JP2002283061A - 抵抗溶接電源装置 - Google Patents

抵抗溶接電源装置

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JP2002283061A
JP2002283061A JP2001094845A JP2001094845A JP2002283061A JP 2002283061 A JP2002283061 A JP 2002283061A JP 2001094845 A JP2001094845 A JP 2001094845A JP 2001094845 A JP2001094845 A JP 2001094845A JP 2002283061 A JP2002283061 A JP 2002283061A
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JP2001094845A
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Takashi Moro
享司 茂呂
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Miyachi Technos Corp
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  • Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶接通電中の溶接電流または電極間電圧のリ
ップルを一定の大きさに制御して、通電実効値の変動を
少なくし、良好な溶接品質を得る電源装置を提供する。 【解決手段】 溶接通電を開始すると、溶接電流がほぼ
一直線で立ち上がる。そして、溶接電流が上限基準値S
U以上に増大した時点で、スイッチング制御信号CSが
HレベルからLレベルに変わる。これにより、電源部で
はスイッチング素子がオフし、溶接電流は時間の経過と
ともに減少する。そして、溶接電流が下限基準値SL以
下に減少した時点で、スイッチング制御信号CSがLレ
ベルからHレベルに変わり、スイッチング素子が再びオ
ンして、溶接電流が増大に転じる。以後、上記と同様の
動作で、上限基準値SUと下限基準値SLとの間で溶接
電流の増大と減少とが不定なサイクルで交互に繰り返さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接のための
電源装置に係り、特に溶接エネルギーとなる電力を蓄積
するコンデンサからスイッチング素子を介して制御され
た溶接電流を被溶接材に供給する方式の電源装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の抵抗溶接電源装置で
は、スイッチング素子をスイッチング用のトランジスタ
で構成し、パルス幅変調(PWM)で該スイッチング・
トランジスタをスイッチング制御するようにしている。
【0003】PWM方式は、クロックによって規定され
る一定のスイッチング・サイクル毎に各サイクル内のア
クティブレベル(たとえばHレベル)のパルス幅を可変
制御する技術である。溶接電流を設定電流値に一致させ
るための定電流制御にPWM方式を用いることで、スイ
ッチング・サイクル毎に設定電流値に対する溶接電流の
偏差を補正するためのスイッチング制御を行うことがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなトランジ
スタ式抵抗溶接電源装置は、主に電子部品等の精密小型
金属部材を被溶接材とする精密スポット溶接に多用され
ている。この種の精密スポット溶接では、非常に短い通
電時間(たとえば10m秒以下)の中で被溶接材に所要
の溶接エネルギーを過不足なく供給しなければならず、
より精細かつ高速の定電流制御または定電圧制御が望ま
れる。
【0005】しかるに、PWM方式による従来のトラン
ジスタ式抵抗溶接電源装置では、一定周波数のクロック
に同期させてスイッチング・トランジスタをオン・オフ
させるため、各スイッチング・サイクル毎の設定電流値
