JP2002283753A - 平版印刷版支持体用アルミニウム板、平版印刷版支持体、および平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査方法 - Google Patents

平版印刷版支持体用アルミニウム板、平版印刷版支持体、および平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査方法

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JP2002283753A
JP2002283753A JP2001086920A JP2001086920A JP2002283753A JP 2002283753 A JP2002283753 A JP 2002283753A JP 2001086920 A JP2001086920 A JP 2001086920A JP 2001086920 A JP2001086920 A JP 2001086920A JP 2002283753 A JP2002283753 A JP 2002283753A
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aluminum
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printing plate
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Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価であり、送り障害が生じ難い平版印刷版
支持体用アルミニウム板の提供。 【解決手段】アルミニウム含有率95〜99.5重量%
の圧延アルミニウム板であり、圧延方向に対して略直角
の方向に沿って切断し、前記アルミニウム板を検査台の
試料載置面上に載置して前記アルミニウム板の圧延方向
に沿った中央部を、前記圧延方向の全長に亘って前記試
料載置面に押圧して密着させて耳歪みの個数および高さ
を測定したときに、前記圧延方向に沿った側縁部1m当
りにおいて、耳歪みの個数が3.334個以下であり、
前記耳歪みの最大高さが2mm以下であり、前記耳歪み
の高さの合計である合計高さが2.666mm以下であ
る平版印刷版支持体用アルミニウム板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版支持体
用アルミニウム板、平版印刷版支持体、および平版印刷
版支持体用アルミニウム板の検査方法に関し、特に、安
価であり、粗面化処理および製版層の形成を連続的に行
って平版印刷原版に加工する際に、蛇行などの送り障害
が生じ難く、平版印刷原版の製造に好適に使用できる平
版印刷版支持体用アルミニウム板、前記平版印刷版支持
体用アルミニウム板から作製される平版印刷版支持体、
平版印刷版支持体用アルミニウム板として納入されたロ
ール状のアルミニウム圧延板につき、前記送り障害が生
じ難いかどうかを、簡易な用具および操作で調べること
のできる平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版支持体は、通常、連続した帯
状のアルミニウム薄板であるアルミニウムウェブの片面
または両面に機械的粗面化処理、エッチング処理、交流
電解粗面化処理などの各種粗面化処理を施して粗面化面
を形成する粗面化工程、および前記粗面化処理を施した
アルミニウムウェブの表面を陽極酸化処理して陽極酸化
被膜を形成する陽極酸化工程を経て作製される。そし
て、前記平版印刷版支持体における粗面化面に感光性ま
たは感熱性の製版面を形成し、次いで適宜の大きさに裁
断して平版印刷原版を製造する。
【0003】平版印刷原版用のアルミニウム合金として
は、これまで各種の組成のものが提案されてきたが、現
在平版印刷原版用として実用されているものは、JIS
A1050材に代表される純アルミニウム、およびJ
IS A 3005材に代表される3000系アルミニ
ウム合金が主である。
【0004】前記純アルミニウムおよび前記3000系
アルミニウム合金は、通常、新地金と称される純度9
9.7%以上の高純度アルミニウムに、必要に応じて、
所定の元素を含み、母合金と称されるアルミニウム合金
を添加するか、または所定の量の純金属の形態の添加元
素、すなわち添加用純金属を添加して製造される。ま
た、アルミニウム製造工場内で発生した合金組成が既知
のアルミニウム屑を使用することもある。
【0005】しかし、前記新地金、母合金、および前記
添加用純金属は、何れも高価である。また、アルミニウ
ム製造工場内で発生した前記アルミニウム屑も決して安
価ではない。
【0006】そこで、使用済みの平版印刷版、および平
版印刷版の製造工程において発生した不良品をアルミニ
ウム合金の原料として平版印刷版用支持体を製造するこ
とが検討された。
【0007】しかし、前記使用済みの平版印刷版および
不良品もそれほど安価ではなく、また、前記使用済みの
平版印刷版は、供給量が不安定であるという問題もあ
る。
【0008】これらの問題を解決すべく、更に安価なア
ルミニウム源として、前記使用済みの平版印刷版から回
収したアルミニウム材に加えて、回収アルミニウム缶な
どのリサイクル材、スクラップ材、および再生地金など
も用いることにより、平版印刷原版をより安価に製造す
ることが検討された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記リ
