JP2002285448A - 建材製造用ベルト - Google Patents

建材製造用ベルト

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JP2002285448A JP2001090824A JP2001090824A JP2002285448A JP 2002285448 A JP2002285448 A JP 2002285448A JP 2001090824 A JP2001090824 A JP 2001090824A JP 2001090824 A JP2001090824 A JP 2001090824A JP 2002285448 A JP2002285448 A JP 2002285448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い剛性と強度、寸法安定性、走行安定性を
有し、適度な通水性、耐目詰まり性、洗浄回復性、耐ア
ルカリ性、乾湿状態での少ない寸法変化特性、機械面側
での耐摩耗性に優れ、原料スラリーや成型品の搬送、成
型や加圧脱水用に好適に用いられる窯業系建材成型品製
造用ベルトを提供すること。 【解決手段】 経糸11と、緯糸12とを、原料スラリ
ー面側13において複数本の連続する緯糸に対して経糸
が長浮きし、機械面側14において複数本の連続する経
糸に対して緯糸が長浮きする織組織でベルトを織成し、
経糸及び緯糸にポリエステルモノフィラメントとポリア
ミドモノフィラメントとを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窯業系建材成型品の製
造工程において用いられる建材製造用ベルトに関する。
より詳しくは、窯業系建材成型品、例えばセメントパー
ライト板やパルプセメント板等のセメント系内・外装用
成型材、石膏ボード等の内・外装用下地材等の製造工程
において、原料スラリーや成型品の搬送、成型や脱水装
置に好適に用いられる建材製造用ベルトに関する。また
特に、それら製造工程の装置において複数のローラー間
に無端状に配設されて周回運動する建材製造用ベルトに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窯業系建材成型品、すなわち例え
ばセメントパーライト板やパルプセメント板等のセメン
ト系内・外装成型材、石膏ボード等の内・外装用下地材
等の製造方法としては、円網による抄造、長網による抄
造、或いは押出成形、注型成形およびプレス脱水、真空
脱水等を用いる製造方法が知られている。
【0003】例えば、長網による抄造方法としては、特
開平9−141626号公報に、抄造機を用いてコンベ
アの上で水性スラリーを抄造してグリーンシートとする
無機硬化体の製造方法において、グリーンシートから脱
水させる際に、コンベア上方に配設した不透気性のフィ
ルムでグリーンシートを覆うと共に、同フィルムを介し
て同フィルム上方からエアー加圧する無機硬化体の製造
方法が開示されており、特に抄造機が長網方式の場合に
は、コンベア下方に配置したサクションボックスを用い
て減圧して、より効果的なグリーンシートからの脱水が
可能となることが記載されている。
【0004】また、比較的高い濃度の流動性原料スラリ
ーを用いる例として、特開昭59−141470号公報
には、コンベアシステム上の型枠の底面に所定の厚さの
GRC(ガラス繊維強化セメント)を充填し、これの上
面に接着した多数の針穴が穿孔された断熱材の針穴を通
してGRC内の過剰水分を脱水した後、全体を養生する
断熱複合板の製造方法が開示されている。
【0005】また、特開平8−47911号公報には、
ローラー間に張設された透水性のコンベアベルト上に、
補強繊維を含んだ水硬性スラリーを、コンベアベルトの
搬送方向に移動自在な供給部材から供給して積層させる
と共に、コンベアベルト上に供給された水硬性スラリー
の水分をコンベアベルト下方から吸引する板状体形成方
法が開示されており、透水性を有するフェルト製のコン
ベアベルトを用いることが実施例に記載されている。
【0006】更に、例えば、図6に示す如く、複数のロ
ーラー112,113,114間に無端状に配設されて
周回運動する建材製造用ベルト100上に当接された型
枠115の内部に原料スラリー116を一定量充填し、
原料スラリー116に接するように金型117を被せた
後、金型117を介して上方から加圧(例えば、プレス
圧max5.88MPaまで漸次昇圧して加圧)すると
同時に、建材製造用ベルト100の下側に配設された吸
引装置118を用いて原料スラリー116内の過剰の水
分124を脱水して適度の水分量に調節すると共に、金
型表面に刻んだ模様を成型品120の表面119に転写
した後に、成型品120を養生、乾燥させ、塗装を施す
窯業系建材成型品の製造方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に上記のような窯
業系建材成型品では、原料スラリーに、例えばセメント
と骨材若しくはセメントに骨材と補強材を配合した原料
成分と水を混合した水性スラリー原料が用いられる。上
記セメントには、例えばポルトランドセメント、フライ
アッシュセメント、高炉セメントなど水硬化性のものが
一般に用いられる。また、上記骨材としては、珪砂、川
砂、シリカフラワー、シラスバルーン、パーライト、シ
リカなどが一般に用いられる。また、補強材としては、
ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリアミド
繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維やパルプ繊維
等の補強繊維が一般に用いられる。
【0008】円網または長網による抄造では、上記セメ
ントのような非常に微細な原料成分を水に分散させた低
濃度の原料スラリーを用いて抄造するための抄造ベルト
として、微細な原料成分の捕捉性の観点から不織布ベル
トが一般に用いられるが、不織布ベルトは織成布ベルト
に比べて、良好な微細粒子の捕捉性を有する一方、原料
成分が不織布内部に堆積して目詰まりが発生し易く、目
詰まりの洗浄回復性にも難があり、また、ウェブ繊維の
磨損も発生し易いことが知られている。
【0009】これに対して、前記特開昭59−1414
70号公報や特開平8−47911号公報に開示される
ような比較的高い濃度の流動性原料スラリーを用いる製
造方法の場合には円網または長網による抄造とは異な
り、むしろ良好な通水性や耐目詰まり性、洗浄回復性の
観点から不織布ベルトよりも織成布ベルト、特に、経糸
および緯糸に合成繊維モノフィラメントを用いた織成布
ベルトが適している。
【0010】特に、図6に示す如く、複数のローラー間
に無端状に配設されて周回運動する建材製造用ベルト1
00の場合には、型枠115に充填された坪量大なる原
料スラリー116(例えば、脱水前の原料スラリーの状
態で300kg/個、脱水後の成型品の状態で70kg
/個)がベルト100上に載置された状態で周回運動す
る必要があるために、大きな張力のもとに捲回配設され
て周回運転されるので、特に、高い剛性と強度および寸
法安定性、走行安定性が求められる。例えば、図6に示
す様な製造装置110では、通常、3kg/cm〜5k
g/cm程度の張力でベルトが張り出されることが多
い。
【0011】更に、上記のような窯業系建材成型品の製
造工程においては、ベルトが部分的および時間的に原料
スラリーおよび脱水水分による湿潤状態と乾燥状態とを