に対する溶接電流の偏差がばらついて、電流波形や電圧
波形のリップルが不定に変化しやすい。電流・電圧リッ
プルの大きさが変化すると、通電実効値が実質的に変動
して、溶接部における発熱量が変化し、溶接不良の原因
になることがある。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、溶接通電中の溶接電流または電極間
電圧のリップルを一定の大きさ(幅)に制御して、通電
実効値の変動を少なくし、良好な溶接品質を保証するよ
うにした抵抗溶接電源装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の抵抗溶接電源装置は、被溶接材に
加圧接触する一対の溶接電極間に溶接電流を流して前記
被溶接材を抵抗溶接するための抵抗溶接電源装置におい
て、抵抗溶接用の電気エネルギーを電荷として蓄えるコ
ンデンサと、前記コンデンサと前記溶接電極との間に電
気的に接続される通電用のスイッチング手段と、前記溶
接電流について所望の上限および下限の基準値を設定す
るための電流基準値設定手段と、抵抗溶接の通電中に、
前記溶接電流が前記下限基準値以下に減少した時は前記
スイッチング手段をオフ状態からオン状態に切り換え、
前記溶接電流が前記上限基準値以上に増大した時は前記
スイッチング手段をオン状態からオフ状態に切り換える
ように、前記スイッチング手段を制御する通電制御手段
とを具備する構成とした。
【0008】本発明の第1の抵抗溶接電源装置では、溶
接電流が下限基準値以下に減少した時はスイッチング手
段をオフ状態からオン状態に切り換え、溶接電流が上限
基準値以上に増大した時はスイッチング手段をオン状態
からオフ状態に切り換えることにより、溶接電流を下限
基準値と上限基準値との間で不定のサイクルで交互に行
き来させるようにして、電流リップルを一定の大きさ
(上限基準値−下限基準値)に制御する。
【0009】この第1の抵抗溶接電源装置において、好
ましくは、前記通電制御手段が、前記溶接電流の瞬時値
を測定する電流測定手段と、前記溶接電流の測定値と前
記上限基準値とを比較して両者の大小関係を論理値で表
す第1の比較出力信号を発生する第1の比較手段と、前
記溶接電流の測定値と前記下限基準値とを比較して両者
の大小関係を論理値で表す第2の比較出力信号を発生す
る第2の比較手段と、前記第1および第2の比較出力信
号のそれぞれの論理値に基づいて前記スイッチング手段
のオン・オフ状態を制御するためのスイッチング制御信
号を生成するスイッチング制御信号発生手段とを有する
構成であってよい。
【0010】また、本発明の第2の抵抗溶接電源装置
は、被溶接材に加圧接触する一対の溶接電極間に溶接電
流を流して前記被溶接材を抵抗溶接するための抵抗溶接
電源装置において、抵抗溶接用の電気エネルギーを電荷
として蓄えるコンデンサと、前記コンデンサと前記溶接
電極との間に電気的に接続される通電用のスイッチング
手段と、前記溶接電極間の電圧について所望の上限およ
び下限の基準値を設定するための電極間電圧基準値設定
手段と、抵抗溶接の通電中に、前記電極間電圧が前記下
限基準値以下に低下した時は前記スイッチング手段をオ
フ状態からオン状態に切り換え、前記電極間電圧が前記
上限基準値以上に上昇した時は前記スイッチング手段を
オン状態からオフ状態に切り換えるように、前記スイッ
チング手段を制御する通電制御手段とを具備する構成と
した。
【0011】本発明の第2の抵抗溶接電源装置では、溶
接電極間の電圧(電極間電圧)が下限基準値以下に低下
した時はスイッチング手段をオフ状態からオン状態に切
り換え、電極間電圧が上限基準値以上に上昇した時はス
イッチング手段をオン状態からオフ状態に切り換えるこ
とにより、電極間電圧を下限基準値と上限基準値との間
で不定のサイクルで交互に行き来させるようにして、電
圧リップルを一定の大きさ(上限基準値−下限基準値)
に制御する。
【0012】この第2の抵抗溶接電源装置において、好
ましくは、前記通電制御手段が、前記電極間電圧の瞬時
値を測定する電圧測定手段と、前記電極間電圧の測定値
と前記上限基準値とを比較して両者の大小関係を論理値
