JP2002282336A - イオン濃度調整体を備えた血液バッグ及び血液製剤の製造・保存方法 - Google Patents

イオン濃度調整体を備えた血液バッグ及び血液製剤の製造・保存方法

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JP2002282336A
JP2002282336A JP2001090955A JP2001090955A JP2002282336A JP 2002282336 A JP2002282336 A JP 2002282336A JP 2001090955 A JP2001090955 A JP 2001090955A JP 2001090955 A JP2001090955 A JP 2001090955A JP 2002282336 A JP2002282336 A JP 2002282336A
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Takeshi Yuasa
武史 湯浅
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Kawasumi Laboratories Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】採血後から赤血球製剤又は全血の放射線照射並
びにその後のイオン濃度調整体を通して上昇したK
度を低下させるまで一切接続作業がなく、外気に触れな
いことにより微生物等の汚染が解消される血液バッグを
提供すること。 【解決手段】少なくとも採血バッグ3と処理バッグ5a
を連結チューブ19を介して接続し、該連結チューブ1
9の途中または、前記採血バッグ3と連結チューブ19
の間または、前記処理バッグ5aと連結チューブ19の
間に、イオン濃度調整体2を装着した血液バッグ1、2
1、41。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも採血バ
ッグと処理バッグの間にイオン濃度調整体を配置した血
液バッグ、または採血バッグと分離バッグの間に白血球
除去フィルターを配置し、前記分離バッグと処理バッグ
の間にイオン濃度調整体を配置した血液バッグ及び血液
製剤の製造・保存(製造方法と保存方法の両方を含む)
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】輸血用
赤血球製剤(RC:Red Cell Concentrates)は、血液バ
ッグにて採血された全血製剤から遠心分離等の物理的操
作により、クローズドシステム中で微生物等が汚染しな
い環境で調製し、通常準備される。準備されたRCは4〜
6℃の冷蔵条件で3週間保存することができ、赤血球保
存液(例えばMAP:Mannitol Adenine Phosphate)を用
いれば、更に6週間まで保存することができる。赤血球
製剤はその保存期間中、赤血球細胞膜の脆弱化により細
胞内カリウムイオンが細胞外に流出し、血漿カリウムイ
オン濃度が上昇し、長期保存された赤血球製剤を腎機能
低下、心臓疾患、高血圧、未熟児、新生児などカリウム
の負荷を許容できない患者へ輸血する場合、カリウム過
負荷による心停止事故等に注意が必要となる。
【0003】また、近年待機的手術患者において、緊急
手術や循環異常などの採血が困難な症例を除いた比較的
安定な症例で、あらかじめ自己血を貯血できる患者を対
象に自己血輸血が普及し、全血保存による輸血準備が行
われている。同種血輸血による免疫感作やアレルギー反
応、肝炎・CMV(サイトメガロウィルス)・HIV(エイズ
ウィルス)・HTLV(成人T細胞白血病ウィルス)などの
感染、更には輸血後GVHDの予防のため、自己血は最も安
全な輸血療法である。全血状態で保存する自己血は、各