サイクル材、スクラップ材、および再生地金は、アルミ
ニウム純後が97重量%またはそれ以下と、何れも、前
記新地金に比較して純度が低く、更に、合金成分の制御
が殆ど成されていない。
【0010】したがって、前記リサイクル材、スクラッ
プ材、および再生地金を用いて平版印刷原版を作成した
ときには、得られる平版印刷原版の機械的特性の変動が
大きくなる。このような前記平版印刷原版を自動露光装
置で露光・現像して製版したり、前記平版印刷原版を製
版した平版印刷版を平版オフセット印刷機の版胴に装着
したりしたときには、引っかかりや蛇行などの送り不良
が生じたり、版胴から浮き上がるなどの取り付け不良が
生じたりするという問題が生じる。
【0011】アルミニウムウェブは、鋳塊を熱間圧延
し、次いで冷間圧延して所定の厚さにすることにより製
造される。前記アルミニウムウェブは、通常、巻き管に
ロール状に巻回されたコイルの状態で保管・納品され
る。
【0012】前記アルミニウムウェブを巻回してコイル
にしたときに、前記アルミニウムウェブの側縁部すなわ
ち耳部同士が強く接触して変形しないように、通常、耳
部よりも中央部のほうが厚くなるように圧延している。
【0013】しかし、耳部よりも中央部のほうが厚くな
るように鋳塊を圧延した場合には、中央部よりも耳部の
伸びの方が大きくなるから、前記耳部に、波状の弛み、
すなわち波状の変形、換言すれば耳歪みが生じ易い。前
記耳歪みが大きな場合には、前記耳歪みは、平版印刷原
版に加工する際の送り不良の原因になり、また、得られ
た平版印刷原版の製版時およびオフセット印刷機への取
り付け時における送り不良および版胴への取り付け不良
の原因にもなる。
【0014】前記鋳塊を製造するのに、前記新地金、母
合金、および添加用純金属を用いた場合には、得られる
鋳塊の圧延特性はほぼ一定であるから、圧延条件を制御
することにより、前記耳歪みを一定の範囲内に押さえる
ことが比較的容易である。
【0015】しかし、前記リサイクル材、スクラップ
材、および再生地金は、前述のように、アルミニウム純
度が低い上に、合金成分の制御が殆ど成されていないか
ら、前記リサイクル材、スクラップ材、および再生地金
を用いて鋳造した鋳塊は、圧延特性のばらつきが大き
い。したがって、この鋳塊を圧延してアルミニウムウェ
ブを製造したときには、圧延条件を制御することによ
り、前記耳歪みを一定の範囲内に押さえることが困難で
ある。
【0016】本発明は、上記問題を解決すべく成された
もので、前記リサイクル材、スクラップ材、および再生
地金などを用いて製造でき、しかも、前記送り不良およ
び版胴への取り付け不良などのトラブルが生じることの
ない平版印刷版支持体用アルミニウム板、前記平版印刷
版支持体用アルミニウム板を支持体とする平版印刷原
版、および平版印刷版支持体用アルミニウム板として納
入されたロール状のアルミニウム圧延板につき、前記送
り障害および版胴への取り付け不良が生じ難いかどうか
を、簡易な用具および操作で調べることのできる平版印
刷版支持体用アルミニウム板の検査方法を提供すること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウムの含有率が95〜99.4重量%であ
るとともに、圧延により形成されてなるアルミニウム板
であって、以下の手順、すなわち(a)前記アルミニウム
板の圧延方向に対して略直角の方向に沿って切断し、
(b)前記切断したアルミニウム板を、平面状または湾曲
面状の試料載置面を有する検査台における前記試料載置
面上に載置し、(c)前記試料載置面上に載置されたアル
ミニウム板の前記圧延方向に沿った中心線の近傍部分で
ある中央部を、前記アルミニウム板の前記圧延方向に沿
った全長に亘って前記試料載置面に押圧して密着させ、
(d)前記アルミニウム板における前記圧延方向に沿った
側縁部に存在する波状の弛みである耳歪みにつき、前記
側縁部の単位長さ当りの個数および高さを測定するとい
う手順で耳歪みの個数および高さを測定したときに、前
記圧延方向に沿った側縁部1m当りにおいて、耳歪みの
個数が3.334個以下であり、前記耳歪みの最大高さ
が2mm以下であり、前記耳歪みの高さの合計である合
計高さが2.666mm以下であることを特徴とする平
版印刷版支持体用アルミニウム板に関する。
【0018】前記アルミニウム板としては、前記新地金
に母合金および/または添加用純金属を添加して製造し
たアルミニウム合金、または前記新地金の鋳塊を熱間お
よび/または冷間で圧延したアルミニウム板があるが、
前記リサイクル材、前記スクラップ材、および前記再生
地金などを適宜配合して鋳造した鋳塊を熱間および/ま
たは冷間で圧延したアルミニウム板、および前記リサイ
クル材、スクラップ材、および再生地金に使用済みの平
版印刷版由来のスクラップ材を配合して鋳造した鋳塊を
熱間および/または冷間で圧延したアルミニウム板が望
ましい。
【0019】前記平版印刷版支持体用アルミニウム板
に、粗面化処理、陽極酸化処理、製版層の形成、切断、
およびスリットなどの工程を連続的に行って平版印刷原
版を作製するときに、蛇行や引っかかりなどの送り障害
が発生することがなく、また、前記平版印刷版支持体用
アルミニウム板から作製した平版印刷原版は、製版時
に、製版装置および現像装置において蛇行や引っかかり
なとが生じることがない。また、平版オフセット印刷機
の版胴に装着したときに前記版胴の表面から浮き上がる
こともない。
【0020】また、前記平版印刷版支持体用アルミニウ
ム板は、リサイクル材、スクラップ材、および再生地金
