JP2002284854A - 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたエポキシ樹脂成形材料並びに半導体装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたエポキシ樹脂成形材料並びに半導体装置

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JP2002284854A
JP2002284854A JP2001086346A JP2001086346A JP2002284854A JP 2002284854 A JP2002284854 A JP 2002284854A JP 2001086346 A JP2001086346 A JP 2001086346A JP 2001086346 A JP2001086346 A JP 2001086346A JP 2002284854 A JP2002284854 A JP 2002284854A
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molecule
epoxy resin
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JP2001086346A
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Yoshiyuki Go
義幸 郷
Akiko Okubo
明子 大久保
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性、流動性、保存性に優れ、優れた耐湿
信頼性を有する熱硬化性樹脂組成物及びエポキシ樹脂成
形材料、ならびにこれを用いた半導体装置を提供する。 【解決手段】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(B)、オニウムチオシアヌレート化合
物(C)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物、これを
含むエポキシ樹脂成形材料、ならびにこの硬化物で封止
された半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性と保存性が
良好で、電気・電子材料分野に有用な熱硬化性樹脂組成
物、及び、これを用いたエポキシ樹脂成形材料、並びに
その硬化物にて封止された半導体装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電気・電子材料、特に、IC封止材料
は、近年、生産効率の向上を目的とした速硬化性と、物
流・保管時のハンドリング性向上のための保存性の向上
とが、求められるようになってきている。
【0003】従来、電子電気分野向けエポキシ樹脂に
は、硬化触媒として、アミン類、イミダゾール系化合
物、ジアザビシクロウンデセンなどの含窒素複素環式化
合物、第四級アンモニウム、ホスホニウム化合物などの
種々の化合物が使用されている。
【0004】これら一般に使用される硬化触媒は、比較
的低温より硬化促進作用を示す場合が多い。このこと
は、樹脂組成物の製造および保存時の粘度上昇や、流動
性の低下、硬化性のばらつきなど、製品としての品質を
低下させる原因となっている。
【0005】この問題を解決すべく、近年では、低温で
の粘度、流動性の経時変化を抑え、賦形、成形時の加熱
によってのみ、硬化反応を起こすような、いわゆる潜伏
性硬化促進剤の研究が盛んになされている。その手段と
して、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護するこ
とで、潜伏性を発現する研究がなされており、特開平8
−41290号公報では、種々の有機酸とホスホニウム
イオンとの塩構造を有する潜伏性硬化促進剤が提示され
ている。しかし、このホスホニウム塩は、イオン対が比
較的容易に外部環境の影響を受けるため、近年の低分子
エポキシ樹脂やフェノールアラルキル樹脂のような比較
的粘度の低い硬化剤を用いる半導体封止材料では、流動
性や保存性が低下する問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化性、流
動性、保存性が良好で、電気・電子材料分野に有用な熱
硬化性樹脂組成物、及び、これを用いたエポキシ樹脂成
形材料、並びにその硬化物にて封止された半導体装置を
提供することことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1分子内
にエポキシ基を2個以上有する化合物、1分子内にフェ
ノール性水酸基を2個以上有する化合物と共に、特定構
造のオニウムチオシアヌレート化合物を用いることによ
り、優れた硬化性、流動性、保存性を並立する樹脂組成
物、及びエポキシ樹脂成形材料が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、1分子内にエポキシ
基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノー
ル性水酸基を2個以上有する化合物(B)、及び、一般
式(1)で表されるオニウムチオシアヌレート化合物
(C)を必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂
組成物である。
【0009】
【化5】 (ただし、X+は中心陽イオンがリンまたは窒素原子か
らなる1価の有機カチオンを表す。)
【0010】また、好ましくは、オニウムチオシアヌレ
ート化合物(C)が、一般式(2)で表されるホスホニ
ウムチオシアヌレート化合物であることを特徴とする、
前記熱硬化性樹脂組成物である。
【化6】 (ただし、R1、R2、R3およびR4は、芳香環もしくは
複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であ
り、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0011】本発明は、また、1分子内にエポキシ基を
2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性
水酸基を2個以上有する化合物(B)、一般式(1)ま
