JP2002283578A - インクジェットプリントヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びその製造方法

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JP2002283578A
JP2002283578A JP2001086864A JP2001086864A JP2002283578A JP 2002283578 A JP2002283578 A JP 2002283578A JP 2001086864 A JP2001086864 A JP 2001086864A JP 2001086864 A JP2001086864 A JP 2001086864A JP 2002283578 A JP2002283578 A JP 2002283578A
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layer
ink
heat
heating resistor
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Minoru Kumagai
稔 熊谷
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】放熱層によるガラス基板の反りを矯正によって
可及的に低減させたインクジェットプリントヘッド及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】印字ヘッド20はガラス基板21の上面に
適宜の金属材からなる放熱層22を被着し、その上に絶
縁層24を被着し、その上に順次積層された発熱抵抗体
膜25、発熱抵抗体25a、個別配線電極26、共通電
極27、隔壁28、及び多数のオリフィス33を形成さ
れたオリフィス板32を備えている。また共通電極27
の中央切り欠き部に露出するガラス基板21の面にイン
ク供給溝29が形成され、このインク供給溝29の底部
の複数箇所に連通しガラス基板21の底面に貫通してイ
ンク供給孔31が形成されている。そして、ガラス基板
21の下面には矯正層23が被着されている。矯正層2
3は、放熱層22の熱膨張による応力を打ち消してガラ
ス基板21の反りを矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱体の熱膨張に
よる基板の反りを矯正するインクジェットプリントヘッ
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット方式のプリンタが
広く用いられている。このインクジェット方式のプリン
タは、色材たるインクをインク滴にして直接記録紙に向
けて吐出して印字を行うから、粉末状の印材であるトナ
ーを用いる電子写真方式と比較して消費電力が少なく経
済的であり、インクの混合によるカラー化が容易で且つ
印字ドットが小さいため高画質で美麗であり、騒音が少
なく且つ画像形成を印字ヘッドとインクのみで行うので
全体として小型化できて使い勝手が良い、という種々の
利点があり、このため特にパーソナル用プリンタとして
広く用いられている。
【0003】このようなプリンタは、印字部に設けられ
た印字ヘッド(インクジェットプリントヘッド)によっ
てインク滴を紙面に吐出するが、この印字ヘッドにイン
ク滴を吐出させる方法としては、ピエゾ抵抗素子の変形
によってインク滴を飛ばすピエゾ式と抵抗発熱素子の発
熱による膜気泡の圧力でインク滴を飛ばすサーマル式が
ある。サーマル式には更にインク滴の吐出方向により二
通りの構成があり、一つは抵抗発熱素子の発熱面に平行
する方向にインク滴を吐出する構成のサイドシュータ型
と呼称される印字ヘッドと、他には抵抗発熱素子の発熱
面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のルーフシュ
ータ型(又はトップシュータ型)と呼称される印字ヘッ
ドがある。そして、ルーフシュータ型はサイドシュータ
型に比較して消費電力が極めて小さくて済むことが知ら
れている。
【0004】また、インクジェットプリンタといえば、
従来は、用紙送り方向と直交する方向に往復移動する小
型の印字ヘッドによって印字するシリアルプリンタが主
流であったが、近年では、用紙幅に対応する長尺の印字
ヘッドが装置本体に固定され、用紙のみが搬送されて印
字が行われるラインプリンタが注目されている。
【0005】図3(a) は、そのような長尺の印字ヘッド
の模式的な外観平面図であり、同図(b) は同図(a) の破
