JP2002286229A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】高周波加熱装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】被加熱物を入れる加熱室と、前記加熱室の底面の一部に形成された開口部に接続され、マイクロ波を前記加熱室に供給するための給電口と、前記開口部を覆う誘電体で構成されたカバーと、前記給電口内に設けられ、マイクロ波を散乱させる回転アンテナと、前記給電口に接続され、マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管内を伝搬させて前記加熱室に供給するマイクロ波を発振するマグネトロンを含み、
前記給電口内において前記回転アンテナの周辺部にヒーターを設けたことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項3】前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように色を異ならせる構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項4】前記カバーの色は、前記ヒーターの上方の部分が白色であり、またそれ以外に部分が黒色であることを特徴とする請求項3に記載の高周波加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターンテーブルがなく、底面が平らな加熱室を有する高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジ(高周波加熱装置)は、マイクロ波によって被加熱物を加熱(電磁波加熱)する装置であるが、加熱室の任意の面にヒーターを備えることによって、電熱加熱も行える電子レンジが市販されている。特開昭61−240591号公報や特開2000−340355号公報に開示されているように、ターンテーブル(回転皿)の下方に面状ヒーターを配置することによって、下方からの電熱加熱が行える。
【0003】
一方、ターンテーブルのない電子レンジが市販されている。この電子レンジは、加熱室の底面に給電口があり、この給電口内に回転アンテナが設けられているため、加熱室の底面に面状ヒーターを設けることはできず、加熱室の天面や側面に設けられている。ところが、熱は下方から上方に対流する性質があるため、加熱室の天面に面状ヒーターを設けても、被加熱物を加熱しにくい欠点がある。従って、被加熱物の上部が加熱されても、下部が加熱されていない場合がある。
【0004】
また、近年発売されている電子レンジは、加熱した被加熱物から噴き出された汁や飛び散った油などで加熱室が汚された場合に、細菌が増殖しないようにしたり汚れを拭き取りやすくするように、加熱室の側面などはコーティングされている。コーティングとしてはフッ素や抗菌物質などと共に耐熱性の黒色塗料が使用されており、加熱室の側面などは黒色になっている。加熱室の側面などが黒色であるため、側面などの温度が上昇しやすく、細菌を熱で殺菌している。
【0005】
ターンテーブルのある電子レンジの場合、加熱室の側面などが黒色であっても、加熱室に設けられたターンテーブルを白色にすることによって、加熱室内を照らす光が反射されて、加熱室を明るくすることが可能であった。しかし、ターンテーブルのない電子レンジは加熱室全体が黒色になってしまい、加熱室を照らす光が反射されず、加熱室に置かれた被加熱物の加熱状況が見えにくい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ターンテーブルがなく加熱室の底面が平らな高周波加熱装置において、効率よく電熱加熱が行えるヒーターを有する加熱室及び被加熱物の視認性に優れた加熱室を備えた高周波加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波加熱装置の要旨とするところは、被加熱物を入れる加熱室と、前記加熱室の底面の一部に形成された開口部に接続され、マイクロ波を前記加熱室に供給するための給電口と、前記開口部を覆う誘電体で構成されたカバーと、前記給電口内に設けられ、マイクロ波を散乱させる回転アンテナと、前記給電口に接続され、マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管内を伝搬させて前記加熱室に供給するマイクロ波を発振するマグネトロンを含み、前記給電口内において前記回転アンテナの周辺部にヒーターを設けたことにある。本発明の高周波加熱装置は、加熱室の底面にターンテーブルを設けず、底面及びカバー自体が被加熱物の載置台になっており、底面にヒーターを設けることによって、そのヒーターの熱を被加熱物の下方から加える電熱加熱を行うことができる。
【0008】
また、前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように構成したことにある。本発明の高周波加熱装置は、加熱室の底面にターンテーブルを設けず、底面自体が被加熱物の載置台になっており、加熱室の底面に給電口、この給電口内にヒーターを設け、給電口と加熱室とを接続する開口部に設けられたカバーの熱伝達率を、ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分とで異なるように構成することによって、カバーの表面から加熱室に放射される熱の温度が均一になる。
