JP2002283754A - 平版印刷版用支持体の製造装置 - Google Patents
平版印刷版用支持体の製造装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム合金板の製造工程を厳密に管理
することなく、高い制御性を維持しながら、製造できる
平版印刷版用支持体の製造装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも、酸性溶液により酸処理する
ためのデスマット処理槽4と、前記酸性溶液を貯留する
循環槽5とを有し、循環槽5とデスマット処理槽4とが
少なくとも一対の送液系配管7a,7bで連結されてお
り、酸性溶液が送液系配管7a,7bのうちの一方を通
して循環槽5からデスマット処理槽4に送液され、デス
マット処理槽4内でアルミニウム合金板1を酸処理し、
酸処理後の酸性溶液が他方の送液系配管を通して循環槽
5に送液される循環システムを具備し、さらに循環槽5
に、少なくとも、濃硫酸および/または水を供給する液
供給手段と、アルミニウムイオンを供給するアルミニウ
ムイオン供給手段と、が設けられていることを特徴とす
る平版印刷版用支持体の製造装置である。
することなく、高い制御性を維持しながら、製造できる
平版印刷版用支持体の製造装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも、酸性溶液により酸処理する
ためのデスマット処理槽4と、前記酸性溶液を貯留する
循環槽5とを有し、循環槽5とデスマット処理槽4とが
少なくとも一対の送液系配管7a,7bで連結されてお
り、酸性溶液が送液系配管7a,7bのうちの一方を通
して循環槽5からデスマット処理槽4に送液され、デス
マット処理槽4内でアルミニウム合金板1を酸処理し、
酸処理後の酸性溶液が他方の送液系配管を通して循環槽
5に送液される循環システムを具備し、さらに循環槽5
に、少なくとも、濃硫酸および/または水を供給する液
供給手段と、アルミニウムイオンを供給するアルミニウ
ムイオン供給手段と、が設けられていることを特徴とす
る平版印刷版用支持体の製造装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体の製造装置に関し、特に、アルミニウム合金板を支持
体とする平版印刷版による印刷画像における過酷インキ
汚れの発生を防止できる平版印刷版用支持体の製造装置
に関する。
体の製造装置に関し、特に、アルミニウム合金板を支持
体とする平版印刷版による印刷画像における過酷インキ
汚れの発生を防止できる平版印刷版用支持体の製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体は、多くの場合、ア
ルミニウム又はアルミニウムを主体とする合金(以下、
「アルミニウム合金」と称する)を素材とするアルミニ
ウム合金板の片面あるいは両面に粗面化処理を施し、所
望により陽極酸化処理を施して製造される。このような
平版印刷版用支持体では、印刷時の耐磨耗性を向上させ
るため、粗面化処理後に、その表面に陽極酸化処理が施
されて、陽極酸化皮膜が形成されることが多い。平版印
刷版原版は平版印刷版用支持体に感光層(感光性材料)
が塗布により設けられ、乾燥されて製造される。また、
製版時の真空密着時間を短くするために、平版印刷版原
版では感光層の表面にマット層という微小な凹凸が設け
られることもある。
ルミニウム又はアルミニウムを主体とする合金(以下、
「アルミニウム合金」と称する)を素材とするアルミニ
ウム合金板の片面あるいは両面に粗面化処理を施し、所
望により陽極酸化処理を施して製造される。このような
平版印刷版用支持体では、印刷時の耐磨耗性を向上させ
るため、粗面化処理後に、その表面に陽極酸化処理が施
されて、陽極酸化皮膜が形成されることが多い。平版印
刷版原版は平版印刷版用支持体に感光層(感光性材料)
が塗布により設けられ、乾燥されて製造される。また、
製版時の真空密着時間を短くするために、平版印刷版原
版では感光層の表面にマット層という微小な凹凸が設け
られることもある。
【0003】平版印刷版原版は、画像露光、現像、水洗
等の製版処理を経て平版印刷版とされる。画像露光の方
法としては、画像を焼き付けたリスフィルムを平版印刷
版原版へ密着させて高強度の光を照射することで画像部
と非画像部とを形成する方法や、平版印刷版原版をレー
ザ光により走査して直接、画像部若しくは非画像部を書
き込むことにより画像部と非画像部とを形成する方法が
用いられる。画像露光された平版印刷版原版を現像処理
すると、未溶解の感光層はインク受容体として画像部を
形成し、感光層が溶解除去された部分では、アルミニウ
ム合金板の表面又は陽極酸化皮膜の表面が露出し、この
部分が水受容体として非画像部を形成する。平版印刷版
原版は、現像後、必要に応じて親水化処理、ガム引き、
更にバーニング処理等が施されて平版印刷版とされる。
等の製版処理を経て平版印刷版とされる。画像露光の方
法としては、画像を焼き付けたリスフィルムを平版印刷
版原版へ密着させて高強度の光を照射することで画像部
と非画像部とを形成する方法や、平版印刷版原版をレー
ザ光により走査して直接、画像部若しくは非画像部を書
き込むことにより画像部と非画像部とを形成する方法が
用いられる。画像露光された平版印刷版原版を現像処理
すると、未溶解の感光層はインク受容体として画像部を
形成し、感光層が溶解除去された部分では、アルミニウ
ム合金板の表面又は陽極酸化皮膜の表面が露出し、この
部分が水受容体として非画像部を形成する。平版印刷版
原版は、現像後、必要に応じて親水化処理、ガム引き、
更にバーニング処理等が施されて平版印刷版とされる。
【0004】平版印刷版は、印刷機の円筒状の版胴に取
り付けられて、インキと湿し水を版胴に供給することで
親油性の画像部にはインキが付着し、親水性の非画像部
には水が付着し、画像部のインキをブランケット胴に転
写した上で、ブランケット胴から紙に画像を印刷する。
しかし、本来親水性であるべき非画像部には、時として
点状あるいは円環状にインキが付着し、結果的に紙面に
点状あるいは円環状の汚れを発生させる、いわゆる過酷
インキ汚れと呼ばれる不具合が起こる場合があった。こ
の過酷インキ汚れを解決するための手段が既に多く提案
されている。
り付けられて、インキと湿し水を版胴に供給することで
親油性の画像部にはインキが付着し、親水性の非画像部
には水が付着し、画像部のインキをブランケット胴に転
写した上で、ブランケット胴から紙に画像を印刷する。
しかし、本来親水性であるべき非画像部には、時として
点状あるいは円環状にインキが付着し、結果的に紙面に
点状あるいは円環状の汚れを発生させる、いわゆる過酷
インキ汚れと呼ばれる不具合が起こる場合があった。こ
の過酷インキ汚れを解決するための手段が既に多く提案
されている。
【0005】具体的には、アルミニウム合金板の素材と
なるアルミニウム合金材に含まれる合金成分を限定する
方法が多く出願されている。例えば、アルミニウム合金
材中のMg、Mn、Si、Ga、Ti、Cu等の合金成
分を限定する方法(特開平5−309964号公報、特
開平3−177528号公報等)、FeとSiとの比を
限定する方法(特開平4−254545号公報、特開平
7−197162号公報等)、Feの固溶量を限定する
方法(特開平4−165041号公報等)、単体Si量
を限定する方法(特許第2544215号、特許第20
31725号等)、金属間化合物の量、大きさおよび分
布を限定する方法(特開平4−165041号公報、特
開平3−234594号公報、特許第2544215
号、特開平4−254545号公報等)、アルミニウム
合金の組成と陽極酸化皮膜の特性とを組み合わせて限定
する方法(特開平7−197393号公報、特開平7−
26393号公報等)等が提案されている。しかし、こ
れらは何れもアルミニウム合金に制約を加えるものであ
って、平版印刷版用支持体としてのアルミニウム合金板
の材料選択の自由度を狭めてしまうといった問題があ
る。
なるアルミニウム合金材に含まれる合金成分を限定する
方法が多く出願されている。例えば、アルミニウム合金
材中のMg、Mn、Si、Ga、Ti、Cu等の合金成
分を限定する方法(特開平5−309964号公報、特
開平3−177528号公報等)、FeとSiとの比を
限定する方法(特開平4−254545号公報、特開平
7−197162号公報等)、Feの固溶量を限定する
方法(特開平4−165041号公報等)、単体Si量
を限定する方法(特許第2544215号、特許第20
31725号等)、金属間化合物の量、大きさおよび分
布を限定する方法(特開平4−165041号公報、特
開平3−234594号公報、特許第2544215
号、特開平4−254545号公報等)、アルミニウム
合金の組成と陽極酸化皮膜の特性とを組み合わせて限定
する方法(特開平7−197393号公報、特開平7−
26393号公報等)等が提案されている。しかし、こ
れらは何れもアルミニウム合金に制約を加えるものであ
って、平版印刷版用支持体としてのアルミニウム合金板
の材料選択の自由度を狭めてしまうといった問題があ
る。
【0006】一方、平版印刷版支持体用アルミニウム合
金板(以下、単に「アルミニウム合金板」と称する。)
としては、JIS A 1050材、JIS A 11
00材、JIS A 1070材、Al−Mg系合金、A
l−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr
系合金、Al−Mg−Si系合金等がその素材として適