などから製造できるから、原料コストが安いという特長
もある。
【0021】請求項2に記載の発明は、中央部が厚く、
耳部の近傍が薄い断面形状を有し、以下の式: a=h/c pc=c/tmax (h=tmin−tedge、c=tmax−tmin、tmax=前記
アルミニウムウェブの中央部最大板厚、tmin=前記ア
ルミニウムウェブの最小板厚、tedge=前記アルミニウ
ムウェブの耳部の板厚)で定義されるa値が1以下であ
り、pc値が2%以下である請求項1に記載の平版印刷
版支持体用アルミニウム板に関する。
【0022】前記平版印刷版支持体用アルミニウム板
は、中央部が厚く、耳部の近傍が薄いから、巻回してコ
イルにしたときに、耳部同士が強く接触することにより
変形することがない。さらに、前記アルミニウムウェブ
の全幅に亘る平均厚さに比較して前記中央部の厚さが過
大にならず、また、耳部近傍の厚みが過小にならないか
ら、コイルに巻回しているときに、前記アルミニウム板
に不必要な変形が生じることがない。
【0023】請求項3に記載の発明は、珪素の含有率が
0.15〜1重量%である平版印刷版支持体用アルミニ
ウム板に関する。
【0024】前記リサイクル材、スクラップ材、および
再生地金としては、珪素の多いもの、およびマンガンの
多いものが一般的であるが、前記請求項に記載の平版印
刷版支持体用アルミニウム板は、珪素の含有量の多いも
のから製造されたアルミニウム板の例である。
【0025】請求項4に記載の発明は、マンガンの含有
率が0.1〜1.5重量%である平版印刷版支持体用ア
ルミニウム板に関する。
【0026】前記平版印刷版支持体用アルミニウム板
は、前記リサイクル材、スクラップ材、および再生地金
のうち、マンガンの含有量の多いものから製造されたア
ルミニウム板の例である。
【0027】請求項5に記載の発明は、圧延方向に沿っ
た長さ4m当りの曲がりが0.3mm以下である平版印
刷版支持体用アルミニウム板に関する。
【0028】請求項6に記載の発明は、端縁におけるバ
リの高さが10μm以下である平版印刷版支持体用アル
ミニウム板に関する。
【0029】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
何れか1項に記載の平版印刷版支持体用アルミニウム板
における少なくとも一方の面を粗面化処理してなること
を特徴とする平版印刷版支持体に関する。
【0030】請求項8に記載の発明は、前記平版印刷版
支持体用アルミニウム板における粗面化処理を施した側
の粗面化面に陽極酸化面を形成してなる平版印刷版支持
体に関する。
【0031】請求項9に記載の発明は、圧延により形成
されたアルミニウム板を、圧延方向に対して略直角の方
向に沿って切断し、前記切断したアルミニウム板を、平
面状または湾曲面状の試料載置面を有する検査台におけ
る前記試料載置面上に載置し、前記試料載置面上に載置
されたアルミニウム板の前記圧延方向に沿った中心線の
近傍部分である中央部を、前記アルミニウム板の前記圧
延方向に沿った全長に亘って前記試料載置面に押圧して
密着させ、前記アルミニウム板における前記圧延方向に
沿った側縁部に存在する波状の弛みである耳歪みにつ
き、前記側縁部の単位長さ当りの個数および高さを測定
することを特徴とする平版印刷版支持体用アルミニウム
板の検査方法に関する。
【0032】前記アルミニウム板は、通常、圧延方向に
巻回してコイルにするから、前記コイルになったものを
巻き戻したときは、巻き癖がついて圧延方向に湾曲、言
い替えればカールしていることが多い。
【0033】しかし、前記平版印刷版支持体用アルミニ
ウム板の検査方法によれば、前記アルミニウム板を前述
のように圧延方向に沿った全長に亘って押圧しているか
ら、前記アルミニウム板の前記中央部は、全長に亘って
検査台の試料載置面に密着し、耳部に耳歪みがあれば、
前記耳歪みは、前記検査台の試料載置面から浮き上がっ
た部分として捉えられる。
【0034】前記検査方法によれば、前記アルミニウム
板の巻き癖がほぼ完全に除去された状態で前記耳歪みの
有無を調べることができるから、前記巻き癖に由来する
耳部の波状の弛みを耳歪みと誤認することがない。
【0035】前記検査方法において使用される検査台と
しては、試料載置面として平面状の試料載置面を有する
検査台が挙げられる。このような検査台としては、鋳鉄
などの鋳物から形成された定盤、およびガラス製の試料
載置面を有するガラス定盤などが挙げられる。
【0036】前記検査台としては、他に、試料載置面
が、円柱面などの腕曲面であるものが挙げられる。この
ような検査台としては、平版オフセット印刷機の版胴な
どが挙げられる。
【0037】前記アルミニウム板を前記検査台の試料載
置面に押圧する方法としては、例えば、後述するように
前記アルミニウム板の上面に、前記アルミニウム板の圧
延方向に沿った全長よりも長い錘を載置する方法が挙げ
られるが、ほかには、測定者が掌で押圧する方法なども
ある。
【0038】前記耳歪みの高さは、例えば、後述する
[発明の実施の形態]でも述べるように、前記耳歪みと
前記検査台における試料載置面との間の隙間にテーパー
ゲージを挿入し、前記テーパーゲージで前記耳歪み部の
前記試料載置面からの高さを読み取ることにより、測定
できる。
【0039】他には、前記試料載置面に載置し、上方か
ら前記試料載置面に押圧した前記アルミニウム板を、側
方から通常のカメラまたはデジタルカメラで撮影し、撮
影画像から前記耳歪み部の高さを求める方法もある。
【0040】請求項10に記載の発明は、前記検査台
