JP2002286423A - 試料の高さ測定方法及び共焦点顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記録した記録媒体およびそのプログラム - Google Patents

試料の高さ測定方法及び共焦点顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記録した記録媒体およびそのプログラム

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JP2002286423A
JP2002286423A JP2001082593A JP2001082593A JP2002286423A JP 2002286423 A JP2002286423 A JP 2002286423A JP 2001082593 A JP2001082593 A JP 2001082593A JP 2001082593 A JP2001082593 A JP 2001082593A JP 2002286423 A JP2002286423 A JP 2002286423A
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Nobuhiro Kita
信浩 北
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共焦点走査型顕微鏡のZステージの1回当り
の移動量を小さくすることなくZステージの移動回数を
少なくし、試料の反射率の影響を受けない試料の高さ測
定方法及び共焦点顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プ
ログラムを記録した記録媒体およびそのプログラムを提
供する。 【解決手段】 共焦点走査型顕微鏡を用いた試料の高さ
測定方法において、対物レンズ8の集光位置と試料1の
相対位置を変えて2枚の共焦点画像を撮像し、対応する
各画素毎に光検出器12の出力の差/和を計算し、この
計算値に所定の係数を乗ずることによって、試料各点の
高さ情報を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学顕微鏡の光学
系を介して試料を光で走査することにより、試料の表面
情報を測定する試料の高さ測定方法及び共焦点顕微鏡及
び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記録した記録媒
体およびそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】共焦点走査型光学顕微鏡は、試料を点状
照明し試料からの光(透過光、反射光、蛍光)をピンホ
ール上に集光させた後、このピンホールを通過する光の
強度を光検出器で検出することによって、試料の3次元
情報を取得することができる。
【0003】図8に従来の共焦点走査型光学顕微鏡の概
略的な構成を示す。同図において、光源3から出射した
光がビームスプリッター4を透過した後、ミラー5で反
射されて2次元走査機構6に入射する。2次元走査機構
6は、第1の光スキャナ6aと第2の光スキャナ6bか
らなり、光源3からの光束を2次元に走査し、リレーレ
ンズ系7を介して対物レンズ8へと導かれる。対物レン
ズ8に入射した光束は、集束光となって試料9面上を2
次元に走査する。試料9の表面で反射した光は、再び対
物レンズ8、リレーレンズ系7、2次元走査機構6を介
してビームスプリッター4に入射した後、ビームスプリ
ッター4によって反射され、結像レンズ10によって微
小開口部材であるピンホール11上に集光する。この
時、ピンホール11により試料9の集光点以外からの反
射光はカットされ、集光点からの反射光のみピンホール
11を通過して光検出器12によって検出される。試料
9は試料台13上に載置されており、Zステージ14に
よって光軸方向に移動可能となっている。2次元走査機
構6、Zステージ14および光検出器12は、コンピュ
ータ15によって制御される。コンピュータ15は、図
9に示すようにCPU16からCPUバス17、I/F
(インターフェース)18を介してスキャナ駆動部19に
駆動命令を出し、スキャナ6を駆動する。
【0004】また、I/F(インターフェース)20を介
してZ駆動部21に駆動命令を出し、Zステージ14を
駆動する。さらに、光検出器11のアナログ出力をA/
D(アナログ/デジタル)変換器22にてデジタルデータ
に変換し、制御処理に用いている。
【0005】共焦点走査型光学顕微鏡を制御するコンピ
ュータプログラムは、記録媒体23に記録されておりメ
インメモリ24にコピーされ、CPU25にて実行処理
されている。コンピュータプログラムは、コンピュータ
15に接続されている不図示のネットワークなどの通信
回路を介して遠隔地にあるサーバコンピュータからダウ