繰り返し変化するため、乾/湿状態での寸法変化が少な
い特性も必要となる。例えば、図6に示す様な製造装置
110では、張り出し機構が半固定式のテンションロー
ラー114の位置調整で張力設定する方式が常用される
ため、乾/湿状態での寸法変化量がベルトの走行状況に
大きく影響を及ぼす。
【0012】また、上記のような窯業系建材成型品で
は、原料成分にセメントが主に用いられることから、原
料スラリーおよび脱水水分がpH10〜pH12の範囲
のアルカリ性を示す場合が多くあり、また、水硬化性セ
メントの反応熱の影響により原料スラリーおよび脱水水
分が室温よりもやや高め、例えば40℃〜45℃になる
こともあるため、原料スラリーや成型品の搬送、成型や
脱水装置に用いられる建材製造用ベルトには、アルカリ
耐性を有し、アルカリ性湿潤条件下でも強度低下や劣化
の少ないことが、ベルトの剛性や強度の維持、並びにベ
ルトの長寿命化と製造装置の安定稼働のために必要とさ
れる。
【0013】更に、上記のような窯業系建材成型品で
は、原料成分に含まれる骨材にセメント成分よりも粒度
および硬度が大きい骨材成分が用いられることが多いた
め、セメント成分と相俟って、ベルト織物の表面や空隙
若しくはベルトと接する製造装置各機械部分とベルトの
間に付着、堆積したこれら固形成分がベルトの磨損を促
進させ、ベルトの寿命を短縮させる要因となる。ベルト
の磨損には、ベルトが原料スラリーと接する面側(以
下、原料スラリー面側122という)での型枠115や
加工中の成型品120との間で生じる磨損の他、ベルト
の機械面側123(原料スラリー面側と反対面側)での
駆動ローラー112や支持板121等の各機械部分との
間で生じる磨損があるが、特に、図6に示す如く、複数
のローラー間に無端状に配設されて周回運動するベルト
100の場合には、ベルトの機械面側123での駆動ロ
ーラー112や支持板121等の各機械部分との間で生
じる磨損が、前記複数の重量大なる搭載物のために一層
促進され、機械面側での磨損が極めて発生しやすく、そ
れによるベルトの部分的な破れや穴あきが生じて、成型
品の品質を損なったりベルトの短命化をきたすため、ベ
ルトの機械面側での磨損対策が特に求められる。
【0014】加えて、例えば図6に示す如く、建材製造
用ベルト100上に載置された原料スラリー116の上
方から加圧して脱水する機構(図示せず)を用いる製造
装置の場合には、型枠115および原料スラリー116
と接するベルトの部分が局部的に大きな圧縮負荷を受け
るため、また、そのような圧縮負荷が頻繁に発生するた
め、圧縮負荷に対する剛性があり加圧時の変形が少なく
変形回復性も良いベルトであることが求められる。
【0015】また、このような製造装置の場合には、ベ
ルト織物を構成する経糸および緯糸モノフィラメント
が、上記のように摩損してモノフィラメント表面が削ら
れた上にアルカリ性湿潤状態とされるため、モノフィラ
メントの強度低下が進行し易い状況にある。その上更
に、局部的に大きな圧縮荷重を受けるのでモノフィラメ
ントにクラックなどが発生し易く、このクラックからア
ルカリ性水分がモノフィラメント内部に侵入して更にモ
ノフィラメントの強度低下が進行するため、モノフィラ
メントの切断が極めて発生し易い状況となる。
【0016】したがって、本発明の課題は、窯業系建材
成型品の製造工程において、原料スラリーや成型品の搬
送、成型や加圧脱水用に好適に用いられる建材製造用ベ
ルト、すなわち、反応熱の影響を伴う原料スラリーや脱
水水分によるアルカリ性湿潤条件下で使用され、且つ、
原料スラリー中に含まれる骨材成分の影響のために、ベ
ルトの原料スラリー面側や機械面側、特に機械面側での
摩耗対策が求められ、更にそれらに重畳して、経糸方向
の張力負荷および厚さ方向の局部的な圧縮負荷を受ける
厳しい使用条件のもとでも使用可能な、適度な通水性、
耐目詰まり性、洗浄回復性に加え、良好なアルカリ耐性
および乾湿状態での少ない寸法変化特性、並びに、機械
面側での耐摩耗性が優れた建材製造用ベルトを実現する
ことである。
【0017】本発明の更なる課題は、前記建材製造用ベ
ルトが、製造装置において複数のローラー間に無端状に
捲回され周回運動すべく配設された場合にも好適に用い
られる建材製造用ベルトであって、特に駆動方向におい
て高い剛性と強度、並びに、寸法安定性、走行安定性を
有する建材製造用ベルトを実現することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、窯業系建材成型品の製造工程で用いられる
建材製造用ベルトであって、前記ベルトが経糸及び緯糸
を有し、前記経糸の少なくとも一部および緯糸の少なく
とも一部にポリアミドモノフィラメントを用い、前記経
糸が原料スラリー面側において複数本の連続する緯糸に
対して長浮きし、前記緯糸が機械面側において複数本の
連続する経糸に対して長浮きする織組織を用いて織成さ
れていることを特徴とする。
【0019】また、本発明は、前記経糸が原料スラリー
面側において4本〜7本の何れかの本数の連続する緯糸
に対して長浮きし、前記緯糸が機械面側において4本〜
10本の何れかの本数の連続する経糸に対して長浮きす
る織組織を用いて織成されていることを特徴とする。
【0020】また、本発明は、前記経糸が原料スラリー
面側において複数本の連続する緯糸に対して長浮きし、
前記緯糸が機械面側において複数本の連続する経糸に対
して長浮きする織組織を用いて構成された前記ベルトに
おいて、前記ベルトの機械面側へ表出する経糸の表出部
を、ベルトの機械面側へ表出する緯糸の表出部とベルト
の厚さ方向において同じ高さ、乃至、経糸のベルト厚さ
方向の断面寸法と緯糸のベルト厚さ方向の断面寸法との
差の1/2に等しい寸法の範囲の値だけベルト厚さ方向
の内側に配設することを特徴とする。
【0021】更に、本発明は、上記のごとく構成された
前記ベルトにおいて、前記経糸を、本数比3:1〜1:
3のポリエステルモノフィラメントおよびポリアミドモ
ノフィラメントを交互に配設することを特徴とする。
【0022】また、本発明は、上記のごとく構成された
前記ベルトにおいて、前記織組織を、経糸の一定間隔で
斜文線の方向が交差する方向に切り替わる変則朱子織と
することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0024】本発明の実施にあたっては、窯業系建材成
型品の製造工程に用いられる建材製造用ベルトであっ
て、原料スラリーや成型品の搬送、成型や脱水装置に好
適に用いられる建材製造用ベルトを、経糸の少なくとも
一部および緯糸の少なくとも一部にポリアミドモノフィ
ラメントを用いた織成布で構成する。
【0025】本発明において前記ポリアミドモノフィラ
メントとは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン611およびナイロン612から成る群よ
り選ばれたポリアミドのモノフィラメント若しくは前記
群から選ばれた2種以上のポリアミドから成るポリアミ
ドアロイのモノフィラメントを言う。前記ポリアミドモ
ノフィラメントは、良好なアルカリ耐性を有し、アルカ
リ性湿潤条件下でも強度低下や劣化の少ない素材として
知られている。前記ポリアミドモノフィラメントを、経
糸および緯糸の全部に用いることも出来る。また、経糸
と緯糸とで異なったポリアミドモノフィラメントを用い
ることも可能である。
【0026】また、経糸および/または緯糸の残りの部