たは(2)で表されるオニウムチオシアヌレート化合物
(C)、及び無機充填材(D)を必須成分とすることを
特徴とするエポキシ樹脂成形材料、並びにそれらの硬化
物にて封止された半導体装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる1分子内にエポキ
シ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポ
キシ基を2個以上有する化合物であれば、何ら制限はな
く、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂など、ビフェ
ノールなどのフェノール類やフェノール樹脂、ナフトー
ル類などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製
造するエポキシ樹脂、エポキシ化合物などが挙げられ
る。その他に、脂環式エポキシ樹脂のように、オレフィ
ンを過酸を用いて酸化させエポキシ化したエポキシ樹脂
や、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類をエピ
クロロヒドリンでエポキシ化した化合物が挙げられる。
【0013】また、本発明に用いる1分子内にフェノー
ル性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、1分子内
にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)の硬化剤と
して作用するものである。具体的には、フェノールノボ
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アルキル変性
ノボラック樹脂(シクロアルケンの二重結合をフリーデ
ルクラフツ型の反応でフェノール類と反応、共縮合した
樹脂を含む)、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール
類とフェノール類をカルボニル基含有化合物と共縮合し
た樹脂などが例示されるが、1分子内で芳香族性の環に
結合する水素原子が、フェノール性水酸基で2個以上置
換された化合物であればよい。
【0014】本発明に用いるオニウムチオシアヌレート
化合物(C)は、硬化促進剤として機能し、一般式
(1)または(2)で表されるオニウムカチオンとチオ
シアヌル酸アニオンとの塩である。これらのオニウムチ
オシアヌレート化合物は、1価のオニウムカチオンと、
1価のチオラートアニオンの単位でイオン対を形成す
る。
【0015】このような構造を形成するオニウムカチオ
ンとしては、テトラ置換ホスホニウム、テトラ置換アン
モニウム、アミジニウム、イミダゾリウム等のリンまた
は窒素型のオニウムカチオンを挙げることができるが、
これらの中でも、置換又は無置換のアリール基やアルキ
ル基を置換基に有するテトラ置換ホスホニウムイオン
が、熱や、加水分解に対して安定であり好ましく、具体
的には、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホ
スホニウムなどのテトラアリール置換ホスホニウム、メ
チルトリフェニルホスニウム、エチルトリフェニルホス
ホニウムなどのトリアリールホスフィンとアルキルハラ
イドから合成されたホスホニウムハライドに起源をもつ
トリアリールモノアルキルホスホニウム、テトラブチル
ホスホニウム、テトラオクチルホスホニウムなどのテト
ラアルキル置換ホスホニウムなどが例示される。
【0016】ホスホニウム化合物の安定性や樹脂系の硬
化性、流動性、保存性、硬化物物性のバランスの観点か
ら、一般式(2)で表される化合物が好ましいが、特に
好ましい例としては、テトラフェニルホスホニウムチオ
シアヌレート、エチルトリフェニルホスホニウムチオシ
アヌレートが挙げられる。
【0017】オニウムチオシアヌレート化合物(C)
は、チオシアヌル酸と、最終的に脱ハロゲン化水素を助
ける塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物を、アルコール、テトラヒド
ロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒に
溶解し、続いて適当な溶媒に溶解した前記テトラ置換ホ
スホニウムのハライドを添加し反応させて、最終的には
再結晶や再沈殿などの操作により固形分として取り出す
方法で合成可能である。
【0018】本発明に用いるオニウムチオシアヌレート
化合物(C)は、成形温度以下の温度ではエポキシ樹脂
やフェノール樹脂に難溶であり、容易に活性を発現しな
いが、一方、実際の賦形の段階においては、均一に溶解
し、極めて高い活性を発現し、いわゆる潜伏性が付与さ
れる。
【0019】本発明に用いるオニウムチオシアヌレート
化合物(C)の配合量は、1分子内にエポキシ基を2個
以上有する化合物(A)と、硬化剤として機能する、1
分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(B)の合計重量を100重量部とした場合、0.2〜
10重量部程度が硬化性、保存性、他特性のバランスが
よく好適である。
【0020】また、1分子内にエポキシ基を2個以上有
する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物(B)の配合比率は、1分子内に
エポキシ基を2個以上有する化合物(A)のエポキシ基
1モルに対し、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
上有する化合物(B)のフェノール性水酸基と分子化合
物(C)に含まれるフェノール性水酸基との合算にて
0.5〜2モル、好ましくは、0.8〜1.2程度のモ
ル比で用いると、硬化性、耐熱性、電気特性等が、より
良好となる。
【0021】本発明に用いる無機充填材(D)として
は、特に制限はなく、一般に封止材料に用いられている
ものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリカ
粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝集
シリカ粉末、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミ
ニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、特
に、溶融球状シリカ粉末が好ましい。これらの形状は、
限りなく真球状であることが好ましく、又、粒子の大き
さの異なるものを混合することにより、充填量を多くす
ることができる。
【0022】この無機充填材の配合量としては、1分子
内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分
子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(B)の合計量100重量部あたり、200〜2400
重量部が好ましい。200重量部未満だと、無機充填材
による補強効果が充分に発現しないおそれがあり、24
00重量部を越えると、樹脂組成物の流動性が低下し成
形時に充填不良等が生じるおそれがある。特に、無機充
填材の配合量が、前記成分(A)と(B)の合計量10
0重量部あたり、250〜1400重量部であれば、成
形材料の硬化物の吸湿率が低くなり、半導体装置を封止
した硬化物の半田クラックの発生を防止することができ
る。更に半導体装置の封止成形における溶融時の成形材
料の粘度が低くなるため、半導体装置内部の金線変形を
引き起こすおそれがなく、より好ましい。又、無機充填
材は、予め充分混合しておくことが好ましい。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物およびエポキ
シ樹脂成形材料は、それぞれの必須成分である前記成分
(A)〜(C)及び成分(A)〜(D)の他に、必要に
応じてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等
のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、臭素
化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃
剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成
分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪もしくはそ
の金属塩類、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各
種添加剤を配合することができ、また、本発明において
硬化促進剤として機能するホスホニウム化合物(C)の
特性を損なわない範囲で、トリフェニルホスフィン、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)―7−ウンデセ
ン、2−メチルイミダゾール等の他の公知の触媒と併用
しても何ら問題はない。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物およびエポキ
シ樹脂成形材料は、それぞれの必須成分、及びその他の
添加剤等をミキサーを用いて、常温で混合し、ロール、
押出機等の混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。
【0025】本発明のエポキシ樹脂成形材料を用いて、
半導体等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するに
は、トランスファーモールド、コンプレッションモール
ド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形
することができる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂成形材料の硬化物で
封止された半導体装置は、本発明の技術的範囲に含ま
れ、優れた耐湿性を示す。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明
は、これにより何ら制限を受けるものではない。
【0028】化合物(C)の合成 (合成例1)撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコ
にチオシアヌル酸17.7g(0.1mol)、N,N
−ジメチルホルムアミド100mLを仕込み、室温で撹
拌溶解し、さらに攪拌しながら水酸化ナトリウム4.0
g(0.1mol)を予め、50mLのメタノールで溶解
した溶液を添加した。次いで、予めテトラフェニルホス
ホニウムブロマイド41.9g(0.1mol)を15
0mLのメタノールに溶解した溶液を加えた。しばらく
攪拌を継続した後、フラスコ内の溶液に500mLの純
水を撹拌しながら滴下し、淡黄色沈殿を得た。沈殿を濾
過し、500mLのテトラヒドロフランおよび純水で洗
浄した後、乾燥し、融点223〜225℃の淡黄色結晶
47.3gを得た。この化合物をC1とする。C1を、
NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目
的の化合物であるテトラフェニルホスホニウムチオシア
ヌレートであることが確認された。合成の収率は92%
であった。
【0029】(合成例2)合成例1の出発原料であるテ
トラフェニルホスホニウムブロマイドをエチルトリフェ
ニルホスホニウムブロマイド37.1g(0.1mo
l)に変えた他は、基本的な操作はすべて合成例1と同
様に行い、融点230〜232℃の淡黄色結晶43.5
gを得た。この化合物をC2とする。NMR、マススペ
クトル、元素分析で分析した結果、目的の化合物である
エチルトリフェニルホスホニウムチオシアヌレートであ
ることが確認された。合成の収率は93%であった。
【0030】(合成例3)合成例1の出発原料であるテ
トラフェニルホスホニウムブロマイドをベンジルトリフ
ェニルホスホニウムクロライド38.9g(0.1mo
l)に変えた他は、基本的な操作はすべて合成例1と同
様に行い、融点202〜204℃の淡黄色結晶47.7
gを得た。この化合物をC3とする。NMR、マススペ
クトル、元素分析で分析した結果、目的の化合物である
ベンジルトリフェニルホスホニウムチオシアヌレートで
あることが確認された。合成の収率は90%であった。
【0031】(合成例4)合成例1の出発原料であるテ
トラフェニルホスホニウムブロマイドをビス(トリフェ
ニルホスホラニリデン)アンモニウムクロライド57.