【0009】
前記カバーの表面の色を前記ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で異なるように構成することによって、前記カバーの熱伝達率がヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で異なるように構成される。
【0010】
前記カバーの表面の色は、前記ヒーターの上方の部分が白色であり、それ以外の部分は黒色である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の高周波加熱装置の実施の形態を図面を基にして説明を行う。
【0012】
図1に示すように、本発明の高周波加熱装置である電子レンジ10は、加熱室12と、その底面にマイクロ波を加熱室12内に供給するための給電口14とを備え、給電口14内には回転アンテナ18が設けられている。回転アンテナ18はモーター30によって回転させられる。給電口14と加熱室12との接続部である開口部にはカバー16が設けられており、カバー16上に被加熱物を載置できると共に、カバー16によって加熱室12から給電口14内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。カバー16は、加熱室12内にマイクロ波を供給させるために、マイクロ波が透過できる誘電体、例えば耐熱性のガラスや陶器で構成する。また、カバー16は加熱室12の底面の一部になっている。加熱室12の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー16が被加熱物の載置台になっており、図1及び図2に示すように、底面に接続された給電口14の周辺において、加熱室12の底面の外側に密着させながらヒーター24が設けられている。ヒーター24は電熱器を使用し、底面に密着できるように平らな面を有し、リング状になっている。給電口14には、マイクロ波を伝搬させる導波管20の一端が接続されており、導波管20の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン22が接続されている。
【0013】
また、加熱室12の側壁には、被加熱物を載置するための皿28を取り外し自由に設置するための皿受け26が設けられている。使用する皿28は、マイクロ波によって、被加熱物に含まれている水分による電波吸収作用に伴う発熱で加熱する電磁波加熱(高周波加熱)を行う場合、耐熱性のガラスや陶器などの誘電体の皿28を使用する。また、ヒーター24の熱を被加熱物に加えて熱量(cal)を増大させる電熱加熱を行う場合、鉄などで構成された皿28を使用する。この皿受け26を加熱室12の側壁に複数組設け、皿28を複数設置して多数の被加熱物を同時に加熱することもできる。
【0014】
上記に示した電子レンジ10を使用した電磁波加熱及び電熱加熱について説明する。図3に示すように、被加熱物32の数が少なかったり形状が小さい場合、加熱室12の底面またはカバー16上に被加熱物32を置く。マグネトロン22で発振したマイクロ波は導波管20を伝搬して給電口14に達する。給電口14内の回転アンテナ18がモーター30によって回転している。図中の矢印で示したように、マイクロ波は回転アンテナ18によって、各方向に散乱されながら給電口14から加熱室12に供給され、被加熱物32がマイクロ波によって電磁波加熱される。
【0015】
図4に示すように、被加熱物32の数が多かったり形状が大きい場合、誘電体の皿28の端部が皿受け26に係着されるように設置する。上記と同様にマグネトロン22で発振されたマイクロ波は、導波管20を伝搬して給電口14に達し、回転アンテナ18で各方向に散乱された加熱室12に供給される。図4の矢印で示すように、マイクロ波は回転アンテナ18によって各方向に散乱されながら加熱室12内を伝搬するので、皿28の端の方に置かれた被加熱物32も皿28の中央に置かれた被加熱物32と同様に電磁波加熱される。
【0016】
ヒーター24による電熱加熱を行う場合、皿受け26に金属製の皿28を係着し、皿28の上に被加熱物32を載置する。加熱室12の底面に設けられたヒーター24が加熱され、高温の気体が下方から上方に対流するため、被加熱物32が下部から加熱される。また、ヒーター24と共に加熱室12の側面や天面にもヒーターを設けることによって、被加熱物32が効率よく加熱される。
【0017】
上記のように、加熱室12の底面の所定部分にヒーターを設けることによって、電熱加熱を行う際に下方からの加熱が可能になり、被加熱物の加熱の効率が改善される。また、底面から所定の高さに誘電体の皿28を設けることによって、被加熱物32の数が多かったり、その大きさが大きい場合でも、確実に電磁波加熱が行える。
【0018】
次に、本発明の他の高周波加熱装置について説明する。図5乃至図6に示すように、加熱室42の底面にマイクロ波を加熱室42に供給するための給電口44があり、給電口44内に回転アンテナ48及びこの回転アンテナ48の周辺にヒーター54が設けられている。給電口44と加熱室42の接続部である開口部にはカバー46が設けられており、加熱室42から給電口44内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。加熱室42の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー46が被加熱物の載置台になっている。給電口44には、マイクロ波を伝搬させる導波管50の一端が接続されており、導波管50の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン52が接続されている。