で表す第1の比較出力信号を発生する第1の比較手段
と、前記電極間電圧の測定値と前記下限基準値とを比較
して両者の大小関係を論理値で表す第2の比較出力信号
を発生する第2の比較手段と、前記第1および第2の比
較出力信号のそれぞれの論理値に基づいて前記スイッチ
ング手段のオン・オフ状態を制御するためのスイッチン
グ制御信号を生成するスイッチング制御信号生成手段と
を有する構成であってよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明の
好適な実施形態を説明する。
【0014】図1に、本発明の一実施形態による抵抗溶
接電源装置の構成を示す。この抵抗溶接電源装置は、溶
接部10に抵抗溶接用の電力を供給するための電源部1
2と、溶接部10および電源部12の諸動作を制御する
ための制御部14とを有している。
【0015】溶接部10においては、加圧機構(図示せ
ず)に結合されている一対の溶接電極16,18が、溶
接中に被溶接材(W1,W2)に加圧接触するようになっ
ている。
【0016】電源部12は、抵抗溶接用のエネルギーを
電荷として蓄える大容量コンデンサ20と、このコンデ
ンサ20を所定の電圧まで充電する充電回路22と、コ
ンデンサ20と溶接部10との間に電気的に接続された
スイッチング素子24とを有している。充電回路22に
は、交流電源ライン26より商用周波数の単相交流電源
電圧Eが降圧トランス28を介して入力される。
【0017】充電回路22は、トランス28からの単相
交流電圧を整流して直流電圧に変換する単相整流回路を
有してよく、コンデンサ20の充電電圧をより精細また
は可変に制御するために、該整流回路の出力端子とコン
デンサ20との間に充電用のスイッチング回路(図示せ
ず)を含む構成としてもよい。さらに、充電制御のため
に、コンデンサ20の充電電圧を測定する電圧測定手段
(図示せず)等を含んでもよい。
【0018】スイッチング素子24は、1個または並列
接続された複数個のスイッチング用トランジスタたとえ
ばFET(電界効果トランジスタ)で構成されている。
スイッチング素子24の電流入側の端子はコンデンサ2
0の正極側電極に接続され、電流出側の端子は溶接電極
16に接続されている。また、スイッチング素子24の
電流出側の端子とコンデンサ20の負極側電極との間に
フライホイール・ダイオード30が接続されている。
【0019】制御部14は、電源部12ないし溶接部1
0における通電を制御するための通電制御部32と、装
置内の各部を制御したり外部の装置(図示せず)と信号
をやりとりする主制御部34とを含んでいる。
【0020】通電制御部32は、たとえば図2に示すよ
うな回路で構成され、溶接通電中に、駆動回路36を介
してスイッチング素子24をスイッチング制御する。こ
のスイッチング制御では、電源部12より溶接部10に
供給される溶接電流Iまたは電極間電圧Vがフィードバ
ックされる。
【0021】電流フィードバック制御のために、電源部
12ないし溶接部10内の溶接電流Iが流れる導体にた
とえばトロイダルコイルからなる電流センサ38が取り
付けられ、この電流センサ38の出力信号を基に電流測
定回路40で求められた溶接電流Iの電流値(瞬時値)
が溶接電流測定信号MIとして通電制御部32に与えら
れるようになっている。
【0022】また、電圧フィードバック制御のために、
溶接電極16,18に電圧センス線42を介して電圧測
定回路44が接続され、この電圧測定回路44より溶接
電極16,18間の電圧Vの測定値(瞬時値)を表す電
極間電圧測定信号MVが通電制御部32に与えられるよ
うになっている。
【0023】主制御部34は、マイクロプロセッサ(C
PU)、メモリ、インタフェース回路等で構成され、所
定のプログラムまたは手順にしたがって加圧制御、通電
シーケンス制御、充電制御等の各部の制御を行う。主制
御部34には、各種設定値を入力するためのたとえばキ
ーボード方式の入力部46や、各種設定値や測定値、モ
ニタ値等を表示するためのたとえば液晶ディスプレイ方
式の表示部48等も接続される。
【0024】図2において、通電制御部32は、一対の
