JP2002283984A - 産業車両の坂路停車維持装置 - Google Patents

産業車両の坂路停車維持装置

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JP2002283984A
JP2002283984A JP2001085334A JP2001085334A JP2002283984A JP 2002283984 A JP2002283984 A JP 2002283984A JP 2001085334 A JP2001085334 A JP 2001085334A JP 2001085334 A JP2001085334 A JP 2001085334A JP 2002283984 A JP2002283984 A JP 2002283984A
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clutch
stop
braking
slope
vehicle
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JP2001085334A
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Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業車両において、ブレーキ操作したときに
坂路であれば車両を停止維持でき、停止維持の必要がな
い平坦路では一時的にしろ停止維持用ブレーキがかかる
ことを減らす。 【解決手段】 フォークリフト1の坂路停止維持開始条
件は、ブレーキペダル20の踏力が所定踏力以上で、か
つ車速が停止車速(例えば1km/h)未満で、かつエンジ
ン回転数が設定回転数未満であるときに設定されてい
る。コントローラ24は、停止維持開始条件が成立する
と、クラッチバルブ32,33を電流値制御して前進ク
ラッチ30と後進クラッチ31を同時完全係合させると
ともにこの状態に保持する。一方、停止維持解除条件
は、シフトレバー16の操作位置が前進または後進位置
で、かつアクセルペダル18が操作され、かつインチン
グペダル19が操作されていないか、インチングペダル
19の操作量が所定以上のブレーキ力がかかる操作量以
上であるときに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
を装備した変速機を備えるエンジン式のフォークリフト
等の産業車両において、坂道発進を支援するために車両
を坂道で停止維持させる制御を行う産業車両の坂路停止
維持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフォークリフトを坂路の途中で停
車する際は、駐車レバーを操作して駐車ブレーキを掛け
るか、ブレーキペダルを踏み続ける必要がある。そし
て、坂路で停車した状態から坂道発進する際は、車両が
ロールバックしないようにアクセル操作とブレーキ解除
操作を巧く調整する必要があった。
【0003】例えば特開2000−309256号公報
には、トルクコンバータを装備したエンジン式のフォー
クリフトにおいて、車速が停止車速以下の状態で、かつ
ブレーキ操作信号を入力した状態が所定時間以上継続し
たとき、自動的に駐車ブレーキが制動状態に切り換えら
れる駐車ブレーキ装置が開示されている。
【0004】この駐車ブレーキ装置によれば、駐車ブレ
ーキを操作する駐車レバーが不要になり、坂道において
一時停止する際にブレーキペダルを踏み続ける必要がな
くなる。また、車速が停止車速以下の状態で、かつブレ
ーキ操作信号を入力した状態が所定時間以上継続したこ
とを条件とすることから、フォークリフトが完全に停止
した状態で駐車ブレーキが制動状態に切り換えられるた
め、ショックがなく運転者に不快感を与えない。
【0005】また、この公報には、駐車ブレーキが制動
状態に保持された際、ブレーキペダルが所定の操作力未
満の操作力で操作された状態から操作が解除されたとき
は、操作の解除に伴って駐車ブレーキの制動状態が解除
され、一方、ブレーキペダルが所定の操作力以上の操作
力で操作された状態から操作が解除されたときは、駐車
ブレーキが制動状態に保持される。従って、運転者はブ
レーキペダルの操作の強弱で、駐車継続と駐車解除とを
選択できる。例えば平坦路で微速走行しているときにブ
レーキで停止した後、ブレーキペダルを離せばそのまま
クリープ走行が開始され、また坂路の途中で停止する場
合は、ブレーキペダルを強く踏めば、ブレーキペダルの
操作を解除しても駐車ブレーキが制動状態に保持され
る。
【0006】さらに制動状態に保持された駐車ブレーキ
の制動解除は、シフトレバーが中立位置にない状態でア
クセルペダルが操作され、かつエンジン回転数がフォー
クに積載された荷の荷重に対応する所定回転数以上のと
きに行われる。従って、荷を積載した状態で、登りの坂
道において駐車ブレーキの制動を解除したときにフォー
クリフトのロールバックが発生するのを防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、駐車ブレー
キとしてではなく、単に坂道発進を支援するためにフォ
ークリフトを坂路においてのみ停止維持させたい要請が
あった。この場合、ブレーキ操作時に坂路であるときに
だけ車両が停止維持されればよい。
【0008】しかし、従来技術の駐車ブレーキ装置は、
ブレーキペダルが操作されて停止車速未満となれば常に
駐車ブレーキがかかっていた。つまり、駐車ブレーキが
かかるその開始条件の1つが、ブレーキ操作をしたとき
(ブレーキスイッチオン)であったため、停止車速未満
の車速ではブレーキペダルが操作されていればその操作
力の強弱に関係なく常に駐車ブレーキがかかることにな
っていた。もちろん、クリープ走行に支障がないよう
に、例えば平坦路でクリープ走行しているときにブレー
キペダルを弱く踏んで離せば、駐車ブレーキが解除され
るものの、一旦は駐車ブレーキが一時的にしろ掛かるこ
とになっていた。このため、駐車ブレーキの作動頻度が
多くなってCPU等の余分な制御による負担が増えるう
え、駐車ブレーキ用の制御弁や油圧機構などの各種部品
等の寿命が短くなる問題があった。
【0009】また、従来からフォークリフトには、駐車
レバーを操作してワイヤを介して機械的に作動させるド
ラムブレーキ装置(駐車ブレーキ)が装備されており、
このように手動操作式の駐車ブレーキを採用するフォー
クリフトでは、坂路で停止維持する制御を採用できない
という問題もあった。そのため、上記公報に開示された
駐車ブレーキ装置を採用するために、手動操作式の駐車
ブレーキを電気的に制御可能な駐車ブレーキユニットと
交換しなければならなかった。そのため、部品コストが
上がってフォークリフトの製造コストが高くなるという
問題もあった。
【0010】本発明は前記課題を解決するためになされ
たものであって、その第1の目的は、ブレーキ操作した
ときに坂路であれば車両を停止維持でき、停止維持の必
要がない平坦路では一時的にしろ停止維持用ブレーキが
かかることを減らすことができる産業車両の坂路停止維
持装置を提供することにある。
【0011】第2の目的は、駐車ブレーキユニットを追
加しなくても、トルクコンコンバータを装備する変速機
の機構をブレーキとして巧く利用して坂路での車両停止
維持を実現することを可能とすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の問題点を解決
するために、請求項1に記載の発明は、エンジンと作動
連結されるトルクコンバータと駆動輪との間を結ぶ駆動
伝達軸上に設けられた電気制御対応型のクラッチ式の制
動手段と、車両を停止するときの制動操作手段の操作力
が路面の斜度に応じて異なることから、最低斜度の坂路
で操作されるとして設定された所定操作力以上の制動操
作力を検出する制動操作力検出手段と、車速を検出する
車速検出手段と、前記制動操作力検出手段によって所定
操作力以上の制動操作力が検出され、かつ前記車速検出
手段によって車速が車両の停止と認められる停止車速未
満であることが検出された停止維持開始条件が成立する
と、坂路で車両を停止維持させるためのブレーキ力を付
与するよう前記クラッチ式制動手段を制御する制御手段
とを備えていることを要旨とする。なお、制動操作手段
の操作とは、他の操作手段(例えばインチングペダル)
の操作により制動操作手段が連動操作される場合の操作
をも含む。
【0013】この発明によれば、坂路で停止するため制
動操作手段を操作したときには、最低斜度の坂路で操作
されるとして設定された所定操作力以上の制動操作力が
検出され、かつ車速が停止車速未満であることが検出さ
れて停止維持開始条件が成立すると、クラッチ式制動手
段が制御されてブレーキ力を付与する状態に保持され
る。よって、坂路で停止するために相対的に強い操作力
で制動操作したときにはクラッチ式制動手段による停止
維持のためのブレーキがかかり、車両が停止状態に維持
される。一方、平坦路で例えばクリープ走行中に弱い操
作力で制動操作をしたときには、たとえ制動操作がなさ
れてもクラッチ式制動手段による停止維持のためのブレ
ーキが一時的にもかからない。よって、坂路で停止維持
できるとともに、坂路でないときに不要に停止維持のた
めのブレーキがかかることを低減することが可能とな
る。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、エンジンの出力をトルクコンバータを
介して出力軸に伝達する前進クラッチ及び後進クラッチ
を備えた変速機を備え、前記クラッチ式の制動手段は、
前記前進クラッチ及び後進クラッチが兼ね、前記制動操
作力検出手段によって所定操作力以上の制動操作がなさ
れていることを検出し、かつ前記車速検出手段によって
車速が車両の停止と認められる停止車速未満であること
を検出した停止維持開始条件が成立すると、前記前進ク
ラッチ及び後進クラッチを、坂路で車両を停止維持可能
なブレーキ力を付与し得る所定のクラッチ係合圧で同時