種血液製剤(赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤等)に
分離調製する必要が無く、最も簡便かつ安全であるが、
手術前数週間前より1週間おきに貯血を繰り返すのが通
例で、そのため保存期間が長い自己血を輸血することが
ある。このような保存期間の長い全血は、前述した赤血
球製剤の保存と同様に血漿カリウム濃度が上昇し、輸血
時の患者状態によっては、カリウム負荷を許容できない
ことがある。もともと、全血製剤やRCの輸血は同種血又
は自己血を問わず、血液疾患、出血による貧血状態等の
改善のため、主に赤血球成分を補給するために行われる
が、その製剤中には、白血球や血小板等の細胞成分の
他、血漿が混入する。これらの同種血由来の赤血球成分
以外の混入は輸血後副作用の原因になり、発熱、蕁麻
疹、アナフィラキシー・ショックや免疫反応等様々な臨
床症状を呈することが報告されている。特に移植片対宿
主病(GVHD:Graft Versus Host Disease)は、輸血製
剤中に含まれる供血者由来リンパ球が輸血後患者体内に
おいて増殖し、宿主の組織を攻撃することから、非常に
予後は悪く致死的な副作用である。この輸血後GVHDの予
防のため、最近では放射線照射が行われ、血液製剤中に
含まれる白血球を不活化する技術が普及し、国内におい
ても赤血球製剤の90%以上が、日本赤十字社或いは病
院にて放射線照射が行われていると言われる。
【0004】ところが、血液製剤(全血又は赤血球製
剤)に放射線を照射することで、赤血球細胞の脆弱化が
促進され、照射3日後まで急激に血漿カリウムイオンの
上昇が起こることが報告されている。照射3日後の血漿
カリウムイオン濃度は、3週間保存のそれに匹敵すると
言われ、照射された血液製剤はできるだけ速やかに使用
するよう注意されている。このように長期保存或いは放
射線照射した血液製剤を輸血する場合、その増加した血
漿中のカリウムイオン濃度を下げるため、特公昭55−
22101号「輸血セット」等にて、陽イオン交換樹脂
を用いた処理を行う方法が考案されている。ところがこ
のように血漿カリウムイオン濃度が上昇した血液製剤を
処理する場合、処理装置を対象製剤に接続して使用する
際、微生物等の汚染が起こり得る可能性があり、処理後
の赤血球製剤は速やかに使用する必要がある。
【0005】また、輸血用血液は人口構成の高齢化が進
むに連れ、献血者数が減少していくこと、更に血液の有
効利用の観点から照射後3日以上保存した血液製剤も採
血後の有効期限内であれば使用できることから、血漿カ
リウムイオン濃度を減少させた後も、有効期限まで保存
できることが望ましいと言える。放射線照射後のカリウ
ムイオン上昇は、3日目まで急激に上昇した後は未照射
製剤と同様の上昇率を示すことから(日本輸血学会誌.
42(1);23-27,1996)、放射線照射後に血漿カリウムイ
オン濃度が急激に上昇する期間が終了した後、クローズ
ドシステムにおいてカリウムイオン濃度を吸着・低減し
保存できれば、従来の未照射赤血球製剤と同様に保管・
管理ができるものと考えられる。
【0006】更に、最近では血液製剤中に混在する白血
球から保存期間中に産出するインターフェロン等の生理
活性物質が、輸血時の発熱、ショック等の原因になると
いわれることから、採血直後すなわち保存開始前に白血
球除去フィルターにより、白血球を除去するクローズド
システムも考えられている(特公平6−59304号及
び特公平6−59305号)。このシステムにより準備
される保存前白血球除去赤血球製剤も長期保存や放射線
照射により、血漿カリウムイオン濃度が上昇することか
ら、カリウムイオンをクローズドシステム内で吸着・除
去できれば、より安全性の高い赤血球製剤を供給するこ
とができる。そこで本発明者は以上の課題を解決するた