ンロードし実行処理することも可能である。
【0006】ここで、対物レンズ8による集光位置は、
ピンホール11と光学的に共役な位置にあり、試料9が
対物レンズ8による集光位置にある場合は、試料9から
の反射光がピンホール11上で集光し、ピンホール11
を通過するが、試料8が対物レンズ8による集光位置か
らずれた位置にある場合は、試料9からの反射光はピン
ホール11上には集光しておらず、ピンホール11を通
過しない。このときの対物レンズ8と試料9の相対位置
(Z)を横軸にとり、光検出器12の出力(I)を縦軸
にとってその関係を図11に示す。以下、この関系をI
−Zカーブと称する。図11に示すように、試料9が対
物レンズ8の集光位置Zoにある場合、光検出器12の
出力は最大となり、この位置から対物レンズ8と試料9
との相対位置が離れるに従い、光検出器12の出力は急
激に低下する。この特性により、2次元走査機構6によ
って対物レンズ8の集光点を2次元走査し、光検出器1
2の出力を2次元走査機構6に同期して画像化すれば、
試料9のある特定の高さのみが画像化され、試料9を光
学的にスライスした画像(共焦点画像)が得られる。さ
らに、Zステージ14で試料9を光軸方向に離散的に移
動させ、各位置(各高さ)で2次元走査機構6を走査して
共焦点画像を取得し、試料各点で光検出器12の出力が
最大になるZステージ14の位置を検出することによ
り、試料9の高さ情報が得られる。
【0007】このような構成によって試料の高さを計測
する際、測定精度を高めようとすると、Zステージの1
回当りの移動量を小さくすることが必要になり、計測に
時間が掛かる。
【0008】そこで、本願発明者は、Zステージの1回
当りの移動量を小さくすることなく、試料の高さ計測の
精度を高める高さ測定方法を特開平9−68413号公
報に開示した。この方法では、光検出器の出力が、最大
になるZステージの位置(高さ)およびその前後の位置の
計3点での光検出器の出力に基づいて、I−Zカーブを
2次曲線で近似することによって、光検出器の出力が最
大となるZステージの位置(高さ)を、Zステージの移動
量以下の精度で求めて高さ情報を得ている。
【0009】また、特開平10−281743号公報に
は、I−Zカーブのピーク部分を示すn個のモデルデー
タを予め記憶しておき、該モデルデータとn個の光検出
器の出力データを用いてピーク度数を算定し高さ情報を
得ることが記載されている。
【0010】さらに、特開平11−264933号公報
の記載によれば、I−Zカーブを予め記憶しておき、試
料の反射率が100%の場合には、Zステージを移動さ
せずに、取込んだ光検出器の出力が、I−Zカーブでど
のZステージの位置に対応するかを判断し、高さ情報を
得ている。試料の反射率が未知の場合には、Zステージ
を移動して、2つのZステージ位置で共焦点画像を取得
し、それぞれの位置における光検出器の出力が、I−Z
カーブでZステージのどの位置に対応するかを判断し、
得られた試料の高さを平均することで高さ情報を得てい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては、以下のような問題点がある。
【0012】特開平9−68413号公報に記載のよう
に、I−Zカーブを2次曲線やその他の曲線で近似し
て、光検出器の出力が最大となるZステージの位置を求
めるには、Zステージを少なくとも3箇所以上に位置決
めする必要がある。また、I−Zカーブを2次曲線やそ
の他の曲線で近似できる領域を、仮にI−Zカーブで光
検出器の出力が最高出力の50%以上とすると、Zステ
ージの1回の移動量は、I−Zカーブの半値全幅の3分
の1以下でなければならない。
【0013】また、特開平10−281743号公報の
記載によれば、n個の光検出器が必要になり、コストが
高くなる。
【0014】さらに、特開平11−264933号公報
の記載によれば、試料の反射率が100%の場合には、
Zステージを移動させずに取込んだ光検出器の出力が、
I−ZカーブでどのZステージのどの位置(高さ)に対応
するかを判断しているが、図11から明らかなように、
光検出器の出力に対するZステージの位置(高さ)は2つ
以上あり、試料の高さを一義的に決定することができな
い。
【0015】また、試料の反射率が未知な場合、2つの
Zステージ位置で共焦点画像を取得し、それぞれの位置
での光検出器の出力が,I−ZカーブでZステージのど
の位置に対応するかを判断する場合でも、光検出器の出
力が試料の反射率に比例するので、上記の判断をする際
の誤差は、光検出器の出力に依存する。したがって、2
つのZステージの位置での誤差量は、一般に一致しない
ので、各々のZステージでの高さを平均しても、試料の
反射率の影響を取り除くことはできない。
【0016】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、Zステージの1回当りの移動量を小さくす