4g(0.1mol)に変えた他は、基本的な操作はす
べて合成例1と同様に行い、融点216〜218℃の淡
黄色結晶65.8gを得た。この化合物をC4とする。
NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目
的の化合物であるビス(トリフェニルホスホラニリデ
ン)アンモニウムチオシアヌレートであることが確認さ
れた。合成の収率は92%であった。
【0032】(合成例5)合成例1の出発原料であるテ
トラフェニルホスホニウムブロマイドをビス(ベンジル
ジフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロライド
60.2g(0.1mol)に変えた他は、基本的な操
作はすべて合成例1と同様に行い、融点203〜205
℃の淡黄色結晶66.1gを得た。この化合物をC5と
する。NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結
果、目的の化合物であるビス(ベンジルジフェニルホス
ホラニリデン)アンモニウムチオシアヌレートであるこ
とが確認された。合成の収率は89%であった。
【0033】[熱硬化性樹脂組成物の評価]上記で合成し
た化合物(C)を、1分子内にエポキシ基を2個以上有
する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物(B)に加えて混合し、さらに1
00℃で5分間、熱板上で溶融混練した後、冷却粉砕し
て、組成物のサンプルを調製し、評価を行った。評価方
法は、下記の通りである。
【0034】(1)硬化トルク(硬化性評価) 前記のサンプル調製方法により作製した樹脂組成物を用
いて、キュラストメーター(オリエンテック社製、JS
RキュラストメーターPS型)により、175℃で、4
5秒後のトルクを求めた。キュラストメーターにおける
トルクは、硬化性のパラメータであり、値の大きい方
が、硬化性が高いことを示す。
【0035】(2)硬化発熱量残存率(保存性評価) 前記のサンプル調製方法により作製した樹脂組成物を用
いて、調製直後の初期硬化発熱量、および40℃で3日
間保存処理後の硬化発熱量を測定し、初期硬化発熱量
(mJ/mg)に対する保存処理後の硬化発熱量(mJ
/mg)の百分率を算出した。尚、硬化発熱量の測定
は、昇温速度10℃/minの条件で、示差熱分析によ
り測定した。この値が大きいほど、硬化発熱量の経時変
化が小さく保存性が良好であることを示す。
【0036】(実施例1〜8、および比較例1〜6)表
1〜2に示した配合により、前記の方法で、組成物のサ
ンプルを調製し評価した。比較例1〜6では、実施例に
おける化合物(C)にかえて、公知の硬化促進剤である
トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、2−メチルイミダゾ
ール、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ートを用いた。得られた各組成物の評価結果を表1〜2
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】本発明の熱硬化性樹脂組成物である実施例
1〜8では、硬化性、保存性ともに良好であるのに対
し、比較例1〜6では保存性が悪く、硬化性も実施例1
〜8と比較して劣る結果を示した。
【0039】 [エポキシ樹脂成形材料の評価] (実施例9) ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製YX-4000H) 52重量部 フェノールアラルキル樹脂(三井化学製XL225-LL) 48重量部 化合物C1 3.0重量部 溶融球状シリカ(電気化学工業製 平均粒径15μm) 500重量部 カーボンブラック(三菱化学製 平均粒径18μm) 2重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬製、エヒ゜クロン152S) 2重量部 カルナバワックス 2重量部 を混合し、熱ロールを用いて、95℃で8分間混練して
冷却後粉砕し、エポキシ樹脂成形材料を得た。得られた
エポキシ樹脂成形材料を、以下の方法で評価した。結果
を表3に示す。
【0040】評価方法 (1)スパイラルフローは、EMMI−I−66に準じ
たスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度17
5℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定し
た。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、
数値が大きい方が流動性が良好である。
【0041】(2)硬化トルクは、キュラストメーター
(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーター
IV PS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測
定した。この値の大きい方が硬化性は良好である。