【0019】
カバー46は耐熱性のガラスなどの誘電体で構成される。このカバー46の給電口44側の表面は、図7に示すように、ヒーター54の上方に位置する部分の表面は、白系色を含む白色塗料64が塗装され、熱を反射させるので、反対表面(加熱室42側の面)への熱伝達率が低い。それ以外の部分の表面は黒系色を含む黒色塗料62が塗装され、熱を吸収しやすくなっているので、反対表面への熱伝達率が高くなっている。本明細書で熱伝達率を、空気中などを伝わってカバーのある面に達した熱が、反対の面に伝わる率とする。使用される塗料は、耐熱性の塗料を使用し、ヒーター54の使用によって塗料がはがれたり変色したりしないようにする。また、白色塗料64及び黒色塗料62に限定されず、熱を反射しやすい白色系の色や吸収しやすい黒色系の色を使用してもよい。
【0020】
この高周波加熱装置である電子レンジ40のヒーター54を用いた電熱加熱について説明する。ヒーター54が発熱し、熱がカバー46の給電口44側の表面に達する。カバー46においてヒーター54の上方の部分には多くの熱が達するが、白色の塗料64によって熱が反射され、カバー46内を伝わって加熱室42側の表面に伝わる熱が減少される。黒色の塗料62が塗装された部分は、白色の塗料64が塗装された部分と比較してヒーター54から離れており、表面に達するヒーター54の熱が少ない。しかし、黒色の塗料62が熱を吸収し、カバー46の加熱室42側の面に伝わる熱の割合は高くなる。従って、カバー46において白色の塗料64が塗装された部分は熱伝達率が低く、黒色の塗料62が塗装された部分は熱伝達率が高い。
【0021】
このように、ヒーター54の上方の部分とそれ以外の部分で塗装する塗料の色を変えることによって、熱伝達率が変わり、カバー46の加熱室42側に達する熱がほぼ同じになる。カバー46の表面から加熱室42に熱が放射されるとき、カバー46のどの位置からもほぼ同じだけの熱が放射される。カバー46の表面からほぼ均一に熱が放射されるため、被加熱物を加熱室42内のどの位置に置いてもほぼ均一に加熱される。また、ヒーター54が加熱室42の外周形状を縮小したリング状になっているため、加熱室42への熱の放射が均一になりやすくなっている。
【0022】
本発明の更に他の高周波加熱装置について説明する。図8に示すように、加熱室72の底面にマイクロ波を加熱室72に供給するための給電口74があり、給電口74内に回転アンテナ78が設けられている。給電口74と加熱室72との接続部である開口部にはカバー76が設けられており、加熱室72から給電口74内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。加熱室72の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー76が被加熱物の載置台になっている。給電口74には、マイクロ波を伝搬させる導波管80の一端が接続されており、導波管80の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン82が接続されている。
【0023】
従来技術で説明した電子レンジと同様に、加熱室72の側面、天面及び底面は、被加熱物が加熱された際にあふれ出た汁や飛び散った油によって細菌が発生したり、清掃がしやすいようにコーティングされている。コーティングは、フッ素や殺菌剤などに耐熱性の黒色塗料が混入されており、このコーティングによって加熱室の側面、天面及び底面の一部は黒色になっている。
【0024】
図9及び図10に示すように、加熱室72の側面か天面にマイクロ波が漏れない穴を複数開けて小穴群88を設け、加熱室72を照明するランプ84が加熱室72の外側に設けられている。
【0025】
給電口74はカバー76によって被加熱物の汁や油が入り込まないように構成し、上記のコーティングは施さない。給電口74の材質は、ランプ84の光を反射させるために、表面が光を反射する(光沢を有する)導体を使用する。また、給電口74の内側表面を鏡面状にすることも可能である。
【0026】
更に、回転アンテナ78によってランプ84の光を反射させるために、表面を鏡面状にしたり、光が反射する塗料で塗装ことも可能である。
【0027】
図9に示すように、給電口74によってランプ84の光を反射させる構成にした電子レンジ70において、加熱室72内での被加熱物の照明状態を説明する。被加熱物を加熱室72の底面またはカバー76の上に載置し、マグネトロン82で発振させた高出力のマイクロ波で電磁波加熱を行う。電磁波加熱を行っている際、加熱室72の被加熱物はランプ84によって照らされる。加熱室72の側壁などはコーティングされて黒色になっているので光は反射しないが、給電口74が光を反射する導体を使用しているため、ランプ84の光が反射し、被加熱物を照らす。従って、従来のターンテーブルのない電子レンジに比べて被加熱物を明るく照らし出すことができる。
【0028】
また、給電口74の表面を鏡面状にすることで更に明るく被加熱物を照らし出すことができる。