コンパレータ50,52と、Dフリップフロップ54
と、ANDゲート56とで構成されている。第1のコン
パレータ50は演算増幅器58からなり、その一方の入
力端子(非反転入力端子)には電流測定回路40からの
溶接電流測定信号MIまたは電圧測定回路44からの電
極間電圧測定信号MVが入力抵抗62を介して与えら
れ、他方の入力端子(反転入力端子)には主制御部34
からの一定電圧レベルの上限基準値信号SUが入力抵抗
60を介して与えられる。このコンパレータ50は、フ
ィードバック信号MI(またはMV)および上限基準値
信号SUのそれぞれの電圧レベルを比較して、両者の大
小関係に応じた論理値の比較出力信号COaを発生す
る。すなわち、MI(MV)<SUのときはLレベルの
COaを発生し、MI(MV)≧SUのときはHレベル
のCOaを発生する。
【0025】第2のコンパレータ52は演算増幅器64
からなり、その一方の入力端子(非反転入力端子)には
溶接電流測定信号MIまたは電極間電圧測定信号MVが
入力抵抗68を介して与えられ、他方の入力端子(反転
入力端子)には主制御部34からの一定電圧レベルの下
限基準値信号SLが入力抵抗66を介して与えられる。
このコンパレータ52は、フィードバック信号MI(ま
たはMV)および下限基準値信号SLのそれぞれの電圧
レベルを比較して、両者の大小関係に応じた論理値の比
較出力信号CObを発生する。すなわち、MI(MV)
>SLのときはHレベルのCObを発生し、MI(M
V)≦SUのときはLレベルのCObを発生する。
【0026】Dフリップフロップ54は、第1コンパレ
ータ50からの比較出力信号COaをクロック入力端子
(CK)に受け取り、第2コンパレータ52からのコン
パレータ出力信号CObをデータ入力端子(D)および
リセット端子(R)に受け取る。また、正極性の電源電
圧端子よりHレベルの電源電圧VBをプリセット端子
(P)に受ける。
【0027】フィードバック信号MI(またはMV)と
両基準値信号SU,SLとの大小関係において、MI≧
SU,SLのときは、両コンパレータ50,52のコン
パレータ出力信号COa,CObがそれぞれHレベルで、
クロック入力のストローブ(L→Hレベル)でデータ入
力の論理値(Hレベル)がラッチされ、Dフリップフロ
ップ54の反転出力端子Q-より出力信号TがLレベル
で出力される。MI≦SL,SUのときは、両コンパレ
ータ50,52の比較出力信号COa,CObがそれぞれ
Lレベルで、リセットのストローブ(H→Lレベル)で
プリセット値(Hレベル)が反転された値(Lレベル)
で取り込まれ、Dフリップフロップ54の反転出力端子
Q-よりHレベルの出力信号Tが出力される。SL<M
I<SUのときは、両コンパレータ50,52の比較出
力信号COa,CObがそれぞれLレベル、Hレベルであ
り、Dフリップフロップ54には何のストローブも入ら
ず、反転出力端子Q-の出力信号Tはそれ以前の論理値
を維持する。
【0028】ANDゲート56は、一方の入力端子にD
フリップフロップ54の反転出力端子Q-からの出力信
号Tを受け取り、他方の入力端子には主制御部34より
通電時間の間だけアクティブ状態(Hレベル)になる通
電信号WSを受け取る。このANDゲート56の出力信
号がスイッチング素子24を制御するためのスイッチン
グ制御信号CSとして駆動回路36(図1)に供給され
るようになっている。
【0029】図3に、この実施形態における溶接通電の
際の主要な各部(特に通電制御部32内の各部)の信号
の波形を示す。以下に、図3を参照してこの実施形態に
おける溶接通電の作用を説明する。なお、以下の説明で
は、定電流制御モード、つまり通電制御部32に電流測
定回路40からの溶接電流測定信号MIをフィードバッ
クさせるモードを例にとる。
【0030】主制御部34は、たとえばワーク搬送系の
外部装置(図示せず)よりスタート信号STを入力する
と、加圧機構を作動させて被溶接材(W1,W2)に溶接
電極16,18を所定の加圧力で加圧接触させる。次い
で、通電制御部32に対して、予め設定している定電流
制御用の上限基準値SUおよび下限基準値SLを与える