が、平面状の試料載置面を有する定盤である平版印刷版
支持体用アルミニウム板の検査方法に関する。
【0041】定盤の試料載置面すなわち検査面は、極め
て高精度の平面に仕上げられているから、前記検査方法
によれば、前記アルミニウム板の耳歪みを高精度で検出
できる。
【0042】請求項11に記載の発明は、前記検査台の
試料載置面上に載置された検査試料の前記中央部に、前
記検査試料の前記圧延方向に沿った全長に亘って1本ま
たは2本以上の錘を載置することにより、前記検査試料
を前記試料載置面に押圧して密着させる平版印刷版支持
体用アルミニウム板の検査方法に関する。
【0043】前記検査方法においては、耳歪みの有無お
よび高さを検査しようとするアルミニウム板を、前記圧
延方向に沿った全長に亘って確実に押圧できる。
【0044】請求項12に記載の発明は、前記検査試料
の幅をwとして、前記錘の外側の側縁が前記検査試料の
側縁から0.1w〜0.3w内側に位置するように前記
錘を載置する平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査
方法に関する。
【0045】前記検査方法においては、前記アルミニウ
ム板の中央部を前記検査台の試料載置面上に確実に密着
させることができるとともに、耳部に耳歪みが生じてい
る場合には、前記耳歪みが前記検査台に押圧されること
がなく、確実に検出できる。
【0046】
【発明の実施の形態】1.実施形態1 本発明に係る平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査
方法の一例につき、手順を図1に示す。
【0047】図1において、(A)に示すように、アル
ミニウム板を巻回したコイル2における先端部を巻き戻
し、二点鎖線で示すように、幅方向、すなわち前記コイ
ル2の巻回方向に対して直角の方向に切断し、コイル2
の巻回方向、言い替えれば前記アルミニウム板の圧延方
向xに沿った長さが1.5mの検査試料Sを作成する。
なお、コイル2からアルミニウム板を切り出す長さは、
1.5mには限定されず、後述する定盤4の寸法などに
応じて適宜定めることができる。また、前記アルミニウ
ム板の幅は1mであるから、検査試料Sの幅wも1mで
あるが、検査しようとするアルミニウム板の幅は1mに
は限定されない。前記アルミニウム板としては、一般的
には0.65〜1.6mの幅のものが挙げられる。
【0048】前記検査試料Sは、通常、コイル2の巻回
方向に沿って円筒面状に湾曲しているから、図1におい
て(B)に示すように、検査試料Sを、上方に凸になる
ように、定盤4の検査面4A上に載置する。定盤4は、
本発明における検査台の一例であり、検査面4Aは、前
記検査台における試料載置面に相当する。
【0049】次いで、図1において(C)に示すよう
に、検査試料S上に、圧延方向xに対して平行に、しか
も前記圧延方向xに沿った全長に亘って、長尺板状の錘
6を載置する。
【0050】実施形態1においては、2枚の錘6が、互
いに平行に、しかも外側の側縁が、検査試料Sの側縁か
ら25cm内側に位置するように載置されているが、錘
6における外側の側縁の位置は、前記位置には限定され
ない。ただし、錘6における外側の側縁が、前記検査試
料Sの幅をwとすると、縁検査試料Sのそれぞれの側縁
よりも0.1w〜0.3w内側に位置するように載置す
ることが好ましい。
【0051】錘6の重量は、実施形態1に示す例におい
ては1枚当り200gであるが、縁検査試料Sの中央部
を定盤4の検査面4Aに密着させることができるかぎ
り、前記重量には限定されない。
【0052】また、検査試料Sに比較的幅の狭い錘6を
例えば2本載置する代りに、図2に示すように、比較的
幅の広い錘8を、1枚のみ、検査試料Sの中央部を圧延
方向xに沿った全長に亘って覆うように、検査試料Sに
載置してもよい。但し、この場合には、錘8の幅は、
0.4w〜0.8wの範囲が好ましく、錘8の長さは、
検査試料Sの圧延方向xの長さ以上であることが好まし
い。また、錘8の側縁の位置は、検査試料Sの側縁より
も0.1w〜0.3w内側であることが好ましい。
【0053】錘6または錘8を載置した検査試料Sを側
方から見たところを図3に示す。図3に示すように、検
査試料Sの耳部に波状の変形部である耳歪みsが発生し
ている場合には、耳歪みsは、定盤4の検査面4Aから
波状またはサインカーブ状に持ち上がる。耳歪みsの高
さは、検査面4Aから前記部分の頂点すなわち耳歪みs
の頂点までの距離dとして定義される。前記距離dは、
例えば、耳歪みsと検査面4Aとの間の隙間にテーパー
ゲージを挿入し、検査試料Sの耳歪みsが生じた部分の
裏面に前記テーパーゲージが当接した箇所における前記
テーペーゲージの読みから求めることができる。なお、
前記テーペーゲージの読みが0.2mm以下のもの、す
なわち検査面4Aからの高さが0.2mm以下の変形
は、送り障害や印刷不良につながることが殆どないと考
えられるから、耳歪みsに含めなくてもよい。
【0054】前記アルミニウムウェブを粗面化処理およ
び陽極酸化処理して平版印刷版支持体を製造する場合に
は、前記検査試料Sにおける切断方向に対して直角な方
向の耳部における耳歪みの数、合計高さ、および最大高
さが以下の範囲であること、すなわち前記方向に沿った
耳部の一方につき、長さ1.5m当り、耳歪みsの個数
が5個以下であり、前記耳歪みsの合計高さが4mm以
下であり、最大高さが2mm以下であることが好まし
い。前記耳歪みsの個数および合計高さを1m当りに換
算すると、それぞれ3.334個および2.666mm