【0029】
図10に示すように、回転アンテナ78の表面を鏡面状にしたり、光が反射する塗料を塗装した電子レンジ70について、加熱室72内での被加熱物の照明状態について説明する。被加熱物を電磁波加熱または電熱加熱を行う場合、加熱室72内の被加熱物はランプ84によって照らされる。加熱室72の側壁などはコーティングされて黒色になっているため光は反射されないが、回転アンテナ78の表面が鏡面状または光が反射する塗料が塗装されているので、ランプ84の光が反射される。従って、反射された光によっても被加熱物を照らすため被加熱物を明るく照らし出すことができる。
【0030】
更に、回転アンテナ78を鏡面状にすることによって、加熱室72の被加熱物を視認しやすくなる以外に、回転アンテナ78の回転状況も視認しやすくなり、モーター86などが故障して回転アンテナ78が回転しないとすぐにわかり、修理を行うことができる。
【0031】
また、給電口74を光が反射する導体で構成したり表面を鏡面状にしたりする構成と、回転アンテナ78の表面を鏡面状にする構成を組み合わせてもよい。
【0032】
以上、本発明の高周波加熱装置(電子レンジ)について実施の形態を示したが、本発明の高周波加熱装置は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、図5乃至図7に示す電子レンジ40のカバー46において、白色塗料64が塗装された部分(ヒーター54の上方の部分)を鏡面状にし、黒色塗料62が塗装された部分を粗面(磨りガラス)に加工することもできる。ヒーター54の上方の部分はヒーター54の熱が多くとどくが、鏡面状になっているために熱は反射され、加熱室42側の面にとどく熱の割合が低い。また、他の部分はヒーターの熱がとどきにくいが粗面になっていないため、熱が反射されにくく、加熱室42側の面に熱が伝えられる割合が大きい。このようにヒーター54の上方の部分とそれ以外の部分と熱伝達率を異なるように構成することによって、カバーの加熱室42側の面にとどく熱は同じになる。従って、カバーから均一に熱が放射され、加熱室42の被加熱物が均一に加熱される。
【0033】
また、カバーの材質をヒーターの上方の部分と他の部分とで異なるように構成することによって、ヒーターの上方の部分と他の部分とで熱伝達率または熱伝導率を異なるように構成してもよい。即ち、ヒーターの上方の部分と他の部分の熱伝達率または熱伝導率を比較した場合、ヒーターの上方の部分の熱伝達率または熱伝導率が低くなる。
【0034】
図8及び図9の電子レンジ70において、給電口74の表面を鏡面状にしたり光が反射する材質を使用していたが、給電口74の表面に光が反射しやすい色、例えば白色の塗装を行って、光の反射を行うことも可能である。
【0035】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正及び変形を加えた態様で実施できるものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。更に、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成しても、複数の部材から構成されている特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【0036】
【発明の効果】
ターンテーブルがない高周波加熱装置の加熱室の底面にヒーターを設けることによって、ヒーターによる電熱加熱を行う際に、被加熱物を下方から加熱することができ、効率のよい加熱が可能になった。また、ガラスなどの誘電体で構成された皿を取り付けることによって、多数の被加熱物を一度に電磁波加熱することができる。
【0037】
また、加熱室の底面に接続された給電口内にヒーターを設けた高周波加熱装置の場合、加熱室と給電口とを接続する開口部に設けられたカバーにおいて、ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で熱伝達率を異なるように構成することによって、カバーの表面から均一に熱が放射される。従って、加熱室のどの部分に被加熱物を載置しても均一に加熱を行うことができる。熱伝達率を異なるように構成するために、耐熱性の黒色と白色の塗料をカバーの表面に塗装するだけであるので、コスト的に安価に構成したり、カバーの製造で複雑な工程を必要としない。黒色は熱を吸収し、白色は熱を反射するため、上記のような熱伝達率を異なるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波加熱装置の正面断面図である。
【図2】図1の高周波加熱装置の上面断面図である。
【図3】図1の高周波加熱装置の加熱室に少量の被加熱物を載置した図である。
【図4】誘電体の皿に被加熱物を載置し高周波加熱を行う図である。
【図5】本発明の他の高周波加熱装置の図である。
【図6】図5の高周波加熱装置の上面断面図である。
【図7】カバーの塗装の状態を示す図である。
【図8】本発明の他の高周波加熱装置の図である。
【図9】図8の高周波加熱装置のコーティングを行わない給電口を示す図である。
【図10】図8の高周波加熱装置のコーティングを行わない回転アンテナを示す図である。
【符号の説明】
10,40,70:電子レンジ(高周波加熱装置)
12,42,72:加熱室
14,44,74:給電口
16,46,76:カバー
