JP2002284684A - チエノイソキノロン含有抗菌抗ウィルス剤および抗腫瘍剤 - Google Patents
チエノイソキノロン含有抗菌抗ウィルス剤および抗腫瘍剤Info
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Abstract
高い抗菌活性を示す抗菌抗ウィルス剤と、正常細胞は破
壊せずに腫瘍細胞のみを効果的に死滅させる新しい抗腫
瘍剤を提供する。 【解決手段】 次の一般式(I) 【化1】 (ただし、Nは窒素原子、Oは酸素原子、Sは硫黄原子
で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または別異に水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、また
はN、O、S、P、もしくはハロゲンを有する置換基で
ある)で表わされるチエノイソキノロン誘導体を含有す
る抗菌抗ウィルス剤および抗腫瘍剤とする。
Description
ィルス剤、および抗腫瘍剤に関するものである。さらに
詳しくは、この出願の発明は、低濃度で高い抗菌抗ウィ
ルス性や抗腫瘍性を示すチエノイソキノロン誘導体を含
有する抗菌抗ウィルス剤、および抗腫瘍剤に関するもの
である。
ンフルエンザ、食中毒などの症状を引き起こすだけでな
く、肺炎、敗血症、髄膜炎、さらには不妊や癌等の重大
な疾患の原因となることが知られている。そして、これ
らの細菌やウィルスによる感染症を予防・治療するため
の様々な殺菌剤や抗生物質が研究、提供されている。な
かでも、一般式(II)に例示されるキノロン系化合物
(a)やイソキノロン系化合物(b)は、食中毒を引き
起こすことで知られるサルモネラ菌や大腸菌、肺炎を引
き起こす肺炎桿菌、オウム病や性感染症、結膜炎などを
引き起こすクラミジア等、多くの細菌やウィルスに対し
て高い薬効を示すことが知られており、これらの化合物
を有効成分とする医薬品製剤や農薬が数多く提供されて
いる(例えば、特開平4−266874、特開平5−1
86426、特開平5−186427、特表平11−5
14645など)。
の地域において家畜や牧畜等を病原菌から保護する目的
で乱用されたため、近年、ついに米国や東南アジアの地
域でキノロン耐性を示す複数種の細菌やウィルスが現れ
るに至った。これらの細菌が世界中で猛威を振るうのも
時間の問題と考えられており、従来のキノロン系抗生物
質に代わる新たな抗生物質の出現が切望されている。
日本脳炎やウマ脳炎等の大流行が報告されている。これ
らの急性ウィルス性脳炎は、フラビウィルス、アルファ
ウィルス等のトガウィルス科のウィルスが起こす脳炎症
状であるが、同様の脳炎症状は、デングや風疹などのト
ガウィルス感染症によっても起こることが知られてい
る。このようなトガウィルス感染症は、現在のところ、
日本では希な疾患であるが、航空貨物や海外へまたは海
外からの渡航者の増加に伴い、日本国内にこれらのウィ
ルスが持ち込まれることも大いに考えられ、大流行が懸
念される。
製造、使用されており、予防接種が行われているが、日
本ではワクチンの入手は困難であり、診断法、治療法に
関する情報も不足している。したがって、急性ウィルス
性脳炎の予防法や治療法を早急に開発することが望まれ
ている。
界で約520万人であったが、2010年には、800
万人に近づくと推計されており(Pisani, P., Parkin,
D.M., Bray, F., Ferlay, J., Int. J. Cancer 83, 18-
29 (1999))、日本国内でも1999年に癌死者の数は
29万人を超えた(厚生省 平成11年人口動態統
計)。その部位別の割合は、胃癌、肺癌が高く、次いで
肝臓癌となっている。癌対策は世界的にも疾病対策にお