ることなく、Zステージの移動回数を少なくし、試料の
反射率の影響を受けない試料の高さ測定方法及び共焦点
顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記録し
た記録媒体およびそのプログラムを提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光源
からの光を試料に対して集束させる対物レンズと、集束
光を試料表面に沿って相対的に走査させる走査機構と、
集束光の光軸方向に沿って、対物レンズの集光位置と試
料の位置を光軸方向に相対的に移動させる移動機構と、
対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開
口部材と、微小開口部材を通過する光の強度を検出する
光検出器とを備えた共焦点走査型顕微鏡を用いた試料の
高さ測定方法において、対物レンズの集光位置と試料の
相対位置を変えて2枚の共焦点画像を撮像し、対応する
各画素毎に光検出器の出力の差/和を計算し、この計算
値に所定の多項式に代入することによって、試料各点の
高さ情報を得ることを特徴としている。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記高さ情報を得る多項式は、1次式であ
ることを特徴としている。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記1次式に代入される計算式を得るた
め、2枚の共焦点画像における対物レンズの集光位置と
試料の相対位置の差は、上記相対位置−光検出器出力信
号強度曲線の半値全幅の0.3倍ないし2倍であること
を特徴としている。
【0020】請求項4記載の発明は、光源からの光を試
料に対して集束させる対物レンズと、集束光を試料表面
に沿って相対的に走査させる走査機構と、集束光の光軸
方向に沿って、対物レンズの集光位置と試料の位置を光
軸方向に相対的に移動させる移動機構と、対物レンズの
集光位置と共役な位置に配置された微小開口部材と、微
小開口部材を通過する光の強度を検出する光検出器とを
備えた共焦点走査型顕微鏡を用いた試料の高さ測定方法
において、対物レンズの集光位置と試料の相対位置を一
定の移動量で順次変えて複数枚の共焦点画像を撮像し、
2枚の対物レンズの集光位置と試料の相対位置の差から
なるずらし量が上記移動量の整数倍である2枚の共焦点
画像間で対応する各画素毎に光検出器の出力の差/和を
計算し、この計算値を所定の多項式に代入し、その結果
に2枚の共焦点画像での対物レンズの集光位置と試料の
相対位置の平均値を加算することによって、試料各点の
高さ情報を得ることを特徴としている。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記2枚の共焦点画像から得たずらし量が
前記移動量であるあることを特徴としている。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記移動量が上記相対位置−光検出器出力
信号強度曲線の半値全幅の0.3倍ないし0.8倍であ
ることを特徴としている。
【0023】請求項7記載の発明は、光源からの光を試
料に対して集束させる対物レンズと、前記集束光を試料
表面に沿って相対的に走査させる走査機構と、前記集束
光の光軸方向に沿って、前記対物レンズの集光位置と前
記試料の位置を光軸方向に相対的に移動させる移動機構
と、前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置され
た微小開口部材と、前記微小開口部材を通過する光の強
度を検出する光検出器とを備えた共焦点走査型顕微鏡に
おいて、前記対物レンズの集光位置と前記試料の相対位
置とを変えて2枚の共焦点画像を撮像し、対応する各画
素毎に前記光検出器の出力差を前記光検出器の出力の和
で除算し、適当な多項式に代入することによって、試料
各点の高さ情報を得る高さ測定機能を備えたことを特徴
としている。
【0024】請求項8記載の発明は、コンピュータによ
って共焦点顕微鏡の高さ測定を制御するための制御プロ
グラムを記録した記録媒体であって、対物レンズの集光
位置と試料の相対位置とを変えて撮像した2枚の共焦点
画像から、対応する各画素毎の差を各画素毎の和で除算
し、適当な多項式に代入することによって、試料各点の
高さ情報を得ることを特徴としている。
【0025】請求項9記載の発明は、コンピュータで実
行させることによって共焦点顕微鏡の高さ測定を制御す
るプログラムであって、対物レンズの集光位置と試料の
相対位置とを変えて撮像した2枚の共焦点画像から、対
応する各画素毎の差を各画素毎の和で除算し、適当な多
項式に代入することによって、試料各点の高さ情報を得