係合させるとともに該同時係合状態に保持する制御をす
る制御手段とを備えていることを要旨とする。
【0015】この発明によれば、請求項1に記載の発明
の作用に加え、前進クラッチと後進クラッチを所定のク
ラッチ係合圧で同時係合させることで、坂路で車両を停
止維持するためのブレーキ力を得る。従って、もともと
ブレーキ用として用意された訳ではない変速機のクラッ
チを利用して坂路停止維持のためのブレーキ力を得るた
め、この種の坂路停止維持の自動制御を追加する場合で
も、例えば電気制御対応型の駐車ブレーキなどを取り付
ける必要がない。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記クラッチ式の制動手段は駐車ブレ
ーキクラッチであることを要旨とする。この発明によれ
ば、請求項1に記載の発明の作用に加え、駐車ブレーキ
クラッチを用いて坂路での停止維持制御が行われる。制
動操作力が所定の操作力以上とならない平坦路で停止す
るときには、駐車ブレーキクラッチが一時的にしろ接続
されることがない。従って、駐車ブレーキクラッチを例
えば自動駐車制御の目的ではなく、坂道発進の支援を目
的として単に坂路での停止維持制御に使用される場合、
無駄な駐車ブレーキクラッチの作動を低減することが可
能となる。このため、駐車ブレーキクラッチの寿命を延
ばし、また無駄な制御が減ることで制御手段の負担を軽
減できる。
【0017】第2の目的を達成するために請求項4に記
載の発明は、エンジンの出力をトルクコンバータを介し
て出力軸に伝達する前進クラッチおよび後進クラッチを
備えた変速機と、車輪を制動させるために操作される制
動操作手段の操作を検出する制動操作検出手段と、車両
が坂路に位置することを直接または間接的に検出する坂
路検出手段と、車両の停止と認められる停止車速未満の
車速となったことを検出する停止検出手段と、前記各検
出手段によって、制動操作手段の制動操作がなされたこ
とが検出され、かつ車両が坂路に位置することが検出さ
れ、かつ停止車速未満の車速であることが検出された停
止維持開始条件が成立すると、前記前進クラッチ及び後
進クラッチを、坂路で車両を停止維持可能なブレーキ力
を付与し得る所定のクラッチ係合圧で同時係合させると
ともに該同時係合状態に保持する制御を行う制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0018】この発明によれば、車両を停止するために
制動操作がなされたとき、制動操作が検出され、かつ車
両が坂路に位置することが検出され、かつ停止車速未満
の車速であることが検出されて停止維持開始条件が成立
すると、前進クラッチ及び後進クラッチが坂路で停止維
持可能な所定のクラッチ係合圧で同時係合されるととも
にこの同時係合状態に保持される。この結果、坂路で車
両を停止すれば車両は坂路で自動的に停止維持される。
もともとブレーキ用に用意された訳ではない変速機のク
ラッチを利用して坂路停止維持のためのブレーキ力を得
るため、この種の坂路停止維持の自動制御を追加する場
合でも、例えば電気制御対応型の駐車ブレーキなどを取
り付ける必要がない。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の発明において、エンジン回転数を
検出するエンジン回転数検出手段を備え、前記制御手段
に設定された前記停止維持開始条件には、前記各条件に
加え、前記エンジン回転数検出手段によりエンジン回転
数が所定回転数未満であると検出されたことが条件の1
つに含まれ、前記制御手段は、当該停止維持開始条件を
構成する全ての条件が成立したときに、坂路で車両を停
止維持可能なブレーキ力が付与されるよう前記制御を行
うことを要旨とする。
【0020】この発明によれば、請求項1〜4のいずれ
か一項に記載の発明の作用に加え、停止維持開始条件に
は、エンジン回転数が所定回転数未満であると検出され
たことが1つの条件として含まれるため、他の検出値が
条件を満たし、かつエンジン回転数が所定回転数未満の
ときに限り、クラッチ式制動手段の係合または前進クラ
ッチ及び後進クラッチの同時係合による停止維持のため
のブレーキがかかる。一方、エンジン回転数が所定回転
数以上と比較的高回転域にあるときは、クラッチは係合
されない。従って、坂路停止維持のためにブレーキがか
かるときのエンジン回転数が比較的高回転域であること
に起因するショックが小さく抑えられる。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、
前記停止維持開始条件が成立すると、前記制動手段を、
半クラッチ状態を伴って徐々に前記クラッチ係合圧に係
合させるように制御することを要旨とする。
【0022】この発明によれば、停止維持開始条件が成
立すると、制動手段は半クラッチ状態を伴って徐々に所
定のクラッチ係合圧に至るように係合される。従って、
坂路停止維持のためのブレーキがかかるときのショック
が緩和される。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか一項に記載の発明において、アクセル操作手段
が操作されたことを検出するアクセル操作検出手段を備
え、前記制御手段は、前記停止維持のためのクラッチ係
合ブレーキがかかった停止維持状態にあるときに、前記
アクセル操作検出手段によってアクセル操作が検出され
たことを条件の少なくとも1つとする停止維持解除条件
が成立すると、前記クラッチ係合ブレーキを解除するこ
とを要旨とする。なお、クラッチ係合ブレーキとは、前
進クラッチ及び後進クラッチの同時係合によるブレー
キ、または駐車ブレーキクラッチの係合によるブレーキ
を少なくとも指す。以下の請求項の発明においても同じ
である。
【0024】この発明によれば、請求項1〜6のいずれ
か一項に記載の発明の作用に加え、停止維持のためのク
ラッチ係合ブレーキがかかった停止維持状態にあるとき
に、アクセル操作が検出されたことを条件の少なくとも
1つとする停止維持解除条件が成立すると、停止維持の
ためのクラッチ係合ブレーキが解除される。従って、坂
道発進するためにアクセル操作されたときに(他の条件
があればそれも満たすことを条件として)、クラッチ係
合ブレーキが解除されるので、坂道発進をすることがで
きる。この際、少なくともアクセル操作がなされた後に
クラッチ係合ブレーキが解除されるので、ロールバック
することが極力抑えられる。
【0025】請求項8に記載の発明は、エンジンの出力
をトルクコンバータを介して出力軸に伝達する油圧式の
前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記
トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸
上に設けられたクラッチ式の制動手段と、前記変速機を
切換操作するためのシフト操作手段の前進・中立・後進
の操作位置を検出するシフト操作位置検出手段と、制動
操作手段が操作されたことを検出する制動操作検出手段
と、車速を検出する車速検出手段と、前記制動操作検出
手段及び車速検出手段の各検出手段の検出値を基に制動
操作が検出され、かつ車速が停止車速未満であると検出
されたことを少なくとも条件に含む停止維持開始条件が
成立すると、坂路で車両を停止維持可能なブレーキ力を
付与し得る所定のクラッチ係合圧で前記制動手段を係合
させるとともに該係合状態を保持する制御を行う制御手
段と、アクセル操作手段の操作を検出するアクセル操作
検出手段と、前記変速機の前進クラッチ及び後進クラッ
チのうちシフト側クラッチを半クラッチにするために操
作されるとともに、その操作量が大きい領域では該シフ
ト側クラッチが切られてブレーキがかかるように制動操
作手段が連動操作されるよう操作されるインチング操作
手段と、前記インチング操作手段の操作量を検出するイ
ンチング操作量検出手段とを備え、前記制御手段は、前
記シフト操作位置検出手段によって前記シフト操作手段
が前進又は後進位置に操作されたことが検出され、かつ
前記アクセル操作検出手段によって前記アクセル操作手
段が操作されたことが検出され、かつインチング操作量
検出手段によってインチング操作手段が操作されていな
いか、インチング操作手段が所定値以上のブレーキ力が
かかる操作量で操作されていることが検出された停止維
持解除条件が成立すると、前記制動手段の前記クラッチ
係合圧を解除するように前記制動手段を制御することを
要旨とする。
【0026】この発明によれば、車両を坂路で停止させ
るために制動操作をしたとき、制動操作が検出され、か
つ車速が停止車速未満であると検出されたことを少なく
とも条件に含む停止維持開始条件が成立すると、所定の
クラッチ係合圧で制動手段が係合されるとともにこの係
合状態が保持される。この結果、坂路で車両が停止維持
される。一方、この停止維持状態において、シフト操作
手段が前進又は後進位置に操作され、かつアクセル操作
手段が操作されたことが検出され、かつインチング操作
手段が操作されていないか、インチング操作手段が所定
値以上のブレーキ力がかかる操作量で操作されているこ
とが検出されて停止維持解除条件が成立すると、制動手
段のクラッチ係合圧が解除される。従って、インチング
操作手段が操作されて半クラッチの状態にあるときや、
クラッチが切れた状態で弱いブレーキしかかかっていな
いときは、たとえシフト位置が前進または後進位置にあ
る状態でアクセル操作がなされても、停止維持のための
クラッチ係合ブレーキが解除されることはない。よっ
て、インチング操作手段が半クラッチの状態あるいは弱
いブレーキしかかかっていない状態に操作されていると
きに停止維持のためのクラッチ係合ブレーキが解除され
ることに起因するロールバックを極力回避することが可
能となる。
【0027】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれか一項に記載の発明において、前記変速機を切換
操作するためのシフト操作手段の前進・中立・後進の操
作位置を検出するシフト操作位置検出手段と、アクセル