18,48,78:回転アンテナ
20,50,80:導波管
22,52,82:マグネトロン
24,54:ヒーター
26,56:皿受け
28:皿
30,60,86:モーター
32:被加熱物
62:黒色塗料
64:白色塗料
84:ランプ
88:小穴群
【特許請求の範囲】
【請求項1】被加熱物を入れる加熱室と、前記加熱室の底面の一部に形成された開口部に接続され、マイクロ波を前記加熱室に供給するための給電口と、前記開口部を覆う誘電体で構成されたカバーと、前記給電口内に設けられ、マイクロ波を散乱させる回転アンテナと、前記給電口に接続され、マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管内を伝搬させて前記加熱室に供給するマイクロ波を発振するマグネトロンを含み、
前記給電口内において前記回転アンテナの周辺部にヒーターを設けたことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項3】前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように色を異ならせる構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項4】前記カバーの色は、前記ヒーターの上方の部分が白色であり、またそれ以外に部分が黒色であることを特徴とする請求項3に記載の高周波加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターンテーブルがなく、底面が平らな加熱室を有する高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジ(高周波加熱装置)は、マイクロ波によって被加熱物を加熱(電磁波加熱)する装置であるが、加熱室の任意の面にヒーターを備えることによって、電熱加熱も行える電子レンジが市販されている。特開昭61−240591号公報や特開2000−340355号公報に開示されているように、ターンテーブル(回転皿)の下方に面状ヒーターを配置することによって、下方からの電熱加熱が行える。
【0003】
一方、ターンテーブルのない電子レンジが市販されている。この電子レンジは、加熱室の底面に給電口があり、この給電口内に回転アンテナが設けられているため、加熱室の底面に面状ヒーターを設けることはできず、加熱室の天面や側面に設けられている。ところが、熱は下方から上方に対流する性質があるため、加熱室の天面に面状ヒーターを設けても、被加熱物を加熱しにくい欠点がある。従って、被加熱物の上部が加熱されても、下部が加熱されていない場合がある。
【0004】
また、近年発売されている電子レンジは、加熱した被加熱物から噴き出された汁や飛び散った油などで加熱室が汚された場合に、細菌が増殖しないようにしたり汚れを拭き取りやすくするように、加熱室の側面などはコーティングされている。コーティングとしてはフッ素や抗菌物質などと共に耐熱性の黒色塗料が使用されており、加熱室の側面などは黒色になっている。加熱室の側面などが黒色であるため、側面などの温度が上昇しやすく、細菌を熱で殺菌している。
【0005】
ターンテーブルのある電子レンジの場合、加熱室の側面などが黒色であっても、加熱室に設けられたターンテーブルを白色にすることによって、加熱室内を照らす光が反射されて、加熱室を明るくすることが可能であった。しかし、ターンテーブルのない電子レンジは加熱室全体が黒色になってしまい、加熱室を照らす光が反射されず、加熱室に置かれた被加熱物の加熱状況が見えにくい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ターンテーブルがなく加熱室の底面が平らな高周波加熱装置において、効率よく電熱加熱が行えるヒーターを有する加熱室及び被加熱物の視認性に優れた加熱室を備えた高周波加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波加熱装置の要旨とするところは、被加熱物を入れる加熱室と、前記加熱室の底面の一部に形成された開口部に接続され、マイクロ波を前記加熱室に供給するための給電口と、前記開口部を覆う誘電体で構成されたカバーと、前記給電口内に設けられ、マイクロ波を散乱させる回転アンテナと、前記給電口に接続され、マイクロ波を伝搬させる導波管と、前記導波管内を伝搬させて前記加熱室に供給するマイクロ波を発振するマグネトロンを含み、前記給電口内において前記回転アンテナの周辺部にヒーターを設けたことにある。本発明の高周波加熱装置は、加熱室の底面にターンテーブルを設けず、底面及びカバー自体が被加熱物の載置台になっており、底面にヒーターを設けることによって、そのヒーターの熱を被加熱物の下方から加える電熱加熱を行うことができる。
【0008】
また、前記カバーは、前記ヒーターの上方の部分とそれ以外に部分とで、熱伝達率が異なるように構成したことにある。本発明の高周波加熱装置は、加熱室の底面にターンテーブルを設けず、底面自体が被加熱物の載置台になっており、加熱室の底面に給電口、この給電口内にヒーターを設け、給電口と加熱室とを接続する開口部に設けられたカバーの熱伝達率を、ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分とで異なるように構成することによって、カバーの表面から加熱室に放射される熱の温度が均一になる。
【0009】