ることをコンピュータに行わせるようにしている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第
1の実施の形態を説明する。
【0027】なお、本実施の形態に使用する共焦点走査
型顕微鏡は、従来技術として説明した図8の構成と同一
であるので、同一の符号を付して説明は省略する。ま
た、以下の実施の形態に示す計算手順は、コンピュータ
プログラムとして図10に示す記録媒体23の高さ測定
プログラム23aとして記録されているものとする。
【0028】図1に示すように、試料1の表面1sを挟
むように設定したZステージ14の移動間隔(Zb−Z
a)を、I−Zカーブの半値全幅のほぼ0.3倍になる
ように設定して2つの共焦点画像を得る。このときの試
料1の高さと光検出器12の出力関系は、図2(A)に
示すように、それぞれZa、Zbを中心位置とするI−
Zカーブになる。
【0029】ここで、Zステージ14をZa、Zbに位
置決めしたときの光検出器12の出力を、Ia、Ibと
して、差/和信号、すなわち(Ia−Ib)/(Ia+
Ib)を計算すると、試料の各高さにおいて、図2
(B)に示す関係が得られる。図2(B)に示すよう
に、光検出器12の出力の差/和信号は、Za、Zbの
中点で0となり、その近傍で試料高さにほぼ比例する。
そこで、この差/和信号に、Za、Zbの間隔で決まる
所定値を乗ずることにより、試料1の高さを得ることが
できる。したがって、差/和信号の直線部分が広いほ
ど、試料の高さの測定範囲が広くなる。そこで、高さの
測定範囲が最も広くなるように、ZaとZbの間隔をI
−Zカーブの半値全幅のほぼ0.3倍に設定してある。
このときの高さの計測範囲は、I−Zカーブの半値全幅
のほぼ1.4倍となる。
【0030】第1の実施の形態の変形例について説明す
る。
【0031】Zステージ14のZa、Zbの間隔をI−
Zカーブの半値全幅のほぼ2倍に設定する。このときの
試料1の高さと光検出器12の出力の間係を、図3
(A)に示し、光検出器12の出力の差/和信号を図3
(B)に示す。光検出器12の出力の差/和信号の直線
部分の傾きが大きいほど、試料高さに対する差/和信号
の変化が大きくなるので、試料の高さ検出感度が高くな
り、高精度な測定を行うことができる。
【0032】すなわち、Zステージ14のZa、Zbの
間隔を、I−Zカーブの半値全幅のほぼ2倍に設定した
ときに、試料の高さ検出感度が最も高くなり、高精度な
測定を行うことができる。
【0033】なお、Zステージ14のZa、Zbの間隔
は、上記の値に限定されるものではなく、高さ測定の際
に必要とする高さ範囲と測定精度に応じて、I−Zカー
ブの半値全幅の0.3倍から2倍の間に設定することが
できる。
【0034】本実施の形態によれば、Zステージの位置
を変えて、高さの異なる2枚の共焦点画像を取込み、演
算することで、試料の表面凹凸が最大で、I−Zカーブ
の半値全幅のほぼ1.4倍程度まで、高精度に測定する
ことができる。
【0035】なお、本実施の形態では、高さ情報を差/
和の1次式で求めているが、多項式であれば、より広い
範囲での高さを求めることができる。
【0036】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0037】図4に示すような、比較的大きな凹凸を持
つ試料2の表面2sを挟むように、Zステージ14を、
ZkとZk+1の間隔がI−Zカーブの半値全幅のほぼ0.
8倍になるように設定して、Zステージ14をZ1から
Znまで順次位置決めして共焦点画像を得る。このとき
の試料2の高さと光検出器12の出力の間係は、図5
(A)に示すように、それぞれZkとZk+1を中心とする
I−Zカーブになる。
【0038】ここでZステージ14をZkとZk+1に位置
決めしたときの光検出器12の出力をIk、Ik+1として
差/和信号(Ik+1―Ik)/(Ik+1+Ik)を計算する
と、試料2の各高さにおいて図5(B)に示す関係が得
られる。図5(B)に示すように、光検出器12の出力
の差/和信号はZkとZk+1の中点で0となり、その近傍
で試料2の高さにほぼ比例する。そこで、この差/和信
号にZkとZk+1の間隔で決まる所定値を乗じ、ZkとZk
+1の平均値を加えると試料の高さを得ることができる。
【0039】第2の実施の形態によれば、ZkとZk+1の
間隔がI−Zカ−ブの半値全幅のほぼ0.8倍になるよう
に設定したことにより、図5(B)の直線部分、すなわ
ち試料高さの測定範囲は、ZkとZk+1の間隔と一致して
いる。このため、Zステージ14をZ1、Z2、…、Zn
に順次位置決めして共焦点画像を得る際、任意のZkの
位置に対して、直前のZk-1の位置での共焦点画像のみ
を一時的にコンピュータ15に格納しておけば、上記の
方法で試料の高さを測定できるので、コンピュータ15
の画像メモリが少なくて済む。