とともに電源電圧VBをHレベルに立ち上げて、Dフリ
ップフロップ54の出力信号TをHレベルに初期化して
おいて(図3の(C))、溶接通電を開始させるため通電
信号WSをアクティブなHレベルにする(図3の
(D))。これにより、ANDゲート56の出力電圧つま
りスイッチング制御信号CSが無通電時の定常状態であ
るLレベルからアクティブなHレベルに切り換わる(図
3の(B))。
【0031】通電制御部32からのスイッチング制御信
号CSがHレベルになると、電源部12ではそれまでオ
フ状態に保たれていたスイッチング素子24がオン状態
に切り換わり、コンデンサ20の正極電極→スイッチン
グ素子24→溶接電極16、被溶接材(W1,W2)→溶
接電極18→コンデンサ20の負極電極の経路(回路)
で直流の溶接電流Iが流れ始める。この溶接電流Iは、
コンデンサ20の放電に基づくものであり、過渡的には
時間の経過とともに増大する(図3の(A))。
【0032】溶接電流Iが立ち上がる過程で下限基準値
SLを超えた時に、通電制御部32内では第2コンパレ
ータ52の出力信号CObがLレベルからHレベルに変
わるものの、Dフリップフロップ54の出力信号Tの論
理値は変化することなくHレベル状態を維持し、したが
ってANDゲート56の出力信号(スイッチング制御信
号)CSもHレベルを維持する。こうして、通電開始直
後は、スイッチング素子24がオン状態に維持されるこ
とにより、溶接電流Iが上限基準値SUを超えるまでほ
ぼ一直線で立ち上がる。
【0033】そして、溶接電流Iが上限基準値SU以上
に増大した時点で、通電制御部32内では第1コンパレ
ータ50の出力COaがLレベルからHレベルに変わ
り、それによってDフリップフロップ54の出力信号T
はHレベルからLレベルに変わり、したがってANDゲ
ート56の出力信号(スイッチング制御信号)CSがH
レベルからLレベルに変わる。
【0034】通電制御部32からのスイッチング制御信
号CSがLレベルになると、電源部12ではスイッチン
グ素子24がオフし、コンデンサ20の放電が止まる。
そうすると、溶接電極16→被溶接材(W1,W2)→溶
接電極18→フライホイール・ダイオード30→溶接電
極16の回路で溶接電流Iが流れ続ける。もっとも、こ
の回路で流れる溶接電流Iは、負荷側回路のインダクタ
ンスに基づく還流電流であるため、時間の経過とともに
減少する。
【0035】こうして溶接電流Iが減少する過程で上限
基準値SUを割ると、その時点で通電制御部32内では
第1コンパレータ50の比較出力信号COaがHレベル
からLレベルに変わるが、それによってDフリップフロ
ップ54は影響を受けず、出力信号TをLレベルに維持
する。
【0036】そして、溶接電流Iが下限基準値SL以下
に減少した時点で、通電制御部32内では第2コンパレ
ータ52の比較出力信号CObがHレベルからLレベル
に変わり、それによってDフリップフロップ54がプリ
セット値にリセットされ、出力信号TはLレベルからH
レベルに変わり(図3の(C))、したがってANDゲー
ト56の出力信号(スイッチング制御信号)CSがLレ
ベルからHレベルに変わる(図3の(B))。
【0037】通電制御部32からのスイッチング制御信
号CSがHレベルになると、電源部12ではスイッチン
グ素子24が再びオンして、コンデンサ20からの放電
電流が溶接電流Iとして溶接部10に流れ、溶接電流I
は増大に転じる(図3の(A))。
【0038】以後、上記と同様の動作で、上限基準値S
Uと下限基準値SLとの間で溶接電流Iの増大と減少と
が不定なサイクルで交互に繰り返される(図3の(A),
(B),(C))。これにより、溶接電流Iは上限基準値SU
と下限基準値SLとの間を行き来しながらもその範囲内
に安定に維持される。
【0039】そして、通電時間の終了時刻に達すると、
主制御部34からの通電信号WSがLレベルに戻され
(図3の(D))、通電制御部32内でANDゲート56
の出力信号(スイッチング制御信号)CSが強制的にL
レベルにリセットされる(図3の(B))。これにより、
電源部12では、スイッチング素子24のスイッチング
動作が止り、溶接通電が終了する。