いて最重要課題の1つと位置づけられており、その治療
薬や治療法についての研究は様々な角度からなされてい
る。
腫瘍性を有することが明らかになり、これらを有効成分
とする抗腫瘍剤が提供されている(例えば、特開平6−
263759など)。しかし、このような抗腫瘍剤は、
ほとんどの場合、腫瘍細胞を死滅させると同時に正常細
胞をも破壊するため、副作用による苦痛を患者に強いる
ことになるという問題があったのが実情である。
の事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点
を解消し、様々な病原性の細菌やウィルスに対して高い
抗菌活性を示す抗菌抗ウィルス剤と、正常細胞は破壊せ
ずに腫瘍細胞のみを効果的に死滅させる新しい抗腫瘍剤
を提供することを課題としている。
の課題を解決するものとして、まず第1には、次の一般
式(I)
Sは硫黄原子で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一ま
たは別異に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、またはN、O、S、P、もしくはハロゲンを有
する置換基である)で表わされるチエノイソキノロン誘
導体を含有することを特徴とする抗菌抗ウィルス剤。
(I)のチエノイソキノロン誘導体において、R1〜R5
の全てが水素原子である前記第1の発明の抗菌抗ウィル
ス剤を提供する。
くとも次の一般式(I)
Sは硫黄原子で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一ま
たは別異に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、またはN、O、S、P、もしくはハロゲンを有
する置換基である)で表わされるチエノイソキノロン誘
導体を含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供する。
記の抗腫瘍剤において一般式(I)のチエノイソキノロ
ン誘導体において、R1〜R5の全てが水素原子である前
記第3の発明の抗腫瘍剤を提供する。
れかの抗菌抗ウィルス剤において、チエノイソキノロン
誘導体の濃度が2.0μg/ml以下であること、そし
て第6には、前記のいずれかの抗腫瘍剤において、チエ
ノイソキノロン誘導体の濃度が0.1μg/ml以下で
あることを提供する。
がこれまで知られていなかったチエノイソキノロンやそ
の誘導体に着目し、鋭意研究によりこれらの化合物を合
成し、さらにそれらの抗菌、抗ウィルス性を詳細に検討
してこれらが従来公知のキノロン系、あるいはイソキノ
ロン系の薬剤よりも高い抗菌抗ウィルス性および抗腫瘍
性を有することを見出し、この出願の発明の抗菌抗ウィ
ルス剤および抗腫瘍剤を提供するに至った。
剤、および抗腫瘍剤は、次の一般式(I)
Sは硫黄原子で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一ま
たは別異に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、またはN、O、S、P、もしくはハロゲンを有
する置換基である)で表わされるチエノイソキノロン誘
導体を有効成分として有するものである。
4、R5としては、水素原子や、メチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、
t−ブチル、シクロヘキシル、などのアルキル基、プロ
ペニル、プレニルなどのアルケニル基、フェニル、トル
イル、ナフチルやフェニルメチルなどのアリール基、ア
ミノ(−NH2)、ニトロ(−NO2)、シアノ(−C
N)などのNを有する置換基、ヒドロキシル(−O
H)、ホルミル(−OCH)、アシル(−OCR)、カ