分には、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETという)、ポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTという)、ポリエチレンナフタレート(以下、PE
Nという)等のポリエステルモノフィラメントを用い
る。これらポリエステルモノフィラメントは、強度や寸
法安定性に優れ、ポリアミドモノフィラメントよりも乾
/湿状態での寸法変化が小さいため、ポリアミドモノフ
ィラメントと併用して経糸および緯糸に用いれば、熱セ
ット性に劣り、乾/湿状態での寸法変化が大きいポリア
ミドモノフィラメントの寸法変化特性を補い、且つ、ポ
リアミドモノフィラメントの有する耐アルカリ性と耐摩
耗性を有効に発揮させることができ好ましい。
【0027】通常、ベルト走行方向に織物の経糸を配置
して用いるため、特に、経糸において、ポリエステルモ
ノフィラメント:ポリアミドモノフィラメントの本数比
が3:1〜1:3の範囲でポリエステルモノフィラメン
トとポリアミドモノフィラメントを順次交互に配設して
織成布ベルトを構成すれば、経糸方向の寸法安定性や走
行安定性が優れ、耐アルカリ性と耐摩耗性にも優れたベ
ルトを実現することが出来る。この場合には、強度や寸
法安定性に優るポリエステルモノフィラメントが張力荷
重を主に負担するためベルトの伸びを抑制することが出
来る上に、ポリエステルモノフィラメントがアルカリ劣
化して先に切断する様なことがあっても、ポリアミドモ
ノフィラメントがなお強度を維持し瞬時のベルト破断に
到るのを防ぐことも可能となる。前記範囲よりもポリエ
ステルモノフィラメントの本数比が多い場合は、アルカ
リ耐性が低下して経糸の劣化、破断が発生しやすくな
り、ポリアミドモノフィラメントの本数比が多い場合
は、ベルトの寸法安定性が低下して走行不良が発生しや
すくなる。なお本数比は1:1を最適とする。
【0028】一方、例えば図6に示す様な建材製造装置
110、特に、半固定式のテンションローラー114の
位置調整で張力設定する方式のベルト張り出し機構が付
設された建材製造装置において使用され、複数のローラ
ー間に無端状に捲回し、3kg/cm〜5kg/cmの
高い張力下に周回運動するベルトの場合には、ベルトの
寸法安定性が特に必要であり、製作時のベルト長に対す
る使用時のベルト長さの寸法変化量が前記位置調整の可
能範囲内にあることが必要とされる。更に、使用時のベ
ルトの寸法変化が大きい場合には、ベルトの緩み、撓み
を生じ走行が不安定となり易いため、前記建材製造装置
において使用される場合には、製作時のベルト長に対す
る使用時のベルト長さの寸法変化率が、3kg/cmの
張力下で3%以下の範囲であり、且つ、製作時のベルト
長に対する使用時のベルト長さの寸法変化量が前記ベル
ト張り出し機構の調整可能範囲内であることが好まし
い。
【0029】また、緯糸においては、緯糸の全部を前記
ポリアミドモノフィラメントとするか、または、経糸と
同様にポリエステルモノフィラメント:ポリアミドモノ
フィラメントの本数比が3:1〜1:3の範囲、好適に
は1:1で、ポリエステルモノフィラメントとポリアミ
ドモノフィラメントを順次交互に配設する。
【0030】更に、本発明の建材製造用ベルトを実現す
るにあたっては、図1(B)に示すように、特に、ベル
トの機械面側14での経糸11の摩損を受け難くするた
めに、機械面側14への経糸11の表出が極力少ない織
組織とすると同時に、ベルト10の原料スラリー面側1
3での原料スラリーの付着、堆積を減少させるために、
原料スラリー面側13への緯糸12の表出が少ない織組
織を用いて、原料スラリー側表面が経糸方向に平滑なも
のとなるように、前記織成布を構成する。すなわち、経
糸11が原料スラリー面側13において4本〜7本の何
れかの本数の連続する緯糸12に対して長浮きし、緯糸
12が機械面側14において4本〜10本の何れかの本
数の連続する経糸11に対して長浮きする織組織とす
る。
【0031】このような織組織としては、経緯1重織
の、5枚、6枚、7枚、8枚の朱子織(例えば図2
(B)および図2(D))、それらの変形としての経糸
の一定間隔で斜文線の方向が交差する方向に切り替わる
変則朱子織(例えば図1(A)および図2(A))、若
しくは6枚、7枚、8枚、9枚の重ね朱子織(例えば図
2(C))等を用いることが出来る。また緯2重織等の
多重織を用いても良い。
【0032】特に、5枚、6枚、7枚、8枚の朱子織、
若しくはそれらの変形としての経糸の一定間隔で斜文線
の方向が交差する方向に切り替わる変則朱子織を用いる
場合には、経糸が、原料スラリー面側において4本〜7
本の何れかの本数の連続する緯糸に対して長浮きすると
共に、機械面側においては緯糸に対する浮き長さが緯糸
1本分となると同時に、緯糸が、機械面側において4本
〜10本の何れかの本数の連続する経糸に対して長浮き
すると共に、原料スラリー面側においては経糸に対する
浮き長さが経糸1本分となる織組織を実現出来るので、
ベルトの機械面側での経糸の摩損を受け難くすることが
出来て好適である。
【0033】前記経糸の一定間隔で斜文線の方向が交差
する方向に切り替わる変則朱子織組織とは、例えば8枚
朱子織の場合に、8本ずつ若しくは9本および7本の経
糸の一定間隔で斜文線の方向が右上がりと左下がりとな
って互いに交差する方向に切り替わる変則朱子織組織
(例えば図1(A)および図2(A))のことをいい、
このような変則朱子織組織を用いる場合には、ベルトの
走行が幅方向に片寄り難くなるので走行が安定するため
更に好適である。
【0034】尚、図1〜図3の織物組織図は、各図の上
下方向を織物の経糸方向、左右方向を緯糸方向として、
ベルトの原料スラリー面側から表したもので、各図中の
左右方向に並ぶアラビア数字1〜16は経糸の順番、上
下方向に並ぶ漢数字一〜八は緯糸の順番を示す。各図に
おいて、黒く塗りつぶした部分は経糸が緯糸を織り込ん
で原料スラリー面側に表出した(浮き出した)部分で、
白抜き部分は経糸が機械面側に表出した(浮き出した)
部分である。また、黒く塗りつぶした部分は緯糸が機械
面側に表出した(浮き出した)部分でもある。したがっ
て、上記織物組織図の上下方向に黒く塗りつぶした部分
が連続して並ぶ状態は、前記経糸が原料スラリー面側に
おいて連続する緯糸に対して長浮きする状態を表してい
る。
【0035】また、図1(B)は、緯1重変則8枚朱子
織の織物組織図における緯糸方向の断面図である。図に
おいて、寸法hは、ベルトの機械面側14へ表出する緯
糸の表出部15と経糸の表出部16とのベルトの厚さ方
向の高さの差を表す寸法である。
【0036】本発明の建材製造用ベルトを実現するにあ
たっては、特にベルトの機械面側14での経糸11の摩
損を極力避けるために、前記機械面側14への経糸11
の表出が極力少ない織組織とすることに更に加えて、ベ
ルトの機械面側14へ表出する経糸11の表出部16
が、ベルトの機械面側14へ表出する緯糸12の表出部
15よりベルトの厚さ方向において内側、すなわち、ベ
ルトの厚さ方向の高さの差を表す寸法h>0となるよう
に配設するのが良い。それにより、ベルトの機械面側1
4へ表出する緯糸12の表出部15の初期摩耗が先に発
生し、機械面側14での緯糸12の表出部15の表出面
積が増加した後に、経糸11の表出部16の摩耗が始ま
るようになるため、経糸11の表出部16の摩耗の発生
開始を遅らせることが出来ると共に、緯糸12の表出面
積に対する経糸11の表出面積の比が小さくなり、機械
面側14での経糸11の摩耗を抑制することが出来る。