【0040】このように高さ測定に際し、直前のZk-1
の位置での共焦点画像のみを一時的に格納しておくだけ
で、高さ測定を可能にするには、ZkとZk+1の間隔はI
−Zカ−ブの半値全幅の0.8倍に限らず、I―Zカ−ブ
の半値全幅の0.3倍(第1の実施の形態を参照)ない
し0.8倍の間であればよい。
【0041】試料2の高さと光検出器12の出力の差/
和信号が比例するのは、試料2の高さがZkとZk+1の間
にある場合だけであるので、Zステージ12の位置がZ
1からZnまで移動する際、試料2の高さがZkとZk+1の
間にない場合は、上記の差/和信号を計算しても試料2
の高さを正しく求めることはできない。
【0042】そこで、試料2の高さが、ZkとZk+1の間
にない場合の試料の高さの求め方を、図6のフローチャ
ートを参照して説明する。
【0043】先ず、コンピュータ15に内蔵されている
Zカウンタ(図示しない。以下同じ)のk値を初期値1
に設定し、Zステージ14をZ1の位置に移動し、この
位置で試料2の共焦点画像I(x,y)を取込み、コン
ピュータ15に内蔵されている画像メモリM(x,y)
(図示しない。以下同じ)に格納する(ステップS
1)。次に、Zカウンタのk値を1増やし、試料2の共
焦点画像I(x,y)を取り込む(ステップS2)。こ
こで、ステップS2において得られた、試料2の各点の
共焦点画像の値I(x,y)と、ステップS1において
得られた試料2の共焦点画像の値、すなわちメモリMの
値M(x,y)の和を計算し、定数Cと大小を比較す
る(ステップS3)。定数Cの値は、図7に示すよう
に、計算範囲に対応する差/和信号に対して、試料2の
高さが一義的に決まるように設定してある。
【0044】ステップS3における共焦点画像の値I
(x,y)とメモリMの値M(x,y)の和が、定数C
以上の場合は、上記のI(x,y)とM(x,y)の
差/和信号、Z(x,y)を計算する(ステップS
4)。図7に示すように、試料2の高さと光検出器10
の出力の差/和信号が比例するのは、差/和信号が−C
とCの間にある場合であるから、ステップS4で計
算した差/和信号の絶対値と定数Cの大小を比較する
(ステップS5)。そして、上記差/和信号の絶対値が
よりも小さい場合、差/和信号にZkとZk+1の間隔
で決まるCを乗じ、さらにZkとZk+1の平均値を加算
して、コンピュータ15に内蔵されている高さメモリZ
(x,y)(図示しない。以下同じ)に格納する(ステ
ップS6)。
【0045】次いで、Zカウンタの値kを1増やして、
共焦点画像の値I(x,y)を画像メモリM(x,y)
に格納する(ステップS7)。上記のステップS2から
ステップS6までのステップは、Zカウンタのk値がn
になるまで行う(ステップS8)。
【0046】以上の手順で、計算範囲に対応する差/和
信号に対して、試料2の高さが一義的に決まる範囲につ
いてのみ、差/和信号を計算し、さらに、差/和信号に
対して試料2の高さが比例する範囲についてのみ、高さ
の計算結果が高さメモリZに保存される。
【0047】なお、ステップS3において、共焦点画像
の値I(x,y)と画像メモリMの値M(x,y)との
和で、計算範囲に対応する差/和信号に対して試料2の
高さが一義的に決まる範囲かどうかを判断している。し
かしながら、これに限らず、共焦点画像の値I(x,
y)と画像メモリMの値M(x,y)から計算範囲に対
応する差/和信号に対して、試料2の高さが一義的に決
まる範囲内であるか判断できる条件であれば良い。
【0048】第3の実施の形態によれば、Zステージの
位置を変えて、高さの異なる複数枚の共焦点画像を順次
取込み演算することによって、試料の表面凹凸が最大
で、I−Zカーブの概略1.4倍程度以上の場合でも測
定できるので、高速高精度な高さ測定を行うことができ
る。
【0049】なお、本実施の形態では、ずらし量を移動
量と一致させたが、ずらし量を移動量の整数倍(2、
3、4、…)とすることで、より高精度に高さを求める
ことができる。
【0050】本発明の実施の形態の説明は、図8に示す
共焦点走査型顕微鏡を参照したが、この構成に限らず、
各種の共焦点走査型顕微鏡に適用することができる。例
えば、対物レンズによる集束光を、試料の表面に沿って
相対的に走査させる走査機構として光軸に垂直な面内
で、試料を移動させるXYステージを用いても良い。
【0051】また、ディスクスキャン例えば一般的なも
のとして円盤上にスパイラル上に複数の微小開口を設け
たNipkowディスクを高速回転させる構成であって
も良い。この場合、Nipkowディスクが対物レンズ
の集光位置と共役位置に配置される微小開口を兼ね、光
検出器としてCCD等の2次元画像センサを用いても良
い。
【0052】さらに、2次元光走査機構に変えて、一次
元光スキャナによって対物レンズの集束光を試料の1ラ
イン上で走査し、試料の断面形状を測定する構成であっ
ても良い。