ルボニル(>C=O)、カルボキシル(−COOH)、
などのOを有する置換基、チオカルボニル(>CS)、
チオール(−SH)などのSを有する置換基、ホスホリ
ル(PO)などのPを有する置換基、ハロゲン原子やハ
ロホルミルなどのハロゲンを有する置換基から選択さ
れ、それらの置換基は2個以上が同一のものであっても
すべてが異なるものであってもよい。R1〜R5として
は、これらの置換基の中でもとくにアルキル基、アリー
ル基、ヒドロキシ基が好ましく用いられる。
いは抗腫瘍剤において、有効成分として含有される一般
式(I)の化合物としては、具体的には、7−ヒドロキ
シ−5−メトキシチエノ〔2,3−g〕イソキノリン−
4,9−ジオンが例示される。
上記一般式(I)の化合物の濃度はとくに限定されない
が、後述の実施例から明らかなように、2.0μg/m
l以下で様々な細菌等に対して高い抗菌抗ウィルス性を
示す。とくに、0.02〜1.5μgで十分な抗菌抗ウ
ィルス性を示すことが分かっていることから、この範囲
の濃度で用いることが好ましい。この出願の発明の抗菌
抗ウィルス性剤は、このように少量の有効成分で高い抗
菌抗ウィルス性を示すが、毒性は小さく、投与による副
作用はほとんどない。
記一般式(I)の化合物の濃度はとくに限定されない。
後述の実施例より明らかなように、0.1μg/ml以
下という微量で高い抗腫瘍性が示されるが、0.005
〜0.05μg/mlとすることにより、正常細胞を破
壊することなく、十分な抗腫瘍性を発揮することがで
き、好ましい。
び抗腫瘍剤は、有効成分として前記のとおりの一般式
(I)のチエノイソキノロン誘導体を含有するものであ
ればよく、一般式(I)のチエノイソキノロン誘導体の
働きを阻害しない限り、他の化合物、薬剤、溶剤、充填
剤、緩衝液、あるいは甘味料や香料などを含有していて
もよい。
抗腫瘍剤は、どのような方法で投与されるものであって
もよく、錠剤、粒・散剤、シロップ剤の形態での服用、
液剤や注射剤の形態での点滴、注射、さらには、チンキ
剤や軟膏の形態での経皮投与など、患部の位置や状態に
応じた投与方法を選択することができる。
態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明
は以下の例に限定されるものではなく、細部については
様々な態様が可能であることは言うまでもない。
(化合物A)の合成 公知文献(M.Watanabe, V.Snieckus, J.Am.Chem.Soc.,
102 (4), 1457-1460,1980)に記載の方法に従って、以
下のチエノイソキノロン誘導体(Thieno[2,3-g]isoquin
oline-4,9-dione:化合物A)を合成した。
N,N−ジエチルイソニコチンアミドにsec−ブチル
リチウム(1.5eq)とTMEDA(1eq)を1時
間反応させた。そこに−78℃で3−thiophencarboxal
dehyde(1.1eq)を滴下し、15分攪拌後、さらに
sec−ブチルリチウム(1.7eq)を加え、徐々に
室温に戻しながら一晩攪拌を続けた。反応液に水を加
え、クロロホルム抽出し、得られたクロロホルム層を飽
和NaCl水で洗浄後、乾燥留去した。残渣をPTLC
(ベンゼン:エーテル=1:1)により精製し、黄色結
晶を収率20%で得た。
の菌増殖阻止試験 [A] 準備 (1)ヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylor
i)(胃および十二指腸潰瘍、胃癌の促進等):臨床的
に分離された3株と継代維持されている3株、計6株の
対数増殖期のヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter
pylori)を用いた。