線Aで囲んで示す部分の拡大図、同図(c) は同図(b) の
B−B′断面矢視図、同図(d) は同図(c) の矢印Cで示
す面より下の厚さhで示す構成部分を拡大してより広い
範囲を示す平面図、同図(e) は同図(d) のD−D′断面
矢視図である。
【0006】同図(a) 〜(e) に示すように、この印字ヘ
ッド1は、大きなガラス基板2の一面(同図(c)では
上面)全面に、放熱層3が被着されており、その放熱層
3の上全面に更に絶縁層4が被着されている。そして、
この絶縁層4の上に、平行する多数の条形にパターン化
された発熱抵抗体膜5が形成され、その発熱抵抗体5a
となる部分の一方の端部(同図(c)では右方)から各
条形の上に個々に重なって個別配線電極6が形成されて
接続され、他方の端部には、その端部から全部の条形に
連続して重なって共通電極7が形成されて接続されてい
る。尚、同図(c) では共通電極7が二方に分かれている
が、実際には、同図(c) の手前と向こう側で(同図(a)
では上と下で)連続している。つまり共通電極7は長方
形の面の中央部を長手方向に沿って切り欠かれた形状を
なしている。そして、これらの上に、基板2の周囲を取
り囲み且つ発熱抵抗体5aを三方から囲むように隔壁が
形成されている。
【0007】上記共通電極7の中央の切り欠き部に露出
する基板2の面には、上1/3程度の深さで細長いイン
ク供給溝9が穿設されており、このインク供給溝9の底
部の複数箇所に連通し基板2の底面に貫通するインク供
給孔11が形成されている。このような構成の最上層つ
まり隔壁8の上に、オリフィス板12が貼着されてお
り、このオリフィス板12の上記発熱抵抗体5aに対向
する位置にオリフィス(インク吐出ノズル)13が形成
されている。
【0008】このようなオリフィス13は、例えば20
μmφ〜40μmφの大きさで、数千個が一列に並ん
で、同図(a)に示すように、オリフィス列14を形成
している。同図(a) に示す例では、オリフィス列14は
4列になって、印字ヘッド1のインク吐出面(オリフィ
ス板12)に形成されている。4列のオリフィス列14
は、一般にブラック、マゼンタ、シアン、イエローのイ
ンクを夫々吐出するように構成される。
【0009】この印字ヘッド1は、外部のインクタンク
と連通する親基板にボンデングされ共通電極7が外部の
給電端子に接続され、個別配線電極6が駆動回路の各駆
動端子に接続されてプリンタ装置本体に装着される。そ
して印字(印刷)の際には、発熱抵抗体5aが画像情報
に応じて選択的に通電され、瞬時に発熱してインクとの
界面に膜気泡を発生させ、この膜気泡の圧力で、発熱抵
抗体5aを三方から取り囲む隔壁8によって形成される
加圧室内のインクが押し出され、オリフィス13からイ
ンク滴となって、不図示の紙面に向けて吐出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにガラス基板に作成された印字ヘッドは、熱膨張に
よる放熱用金属層の張力の方がガラス基板の張力よりも
大きいため、製造時の熱印加時等において図3(e) に両
方向矢印Eで模式的に示すように、ガラス基板に放熱用
金属層側が凸になるような反りが発生する。このように
ガラス基板に反りが生じると、上述した印字ヘッドの製
造工程において発熱抵抗体、個別配線電極、共通電極、
インク供給溝、オリフイス等の形成の際に、寸法精度や
位置精度が低下し、更には、オリフイス板の貼付け時に
基板の割れや貼付け不良が発生し易くなるなどの不具合
が生じて、歩留まりが低下するという問題が発生する。
また、ガラス基板を加工装置中に固定する真空チャック
が効きにくいといった不具合も発生する。
【0011】更に完成後の印字ヘッドにも印字中の発熱
による反りが発生するため、特に上述した長尺の印字ヘ
ッドの場合は、印字ヘッドの中央と端部とで、オリフイ
スと用紙面との距離に大きな差が生じて、全体として印
字ヘッドと紙面間の距離が均一に形成されず、印字品質
に悪影響を与えるという問題も発生する。
【0012】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
放熱層によるガラス基板の反りを矯正によって可及的に
低減させたインクジェットプリントヘッド及びその製造
方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1記載の発
明のインクジェットプリントヘッドは、基板の一面に放
熱層、発熱抵抗体、電極、上記発熱抵抗体を区分けする
隔壁、及びインク吐出孔を有するオリフイス板を備え、
上記電極に通電して上記発熱抵抗体を発熱させることに
より該発熱抵抗体とインクとの界面に膜気泡を発生させ