前記カバーの表面の色を前記ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で異なるように構成することによって、前記カバーの熱伝達率がヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で異なるように構成される。
【0010】
前記カバーの表面の色は、前記ヒーターの上方の部分が白色であり、それ以外の部分は黒色である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の高周波加熱装置の実施の形態を図面を基にして説明を行う。
【0012】
図1に示すように、本発明の高周波加熱装置である電子レンジ10は、加熱室12と、その底面にマイクロ波を加熱室12内に供給するための給電口14とを備え、給電口14内には回転アンテナ18が設けられている。回転アンテナ18はモーター30によって回転させられる。給電口14と加熱室12との接続部である開口部にはカバー16が設けられており、カバー16上に被加熱物を載置できると共に、カバー16によって加熱室12から給電口14内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。カバー16は、加熱室12内にマイクロ波を供給させるために、マイクロ波が透過できる誘電体、例えば耐熱性のガラスや陶器で構成する。また、カバー16は加熱室12の底面の一部になっている。加熱室12の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー16が被加熱物の載置台になっており、図1及び図2に示すように、底面に接続された給電口14の周辺において、加熱室12の底面の外側に密着させながらヒーター24が設けられている。ヒーター24は電熱器を使用し、底面に密着できるように平らな面を有し、リング状になっている。給電口14には、マイクロ波を伝搬させる導波管20の一端が接続されており、導波管20の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン22が接続されている。
【0013】
また、加熱室12の側壁には、被加熱物を載置するための皿28を取り外し自由に設置するための皿受け26が設けられている。使用する皿28は、マイクロ波によって、被加熱物に含まれている水分による電波吸収作用に伴う発熱で加熱する電磁波加熱(高周波加熱)を行う場合、耐熱性のガラスや陶器などの誘電体の皿28を使用する。また、ヒーター24の熱を被加熱物に加えて熱量(cal)を増大させる電熱加熱を行う場合、鉄などで構成された皿28を使用する。この皿受け26を加熱室12の側壁に複数組設け、皿28を複数設置して多数の被加熱物を同時に加熱することもできる。
【0014】
上記に示した電子レンジ10を使用した電磁波加熱及び電熱加熱について説明する。図3に示すように、被加熱物32の数が少なかったり形状が小さい場合、加熱室12の底面またはカバー16上に被加熱物32を置く。マグネトロン22で発振したマイクロ波は導波管20を伝搬して給電口14に達する。給電口14内の回転アンテナ18がモーター30によって回転している。図中の矢印で示したように、マイクロ波は回転アンテナ18によって、各方向に散乱されながら給電口14から加熱室12に供給され、被加熱物32がマイクロ波によって電磁波加熱される。
【0015】
図4に示すように、被加熱物32の数が多かったり形状が大きい場合、誘電体の皿28の端部が皿受け26に係着されるように設置する。上記と同様にマグネトロン22で発振されたマイクロ波は、導波管20を伝搬して給電口14に達し、回転アンテナ18で各方向に散乱された加熱室12に供給される。図4の矢印で示すように、マイクロ波は回転アンテナ18によって各方向に散乱されながら加熱室12内を伝搬するので、皿28の端の方に置かれた被加熱物32も皿28の中央に置かれた被加熱物32と同様に電磁波加熱される。
【0016】
ヒーター24による電熱加熱を行う場合、皿受け26に金属製の皿28を係着し、皿28の上に被加熱物32を載置する。加熱室12の底面に設けられたヒーター24が加熱され、高温の気体が下方から上方に対流するため、被加熱物32が下部から加熱される。また、ヒーター24と共に加熱室12の側面や天面にもヒーターを設けることによって、被加熱物32が効率よく加熱される。
【0017】
上記のように、加熱室12の底面の所定部分にヒーターを設けることによって、電熱加熱を行う際に下方からの加熱が可能になり、被加熱物の加熱の効率が改善される。また、底面から所定の高さに誘電体の皿28を設けることによって、被加熱物32の数が多かったり、その大きさが大きい場合でも、確実に電磁波加熱が行える。
【0018】
次に、本発明の他の高周波加熱装置について説明する。図5乃至図6に示すように、加熱室42の底面にマイクロ波を加熱室42に供給するための給電口44があり、給電口44内に回転アンテナ48及びこの回転アンテナ48の周辺にヒーター54が設けられている。給電口44と加熱室42の接続部である開口部にはカバー46が設けられており、加熱室42から給電口44内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。加熱室42の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー46が被加熱物の載置台になっている。給電口44には、マイクロ波を伝搬させる導波管50の一端が接続されており、導波管50の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン52が接続されている。