ida albicance)(性感染症):継代維持されている1
3株を用いた。
ンス(Cryptococcus neoformans)(髄膜炎):継代維
持されている2株を用いた。
CG(Mycobacterium bovis BCG):継代維持されてい
る1株を用いた。
ーキュロシス(Mycobacterium tuberculosis):継代維
持されている1株を用いた。
riosis)ミコバクテリウム・カンサシー(Mycobacteriu
m kansasii):継代維持されている1株を用いた。 [B] 試験方法 (1)ヘリコバクター・ピロリ菌の増殖阻止試験:Muel
ler-Hinton寒天培地(Difco社製)に、DMSOに溶解
し0.9%食塩を含んだリン酸緩衝液で希釈した一定量
の化合物(A)を加え、37℃で3日間培養したとき、
寒天培地表面に生じるヘリコバクター・ピロリ菌コロニ
ー数を計測し、100%増殖阻止する薬剤最小濃度(mi
nimum inhibitory concentration: MIC)を、日本化
学療法学会の標準法に従って決定した。
食塩を含んだリン酸緩衝液のみを加えた。
阻止試験:モルホリンプロパンサルホン酸含有RPMI
−1640寒天培地に、DMSOに溶解し0.9%食塩
を含んだリン酸緩衝液で希釈した一定量のチエノイソキ
ノロンを加え、35℃で5日間培養したとき、寒天培地
表面に生じる真菌カンジダ・アルビカンスコロニー数を
計測し、MICを、日本化学療法学会の標準法に従って
決定した。
ンスの増殖阻止試験:上記(2)と同様の方法で真菌ク
リプトコッカス・ネオホルマンスを培養し、MICを決
定した。
CGの増殖阻止試験:Dubos寒天培地(Difco社製)に、
DMSOに溶解し0.9%食塩を含んだリン酸緩衝液で
希釈した一定量のチエノイソキノロンを加え、37℃で
20日間培養したとき、寒天培地表面に生じる結核菌ミ
コバクテリウム・ボビスBCGのコロニー数を計測し、
MICを、日本化学療法学会の標準法に従って決定し
た。
ーキュロシスの増殖阻止試験:上記(4)と同様の方法
で結核菌ミコバクテリウム・チューバーキュロシスのM
ICを決定した。
ンサシーの増殖阻止試験:上記(4)と同様の方法で非
定型抗酸菌ミコバクテリウム・カンサシーのMICを決
定した。 [C] 試験結果 化合物(A)を用いた場合の、各菌に対する成績を表1
に示した。
ロリ菌、真菌カンジダ・アルビカンス、真菌クリプトコ
ッカス・ネオホルマンス、結核菌ミコバクテリウム・ボ
ビスBCG、結核菌ミコバクテリウム・チューバーキュ
ロシス、および非定型抗酸菌ミコバクテリウム・カンサ
シーの各MICはそれぞれ、平均0.035〜1.25
μg/mlで、化合物(A)の強い抗菌性が明らかにな
った。
少量含む抗菌抗ウィルス剤の有効性が示唆された。 <実施例2> チエノイソキノロン誘導体の抗耐薬剤性
菌作用 [A] 準備 (1)結核菌ミコバクテリウム・チューバーキュロシス
(Mycobacterium tuberculosis):継代維持されている
3株の対数増殖期の結核菌ミコバクテリウム・チューバ
ーキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)を用い
た。
リウム・チューバキュロシス(Kanamycin-Resistant My
cobacterium tuberculosis):1株を用いた。
テリウム・チューバキュロシス(Rifanpicin-Resistant
Mycobacterium tuberculosis):1株を用いた。
バクテリウム・チューバキュロシス(Streptomycin-Res
istant Mycobacterium tuberculosis ):1株を用い
た。 [B]試験方法 Dubos寒天培地(Difco社製)に、DMSOに溶解し0.