上記の効果は、前記機械面側14への経糸11の表出が
極力少ない織組織、例えば、機械面側14において経糸
11の浮き長さが緯糸1本分で、かつ、緯糸12の浮き
長さが4本〜10本の何れかの本数分である織組織を用
いることで、より一層顕著となる。
【0037】そのためには、経糸11を構成するモノフ
ィラメントの断面におけるベルト厚さ方向の寸法を、緯
糸12を構成するモノフィラメントの断面におけるベル
ト厚さ方向の寸法と同じ若しくはより小さく、好適には
より小さく設定する。更に、経糸11が緯糸12を織り
込む交錯位置において経糸11と緯糸12とが互いに充
分にくい込み合うと同時に、緯糸12が充分にクリンプ
して、経糸11が機械面側14に表出する交錯位置にお
いて原料スラリー面側13に撓むように、経糸11およ
び緯糸12のモノフィラメントの伸度および収縮特性を
選択すると共に、製織条件および加工条件を適宜好適に
選定して織成、熱セット加工を施すことが必要である。
【0038】また、前述の様に、経糸11においてポリ
エステルモノフィラメントとポリアミドモノフィラメン
トを順次交互に配設して織成布ベルトを構成する場合
は、ポリエステルモノフィラメント経糸を、ベルトの厚
さ方向においてポリアミドモノフィラメント経糸よりも
一層内側になるように製作するのが好ましい。それによ
り、アルカリ耐性に劣り強度低下が早いポリエステルモ
ノフィラメントの摩耗量を減らして、ポリエステルモノ
フィラメント経糸の強度維持を図ることが出来る。
【0039】ここで、ベルトの機械面側14へ表出する
経糸11の表出部16が、緯糸12の表出部15よりベ
ルトの厚さ方向において内側に配設される状態を説明す
るため、図4および図5に示す半径dの断面円形モノフ
ィラメントからなる経糸51および半径Dの断面円形モ
ノフィラメントからなる緯糸52を用いて平織組織に織
成されたベルト50を想定する。但し、交錯による経糸
51および緯糸52の断面形状の変形並びに互いの断面
方向へのくい込み合いは無いものと仮定する。
【0040】ここで、図4は、平織組織のベルト織物の
緯糸52の表出部の状況を説明するための図で、(A)
は緯糸方向の断面の状況を表す断面図、(B)はA−A
方向からの緯糸52の断面図、(C)はB−B方向から
の緯糸52の表出部53の平面図である。また図5は、
平織組織のベルト織物の経糸51の表出部の状況を説明
するための図で、(A)は経糸方向の断面の状況を表す
断面図、(B)はC−C方向からの経糸51の断面図、
(C)はD−D方向からの経糸51の表出部54の平面
図である。
【0041】ベルトの機械面側において、緯糸52が摩
耗したとき、図4(A)に示すように、ベルトの厚さ方
向への摩耗量をa1、緯糸52の表出部53の表出面積
をA1とする。このとき表出面積A1は、図4(B)
(C)にも示すように、表出部53の緯糸断面方向の寸
法b1、および表出部の緯糸長さ方向の寸法c1で表さ
れる楕円の面積で近似できる。
【0042】前記b1を挟む角度を2×θ1、前記c1
を挟む角度を2×ψ1とする時、b1およびc1は次式
で表せ、これらを用いて表出部53の面積A1を表すこ
とが出来る。 b1=2{D×sin(θ1)}, cos(θ1)=(D−a1)/D … (1) c1=2{(2D+d)×sin(ψ1)}, cos(ψ1)=(2D+d−a1)/(2D+d) … (2) A1=π×b1×c1/4 … (3)
【0043】同様に、ベルトの機械面側において、図5
(A)(B)(C)に示すように、ベルトの厚さ方向へ
の経糸51の摩耗量をa2、経糸51の表出部54の表
出面積をA2とする。このとき表出面積A2は、表出部
54の経糸断面方向の寸法b2、および表出部の経糸長
さ方向の寸法c2で表される楕円の面積で近似できる。
【0044】前記b2を挟む角度を2×θ2、前記c2
を挟む角度を2×ψ2とする時、b2およびc2は次式
で表せ、これらを用いて表出部54の面積A2を表すこ
とが出来る。 b2=2{d×sin(θ2)}, cos(θ2)=(d−a2)/d … (4) c2=2{(2d+D)×sin(ψ2)}, cos(ψ2)=(2d+D−a2)/(2d+D) … (5) A2=π×b2×c2/4 … (6)
【0045】緯糸52の摩耗量が緯糸の断面半径Dに等
しくなる時に緯糸52の表出面積A1がほぼ最大(面積
=A1max)になると考えると、上記(1)〜(3)式の
関係から、緯糸52の表出面積A1がその最大値A1m
axに対する任意の割合の場合における緯糸52の摩耗
量を求めることが出来る。例えば、経糸モノフィラメン
トの直径0.4mm、緯糸モノフィラメントの直径0.
9mmの場合においては、緯糸52の摩耗量が0.04
5mm(緯糸の直径寸法の5%)の時に、緯糸の表出面
積A1がその最大値A1maxの15.3%、緯糸52
の摩耗量が0.09mm(緯糸の直径寸法の10%)の
時に、緯糸の表出面積A1がその最大値A1maxの2
9.5%、緯糸52の摩耗量が0.135mm(緯糸の
直径寸法の15%)の時に、緯糸の表出面積A1がその
最大値A1maxの42.5%となる。したがって、ベ
ルトの機械面側へ表出する緯糸52の表出部53と経糸
51の表出部54とのベルトの厚さ方向の高さの差h
を、緯糸52の直径寸法の少なくとも10%以上として
おけば、緯糸52の表出部53の表出面積A1がその最
大値の少なくとも29.5%以上になるまで経糸51の
摩耗の発生を遅らせると共に、緯糸52の表出面積A1
に対する経糸51の表出面積A2の比を小さくして、機
械面側での経糸51の摩耗を抑制することが出来る。こ
のような効果は、機械面側において経糸51の表出が極
力少なくなるようにした織組織、すなわち、5枚〜8枚
の何れかの朱子織や変則朱子織等で一層顕著となる。前
記厚さ方向の高さの差hを、緯糸52を構成するモノフ
ィラメントの断面におけるベルト厚さ方向の寸法の少な
くとも5%以上、好適には10%以上、より好適には1
5%以上の値とするのが好ましい。
【0046】また、経糸51を構成するモノフィラメン
トの断面におけるベルト厚さ方向の寸法と、緯糸52を
構成するモノフィラメントの断面におけるベルト厚さ方
向の寸法との差の1/2、すなわち経糸51および緯糸
52の半径寸法の差に等しい値だけ、ベルトの機械面側
へ表出する経糸51の表出部54を緯糸52の表出部5
3よりベルトの厚さ方向内側に配設すれば、経糸51の
摩耗量がその断面半径dに等しくなるまで摩耗が進行し
て経糸51の表出面積A2がほぼ最大となっても、緯糸
52の表出面積A1もほぼ最大となるので、緯糸52の
表出面積A1に対する経糸51の表出面積A2の比を少
なくともそれら略最大値同士の比に抑えることが出来て
好ましい。したがって、ベルトの機械面側へ表出する経
糸51の表出部54が緯糸52の表出部53よりベルト
の厚さ方向において内側に配設される場合は、その厚さ
方向の高さの差(図1における寸法h)の範囲の最大値
が、経糸11を構成するモノフィラメントおよび緯糸1
2を構成するモノフィラメントのそれぞれの断面におけ
るベルト厚さ方向の寸法の差の1/2に等しくなる範囲
を好適とする。尚、経糸若しくは緯糸がベルト厚さ方向
の寸法の異なる複数種類のモノフィラメントで構成され
ている場合は、それらの平均値を経糸若しくは緯糸を構
成するモノフィラメントの断面におけるベルト厚さ方向
の寸法と見なすものとする。
【0047】本発明の実現においては、経糸に用いる前
記モノフィラメントには、通常の断面形状のものが使用
可能であるが、断面円形で直径がφ0.2mm〜φ0.