操作手段の操作を検出するアクセル操作検出手段と、前
記変速機の前進クラッチ及び後進クラッチのうちシフト
側クラッチを半クラッチにするために操作されるととも
に、その操作量が大きい領域では該シフト側クラッチが
切られて制動操作手段が連動操作されるように操作され
るインチング操作手段と、前記インチング操作手段の操
作量を検出するインチング操作量検出手段とを備え、前
記制御手段は、前記シフト操作位置検出手段によって前
記シフト操作手段が前進又は後進位置に操作されたこと
が検出され、かつ前記アクセル操作検出手段によって前
記アクセル操作手段が操作されたことが検出され、かつ
インチング操作量検出手段によってインチング操作手段
が操作されていないか、インチング操作手段が所定値以
上のブレーキ力がかかる操作量で操作されていることが
検出された停止維持解除条件が成立すると、前記停止維
持のためのクラッチ係合ブレーキを解除するよう制御す
ることを要旨とする。
【0028】この発明によれば、請求項1〜7のいずれ
か一項に記載の発明の作用によって、坂路で停止維持状
態とされた車両を発進させるときは坂道発進となる。こ
の際、シフト操作手段が前進又は後進位置に操作され、
かつアクセル操作手段が操作されたことが検出され、か
つインチング操作手段が操作されていないか、インチン
グ操作手段が所定値以上のブレーキ力がかかる操作量で
操作されていることが検出されると停止維持解除条件が
成立する。この停止維持解除条件の成立をもって、制動
手段のクラッチ係合圧が解除される。従って、インチン
グ操作手段が操作されて半クラッチの状態にあるとき
や、クラッチが切れた状態で弱いブレーキしかかかって
いないときは、たとえシフト位置が前進または後進位置
にある状態でアクセル操作がなされても、停止維持のた
めのクラッチ係合ブレーキが解除されることはない。よ
って、インチング操作手段が半クラッチの状態あるいは
弱いブレーキしかかかっていない状態に操作されている
ときに停止維持のためのクラッチ係合ブレーキが解除さ
れることに起因するロールバックを極力回避することが
可能となる。
【0029】請求項10に記載の発明によれば、請求項
7〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記制御
手段は、前記停止維持解除条件が成立すると、前記制動
手段の前記クラッチ係合圧を、半クラッチ状態を伴って
徐々に解消するように当該制動手段を制御することを要
旨とする。
【0030】この発明によれば、停止維持解除条件の成
立時は、制動手段のクラッチ係合圧が半クラッチ状態を
伴って徐々に解消される。このため、スムーズに坂道発
進をすることが可能となる。
【0031】請求項11に記載の発明によれば、請求項
7〜10のいずれか一項に記載の発明において、前記制
御手段は、前記停止維持解除条件が成立すると、変速機
が備える前進クラッチ及び後進クラッチのうちシフト側
クラッチを一気に完全係合させるとともに一定時間完全
係合させた後にトラクション制御に移ることを要旨とす
る。
【0032】この発明によれば、急勾配な登坂の坂道発
進においても発進のタイムラグを防げ、しかも発進した
後は、駆動輪のスリップはトラクション制御により直ぐ
に抑えられる。例えば駆動輪のタイヤ磨耗を防ぐことが
可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化したフォークリフトにおける坂路停止維持装置に
ついて図1〜図9に従って説明する。この坂路停止維持
装置はフォークリフトの坂道発進を支援する装置であ
る。
【0034】図3は、フォークリフトの側面図である。
産業車両としてのフォークリフト1は、前側に車輪とし
ての駆動輪2、後側に従動輪3を有する前輪駆動式の4
輪車である。フォークリフト1は車体4の前部にマスト
装置5を備え、リフトシリンダ6が駆動されてインナマ
スト7がアウタマスト8に対して昇降することによって
フォーク9が上下方向に移動する。マスト装置5にはテ
ィルトシリンダ10が配設され、このティルトシリンダ
10が駆動されることでマスト装置5が前後に傾動す
る。
【0035】運転室11の前部にはインストルメントパ
ネル12が配設され、このパネル12にハンドル13、
リフトレバー14、ティルトレバー15、シフト操作手
段としてのシフトレバー(前後進レバー)16が配設さ
れている。そして、リフトレバー14が操作されると、
リフトシリンダ6が駆動されてフォーク9の高さが調節
され、ティルトレバー15が操作されると、ティルトシ
リンダ10が駆動されてフォーク9の角度が調整され
る。シフトレバー16は、フォークリフト1を前進また
は後進させるときに切換え操作される。また運転室11
には駐車レバー17が設けられている。この駐車レバー
17はワイヤを介して駐車用のドラムブレーキ装置(図
示せず)と機械的に作動連結されており、駐車レバー1
7の操作によって駐車ブレーキの作動・作動解除が可能
となっている。また運転室11の床面側には、アクセル
操作手段としてのアクセルペダル18と、インチング操
作手段としてのインチングペダル19と、制動操作手段
としてのブレーキペダル20が設けられている。
【0036】車体4には駆動輪2の駆動源となるエンジ
ン21と、トルクコンバータ22を有する変速機23と
が装備され、エンジン21からの出力が変速機23を介
して駆動輪2に伝達される。車体4には制御手段を構成
するコントローラ24が内蔵され、このコントローラ2
4は後述する各種センサから検出される検出値に基づき
エンジン21および変速機23などを制御する。また、
駆動輪2には常用ブレーキの補助として使用されるドラ
ムブレーキ装置25が装備されている。
【0037】図1は、フォークリフトの概略構成図であ
る。エンジン21の出力軸21aは、トルクコンバータ
22を介して変速機23に連結されている。エンジン2
1には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出
手段としてのエンジン回転数センサ26が設けられてい
る。エンジン21にはスロットルアクチュエータ27が
配設され、スロットルアクチュエータ27の作動によっ
てスロットル開度が調節されて、エンジン回転数(つま
り出力軸21aの回転数)が調節される。エンジン21
には、同エンジン21により駆動される油圧ポンプ28
が接続され、この油圧ポンプ28の吐出側には図示しな
い管路を介してリフトシリンダ6およびティルトシリン
ダ10が接続されている。
【0038】変速機23は入力軸(メインシャフト)2
3aおよび出力軸(カウンタシャフト)23bを備え、
入力軸23aに前進クラッチ30および後進クラッチ3
1が配設されている。これらクラッチ30,31は油圧
式クラッチ(例えば湿式多板クラッチ)が用いられ、受
圧室30a,31a内の油圧が制御弁としての前進クラ
ッチバルブ32および後進クラッチバルブ(共に電磁比
例式圧力制御弁(例えばリニアソレノイド弁))33に
より調節され、受圧室30a,31a内の油圧力を高め
たときにクラッチ30,31のクラッチ圧が強まるよう
になっている。出力軸23bには、前進用ギヤ列34と
後進用ギヤ列35が配設され、これらギヤ列34,35
を介して入力軸23aの回転が出力軸23bに伝達され
る。本実施形態では、前進クラッチ30および後進クラ
ッチ31により、クラッチ式の制動手段が構成される。
【0039】変速機23の出力軸23bには差動装置3
6を介して車軸37が連結され、この車軸37の両側に
駆動輪2が配設されている。そして、エンジン21から
の出力が変速機23の出力軸23bを介して車軸37に
伝達され、出力軸23bの回転方向に応じた方向に駆動
輪2が駆動される。車体4には、フォークリフト1の車
速を検出する車速検出手段及び停止検出手段としての車
速センサ38が各駆動輪2ごとに配設されている。この
2つの車速センサ38は各駆動輪2の回転数をそれぞれ
検出し、その回転数に応じた検出信号(パルス信号)を
出力する。また、駆動輪2ごとに配設された油圧式のド
ラムブレーキ装置25は、ブレーキペダル20と作動連
結されたマスタシリンダ37と油圧配管を介して接続さ
れ、ブレーキペダル20の踏力に応じたブレーキ力を発
生するように駆動される。
【0040】またフォークリフト1には、各レバー1
4,15の操作量を検出するレバーセンサ41,42、
シフトレバー16が前進位置F、後進位置R、中立位置
(ニュートラル位置)Nのいずれのシフト位置にあるか
を検知するシフトスイッチ43、フォーク9の積載荷重
を検出する荷重センサ44が配設されている。荷重セン
サ44はリフトシリンダ6の内部の油圧を検出する圧力
センサからなる。
【0041】また、アクセルペダル18の踏込み量を検
出するアクセルセンサ45、インチングペダル19の操
作量(踏込み量)を検出するインチングセンサ46が配
設されている。さらにブレーキペダル20の操作を検知
する制動操作検出手段としてのブレーキスイッチ47
と、マスタシリンダ37の内部油圧を検出することによ
りブレーキペダル20の操作力(踏力)を検出する制動
操作力検出手及び坂路検出手段としてのブレーキ油圧セ
ンサ48が配設されている。なお、アクセルセンサ45
およびインチングセンサ46は、例えばポテンショメー
タからなる。
【0042】コントローラ24には、その入力側に各種
センサ41,42,44,45,46,48およびスイ
ッチ43,47が電気的に接続され、出力側にスロット
ルアクチュエータ27、前進クラッチバルブ32および
後進クラッチバルブ33などが接続されている。そし
て、コントローラ24はこれらセンサやスイッチからの
検出値(検出信号)に基づき、エンジン21、変速機2
3、リフトシリンダ6、ティルトシリンダ10などを駆
動して、フォークリフト1の走行制御や荷役制御を行
う。
【0043】コントローラ24には、CPU51、RO
M52、RAM53、入力インターフェイス(入力I/
F)54および出力インターフェイス(出力I/F)5
5が内蔵されている。ROM52には所定の制御プログ
ラムおよび制御プログラムを実行する際に必要な各種デ