該膜気泡の圧力により上記発熱抵抗体上の上記インクを
上記インク吐出孔から吐出させるインクジェットプリン
トヘッドであって、上記基板の一面と逆の他面に、上記
発熱抵抗体の発熱による上記放熱層の熱膨張により上記
基板に生じる応力を矯正するための矯正層を設けて構成
される。
【0014】次に、請求項2記載の発明のインクジェッ
トプリントヘッドの製造方法は、基板の一面に、放熱
層、発熱抵抗体、電極、上記発熱抵抗体を区分けする隔
壁、オリフイス板を順次形成する工程と、上記基板の一
面と逆の他面に、上記発熱抵抗体の発熱による上記放熱
層の熱膨張により上記基板に生じる応力を矯正するため
の矯正層を形成する工程と、を含んで構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、一実施の形態に
おけるインクジェットプリントヘッド(以下、簡単に、
印字ヘッドという)の主要構成部分の拡大断面図であ
り、同図(b) は同図(a) の矢印Fで示す面より下の厚さ
Hで示す構成部分を拡大してより広い範囲を示す平面
図、同図(c) は同図(b) のG−G′断面矢視図である。
【0016】同図(a) に示す本例の印字ヘッド20は、
ガラス基板21の一面(図では上面)全面に放熱層22
を被着している。この放熱層22は、適宜の金属材たと
えばCu、Al、Tiなどを用い、スパッタ、真空蒸着
または無電解メッキ法などにより、例えばTi(厚さ1
000Å)、Cu(厚さ4・8μm)及びTi(厚さ1
000Å)からなる合計の厚さ5μmの積層金属膜、あ
るいは、Alのみからなる厚さ5μmの単層金属膜とし
て形成される。
【0017】そして、上記ガラス基板21の放熱層22
が形成されている一面と逆の他面(図では下面)には、
本例における特徴であるガラス基板21の反りを矯正す
るための矯正層23が被着されている。この矯正層23
には放熱層22と同じ金属膜を用いることができる。ま
た、詳しくは後述するが、放熱層22とは異なる素材を
用いても良い結果を得ることができる。また、これら放
熱層22と矯正層23の成膜の順序は前後いずれであっ
てもよい。
【0018】放熱層22及び矯正層23が形成されたガ
ラス基板21に後述する絶縁層24、発熱抵抗体膜2
5、その発熱抵抗体25aとなる部分の両端に接続する
個別配線電極26、共通電極27等を形成するときには
その加工工程において所定の熱印加が必要となるが、こ
のときに放熱層22の熱膨張によるガラス基板21の反
りと、矯正層23の熱膨張によるガラス基板21の反り
とが互いに打ち消しあうため、ガラス基板21は平坦を
保った状態で加工を行うことができる。
【0019】この放熱層22の上には、絶縁層24が被
着される。この絶縁層24は、Si−O2 、Ta−Si
−O等の酸化物を用い真空装置あるいはスパッタ装置等
で成膜する。または、Si−O2 、Si−Nなどを用い
CVD法によって成膜する。あるいは、同じくSi−O
2 などを用いSOG法により成膜することができる。
【0020】この絶縁層24の上に、発熱抵抗体膜2
5、その発熱抵抗体25aとなる部分の両端に接続して
個別配線電極26及び共通電極27がそれぞれ形成さ
れ、これらの上に、ガラス基板21の周囲を取り囲み更
に発熱抵抗体25aを三方から囲んで隔壁28が形成さ
れる。これらの形状は、図3(c) に示した印字ヘッド1
の場合と同様である。
【0021】本例においては、上記の発熱抵抗体膜25
は、例えばタンタル(Ta)−シリコン(Si)−酸素
(O)又はTa−Si−O−N(窒素)からなり、個別
配線電極26と共通電極27は、例えばAu(金)など
からなり、いずれも薄膜形成技術により成膜され、フォ
トリソグラフィー技術によってパターニングされて形成
される。また、隔壁28は、感光性ポリイミドなどの有
機材料のコーティングとキュア(乾燥硬化、焼成)によ
り高さ10μm程度に形成される。
【0022】また、共通電極27の中央切り欠き部に露
出するガラス基板21の面には、インク供給溝29が穿
設され、このインク供給溝29の底部の複数箇所に連通
しガラス基板21の底面に貫通してインク供給孔31が
形成される。これらインク供給溝29及びインク供給孔
31の形状も図3(c) に示した印字ヘッド1の場合と同
様である。本例においては、これらインク供給溝29及
びインク供給孔31は、ウェットエッチングまたはサン
ドブラスト法などによって形成される。
【0023】これらの最上層に、つまり隔壁28の上
に、オリフィス板32が貼着される。このオリフィス板
32は、本例においては、例えばポリイミドからなる厚
さ10〜30μmのフィルムである。このオリフィス板