【0040】上記のように、この実施形態では、溶接通
電中に、溶接電流Iが下限基準値SL以下に減少した時
は電源部12のスイッチング素子24をオフ状態からオ
ン状態に切り換え、溶接電流Iが上限基準値SU以上に
増大した時はスイッチング素子24をオン状態からオフ
状態に切り換えることにより、溶接電流Iを下限基準値
SLと上限基準値SUとの間で不定のサイクルで交互に
行き来させるようにして、電流リップルを一定の大きさ
(SU−SL)に制御することができる。これにより、
精密スポット溶接等において、電流実効値を安定化さ
せ、ひいては溶接部10の発熱量を安定化させ、良好な
溶接仕上がりを得ることができる。
【0041】定電圧制御モードを選択した場合、つまり
通電制御部32に電圧測定回路44からの電極間電圧測
定信号MVをフィードバックさせる場合は、溶接電流I
が溶接電極16,18間の電圧Vに置き換わるだけで、
上記と同様の通電制御を行うことができる。すなわち、
電極間電圧Vを下限基準値SLと上限基準値SUとの間
を不定のサイクルで交互に行き来させるようにして、電
圧リップルを一定の大きさ(SU−SL)に制御し、こ
れにより電極間電圧の実効値を安定化させ、良好な溶接
品質を得ることができる。
【0042】この実施形態において、通電制御部32に
おける上記のようなハードウェア回路(図2)による通
電制御動作をマイクロコンピュータによるソフトウェア
的な通電制御で代用することも可能である。
【0043】図4に、この実施形態における通電制御部
32をマイクロコンピュータで構成した場合のソフトウ
ェア的な通電制御手順を示す。
【0044】外部装置よりスタート信号STが入ると、
通電制御系の各部を初期化してから、つまり溶接通電条
件の各種設定値(通電時間、上限基準値、下限基準値
等)をそれぞれ所定のレジスタにセットしてから(ステ
ップA1)、実質的な通電制御を開始する。通電開始直
後は、ステップA2→A3→A4→A5→A2のループを回
ることにより、スイッチング制御信号CSをアクティブ
なHレベルに維持し(スイッチング素子24をオン状態
に維持し)、溶接電流Iをほぼ一直線に立ち上げる。
【0045】そして、溶接電流Iが上限基準値SU以上
に増大したなら、その時点でスイッチング制御信号CS
をLレベルに切り換えて(ステップA3→A6)、スイッ
チング素子24をオフにし、溶接電流Iを増大から減少
に転じさせる。その後は、ステップA6→A7→A8→A9
→A6のループを回ることにより、スイッチング制御信
号CSをLレベルに維持したまま溶接電流Iを単調に減
少させる。
【0046】そして、溶接電流Iが下限基準値SL以下
に減少したなら、その時点でスイッチング制御信号CS
をHレベルに切り換えて(ステップA8→A4)、スイッ
チング素子24をオンにする。以後、上記のようなスイ
ッチング制御信号CSをHレベルに保持し続ける第1の
サイクル(つまりスイッチング素子24をオン状態に保
持するサイクル)とスイッチング制御信号CSをLレベ
ルに保持し続ける第2のサイクル(つまりスイッチング
素子24をオフ状態に保持するサイクル)とを不定期で
交互に繰り返す。そして、通電時間タイマが設定通電時
間を計時した時点で、通電を終了させる(ステップA1
2)。その際、第1サイクル中に通電を止める場合は、
スイッチング制御信号CSをLレベルにして(ステップ
A11)、通電を終了させる。
【0047】図5に、別の実施形態による抵抗溶接電源
装置の構成を示す。図中、上記した第1実施形態の電源
装置(図1)の構成要素と実質的に同一の構成または機
能を有する部分には同一の符号を附してある。
【0048】この実施形態の抵抗溶接電源装置は、コン
デンサ20と溶接電極16,18との間に4つのスイッ
チング素子Q1,Q2,Q3,Q4を図5に示すように接続
し、溶接通電中にこれらのスイッチング素子Q1〜Q4を
選択的にスイッチング動作させて溶接電流Iを極性切換
可能に制御するようにしている。スイッチング素子Q1
〜Q4の各々は、1個または並列接続された複数個のス
イッチング・トランジスタたとえばFETで構成されて
よい。