ータ等が記憶され、RAM53にはCPU51の演算結
果が一時記憶される。また、ROM52には、ブレーキ
力を付与するためにクラッチバルブ32,33を制御す
るときに使用する図4に示すマップMが記憶されてい
る。CPU51は、センサ26,36,45,46,4
8から出力される検出信号に基づきブレーキの必要性を
判断し、ROM52に記憶されたマップMを参照して得
られたクラッチ圧Pfrが得られるように各クラッチバル
ブ32,33を電流値制御する。マップMは、ブレーキ
ペダル20が操作されたときにその踏力に応じたブレー
キ力を得るときに参照されるとともに、後述する坂路停
止維持制御のためのブレーキ力を得るときにも参照され
る。なお、インチングペダル19の操作量に応じたクラ
ッチ圧を決めるためのマップは別途用意されている。
【0044】前記各センサ26,38及び各スイッチ4
3,47は、入力インタフェース54を介してCPU5
1に接続されている。各センサ41,42,44,4
5,46,48は図示しないA/D変換器(アナログ・
ディジタル変換器)及び入力インタフェース54を介し
てCPU51に接続されている。CPU51は出力イン
タフェース55及び図示しない駆動回路を介してスロッ
トルアクチュエータ27、前進クラッチバルブ32およ
び後進クラッチバルブ33にそれぞれ接続されている。
CPU51は各センサ26,38,41,42,44,
45,46,48及び各スイッチ43,47の出力信号
を入力するとともに、ROM52に記憶された各種制御
プログラムに従って動作し、スロットルアクチュエータ
27及び各クラッチバルブ32,33に対し制御指令信
号を出力する。
【0045】CPU51は、シフトスイッチ43からの
入力信号に基づきクラッチバルブ32,33を電流値制
御し、前進クラッチ30と後進クラッチ31をシフトレ
バー16の操作位置に応じて接続または切断する制御を
行う。すなわち、シフトレバー16が中立位置にあると
きには、前進クラッチ30および後進クラッチ31を共
に切断するようにクラッチバルブ32,33を制御し、
シフトレバー16が前進位置にあるときには、前進クラ
ッチ30のみを接続するようにクラッチバルブ32,3
3を制御し、シフトレバー16が後進位置にあるときに
は、後進クラッチ31のみを接続するようにクラッチバ
ルブ32,33を制御する。よって、車両前進時に前進
クラッチ30が係合され、車両後進時に後進クラッチ3
1が係合される。
【0046】図2は、インチングペダルとブレーキペダ
ルの作動連結構造およびブレーキペダル操作によってド
ラムブレーキ装置が作動する構成を説明する概略構成図
である。インチングペダル19およびブレーキペダル2
0は、機械的に連動するように構成されている。つま
り、インチングペダル19は踏込量の浅いインチング領
域においてはブレーキペダル20と連動しないが、イン
チング領域を過ぎて踏込量の深いブレーキ領域になると
当接部材19aが規制部材20aに当ることで、インチ
ングペダル19の操作に連動してブレーキペダル20が
一緒に操作される。ブレーキペダル20と作動連結され
たマスタシリンダ37は油圧管路57を介してドラムブ
レーキ装置25のホイールシリンダ58と接続されてい
る。ブレーキ油圧センサ48は管路57の途中に配設さ
れ、この管路57内の油圧を検出することでブレーキ踏
力を検出する。
【0047】インチングペダル19は、荷役作業を行い
ながらフォークリフト1の微速走行を行う際に、クラッ
チ30,31を半接続状態(半クラッチ状態)にするた
めに使用される。インチングペダル19が操作されると
インチングセンサ46の検出値に基づいてコントローラ
24(CPU51)はクラッチバルブ32,33を制御
し、シフト側クラッチがインチングペダル19の操作量
に応じてその操作量が多くなるほどクラッチ圧が弱くな
るように半クラッチに制御する。このため、インチング
ペダル19を踏み込んでインチング領域にあるときは、
シフト側クラッチ30(31)がインチング操作量に応
じて半クラッチとなり、さらに踏み込んでブレーキ領域
になるとシフト側クラッチ30(31)が切断されると
ともにこれと連動操作されるブレーキペダル20の踏力
に応じたブレーキ力が付与される。
【0048】本実施形態では、クラッチ式の制動手段と
して、前進クラッチ30および後進クラッチ31を使用
する。すなわち、ブレーキ力の発生原理は、前進クラッ
チ30および後進クラッチ31を等しいクラッチ係合圧
(FR同時係合クラッチ圧)Pfrで同時係合させること
による。このFRクラッチ同時係合ブレーキは、ブレー
キ操作による常用ブレーキとして使用されるとともに、
坂路停止維持制御のためのブレーキ力を得るためにも使
用される。ROM52に記憶された図4のマップMは、
ブレーキ圧力センサ48の検出値から得られるブレーキ
踏力に応じたブレーキクラッチ圧(FR同時係合クラッ
チ圧)Pfrを求めるために使用されるものである。そし
てマップMを参照して得られたブレーキクラッチ圧Pfr
に対応する指令電流値をクラッチバルブ32,33のソ
レノイドに通電することによりクラッチ30,31のク
ラッチ係合圧が制御される。本実施形態では、坂路停止
維持制御のために使用されるブレーキクラッチ圧Pfr
は、クラッチ30,31が完全係合されるときの値(主
圧)Pfullを採用するように設定されている。また、ブ
レーキクラッチ圧Pfrと電流値の関係は、電流値が
「0」のときにクラッチが切断され、最大電流値のとき
に完全係合圧Pfullとなるように設定されている。これ
は故障などで車両を牽引するときに前後進クラッチ3
0,31の同時係合ブレーキが掛からない状態とするた
めである。もちろん、電流値「0」のときにクラッチ3
0,31が完全係合する設定としてもよい。
【0049】このように前進クラッチ30と後進クラッ
チ31は共に図4のマップMを参照して得られる値の同
圧値のクラッチ圧Pfrに制御される。前進クラッチ30
と後進クラッチ31の同時係合方式を採用するのは、シ
フト側クラッチを切り離してシフト反対側クラッチの係
合のみで制動力を得ようとすると、スイッチバックと同
じ現象となって、トルクコンバータ22の内部滑りによ
る制動力の損失が発生するからである。前進クラッチ3
0と後進クラッチ31の係合圧を同圧値とするのは、ト
ルクコンバータ22の内部滑りによる制動力の損失を極
力抑制でき、しかも前後進クラッチ30,31の正逆両
回転力が均衡することにより車速「0」に減速した後に
停止状態を維持できるからである。このため、坂路停止
維持制御においても、前進クラッチ30と後進クラッチ
31の同時係合ブレーキを採用する。
【0050】この実施形態では、ブレーキペダル20の
踏力に応じたブレーキ力を得るための常用ブレーキにつ
いては、前後進クラッチ30,31の同時係合ブレーキ
を主ブレーキとし、必要なブレーキ力の残りの一部をド
ラムブレーキ装置25が担う。図5に示すように、ブレ
ーキ踏力に応じた制動力Fbの主割合(例えば7割)を
主ブレーキであるクラッチ式ブレーキ30,31が担い
(同図中のCB領域)、制動力Fbの残りの割合(例え
ば3割)をドラムブレーキ装置25が担う(同図中のS
B領域)。ドラムブレーキ装置25を設ける主な理由
は、駆動輪2からその動力伝達経路上の上流側に離れて
位置する変速機23の内部で制動を掛ける構成だけであ
ると、フォークリフト1の停止時に変速機23と差動装
置34間の出力軸(プロペラシャフト)等の動力伝達軸
が一旦捻じれ、その捻じれ復元実時に駆動輪2が若干逆
転することで車体に揺れ戻し現象が発生する可能性があ
る。このため、この種の揺れ戻し現象を防ぐためにドラ
ムブレーキ装置25により駆動輪2を直接止める構成を
併用することで、フォークリフト1の停止時の車体4の
揺れ戻しを効果的に防止できるようにしている。
【0051】ROM52に記憶された各プログラムはエ
ンジン運転中(スタータキーオン中)に所定時間(例え
ば10〜50msec. )間隔で実行される。プログラムの
中に図6,図7に示す坂道発進支援制御ルーチン(アン
チロールバック制御ルーチン)が用意されている。
【0052】次に、坂道発進支援制御ルーチンのプログ
ラム内容について説明する。このプログラムは、図6に
示す坂路停止維持開始制御ルーチンと、図7に示す坂路
停止維持解除制御ルーチンとを備える。すなわち、坂路
でブレーキ操作をして停止したときには、図6のルーチ
ンの実行によって前後進クラッチ30,31の同時係合
によるブレーキが自動的にかかってフォークリフト1が
坂路で停止維持される。そして、この坂路停止維持状態
でアクセル操作をすれば、図7のルーチンの実行によっ
て、フォークリフト1のロールバックすることのない坂
路発進を支援する。
【0053】まずステップ(以下単にSと記す)11に
おいては、(1-1) ブレーキペダル20の踏力Pbrk が所
定踏力Pbrko以上で、かつ(1-2) 車速Vが停止車速Vst
op(例えば1km/h)未満で、かつ(1-3) エンジン回転数
NEが設定回転数NEo 未満であるか否かを判断する。
この3条件が全て成立すれば、停止維持開始条件が成立
したとしてS12に進む。一方、停止維持開始条件が不
成立のときは、S15でカウンタをリセットして当該ル
ーチンを終了する。
【0054】ここで、ブレーキ踏力Pbrk が所定踏力P
brko以上であることを見ることにしているのは、平坦路
と坂路を区別して坂路のときのみ停止維持モードに入る
ようにするためである。これは、坂路であれば停止する
ときに踏むブレーキペダル20の踏力が強いはずだから
である。つまりブレーキ踏力をみることで間接的に坂路
であることを検出するようにしている。そして、この所
定踏力Pbrkoは、想定する坂路の斜度θのうち最低斜度
(例えば3〜6度内の値)の坂路で車両を停止維持させ
るために必要なブレーキ踏力から導き出された値に設定
されている。トルコン車では平坦路で微速走行するとき
にクリープ走行することが通常行われるが、例えば平坦
路でクリープ走行するときに停止するために踏まれるブ
レーキペダル20の踏力は弱いはずなので、その踏力P