になる。なお、耳部sの合計高さは、前述の手順に従っ
て測定した耳歪みsの高さを、前記検査試料Sの長手方
向の長さに沿って合計した高さとして定義される。
【0055】一方の耳部における圧延方向xに沿った長
さ1.5m当りの耳歪みsの個数、合計高さ、および最
大高さが前記範囲内であるアルミニウム板は、平版印刷
版支持体および平版印刷原版に加工するときに、蛇行な
どの送り障害が生じない故に好ましい。
【0056】さらに、前記アルミニウムウェブは、巻回
してコイルにしたときに、耳部同士が強く接触して変形
することがないように、図4に示すように、中央部が厚
く、耳部の近傍が薄い断面形状を有することが好まし
い。
【0057】但し、a値およびpc値が、それぞれ1お
よび2%以下であれば、前記アルミニウムウェブの全幅
に亘る平均厚さに比較して前記中央部の厚さが過大にな
らず、また、耳部近傍の厚みが過小にならないことが好
ましい。ここでa値およびpc値は、以下のように定義
される。
【0058】a=h/c pc=c/tmax (h=tmin−tedge、c=tmax−tmin、tmax=前記
アルミニウムウェブの中央部最大板厚、tmin=前記ア
ルミニウムウェブの最小板厚、tedge=前記アルミニウ
ムウェブの耳部の板厚) 2.実施形態2 本発明に係る平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査
方法における別の例につき、手順を図5に示す。図5に
おいて、図1〜図3と同一の符号は、前記符号が図1〜
図3において示す要素と同一の要素を示す。
【0059】実施形態2に係る検査方法においても、図
5において(A)に示すように、実施形態1に係る検査
方法と同様に、コイル2における先端部を巻き戻し、二
点鎖線で示すように、幅方向に対して直角の方向に切断
し、圧延方向xに沿った長さが1.5mの検査試料Sを
作成する。
【0060】次いで、図5において(B)に示すよう
に、検査試料Sの湾曲面が内側になるように、検査試料
Sの一端を、オフセット印刷機の版胴10の表面に固定
手段10Aで止める。
【0061】そして、図5において(C)に示すよう
に、検査試料Sの湾曲面が版胴10の表面に密着するよ
うに、検査試料Sに張力を加えつつ、版胴10に巻き掛
け、他端を、固定手段10Aと同様の固定手段10Bで
版胴10の表面に固定する。
【0062】また、実施形態2の検査方法においては、
検査試料Sに張力を加えつつ巻き掛ける代りに、図6に
示すように、検査試料Sにおける圧延方向xに沿った中
央部に略円筒状の押え筒12を被せ、前記押え筒12に
よって版胴10の表面に密着させてもよい。押え筒12
としては、例えば、版胴10よりも若干小さな外径を有
し、側面が1個所切断され、前記切断箇所に沿って1対
のフランジ状の固定部12Aが設けられている。検査試
料Sに押え筒12を被せたあと、図6に示すように、固
定部12Aにおいてボルト12Bで締め付けることによ
り、押え筒12の内周面において、検査試料Sの前記中
央部を版胴10に押さえつけて密着させることができ
る。
【0063】押え筒12の長さは、検査試料Sの幅をw
としたとき、0.4w〜0.8wの範囲が好ましい。押
え筒12は、ステンレス薄板などの薄く強度のある金属
板または硬質合成樹脂板などにより形成できる。押え筒
12は、図6に示すように、検査試料Sの耳にかからな
いように被せることが好ましい。
【0064】検査試料Sを版胴10に巻きかけて密着さ
せたところを図7に示す。図7に示すように、検査試料
Sの中央部は、版胴10の表面に密着するが、検査試料
Sの耳部に波状の変形部である耳歪みsが発生している
場合には、耳歪みsは、版胴10の表面から波状または
サインカーブ状に持ち上がる。耳歪みsの高さは、版胴
10の表面から前記部分の頂点すなわち耳歪みsの頂点
までの距離dとして定義される。前記距離dは、例え
ば、耳歪みsと版胴10との間の隙間にテーパーゲージ
を挿入し、検査試料Sの耳歪みsが生じた部分の裏面に
前記テーパーゲージが当接した箇所における前記テーペ
ーゲージの読みから求めることができる。なお、前記テ
ーペーゲージの読みが0.2mm以下のもの、すなわち
版胴10の表面からの高さが0.2mm以下の変形は、
実施形態1のところで述べたのと同様の理由により、耳
歪みsに含めなくてもよい。また、一方の耳部における
圧延方向xに沿った所定の長さ、例えば1.5m当りの
耳歪みsの個数、合計高さ、および最大高さの好ましい
範囲は、実施形態1に記載した通りである。
【0065】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明についてより具
体的に説明する。
【0066】(実施例1、2、比較例1〜3)下記の表
1に示す2通りの組成を有する材料を用いて以下の実施
例および比較例のサンプルを作製した。
【0067】
【表1】
【0068】前記材料を、DC鋳造法で鋳造し、得られ
た鋳塊を面削後、550℃で5時間均熱処理を行った
後、前記鋳塊の温度を400℃まで下げてから熱間圧延
を行った。ついで、冷間圧延を行って厚さを2mmにし
た後、500℃で連続焼鈍を行った。連続焼鈍後、更に
冷間圧延を行って板厚0.24mmに仕上たのち、テン
ションレベラで矯正を行い、スリッタで幅1030mm
に仕上げ、連続した帯状のアルミニウムウェブを作製す
ると同時に、前記アルミニウムウェブをコイル状に巻き
取った。前記冷間圧延の際、種々の圧延ロールベンディ
ング条件およびテンションレベラ条件で冷間圧延を行
い、実施例1、実施例2、および比較例1〜3のコイル