用し得る。これら各種のアルミニウム合金は、通常、A
lを主成分とする原材料を溶解し、それに所定の金属成
分を加えて規格化された合金成分のアルミニウム合金の
溶湯を作り、引き続きそのアルミニウム合金の溶湯に清
浄化処理を施して、鋳造する。前記清浄化処理として
は、溶湯中から水素等の不要なガスを除去するために、
フラックス処理、Arガス、Clガス等を使った脱ガス
処理;セラミックチューブフィルタ、セラミックフォー
ムフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、
アルミナフレーク、アルミナボール等を濾材とするフィ
ルタや、グラスクロスフィルタ等を使ったフィルタリン
グ;脱ガス処理とフィルタリングとを組み合わせた処
理;が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯中の非金
属介在物、酸化物等の不純物による欠陥、溶湯にとけ込
んだガスによる欠陥を防ぐために実施される。
金板(以下、単に「アルミニウム合金板」と称する。)
としては、JIS A 1050材、JIS A 11
00材、JIS A 1070材、Al−Mg系合金、A
l−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr
系合金、Al−Mg−Si系合金等がその素材として適
用し得る。これら各種のアルミニウム合金は、通常、A
lを主成分とする原材料を溶解し、それに所定の金属成
分を加えて規格化された合金成分のアルミニウム合金の
溶湯を作り、引き続きそのアルミニウム合金の溶湯に清
浄化処理を施して、鋳造する。前記清浄化処理として
は、溶湯中から水素等の不要なガスを除去するために、
フラックス処理、Arガス、Clガス等を使った脱ガス
処理;セラミックチューブフィルタ、セラミックフォー
ムフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、
アルミナフレーク、アルミナボール等を濾材とするフィ
ルタや、グラスクロスフィルタ等を使ったフィルタリン
グ;脱ガス処理とフィルタリングとを組み合わせた処
理;が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯中の非金
属介在物、酸化物等の不純物による欠陥、溶湯にとけ込
んだガスによる欠陥を防ぐために実施される。
【0007】上記のように成分調整および清浄化処理が
施されたアルミニウム合金の溶湯を鋳造する方法として
は、大別してDC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる
方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法
とがある。
施されたアルミニウム合金の溶湯を鋳造する方法として
は、大別してDC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる
方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法
とがある。
【0008】前記DC鋳造法を用いた場合、アルミニウ
ム合金の溶湯は1〜300℃/秒の冷却速度で凝固され
る。この凝固過程において、先述の合金成分の一部はA
l中に固溶するが、Al中に固溶しきれない合金成分
が、種々の金属間化合物として鋳塊中に生じる。前記D
C鋳造法では、板厚300〜800mmの鋳塊が製造可
能であり、その鋳塊は、通常、表層部を削り取る面削加
工が行われ、この面削加工により鋳塊の表層部が1〜3
0mm、望ましくは1〜10mm削り取られる。その
後、鋳塊には必要に応じて均熱化処理が行われる。均熱
化処理を行うことで、金属間化合物のうち不安定なもの
はより安定な化合物に変化したり、また一部がAl中に
固溶する。
ム合金の溶湯は1〜300℃/秒の冷却速度で凝固され
る。この凝固過程において、先述の合金成分の一部はA
l中に固溶するが、Al中に固溶しきれない合金成分
が、種々の金属間化合物として鋳塊中に生じる。前記D
C鋳造法では、板厚300〜800mmの鋳塊が製造可
能であり、その鋳塊は、通常、表層部を削り取る面削加
工が行われ、この面削加工により鋳塊の表層部が1〜3
0mm、望ましくは1〜10mm削り取られる。その
後、鋳塊には必要に応じて均熱化処理が行われる。均熱
化処理を行うことで、金属間化合物のうち不安定なもの
はより安定な化合物に変化したり、また一部がAl中に
固溶する。
【0009】その後、残留した金属間化合物は、熱間圧
延、冷間圧延を行う過程で、その径が細かくなったり分
散したりするが、その種類はほとんど変化しない。つま
り、アルミニウム合金板に、金属間化合物が残留するこ
とになる。また、冷間圧延の前後、又は冷間圧延の途中
において「焼鈍」と呼ぶ熱処理を施してもよい。この場
合、焼鈍の熱処理温度によっては、Al中に固溶してい
た一部の元素が、金属間化合物又は単一元素の析出物と
して析出してくることがある。この場合も、その析出物
はアルミニウム合金板に残留することになる。
延、冷間圧延を行う過程で、その径が細かくなったり分
散したりするが、その種類はほとんど変化しない。つま
り、アルミニウム合金板に、金属間化合物が残留するこ
とになる。また、冷間圧延の前後、又は冷間圧延の途中
において「焼鈍」と呼ぶ熱処理を施してもよい。この場
合、焼鈍の熱処理温度によっては、Al中に固溶してい
た一部の元素が、金属間化合物又は単一元素の析出物と
して析出してくることがある。この場合も、その析出物
はアルミニウム合金板に残留することになる。
【0010】冷間圧延によって0.1〜0.5mmの厚
さに仕上げられたアルミニウム合金板を、平坦性を改善
するためにローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装
置によって形状を矯正して平坦性を改善してもよい。こ
のようにして所定の形状に仕上げられたアルミニウム合
金板は、その表面に対する粗面化処理および陽極酸化処
理が行われる。
さに仕上げられたアルミニウム合金板を、平坦性を改善
するためにローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装
置によって形状を矯正して平坦性を改善してもよい。こ
のようにして所定の形状に仕上げられたアルミニウム合
金板は、その表面に対する粗面化処理および陽極酸化処
理が行われる。
【0011】アルミニウム合金板の粗面化方法として
は、機械的な砂目立て法,電気化学的な砂目立て法等が
あり、それらを適時組合わせて粗面化を行っている。機
械的な砂目立て法としては、例えば、ボールグレイン、
ワイヤーグレイン、ブラシグレイン、液体ホーニング法
等がある。また、電気化学的砂目立て方法としては、交
流電解エッチング法が一般的に採用されており、電解電
流としては、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波や、
特殊交番電流等が用いられている。またこの電気化学的
砂目立ての前処理として、アルミニウム合金板を苛性ソ
ーダ等でエッチング処理してもよい。
は、機械的な砂目立て法,電気化学的な砂目立て法等が
あり、それらを適時組合わせて粗面化を行っている。機
械的な砂目立て法としては、例えば、ボールグレイン、
ワイヤーグレイン、ブラシグレイン、液体ホーニング法
等がある。また、電気化学的砂目立て方法としては、交
流電解エッチング法が一般的に採用されており、電解電
流としては、普通の正弦波交流電流あるいは矩形波や、
特殊交番電流等が用いられている。またこの電気化学的
砂目立ての前処理として、アルミニウム合金板を苛性ソ
ーダ等でエッチング処理してもよい。
【0012】前記電気化学的砂目立て方式は、ウエブの
連続処理に適していることから、粗面化方法として近年
増加している。しかし、このようなアルミニウム合金板
に対して電気化学的に砂目立てを行うと、アルミニウム
合金板の表面に水酸化アルミニウムを主成分としたスマ
ットが生成するといった問題がある。
連続処理に適していることから、粗面化方法として近年
増加している。しかし、このようなアルミニウム合金板
に対して電気化学的に砂目立てを行うと、アルミニウム
合金板の表面に水酸化アルミニウムを主成分としたスマ
ットが生成するといった問題がある。
【0013】米国特許第4,548,683号明細書で
は、交流電解電流として140〜400Hzの高い周波
数では、スマットが生成しにくく、均一なピットが生成
することが記載してある。しかし、このような特殊な場
合を除いて、電気化学的に砂目立てが行われたアルミニ
ウム合金板の表面にはスマットが生成する。一方、この
ように電気化学的に砂目立てされたアルミニウム合金板
は、陽極酸化処理や、必要に応じてシリケート処理を行
い、感光性材料(感熱性材料を含む)が塗布、乾燥され
て感光性印刷版原版に仕上げられるが、電気化学的に砂
目立てした後にアルミニウム合金板の表面にスマットが
残存していると、陽極酸化皮膜にスマットが混入し、皮
膜欠陥等が生じ印刷性能を低下させるといった問題があ
る。
は、交流電解電流として140〜400Hzの高い周波
数では、スマットが生成しにくく、均一なピットが生成
することが記載してある。しかし、このような特殊な場
合を除いて、電気化学的に砂目立てが行われたアルミニ
ウム合金板の表面にはスマットが生成する。一方、この
ように電気化学的に砂目立てされたアルミニウム合金板
は、陽極酸化処理や、必要に応じてシリケート処理を行