brk は所定踏力Pbrko未満に収まる。よって、クリープ
走行しているときにブレーキペダル20を踏んで停止し
た後、そのブレーキペダル20の操作を解除すればその
ままクリープ走行を再開でき、クリープ走行時にブレー
キ操作で停止する度にいちいちアクセルペダル18を踏
まなければならない不都合を解消させている。このよう
に平坦路でのクリープ走行に支障がないようにするた
め、前記所定踏力Pbrkoは、平坦路のクリープ走行時に
ブレーキ操作される操作力(踏力)を考慮して設定され
ている。
【0055】また、エンジン回転数NEが設定回転数N
Eo未満であることを条件としているのは、エンジン回
転数はフライホイールの慣性によってその減速が遅く、
車速が停止車速未満になってもエンジン回転数がアイド
ル回転数よりもかなり高い場合があり、この状態で前後
進クラッチ30,31を同時係合させると比較的ショッ
クが大きいからである。設定回転数NEoは、この種の
ショックを小さく抑えられるように、例えばアイドル回
転数(例えば700〜800回転/分)よりも少し高めの値
(例えば900〜1100回転/分)に設定されている。な
お、フォークリフト1の最大エンジン回転数は例えば23
00〜2800回転/分の範囲内の値である。
【0056】S12では、カウンタをインクリメントす
る。S13では、一定時間T経過したか否かを判断す
る。停止維持開始条件の成立が一定時間T継続したとき
はS14に進む。一方、一定時間T経過する前であると
きには、当該ルーチンを終了する。なお、この一定時間
Tは、本実施形態では例えば0.2〜0.5秒の範囲内
の値に設定されている。
【0057】S14では、前進クラッチ30と後進クラ
ッチ31を同時係合させる。すなわち、両クラッチバル
ブ32,33に完全係合圧に相当する電流値を通電す
る。そして、この完全係合圧に相当する電流値の通電は
維持される。この同時係合ブレーキの作動中は停止維持
フラグに「1」が立つ。このとき、両クラッチ30,3
1が同じクラッチ圧Pfrで同時係合することにより、車
速「0」となったときに前進回転力と後進回転力が均衡
するので、フォークリフト1が車速「0」の停止状態に
維持される。
【0058】図7のルーチンはこの同時係合ブレーキの
作動中(停止維持フラグ「1」)において実行される。
S21では、(2-1) シフト位置が前進または後進(F/
R)で、かつ(2-2) アクセルペダル18が操作され(ア
クセルセンサ45の検出値が操作状態の値をとる操作オ
ン)、かつ(2-3) インチングペダル19が操作されてい
ない(インチングセンサ46の検出値が非操作状態の値
をとる操作オフ)か否かを判断する。この3条件が全て
成立すれば、第1の坂路停止維持解除条件が成立したと
してS23に進む。一方、この第1の坂路停止維持解除
条件が不成立のときはS22に進む。
【0059】S22では、(2-1) シフト位置が前進また
は後進(F/R)で、かつ(2-2) アクセルペダル18が
操作され、かつ(2-4) インチングペダル19の操作量I
が所定のブレーキ力がかかる所定操作量Ibrk 以上であ
るか否かを判断する。この3条件が全て成立すれば、第
2の坂路停止維持解除条件が成立したとしてS23に進
む。一方、この第2の坂路停止維持解除条件が不成立の
ときは当該ルーチンを終了する。
【0060】ここで、本実施形態では、停止維持モード
が解除されると、インチングペダル19の操作に基づく
前後進クラッチ30,31の制御が直ぐに開始される。
このため、インチングペダル19の操作状態を解除条件
の1つに入れないとすると、停止維持モード中にインチ
ングペダル19が例えば半クラッチの操作量に操作され
ていて、この状態でシフトレバー16が前進または後進
位置に操作され、かつアクセルペダル18が操作されて
停止維持のブレーキが解除されると、これとほぼ同時に
シフト側クラッチ30(31)が半クラッチとされる。
このため、停止維持モードの解除とともに車両のロール
バックが起こり得る。このため、シフト側クラッチ30
(31)が完全係合された状態にあるか、シフト側クラ
ッチ30(31)が切断されてもブレーキペダル20が
連動操作されることによって坂路で停止維持可能なブレ
ーキ力がかかる状態にあるときに限り、停止維持モード
を解除するようにしている。インチング操作量Ibrk
は、坂路において停止維持のためのFRクラッチ同時係
合ブレーキを解除しても、その坂路で車両を停止維持可
能なだけのブレーキ力が得られる値に設定されている。
【0061】なお、坂路停止維持解除条件としてエンジ
ン回転数も見ることとし、エンジン回転数NEが、想定
する斜度でロールバックしないように設定された所定値
以上になったことをもって、はじめて坂路停止維持解除
条件の成立とみなすこととしてもよい。この条件とすれ
ば、坂路発進時のロールバックを一層効果的に防ぎ易く
なる。但し、この実施形態において、坂路でロールバッ
クしないだけの推進力が得られるように、アクセルペダ
ル18の操作量またはエンジン回転数が所定値以上であ
ることを解除条件の1つに入れていないのは次の理由に
よる。すなわち、この実施形態では、ブレーキペダル2
0の操作力(踏力)が強ければ、登り坂と下り坂を区別
することなく停止維持モードに入るため、下り坂の場合
はアクセルペダル18を軽く踏むだけで停止維持モード
が解除される必要があるからである。
【0062】S23では、シフト位置が前進位置であれ
ば、後進クラッチ圧「0」とし、シフト位置が後進位置
であれば、前進クラッチ圧「0」とする。従って、同時
係合状態にある前進クラッチ30と後進クラッチ31の
うちシフト反対側のクラッチをそのクラッチ圧を抜くこ
とにより切り離す。
【0063】よって、例えば図8に示すような坂路57
を走行する途中で停止するため、運転者がブレーキペダ
ル20を踏むときには、その斜度θでもロールバックし
ないだけの強さでブレーキペダル20を踏む。このた
め、ブレーキペダル20の踏力は所定踏力Pbrk以上と
なる。そして、所定踏力Pbrk以上の踏力でブレーキペ
ダル20が踏まれたまま、フォークリフト1が減速して
車速Vが停止車速Vstop未満となり、かつエンジン回転
数NEが設定回転数NEo未満に低下すれば、停止維持
開始条件が成立し、図9のグラフに示すように前後進ク
ラッチ30,31が完全係合圧Pfullで同時係合され
る。その結果、フォークリフト1はショックなく停止す
るとともに、前後進クラッチ30,31の完全係合圧P
fullが保持されるため、その坂路でフォークリフト1は
停止状態に維持される。この停止維持開始条件ではシフ
トレバー16の位置はみていないので、どのシフト位置
にあってもFRクラッチ同時係合ブレーキがかかる。例
えば車両停止前にシフトレバー16を前進または後進位
置から中立位置に切り換えても、その操作に関係なくフ
ォークリフト1は停止維持される。
【0064】次に坂路で停止維持されたフォークリフト
1を発進する坂道発進のときは、運転者はシフトレバー
16を進行方向(例えば前進位置)に切り換え、アクセ
ルペダル18を踏む。この際、インチングペダル19が
操作されていないか、インチングペダル19が操作され
ていてもそのインチング操作量Iが所定操作量Ibrk以
上であって所定値以上のブレーキ力がかかる状態であれ
ば、停止維持解除条件が成立する。そして、この解除条
件成立によって、図9のグラフに示すようにシフト反対
側クラッチ(例えば後進クラッチ31)のクラッチ圧が
完全係合圧Pfullから一気に「0」に抜かれる。この結
果、シフト側クラッチ(例えば前進クラッチ30)が一
気に完全係合された状態で発進する。この結果、坂道発
進時に車体が動き出すまでのタイムラグを運転者は感じ
ない。
【0065】坂道発進時に車体が動き出すまでのタイム
ラグを感じさせないように一気に完全係合させるが、一
定時間t経過してある程度の速度がでた後は駆動輪2が
スリップしてタイヤ磨耗することを防ぐためにトラクシ
ョン制御に入ることにしている。これは、登坂発進時は
アクセルペダル18を強めに操作するため駆動輪2が空
転(スリップ)し易いためである。登坂発進時は発進の
タイムラグを防ぐためにシフト側クラッチを一気に完全
係合(すなわちシフト反対側クラッチを一気に切り離
し)させるが、タイムラグを体感せず発進できた後は、
クラッチ圧を駆動輪2が空転しない程度の値に抑える制
御をする。図9のグラフで示すように、停止維持解除条
件成立時にシフト側クラッチ圧(この例では前進クラッ
チ30)を一気に完全係合圧(すなわち反シフト側クラ
ッチを一気に切り離し)の状態とし、その完全係合圧P
fullを一定時間t(例えば0.3〜1秒)だけ維持した
後、トラクション制御に入る。トラクション制御では、
駆動輪2のスリップを検出すると、クラッチ圧を一瞬
(例えば0.1〜0.5秒)抜き、次にクラッチを接続
するときはそのクラッチ圧を前回の値よりも所定割合だ
け小さな値とし、スリップを検出しなくなるまで、この
制御を繰り返す。
【0066】駆動輪2のスリップの検出方法としては、
駆動輪2の回転速度を検出する車速センサ38の他に、
従動輪(後輪)3の回転速度を検出する車速センサ(図
示せず)を設ける。そして両センサの検出値を基に駆動
輪車速Vdと従動輪車速Vfを求め、これらの値から例え
ばスリップ率(=(Vd−Vf)/Vf)を算出し、この
値が閾値を超えたときにスリップが発生していると判定
する。あるいは車速センサ38の検出値を基に駆動輪2
の回転加速度を算出し、この回転加速度が通常の加速で
は起こり得ない所定の閾値を超えるときをスリップと判
定する。このような発進制御方法を採用すれば、急勾配
な登坂の坂道発進時においても発進のタイムラグを防
げ、しかも駆動輪2のスリップは直ぐに抑えられてタイ
ヤ磨耗を防ぐことができる。
【0067】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1)トルコン車の変速機に備わった前進クラッチ30
および後進クラッチ31の同時係合を利用して停止維持
に必要なブレーキ力を得る方式なので、電気制御可能な
駐車ブレーキユニットを追加する必要がなく、フォーク
