JP2002283038A - 表面改質鋳造方法 - Google Patents

表面改質鋳造方法

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JP2002283038A
JP2002283038A JP2001089184A JP2001089184A JP2002283038A JP 2002283038 A JP2002283038 A JP 2002283038A JP 2001089184 A JP2001089184 A JP 2001089184A JP 2001089184 A JP2001089184 A JP 2001089184A JP 2002283038 A JP2002283038 A JP 2002283038A
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Yoshisada Michiura
吉貞 道浦
Kimio Nakamura
公生 中村
Masayoshi Kitagawa
眞好 喜多川
Shigenori Tanabe
重則 田辺
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Kurimoto Ltd
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Kurimoto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液相焼結による表面改質鋳造法において、改
質層の特性を一段と向上する。 【解決手段】 特定性質を付与する金属の主粉Aと、こ
れより低い溶融点を有する金属の焼結助剤粉Bと、有機
系結合材Cを混合した混合粉を鋳造品の所望の位置へ添
着し、前記三者間に生じる液相焼結によって相互に一体
化して特定の物性を鋳造品に付与する表面改質鋳造方法
において、主粉Aと焼結助剤粉Bとをまず混合し、該混
合粉Xに高エネルギーミルなどで強制攪拌して粉砕と冷
間接合を繰返して前記粉末同士が個々の粉末内に細かく
畳み込まれるメカニカルグラインディング処理を施して
得られた複合粉Wを鋳型に添着して鋳造を行い、液相焼
結を起させ、通常の混合粉Xよりも溶け込みが少なくA
成分がより多く濃縮された改質層を鋳造品表面に形成さ
せることによって前記の課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】金属の鋳造法において、特定
の性質を発揮する金属、または合金を全面、または所望
の一部に付加して鋳造品としての機能を向上させる技術
に係る。
【0002】
【従来の技術】鋳造品の特定の位置に耐食性や耐摩耗性
を付与する方法として、鋳造品自体に溶射や部分焼入、
浸炭、窒化など、鋳造後に表面処理を加える方法もある
が、作業工程が確実に増加する問題がある。そのため鋳
造前の鋳型空隙表面の所定の位置に特定の物性を付与す
る特定の金属を添着し、溶融金属を注湯し、その熱で該
添着金属層を溶着させ、凝固後に所望の位置に改質層を
形成しようとする鋳造方法が種々提案されている。
【0003】たとえば特公平5−20184号公報や特
開昭5−77019号公報の従来技術があるが、これら
の趣旨は、たとえば耐食性の場合、該耐食性金属の溶融
点を低温側へ移すように成分コントロールすることにあ
り、該溶融点が低過ぎれば注湯した溶融金属内に拡散し
て改質層の成分濃度が著しく失われ、溶融点が高過ぎれ
ば母材金属との一体溶着化が難しい。
【0004】先に出願人は特公平5−20187号公報
において、主として耐摩耗性の局部的強化を目指した全
く新しい液相焼結による複合一体化を開示した。すなわ
ち、Aとして特定の物性を付与する特定の金属粉末、B
として前記Aを構成する金属より明確に低融点を有する
金属の粉末を使用し、Cとして適量の有機系結合材の三
者を練り合わせて所望の位置に取り付け、粉末Bの溶融
点より高い溶融金属を注湯することによって、まず注入
した溶融金属の保有熱によって低融点のB金属粉末を溶
融し、A,Bおよび注入金属の三者を液相焼結で一体化
し、さらに続けて注入する金属と層表面を通じて拡散溶
着することを要旨とする。具体的には金属AとしてFe
−Cr、焼結助剤粉BとしてNi−Cr−Si−Fe粉
末、Cとしてポリビニールアセテートなどで形成して、
母材となる鋳鉄溶湯を注湯し、耐摩耗鋳鉄部品のうち、
とくに摩耗面だけを局部的に強化する実施形態を示し
た。
【0005】同様に耐食性をとくに必要とする部材の場
合は、特開平10−272552号公報において、N