9%食塩を含んだリン酸緩衝液で希釈した一定量のチエ
ノイソキノロンを加え、37℃で20日間培養したと
き、寒天培地表面に生じる結核菌ミコバクテリウム・チ
ューバーキュロシス(または、カナマイシン耐性結核菌
ミコバクテリウム・チューバキュロシス、リファンピシ
ン耐性結核菌ミコバクテリウム・チューバキュロシス、
あるいはストレプトマイシン耐性結核菌ミコバクテリウ
ム・チューバキュロシス)のコロニー数を計測し、MI
Cを、日本化学療法学会の標準法に従って決定した。 [C] 試験結果 化合物(A)を用いた場合、および各抗生物質を用いた
場合の各菌に対するMICを表2に示した。
ン、リファンピシン、ストレプトマイシン等の抗生物質
に耐性を示す結核菌をも、低濃度で死滅させることがで
きることが示された。
含む抗菌抗ウィルス剤は、従来の抗生物質よりも強い抗
菌抗ウィルス性を示し、耐薬剤性菌に対しても有効に作
用することが示唆された。 <実施例3> 抗フラビウィルス作用 [A] 準備 (1)フラビウィルス(Flavivirus):日本脳炎ウィル
ス(JEV)は、継代維持されているJaGAr−01
株をサル腎臓細胞Veroに感染させたものを用いた。 [B] 試験方法 化合物(A)をDMSOに溶解し、0.9%食塩を含ん
だリン酸緩衝液で希釈して最終濃度が3.0〜0.1μ
g/mlとなるようにした。
プレート(栄研化学株式会社製)に流し、37℃で24
時間培養した。寒天培地表面に生じる各抗生物質耐性結
核菌のコロニー数を測定し、MICを、日本化学療法学
会の標準法に従って決定した。
溶解し、0.9%食塩を含んだリン酸緩衝液を、寒天培
地をセットしてあるHP−プレート(栄研化学株式会社
製)に流し、37℃で24時間培養した。寒天培地表面
に生じる抗生物質耐性結核菌のコロニー数を測定し、同
様の方法でMICを求めた。 [C] 試験結果 日本脳炎ウィルス(JEV)の増殖は、0.5μg/m
lの化合物(A)により75%抑制された。また、1.
0μg/mlの化合物(A)により、JEVの増殖が9
9%抑制された。
有する抗菌抗ウィルス剤は、日本脳炎ウィルスにも有効
に作用することが示唆された。 <実施例4> チエノイソキノロンの抗腫瘍性 [A] 準備 (1)子宮頚癌細胞:HeLa株 (2)肺腺癌細胞:A549株 (3)肺扁平上皮癌細胞:NCI−H23株 (4)乳癌細胞:HBC−5株 (5)結腸癌細胞:HCT−15株 (6)メラノーマ細胞:LOX−IMVI株 (7)脳腫瘍細胞:SF295株 (8)卵巣癌細胞:OVCAR株 (9)胃癌細胞:MKN7 (10)前立腺癌細胞:DU−145株 (11)骨肉腫細胞:Hu09およびHu09N2株 [B]試験方法 前記(1)〜(11)の癌細胞を5%CO2下で培養
し、そこに化合物(A)を含む溶液0.2mlを加え、
癌細胞の50%増殖阻害毒性値(IC50)を求めた。
維芽細胞)のIC50%を同様にして求めた。 [C] 試験結果 癌細胞に対するIC50は、0.006〜0.03μg
/mlと極めて低い濃度であった。一方、ヒト正常細胞
に対するIC50は、それぞれ0.06μ/mlおよび
0.2μg/mlであり、化合物(A)に対して悪性腫
瘍の10倍の抵抗性を示した。
む抗腫瘍剤は、ヒト正常細胞に対して毒性を示さない濃
度範囲で、効果的に腫瘍細胞や癌細胞を死滅させること
ができ、静脈投与または服用による副作用がない抗腫瘍
剤として有効であることが確認された。
よって、低濃度で効果的にヘリコバクター・ピロリ菌、
結核菌、日本脳炎ウィルスなどの様々な細菌やウィルス
を死滅させることができる新しい抗菌抗ウィルス剤と、
副作用なく効果的に腫瘍や癌細胞を死滅させることがで
きる新しい抗腫瘍剤が提供される。これにより、動脈硬
化、狭心症、女性不妊等の治療や予防が可能となる。ま
た、近年大きな課題となっている薬剤耐性結核菌の撲滅
や、急性脳炎を引き起こすフラビウィルスによる感染症
の予防、治療に大きく貢献すると期待される。
日本脳炎やウマ脳炎等の大流行が報告されている。これ
らの急性ウィルス性脳炎は、フラビウィルス、アルファ
ウィルス等のトガ・フラビウィルス科のウィルスが起こ
す脳炎症状であるが、同様の脳炎症状は、デングやウエ
ストナイルなどのフラビウィルス感染症によっても起こ
ることが知られている。このようなフラビウィルス感染
症は、現在のところ、日本では希な疾患であるが、航空
貨物や海外へまたは海外からの渡航者の増加に伴い、日
本国内にこれらのウィルスが持ち込まれることも大いに
考えられ、大流行が懸念される。
等のフラビウィルスのワクチンについては入手が困難で
あり、診断法、治療法に関する情報も不足している。し
たがって、急性ウィルス性脳炎の予防法や治療法を早急
に開発することが望まれている。
に添加した。37℃で培養、24時間後に培養液を採取
し、その中のウィルス量をプラーク法にて測定した。 [C] 試験結果 日本脳炎ウィルス(JEV)の増殖は、0.5μg/m
lの化合物(A)により75%抑制された。また、1.