めに鋭意検討を重ねた結果次の発明に達した。
【0007】
【課題を解決する為の手段】[1]本発明は、少なくと
も採血バッグ3と処理バッグ5aを連結チューブ19を
介して接続し、該連結チューブ19の途中または、前記
採血バッグ3と連結チューブ19の間または、前記処理
バッグ5aと連結チューブ19の間に、イオン濃度調整
体2を装着した血液バッグ1、21、41を提供する。 [2]本発明は、前記採血バッグ3に連結チューブ9d
を接続し、該連結チューブ9dに少なくとも一つ以上の
分離バッグ5b、5c及び/又は赤血球保存液入りバッ
グ4を装着した前記[1]に記載の血液バッグ1、21
を提供する。 [3]本発明は、採血バッグ3と分離バッグ5bを連結
チューブ29を介して接続し、該連結チューブ29の途
中または、前記採血バッグ3と該連結チューブ29の間
または、前記分離バッグ5bと連結チューブ29の間
に、白血球除去フィルター13を装着し、前記分離バッ
グ5bと処理バッグ5aを連結チューブ19を介して接
続し、該連結チューブ19の途中または、分離バッグ5
bと前記連結チューブ19の間または、前記処理バッグ
5aと連結チューブ19の間にイオン濃度調整体2を装
着した血液バッグ11、31、51を提供する。 [4]本発明は、前記分離バッグ5bに連結チューブ9
dを接続し、該連結チューブ9dに少なくとも一つ以上
の分離バッグ5c及び/又は赤血球保存液入りバッグ4
を装着した前記[3]に記載の血液バッグ11、31を
提供する。 [5]本発明は、次の工程を含む前記[1]、[2]に
記載の血液バッグ1、21、41を用いた血液製剤の製
造・保存方法を提供する。 (1)採血バッグ3に血液を採血する工程、(2)
(a)採血バッグ3に採血した血液(全血)を密封する
工程、または(b)採血バッグ3に採血した血液(全
血)を遠心分離により上層(血漿成分)と中間層(バフ
ィーコート成分)と下層(赤血球成分)に分離し、前記
血漿成分を分離バッグ5cに移し、前記バフィーコート
成分を分離バッグ5bに収納して密封する工程、または
(c)採血バッグ3に採血した血液(全血)を遠心分離
により上層(血小板が浮遊した多血小板血漿)と下層
(赤血球成分)に分離し、さらに前記上層(血小板が浮
遊した多血小板血漿)を分離バッグ5bに移し、該分離
バッグ5bを遠心分離により上層(乏血小板血漿)と下
層(血小板)に分離し、前記上層(乏血小板血漿)を分
離バッグ5cに移す工程、(3)(a)赤血球成分が残
った採血バッグ3を赤血球製剤として密封する工程、ま
たは(b)赤血球成分が残った採血バッグ3に赤血球保
存液入りバッグ4の赤血球保存液を入れて赤血球製剤と
して密封する工程、(4A)(a)前記工程(3)に記
載の採血バッグ3中の赤血球製剤または前記(2)
(a)の全血に放射線を照射する工程、(b)前記
(a)の赤血球製剤または全血を4℃〜6℃の間で冷蔵
保存し、保存3日目以降に赤血球製剤または全血をイオ
ン濃度調整体2に通す工程、または(4B)前記工程
(3)に記載の採血バッグ3中の赤血球製剤または全血
を4℃〜6℃の間で冷蔵保存し、保存7日目以降に赤血
球製剤または全血をイオン濃度調整体2に通す工程、
(5)前記(4A)または(4B)の工程で、イオン濃
度調整体2で処理した赤血球製剤または全血を処理バッ
グ5aに入れ再び4℃〜6℃の間で保存する工程、 [6]本発明は、次の工程を含む前記[3]、[4]に
記載の血液バッグ11、31、51を用いた血液製剤の
製造・保存方法を提供する。 (1)採血バッグ3に血液を採血する工程、(2)採血
バッグ3に採取した血液(全血)を白血球除去フィルタ
ー13に通し、白血球を除去する工程、(3)(a)白
血球を除去した前記血液を分離バッグ5bに入れ密封す
る工程、または(b)白血球を除去した前記血液を分離
バッグ5bに入れ、遠心分離により上層(血漿成分)と