い、感光性材料(感熱性材料を含む)が塗布、乾燥され
て感光性印刷版原版に仕上げられるが、電気化学的に砂
目立てした後にアルミニウム合金板の表面にスマットが
残存していると、陽極酸化皮膜にスマットが混入し、皮
膜欠陥等が生じ印刷性能を低下させるといった問題があ
る。
【0014】また、特公昭56−11316号公報に
は、アルミニウム表面に生じたスマットを50〜90℃
に液温調整された15〜60wt%の硫酸溶液に接触さ
せて、溶解除去することを特徴とするデスマット方法が
開示されている。さらに、特許第2577594号に
は、電解粗面化でアルミニウム表面に生じたスマット
を、まず、pHが10以上、温度が25〜60℃のアル
カリ溶液で溶解除去した後、濃度が50〜400g/リ
ットル、温度が25〜65℃の硫酸主体の溶液にて、ア
ルミニウム素地の溶解量が0.03〜0.20g/m2
となるように、溶解除去するスマット除去方法が開示さ
れている。前者の方法においては、アルカリ溶液を併用
しないため、スマットの除去が不十分になりやすく、ま
た、電解粗面化による形状の不均一さがアルミニウム表
面に残ることにより、感光層とアルミニウム合金板との
密着性が低下したり、印刷汚れ性等の印刷性能が不十分
になるといった問題がある。一方、後者は、電解粗面化
で生じたスマットをアルカリ溶液により溶解除去できる
が、硫酸主体の溶液の温度が比較的低い温度範囲のた
め、アルミニウム合金板の表面に存在する不要な金属間
化合物を十分除去できず、前述の引例に示すようにアル
ミニウム合金の組成を厳密に制御しない限り、耐過酷イ
ンキ汚れ性に劣るという問題がある。また、アルカリ溶
液の温度についても、25〜60℃という比較的低い温
度範囲であるため、溶解処理に時間がかかり、生産性の
面では不利といった問題がある。
は、アルミニウム表面に生じたスマットを50〜90℃
に液温調整された15〜60wt%の硫酸溶液に接触さ
せて、溶解除去することを特徴とするデスマット方法が
開示されている。さらに、特許第2577594号に
は、電解粗面化でアルミニウム表面に生じたスマット
を、まず、pHが10以上、温度が25〜60℃のアル
カリ溶液で溶解除去した後、濃度が50〜400g/リ
ットル、温度が25〜65℃の硫酸主体の溶液にて、ア
ルミニウム素地の溶解量が0.03〜0.20g/m2
となるように、溶解除去するスマット除去方法が開示さ
れている。前者の方法においては、アルカリ溶液を併用
しないため、スマットの除去が不十分になりやすく、ま
た、電解粗面化による形状の不均一さがアルミニウム表
面に残ることにより、感光層とアルミニウム合金板との
密着性が低下したり、印刷汚れ性等の印刷性能が不十分
になるといった問題がある。一方、後者は、電解粗面化
で生じたスマットをアルカリ溶液により溶解除去できる
が、硫酸主体の溶液の温度が比較的低い温度範囲のた
め、アルミニウム合金板の表面に存在する不要な金属間
化合物を十分除去できず、前述の引例に示すようにアル
ミニウム合金の組成を厳密に制御しない限り、耐過酷イ
ンキ汚れ性に劣るという問題がある。また、アルカリ溶
液の温度についても、25〜60℃という比較的低い温
度範囲であるため、溶解処理に時間がかかり、生産性の
面では不利といった問題がある。
【0015】このような問題点を解決すべく、本発明者
は、特願2000−203640号明細書において、粗
面化処理されたアルミニウム合金材を、pHが10以
上、液温が60〜80℃のアルカリ溶液で溶解除去した
後、酸の濃度が170〜800g/リットル、液温が6
5〜90℃の酸性溶液にて、溶解除去することを特徴と
する平版印刷版用支持体の製造方法を提案しているが、
該酸性溶液の液温を上記高温範囲(65〜90℃)に限
らなくても、アルミニウム合金板の表面に存在する不要
な金属間化合物を除去でき、かつ、アルミニウム合金の
組成を厳密に制御する必要のない、耐過酷インキ汚れ性
に優れた平版印刷版用支持体の製造方法に適用可能な製
造装置が望まれている。
は、特願2000−203640号明細書において、粗
面化処理されたアルミニウム合金材を、pHが10以
上、液温が60〜80℃のアルカリ溶液で溶解除去した
後、酸の濃度が170〜800g/リットル、液温が6
5〜90℃の酸性溶液にて、溶解除去することを特徴と
する平版印刷版用支持体の製造方法を提案しているが、
該酸性溶液の液温を上記高温範囲(65〜90℃)に限
らなくても、アルミニウム合金板の表面に存在する不要
な金属間化合物を除去でき、かつ、アルミニウム合金の
組成を厳密に制御する必要のない、耐過酷インキ汚れ性
に優れた平版印刷版用支持体の製造方法に適用可能な製
造装置が望まれている。
【0016】これらの方法を硫酸で処理すると、アルミ
ニウム板からアルミニウムイオンの溶出がある一方、ア
ルミニウム板上に薄い液膜として残った液が、次工程
(水洗)に持ち出されるため、アルミニウムイオン濃度
が変化し、アルミニウム板表面の金属間化合物を十分に
取り除くことができない不具合がある。
ニウム板からアルミニウムイオンの溶出がある一方、ア
ルミニウム板上に薄い液膜として残った液が、次工程
(水洗)に持ち出されるため、アルミニウムイオン濃度
が変化し、アルミニウム板表面の金属間化合物を十分に
取り除くことができない不具合がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、以
下の目的を解決することを課題とする。すなわち、本発
明は、アルミニウム合金板の製造工程を厳密に管理する
ことなく、高い制御性を維持しながら、平版印刷版用支
持体を製造できる平版印刷版用支持体の製造装置を提供
することを目的とする。
下の目的を解決することを課題とする。すなわち、本発
明は、アルミニウム合金板の製造工程を厳密に管理する
ことなく、高い制御性を維持しながら、平版印刷版用支
持体を製造できる平版印刷版用支持体の製造装置を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により解決することができる。すなわち、本発明
は、 <1> 少なくとも、酸性溶液により酸処理するための
デスマット処理槽と、前記酸性溶液を貯留する循環槽と
を有し、該循環槽と前記デスマット処理槽とが少なくと
も一対の送液系配管で連結されており、酸性溶液が前記
送液系配管のうちの一方を通して前記循環槽から前記デ
スマット処理槽に送液され、該デスマット処理槽内でア
ルミニウム合金板を酸処理し、酸処理後の酸性溶液が他
方の前記送液系配管を通して前記循環槽に送液される循
環システムを具備し、さらに前記循環槽に、少なくと
も、濃硫酸および/または水を供給する液供給手段と、
アルミニウムイオンを供給するアルミニウムイオン供給
手段と、が設けられていることを特徴とする平版印刷版
用支持体の製造装置である。
本発明により解決することができる。すなわち、本発明
は、 <1> 少なくとも、酸性溶液により酸処理するための
デスマット処理槽と、前記酸性溶液を貯留する循環槽と
を有し、該循環槽と前記デスマット処理槽とが少なくと
も一対の送液系配管で連結されており、酸性溶液が前記
送液系配管のうちの一方を通して前記循環槽から前記デ
スマット処理槽に送液され、該デスマット処理槽内でア
ルミニウム合金板を酸処理し、酸処理後の酸性溶液が他
方の前記送液系配管を通して前記循環槽に送液される循
環システムを具備し、さらに前記循環槽に、少なくと
も、濃硫酸および/または水を供給する液供給手段と、
アルミニウムイオンを供給するアルミニウムイオン供給
手段と、が設けられていることを特徴とする平版印刷版
用支持体の製造装置である。
【0019】<2> 前記循環槽中の酸性溶液の電気伝
導度、比重、アルミニウムイオン濃度を制御するための
制御手段が設けられていることを特徴とする<1>に記
載の平版印刷版用支持体の製造装置である。
導度、比重、アルミニウムイオン濃度を制御するための
制御手段が設けられていることを特徴とする<1>に記
載の平版印刷版用支持体の製造装置である。
【0020】<3> 前記制御手段が、液供給手段およ
び/またはアルミニウムイオン供給手段から濃硫酸、
水、およびアルミニウムイオンのいずれか1以上を前記
循環槽中に供給し、前記酸性溶液の電気伝導度、比重、
アルミニウムイオン濃度を制御する手段であることを特
徴とする<2>に記載の平版印刷版用支持体の製造装置
である。
び/またはアルミニウムイオン供給手段から濃硫酸、
水、およびアルミニウムイオンのいずれか1以上を前記
循環槽中に供給し、前記酸性溶液の電気伝導度、比重、
アルミニウムイオン濃度を制御する手段であることを特
徴とする<2>に記載の平版印刷版用支持体の製造装置
である。
【0021】<4> 前記アルミニウムイオンの原料
が、硫酸バンドであることを特徴とする<1>〜<3>
のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造装置であ
る。
が、硫酸バンドであることを特徴とする<1>〜<3>
のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造装置であ
る。
【0022】<5> 前記硫酸バンドが、溶液となって
いることを特徴とする<4>に記載の平版印刷版用支持
体の製造装置である。
いることを特徴とする<4>に記載の平版印刷版用支持
体の製造装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】<<平版印刷版用支持体の製造装
置>>本発明の平版印刷版用支持体の製造装置(以下、