リフト1を坂路で停止維持させることができる。よっ
て、坂路発進の支援が可能となる。
【0068】(2)インチングペダル19またはブレー
キペダル20を操作したときのブレーキ踏力が所定値以
上であったときに停止維持モードに入るよう開始条件を
設定しているので、平坦路と坂路とを区別し、坂路のと
きのみ停止維持状態に移行できる。例えば常用ブレーキ
をドラムブレーキ装置25だけとした場合、平坦路でブ
レーキ操作をして停車しても、常用ブレーキ以外の停止
維持用の前後進クラッチ同時係合ブレーキは一時的でも
掛かることがないので、停止維持が不要な平坦路で停止
維持用ブレーキが掛かる無駄を低減できる。よって、坂
路発進支援の目的で停止維持制御を採用する場合に効率
のよい制御ができ、平坦路で頻繁に停止維持用ブレーキ
が掛かることを防ぐことができる。
【0069】またクラッチバルブ32,33の駆動頻度
を相対的に減らせ、これらの部品の寿命を相対的に延ば
すことができる。また、クリープ走行を目的とする弱め
の踏力でブレーキ操作をしたときには停止維持用ブレー
キが掛からないので、ブレーキ操作を解除すればそのま
まクリープ走行に移行できる。
【0070】(3)エンジン回転数NEが所定値NEo
以下であることを停止維持開始条件に入れたので、エン
ジン回転数NEがアイドル回転数に比べ比較的高回転域
にあるときに前後進クラッチ30,31の同時係合ブレ
ーキが掛かることによるショックを防ぐことができる。
【0071】(4)解除条件として、シフトレバー16
が前進位置または後進位置にあり、かつアクセルペダル
18が操作され、かつインチングペダル19が操作され
ていないか、操作されているときにはその操作量が所定
値以上のブレーキ力がかかる状態に深く操作されている
ことを適用した。従って、インチングペダル19を操作
して例えば半クラッチ状態にあるときや、弱いブレーキ
力しかかかっていない状態では停止維持モードが解除さ
れず、坂道発進時に半クラッチや弱いブレーキ力である
ことが原因でロールバックする事態を回避することがで
きる。
【0072】(5)坂道発進時は、シフト側クラッチを
一気に完全係合させ、完全係合状態を一定時間t維持し
た後にトラクション制御に入る。このため、急勾配な登
坂の坂道発進においても発進のタイムラグを防げ、しか
も駆動輪2のスリップは直ぐに抑えられてタイヤ磨耗を
防ぐことができる。 (6)前後進クラッチ30,31の同じクラッチ圧Pfr
での同時係合なので、前後進クラッチ30,31の同時
係合時における正逆両回転力が均衡し、フォークリフト
1を車速「0」の停止状態に保持することができる。
【0073】(7)ブレーキペダル20が踏み込まれた
ときに作動させる常用ブレーキとして前後進クラッチ3
0,31を利用しているので、制動使用頻度の割には制
動装置のメンテナス頻度を相対的に少なく済ませられ
る。特に湿式クラッチであるためクラッチの冷却効果が
高く、制動による発熱が抑制されてクラッチ30,31
の摩耗速度が抑制されて耐久性に優れるので、メンテナ
ンス頻度の低減効果が高い。例えばクラッチ材質の選択
等によってはメンテナスフリーをも実現できる。また、
従来使用していたドラムブレーキ等を廃止することがで
きる。
【0074】(第2の実施形態)次に第2の実施形態を
説明する。本実施形態では、クラッチ式の駐車ブレーキ
を使用する。なお、前記第1の実施形態と同様の構成に
ついては同じ符号を使用してその説明を省略し、特に異
なる点についてのみ説明する。
【0075】図10に示すように、フォークリフト1に
装備された変速機23の出力軸23bには、クラッチ式
制動手段としての駐車ブレーキ(駐車ブレーキクラッ
チ)61が設けられている。駐車ブレーキクラッチバル
ブ62は、ソレノイドへの通電量に応じた油圧を出力す
る電磁比例式圧力制御弁で構成されている。このため、
駐車ブレーキクラッチ61のクラッチ係合圧を連続変化
させる制御が可能となっている。駐車ブレーキクラッチ
バルブ62を介して受圧室61aに供給される油圧によ
り、バネ(図示せず)の付勢力による制動状態が解除さ
れるようになっている。なお、駐車ブレーキクラッチバ
ルブ62およびコントローラ24により制御手段が構成
される。
【0076】駐車ブレーキクラッチ61は、駐車ブレー
キクラッチバルブ62のソレノイドに電流が流れている
ときにクラッチが切れ、電流が流れなくなるとクラッチ
が接続されるように構成されている。つまり運転者がキ
ーオフしたときに駐車ブレーキがかかるようになってい
る。
【0077】ROM52には、図6,図7に示す坂道発
進支援制御ルーチンが記憶されている。上記ルーチンの
プログラムはCPU51により実行される。坂道発進支
援制御ルーチンは、前記第1実施形態と基本的に同じ
で、前記第1実施形態では前後進クラッチ30,31の
同時係合方式のブレーキを採用したのに対し、この実施
形態では駐車ブレーキクラッチ61を使用していること
が変更されるだけである。停止維持開始条件は、ブレー
キペダル20の踏力が所定踏力以上になったことを条件
の1つとする。
【0078】従って、駐車ブレーキ61を使用して坂道
発進支援制御をした場合においても、坂路において停止
する目的でブレーキペダル20を踏めば、その踏力Pbr
kが所定踏力Pbrko以上となり、さらに車速条件(V<
Vstop)、エンジン回転数条件(NE<NEo)を満た
せば停止維持開始条件が成立する。すると、コントロー
ラ24は駐車ブレーキクラッチバルブ62の通電を切
り、その結果、駐車ブレーキクラッチ61が完全係合し
てブレーキが掛かる。従って、坂路においてフォークリ
フト1は確実に停止維持される。一方、平坦路でクリー
プ走行しているときにブレーキペダル20を踏んだとき
にはその踏力が比較的弱いため、停止維持モードに入る
ことがなるべく回避される。そして平坦路では意識的に
ブレーキペダル20を強く踏むと、駐車ブレーキクラッ
チ61が完全係合されて駐車ブレーキがかかるようにな
っている。この場合、そのままキーオフすれば駐車ブレ
ーキが掛かったままとなる。
【0079】駐車ブレーキクラッチ61はシフトレバー
16を前進位置または後進位置に入れ、アクセルペダル
18を操作すると解除されるようになっている。但し、
インチングペダル19を操作しているときは、インチン
グ操作量Iが所定操作量Ibrk以上であって坂路で停止
維持可能なだけのブレーキ力が確保される状態にあると
きに限って、駐車ブレーキクラッチ61は解除される。
このため、駐車ブレーキクラッチ61によるブレーキが
掛かった状態で、坂道発進するときにロールバックの心
配がなくなる。
【0080】この実施形態によれば、その他、第1の実
施形態で述べた(1)〜(6)の効果が同様に得られ
る。なお、実施の形態は上記に限定されず、以下の態様
でも実施できる。
【0081】○ 停止維持モードに入る斜度の設定、つ
まりブレーキ踏力の設定値を調整できる調整用スイッチ
を設けることもできる。この構成によれば、停止維持モ
ードに入るときの坂道の斜度の設定を調整スイッチを操
作することで運転者のブレーキ操作フィーリングに合わ
せて運転者自ら、あるいはメンテナンス時に調整変更で
きる。
【0082】○ 坂道検出センサ(勾配センサ)を設
け、一定斜度以上の坂道であることを検出したときに
は、ブレーキペダル20の操作を検知(ブレーキスイッ
チオン)したときに停止維持モードに入る構成としても
よい。坂道であることを検出できるその他のセンサとブ
レーキスイッチとの組み合わせにより、同様に停止維持
モードに入る制御を行ってもよい。
【0083】○ 停止維持開始条件は、前記各実施形態
の条件に限定されない。エンジン回転数を考慮しない構
成としてもよい。停止維持開始条件成立時に前後進クラ
ッチ30,31を一気に完全係合させるのではなく、例
えば停止維持開始条件の成立時に、そのときのブレーキ
踏力が停止維持のためのブレーキ力相当の踏力に至って
いないときには、コントローラ24は、停止維持ブレー
キ力(完全係合ブレーキ力)に至るまで半クラッチ状態
を伴って徐々に前後進クラッチ30,31を同時完全係
合させるように制御する。この際、シフト位置が前進ま
たは後進位置にあれば、そのシフト側クラッチは完全係
合状態にあるので、この場合はシフト反対側のクラッチ
のみを半クラッチとする方法でもよい。また、駐車ブレ
ーキクラッチ61を使用する場合は、半クラッチを伴っ
て徐々にブレーキ係合圧を上昇させる。この構成によれ
ば、エンジン回転数を考慮しない停止維持開始条件を設
定しても、停止維持用ブレーキがかかったときのショッ
クを小さく抑制できる。
【0084】○ 制動操作力検出手段は、油圧を連続的
に検出可能なブレーキ油圧センサ48に限定されない。
ブレーキペダル20の操作力(踏力)が、想定する最低
斜度で操作されると予測される操作力以上の操作力を検
知可能であればよく、例えばマスタシリンダ37の油圧
が所定値以上になるとオンする圧力スイッチであっても
よい。
【0085】○ 勾配センサを設け、車両が登り坂にあ
るか下り坂にあるかを勾配センサの検出値を基に判定
し、登り坂にあると判定されたときに限り、前後進クラ
ッチ30,31の同時係合ブレーキを掛ける構成とす
る。さらに、勾配センサの検出値を基に路面の斜度を判
定し、坂道発進の支援が必要な登り坂にあるときに限
り、前後進クラッチ30,31の同時係合ブレーキを掛
ける構成とする。
【0086】○ 停止維持解除条件の成立時の制御は、
前後進クラッチ30,31のうちシフト側クラッチを一
気に完全係合状態とする制御内容に限定されない。例え
ば半クラッチ状態を伴いながら完全係合状態に至るよう
な制御内容を採用することもできる。この制御内容とし
て、例えば図11に示すように、停止維持解除条件が成
立すると、シフト反対側クラッチ(この図では後進クラ
ッチ31)を一気にクラッチ係合圧「0」にして切断す
るとともに、シフト側クラッチ(この図では前進クラッ
チ30)を一旦半クラッチ係合圧とする。その後、シフ
ト側クラッチのクラッチ係合圧を所定勾配で上昇させて
徐々に完全係合圧に至らせる制御内容とする。また図1