0μg/mlの化合物(A)により、JEVの増殖が9
9%抑制された。
維芽細胞)のIC50を同様にして求めた。 [C] 試験結果 癌細胞に対するIC50は、0.006〜0.03μg
/mlと極めて低い濃度であった。一方、ヒト正常細胞
に対するIC50は、それぞれ0.06μg/mlおよ
び0.2μg/mlであり、化合物(A)に対して悪性
腫瘍の10倍の抵抗性を示した。
Claims (6)
- 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 (ただし、Nは窒素原子、Oは酸素原子、Sは硫黄原子
で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または別異に水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、また
はN、O、S、P、もしくはハロゲンを有する置換基で
ある)で表わされるチエノイソキノロン誘導体を含有す
ることを特徴とする抗菌抗ウィルス剤。 - 【請求項2】 一般式(I)のチエノイソキノロン誘導
体において、R1〜R5の全てが水素原子である請求項1
の抗菌抗ウィルス剤。 - 【請求項3】 少なくとも次の一般式(I) 【化2】 (ただし、Nは窒素原子、Oは酸素原子、Sは硫黄原子
で、R1、R2、R3、R4、R5は、同一または別異に水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、また
はN、O、S、P、もしくはハロゲンを有する置換基で
ある)で表わされるチエノイソキノロン誘導体を含有す
ることを特徴とする抗腫瘍剤。 - 【請求項4】 一般式(I)のチエノイソキノロン誘導
体において、R1〜R5の全てが水素原子である請求項3
の抗腫瘍剤。 - 【請求項5】 チエノイソキノロン誘導体の濃度が2.
0μg/ml以下である請求項1または2のいずれかの
抗菌抗ウィルス剤。 - 【請求項6】 チエノイソキノロン誘導体の濃度が0.
1μg/ml以下である請求項3または4のいずれかの
抗腫瘍剤。
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---|---|---|---|
JP2001274200A JP2002284684A (ja) | 2001-01-16 | 2001-09-10 | チエノイソキノロン含有抗菌抗ウィルス剤および抗腫瘍剤 |
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JP2001-8294 | 2001-01-16 | ||
JP2001008294 | 2001-01-16 | ||
JP2001274200A JP2002284684A (ja) | 2001-01-16 | 2001-09-10 | チエノイソキノロン含有抗菌抗ウィルス剤および抗腫瘍剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006507299A (ja) * | 2002-10-30 | 2006-03-02 | メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド | Akt活性の阻害薬 |
CN113480520A (zh) * | 2021-08-16 | 2021-10-08 | 吉林大学 | 一种异喹啉-1,3(2h,4h)-二酮衍生物及其应用 |
-
2001
- 2001-09-10 JP JP2001274200A patent/JP2002284684A/ja active Pending
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CN113480520A (zh) * | 2021-08-16 | 2021-10-08 | 吉林大学 | 一种异喹啉-1,3(2h,4h)-二酮衍生物及其应用 |
CN113480520B (zh) * | 2021-08-16 | 2022-05-13 | 吉林大学 | 一种异喹啉-1,3(2h,4h)-二酮衍生物及其应用 |
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