i、またはNi基合金やステンレス鋼材などから選ばれ
た金属粉末Aと、該金属粉末Aより明確に低温の溶融点
を具え、Pを5〜15重量%必ず含むNi基合金よりな
る金属粉末Bを混合して所望の位置へ添着し、金属粉末
Bの溶融点より高い溶融点を有する溶融金属を注湯し、
前記三溶融点の相互関係によって発現する液相焼結と溶
融金属の静圧によって製品の所望の位置に強固で緻密な
焼結層を一体的に形成した。また、特開平10−272
547号公報では同じ発想を遠心力鋳造に適用した場合
を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術は液相
焼結を意図的に発現させることにより、鋳造品の所望の
位置を選択的にある特性に関して強化する技術を一応確
立したわけであるが、最近は金属粉末自体を加工してさ
らに機能的に特殊な性質を具えるように調質する技術が
注目を集め、多岐に亘る技術分野でその応用が試みられ
ている。本発明も従来の単なる粉末の混合体よりも粉末
自体の機能を高めれば、従来技術より一段と優れた改質
層が得られるのではないかという認識に立ったのがその
原点にある。
【0007】出願人らはメカニカルグラインディング
(Mechanical Grinding 以下単に
MGと記載する)処理によって粉末自体を改良した場
合、従来技術を凌駕する優れた効果がもたらされるとい
う予見に立ち、実地の試験を繰返した。近年、既にメカ
ニカルアロイング(Mechanical Alloy
ing)と呼ばれる粉末処理によって異種金属を溶解す
ることなく原子レベルで結合した合金化の方法が開発さ
れ、たとえばODS(Oxide Dispersio
n Strengthening)合金のように、通常
の溶解方法では合金化が難しい材料の合成に適用され、
たとえばNi基合金中にY25やLa25の粒子を均
一、かつ微細に分散させる方法が確立したため高温強度
や耐酸化性が大幅に向上したという報告もある。本発明
では合金化までは至らずMGの段階で異種粉末の複合化
を意図したもので、複合粉を液相焼結の粉末として使用
することによって次の利点を予見したのである。 (1) 主粉と焼結助剤粉の組成が一つ一つの複合粉内に
均一に分散しているので混合粉を添着する場合に比べて
遥かに組成の偏析がなくなる。 (2) 得られる改質層の組成が均一、かつ微細なものと
なって機能性が向上する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表面改質鋳
造方法は、鋳型内面の所望の位置へ特定の物性を付与す
る特定金属または複数金属の合金からなる主粉Aと、前
記主粉Aよりは明確に低い溶融点を有する金属、または
合金よりなる焼結助剤粉Bと、有機系結合材Cを混合し
た混合粉Xを前記位置へ添着し、焼結助剤粉Bより溶融
点の高い溶融金属Mを注湯し、前記主粉A、焼結助剤粉
B、および溶融金属Mの三者間に生じる液相焼結によっ
て相互に一体化して特定の物性を鋳造品に付与する鋳造
方法であって、特に主粉Aと焼結助剤粉Bとをあらかじ
め所定の割合で混合し、該混合粉Xを高エネルギーミル
で強制攪拌して粉砕と冷間接合を繰返して前記粉末同士
が個々の粉末内に細かく畳み込まれた複合粉Wに調質す
るメカニカルグラインディング処理を施して鋳型に添着
し、該鋳型へ注湯する溶融金属Mの保有熱によって液相
焼結を発現させ、通常の混合粉Xを使用した場合よりも
溶け込みが少なくA成分がより多く濃縮された改質層を
鋳造品表面に形成させたことを特徴とする。
【0009】より具体的には所望する特定の物性が耐食
性、または耐食性に耐摩耗性を兼ね、主粉AがNiまた
はNi基合金から選ばれた金属粉末Aと、該金属粉末よ
り明確に低温の溶融点を有し必ずPを5〜15重量%含
むNi基合金の粉末の焼結助剤粉Bとよりなることが最
も優れた実施形態であり、さらに主粉Aと焼結助剤粉B
に適当量の有機結合材Cを加えてスラリー状に混和して
鋳型表面の所望の位置に所望の厚さだけ添着することも
よく、主粉Aと焼結助剤粉Bの混合割合A/Bが質量比
で90/10〜40/60(質量比については以下同
じ)であることがよき結果に繋がる。さらに本発明の鋳
造対象は置き注ぎの鋳型だけではなく、遠心力鋳造のよ
うな特殊な金型であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態として主粉Aが
Ni粉(Ni≧99.7重量%)、焼結助剤粉Bとして
Ni−P(P:11.4重量% 溶融点1153K)で
粒度は何れも100メッシュパスのものを使用した。な
お、この実施例以外に耐摩耗性向上のためにFe−Cr