【0049】第1スイッチング素子Q1は、一方の端子
が溶接電極16に電気的に接続され、他方の端子がコン
デンサ20の正極側端子に電気的に接続されている。第
2スイッチング素子Q2は、一方の端子が溶接電極18
に電気的に接続され、他方の端子がコンデンサ20の負
極側端子に電気的に接続されている。第3スイッチング
素子Q3は、一方の端子が溶接電極18に電気的に接続
され、他方の端子がコンデンサ20の正極側端子に電気
的に接続されている。第4スイッチング素子Q4は、一
方の端子が溶接電極16に電気的に接続され、他方の端
子がコンデンサ20の負極側端子に電気的に接続されて
いる。各スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4には、こ
れと並列に通電の極性を逆向きにしてダイオードD1,
D2,D3,D4が接続されている。
【0050】これら第1〜第4スイッチング素子Q1,
Q2,Q3,Q4は、駆動回路36を介して与えられる通
電制御部32からの第1〜第4スイッチング制御信号C
S1 ,CS2,CS3,CS4によりそれぞれ独立的にス
イッチング(オン・オフ)制御される。
【0051】被溶接材(W1,W2)に対して溶接電流I
を正方向に流す正極性の通電モードでは、通電制御部3
2が、第3および第4スイッチング素子Q3,Q4をオフ
状態に保持したまま、第1および第2スイッチング素子
Q1,Q2を所定のタイミングでオン・オフ制御する。
【0052】たとえば、図6および図7に示すように、
正極性通電モードの期間中は、第3および第4スイッチ
ング素子Q3,Q4をオフ状態に、第2スイッチング素子
Q2をオン状態に保持したまま、第1スイッチング素子
Q1をオン・オフ制御してよい。この場合、通電制御部
32は、第1スイッチング素子Q1に与えるスイッチン
グ制御信号CP1を上記実施形態と同様(図2)の回路
または制御手順で生成してよい。
【0053】被溶接材(W1,W2)に対して溶接電流I
を負方向に流す負極性の通電モードでは、第1および第
2スイッチング素子Q1,Q2をオフ状態に保持したま
ま、第3および第4スイッチング素子Q3,Q4を所定の
タイミングでオン・オフ制御する。
【0054】たとえば、図8および図9に示すように、
負極性通電モードの期間中は、第1および第2スイッチ
ング素子Q1,Q2をオフ状態に、第4スイッチング素子
Q4をオン状態に保持したまま、第3スイッチング素子
Q3をオン・オフ制御してよい。
【0055】この場合でも、通電制御部32は、第3ス
イッチング素子Q3に与えるスイッチング制御信号CP3
を上記実施形態と同様(図2)の回路または制御手順で
生成してよい。
【0056】この実施形態の電源装置は、たとえば2点
同時接合型の抵抗溶接(シリーズ溶接)に用いて好適で
あり、上記した第1実施形態の電源装置と同様に高速・
精細・安定確実な定電流制御を可能とし、良好な溶接仕
上がりを保証することができる。また、効率の良いスイ
ッチングにより素子の長寿命化を図れる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抵抗溶接
電源装置によれば、溶接通電中の溶接電流または電極間
電圧のリップルを一定の大きさ(幅)に制御して、通電
実効値の変動を少なくし、良好な溶接品質を保証するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による抵抗溶接電源装置の
構成を示す回路図である。
【図2】実施形態における通電制御部の回路構成例を示
す回路図である。
【図3】実施形態における溶接通電中の主要な各部の信
号の波形を示す波形図である。
【図4】実施形態の一変形例によるソフトウェア的な通
電制御の手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の別の実施形態による抵抗溶接電源装置
の構成を示す回路図である。
【図6】実施形態の電源装置において一スイッチング状
態で溶接電流の流れる通電回路を示す回路図である。
【図7】実施形態の電源装置において一スイッチング状