【0019】
カバー46は耐熱性のガラスなどの誘電体で構成される。このカバー46の給電口44側の表面は、図7に示すように、ヒーター54の上方に位置する部分の表面は、白系色を含む白色塗料64が塗装され、熱を反射させるので、反対表面(加熱室42側の面)への熱伝達率が低い。それ以外の部分の表面は黒系色を含む黒色塗料62が塗装され、熱を吸収しやすくなっているので、反対表面への熱伝達率が高くなっている。本明細書で熱伝達率を、空気中などを伝わってカバーのある面に達した熱が、反対の面に伝わる率とする。使用される塗料は、耐熱性の塗料を使用し、ヒーター54の使用によって塗料がはがれたり変色したりしないようにする。また、白色塗料64及び黒色塗料62に限定されず、熱を反射しやすい白色系の色や吸収しやすい黒色系の色を使用してもよい。
【0020】
この高周波加熱装置である電子レンジ40のヒーター54を用いた電熱加熱について説明する。ヒーター54が発熱し、熱がカバー46の給電口44側の表面に達する。カバー46においてヒーター54の上方の部分には多くの熱が達するが、白色の塗料64によって熱が反射され、カバー46内を伝わって加熱室42側の表面に伝わる熱が減少される。黒色の塗料62が塗装された部分は、白色の塗料64が塗装された部分と比較してヒーター54から離れており、表面に達するヒーター54の熱が少ない。しかし、黒色の塗料62が熱を吸収し、カバー46の加熱室42側の面に伝わる熱の割合は高くなる。従って、カバー46において白色の塗料64が塗装された部分は熱伝達率が低く、黒色の塗料62が塗装された部分は熱伝達率が高い。
【0021】
このように、ヒーター54の上方の部分とそれ以外の部分で塗装する塗料の色を変えることによって、熱伝達率が変わり、カバー46の加熱室42側に達する熱がほぼ同じになる。カバー46の表面から加熱室42に熱が放射されるとき、カバー46のどの位置からもほぼ同じだけの熱が放射される。カバー46の表面からほぼ均一に熱が放射されるため、被加熱物を加熱室42内のどの位置に置いてもほぼ均一に加熱される。また、ヒーター54が加熱室42の外周形状を縮小したリング状になっているため、加熱室42への熱の放射が均一になりやすくなっている。
【0022】
本発明の更に他の高周波加熱装置について説明する。図8に示すように、加熱室72の底面にマイクロ波を加熱室72に供給するための給電口74があり、給電口74内に回転アンテナ78が設けられている。給電口74と加熱室72との接続部である開口部にはカバー76が設けられており、加熱室72から給電口74内に被加熱物の水分や油が入り込まないようになっている。加熱室72の底面にはターンテーブルはなく、この底面及びカバー76が被加熱物の載置台になっている。給電口74には、マイクロ波を伝搬させる導波管80の一端が接続されており、導波管80の他端にはマイクロ波を発振するマグネトロン82が接続されている。
【0023】
従来技術で説明した電子レンジと同様に、加熱室72の側面、天面及び底面は、被加熱物が加熱された際にあふれ出た汁や飛び散った油によって細菌が発生したり、清掃がしやすいようにコーティングされている。コーティングは、フッ素や殺菌剤などに耐熱性の黒色塗料が混入されており、このコーティングによって加熱室の側面、天面及び底面の一部は黒色になっている。
【0024】
図9及び図10に示すように、加熱室72の側面か天面にマイクロ波が漏れない穴を複数開けて小穴群88を設け、加熱室72を照明するランプ84が加熱室72の外側に設けられている。
【0025】
給電口74はカバー76によって被加熱物の汁や油が入り込まないように構成し、上記のコーティングは施さない。給電口74の材質は、ランプ84の光を反射させるために、表面が光を反射する(光沢を有する)導体を使用する。また、給電口74の内側表面を鏡面状にすることも可能である。
【0026】
更に、回転アンテナ78によってランプ84の光を反射させるために、表面を鏡面状にしたり、光が反射する塗料で塗装ことも可能である。
【0027】
図9に示すように、給電口74によってランプ84の光を反射させる構成にした電子レンジ70において、加熱室72内での被加熱物の照明状態を説明する。被加熱物を加熱室72の底面またはカバー76の上に載置し、マグネトロン82で発振させた高出力のマイクロ波で電磁波加熱を行う。電磁波加熱を行っている際、加熱室72の被加熱物はランプ84によって照らされる。加熱室72の側壁などはコーティングされて黒色になっているので光は反射しないが、給電口74が光を反射する導体を使用しているため、ランプ84の光が反射し、被加熱物を照らす。従って、従来のターンテーブルのない電子レンジに比べて被加熱物を明るく照らし出すことができる。
【0028】
また、給電口74の表面を鏡面状にすることで更に明るく被加熱物を照らし出すことができる。
【0029】