6mmの範囲、好適には直径がφ0.3mm〜φ0.5
mmの範囲のものが望ましい。上記範囲よりも小さい直
径の場合は、張力荷重や圧縮荷重に対する強力が不足し
たり摩耗が進行した時の強力維持が困難となる。また、
上記範囲よりも大きい直径の場合は、ベルトの機械面側
へ表出する経糸の表出部と緯糸の表出部とのベルトの厚
さ方向の高さの差を確保することが難しくなると共に、
経糸方向の剛性が高くなるため駆動ローラー等との間で
すべりが発生しやすくなり走行が不安定になったり磨損
を早める可能性が高い。
【0048】また、緯糸に用いる前記モノフィラメント
には、通常の断面形状のものが使用可能であるが、断面
円形で直径がφ0.6mm〜φ1.0mmの範囲、好適
には直径がφ0.8mm〜φ1.0mmの範囲のものが
望ましい。上記範囲よりも小さい直径の場合は、圧縮荷
重に対する強力が不足すると共に、ベルトの機械面側へ
表出する経糸の表出部と緯糸の表出部とのベルトの厚さ
方向の高さの差を確保することが困難となり経糸の磨損
が早期に発生する様になる。また、上記範囲よりも大き
い直径の場合は、剛性は増すが、緯糸に充分にクリンプ
を付け難くなると共に、駆動ローラー等への添い付きが
悪くなり走行が不安定になる可能性が高くなる。
【0049】更に、前記経糸および緯糸の寸法範囲とす
ると同時に、経糸の断面におけるベルト厚さ方向の寸法
を緯糸の断面におけるベルト厚さ方向の寸法に対して小
さく、20%〜100%の範囲、好適には30%〜75
%の範囲に設定する。
【0050】更に、本発明の実現において、経緯1重織
の5枚、6枚、7枚、8枚の朱子織、若しくはそれらの
変形としての経糸の一定間隔で斜文線の方向が交差する
方向に切り替わる変則朱子織を用いる場合には、経糸の
密度が36本/2.54cm〜94本/2.54cmの
範囲、緯糸の密度が16本/2.54cm〜25本/
2.54cmの範囲とするのが好ましい。前記経糸およ
び緯糸の密度は、張力荷重や圧縮荷重に対する強力維
持、および良好な通水性、耐目詰まり性、洗浄回復性の
観点から上記範囲を好適とする。
【0051】前記範囲の経糸および緯糸の寸法並びに密
度により、通気度が10,000cm3/cm2・min
〜30,000cm3/cm2・min、好ましくは1
2,000cm3/cm2・min〜30,000cm3
/cm2・minの範囲の建材製造用ベルトを実現する
ことが出来る。前記通気度の上限は、良好な通水性、耐
目詰まり性、洗浄回復性の観点から、また下限は、原料
スラリーの歩留まりおよび原料成分の捕捉性の観点から
前記範囲を好適とする。
【0052】
【実施例】以下、本発明に係わる実施例および比較例の
ベルト、並びにそれらについての性能確認結果につい
て、図1〜図3および表1〜表4に基づいて、説明す
る。尚、表1〜表2において、「円形NM」は断面円形
ナイロン6モノフィラメント、「円形TM」は断面円形
ポリエステルモノフィラメントの意味である。
【0053】(実施例1)表1に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントとを各1本ずつ交互に並べて用い、緯
糸に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフィラメ
ントを用い、図1(A)に示す織物組織図の緯1重変則
8枚朱子織で製織し、温度170℃で熱セット加工を施
して、実施例1のベルト織物を製作した。経糸密度は5
0.5本/2.54cm、緯糸密度は20.5本/2.
54cm、通気度は20,060cm3/cm2・min
であった。
【0054】図1(A)に示す織物組織図の緯1重変則
8枚朱子織は、経糸が、原料スラリー面側において7本
の連続する緯糸に対して長浮きし、且つ、機械面側にお
いて緯糸に対して緯糸1本分だけの浮き長さとなると同
時に、緯糸が、機械面側において4本若しくは10本ま
たは6本若しくは8本の何れかの本数の連続する経糸に
対して長浮きし、且つ、原料スラリー面側において経糸
に対して経糸1本分だけの浮き長さとなる織組織であ
る。この織組織は、機械面側への経糸の表出が極力少な
くなっており、ベルトの機械面側での経糸の摩損を受け
難い。また、原料スラリー面側への緯糸の表出が少なく
なっており、原料スラリー側表面が平滑で、原料スラリ
ーの付着、堆積を減少させることが出来る織組織であ
る。また、1番〜9番の9本の経糸の間隔と10番〜1
6番の7本の経糸の間隔で、斜文線の方向が右上がりと
左下がりとなって互いに交差する方向に切り替わる織組
織であって、ベルトの走行が幅方向に片寄り難く、走行
の安定性を有する織組織である。
【0055】(実施例2)表1に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントを3本と、直径φ0.4mmの断面円形ナイ
ロン6モノフィラメントを1本とを交互に並べて用い、
その他は実施例1と同じ方法で、図1(A)に示す織物
組織図の緯1重変則8枚朱子織から成る実施例2のベル
ト織物を製作した。経糸密度は50.4本/2.54c
m、緯糸密度は20.8本/2.54cm、通気度は2
1,300cm3/cm2・minであった。
【0056】(実施例3)表1に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントを1本と、直径φ0.4mmの断面円形ナイ
ロン6モノフィラメントを3本とを交互に並べて用い、
その他は実施例1と同じ方法で、図1(A)に示す織物
組織図の緯1重変則8枚朱子織から成る実施例3のベル
ト織物を製作した。経糸密度は50.1本/2.54c
m、緯糸密度は20.4本/2.54cm、通気度は1
9,800cm3/cm2・minであった。
【0057】(実施例4)表1に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントとを各1本ずつ交互に並べて用い、緯
糸に直径φ0.9mmの断面円形ポリエステルモノフィラ
メントと、直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフ
ィラメントとを各1本ずつ交互に並べて用い、その他は
実施例1と同じ方法で、図1(A)に示す織物組織図の
緯1重変則8枚朱子織から成る実施例4のベルト織物を
製作した。経糸密度は50.2本/2.54cm、緯糸
密度は21.0本/2.54cm、通気度は21,10
0cm3/cm2・minであった。
【0058】(実施例5)表1に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントとを各1本ずつ交互に並べて用い、緯
糸に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフィラメ
ントを用い、図2(D)に示す織物組織図の緯1重5枚
朱子織で製織し、温度170℃で熱セット加工を施し
て、実施例5のベルト織物を製作した。経糸密度は5
0.0本/2.54cm、緯糸密度は19.2本/2.