単に「本発明の製造装置」という場合がある。)は、後
述する平版印刷版用支持体の製造工程のうち、デスマッ
ト処理工程、詳しくは、デスマット処理工程のうち、酸
性溶液を使用する酸処理工程において用いられる。
置>>本発明の平版印刷版用支持体の製造装置(以下、
単に「本発明の製造装置」という場合がある。)は、後
述する平版印刷版用支持体の製造工程のうち、デスマッ
ト処理工程、詳しくは、デスマット処理工程のうち、酸
性溶液を使用する酸処理工程において用いられる。
【0024】本発明の製造装置には、少なくとも、酸性
溶液により酸処理するためのデスマット処理槽と、前記
酸性溶液を貯留する循環槽とを有し、該循環槽と前記デ
スマット処理槽とが少なくとも2つの送液系配管で連結
されており、酸性溶液が前記送液系配管のうちの一方を
通して前記循環槽から前記デスマット処理槽に送液さ
れ、該デスマット処理槽内でアルミニウム合金板を酸処
理し、酸処理後の酸性溶液が他方の前記送液系配管を通
して前記循環槽に送液される循環システムを具備してい
る。また、前記循環槽には、少なくとも、濃硫酸および
/または水を供給する液供給手段と、アルミニウムイオ
ンを供給するアルミニウムイオン供給手段と、が設けら
れている。
溶液により酸処理するためのデスマット処理槽と、前記
酸性溶液を貯留する循環槽とを有し、該循環槽と前記デ
スマット処理槽とが少なくとも2つの送液系配管で連結
されており、酸性溶液が前記送液系配管のうちの一方を
通して前記循環槽から前記デスマット処理槽に送液さ
れ、該デスマット処理槽内でアルミニウム合金板を酸処
理し、酸処理後の酸性溶液が他方の前記送液系配管を通
して前記循環槽に送液される循環システムを具備してい
る。また、前記循環槽には、少なくとも、濃硫酸および
/または水を供給する液供給手段と、アルミニウムイオ
ンを供給するアルミニウムイオン供給手段と、が設けら
れている。
【0025】循環槽に液供給手段を設けることにより、
酸性溶液の酸濃度が所定の値より低い場合には、前記液
供給手段より濃硫酸が供給され、酸濃度が高い場合に
は、前記液供給手段より水が供給されるので、循環槽の
酸濃度を常に一定に保つことができる。また、アルミニ
ウムイオン供給手段を設けることにより、アルミニウム
イオン濃度を所定の値以上とすることが可能となり、最
終的に得られる平版印刷版による過酷インキ汚れと呼ば
れる画質欠陥の発生を抑制することができる。
酸性溶液の酸濃度が所定の値より低い場合には、前記液
供給手段より濃硫酸が供給され、酸濃度が高い場合に
は、前記液供給手段より水が供給されるので、循環槽の
酸濃度を常に一定に保つことができる。また、アルミニ
ウムイオン供給手段を設けることにより、アルミニウム
イオン濃度を所定の値以上とすることが可能となり、最
終的に得られる平版印刷版による過酷インキ汚れと呼ば
れる画質欠陥の発生を抑制することができる。
【0026】図1に、本発明の平版印刷版用支持体の製
造装置の一例を示す概略構成図を示す。図1に示す製造
装置には、デスマット処理槽4と、3つのパスロール3
a,3b,3c(本発明では、3つのパスロール3a,
3b,3cのうち、アルミニウム合金板1の導出側に設
けられるパスロール3cに、図1に示すように、一対の
ニップロ−ル3c−1,3c−2を使用するが、便宜的
に、これらも合わせて1つの「パスロール」に含めた概
念として説明する)と、デスマット処理槽4内に配され
た、酸性溶液の液供給手段である複数のシャワー管2
と、デスマット処理槽4の下部に配され、かつ、酸性溶
液10を貯留する循環槽5と、シャワー管2および循環
槽5をポンプ6を介して連結する送液系配管7aと、デ
スマット処理後の酸性溶液10をデスマット処理槽4か
ら循環槽5に送液する送液系配管7bと、が設けられて
いる。
造装置の一例を示す概略構成図を示す。図1に示す製造
装置には、デスマット処理槽4と、3つのパスロール3
a,3b,3c(本発明では、3つのパスロール3a,
3b,3cのうち、アルミニウム合金板1の導出側に設
けられるパスロール3cに、図1に示すように、一対の
ニップロ−ル3c−1,3c−2を使用するが、便宜的
に、これらも合わせて1つの「パスロール」に含めた概
念として説明する)と、デスマット処理槽4内に配され
た、酸性溶液の液供給手段である複数のシャワー管2
と、デスマット処理槽4の下部に配され、かつ、酸性溶
液10を貯留する循環槽5と、シャワー管2および循環
槽5をポンプ6を介して連結する送液系配管7aと、デ
スマット処理後の酸性溶液10をデスマット処理槽4か
ら循環槽5に送液する送液系配管7bと、が設けられて
いる。
【0027】図1に示すように、3つのパスロール3
a,3b,3cのうち中間部に位置するパスロール3b
は、他のパスロール3a,3cより下方であって、デス
マット処理槽4の底部付近に設られている。アルミニウ
ム合金板1は、不図示の駆動力により矢印A方向に進行
し、パスロール3aにより進行方向が切り替えられてデ
スマット処理槽4内に導入され、デスマット処理槽4の
底部付近に進行し、パスロール3bにより再び進行方向
が切り替えられて、導出側のパスロール3cにより張架
されながらデスマット処理槽4から導出され、矢印B方
向に進行して、次工程に供される。
a,3b,3cのうち中間部に位置するパスロール3b
は、他のパスロール3a,3cより下方であって、デス
マット処理槽4の底部付近に設られている。アルミニウ
ム合金板1は、不図示の駆動力により矢印A方向に進行
し、パスロール3aにより進行方向が切り替えられてデ
スマット処理槽4内に導入され、デスマット処理槽4の
底部付近に進行し、パスロール3bにより再び進行方向
が切り替えられて、導出側のパスロール3cにより張架
されながらデスマット処理槽4から導出され、矢印B方
向に進行して、次工程に供される。
【0028】デスマット処理槽4内には、既述の如く複
数のシャワー管2が設けられており、該複数のシャワー
管2に、循環槽5からポンプ6aの駆動力により送液系
配管7aを通して酸性溶液10が送液される。そして複
数のシャワー管2から酸性溶液がシャワー状(棒状)に
供給(シャワー方式)され、デスマット処理槽4の底部
付近に進行し、張架されているアルミニウム合金板1に
接触することで、アルミニウム合金板1のデスマット処
理が施される。
数のシャワー管2が設けられており、該複数のシャワー
管2に、循環槽5からポンプ6aの駆動力により送液系
配管7aを通して酸性溶液10が送液される。そして複
数のシャワー管2から酸性溶液がシャワー状(棒状)に
供給(シャワー方式)され、デスマット処理槽4の底部
付近に進行し、張架されているアルミニウム合金板1に
接触することで、アルミニウム合金板1のデスマット処
理が施される。
【0029】本実施形態の製造装置におけるデスマット
処理槽4と循環槽5との位置関係は、図1に示すように
循環槽5がデスマット処理槽4の下になるため、デスマ
ット処理後の酸性溶液10は、落差により、デスマット
処理槽4の底部に設けられた送液系配管7bを通して循
環槽5に戻される(送液される)。つまり、図1に示す
平版印刷版用支持体の製造装置は、デスマット処理槽4
と循環槽5との間で、一対の送液系配管7aおよび7b
を通して酸性溶液10が循環する循環システムを具備し
ている。
処理槽4と循環槽5との位置関係は、図1に示すように
循環槽5がデスマット処理槽4の下になるため、デスマ
ット処理後の酸性溶液10は、落差により、デスマット
処理槽4の底部に設けられた送液系配管7bを通して循
環槽5に戻される(送液される)。つまり、図1に示す
平版印刷版用支持体の製造装置は、デスマット処理槽4
と循環槽5との間で、一対の送液系配管7aおよび7b
を通して酸性溶液10が循環する循環システムを具備し
ている。
【0030】また、図1に示すように、循環槽5には、
酸性溶液の電気伝導度および比重を制御して、酸性溶液
の濃度を所定の濃度(後述の酸性溶液の好ましい濃度:
170〜800g/リットル)に制御するために、少な
くとも、電気伝導度計(以下、単に「電導度計」という
場合がある)15と、比重計16と、からなる制御手段
が設けられている。該制御手段には、さらに、電導度計
15と比重計16とがそれぞれ接続している制御装置
(図示せず)と、ポンプ6bとが設けられているのが好
ましい。制御手段は、循環槽5の酸性溶液がポンプ6b
の駆動力により、配管17を通じて、電導度計15およ
び比重計16を通過し、再び循環槽5に戻される循環シ
ステムを具備しているのが好ましい。このような制御手
段は、送液系配管7aおよび7bとは独立した状態で設
けられているのが好ましい。また、電導度計15および
比重計16は従来公知のものを使用することができる。
酸性溶液の電気伝導度および比重を制御して、酸性溶液
の濃度を所定の濃度(後述の酸性溶液の好ましい濃度:
170〜800g/リットル)に制御するために、少な
くとも、電気伝導度計(以下、単に「電導度計」という
場合がある)15と、比重計16と、からなる制御手段
が設けられている。該制御手段には、さらに、電導度計
15と比重計16とがそれぞれ接続している制御装置
(図示せず)と、ポンプ6bとが設けられているのが好
ましい。制御手段は、循環槽5の酸性溶液がポンプ6b
の駆動力により、配管17を通じて、電導度計15およ
び比重計16を通過し、再び循環槽5に戻される循環シ
ステムを具備しているのが好ましい。このような制御手
段は、送液系配管7aおよび7bとは独立した状態で設
けられているのが好ましい。また、電導度計15および
比重計16は従来公知のものを使用することができる。
【0031】アルミニウムイオン濃度については、比重