図10に示すように、回転アンテナ78の表面を鏡面状にしたり、光が反射する塗料を塗装した電子レンジ70について、加熱室72内での被加熱物の照明状態について説明する。被加熱物を電磁波加熱または電熱加熱を行う場合、加熱室72内の被加熱物はランプ84によって照らされる。加熱室72の側壁などはコーティングされて黒色になっているため光は反射されないが、回転アンテナ78の表面が鏡面状または光が反射する塗料が塗装されているので、ランプ84の光が反射される。従って、反射された光によっても被加熱物を照らすため被加熱物を明るく照らし出すことができる。
【0030】
更に、回転アンテナ78を鏡面状にすることによって、加熱室72の被加熱物を視認しやすくなる以外に、回転アンテナ78の回転状況も視認しやすくなり、モーター86などが故障して回転アンテナ78が回転しないとすぐにわかり、修理を行うことができる。
【0031】
また、給電口74を光が反射する導体で構成したり表面を鏡面状にしたりする構成と、回転アンテナ78の表面を鏡面状にする構成を組み合わせてもよい。
【0032】
以上、本発明の高周波加熱装置(電子レンジ)について実施の形態を示したが、本発明の高周波加熱装置は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、図5乃至図7に示す電子レンジ40のカバー46において、白色塗料64が塗装された部分(ヒーター54の上方の部分)を鏡面状にし、黒色塗料62が塗装された部分を粗面(磨りガラス)に加工することもできる。ヒーター54の上方の部分はヒーター54の熱が多くとどくが、鏡面状になっているために熱は反射され、加熱室42側の面にとどく熱の割合が低い。また、他の部分はヒーターの熱がとどきにくいが粗面になっていないため、熱が反射されにくく、加熱室42側の面に熱が伝えられる割合が大きい。このようにヒーター54の上方の部分とそれ以外の部分と熱伝達率を異なるように構成することによって、カバーの加熱室42側の面にとどく熱は同じになる。従って、カバーから均一に熱が放射され、加熱室42の被加熱物が均一に加熱される。
【0033】
また、カバーの材質をヒーターの上方の部分と他の部分とで異なるように構成することによって、ヒーターの上方の部分と他の部分とで熱伝達率または熱伝導率を異なるように構成してもよい。即ち、ヒーターの上方の部分と他の部分の熱伝達率または熱伝導率を比較した場合、ヒーターの上方の部分の熱伝達率または熱伝導率が低くなる。
【0034】
図8及び図9の電子レンジ70において、給電口74の表面を鏡面状にしたり光が反射する材質を使用していたが、給電口74の表面に光が反射しやすい色、例えば白色の塗装を行って、光の反射を行うことも可能である。
【0035】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正及び変形を加えた態様で実施できるものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。更に、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成しても、複数の部材から構成されている特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【0036】
【発明の効果】
ターンテーブルがない高周波加熱装置の加熱室の底面にヒーターを設けることによって、ヒーターによる電熱加熱を行う際に、被加熱物を下方から加熱することができ、効率のよい加熱が可能になった。また、ガラスなどの誘電体で構成された皿を取り付けることによって、多数の被加熱物を一度に電磁波加熱することができる。
【0037】
また、加熱室の底面に接続された給電口内にヒーターを設けた高周波加熱装置の場合、加熱室と給電口とを接続する開口部に設けられたカバーにおいて、ヒーターの上方の部分とそれ以外の部分で熱伝達率を異なるように構成することによって、カバーの表面から均一に熱が放射される。従って、加熱室のどの部分に被加熱物を載置しても均一に加熱を行うことができる。熱伝達率を異なるように構成するために、耐熱性の黒色と白色の塗料をカバーの表面に塗装するだけであるので、コスト的に安価に構成したり、カバーの製造で複雑な工程を必要としない。黒色は熱を吸収し、白色は熱を反射するため、上記のような熱伝達率を異なるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波加熱装置の正面断面図である。
【図2】図1の高周波加熱装置の上面断面図である。
【図3】図1の高周波加熱装置の加熱室に少量の被加熱物を載置した図である。
【図4】誘電体の皿に被加熱物を載置し高周波加熱を行う図である。
【図5】本発明の他の高周波加熱装置の図である。
【図6】図5の高周波加熱装置の上面断面図である。
【図7】カバーの塗装の状態を示す図である。
【図8】本発明の他の高周波加熱装置の図である。
【図9】図8の高周波加熱装置のコーティングを行わない給電口を示す図である。
【図10】図8の高周波加熱装置のコーティングを行わない回転アンテナを示す図である。
【符号の説明】
10,40,70:電子レンジ(高周波加熱装置)
12,42,72:加熱室
14,44,74:給電口
16,46,76:カバー
18,48,78:回転アンテナ
20,50,80:導波管
22,52,82:マグネトロン
24,54:ヒーター
26,56:皿受け
28:皿
30,60,86:モーター
32:被加熱物
62:黒色塗料
64:白色塗料
84:ランプ
88:小穴群
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