【0053】さらに、対物レンズの集光位置と試料の位
置を相対的に移動させる移動機構として、試料の位置を
移動させるZステージに変えて、対物レンズを移動させ
る機構を用いても良い。
【0054】なお、上述した実施の形態では、対物レン
ズの集光位置と共役な位置に微小開口を有した部材とし
てピンホールを配置し、ピンホールを通過した光を検出
器で検出するようにしていたが、共役な位置に配置され
る微小開口は、光を通過させる孔以外に、孔に相当する
部分をミラーのような反射特性を有するものからなる微
小開口にすることも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、共
焦点走査型顕微鏡のZステージの1回当りの移動量を小
さくすることなくZステージの移動回数を少なくし、試
料の反射率の影響を受けない試料の高さ測定方法及び共
焦点顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記
録した記録媒体およびそのプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る試料形状を示
す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る説明図であ
り、(A)は、対物レンズと試料の相対位置と光検出器
出力の関係を示す図、(B)は、対物レンズと試料の相
対位置と光検出器出力の差/和信号の関係を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る変形例の説明
図であり、(A)は、対物レンズと試料の相対位置と光
検出器出力の関係を示す図、(B)は、対物レンズと試
料の相対位置と光検出器出力の差/和信号の関係を示す
図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る試料形状を示
す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る説明図であ
り、(A)は、対物レンズと試料の相対位置と光検出器
出力の関係を示す図、(B)は、対物レンズと試料の相
対位置と光検出器出力の差/和信号の関係を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るフローチャー
ト図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る対物レンズと
試料の相対位置と光検出器出力の和信号および差/和信
号の関係を示す図。
【図8】従来の共焦点走査型光学顕微鏡の概略的な構成
図。
【図9】図8に示す共焦点走査型光学顕微鏡のコンピュ
ータのブロック図。
【図10】図9に示す記録媒体の説明図。
【図11】従来の共焦点型顕微鏡における対物レンズと
試料の相対位置と光検出器の関係を示す図。
【符号の説明】
1 試料 2 試料 3 光源 4 ビームスプリッタ 6 2次元走査機構 6a 第1光スキャナ 6b 第2光スキャナ 8 対物レンズ 9 試料 10 結像レンズ 11 ピンホール 12 光検出器 13 試料台 14 Zステージ 15 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 21/36 G02B 7/11 D // G01B 11/24 J G01B 11/24 Z Fターム(参考) 2F065 AA04 AA07 AA24 DD04 DD06 FF10 HH04 HH13 JJ01 JJ09 LL00 LL12 LL30 MM03 PP12 PP24 QQ03 QQ17 QQ24 QQ25 QQ27 QQ42 UU05 UU07 2H051 AA11 BA47 BA48 BA65 BA70 CC02 CC13 CE16 2H052 AA08 AC27 AD06 AD20 AF03 AF14 AF25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を試料に対して集束させる
    対物レンズと、 集束光を試料表面に沿って相対的に走査させる走査機構
    と、 集束光の光軸方向に沿って、対物レンズの集光位置と試
    料の位置を光軸方向に相対的に移動させる移動機構と、 対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開
    口部材と、 微小開口部材を通過する光の強度を検出する光検出器と
    を備えた共焦点走査型顕微鏡を用いた試料の高さ測定方
    法において、 対物レンズの集光位置と試料の相対位置を変えて2枚の
    共焦点画像を撮像し、対応する各画素毎に光検出器の出
    力の差/和を計算し、この計算値に所定の多項式に代入
    することによって、試料各点の高さ情報を得ることを特
    徴とする試料の高さ測定方法。