54cm、通気度は17,800cm3/cm2・min
であった。
【0059】図2(D)に示す織物組織図の緯1重5枚
朱子織は、経糸が、原料スラリー面側において4本の連
続する緯糸に対して長浮きし、且つ、機械面側において
緯糸に対して緯糸1本分だけの浮き長さとなると同時
に、緯糸が、機械面側において4本の連続する経糸に対
して長浮きし、且つ、原料スラリー面側において経糸に
対して経糸1本分だけの浮き長さとなる織組織である。
この織組織は、機械面側への経糸の表出が少なく、ベル
トの機械面側での経糸の摩損を受け難い。また、原料ス
ラリー面側への緯糸の表出も少なく、原料スラリー側表
面が平滑で、原料スラリーの付着、堆積を減少させるこ
とが出来る織組織である。
【0060】(実施例6)表2に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.5mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.5mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントとを各1本ずつ交互に並べて用い、緯
糸に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフィラメ
ントを用い、図1(A)に示す織物組織図の緯1重8枚
朱子織で製織し、温度170℃で熱セット加工を施し
て、実施例6のベルト織物を製作した。経糸密度は5
0.0本/2.54cm、緯糸密度は18.5本/2.
54cm、通気度は25,000cm3/cm2・min
であった。
【0061】(比較例1)表2に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメント、緯糸に直径φ0.9mmの断面円形ポリエ
ステルモノフィラメントを用い、図1(A)に示す織物
組織図の緯1重変則8枚朱子織で製織し、温度170℃
で熱セット加工を施して、比較例1のベルト織物を製作
した。経糸密度は50.5本/2.54cm、緯糸密度
は19.0本/2.54cm、通気度は28,900c
3/cm2・minであった。
【0062】(比較例2)表2に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6モノフ
ィラメント、緯糸に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン
6モノフィラメントを用い、図1(A)に示す織物組織
図の緯1重変則8枚朱子織で製織し、温度170℃で熱
セット加工を施して、比較例2のベルト織物を製作し
た。経糸密度は50.3本/2.54cm、緯糸密度は
19.5本/2.54cm、通気度は24,700cm
3/cm2・minであった。
【0063】(比較例3)表2に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントを各1本ずつ交互に並べて用い、緯糸
に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフィラメン
トを用い、図3(A)に示す織物組織図の緯1重2/2
斜文織で製織し、温度170℃で熱セット加工を施し
て、比較例3のベルト織物を製作した。経糸密度は5
0.6本/2.54cm、緯糸密度は18.0本/2.
54cm、通気度は29,800cm3/cm2・min
であった。
【0064】(比較例4)表2に示す仕様に基づき、即
ち、経糸に直径φ0.4mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントと、直径φ0.4mmの断面円形ナイロン6
モノフィラメントを各1本ずつ交互に並べて用い、緯糸
に直径φ0.9mmの断面円形ナイロン6モノフィラメン
トを用い、図3(B)に示す織物組織図の緯1重3/1
斜文織で製織し、温度170℃で熱セット加工を施し
て、比較例2のベルト織物を製作した。経糸密度は5
0.5本/2.54cm、緯糸密度は18.5本/2.
54cm、通気度は30,200cm3/cm2・min
であった。
【0065】(通気度測定)次に、前記実施例1〜6お
よび比較例1〜4の各ベルト織物について、通気度を測
定した。尚、通気度は、JIS L−1096:199
9 フラジール形法に準拠する試験装置で125Pa加
圧空気のもとで測定した。
【0066】測定結果を、表1および表2に示す。測定
の結果、実施例1〜6のベルト織物の通気度は、17,
800cm3/cm2・min〜25,000cm3/c
2・minであり、12,000cm3/cm2・mi
n〜30,000cm3/cm2・minの範囲にあるこ
とが判った。一方、比較例1〜比較例4のベルト織物の
通気度は、24,700cm3/cm2・min〜30,
200cm3/cm2・minであった。
【0067】(経糸の表出部と緯糸の表出部の高さの差
の測定)前記実施例1〜6および比較例1〜4の各ベル
ト織物について、ベルトの機械面側14へ表出する経糸
の表出部16と緯糸の表出部15のベルト厚さ方向の高
さの差hを測定した。
【0068】測定は、各ベルト織物から採取したサンプ
ルの機械面側に厚さ5mmのブロックゲージを当接さ
せ、サンプルに接するブロックゲージ面をベルト織物の
機械面側平面、すなわち緯糸の表出部15に接する平面
と見なして、ブロックゲージを介してノギスにより経糸
の表出部16のベルト厚さ方向の高さを測定し、ベルト
の機械面側へ表出する経糸の表出部16が、緯糸の表出
部15よりベルトの厚さ方向において内側にある状態に
おける経糸の表出部16と緯糸の表出部15の高さの差
hを得た。
【0069】測定結果を、表1および表2に示す。表
中、高さの差の値hが正の時に、ベルトの機械面側14
へ表出する経糸の表出部16が緯糸の表出部15よりベ
ルトの厚さ方向において内側にある状態を表し、高さの
差の値hが負の時に、経糸の表出部16が緯糸の表出部
15より外側にある状態を表す。
【0070】測定の結果、実施例1〜6のベルト織物の
ベルトの機械面側での経糸の表出部と緯糸の表出部の高
さの差の値hは、0.15mm〜0.2mmの範囲にあ
り、緯糸を構成するモノフィラメントの断面における直
径寸法の16.7%〜22.2%の範囲であることが判
った。また、高さの差の値hは、経糸を構成するモノフ
ィラメントおよび緯糸を構成するモノフィラメントの断
面における直径寸法の差の1/2より小さいことが判っ
た。一方、比較例1〜比較例4のベルト織物では、hは
−0.15mm〜0.15mmの範囲であり、比較例3
および比較例4では、ベルトの機械面側へ表出する経糸
の表出部が緯糸の表出部よりベルトの厚さ方向において
外側にあることが判った。
【0071】(実機での性能確認試験)続いて、本発明
に係るベルト織物を実機に用いた場合における性能を確
認した。すなわち、前記実施例1〜6および比較例1〜
4の各ベルト織物について、それら織物の経糸方向の両
端に金属フック継手を植え付けて、全長22m、幅1.