または電気伝導度で制御できる。特に、電気伝導度でア
ルミニウムイオン濃度を、比重で硫酸濃度を制御するこ
とが好ましい。例えば、アルミニウムイオン濃度につい
ては、電気伝導度実測値が設定値の−15%(下限値)
に近づいたら液供給手段である配管21から液体硫酸バ
ンドを自動的に添加、また濃度が設定値の+15%(上
限値)に近づいたら水供給配管9から水を添加して、循
環槽5の濃度が所定の濃度になるように制御される。
または電気伝導度で制御できる。特に、電気伝導度でア
ルミニウムイオン濃度を、比重で硫酸濃度を制御するこ
とが好ましい。例えば、アルミニウムイオン濃度につい
ては、電気伝導度実測値が設定値の−15%(下限値)
に近づいたら液供給手段である配管21から液体硫酸バ
ンドを自動的に添加、また濃度が設定値の+15%(上
限値)に近づいたら水供給配管9から水を添加して、循
環槽5の濃度が所定の濃度になるように制御される。
【0032】アルミニウムイオン濃度制御において、電
気伝導度で制御する場合、電気伝導度は、450〜11
50mS/cmとすることが好ましい。比重で制御する
場合は、1.15〜1.30とすることが好ましい。
気伝導度で制御する場合、電気伝導度は、450〜11
50mS/cmとすることが好ましい。比重で制御する
場合は、1.15〜1.30とすることが好ましい。
【0033】処理ムラをより低減させるには、酸性溶液
10の電気伝導度を設定値の±10%の範囲に、およ
び、酸性溶液10の比重を設定値の±5%の範囲に、そ
れぞれ実測値が含まれるようにするのが好ましい。ま
た、前記制御手段により、不図示の熱交換器への蒸気の
供給量が制御され、酸性溶液10が所定の液温になるよ
うに調整される。
10の電気伝導度を設定値の±10%の範囲に、およ
び、酸性溶液10の比重を設定値の±5%の範囲に、そ
れぞれ実測値が含まれるようにするのが好ましい。ま
た、前記制御手段により、不図示の熱交換器への蒸気の
供給量が制御され、酸性溶液10が所定の液温になるよ
うに調整される。
【0034】アルミニウム合金板1中のアルミニウム
は、酸性溶液10による酸処理により一定量溶け出す。
一方、酸処理が施されたアルミニウム合金板1はその表
面が酸性溶液10で濡れているため、矢印B方向に移動
しながら、一定量の酸性溶液を持ち出す。酸性溶液10
のアルミニウムイオン濃度は、溶け出した量と持ち出さ
れた量とのバランスにより決まり、通常の条件では、ア
ルミニウムイオン濃度を常に2g/リットル以上とする
ことは困難であった。そこで本発明では、制御手段とし
ての比重計16によりアルミニウムイオン濃度を測定
し、アルミニウムイオン濃度が所定の値より低くなった
場合に、配管21を通じてアルミニウムイオンを供給す
る構成を有している。かかる構成とすることにより、ア
ルミニウムイオン濃度を高濃度、かつ一定の濃度状態と
し、処理ムラや、最終的に得られる平版印刷版による過
酷インキ汚れを防ぐことができる。
は、酸性溶液10による酸処理により一定量溶け出す。
一方、酸処理が施されたアルミニウム合金板1はその表
面が酸性溶液10で濡れているため、矢印B方向に移動
しながら、一定量の酸性溶液を持ち出す。酸性溶液10
のアルミニウムイオン濃度は、溶け出した量と持ち出さ
れた量とのバランスにより決まり、通常の条件では、ア
ルミニウムイオン濃度を常に2g/リットル以上とする
ことは困難であった。そこで本発明では、制御手段とし
ての比重計16によりアルミニウムイオン濃度を測定
し、アルミニウムイオン濃度が所定の値より低くなった
場合に、配管21を通じてアルミニウムイオンを供給す
る構成を有している。かかる構成とすることにより、ア
ルミニウムイオン濃度を高濃度、かつ一定の濃度状態と
し、処理ムラや、最終的に得られる平版印刷版による過
酷インキ汚れを防ぐことができる。
【0035】アルミニウムイオン濃度としては、2g/
リットル以上飽和濃度(硫酸バンドを使用した場合は2
5g/リットル)以下とすることが好ましく、5〜15
g/リットルとすることがより好ましい。2g/リット
ル未満では、最終的に得られる平版印刷版による過酷イ
ンキ汚れを有効に防ぐことができない場合がある。
リットル以上飽和濃度(硫酸バンドを使用した場合は2
5g/リットル)以下とすることが好ましく、5〜15
g/リットルとすることがより好ましい。2g/リット
ル未満では、最終的に得られる平版印刷版による過酷イ
ンキ汚れを有効に防ぐことができない場合がある。
【0036】なお、本発明において「一対の送液系配
管」というときは、循環槽からデスマット処理槽へ送液
する配管と、デスマット処理槽から循環槽へ送液する配
管と、の組み合わせのことを意味し、これら配管のどち
らかが、あるいは双方が、複数本であっても、さらには
中途で枝分かれしていても、全体として「一対の送液系
配管」を構成するものとみなす。
管」というときは、循環槽からデスマット処理槽へ送液
する配管と、デスマット処理槽から循環槽へ送液する配
管と、の組み合わせのことを意味し、これら配管のどち
らかが、あるいは双方が、複数本であっても、さらには
中途で枝分かれしていても、全体として「一対の送液系
配管」を構成するものとみなす。
【0037】<<平版印刷版用支持体の製造方法>>平
版印刷版用支持体は、例えば、原料であるアルミニウム
合金板に粗面化処理を施す粗面化処理工程と、粗面化処
理後のアルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸
化処理工程と、を経て製造される。前記粗面化処理工程
は、少なくとも、酸処理工程を有するデスマット処理工
程を有している。以下、上記本発明の平版印刷版用支持
体の製造装置を前記酸処理工程に使用した場合を例に、
平版印刷版用支持体の製造方法を説明する。
版印刷版用支持体は、例えば、原料であるアルミニウム
合金板に粗面化処理を施す粗面化処理工程と、粗面化処
理後のアルミニウム合金板に陽極酸化処理を施す陽極酸
化処理工程と、を経て製造される。前記粗面化処理工程
は、少なくとも、酸処理工程を有するデスマット処理工
程を有している。以下、上記本発明の平版印刷版用支持
体の製造装置を前記酸処理工程に使用した場合を例に、
平版印刷版用支持体の製造方法を説明する。
【0038】<粗面化処理工程>粗面化処理工程として
は、上記デスマット処理工程の前に、アルミニウム合金
板について機械的粗面化処理を行い(機械的粗面化処理
工程)、次いでアルカリエッチング処理を行った(アル
カリエッチング処理工程)後、電解粗面化処理を行う
(電解粗面化処理工程)ことが好ましい。なお、前記機
械的粗面化処理は任意の処理であり、かかる処理を施さ
ずに、直接アルカリエッチング処理を行った後、電解粗
面化処理を行ってもよい。
は、上記デスマット処理工程の前に、アルミニウム合金
板について機械的粗面化処理を行い(機械的粗面化処理
工程)、次いでアルカリエッチング処理を行った(アル
カリエッチング処理工程)後、電解粗面化処理を行う
(電解粗面化処理工程)ことが好ましい。なお、前記機
械的粗面化処理は任意の処理であり、かかる処理を施さ
ずに、直接アルカリエッチング処理を行った後、電解粗
面化処理を行ってもよい。
【0039】(機械的粗面化処理工程およびアルカリエ
ッチング処理工程)機械的粗面化を行う場合は、パミス
トン懸濁液等を使い、ブラシグレインで粗面化を行うこ
とが好ましい。その後、必要に応じてアルミニウム合金
板は、表面の凹凸形状をなだらかにするとともに、表面
に残った研磨材粒子を除去するためにアルカリエッチン
グ処理される。このとき用いるアルカリ剤としては、苛
性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸ソーダ,炭酸ソーダ,ア
ルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等が好適に挙げられ
る。アルカリ剤の濃度としては、0.01〜20%が好
ましく、処理温度としては、生産性を高める観点から6
0〜80℃が好ましい。アルミニウム合金板のエッチン
グ量としては、0.1〜15g/m2が好ましい。ま
た、処理時間は、エッチング量に対応して2秒〜5分と
するのが好ましく、生産性向上のためには2〜10秒と
するのがより好ましい。
ッチング処理工程)機械的粗面化を行う場合は、パミス
トン懸濁液等を使い、ブラシグレインで粗面化を行うこ
とが好ましい。その後、必要に応じてアルミニウム合金
板は、表面の凹凸形状をなだらかにするとともに、表面
に残った研磨材粒子を除去するためにアルカリエッチン
グ処理される。このとき用いるアルカリ剤としては、苛
性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸ソーダ,炭酸ソーダ,ア
ルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等が好適に挙げられ
る。アルカリ剤の濃度としては、0.01〜20%が好
ましく、処理温度としては、生産性を高める観点から6
0〜80℃が好ましい。アルミニウム合金板のエッチン
グ量としては、0.1〜15g/m2が好ましい。ま
た、処理時間は、エッチング量に対応して2秒〜5分と
するのが好ましく、生産性向上のためには2〜10秒と
するのがより好ましい。
【0040】前記アルカリエッチング処理を行った場合
は、アルミニウム板表面にアルカリに不溶な物質(スマ
ット)が残存するので、これを除去するために硝酸等に
よるデスマット処理を行うのが好ましい。かかる硝酸等
によるデスマット処理を行い、電解粗面化処理を行った