32の上記発熱抵抗体25aに対向する位置にオリフィ
ス33が形成される。このオリフィス33は、例えばヘ
リコン波によるドライエッチング等により形成される。
【0024】この印字ヘッド20の場合も、外部のイン
クタンクと連通する親基板にボンデングされ、共通電極
27が外部の給電端子に接続され、個別配線電極26が
駆動回路の各駆動端子に接続されて、プリンタ装置本体
に装着される。そして、発熱抵抗体25aが画像情報に
応じて選択的に通電され、瞬時に発熱してオリフィス3
3からインク滴を吐出する。
【0025】そして、本例における印字ヘッド20は、
発熱抵抗体25aの発熱によって放熱層22の金属膜が
熱膨張しても、逆側の面に矯正層23が被着されている
ために、放熱層22の金属膜が熱膨張するのと同時に矯
正層23も熱膨張するので、お互いの熱膨張が反りを打
ち消し合ってガラス基板21に反りが発生するようなこ
とが無く、図1(c) に矢印Jで模式的に示すように、常
にほぼ平らな面を維持することが出来る。
【0026】尚、上述の例では、放熱層22及び矯正層
23としてガラス基板21の両面に同じ組成の金属膜を
形成する、つまりガラス基板21の両面に同一成膜条件
(同一素材で同一膜厚)で薄膜を形成することにより、
両面の薄膜層が熱膨張によって発生する応力が同じとな
り、これにより、ガラス基板21の反りを防止するよう
にしているが、これに限ること無く、それぞれの面に異
なる材質の膜を形成しても、それぞれの面でそれぞれの
膜が持つ熱膨張の応力が同じであれば、ガラス基板21
の反りを防止することができることが種々の実験の結果
判明している。以下、これについて説明する。
【0027】図2は、そのような、それぞれの面に異な
る材質の膜を形成した場合の、それぞれの膜の応力の相
殺によって、ガラス基板21の反りをほぼ防止すること
ができる成膜条件を示す図表である。同図の図表34に
示す例では、たとえば上1行35に示すように、放熱層
22として、ガラス基板21の一面に、Ti、Cu、T
iからなる積層金属膜を形成し、そのガラス基板21の
反りを矯正する矯正層23として、上記の一面と逆の他
面に、同図表34の下3行36に示すように、Ti、T
a又はPIからなる単層膜を形成する。
【0028】このように金属膜を積層構造にするのは、
たとえばAlであれば単層膜を容易に形成できるが、C
uの場合はガラス基板との密着性が悪いため、Tiを介
在させて積層膜とする必要があるからである。また、矯
正層を単層とするのは、矯正層までも積層膜で形成した
のでは工程数が増えて生産性が悪くなるからであり、本
例では、このように矯正層を単層で形成して工程数を減
らすように工夫している。
【0029】上記の放熱層22としての積層金属膜は、
Tiを厚さ1000Åに成膜し、その上にCuを厚さ4
・8μmに成膜し、更にその上にTiを厚さ1000Å
に成膜して、同図の図表34の上1行35の膜厚欄37
に示すように、厚さ5μmの積層膜とする。この構成
は、放熱層として極めて良好な放熱性を発揮するもので
あることが実験の結果判明している。
【0030】そして、このようにガラス基板の片面にT
i、Cu及びTiからなる積層放熱膜を形成して、その
場合のガラス基板の反りを測定すると、同図表34の上
1行35の基板反り変化量欄38に示すように、「−8
7.6」の値を示した。尚、上記の反り量は、ストレス
測定器を用いて測定する。このストレス測定器では、ガ
ラス基板の裏面にレーザ光を当て、その変位量を計測す
る。測定値は装置内基準からの変位量であり、膜面を上
にし、数値の符号が正であれば凸の変位量、負であれば
凹の変位量である。また、同図表34に示す反り量及び
膜厚は、ガラス基板の中心での測定値であり単位はμm
である。
【0031】次に、同様に3個のガラス基板の片面に、
3種類の素材を用いて、それぞれ適宜の膜厚の単層の矯
正膜を試験的に成膜した。同図の図表34の下3行36
の膜厚欄37に示すように、Tiの場合は厚さ0.6μ
m、Taの場合は厚さ0.2μm、また、このような金
属膜ばかりでななく、PIのようなな樹脂を用いて厚さ
10.0μmの樹脂膜も成膜した。この樹脂膜は、先ず
ガラス基板に液状の樹脂を塗布した後、N2 雰囲気下で
2時間・350℃の焼成を行って形成した。
【0032】そして、その反り量を測定すると、同図の
図表34の下3行36の基板反り変化量欄38に示すよ
うに、それぞれ、「−5.3」、「−32.8」、「−
54.8」であった。これらを膜厚当りの反り量に換算
すると、同図の図表34の下3行36の基板反り変化量
/膜厚欄39に示すように、それぞれ 「−8.8」
(−5.3÷0.6)、「−164.0」、「−5.