5mのテスト用のベルトを作成し、それら各テスト用ベ
ルトをそれぞれ、経糸がベルトの走行方向となり、経糸
が長浮きする面が原料スラリー面側になるようにして、
図6に示した建材成形用製造装置110の各ローラー間
に捲回し、前記金属フック継手同士を噛み合わせ、接合
芯線を挿通して無端状に接合して配設し、張力3kg/
cmで張り出して、建材成型品を脱水成型した。
【0072】建材成型品の脱水成型手順は次の通りであ
った。すなわち、まず、ベルト100上に底面の大きさ
3.1m×1.1m、高さ30mmの型枠115を当接
させ、型枠115内に、主成分がセメント、合成繊維お
よび骨材(パーライト)に水を混合した重量300kg
分の原料スラリー116を充填し、型枠115を上方に
移動してからベルト100を間歇送りして、次の位置に
来た原料スラリー116の上方に金型117を被せると
共に側方を囲った後、金型117を介して上方からプレ
ス圧max5.88MPaまで漸次昇圧して加圧すると
同時に、ベルト100の下側に配設された吸引装置11
8を用いて原料スラリー116内の過剰の水分124を
脱水して適度の水分量に調節して、重量75kgの成型
品120に加圧脱水すると共に、原料スラリーと接する
金型表面に刻んだ模様を成型品120の表面119に転
写した後に、次工程の養生、乾燥工程に間歇的に送出し
た。尚、装置上部のベルト100の下側には、吸引装置
118が配設された部位を除き、ステンレス製パンチン
グボードから成る支持板121をベルト100に接して
配設した。成型品当たりの脱水成形サイクルは、20秒
/ショットとした。尚、原料スラリーおよび脱水水分の
pH測定値は、それぞれpH11.0〜pH11.6の
範囲を示した。
【0073】上記手順による建材成型品の脱水成型操作
を、比較例2を除く各ベルトについて使用ショット数1
5,000回、若しくは、経糸が切断して緯糸方向に長
さ1cm以上の破れ箇所が少なくとも1箇所発生するま
で使用テストを行った後、各ベルトを取り外して、ベル
トの外観の状況、引張強力、寸法変化を調べた。
【0074】尚、比較例2のベルトは、張力3kg/c
mで張り出してならし走行させた際に、全長が約1.2
m(寸法変化率5.5%)伸びて、テンションローラー
の調整可能範囲±0.75mを越えて取り外されたた
め、連続運転には到らなかった。
【0075】(実機での使用テストの状況および外観検
査結果)前記実機での性能確認試験を行った実施例1〜
6および比較例1〜4の各ベルトについて、外観の状況
を検査した。
【0076】その結果、比較例1のベルトは、使用ショ
ット数9、989回の時点で緯糸方向に長さ1cm以上
の破れ箇所が数カ所発生したので取り外した。使用に伴
う寸法変化は非常に少なく、使用中に片寄りや蛇行等の
走行不良も発生せず安定した走行状況であった。使用後
のベルトの原料スラリー面側では、ポリエステルモノフ
ィラメント経糸にアルカリ劣化と圧縮負荷の影響による
ものと思われる経糸方向の割れが多数見られ、それに型
枠および金型を介して加圧圧縮されて損傷を受けた部分
が発見された。一方、ベルトの機械面側では、経糸およ
び緯糸のポリエステルモノフィラメント表面にアルカリ
劣化と圧縮負荷の影響によるクラックが多数見られるの
に加え、摩耗が進行しすり切れた箇所が多数発見され
た。また、摩耗損傷した緯糸、経糸の毛羽立った部分に
原料成分の付着が多く、目詰まりが多い状況であった。
【0077】これに対して、比較例3、比較例4のベル
トは、使用ショット数がそれぞれ12,025回および
12,746回の時点で緯糸方向に長さ1cm以上の破
れ箇所が発見されたので取り外した。使用に伴う寸法変
化は少なく、また、使用中に片寄りの傾向が多少見られ
たが、調整により修正可能な程度で走行不良には到らな
かった。使用後のベルトの原料スラリー面側での、ポリ
エステルモノフィラメント経糸の経糸方向の割れや経糸
表面の毛羽立ちの発生状況は、実施例1〜実施例5とほ
ぼ同程度であった。一方、ベルトの機械面側では、ナイ
ロン6モノフィラメント緯糸の表面が摩耗しているのに
加え、経糸の表出が実施例1〜6よりも多いため、ポリ
エステルモノフィラメント経糸とナイロン6モノフィラ
メント経糸の両方に摩耗が発生し、部分的にすり切れて
緯糸方向に長さ1cm以上の破れが発生した箇所が発見
された。また、摩耗損傷した緯糸、経糸の毛羽立った部
分に原料成分の付着が有り、目詰まりの状況としては実
施例1〜実施例6に比べて悪い状況であった。
【0078】これに対して、実施例1〜実施例6のベル
トは、使用ショット数15,000回まで継続使用して
取り外したが、使用に伴う寸法変化は少なく、使用中に
片寄りや蛇行等の走行不良も発生せず安定した走行状況
であった。また、使用後のベルトの原料スラリー面側で
は、ポリエステルモノフィラメント経糸にアルカリ劣化
と圧縮負荷の影響によるものと思われる経糸方向の割れ
が見られたが、ナイロン6モノフィラメント経糸には見
られなかった。また、型枠および金型を介して加圧圧縮
された部位で、ポリエステルモノフィラメント経糸表面
が損傷し毛羽立ちが見られたが、ナイロン6モノフィラ
メント経糸表面には僅かに毛羽立ちが有る程度の損傷状
況であった。一方、ベルトの機械面側では、ナイロン6
モノフィラメント緯糸の表面が摩耗しているのに加え、
ポリエステルモノフィラメント経糸とナイロン6モノフ
ィラメント経糸の両方に摩耗が発生し部分的にすり切れ
る直前の経糸も見られるものの、比較例1、比較例3お
よび比較例4のベルトよりも摩耗が少なく、緯糸方向に
長さ1cm以上の破れが発生した箇所は無かった。ま
た、摩耗損傷した緯糸、経糸の毛羽立った部分に原料成
分の付着が有るものの付着量は少なく、目詰まりの状況
としては比較例1および比較例3〜比較例4に比べて良
い状況であった。
【0079】したがって、実施例1〜実施例6のベルト
は、経糸および緯糸がポリエステルモノフィラメントか
ら成る比較例1のベルトよりも、アルカリ耐性に優れて
おり、使用による劣化、損傷が少なく、比較例1の少な
くとも1.5倍の使用ショット数でも緯糸方向の破れ箇
所が発生せず使用寿命が長いことが判った。また、比較
例3〜比較例4のベルトよりも機械面側における緯糸の
浮き長さが多い上に、機械面側へ表出する経糸の表出部
が緯糸の表出部に対してベルトの厚さ方向内側にあるた
め、機械面側での摩耗損傷、特に経糸の摩耗損傷が少な
く使用寿命が長くなること、および摩耗損傷した緯糸、
経糸の毛羽立ちや原料成分の付着量が少なく、目詰まり
し難いことが判った。
【0080】(引張強力測定)前記実機での性能確認試
験を行った実施例1〜6および比較例1、比較例3〜4
の各ベルトについて、製作時および取り外し後の経糸方
向および緯糸方向の強力を、INSTRON製万能引張
試験機5568型を用いて、JIS L−1096:1
999 ストリップ法に準拠して、幅4cm×長さ30
cm、サンプル数=3のサンプルについて測定し、その
平均値を求めた。
【0081】測定結果を、表3に示す。表中、「経」は
経糸方向、「緯」は緯糸方向を表す。すなわち、実施例
1〜実施例3の各ベルト織物は、経糸にポリエステルモ
ノフィラメントとナイロン6モノフィラメントとを交互
に並べて用い、緯糸にナイロン6モノフィラメントを用
いたので、それらと同じ織組織であって経糸および緯糸
にポリエステルモノフィラメントを用いた比較例1のベ
ルト織物に比べて、取り外しまでの使用ショット数が多
い上に、取り外し後の強力保持率が経糸方向および緯糸
方向共に極めて高いことが判った。また、経糸に用いた
ポリエステルモノフィラメントとナイロン6モノフィラ
メントとの本数比が異なる実施例1〜実施例3の各ベル
ト織物では、ナイロン6モノフィラメントの本数割合が
多い程、すなわち実施例3>実施例1>実施例2の順
に、経糸方向における取り外し後の強力保持率が高く、
アルカリ耐性に優れることが判った。
【0082】更に、経糸および緯糸が同じ材質で経糸の
ポリエステルとナイロン6の本数比が同じ場合には、緯