粉末を主粉AとしてCr炭化物を集中的に析出させる構
成など種々の形態のあることは言うまでもなく、従来技
術に使用される強化用の金属粉末の混合粉はすべて複合
粉に置換することによって優れた効果を期待できること
には何の制限もない。
【0011】図2はMGに使用する高エネルギーのボー
ルミルの概略を示し、容器1は水ジャケット2を循環す
る水によって冷却され、容器1内にSUS304のボー
ル3と共に混合した金属粉末を装入し、攪拌翼4を高速
回転して粉末を機械的に強制攪拌し、ボール3の衝突に
よって粉末が破砕されて新しい破面が生まれ、さらに塑
性変形して原料粉同士の冷間接合が起こる。この粉砕と
接合の繰返しにより破砕−凝集−破砕の連続により異種
の原料同士が一つの粉末のそれぞれに畳み込まれた微細
な組織の複合粉に調質される。この実施例では回転速度
は300rpm、雰囲気は窒素内で処理したが、工業的
に大量に処理する場合には遊星ボールミルなど高エネル
ギーの特殊ミルが好適であろう。
【0012】Ni/Ni−P:50/50の混合粉をM
G処理して時間の経過と得られた複合粉のSEM像やE
PMA像(PのKαのX線画像)で観察すると、混合粉
のまま(処理時間0)ではNi粉は表面に凹凸があり、
Ni−P粉の表面は滑らかであるから、混合だけでは偏
析する傾向は免れないが、EPMAのPの分布からMG
36ks(10hr)の初期の段階で図3(b)のよう
に既にかなり均一に複合されており、その後さらにMG
処理した複合粉も改質層の性質に大差は認められないの
でMG処理時間として36ksは一応の目安となる。
【0013】図4は本発明の実施例に使用する鋳型を示
し、炭酸ガス法によって成形した。図4(a)は肉厚が
10mmの150×150mmの薄肉用鋳型5Aであ
り、標準的な製品を代表する。鋳型には湯口6と揚り
7、ガス抜き8を設ける。薄肉5Aの底面には、Ni/
Ni−P50/50、75/25、90/10の三種類
に配合を変えた混合粉のまま(MG0ks)と、複合粉
(36ks)にそれぞれ有機系結合材Cとしてポリビニ
ールアセテートを1/100質量比で加え、キシレンに
溶いて添着し、添着層9Aを形成する。添着量は60m
g/cm2、120mg/cm2の二通りで比べ合わせて
その有効性を判断することにした。図4(b)は比較の
ために肉厚が50mmのかなり大きい厚肉鋳型であって
その他の条件は同図(a)と同一に統一して厚肉5Bと
添着層9Bを作成した。
【0014】鋳型は乾燥後、高周波炉で溶解したダクタ
イル鋳鉄(FCD C:3.53%,Si:2.64
%、Mn:0.227,P:0.044,S:0.01
3%,Mg:0.050%(重量%))を1623Kで
注湯し、凝固後、図4の(a)−(1)、(b)−
(1)に示す薄肉、厚肉の中央、湯先の添着面9
A,9Bと直角に試験片を切断し、断面を研磨して組織
やEPMAによる元素分析、硬さ測定などを行なって、
その優劣を判断した。
【0015】一方、図5は図4に示した鋳型に注湯した
とき、その中央と湯先における鋳型表面の温度上昇
を時間の経過毎にプロットしたものである。図(a)は
肉厚10mmの標準的な薄肉用、図(b)は肉厚50m
mの厚肉用の鋳型から測温したものである。何れもNi
/Ni−P:50/50、添着量は120mg/cm 2
(厚さ約0.3mm)の点、点の温度の経時的変化
を示したもので、図(a)の薄肉の場合はNi/Ni−
Pが液相を発生する温度(1150K)以上に鋳型の中
央では約100秒間保持され、湯先では約50秒間
しか保持されないないのに対し、図(b)の厚肉の場合
は中央部で約900秒間、湯先でも約700秒間も保
持されて、薄肉に比べると遥かに冷却速度が遅くなり、
この保持時間中に添着層では固相焼結に比べて著しい液
相焼結が進行するが、この保持時間の大差が凝固後の改
質層の組織を支配する大きな要因となるのである。
【0016】複合粉のNi/Ni−Pを50/50と一
定に保ち、添着量のみを変えて添着したとき、MGの有
無と注湯後に得られた改質層の顕微鏡写真を図1に示
す。図1(a)は60mg/cm2(MG0ks)、同
(b)は60mg/cm2(MG36ks)、同(c)
は120mg/cm2(MG0ks)、同(d)は12
0mg/cm2(MG36ks)の各例の組織であって
(倍率は×100)、60mg/cm2添着の場合、混
合粉のまま(MG0ks)では添着層はほとんど溶け込
んで表面には改質層が形成されないが、MG処理すると
溶け込みが少なくなり、少ない添着量でも改質層が形成
される。しかし、添着量が120mg/cm 2を越える
と、MG処理によって溶け込みが少ないから焼結不良に
