にてその特性を評価した。
【0054】〔評価1:固定化処理後の着色画素の耐光
性〕各カラーフィルタを用いて液晶素子を作製し、耐光
性試験を行って着色画素(ブラックマトリクスの開口部
内の着色領域)の耐光性をCIEで定めたΔEとして算
出し、下記の基準で評価した。耐光性試験条件は、キセ
ノン光で100時間照射とした。 A:ΔE≦5 B:5<ΔE≦20 C:20<ΔE
【0055】〔評価2:着色画素内の色ムラ〕各カラー
フィルタを用いて液晶素子を作製し、着色画素の色ムラ
を目視にて3段階で評価した。 A:色ムラ無し。 B:やや色ムラが見られる。 C:着色画素の半分以上に色ムラが見られる。
【0056】〔評価3:染料の溶出による色抜け〕固定
化処理(熱処理、化学的処理)の前後で着色画素の変退
色の大きさをCIEで定めたΔEとして算出し、下記の
基準で評価した。 A:ΔE≦5 B:5<ΔE≦20 C:20<ΔE
【0057】〔評価4:着色画素の熱変色〕熱処理の前
後で測定した着色画素の変退色の大きさをCIEで定め
たΔEとして算出し、下記の基準で評価した。 A:ΔE≦5 B:5<ΔE≦20 C:20<ΔE
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後工程において色抜けや色ムラの発生が無く、耐光性に
優れた高品質のカラーフィルタをインクジェット方式に
より簡易な工程で製造することができ、該カラーフィル
タを用いてカラー表示特性に優れ、信頼性の高い液晶素
子をより安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図2】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ブラックマトリクス 3 インク受容層 4 フォトマスク 5 非着色部 6 被着色部 7 インク 8、8’ 着色部 9 カチオン性処理液 10 保護膜 12 共通電極 13、23 配向膜 14 液晶 21 対向基板 22 画素電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中澤 広一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 広瀬 雅史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA11 AB13 AC01 BA07 BB01 BH04 CA00 CA48 FA03 FA12 2H048 BA64 BB44 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA14Z FA35Y FB02 GA08 LA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に複数色の着色部を少なくと
    も備えたカラーフィルタの製造方法であって、透明基板
    上にインク吸収能を有する硬化型樹脂組成物からなるイ
    ンク受容層を形成する工程と、上記インク受容層に所定
    の着色パターンに沿ってインクジェット方式により着色
    剤を含有するインクを付与して着色する工程と、着色し
    たインク受容層に200℃以上の雰囲気下で熱処理を施
    し、次いでカチオン性化合物を含有するpH4〜11の
    カチオン性処理液による化学的処理を施すことにより、
    該インク受容層に浸透した着色剤を固定化する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記硬化型樹脂組成物が、モノマー成分
    として水溶性アクリル系モノマーを含有する樹脂を含ん
    でいる請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記カチオン性化合物が、ジシアン系化
    合物、ポリアミン系化合物、ポリカチオン系化合物から
    選択される少なくとも一つを含有する請求項1または2
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ジシアン系化合物が、ジシアンジア
    ミド・ホルマリン重縮合物及びジシアンジアミド・ジエ
    チレントリアミン重縮合物の少なくとも一種である請求
    項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記カチオン性処理液の温度が10〜4
    0℃である請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィ
    ルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記硬化型樹脂組成物が感光性であり、
    着色工程に先立ってインク受容層をパターン露光し、イ
    ンク吸収能を有する被着色部と該被着色部よりインク吸
    収能の低い非着色部を形成し、該被着色部にインクを付
    与して着色部を形成する請求項1〜5のいずれかに記載
    のカラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 透明基板上に複数色の着色部を少なくと
    も備え、請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィル
    タの製造方法により製造されたことを特徴とするカラー
    フィルタ。
  8. 【請求項8】 着色部上に保護膜を備えた請求項7に記
    載のカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 一対の基板間に液晶を挟持してなり、一
    方の基板が請求項7または8に記載のカラーフィルタを
    用いて構成されたことを特徴とする液晶素子。
JP2001086704A 2001-03-26 2001-03-26 カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 Withdrawn JP2002286925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001086704A JP2002286925A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001086704A JP2002286925A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002286925A true JP2002286925A (ja) 2002-10-03

Family

ID=18942040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001086704A Withdrawn JP2002286925A (ja) 2001-03-26 2001-03-26 カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002286925A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106129103A (zh) * 2016-09-20 2016-11-16 合肥京东方光电科技有限公司 一种显示基板、其制作方法、显示面板及镀膜装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106129103A (zh) * 2016-09-20 2016-11-16 合肥京东方光电科技有限公司 一种显示基板、其制作方法、显示面板及镀膜装置
CN106129103B (zh) * 2016-09-20 2023-06-30 合肥京东方光电科技有限公司 一种显示基板、其制作方法、显示面板及镀膜装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5817441A (en) Process for preparation of color filter and liquid crystal display device
US5716740A (en) Method for manufacturing a color filter in which light irradiation alters the ink absorption of portions of a resin layer and in which coloring is done by ink jets
US6686104B1 (en) Color filter, method for manufacturing it, and liquid crystal panel
JP2952143B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
US6533852B2 (en) Recording ink, method for ink jet recording, method for producing color filter, color filter, method for producing liquid crystal display panel, liquid crystal display panel, and yellow ink
JPH112716A (ja) カラーフィルタ、これを用いた液晶素子及びこれらの製造方法、並びに該製造方法に用いられるインクジェット用インク
JP3969884B2 (ja) インク、カラーフィルター、液晶パネル、コンピュータ及びカラーフィルターの製造方法
JP3576627B2 (ja) カラーフィルタの製造方法及び液晶表示装置
JPH0829771A (ja) カラーフィルタ、その製造方法、及びカラーフィルタを備えた液晶パネル
US6063174A (en) Ink for use in ink-jet recording, color filter, liquid crystal panel, computer and method for producing color filter
JPH0815522A (ja) カラーフィルタ、その製造方法、及びカラーフィルタを備えた液晶パネル
JPH08230314A (ja) カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びこれを用いた液晶パネル
JP2872594B2 (ja) カラーフィルターの製造方法及び液晶パネルの製造方法
JP2002286925A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
US6309783B1 (en) Color filter and method of manufacturing the same
JP2000089023A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JP3342242B2 (ja) 液晶用カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル
JPH0829777A (ja) カラーフィルタ、その製造方法、及びカラーフィルタを備えた液晶パネル
JP3969885B2 (ja) インク、カラーフィルタ、液晶パネル、コンピュータ及びカラーフィルタの製造方法
JP2001159710A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JP2001066413A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JPH08211219A (ja) カラーフィルタ、その製造方法、カラーフィルタを備えた液晶パネル、及びカラーフィルタ用インク
JPH10148708A (ja) カラーフィルタ及びその製造方法、カラーフィルタ基板、液晶素子
JP4474025B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
JPH0915580A (ja) 液晶用カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080603