  2. 【請求項2】 前記高さ情報を得る多項式は、1次式で
    あることを特徴とする請求項1記載の試料の高さ測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記1次式に代入される計算式を得るた
    め、2枚の共焦点画像における対物レンズの集光位置と
    試料の相対位置の差は、相対位置−光検出器出力信号強
    度曲線の半値全幅の0.3倍ないし2倍であることを特
    徴とする請求項2記載の試料の高さ測定方法。
  4. 【請求項4】 光源からの光を試料に対して集束させる
    対物レンズと、 集束光を試料表面に沿って相対的に走査させる走査機構
    と、 集束光の光軸方向に沿って、対物レンズの集光位置と試
    料の位置を光軸方向に相対的に移動させる移動機構と、 対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開
    口部材と、 微小開口部材を通過する光の強度を検出する光検出器と
    を備えた共焦点走査型顕微鏡を用いた試料の高さ測定方
    法において、 対物レンズの集光位置と試料の相対位置を一定の移動量
    で順次変えて複数枚の共焦点画像を撮像し、2枚の対物
    レンズの集光位置と試料の相対位置の差からなるずらし
    量が上記移動量の整数倍である2枚の共焦点画像間で対
    応する各画素毎に光検出器の出力の差/和を計算し、こ
    の計算値を所定の多項式に代入し、その結果に2枚の共
    焦点画像での対物レンズの集光位置と試料の相対位置の
    平均値を加算することによって、試料各点の高さ情報を
    得ることを特徴とする試料の高さ測定方法。
  5. 【請求項5】 前記2枚の共焦点画像から得たずらし量
    が前記移動量であるあることを特徴とする請求項4記載
    の試料の高さ測定方法。
  6. 【請求項6】 前記移動量が相対位置−光検出器出力信
    号強度曲線の半値全幅の0.3倍ないし0.8倍である
    ことを特徴とする請求項5記載の試料の高さ測定方法。
  7. 【請求項7】 光源からの光を試料に対して集束させる
    対物レンズと、 前記集束光を試料表面に沿って相対的に走査させる走査
    機構と、 前記集束光の光軸方向に沿って、前記対物レンズの集光
    位置と前記試料の位置を光軸方向に相対的に移動させる
    移動機構と、 前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微
    小開口部材と、 前記微小開口部材を通過する光の強度を検出する光検出
    器とを備えた共焦点走査型顕微鏡において、 前記対物レンズの集光位置と前記試料の相対位置とを変
    えて2枚の共焦点画像を撮像し、対応する各画素毎に前
    記光検出器の出力差を前記光検出器の出力の和で除算
    し、適当な多項式に代入することによって、試料各点の
    高さ情報を得る高さ測定機能を備えたことを特徴とする
    共焦点顕微鏡。
  8. 【請求項8】 コンピュータによって共焦点顕微鏡の高
    さ測定を制御するための制御プログラムを記録した記録
    媒体であって、 対物レンズの集光位置と試料の相対位置とを変えて撮像
    した2枚の共焦点画像から、 対応する各画素毎の差を各画素毎の和で除算し、適当な
    多項式に代入することによって、試料各点の高さ情報を
    得ることを特徴とする共焦点顕微鏡の高さ測定プログラ
    ムを記録した記録媒体。
  9. 【請求項9】 コンピュータで実行させることによって
    共焦点顕微鏡の高さ測定を制御するプログラムであっ
    て、 対物レンズの集光位置と試料の相対位置とを変えて撮像
    した2枚の共焦点画像から、 対応する各画素毎の差を各画素毎の和で除算し、適当な
    多項式に代入することによって、試料各点の高さ情報を
    得ることをコンピュータに行わせるプログラム。
JP2001082593A 2001-03-22 2001-03-22 試料の高さ測定方法及び共焦点顕微鏡及び共焦点顕微鏡の高さ測定プログラムを記録した記録媒体およびそのプログラム Withdrawn JP2002286423A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132740A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Ricoh Co Ltd 光学センサ及び画像形成装置
CN104315994A (zh) * 2014-11-05 2015-01-28 哈尔滨工业大学 共焦轴向响应曲线峰值位置提取算法

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