糸が機械面側において、4本〜10本の何れかの本数の
連続する経糸に対して長浮きする織組織の実施例1〜実
施例6の方が、2/2斜文織の比較例3や3/1斜文織
の比較例4に比べて、取り外しまでの使用ショット数が
多い上に、経糸方向における取り外し後の強力保持率が
高く、耐摩耗性が良好であることが判った。特に、比較
例3や比較例4のベルトでは、機械面側における緯糸の
経糸に対する浮きが少ない上に、ベルトの機械面側へ表
出する経糸の表出部が緯糸の表出部に対してベルトの厚
さ方向内側にないため、アルカリ耐性良好なナイロン6
モノフィラメントを経糸に用いてあっても、経糸の機械
面側での摩耗を効果的に抑制することが出来ず、ベルト
の経糸方向強力が低下したものである。
【0083】(寸法変化測定)前記実機での性能確認試
験を行った実施例1〜5および比較例1〜4の各ベルト
について、製作時および取り外し後のベルト長を測定し
た。測定は、ベルトほぼ中央と両耳から内側に約0.2
5mの幅方向3箇所におけるベルト長を、2m金尺を用
いて置尺により測定し、その平均値を求めた。
【0084】測定結果を、表4に示す。すなわち、実施
例1〜実施例6の各ベルト織物は、ショット数15,0
00回使用後にもかかわらず、製作時のベルト長に対す
る取り外し後のベルト長さの寸法変化率が0.8%〜
2.1%の範囲であり、3kg/cmの張力下で3%以
下の範囲内にあり、経糸がナイロン6モノフィラメント
から成る比較例2のベルトより寸法安定性に優れている
と共に、経糸がポリエステルモノフィラメントから成る
比較例1のベルトに比べても大幅なベルト長の増加は見
られないことが判った。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、窯業系建材成型品の製
造工程において、原料スラリーや成型品の搬送、成型や
脱水装置に好適に用いられる建材製造用ベルト、すなわ
ち、反応熱の影響を伴う原料スラリーや脱水水分による
アルカリ性湿潤条件下で使用され、且つ、原料スラリー
中に含まれる骨材成分の影響にも拘らず、ベルトの原料
スラリー面側や機械面側、特に機械面側での耐摩耗性が
良好であり、更にそれらに重畳して、経糸方向に大きな
張力負荷が掛かると共に、厚さ方向に局部的に圧縮負荷
を受ける厳しい使用条件のもとでも使用可能な、適度な
通水性、耐目詰まり性、洗浄回復性に加え、良好なアル
カリ耐性および乾湿状態での少ない寸法変化特性の建材
製造用ベルトを実現することが出来る。
【0090】また、本発明によれば、前記窯業系建材成
型品の製造装置において、複数のローラー間に無端状に
捲回され周回運動すべく配設された場合にも好適に用い
られる建材製造用ベルトであって、特に駆動方向におい
て高い剛性と強度、並びに、寸法安定性、走行安定性を
有する建材製造用ベルトを実現することが可能である。
【0091】したがって、本発明によれば、窯業系建材
成型品の製造工程に用いられる建材製造用ベルトの長寿
命化、並びに、前記製造装置の安定稼働と前記成型品の
品質レベルの維持に極めて有用な建材製造用ベルトを実
現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施例の建材製造用ベルトの織物
組織図であって、(A)は緯1重変則8枚朱子織の織物
組織図、(B)は(A)における緯糸方向の断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の建材製造用ベルトの織物
組織図であって、(A)は緯1重変則8枚朱子織の織物
組織図、(B)は緯1重8枚朱子織の織物組織図、
(C)は緯1重8枚重ね朱子織の織物組織図、(D)は
緯1重5枚朱子織の織物組織図である。
【図3】本発明の比較例の建材製造用ベルトの織物組織
図であって、(A)は緯1重2/2斜文織の織物組織
図、(B)は緯1重3/1斜文織の織物組織図である。
【図4】平織組織のベルト織物の緯糸の表出部の状況を
説明するための図であって、(A)は緯糸方向の断面
図、(B)は(A)におけるA−A方向からの断面図、
(C)は(A)におけるB−B方向からの平面図である。
【図5】平織組織のベルト織物の経糸の表出部の状況を
説明するための図であって、(A)は経糸方向の断面
図、(B)は (A)におけるC−C方向からの断面図、
(C)は (A)におけるD−D方向からの平面図であ
る。
【図6】本発明の建材製造用ベルトが用いられる製造装
置の概念図である。
【符号の説明】
10,50:ベルト 11,5
1:経糸 12,52:緯糸 13:原
料スラリー面側 14:機械面側 15,5
3:緯糸の表出部 16,54:経糸の表出部 100:建
材製造用ベルト 110:建材製造装置 112:駆
動ローラー 113:ローラー 114:テ
ンションローラー 115:型枠 116:原
料スラリー 117:金型 118:吸
引装置 119:成型品の表面 120:成
型品 121:支持板 122:原
料スラリー面側 123:機械面側 124:水

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業系建材成型品の製造工程で用いられ
    る建材製造用ベルトであって、前記ベルトが経糸及び緯
    糸を有し、前記経糸の少なくとも一部および緯糸の少な
    くとも一部にポリアミドモノフィラメントを用い、前記
    経糸が原料スラリー面側において複数本の連続する緯糸
    に対して長浮きし、前記緯糸が機械面側において複数本
    の連続する経糸に対して長浮きする織組織を用いて織成
    されていることを特徴とする建材製造用ベルト。
  2. 【請求項2】 前記経糸が原料スラリー面側において4
    本〜7本の何れかの本数の連続する緯糸に対して長浮き
    し、前記緯糸が機械面側において4本〜10本の何れか
    の本数の連続する経糸に対して長浮きする織組織を用い
    て織成されていることを特徴とする請求項1に記載の建
    材製造用ベルト。
  3. 【請求項3】 ベルトの機械面側へ表出する経糸の表出
    部を、ベルトの機械面側へ表出する緯糸の表出部とベル
    トの厚さ方向において同じ高さ、乃至、経糸のベルト厚
    さ方向の断面寸法と緯糸のベルト厚さ方向の断面寸法と
    の差の1/2に等しい寸法の範囲の値だけベルト厚さ方
    向の内側に配設することを特徴とする請求項1または2
    に記載の建材製造用ベルト。
  4. 【請求項4】 前記経糸を、本数比3:1〜1:3のポ
    リエステルモノフィラメントおよびポリアミドモノフィ
    ラメントを交互に配設して構成することを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の建材製造用ベルト。
  5. 【請求項5】 前記織組織を、経糸の一定間隔で斜文線
    の方向が交差する方向に切り替わる変則朱子織とするこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の建材製造
    用ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100343431C (zh) * 2003-09-28 2007-10-17 中国人民解放军总后勤部军需装备研究所 一种高强高伸缓冲绳带的制造方法
JP2015158032A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 ユニ・チャーム株式会社 複数種の繊維を含むシート用の脱水機,上記シートを脱水する方法,及びウェットティッシュ用不織布の製造方法
CN115094554A (zh) * 2022-07-29 2022-09-23 厦门厦迪亚斯环保过滤技术有限公司 一种高温烘干输送带及其制备方法

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