5」となる。
【0033】したがって、放熱層の反り量を矯正(相
殺)するために放熱層の反り量「−87.6」と同等の
反り量を矯正層で得るためには、放熱層の反り量「−8
7.6」を各矯正層の膜厚当りの反り量「−8.8」
「−164.0」、「−5.5」でそれぞれ割って、同
図の図表34の下3行36の反り矯正層膜厚欄41に示
すように、それぞれ「10.0」、「0.5」、「1
5.9」の厚さに成膜すれば良いことが判明する。
【0034】このように、放熱層22にTi(厚さ10
00Å)、Cu(厚さ4.8μm)、Ti(厚さ100
0Å)の積層膜を形成したときに、矯正層23として、
Ti(厚さ10μm)、Ta(厚さ0.5μm)、又は
PI(厚さ15.9μm)といった素材と厚さ共に放熱
層22とは異なる膜を形成しても、ガラス基板の反りを
防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ガラス基板に形成した放熱層の熱膨張による応力
と同等な熱膨張の応力を発生する膜を基板裏側に形成す
るので、放熱層の熱膨張によるガラス基板の反りを防止
することができ、これにより、インクジェットプリント
ヘッド製造時におけるガラス基板の反りが原因となる加
工不良の発生を低減させ、歩留まりの向上に貢献するこ
とができる。
【0036】また、同様に、完成後のインクジェットプ
リントヘッドの反りが防止されるので、インクジェット
プリントヘッドの中央部と端部とで、オリフイスと用紙
等の被記録材との距離を均一に維持することができ、こ
れにより、高品質の画像を印字(印刷)するインクジェ
ットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は一実施の形態におけるインクジェットプ
リントヘッド(印字ヘッド)の主要構成部分の拡大断面
図、(b) は(a) の矢印Fで示す面より下の厚さHで示す
構成部分を縮小してより広い範囲を示す平面図、(c) は
(b) のG−G′断面矢視図である。
【図2】ガラス基板の両面に異なる材質の膜を形成して
反りを防止することができる成膜条件を示す図表であ
る。
【図3】(a) は従来の印字ヘッドの模式的な外観平面
図、(b) は(a) の破線Aで囲んで示す部分の拡大図、
(c) は(b) のB−B′断面矢視図、(d) は(c) の矢印C
で示す面より下の厚さhで示す構成部分の縮小平面図、
(e) は(d) のD−D′断面矢視図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド 2 ガラス基板 3 放熱層 4 絶縁層 5 発熱抵抗体膜 5a 発熱抵抗体 6 個別配線電極 7 共通電極 8 隔壁 9 インク供給溝 11 インク供給孔 12 オリフィス板 13 オリフィス 14 オリフィス列 20 印字ヘッド 21 ガラス基板 22 放熱層 23 矯正層 24 絶縁層 25 発熱抵抗体膜 25a 発熱抵抗体 26 個別配線電極 27 共通電極 28 隔壁 29 インク供給溝 31 インク供給孔 32 オリフィス板 33 オリフィス 34 図表 35 上1行 36 下3行 37 膜厚欄 38 基板反り変化量欄 39 基板反り変化量/膜厚欄 41 矯正層膜厚欄

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一面に放熱層、発熱抵抗体、電
    極、前記発熱抵抗体を区分けする隔壁、及びインク吐出
    孔を有するオリフイス板を備え、前記電極に通電して前
    記発熱抵抗体を発熱させることにより該発熱抵抗体とイ
    ンクとの界面に膜気泡を発生させ該膜気泡の圧力により
    前記発熱抵抗体上の前記インクを前記インク吐出孔から
    吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、 前記基板の一面と逆の他面に、前記発熱抵抗体の発熱に
    よる前記放熱層の熱膨張により前記基板に生じる応力を
    矯正するための矯正層を設けたことを特徴とするインク
    ジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 基板の一面に、放熱層、発熱抵抗体、電
    極、前記発熱抵抗体を区分けする隔壁、オリフイス板を
    順次形成する工程と、 前記基板の一面と逆の他面に、前記発熱抵抗体の発熱に
    よる前記放熱層の熱膨張により前記基板に生じる応力を
    矯正するための矯正層を形成する工程と、 を含むことを特徴とするインクジェットプリントヘッド
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005349753A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドのカバー基板

Cited By (2)

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JP2005349753A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドのカバー基板
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