後、さらに後述する洗浄処理工程において、アルミニウ
ムイオンを5〜100g/リットルの濃度で含む酸性溶
液を用いた洗浄処理を行うことにより、電解粗面化で生
じるスマットの除去とともに、アルミニウム合金板の表
面に存在する有害な金属化合物を除去、あるいは無害化
できるので、次工程の陽極酸化処理工程では、良好な陽
極酸化皮膜が均一に形成され、耐過酷インキ汚れ性の優
れた平版印刷版用支持体を製造することができる。この
場合、前記アルカリエッチング処理の条件としては、p
Hが10以上で液温60〜80℃が好ましい。
は、アルミニウム板表面にアルカリに不溶な物質(スマ
ット)が残存するので、これを除去するために硝酸等に
よるデスマット処理を行うのが好ましい。かかる硝酸等
によるデスマット処理を行い、電解粗面化処理を行った
後、さらに後述する洗浄処理工程において、アルミニウ
ムイオンを5〜100g/リットルの濃度で含む酸性溶
液を用いた洗浄処理を行うことにより、電解粗面化で生
じるスマットの除去とともに、アルミニウム合金板の表
面に存在する有害な金属化合物を除去、あるいは無害化
できるので、次工程の陽極酸化処理工程では、良好な陽
極酸化皮膜が均一に形成され、耐過酷インキ汚れ性の優
れた平版印刷版用支持体を製造することができる。この
場合、前記アルカリエッチング処理の条件としては、p
Hが10以上で液温60〜80℃が好ましい。
【0041】(電解粗面化処理工程)近年、アルミニウ
ム合金板から平版印刷版用支持体を製造する製造工程で
は、平版印刷版に形成される画像部における感光層と、
アルミニウム合金板表面と、の密着性を向上させたり、
また非画像部における保水性を向上させるために、塩酸
や硝酸を主体とする電解液を使用して、アルミニウム合
金板に対する電解粗面化処理工程を設けることが多い。
電解粗面化処理は、前述のブラシグレイン等の機械的粗
面化処理で得られたアルミニウム合金板の表面に重畳し
て行うことも、あるいはアルミニウム合金板の表面にア
ルカリ洗浄等の前処理を行った後に直接行うこともでき
る。
ム合金板から平版印刷版用支持体を製造する製造工程で
は、平版印刷版に形成される画像部における感光層と、
アルミニウム合金板表面と、の密着性を向上させたり、
また非画像部における保水性を向上させるために、塩酸
や硝酸を主体とする電解液を使用して、アルミニウム合
金板に対する電解粗面化処理工程を設けることが多い。
電解粗面化処理は、前述のブラシグレイン等の機械的粗
面化処理で得られたアルミニウム合金板の表面に重畳し
て行うことも、あるいはアルミニウム合金板の表面にア
ルカリ洗浄等の前処理を行った後に直接行うこともでき
る。
【0042】上記電解粗面化処理は、塩酸又は硝酸を主
体とする電解液中で交流電流を電解電流としてエッチン
グすることにより行われる。交流電解電流の周波数とし
ては0.1〜100Hzが好ましく、10〜60Hzが
より好ましい。電解液としては、塩酸および硝酸の何れ
を主体とする場合も、液濃度を3〜150g/リットル
とするのが好ましく、5〜50g/リットルとするのが
より好ましい。
体とする電解液中で交流電流を電解電流としてエッチン
グすることにより行われる。交流電解電流の周波数とし
ては0.1〜100Hzが好ましく、10〜60Hzが
より好ましい。電解液としては、塩酸および硝酸の何れ
を主体とする場合も、液濃度を3〜150g/リットル
とするのが好ましく、5〜50g/リットルとするのが
より好ましい。
【0043】前記電解粗面化処理の際、電解槽内でのア
ルミニウムの溶解量としては、50g/リットル以下が
好ましく、2〜20g/リットルがより好ましい。必要
に応じて各種の添加剤を電解液へ添加してもよいが、こ
のような添加剤は、アルミニウム合金板を大量生産する
場合には、電解液の液濃度制御等を難しくするため、適
宜選択する必要がある。
ルミニウムの溶解量としては、50g/リットル以下が
好ましく、2〜20g/リットルがより好ましい。必要
に応じて各種の添加剤を電解液へ添加してもよいが、こ
のような添加剤は、アルミニウム合金板を大量生産する
場合には、電解液の液濃度制御等を難しくするため、適
宜選択する必要がある。
【0044】また、電流密度としては、5〜100A/
dm2が好ましく、10〜80A/dm2がより好まし
い。さらに、電解電流の波形としては、要求される品
質、使用されるアルミニウム合金板の成分等によって適
宜選択されるが、特公昭56−19280号公報、特公
昭55−19191号公報に開示されている特殊交流波
形を用いることが好ましい。このような電解電流の波形
や電解液の条件は、アルミニウム合金板の単位面積当た
りの供給電気量とともに、要求される品質、使用される
アルミニウム合金板の成分等に応じて適宜選択される。
なお、電解粗面化処理後に、粗面をなだらかにするた
め、微小量のアルカリエッチングを行ってもよい。
dm2が好ましく、10〜80A/dm2がより好まし
い。さらに、電解電流の波形としては、要求される品
質、使用されるアルミニウム合金板の成分等によって適
宜選択されるが、特公昭56−19280号公報、特公
昭55−19191号公報に開示されている特殊交流波
形を用いることが好ましい。このような電解電流の波形
や電解液の条件は、アルミニウム合金板の単位面積当た
りの供給電気量とともに、要求される品質、使用される
アルミニウム合金板の成分等に応じて適宜選択される。
なお、電解粗面化処理後に、粗面をなだらかにするた
め、微小量のアルカリエッチングを行ってもよい。
【0045】(デスマット処理工程)上記のようにして
電解粗面化されたアルミニウム合金板表面には、スマッ
トや金属間化合物が存在する。そこで、本発明では、該
スマットや金属間化合物を除去するため、アルミニウム
イオンを添加した酸性溶液による酸処理を行う。
電解粗面化されたアルミニウム合金板表面には、スマッ
トや金属間化合物が存在する。そこで、本発明では、該
スマットや金属間化合物を除去するため、アルミニウム
イオンを添加した酸性溶液による酸処理を行う。
【0046】当該酸処理では、アルミニウムイオンを5
〜25g/リットルの濃度で含む酸性溶液を用いてアル
ミニウム合金板を洗浄するのが好ましく、アルミニウム
イオンを5〜15g/リットルの濃度で含む酸性溶液を
用いて処理するのがより好ましい。
〜25g/リットルの濃度で含む酸性溶液を用いてアル
ミニウム合金板を洗浄するのが好ましく、アルミニウム
イオンを5〜15g/リットルの濃度で含む酸性溶液を
用いて処理するのがより好ましい。
【0047】前記酸性溶液としては、硫酸を主体とする
液体が好ましい。「硫酸を主体とする液体」としては、
硫酸が好適に挙げられるが、硫酸のかわりに、塩酸、硝
酸等の酸、あるいはこれらの酸(硫酸も含む)の混合物
も、同様な効果が得られるので、好適に挙げられる。た
だし、設備の耐腐食性の観点からは、塩酸、硝酸よりは
硫酸の方が好ましく、液管理の簡素化の観点では、混合
物よりは単一の酸を主体とする溶液の方が好ましい。ま
た、本明細書において「硫酸を主体とする」とは、主体
となる硫酸が、酸性溶液中の酸性成分全体に対して、3
0質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれている
ことをいう。
液体が好ましい。「硫酸を主体とする液体」としては、
硫酸が好適に挙げられるが、硫酸のかわりに、塩酸、硝
酸等の酸、あるいはこれらの酸(硫酸も含む)の混合物
も、同様な効果が得られるので、好適に挙げられる。た
だし、設備の耐腐食性の観点からは、塩酸、硝酸よりは
硫酸の方が好ましく、液管理の簡素化の観点では、混合
物よりは単一の酸を主体とする溶液の方が好ましい。ま
た、本明細書において「硫酸を主体とする」とは、主体
となる硫酸が、酸性溶液中の酸性成分全体に対して、3
0質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれている
ことをいう。
【0048】前記酸性溶液について、液濃度(中和滴定
で測定した硫酸の濃度)としては170〜800g/リ
ットルが好ましい。液濃度が170g/リットルより低
いと、スマットについては除去できるものの、金属間化
合物ついては十分な除去効果が得られない。液濃度が低
いと、スマットについては十分除去できるが、金属間化
合物ついては高い除去効果が得られないことから、液濃
度としては300〜800g/リットルがより好まし
い。
で測定した硫酸の濃度)としては170〜800g/リ
ットルが好ましい。液濃度が170g/リットルより低
いと、スマットについては除去できるものの、金属間化
合物ついては十分な除去効果が得られない。液濃度が低
いと、スマットについては十分除去できるが、金属間化
合物ついては高い除去効果が得られないことから、液濃
度としては300〜800g/リットルがより好まし
い。
【0049】さらに、前記酸性溶液には、アルミニウム
イオンを添加することが必須である。アルミニウムイオ
ンを前記酸性溶液中に添加することにより、高温で酸処
理を行わなくても、アルミニウム合金板表面に存在する
スマットおよび金属間化合物を除去、あるいは無害化す
ることができ、耐過酷インキ汚れ性に優れた平版印刷版
用支持体の製造が可能となる。また、前記アルミニウム
イオンの添加方法としては、例えば、好ましい濃度に調
整した硫酸に、硫酸アルミニウムを添加し、好ましいア
ルミニウムイオン濃度に調整する方法等が、好適に挙げ
られる。なお、硫酸アルミニウムとしては、液体硫酸バ
ンド(例えば、Al2O3成分が8%のもの)、あるいは