下層(赤血球成分)に分離する工程、(4)前記血漿
成分を分離バッグ5cに収納して密封する工程、
(a)赤血球成分が残った分離バッグ5bを赤血球製剤
として密封する工程、または(b)赤血球保存液入りバ
ッグ4の赤血球保存液を赤血球成分が残った分離バッグ
5bに入れ赤血球製剤として収納し密封する工程、(5
A)(a)前記工程(4)に記載の分離バッグ5b中の
赤血球製剤または前記工程(3)(a)の全血に放射線
を照射する工程、(b)前記赤血球製剤または全血を4
℃〜6℃の間で冷蔵保存し、保存3日目以降に赤血球製
剤または全血をイオン濃度調整体2に通す工程、または
(5B)前記工程(4)に記載の分離バッグ5b中の赤
血球製剤または前記工程(3)(a)の全血を4℃〜6
℃の間で冷蔵保存し、保存7日目以降に赤血球製剤また
は全血をイオン濃度調整体2に通す工程、(6)前記
(5A)または(5B)の工程で、イオン濃度調整体2
で処理した赤血球製剤または全血を処理バッグ5aに入
れ再び4℃〜6℃の間で保存する工程、
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の血液バッグ1の一
例を示す概略図である。前記血液バッグ1は採血バッグ
3と処理バッグ5aを連結チューブ19を介して接続
し、該連結チューブ19の途中にイオン濃度調整体2を
装着している。前記イオン濃度調整体2は前記採血バッ
グ3と連結チューブ19の間または前記処理バッグ5a
と連結チューブ19の間に装着することができる。また
連通部材10bを採血バッグ3上部と連結チューブ19
の間に装着しているが、該連通部材10bはイオン濃度
調整体2と採血バッグ3の間の連結チューブ19の途中
に設けても良い。前記採血バッグ3には抗凝固剤が封入
されている。例えばACD液、CPD液、CPDA液、
クエン酸ナトリウム、EDTA、ヘパリン等を使用する
ことができる。該採血バッグ3の上部には採血針6を装
着した採血チューブ8が接続されている。更に前記採血
バッグ3の上部に装着した連通部材10aに連結チュー
ブ9dを接続して、該連結チューブ9dの先端に連通部
材10dを介して赤血球保存液入りバッグ4を接続す
る。さらに前記連結チューブ9dの途中に分岐管16を
装着し、前記分岐管16にそれぞれ連結チューブ9e、
9fを介して分離バッグ5b、5cを装着する。また、
連結チューブ9dに接続されるバッグの種類、順序に制
限はなく、必要に応じて他の分岐管を設け、種々のバッ
グを組合わせることができる。採血バッグ3に装着した
連通部材10bとイオン濃度調整体2間の連結チューブ
19の途中に分岐管16aを設け、接続ライン17を接
続することができる。前記接続ライン17は、連結チュ
ーブ9cの先端にバッグ針7を接続し、該連結チューブ
9cの基端部に連通部材10Cが装着されている。前記
赤血球保存液入りバッグ4に入っている赤血球保存液は
例えばMAP液、ADSOL、OPTISOL、SA
G、SAG-M等を使用することができる。
【0009】図2は本発明のその他の実施例を示す血液
バッグ11の概略図である。前記血液バッグ11は採血
バッグ3と分離バッグ5bを連結チューブ29を介して
接続し、該連結チューブ29の途中に白血球除去フィル
ター13(以後「白除F13」と略記する)を装着して
いる。前記白除F13は前記採血バッグ3と連結チュー
ブ29の間または、前記分離バッグ5bと連結チューブ
29の間に装着することができる。採血バッグ3の上部
に採血針6を装着した採血チューブ8が接続されてい
る。また連通部材10aを採血バッグ3上部と連結チュ
ーブ29の間に装着しているが、該連通部材10aは白
除F13と採血バッグ3の間の連結チューブ29の途中
に設けても良い。前記分離バッグ5bと処理バッグ5a
を連結チューブ19を介して接続し、該連結チューブ1