を作製した。
【0069】それぞれのコイルの末端部を巻き戻して長
さ1500mmの板状の検査試料を切りだし、実施形態
1の欄において説明した手順に従って耳歪みsの個数、
合計高さ、および最大高さを測定した。また、それぞれ
のコイルから長さ4mのアルミニウム板を切り出し、前
記アルミニウム板を平らな場所に置いて4m当りの曲が
りを測定した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】<平版印刷原版の作製>引き続き、前記コ
イル状のアルミニウムウェブを巻き戻しつつ、下記の表
3に示す手順で粗面化処理、陽極酸化処理、および後処
理を連続的に行って平版印刷版版用支持体を作製した。
【0072】
【表3】
【0073】エッチング処理(1)および(2)におい
ては、エッチング液として、苛性ソーダの濃度が26重
量%であり、アルミニウムイオンの濃度が6.5重量%
であり、液温が65℃であるアルカリ溶液を使用した。
【0074】交流電解粗面化処理においては、電解液と
して、硝酸の濃度が1重量%であり、アルミニウムイオ
ンの濃度が0.5重量%である酸性電解液を使用した。
【0075】陽極酸化処理においては、電解液として1
5重量%の硫酸溶液を使用し、直流電流を使用して前記
アルミニウム板の表面に陽極酸化被膜を形成した。次い
で、欧州特許出願公開第904,954号明細書の[0
152]欄に記載されているように、陽極酸化処理され
たアルミニウム板を、濃度3重量%、液温20℃の珪酸
ソーダ水溶液で10秒間処理して親水化した。
【0076】次ぎの下塗り工程においては、前記親水化
されたアルミニウム板の表面に、前記欧州特許出願公開
明細書の前記欄に記載されているように、スチレン単位
を有し、前記スチレン単位におけるベンゼン環がカルボ
キシル基、四級アンモニウム基、ホスホニウム基、およ
びホスホン酸基で置換された構造を有するポリマーのメ
タノール−水溶液を塗布して80℃で15秒乾燥し、下
塗り槽を形成した。乾燥後の下塗り層の厚さは、15m
g/m2であった。
【0077】前述の手順に従って形成された連続帯状す
なわちウェブ状の平版印刷版支持体の粗面化面に、下記
の組成の感光層用塗布液を塗布し、乾燥してウェブ状の
平版印刷原版を作製し、得られた平版印刷原版を、コイ
ル状に巻きとって2週間保存した。
【0078】 <感光層用塗布液の組成> ・カーボンブラック分散液 …10.0g ・4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物の六弗化燐酸塩 … 0.5g ・メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート /アクリロニトリルラジカル共重合体(モノマーモル比=15:30:40:1 5、重量平均分子量=10万) … 5.0g ・リンゴ酸 … 0.05g ・弗素系界面活性剤(3M社製、FC−430(商品名)) … 0.05g ・1−メトキシ−2−プロパノール …80.0g ・乳酸エチル …15.0g ・水 … 5.0g なお、比較例2のアルミニウム板は、曲がりが大きかっ
たので、平版印刷版支持体に加工し、次いで平版印刷原
版に加工する際に、蛇行が発生し、送りが不安定であっ
た。
【0079】2週間保存した平版印刷原版を巻き戻しつ
つ、スリッタで耳部を切除して幅を1,000mmに
し、カッタで長さ800mmに切断し、枚葉状の平版印
刷原版を作製した。
【0080】得られた枚葉状の平版印刷原版の幅方向の
側縁部のうちの一方における耳歪みの数(1000mm
当り)、前記耳歪みの最大高さ、および合計高さを求め
た。前記耳歪みの数、最大高さ、および合計高さは、図
1〜図3における定盤4に代えてガラス製の検査面を有
するガラス定盤を使用した以外は、実施形態1のところ
で説明した手順に従って求めた。また、前記枚葉状の平
版印刷原版における切断縁に形成されたバリの高さを、
表面粗さ計(東京精密(株)製、サーフコム(商品
名))を用いて測定した。結果を表4に示す。
【0081】更に、前記枚葉状の平版印刷原版を後述す
る通板試験装置に通し、露光機などの製版装置や現像装
置を、引っ掛かりや蛇行が生じることなく円滑に通過す
るかどうかを示す通板性を、図8に示す通板性試験装置
を用いて調べた。
【0082】前記通板性試験装置は、図8に示すよう
に、直列に配設され、通板性を調べようとする平版印刷
原版を搬送するベルトコンベアA、B、およびCと、ベ
ルトコンベアA、B、およびCにおける真中のベルトコ
ンベアであるベルトコンベアBが下半部を貫通し、ベル
トコンベアBによって搬送された平版印刷原版の入口で
ある平版印刷原版入口D2と前記平版印刷原版の出口で
ある平版印刷原版出口D4とが設けられた筐体Dとを有
する。
【0083】平版印刷原版入口D2と平版印刷原版出口
D4とは、何れも横長矩形状の開口部である。そして、
平版印刷原版入口D2は、ベルトコンベアBの上面から
平版印刷原版入口D2の天井面までの距離が、例えば1
mmになるように形成され、平版印刷原版出口D4は、
ベルトコンベアBの上面から平版印刷原版出口D4の天
井面までの距離が、例えば2mmになるように形成され
ている。
【0084】図8に示す通板性試験装置を用い、以下の
手順に従って前記平版印刷原版の通板性を評価した。
【0085】まず、ベルトコンベアA、B、およびCを
駆動し、ベルトコンベアA、B、およびCの速度が一定
になったら、通板性を評価しようとする平版印刷原版を
ベルトコンベアA上に載置する。
【0086】ベルトコンベアA上に載置された平版印刷