粉体無鉄硫酸バンド(Al2O3成分が17%以上のも
の)が挙げられる。
イオンを添加することが必須である。アルミニウムイオ
ンを前記酸性溶液中に添加することにより、高温で酸処
理を行わなくても、アルミニウム合金板表面に存在する
スマットおよび金属間化合物を除去、あるいは無害化す
ることができ、耐過酷インキ汚れ性に優れた平版印刷版
用支持体の製造が可能となる。また、前記アルミニウム
イオンの添加方法としては、例えば、好ましい濃度に調
整した硫酸に、硫酸アルミニウムを添加し、好ましいア
ルミニウムイオン濃度に調整する方法等が、好適に挙げ
られる。なお、硫酸アルミニウムとしては、液体硫酸バ
ンド(例えば、Al2O3成分が8%のもの)、あるいは
粉体無鉄硫酸バンド(Al2O3成分が17%以上のも
の)が挙げられる。
【0050】前記アルミニウムイオンの濃度としては、
5〜25g/リットルが好ましく、5〜15g/リット
ルがより好ましい。5g/リットルより低濃度である
と、スマットおよび金属間化合物を除去する効果が低下
してしまい、また、25g/リットルより高濃度である
と、アルミニウムイオンが酸性溶液に溶解できずに析出
してしまう恐れがある。
5〜25g/リットルが好ましく、5〜15g/リット
ルがより好ましい。5g/リットルより低濃度である
と、スマットおよび金属間化合物を除去する効果が低下
してしまい、また、25g/リットルより高濃度である
と、アルミニウムイオンが酸性溶液に溶解できずに析出
してしまう恐れがある。
【0051】前記酸性溶液の液温は、30〜65℃が好
ましく、50〜65℃がより好ましい。アルミニウムイ
オンを全く添加していない酸性溶液の場合、液温は、酸
濃度と比べて金属間化合物の除去効果に対する影響が大
きく、液温を65〜90℃とする必要があるが、アルミ
ニウムイオンを添加することにより、上記65〜90℃
の温度範囲より低温においても、金属間化合物の除去効
果を低下させることなく洗浄処理を行うことができる。
なお、当該酸処理を行う前に、必要に応じて、苛性ソー
ダ等によるアルカリ処理を施すこともできる。
ましく、50〜65℃がより好ましい。アルミニウムイ
オンを全く添加していない酸性溶液の場合、液温は、酸
濃度と比べて金属間化合物の除去効果に対する影響が大
きく、液温を65〜90℃とする必要があるが、アルミ
ニウムイオンを添加することにより、上記65〜90℃
の温度範囲より低温においても、金属間化合物の除去効
果を低下させることなく洗浄処理を行うことができる。
なお、当該酸処理を行う前に、必要に応じて、苛性ソー
ダ等によるアルカリ処理を施すこともできる。
【0052】<陽極酸化処理工程>デスマット処理工程
を経たアルミニウム合金板について、次の工程として、
陽極酸化処理が施される(陽極酸化処理工程)。この陽
極酸化処理工程において、アルミニウム合金板の表層部
に陽極酸化皮膜が形成される。このとき、形成される陽
極酸化皮膜の量としては、0.1〜10g/m2が好ま
しく、0.3〜5g/m2がより好ましい。また陽極酸
化処理の条件は、使用される電解液によって設定を変更
する必要があるので一概には決定されないが、一般的に
は、電解液の濃度(酸濃度)は1〜80wt%、液温は
5〜70℃、電流密度は0.5〜60A/dm2、電圧
は1〜100V、電解時間は1秒〜5分の範囲内でそれ
ぞれ設定されるのが好ましい。
を経たアルミニウム合金板について、次の工程として、
陽極酸化処理が施される(陽極酸化処理工程)。この陽
極酸化処理工程において、アルミニウム合金板の表層部
に陽極酸化皮膜が形成される。このとき、形成される陽
極酸化皮膜の量としては、0.1〜10g/m2が好ま
しく、0.3〜5g/m2がより好ましい。また陽極酸
化処理の条件は、使用される電解液によって設定を変更
する必要があるので一概には決定されないが、一般的に
は、電解液の濃度(酸濃度)は1〜80wt%、液温は
5〜70℃、電流密度は0.5〜60A/dm2、電圧
は1〜100V、電解時間は1秒〜5分の範囲内でそれ
ぞれ設定されるのが好ましい。
【0053】以上の各工程を有する平版印刷版用支持体
の製造方法によれば、前記陽極酸化処理に先立ち、所定
の条件で、酸性溶液によりアルミニウム合金板を洗浄す
る工程からなる洗浄処理を施すことで、アルミニウム合
金板の表面に存在する有害な金属間化合物およびスマッ
トを除去、あるいは無害化することが可能となる。従っ
て、次工程の陽極酸化処理では、陽極酸化皮膜にスマッ
トおよび金属間化合物に起因する欠陥が発生しないの
で、アルミニウム合金板をアルミニウム合金の合金組成
や製造工程を厳密に管理することなく製造できる。この
結果、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法により製
造されたアルミニウム合金板を支持体として、平版印刷
版を製造することにより、その平版印刷版により印刷さ
れた非画像部における過酷インキ汚れを効果的に防止す
ることが可能となる。
の製造方法によれば、前記陽極酸化処理に先立ち、所定
の条件で、酸性溶液によりアルミニウム合金板を洗浄す
る工程からなる洗浄処理を施すことで、アルミニウム合
金板の表面に存在する有害な金属間化合物およびスマッ
トを除去、あるいは無害化することが可能となる。従っ
て、次工程の陽極酸化処理では、陽極酸化皮膜にスマッ
トおよび金属間化合物に起因する欠陥が発生しないの
で、アルミニウム合金板をアルミニウム合金の合金組成
や製造工程を厳密に管理することなく製造できる。この
結果、本発明の平版印刷版用支持体の製造方法により製
造されたアルミニウム合金板を支持体として、平版印刷
版を製造することにより、その平版印刷版により印刷さ
れた非画像部における過酷インキ汚れを効果的に防止す
ることが可能となる。
【0054】また、アルミニウム合金板における陽極酸
化皮膜は、それ自身安定でも十分高い親水性を有してい
ることから、その陽極酸化皮膜上には直ちに感光性材料
を塗布して感光性塗膜を形成することも可能であるが、
必要に応じて、更に表面処理を施すこともできる。例え
ば、アルミニウム合金板の表面に、既に記述したアルカ
リ金属珪酸塩によるシリケート層、又は親水性高分子化
合物等よりなる下塗層、を設けることができる。このと
き、前記下塗層の塗布量は1〜150mg/m2が好ま
しい。このようにして必要に応じて下塗層が設けられた
アルミニウム合金板(平版印刷版用支持体)上に、感光
性塗膜を形成して平版印刷版原版が製造される。この平
版印刷版原版は画像露光、現像等の工程を経て平版印刷
版とされた後、印刷機にセットされる。
化皮膜は、それ自身安定でも十分高い親水性を有してい
ることから、その陽極酸化皮膜上には直ちに感光性材料
を塗布して感光性塗膜を形成することも可能であるが、
必要に応じて、更に表面処理を施すこともできる。例え
ば、アルミニウム合金板の表面に、既に記述したアルカ
リ金属珪酸塩によるシリケート層、又は親水性高分子化
合物等よりなる下塗層、を設けることができる。このと
き、前記下塗層の塗布量は1〜150mg/m2が好ま
しい。このようにして必要に応じて下塗層が設けられた
アルミニウム合金板(平版印刷版用支持体)上に、感光
性塗膜を形成して平版印刷版原版が製造される。この平
版印刷版原版は画像露光、現像等の工程を経て平版印刷
版とされた後、印刷機にセットされる。
【0055】
【実施例】以下に、本発明の実施例について具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】(実施例1)アルミニウム合金板(アルミ
ニウム純度:99.3%、厚さ0.24mm)に、パミ
ンストン懸濁液を使用したブラシグレイン(8号ブラシ
×3本)により、粗面化処理を行った(機械的粗面化処
理工程)。水洗後、75℃にて25%のNaOH溶液に
より8g/m2までアルカリエッチングを行った(アル
カリエッチング処理工程)。水洗後、40℃にて9g/
リットルの硝酸によりデスマット処理を行った後、電解
粗面化処理を行った(電解粗面化処理工程)。電解粗面
化処理は、9g/リットルの硝酸を電解液とし、50℃
で電気量を180C/dm2として行った。
ニウム純度:99.3%、厚さ0.24mm)に、パミ
ンストン懸濁液を使用したブラシグレイン(8号ブラシ
×3本)により、粗面化処理を行った(機械的粗面化処
理工程)。水洗後、75℃にて25%のNaOH溶液に
より8g/m2までアルカリエッチングを行った(アル
カリエッチング処理工程)。水洗後、40℃にて9g/
リットルの硝酸によりデスマット処理を行った後、電解
粗面化処理を行った(電解粗面化処理工程)。電解粗面
化処理は、9g/リットルの硝酸を電解液とし、50℃
で電気量を180C/dm2として行った。
【0057】その後、デスマット処理(デスマット処理
工程)として、まず、5wt%のNaOH溶液を用い、
液温30℃でアルカリ処理を行った(アルカリ処理工
程)。エッチング量(アルミニウム溶解量)は0.2g
/m2とした。アルカリ処理後、水洗して、図1に示す
装置を使用し、シャワー方式により、4秒間の硫酸によ
る酸処理を行った(酸処理工程)。
工程)として、まず、5wt%のNaOH溶液を用い、
液温30℃でアルカリ処理を行った(アルカリ処理工
程)。エッチング量(アルミニウム溶解量)は0.2g
/m2とした。アルカリ処理後、水洗して、図1に示す
装置を使用し、シャワー方式により、4秒間の硫酸によ
る酸処理を行った(酸処理工程)。
【0058】なお、電導度計15としては、電気化学計
器製のMC−61T型検出器とMB−32A20型アン
プとを使用し、比重計16としては、横河計器製の差圧