9の途中にイオン濃度調整体2を装着している。前記イ
オン濃度調整体2は前記分離バッグ5bと連結チューブ
19の間または、前記処理バッグ5aと連結チューブ1
9の間に装着することができる。また連通部材10bを
分離バッグ5b上部と連結チューブ19の間に装着して
いるが、該連通部材10bはイオン濃度調整体2と分離
バッグ5bの間の連結チューブ19の途中に設けても良
い。また図示しないが前記血液バッグ1と同様に、前記
接続ライン17を分離バッグ5bの連通部材10bとイ
オン濃度調整体2間の連結チューブ19の途中に前記分
岐管16aを設けて接続することもできる。白除F13
中の残血を回収するため必要に応じて採血バッグ3と連
結チューブ29の間に逆流防止弁(図示せず)を装着し
たバイパスチューブ29Aを装着することもできる。前
記分離バッグ5b上部に装着した連通部材10cに連結
チューブ9dを接続し、該連結チューブ9dの先端に連
通部材10eを介して赤血球保存液入りバッグ4を接続
する。前記連結チューブ9dの途中に分岐管16を装着
し、該分岐管16に連結チューブ9gを介して分離バッ
グ5cを装着する。また、連結チューブ9dに接続され
るバッグの種類、順序は前記血液バッグ1と同様に制限
はなく、必要に応じて他の分岐管を設け、種々のバッグ
等を組合わせることができる。本発明の前記連通部材と
は、大径部と小径部の間に脆弱部を形成した連通部材で
あり、指で押圧することにより前記脆弱部から折れ、遮
断した連結チューブを連通させる。前記脆弱部とは、例
えば薄肉部であり、または大径部と小径部を異なる材質
で形成した場合の継ぎ目(前記薄肉部と同程度に折れや
すい)等である。また該連通部材は例えばチューブの外
に装着されるクランプ等で代用することもできる。
【0010】図3は血液バッグ1のその他の実施例を示
す血液バッグ21の概略図である。該血液バッグ21は
前記血液バッグ1から赤血球保存液入りバッグ4を除い
たもので、他の構成については前記血液バッグ1と実質
的に同じであるから詳細な説明は省略する。
【0011】図4は血液バッグ11のその他の実施例を
示す血液バッグ31の概略図である。該血液バッグ31
は前記血液バッグ11から赤血球保存液入りバッグ4を
除いたもので、他の構成については前記血液バッグ11
と実質的に同じであるから詳細な説明は省略する。図5
は血液バッグ1のその他の実施例を示す血液バッグ41
の概略図である。該血液バッグ41は前記血液バッグ1
から分離バッグ5b、5c及び赤血球保存液入りバッグ
4を除いたもので、他の構成については前記血液バッグ
1と実質的に同じであるから詳細な説明は省略する。図
6は血液バッグ11のその他の実施例を示す血液バッグ
51の概略図である。該血液バッグ51は前記血液バッ
グ11から分離バッグ5c及び赤血球保存液入りバッグ
4を除いたもので、他の構成については前記血液バッグ
11と実質的に同じであるから詳細な説明は省略する。
【0012】前記血液バッグ1、11、21、31、4
1、51は、前記段落番号[0007]の工程[5]、
[6]に準じて、製造・保存することができる。すなわ
ち血液バッグ1の場合、 前記工程[5]の(1)、
(2)(b)、(3)(b)、(4A)または(4
B)、(5)の順に製造・保存することができる。血液
バッグ21の場合、前記工程[5]の(1)、(2)
(c)、(3)(a)、(4A)または(4B)、
(5)の順に製造・保存することができる。血液バッグ
41の場合、前記工程[5]の(1)、(2)(a)、
(4A)または(4B)(5)の順に製造・保存するこ
とができる。血液バッグ11の場合、前記工程[6]の
(1)、(2)、(3)(b)、(4)、(4)
(b)、(5A)または(5B)、(6)の順に製造・
保存することができる。血液バッグ31の場合、前記工
程[6]の(1)、(2)、(3)(b)、(4)、