原版は、ベルトコンベアBに向って搬送され、更に、ベ
ルトコンベアBによって搬送されて筐体Dの内部を通過
する。
【0087】この際、平版印刷原版の耳部に大きな耳歪
みが無ければ、平版印刷原版は、平版印刷原版入口D2
および平版印刷原版出口D4の天井面に引っかかった
り、平版印刷原版入口D2および平版印刷原版出口D4
の側壁面に当って蛇行したりすること無く、筐体Dの内
部を通過する。
【0088】しかし、耳部に大きな耳歪みのある平版印
刷原版を通過させると、前記平版印刷原版は、前記耳歪
みの部分において平版印刷原版入口D2または平版印刷
原版出口D4の天井面に引っかかったり、平版印刷原版
入口D2または平版印刷原版出口D4の側壁面に当って
蛇行したりする。このような平版印刷原版は、製版装置
や現像装置を通過させたときに、前記製版装置や現像装
置の内部で蛇行したり、引っかかったりすると考えられ
る。
【0089】本実施例においては、通板性を、以下の基
準に従って5段階で評価した。結果を表4に示す。
【0090】○: 図8に示す通板性試験装置におい
て、蛇行、引っかかりなし。
【0091】○△:前記通板性試験装置において、蛇行
がやや見られるものの、許容レベルにある。引っかかり
はなし。
【0092】△: 前記通板性試験装置において、蛇行
が明らかに見られるが、許容レベルにある。引っかかり
はなし。
【0093】△×:前記通板性試験装置において、許容
できないレベルの蛇行あり。但し、引っかかりはなし。
【0094】×: 前記通板性試験装置において、許容
できないレベルの蛇行あり。引っかかりもあり。
【0095】更に、前記枚葉状の平版印刷原版をオフセ
ット印刷機の版胴に取り付け、前記版胴からの浮き上が
りを観察し、○、○△、△、△×、×の5段階で評価し
た。結果を表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】実施形態1に係る検査方法において、コイ
ル状のアルミニウムウェブにおける耳歪みの許容範囲
を、前記アルミニウムウェブの長さ1.5m当りの個数
を5個以下とし、最大高さを2mm以下とし、合計高さ
を4mm以下とすれば、表4に示すように、前記検査方
法で測定した耳歪みの個数、最大高さ、および合計高さ
の何れも前記許容範囲内であった実施例1と実施例2と
のアルミニウムウェブからは、バリが少なく、搬送性お
よび版胴への取り付け性に優れた平版印刷原版が得られ
たのに対し、前記検査方法で測定した耳歪みの個数、最
大高さ、および合計高さのうちの少なくとも1つが前記
許容範囲外であった比較例1〜比較例3のアルミニウム
ウェブから作製された平版印刷原版は、搬送性および版
胴への取り付け性に劣っていた。中でも、比較例2のア
ルミニウム板は、バリが大きかったので、耳歪みの小さ
い割に搬送性に劣った。これは、バリがベルトに引っか
かり、ベルト間の乗り移り時に蛇行が生じたためであ
る。
【0098】このことから、本発明に係る平版印刷版支
持体用アルミニウム板は、粗面化および陽極酸化処理な
どの加工時に蛇行が生じ難く、搬送性および版胴への取
り付け性に優れた平版印刷原版が容易に得られることが
判る。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スクラップ材などの安価な材料が使用でき、粗面化処
理、陽極酸化処理、および製版面を形成して平版印刷原
版に加工する際に送り障害や蛇行などが生じることがな
く、さらに、得られた平版印刷原版の搬送性にも優れる
平版印刷版支持体用アルミニウム板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る平版印刷版支持体用アル
ミニウム板の耳歪みを測定する方法の一例につき、手順
の概略を示す流れ図である。
【図2】図2は、図1に示す耳歪みの測定方法におい
て、定盤の検査面上に検査試料を載置し、前記検査試料
の上面に、幅の広い板状の錘を1枚のみ載置したところ
を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す耳歪みの測定方法におい
て、検査試料を定盤の検査面に載置し、密着させた状態
を側方から見た側面図である。
【図4】図4は、本発明に係る平版印刷版支持体用アル
ミニウムウェブの幅方向の断面形状の一例を示す断面図
である。
【図5】図5は、本発明に係る平版印刷版支持体用アル
ミニウム板の耳歪みを測定する方法に関する別の例につ
き、手順の概略を示す流れ図である。
【図6】図6は、図5に示す平版印刷版支持体用アルミ
ニウム板の耳歪みを測定する方法において、検査試料を
版胴に密着させるのに押え筒を用いた例を示す概略図で
ある。
【図7】図7は、図6に示す平版印刷版支持体用アルミ
ニウム板の検査方法において、検査試料Sを版胴10に
巻きかけて密着させたところを示す端面図である。
【図8】図8は、実施例において、平版印刷原版の通板
性を調べるのに使用した前記通板性試験装置の構成の概
略を示す概略図である。
【符号の説明】
2 コイル 4 定盤 4A 検査面 6 錘 8 錘 10 版胴 10A 固定手段 12 押え筒 d 耳歪み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H095 AD01 2H114 AA04 AA10 AA14 AA23 DA04 DA64 DA73 EA01 FA01 GA08 GA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムの含有率が95〜99.