よるボイド(空孔)が多発する傾向にある。
【0017】このことはEPMAによる改質層や拡散層
の元素分析でも裏付けられ、MGした試験片は添着量が
半分でもMG処理しない試験片に対し表面付近のNi量
が濃縮して溶け込みの少ないことと一致する。また、P
の溶け込みも抑制されるから母材表面近くのステダイト
相は少なく均一、かつ微細であった。MG処理の複合粉
の溶け込みが抑制されるのは、複合粉では溶湯の熱によ
って液相となるNi−Pの共晶組成が複合粉の内部に閉
じ込められるから、Ni−Pの共晶温度以上に保持され
る時間が短いと、複合粉の表面に浸み出して来る液相量
も少ないからであると解釈される。
【0018】溶け込みが少ないことによるNiの濃縮作
用は図6に示す硬さ試験でも裏付けられる。この図は縦
軸にHV、横軸に鋳造品の表面からの距離を目盛ったも
ので、60mg/cm2添着の場合はMG処理なしでは
溶け込みが多くなるため最表面だけが少し硬いマルテン
サイト相を形成するのに対し、MG処理を施した場合は
前記の組織写真やEPMAの結果からも明らかなよう
に、表面に軟らかいNi富化層、内部にマルテンサイト
相の析出による硬化層が認められる。120mg/cm
2添着の場合もMG処理した方が溶け込み難くなるた
め、生成するマルテンサイト相は薄く、硬さのピークは
表面側に位置する。
【0019】図7はNi/Ni−Pを50/50とし、
MG:36ksの実施例と、MG:0ksの比較例1、
および参考のために付したダクタイル鋳鉄(FCD)を
比較例2として、それぞれ5%Nacl塩水の噴霧試験
を行ない、横軸に試験日数、縦軸に経時的な腐食減量を
目盛ったものである。本発明実施例は比較例1に対して
100日後には75%の減量に留まり、1.3倍の耐食
性を記録した。なお、比較例2のFCDに対しては約1
0倍の耐食性を記録している。
【0020】図4(b)の厚肉用の鋳型についても前記
の薄肉と同様の試験を行なった。図5(b)のように厚
肉鋳型は薄肉鋳型よりも高温で長時間保持されるので、
添着量を多くする必要があると考え実行してみたが、焼
結不足による添着層粉末の脱落によって表面の凹凸や界
面の接合不良、ボイドの発生などのために健全な改質層
が安定して得ることが困難であった。結局、厚肉(50
mm)鋳型の場合は、MGの有無に関わらずNi/Ni
−Pや添着量の組合せの変化だけでは良好な改質層は得
難いことが判明した。
【0021】図5で示した鋳型の表面温度の上昇と時間
の関係図から類推しても、液相焼結の開始する1153
K以上に昇温する時間帯とNi溶け込みの相関から推測
すれば、鋳造品の肉厚は10〜20mm程度の標準的な
汎用品であればMG効果は明確に発揮されるが、肉厚が
ほぼ30mmを越える厚肉品になるにつれてその効果は
急速に失われるから、厚肉製品に対しては別の手段を講
ずることが望ましい。また、かかる標準肉厚の場合であ
っても、Ni/Ni−Pは90/10〜40/60好ま
しくは75/25〜40/60程度が望ましく、さらに
添着量mg/cm2はこの肉厚に応じて調整すればよい
が60〜180mg/cmが望ましいと考えられる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係るMG処理
を施した複合粉を鋳型の所望の位置へ添着し、鋳造品の
表面に特性のある改質層を形成する方法について試験の
結果、以下の効果を確認することができる。 (1) 主粉AとしてNi、焼結助剤粉BとしてNi−P
を選んだ実施例では混合した粉末をMG処理にかけると
36ksでも既にほぼ均一な複合粉となっており、偏析
のない改質層の形成のために有効な処理であると解釈さ
れる。 (2) 鋳造品の肉厚が10mmの場合はMGした複合粉
はMGなしの混合粉の場合に比べNiの溶け込みが少な
い。したがって少ない添着量でNiがより多く濃縮され
た耐食性の高い緻密な改質層が得られる利点がある。 (3) 注湯による鋳型表面の温度上昇と時間の関係図か
ら、このMG効果は肉厚が10〜20mm程度の標準的
な汎用品に準用できると推定されるが、肉厚が30mm
以上の厚肉品になると効果は失われる可能性が高く、特
に50mm以上の場合は別の手段に委ねるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(b)(d)と、比較例(a)
(c)の鋳造品表面近くの断面の顕微鏡組織写真であ
る。
【図2】MG処理に使用した高エネルギーのボールミル
の概略を示す斜視図である。
【図3】EPMAによるPの分布を測定した結果をMG
の処理時間毎に示す。(a)は0ks、(b)は36k