(4)(a)、(5A)または(5B)、(6)の順
に製造・保存することができる。血液バッグ51の場
合、前記工程[6]の(1)、(2)、(3)(a)、
(5A)または(5B)、(6)の順に製造・保存する
ことができる。
【0013】図1の血液バッグ1の使用方法の一例につ
いて説明する。 (1)まず採血者の腕に採血針6を穿刺して200mL
または400mLの血液(全血)を採血チューブ8を経
て採血バッグ3中に採血し、採血終了後、採血チューブ
8の下方をチューブシーラー(図示せず)等で汚染しな
いように溶着と同時に切断して切り離す。 (2)遠心分離機(図示せず)に、前記血液バッグ1を
入れて遠心分離(例えば遠心力を3350g、遠心時間
を5分)することにより、採血バッグ3中の血液(全
血)は上層(血漿成分、(乏血小板血漿))、中間層
(バフィーコート成分(主として血小板、白血球
等))、下層(赤血球成分)に分離される。さらに前記
採血バッグ3を自動分離装置又は分離スタンド(図示せ
ず)を用いて以下の工程により各血液成分を調製する。
前記採血バッグ3を分離スタンドに装着し連通部材10
aを折り、連結チューブ9eの流路を遮断し、採血バッ
グ3の上層の血漿成分を分離バッグ5cに移し、連結チ
ューブ9fの流路をクランプ等の適当な方法で遮断す
る。遮断した9eの流路を開放し、バフィーコート成分
を分離バッグ5bに移し、連結チューブ9eを前記連結
チューブ9fと同様にクランプ等の適当な方法により流
路を遮断する。赤血球保存液入りバッグ4の連通部材1
0dを折り、同バッグ4中の赤血球保存液を採血バッグ
3の赤血球成分に添加し赤血球製剤(赤血球保存液添加
濃厚赤血球)とし、連結チューブ9dを連通部材10a
付近で溶着と同時に切断して切り離す。なお分離バッグ
5b、5cの配置は入れ替わってもよく大きさ、容量は
限定されない。分離バッグ5b及び5cに移された血漿
成分及びバフィーコート成分は公知の方法により、乏血
小板血漿(PPP)、血小板製剤(PC)等に調製され
る。 (3)調製された赤血球製剤(赤血球保存液添加濃厚赤
血球)の入った採血バッグ3に放射線を照射して、前記
赤血球製剤中の白血球を不活化させる。放射線照射前後
を問わず赤血球製剤は4℃〜6℃の間で保存する。 (4)放射線照射した赤血球製剤中の血漿カリウムイオ
ン濃度(以下「K濃度」と略記する)は、照射後3日
目まで急激に上昇するため、照射後3日目に以下の処理
を行う。 (5)放射線照射後の赤血球製剤の入った採血バッグ3
の連通部材10bを押圧して折り、イオン濃度調整体2
を通過させ、K濃度を低下させた赤血球製剤を処理バ
ッグ5aに入れる。前記イオン濃度調整体2と処理バッ
グ5aを接続する連結チューブ19の途中をチューブシ
ーラーで溶着と切断を同時に行い、処理された赤血球製
剤の入った処理バッグ5aを切り離し、4℃〜6℃の間
で赤血球製剤の有効期間まで保存し輸血に供する。 (6)放射線照射後3日以内の輸血、又は放射線未照射
で長期保存によるK濃度上昇が危惧されない保存期間
での輸血では、イオン濃度調整体2を通す必要がない。
その場合には分岐管16aと連通部材10b間の連結チ
ューブ19の途中をチューブシーラー等で溶着と同時に
切断して切り離し、採血バッグ3中で保存されている赤
血球製剤を直接輸血用製剤として供することもある。前
記切り離した残りの接続ライン17とイオン濃度調整体
2と処理バッグ5aの一連の部材は、別のK濃度が上
昇した赤血球製剤を封入した保存バッグ等に前記接続ラ
イン17のバッグ針7を接続して、イオン濃度調整体2
を通してK濃度を低下させ処理バッグ5a内に収納す
ることができる。
【0014】図2の血液バッグ11の使用方法の一例に
ついて説明する。 (1)まず採血者の腕に採血針6を穿刺して200mL
または400mLの血液(全血)を採血チューブ8を経