2に示すように、停止維持解除条件が成立すると、シフ
ト反対側クラッチ(この図では後進クラッチ31)のク
ラッチ係合圧を所定速度勾配で減少させて徐々にクラッ
チ係合圧「0」に至らせる制御内容とする。これらの制
御内容を採用すれば、停止維持解除時のショックを防止
してスムーズに坂道発進をすることができる。さらに半
クラッチを伴うことになると発進時のタイムラグやロー
ルバックの心配があるため、特にエンジン回転数が高く
一気の完全係合させるとショック発生の心配があるとき
に限り、半クラッチを伴う制御とするとよい。すなわ
ち、停止維持解除条件にエンジン回転数NEが所定回転
数以上であることをまず条件に入れることとし、さらに
ロールバックが坂路の斜度や積載荷重によって影響を受
けることを考慮してこれらの要素を加味してクラッチ係
合圧の制御を行う。例えば勾配センサを設け、勾配セン
サの検出値を基に路面の斜度を検出し、エンジン回転数
NEがその検出された斜度に応じた設定値以上であると
きに停止維持用ブレーキの解除制御を開始する。また例
えば荷重センサ44の検出値を基に荷重を検出し、エン
ジン回転数NEがその検出された荷重に応じた設定値以
上であるときに停止維持用ブレーキの解除制御を開始す
る。
【0087】さらに勾配センサの検出値を基に路面の斜
度を検出し、斜度とエンジン回転数NEとを考慮して半
クラッチのクラッチ圧を制御する。また、荷重センサ4
4の検出値を基に荷重を検出し、荷重とエンジン回転数
NEとを考慮して半クラッチのクラッチ圧を制御する。
エンジン回転数NEがその検出された荷重に応じた設定
値以上であるときに停止維持用ブレーキの解除制御を開
始する。これらの構成によれば、坂道発進時のロールバ
ックを一層起き難くすることができる。但し、上記各制
御内容においてエンジン回転数を考慮する場合は、勾配
センサの検出値を基にシフトレバー16が坂路を登る方
向に操作されているか否かを判断し、登り坂発進となる
ときにはエンジン回転数をみて停止維持を解除し、下り
坂発進となるときにはエンジン回転数をみることなくシ
フト位置とアクセル操作検知のみを条件として停止維持
を解除する。なお、坂路を直接検出する勾配センサによ
り坂路検出手段が構成される。
【0088】○ 図6の坂路停止維持開始条件のみを採
用し、停止維持解除条件はアクセルスイッチオンのみと
してもよい。また、図7の坂路停止維持解除条件のみを
採用し、停止維持開始条件は車速条件(V<Vstop)と
ブレーキスイッチオンのみとしてもよい。
【0089】○ 前記第1の実施形態では、キーオフ
(電流値「0」)のときに前後進クラッチ30,31の
接続が切られる構成としているが、キーオフのときに前
後進クラッチ30,31が接続される構成で実施するこ
ともできる。この場合、前後進クラッチ30,31の同
時係合による駐車ブレーキ機能も得られる。
【0090】○ 坂路で停止維持させるために前後進ク
ラッチ30,31を同時係合するクラッチ係合圧は、前
進側と後進側で等しい設定に限定されない。坂路を下る
方向に働く重力を考慮してクラッチ係合圧が異なる値に
設定されていても構わない。要するに、坂路で停止維持
可能な設定となっていれば足りる。また、車速をフィー
ドバックして前後進クラッチ30,31のクラッチ係合
圧を坂路で停止(車速「0」)維持できるように制御す
るフィードバック制御を採用することもできる。
【0091】○ 前記実施形態において、ドラムブレー
キ装置25を廃止したり、ドラムブレーキ装置25を車
両の停止直前だけ作動させて車両停止時の揺れ戻し現象
のみを防止する目的で使用することもできる。
【0092】○ クラッチ式の制動手段として、前後進
クラッチ30,31および駐車ブレーキクラッチ61以
外のクラッチを採用することができる。要するに、車両
を停止維持させるブレーキ力が得られれば足りる。
【0093】○ クラッチ式の制動手段は、入力軸23
a上ではなく出力軸23b上に設けられていても構わな
い。要するにトルクコンバータ22と駆動輪2との間を
結ぶ駆動伝達軸上に設けられていれば足りる。もちろん
この駆動伝達軸とは、その軸にクラッチ式制動手段を設
けることにより、トルクコンバータから駆動輪への伝達
力に変化を及ぼし得る軸(軸部)であれば足りる。よっ
て、トルクコンバータから駆動輪への直接的な動力伝達
経路とはなっていないが、その軸の回転力に変化を与え
ることで駆動輪の回転に変化を及ぼし得る軸(軸部)で
あれば足りる。
【0094】○ クラッチ式の制動手段は、湿式クラッ
チに限定されない。乾式クラッチであってもよい。 ○ 停止維持制御装置を適用する産業車両はフォークリ
フトに限らず、例えばパワーショベル等に適用してもよ
い。
【0095】前記各実施形態及び別例から把握できる技
術的思想を、以下に記載する。 (1)請求項4の発明において、エンジンと作動連結さ
れるトルクコンバータと駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸
上に設けられた電気的に制御される油圧クラッチ式の制
動手段とは、エンジンの出力をトルクコンバータを介し
て出力軸に伝達する変速機の前進クラッチ及び後進クラ
ッチであり、前記制御手段は、前記前進クラッチ及び後
進クラッチを同時係合させる。
【0096】(2)請求項8の発明において、前記前記
トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸
上に設けられたクラッチ式の制動手段は、駐車ブレーキ
クラッチである。この構成によれば、駐車ブレーキクラ
ッチを利用して坂路で停止維持できるとともに、その解
除条件としてインチング操作手段の操作状態が考慮さ
れ、インチング操作がされていないか、所定以上のブレ
ーキ力が付与されるだけの操作量以上であるときに限
り、停止維持の制動手段のクラッチ係合圧が解除され
る。よって、停止維持状態から発進する坂道発進時にロ
ールバックが一層起き難くなる。
【0097】(3)請求項8の発明において、前記前記
トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸
上に設けられたクラッチ式の制動手段は、前記前進クラ
ッチ及び後進クラッチが兼ね、前記制御手段は、停止維
持可能なブレーキ力が得られるクラッチ係合圧で前記前
進クラッチ及び後進クラッチを同時係合させる制御を行
う。この構成によれば、前進クラッチ及び後進クラッチ
を利用して坂路で停止維持できるとともに、その解除条
件としてインチング操作手段の操作状態が考慮され、イ
ンチング操作がされていないか、インチング操作が所定
以上のブレーキ力が付与されるだけの操作量以上である
ときに限り、制動手段のクラッチ係合圧が解除される。
よって、停止維持状態から発進する坂道発進時にロール
バックが一層起き難くなる。
【0098】(4)請求項2、4〜7、9及び前記
(1),(3)の技術的思想のいずれかにおいて、前記
前進クラッチ及び後進クラッチを同時係合させるときの
各クラッチ係合圧は略同圧である。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜3、5〜
7及び9〜11に記載の発明によれば、制動操作が所定
の操作力以上であることを条件の1つとし、クラッチ式
の制動手段による停止維持用ブレーキを掛けて保持する
構成であることから、坂路で停止維持できるとともに、
平坦路では停止維持用ブレーキが掛かることをなるべく
減らすことができる。
【0100】請求項2、4〜7及び9〜11に記載の発
明によれば、前進クラッチ及び後進クラッチを同時係合
させてブレーキ力を発生させる構成であることから、ト
ルクコンバータを装備する変速機を利用して車両を坂路
で停止維持させる制御を実現することができる。例えば
電気制御対応型の駐車ブレーキユニットを追加する必要
がなくなる。
【0101】請求項8〜11に記載の発明によれば、イ
ンチング操作を停止維持解除条件に入れ、インチング操
作がなされていないか、インチング操作が所定以上のブ
レーキ力がかかる操作量以上に操作されているときに限
り、停止維持用ブレーキが解除されるので、インチング
操作された半クラッチのときに停止維持用ブレーキが解
除されることに起因するロールバックを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるフォークリフトの概
略構成図。
【図2】 ペダルとブレーキ装置の構成を示す模式図。
【図3】 フォークリフトの模式側面図。
【図4】 ブレーキ踏力とFR同時係合クラッチ圧との
関係を示すマップ図。
【図5】 主ブレーキと補助ブレーキの割合を示すグラ
フ。
【図6】 坂道発進支援制御ルーチンを示すフローチャ
ート。
【図7】 同じくフローチャート。
【図8】 坂路発進支援制御を説明する模式図。
【図9】 坂路発進制御を説明するグラフ。
【図10】 第2の実施形態におけるフォークリフトの
概略構成図。
【図11】 半クラッチの発進制御を説明するグラフ。
【図12】 半クラッチの発進制御を説明するグラフ。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…駆動輪、1
6…シフト操作手段としてのシフトレバー、18…アク
セル操作手段としてのアクセルペダル、19…制動操作
手段としてのインチングペダル、20…制動操作手段と
してのブレーキペダル、21…エンジン、22…トルク
コンバータ、23…変速機、23a…駆動伝達軸を構成
する出力軸、23b…駆動伝達軸を構成する出力軸、2
4…制御手段を構成するコントローラ、30…クラッチ
式の制動手段を構成する前進クラッチ、31…クラッチ
式の制動手段を構成する後進クラッチ、30a,31a
…受圧室、32…制御手段を構成するとともに制御弁と
しての前進クラッチバルブ、33…制御手段を構成する
とともに制御弁としての後進クラッチバルブ、38…車
速検出手段及び停止検出手段としての車速センサ、44
…荷重検出手段としての荷重センサ、45…アクセル操
作量検出手段としてのアクセルセンサ、48…操作力検
出手段及び坂路検出手段としてのブレーキ圧センサ、4