s、(c)は108ks、(d)は216ksをそれぞ
れ示す。
【図4】本発明実施例に使用した薄肉用(a)と厚肉用
(b)の鋳型それぞれの横断面図(1)と縦断面図
(2)である。
【図5】図4に示す両鋳型(a)(b)の中央と湯先
の温度と時間の関係図である。
【図6】表面からの距離と硬度(HV)の関係を各試験
片毎にプロットした相関図である。
【図7】実施例および比較例の塩水噴霧試験による試験
日数と腐食減量の関係を示す耐食性評価の相関図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 水ジャケット 3 ボール 4 攪拌羽根 5 試験板 6 湯口 7 揚り 8 ガス抜き 9 添着層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 1/00 B22F 1/00 E 7/08 7/08 D (72)発明者 中村 公生 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会 社栗本鐵工所内 (72)発明者 喜多川 眞好 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会 社栗本鐵工所内 (72)発明者 田辺 重則 大阪府大阪狭山市西山台2丁目15番3号 Fターム(参考) 4E093 NB09 NB10 4K018 BA04 BC16 BD09 JA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型内面の所望の位置へ特定の物性を付
    与する特定金属または複数金属の合金からなる主粉A
    と、前記主粉Aよりは明確に低い溶融点を有する金属、
    または合金よりなる焼結助剤粉Bと、有機系結合材Cを
    混合した混合粉を前記位置へ添着し、焼結助剤粉Bより
    溶融点の高い溶融金属Mを注湯し、前記主粉A、焼結助
    剤粉B、および溶融金属Mの三者間に生じる液相焼結に
    よって相互に一体化して特定の物性を鋳造品に付与する
    表面改質鋳造方法において、主粉Aと焼結助剤粉Bとを
    あらかじめ所定の割合で混合し、該混合粉Xを高エネル
    ギーミルで強制攪拌して粉砕と冷間接合を繰返して前記
    粉末同士が個々の粉末内に細かく畳み込まれた複合粉W
    に調質するメカニカルグラインディング処理を施して鋳
    型に添着し、該鋳型へ注湯する溶融金属Mの保有熱によ
    って液相焼結を発現させ、通常の混合粉Xを使用した場
    合よりも溶け込みが少なくA成分がより多く濃縮された
    改質層を鋳造品表面に形成させることを特徴とする表面
    改質鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、所望する特定の物性
    が耐食性、または耐食性に耐摩耗性を兼ね、主粉AがN
    iまたはNi基合金から選ばれた金属粉末Aと、該金属
    粉末より明確に低温の溶融点を有し必ずPを5〜15重
    量%含むNi基合金の粉末からなる焼結助剤粉Bとより
    なることを特徴とする表面改質鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、主粉Aと焼結助剤粉
    Bに適当量の有機系結合材Cを加えてスラリー状に混和
    して鋳型表面の所望の位置に所望の厚さだけ添着するこ
    とを特徴とする表面改質鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、主粉Aと焼結助剤粉
    Bの混合割合A/Bが質量比で90/10〜40/60
    であることを特徴とする表面改質鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、鋳型が遠心力鋳造用
    の金型であり、前記主粉Aと焼結助剤粉Bよりなる複合
    粉Wと有機系結合材Cとを金型内面上に塗布して溶融金
    属Mを注湯し、液相焼結と遠心力によって鋳造管の外面
    に強固で緻密な改質層を一体的に形成することを特徴と
    する表面改質鋳造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103752819A (zh) * 2014-02-18 2014-04-30 武汉理工大学 一种B2型NiAl基自润滑复合材料及其制备方法

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