伝送器を使用した。使用した硫酸は、硫酸濃度が170
g/リットル、液温が50℃で、硫酸の供給量は300
リットル/分であった。また、アルミニウムイオン濃度
は3g/リットルとし、酸処理中、比重でアルミニウム
イオン濃度を制御しながら配管21からアルミニウムイ
オンを適宜補充した。アルミニウムイオンの原料として
は、硫酸バンドを溶解した硫酸水溶液(Al:約55g
/リットル)を使用した。かかる条件で、1時間酸処理
を行い、電気伝導度および比重の実測値が設定値(表1
参照)からずれる幅(振れ幅)を測定した。結果を表
1、2に示す。なお、評価指標は以下の通りである。 ○:電気伝導度の場合は振れ幅が設定値の±15%以
内、比重の場合は振れ幅が設定値の±10%以内のとき ×:電気伝導度および比重の場合も上記範囲外のとき また、表1中の制御性の判定は、電気伝導度および比重
の評価がいずれも○である場合は○とし、いずれか若し
くはいずれもが×の場合は×とした。
器製のMC−61T型検出器とMB−32A20型アン
プとを使用し、比重計16としては、横河計器製の差圧
伝送器を使用した。使用した硫酸は、硫酸濃度が170
g/リットル、液温が50℃で、硫酸の供給量は300
リットル/分であった。また、アルミニウムイオン濃度
は3g/リットルとし、酸処理中、比重でアルミニウム
イオン濃度を制御しながら配管21からアルミニウムイ
オンを適宜補充した。アルミニウムイオンの原料として
は、硫酸バンドを溶解した硫酸水溶液(Al:約55g
/リットル)を使用した。かかる条件で、1時間酸処理
を行い、電気伝導度および比重の実測値が設定値(表1
参照)からずれる幅(振れ幅)を測定した。結果を表
1、2に示す。なお、評価指標は以下の通りである。 ○:電気伝導度の場合は振れ幅が設定値の±15%以
内、比重の場合は振れ幅が設定値の±10%以内のとき ×:電気伝導度および比重の場合も上記範囲外のとき また、表1中の制御性の判定は、電気伝導度および比重
の評価がいずれも○である場合は○とし、いずれか若し
くはいずれもが×の場合は×とした。
【0059】酸処理後、硫酸濃度170g/リットル、
30℃の硫酸溶液中で直流電解を行う陽極酸化処理(平
均電流密度は25A/dm2とし、形成される陽極酸化
被膜の量は2.4g/m2とした)を行って(陽極酸化
処理(アノダイズ処理)工程)、平版印刷版用支持体を
作製した。
30℃の硫酸溶液中で直流電解を行う陽極酸化処理(平
均電流密度は25A/dm2とし、形成される陽極酸化
被膜の量は2.4g/m2とした)を行って(陽極酸化
処理(アノダイズ処理)工程)、平版印刷版用支持体を
作製した。
【0060】(実施例2〜9)酸処理工程において、硫
酸濃度およびアルミニウムイオン濃度を表1に示すよう
に設定した以外は実施例1と同様にして平版印刷版用支
持体を製造した。実施例1と同様に酸処理工程において
電気伝導度および比重の実測値が設定値からずれる幅
(振れ幅)を測定した。結果を表1、2に示す。
酸濃度およびアルミニウムイオン濃度を表1に示すよう
に設定した以外は実施例1と同様にして平版印刷版用支
持体を製造した。実施例1と同様に酸処理工程において
電気伝導度および比重の実測値が設定値からずれる幅
(振れ幅)を測定した。結果を表1、2に示す。
【0061】(比較例1〜9)酸処理工程において、硫
酸濃度およびアルミニウムイオン濃度を表1に示すよう
に設定し、アルミニウムイオンの補充を行わなかった以
外は実施例1と同様にして平版印刷版用支持体を製造し
た。実施例1と同様に酸処理工程において電気伝導度お
よび比重の実測値が設定値からずれる幅(振れ幅)を測
定した。結果を表1、2に示す。
酸濃度およびアルミニウムイオン濃度を表1に示すよう
に設定し、アルミニウムイオンの補充を行わなかった以
外は実施例1と同様にして平版印刷版用支持体を製造し
た。実施例1と同様に酸処理工程において電気伝導度お
よび比重の実測値が設定値からずれる幅(振れ幅)を測
定した。結果を表1、2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】実施例1〜9では、酸処理工程において、
アルミニウムイオンを適宜供給したため、電気伝導度お
よび比重のいずれもが一定であり、制御性に優れてい
た。一方、比較例1〜9では、アルミニウムイオンを供
給しなかったため、酸処理時間とともに比重の低下が見
られ、制御性が低かった。
アルミニウムイオンを適宜供給したため、電気伝導度お
よび比重のいずれもが一定であり、制御性に優れてい
た。一方、比較例1〜9では、アルミニウムイオンを供
給しなかったため、酸処理時間とともに比重の低下が見
られ、制御性が低かった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
版用支持体の製造装置によれば、アルミニウム合金板の
製造工程を厳密に管理することなく、高い制御性を維持
しながら、平版印刷版用支持体を製造できる。
版用支持体の製造装置によれば、アルミニウム合金板の
製造工程を厳密に管理することなく、高い制御性を維持
しながら、平版印刷版用支持体を製造できる。
【図1】 本発明の平版印刷版用支持体の製造装置の一
例を示す概略構成図である。
例を示す概略構成図である。
1・・・アルミニウム合金板 2・・・シャワー管 3a,3b,3c・・・パスロール 4・・・デスマット処理槽 5・・・循環槽 6a,6b・・・ポンプ 7a,7b・・・送液系配管 8・・・原液供給配管 9・・・水供給配管 10・・・酸性溶液 15・・・電気伝導度計 16・・・比重計 17,21・・・配管
フロントページの続き (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 DA17 DA18 2H096 AA07 CA03 CA20 LA16 2H114 AA14 DA04 DA73 EA01 GA03 GA05 GA06 GA08 GA09
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも、酸性溶液により酸処理する
ためのデスマット処理槽と、前記酸性溶液を貯留する循
環槽とを有し、 該循環槽と前記デスマット処理槽とが少なくとも一対の
送液系配管で連結されており、酸性溶液が前記送液系配
管のうちの一方を通して前記循環槽から前記デスマット
処理槽に送液され、該デスマット処理槽内でアルミニウ
ム合金板を酸処理し、酸処理後の酸性溶液が他方の前記
送液系配管を通して前記循環槽に送液される循環システ
ムを具備し、 さらに前記循環槽に、少なくとも、濃硫酸および/また
は水を供給する液供給手段と、アルミニウムイオンを供
給するアルミニウムイオン供給手段と、が設けられてい
ることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項2】 前記循環槽中の酸性溶液の電気伝導度、
比重、アルミニウムイオン濃度を制御するための制御手
段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項3】 前記制御手段が、液供給手段および/ま
たはアルミニウムイオン供給手段から濃硫酸、水および
アルミニウムイオンのいずれか1以上を前記循環槽中に
供給し、前記酸性溶液の電気伝導度、比重、アルミニウ
ムイオン濃度を制御する手段であることを特徴とする請
求項2に記載の平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項4】 前記アルミニウムイオンの原料が、硫酸
バンドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項5】 前記硫酸バンドが、溶液となっているこ
とを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版用支持体の
製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001090962A JP2002283754A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 平版印刷版用支持体の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001090962A JP2002283754A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 平版印刷版用支持体の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002283754A true JP2002283754A (ja) | 2002-10-03 |
Family
ID=18945670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001090962A Pending JP2002283754A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 平版印刷版用支持体の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002283754A (ja) |
-
2001
- 2001-03-27 JP JP2001090962A patent/JP2002283754A/ja active Pending
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