3…シフト操作位置検出手段としてのシフトスイッチ、
51…制御手段を構成するCPU、61…クラッチ式の
制動手段としての駐車ブレーキクラッチ、62…制御手
段を構成する駐車ブレーキクラッチバルブ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと作動連結されるトルクコンバ
    ータと駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸上に設けられた電
    気制御対応型のクラッチ式の制動手段と、 車両を停止するときの制動操作手段の操作力が路面の斜
    度に応じて異なることから、最低斜度の坂路で操作され
    るとして設定された所定操作力以上の制動操作力を検出
    する制動操作力検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記制動操作力検出手段によって所定操作力以上の制動
    操作力が検出され、かつ前記車速検出手段によって車速
    が車両の停止と認められる停止車速未満であることが検
    出された停止維持開始条件が成立すると、坂路で車両を
    停止維持させるためのブレーキ力を付与するよう前記ク
    ラッチ式制動手段を制御する制御手段とを備えている産
    業車両の坂路停止維持装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する前進クラッチ及び後進クラッチを
    備えた変速機を備え、 前記クラッチ式の制動手段は、前記前進クラッチ及び後
    進クラッチが兼ね、 前記制動操作力検出手段によって所定操作力以上の制動
    操作がなされていることを検出し、かつ前記車速検出手
    段によって車速が車両の停止と認められる停止車速未満
    であることを検出した停止維持開始条件が成立すると、
    前記前進クラッチ及び後進クラッチを、坂路で車両を停
    止維持可能なブレーキ力を付与し得る所定のクラッチ係
    合圧で同時係合させるとともに該同時係合状態に保持す
    る制御をする制御手段とを備えている請求項1に記載の
    産業車両の坂路停止維持装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ式の制動手段は駐車ブレー
    キクラッチである請求項1に記載の産業車両の停車維持
    装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する前進クラッチおよび後進クラッチ
    を備えた変速機と、 車輪を制動させるために操作される制動操作手段の操作
    を検出する制動操作検出手段と、 車両が坂路に位置することを直接または間接的に検出す
    る坂路検出手段と、 車両の停止と認められる停止車速未満の車速となったこ
    とを検出する停止検出手段と、 前記各検出手段によって、制動操作手段の制動操作がな
    されたことが検出され、かつ車両が坂路に位置すること
    が検出され、かつ停止車速未満の車速であることが検出
    された停止維持開始条件が成立すると、前記前進クラッ
    チ及び後進クラッチを、坂路で車両を停止維持可能なブ
    レーキ力を付与し得る所定のクラッチ係合圧で同時係合
    させるとともに該同時係合状態に保持する制御を行う制
    御手段とを備えた産業車両の坂路停車維持装置。
  5. 【請求項5】 エンジン回転数を検出するエンジン回転
    数検出手段を備え、 前記制御手段に設定された前記停止維持開始条件には、
    前記各条件に加え、前記エンジン回転数検出手段により
    エンジン回転数が所定回転数未満であると検出されたこ
    とが条件の1つに含まれ、前記制御手段は、当該停止維
    持開始条件を構成する全ての条件が成立したときに、坂
    路で車両を停止維持可能なブレーキ力が付与されるよう
    前記制御を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の産
    業車両の坂路停止維持装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の産
    業車両の坂路停止維持装置において、 前記制御手段は、前記停止維持開始条件が成立すると、
    前記制動手段を、半クラッチ状態を伴って徐々に前記ク
    ラッチ係合圧に係合させるように制御する産業車両の坂
    路停止維持装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の産
    業車両の坂路停止維持装置において、 アクセル操作手段が操作されたことを検出するアクセル
    操作検出手段を備え、 前記制御手段は、前記停止維持のためのクラッチ係合ブ
    レーキがかかった停止維持状態にあるときに、前記アク
    セル操作検出手段によってアクセル操作が検出されたこ
    とを条件の少なくとも1つとする停止維持解除条件が成
    立すると、前記クラッチ係合ブレーキを解除する産業車
    両の坂路停止維持装置。
  8. 【請求項8】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進ク
    ラッチを備えた変速機と、 前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝
    達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段と、 前記変速機を切換操作するためのシフト操作手段の前進
    ・中立・後進の操作位置を検出するシフト操作位置検出
    手段と、 制動操作手段が操作されたことを検出する制動操作検出
    手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記制動操作検出手段及び車速検出手段の各検出手段の
    検出値を基に制動操作が検出され、かつ車速が停止車速
    未満であると検出されたことを少なくとも条件に含む停
    止維持開始条件が成立すると、坂路で車両を停止維持可
    能なブレーキ力を付与し得る所定のクラッチ係合圧で前
    記制動手段を係合させるとともに該係合状態を保持する
    制御を行う制御手段と、 アクセル操作手段の操作を検出するアクセル操作検出手
    段と、 前記変速機の前進クラッチ及び後進クラッチのうちシフ
    ト側クラッチを半クラッチにするために操作されるとと
    もに、その操作量が大きい領域では該シフト側クラッチ
    が切られてブレーキがかかるように制動操作手段が連動
    操作されるよう操作されるインチング操作手段と、 前記インチング操作手段の操作量を検出するインチング
    操作量検出手段とを備え、 前記制御手段は、前記シフト操作位置検出手段によって
    前記シフト操作手段が前進又は後進位置に操作されたこ
    とが検出され、かつ前記アクセル操作検出手段によって
    前記アクセル操作手段が操作されたことが検出され、か
    つインチング操作量検出手段によってインチング操作手
    段が操作されていないか、インチング操作手段が所定値
    以上のブレーキ力がかかる操作量で操作されていること
    が検出された停止維持解除条件が成立すると、前記制動
    手段の前記クラッチ係合圧を解除するように前記制動手
    段を制御する産業車両の坂路停止維持装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の産
    業車両の坂路停止維持装置において、 前記変速機を切換操作するためのシフト操作手段の前進
    ・中立・後進の操作位置を検出するシフト操作位置検出
    手段と、 アクセル操作手段の操作を検出するアクセル操作検出手
    段と、 前記変速機の前進クラッチ及び後進クラッチのうちシフ
    ト側クラッチを半クラッチにするために操作されるとと
    もに、その操作量が大きい領域では該シフト側クラッチ
    が切られて制動操作手段が連動操作されるように操作さ
    れるインチング操作手段と、 前記インチング操作手段の操作量を検出するインチング
    操作量検出手段とを備え、 前記制御手段は、前記シフト操作位置検出手段によって
    前記シフト操作手段が前進又は後進位置に操作されたこ
    とが検出され、かつ前記アクセル操作検出手段によって
    前記アクセル操作手段が操作されたことが検出され、か
    つインチング操作量検出手段によってインチング操作手
    段が操作されていないか、インチング操作手段が所定値
    以上のブレーキ力がかかる操作量で操作されていること
    が検出された停止維持解除条件が成立すると、前記停止
    維持のためのクラッチ係合ブレーキを解除するよう制御
    する産業車両の坂路停止維持装置。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか一項に記載の
    産業車両の坂路停止維持装置において、 前記制御手段は、前記停止維持解除条件が成立すると、
    前記制動手段の前記クラッチ係合圧を、半クラッチ状態
    を伴って徐々に解消するように当該制動手段を制御する
    産業車両の坂路停止維持装置。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれか一項に記載
    の産業車両の坂路停止維持装置において、 前記制御手段は、前記停止維持解除条件が成立すると、
    変速機が備える前進クラッチ及び後進クラッチのうちシ
    フト側クラッチを一気に完全係合させるとともに一定時
    間完全係合させた後にトラクション制御に移ることを特
    徴とする産業車両の坂路停止維持装置。
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