態で溶接電流の流れる通電回路を示す回路図である。
【図8】実施形態の電源装置において一スイッチング状
態で溶接電流の流れる通電回路を示す回路図である。
【図9】実施形態の電源装置において一スイッチング状
態で溶接電流の流れる通電回路を示す回路図である。
【符号の説明】
10 溶接部 12 電源部 14 制御部 16,18 溶接電極 20 コンデンサ 22 充電回路 24 スイッチング素子 32 通電制御部 34 主制御部 38 電流センサ 40 電流測定回路 44 電圧測定回路 46 入力部 Q1〜Q4 スイッチング素子 W1,W2 被溶接材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材に加圧接触する一対の溶接電極
    間に溶接電流を流して前記被溶接材を抵抗溶接するため
    の抵抗溶接電源装置において、 抵抗溶接用の電気エネルギーを電荷として蓄えるコンデ
    ンサと、 前記コンデンサと前記溶接電極との間に電気的に接続さ
    れる通電用のスイッチング手段と、 前記溶接電流について所望の上限および下限の基準値を
    設定するための電流基準値設定手段と、 抵抗溶接の通電中に、前記溶接電流が前記下限基準値以
    下に減少した時は前記スイッチング手段をオフ状態から
    オン状態に切り換え、前記溶接電流が前記上限基準値以
    上に増大した時は前記スイッチング手段をオン状態から
    オフ状態に切り換えるように、前記スイッチング手段を
    制御する通電制御手段とを具備することを特徴とする抵
    抗溶接電源装置。
  2. 【請求項2】 前記通電制御手段が、 前記溶接電流の瞬時値を測定する電流測定手段と、 前記溶接電流の測定値と前記上限基準値とを比較して両
    者の大小関係を論理値で表す第1の比較出力信号を発生
    する第1の比較手段と、 前記溶接電流の測定値と前記下限基準値とを比較して両
    者の大小関係を論理値で表す第2の比較出力信号を発生
    する第2の比較手段と、 前記第1および第2の比較出力信号のそれぞれの論理値
    に基づいて前記スイッチング手段のオン・オフ状態を制
    御するためのスイッチング制御信号を生成するスイッチ
    ング制御信号生成手段とを有することを特徴とする請求
    項2に記載の抵抗溶接電源装置。
  3. 【請求項3】 被溶接材に加圧接触する一対の溶接電極
    間に溶接電流を流して前記被溶接材を抵抗溶接するため
    の抵抗溶接電源装置において、 抵抗溶接用の電気エネルギーを電荷として蓄えるコンデ
    ンサと、 前記コンデンサと前記溶接電極との間に電気的に接続さ
    れる通電用のスイッチング手段と、 前記溶接電極間の電圧について所望の上限および下限の
    基準値を設定するための電極間電圧基準値設定手段と、 抵抗溶接の通電中に、前記電極間電圧が前記下限基準値
    以下に低下した時は前記スイッチング手段をオフ状態か
    らオン状態に切り換え、前記電極間電圧が前記上限基準
    値以上に上昇した時は前記スイッチング手段をオン状態
    からオフ状態に切り換えるように、前記スイッチング手
    段を制御する通電制御手段とを具備することを特徴とす
    る抵抗溶接電源装置。
  4. 【請求項4】 前記通電制御手段が、 前記電極間電圧の瞬時値を測定する電圧測定手段と、 前記電極間電圧の測定値と前記上限基準値とを比較して
    両者の大小関係を論理値で表す第1の比較出力信号を発
    生する第1の比較手段と、 前記電極間電圧の測定値と前記下限基準値とを比較して
    両者の大小関係を論理値で表す第2の比較出力信号を発
    生する第2の比較手段と、 前記第1および第2の比較出力信号のそれぞれの論理値
    に基づいて前記スイッチング手段のオン・オフ状態を制
    御するためのスイッチング制御信号を生成するスイッチ
    ング制御信号生成手段とを有することを特徴とする請求
    項3に記載の抵抗溶接電源装置。
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