    4重量%であるとともに、圧延により形成されてなるア
    ルミニウム板であって、以下の手順、すなわち (a)前記アルミニウム板の圧延方向に対して略直角の方
    向に沿って切断し、 (b)前記切断したアルミニウム板を、平面状または湾曲
    面状の試料載置面を有する検査台における前記試料載置
    面上に載置し、 (c)前記試料載置面上に載置されたアルミニウム板の前
    記圧延方向に沿った中心線の近傍部分である中央部を、
    前記アルミニウム板の前記圧延方向に沿った全長に亘っ
    て前記試料載置面に押圧して密着させ、 (d)前記アルミニウム板における前記圧延方向に沿った
    側縁部に存在する波状の弛みである耳歪みにつき、前記
    側縁部の単位長さ当りの個数および高さを測定するとい
    う手順で耳歪みの個数および高さを測定したときに、前
    記圧延方向に沿った側縁部1m当りにおいて、耳歪みの
    個数が3.334個以下であり、前記耳歪みの最大高さ
    が2mm以下であり、前記耳歪みの高さの合計である合
    計高さが2.666mm以下であることを特徴とする平
    版印刷版支持体用アルミニウム板。
  2. 【請求項2】 中央部が厚く、耳部の近傍が薄い断面
    形状を有し、以下の式: a=h/c pc=c/tmax (h=tmin−tedge、c=tmax−tmin、tmax=前記
    アルミニウムウェブの中央部最大板厚、tmin=前記ア
    ルミニウムウェブの最小板厚、tedge=前記アルミニウ
    ムウェブの耳部の板厚)で定義されるa値が1以下であ
    り、pc値が2%以下である請求項1に記載の平版印刷
    版支持体用アルミニウム板。
  3. 【請求項3】 珪素の含有率が0.15〜1重量%で
    ある請求項1または2に記載の平版印刷版支持体用アル
    ミニウム板。
  4. 【請求項4】 マンガンの含有率が0.1〜1.5重
    量%である請求項1〜3の何れか1項に記載の平版印刷
    版支持体用アルミニウム板。
  5. 【請求項5】 圧延方向に沿った長さ4m当りの曲がり
    が0.3mm以下である請求項1〜4の何れか1項に記
    載の平版印刷版支持体用アルミニウム板。
  6. 【請求項6】 端縁におけるバリの高さが10μm以下
    である請求項1〜5の何れか1項に記載の平版印刷版支
    持体用アルミニウム板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の平版
    印刷版支持体用アルミニウム板における少なくとも一方
    の面を粗面化処理してなることを特徴とする平版印刷版
    支持体。
  8. 【請求項8】 前記平版印刷版支持体用アルミニウム板
    における粗面化処理を施した側の粗面化面に陽極酸化面
    を形成してなる請求項7に記載の平版印刷版支持体。
  9. 【請求項9】 圧延により形成されたアルミニウム板
    を、圧延方向に対して略直角の方向に沿って切断し、 前記切断したアルミニウム板を、平面状または湾曲面状
    の試料載置面を有する検査台における前記試料載置面上
    に載置し、 前記試料載置面上に載置されたアルミニウム板の前記圧
    延方向に沿った中心線の近傍部分である中央部を、前記
    アルミニウム板の前記圧延方向に沿った全長に亘って前
    記試料載置面に押圧して密着させ、 前記アルミニウム板における前記圧延方向に沿った側縁
    部に存在する波状の弛みである耳歪みにつき、前記側縁
    部の単位長さ当りの個数および高さを測定することを特
    徴とする平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査方
    法。
  10. 【請求項10】 前記検査台は、平面状の試料載置面
    を有する定盤である請求項9に記載の平版印刷版支持体
    用アルミニウム板の検査方法。
  11. 【請求項11】 前記検査台の試料載置面上に載置さ
    れた検査試料の前記中央部に、前記検査試料の前記圧延
    方向に沿った全長に亘って1本または2本以上の錘を載
    置することにより、前記検査試料を前記試料載置面に押
    圧して密着させる請求項9または10に記載の平版印刷
    版支持体用アルミニウム板の検査方法。
  12. 【請求項12】 前記検査試料の幅をwとして、前記
    錘の外側の側縁が前記検査試料の側縁から0.1w〜
    0.3w内側に位置するように前記錘を載置する請求項
    11に記載の平版印刷版支持体用アルミニウム板の検査
    方法。
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