【0042】(3)フロー残存率は、調製直後と30℃
で1週間保存した後のスパイラルフロー値を測定し、調
製直後のスパイラルフロー値に対する保存後の値の百分
率で示した。
【0043】(4)耐湿信頼性は、トランスファー成形
法により、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、
硬化時間2分で16pDIPを成形し、この成形物を1
75℃で8時間後硬化した後、125℃、相対湿度10
0%の水蒸気中で、20Vの電圧を16pDIPに印加
し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうちの、
8個以上に不良が出るまでの時間を、不良時間とした。
単位は時間。なお、測定時間は、最長で500時間と
し、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったも
のは、不良時間を500時間以上と示した。不良時間が
長いほど、耐湿信頼性に優れる。
【0044】(実施例10〜12、比較例7〜10)実
施例10〜12および比較例7〜10について、表3〜
4の配合に従い、実施例9と同様にして、エポキシ樹脂
成形材料を調製し評価した。結果を表3〜4に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例9〜12の本発明のエポキシ樹脂成
形材料は、硬化性、流動性、保存性がきわめて良好であ
り、さらに、このエポキシ樹脂成形材料の硬化物で封止
された半導体装置は、耐湿性が良好であることがわか
る。比較例5〜8では、いずれも硬化性、流動性、保存
性、信頼性を同時に満たすことができなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物及びエポキ
シ樹脂成形材料は、優れた硬化性、保存性を有し、この
エポキシ樹脂成形材料の硬化物で封止された半導体装置
は、耐湿信頼性に優れ有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC032 CD041 CD061 CD071 EV346 FD142 FD156 GQ05 4J036 AA01 AD07 AD08 AF06 DB06 DC45 DD01 DD02 FB07 GA01 JA07 4M109 AA01 EA02 EB03 EB12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
    化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(B)、及び、一般式(1)で表される
    オニウムチオシアヌレート化合物(C)を必須成分とす
    ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 (ただし、X+は中心陽イオンがリンまたは窒素からな
    る1価の有機カチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 オニウムチオシアヌレート化合物(C)
    が一般式(2)で表されるホスホニウムチオシアヌレー
    ト化合物であることを特徴とする、請求項1記載の熱硬
    化性樹脂組成物。 【化2】 (ただし、R1、R2、R3およびR4は、芳香環もしくは
    複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であ
    り、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】 1分子内にエポキシ基を2個以上有する
    化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(B)、一般式(1)もしくは(2)で
    表されるオニウムチオシアヌレート化合物(C)、及び
    無機充填材(D)を必須成分とすることを特徴とするエ
    ポキシ樹脂成形材料。 【化3】 (ただし、X+は中心陽イオンがリンまたは窒素からな
    る1価の有機カチオンを表す。) 【化4】 (ただし、R1、R2、R3およびR4は、芳香環もしくは
    複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であ
    り、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエポキシ樹脂成形材料の
    硬化物にて封止された半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG131750A1 (en) * 2002-09-18 2007-05-28 Sumitomo Bakelite Co Thermosetting resin composition, epoxy resin molding material and semiconductor device

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