て採血バッグ3中に採血し、採血終了後、採血チューブ
8の下方をチューブシーラー(図示せず)等で汚染しな
いように溶着と同時に切り離す。 (2)前記採血バッグ3の連通部材10aを折り、白除
F13を通して分離バッグ5bに白血球の除去された血
液を移す。また採血バッグ3と連結チューブ29の間に
逆流防止弁(図示せず)を装着したバイパスチューブ2
9Aにより、白除F13中の残血を回収する。前記白除
F13と分離バッグ5bの間の連結チューブ29の途中
をチューブシーラー等で溶着と切断を同時に行い切り離
す。 (3)白血球が除去され且つ抗凝固剤と混合された血液
(白血球除去全血製剤)の入った分離バッグ5bを遠心
分離機に入れて、前記血液バッグ1の使用方法の説明と
同様に血液を分離する。上層に血漿成分、下層に赤血球
成分が分離される。前記白除F13を通している為バフ
ィーコート成分(白血球及び血小板等)の大半は除去さ
れている。 (4)分離された分離バッグ5b中の上層(血漿成分)
と下層(赤血球成分)は前記血液バッグ1の使用方法の
説明と同様に分離する。すなわち分離バッグ5bの上層
の血漿成分(乏血小板血漿)を分離バッグ5c中に収納
し、赤血球成分が残った分離バッグ5b中に赤血球保存
液入りバッグ4の赤血球保存液を添加して赤血球製剤
(赤血球保存液添加濃厚赤血球)とする。最後に分離バ
ッグ5bと分岐管16の間の連結チューブ9dの途中を
チューブシーラーで切り離す。 (5)調製された赤血球製剤(赤血球保存液添加濃厚赤
血球)の入った分離バッグ5bに放射線を照射して、赤
血球製剤中の白血球を不活化させる。放射線照射前後を
問わず赤血球製剤は4℃〜6℃の間で保存する。 (6)放射線照射した赤血球製剤中のK濃度は、照射
後3日目まで急激に上昇するため、照射後3日目に以下
の処理を行う。 (7)放射線照射後の赤血球製剤の入った分離バッグ5
bの連通部材10bを押圧して折り、イオン濃度調整体
2を通過させ、K濃度を低下させた赤血球製剤を処理
バッグ5aに入れる。前記イオン濃度調整体2と処理バ
ッグ5aを接続する連結チューブ19をチューブシーラ
ー等で溶着と切断を同時に行い、処理された赤血球製剤
の入った処理バッグ5aを切り離し、4℃〜6℃の間で
赤血球製剤の有効期間まで保存し輸血に供する。 (8)放射線照射後3日以内の輸血、又は放射線未照射
で長期保存によるK濃度上昇が危惧されない保存期間
での輸血では、イオン調整体2を通す必要がない。その
場合前記分離バッグ5bとイオン濃度調整体2の間の連
結チューブ19よりチューブシーラー等を用いて切り離
し、分離バッグ5bで保存されている赤血球製剤を直接
輸血用製剤として供することもある。また図1の血液バ
ッグ1のように分離バッグ5bとイオン濃度調整体2の
間の連結チューブ19の途中に接続ライン17(図示せ
ず)を装着することができ、前記段落番号[0012]
の(6)のように別のK濃度が上昇した赤血球製剤を
封入した分離バッグ等を接続して、イオン濃度調整体2
を通してK濃度を低下させ処理バッグ5a内に収納す
ることができる。
【0015】次に図3の血液バッグ21の使用方法の一
例について説明する。該血液バッグ21は、前記図1の
血液バッグ1の赤血球保存液入りバッグ4が装着されて
いないだけである。 (1)前記血液バッグ1と同様に供給者より採血針6を
通して採血バッグ3内に血液(全血)を導入した後、遠
心分離により各血液成分に分離する。 (2)例えば遠心分離条件を1100g、遠心時間5分
等の軽遠心条件で分離した場合には、下層に赤血球成
分、上層には血小板が浮遊した多血小板血漿(PRP)
の2層に分かれる。この場合には分離バッグ5b、5c
は2個必要であるが、分離バッグ5b、5cの数は遠心
分離条件や必要とする血液製剤の種類に応じて増減する
ことができる。 (3)遠心後、前記多血小板血漿(PRP)を連結チュ
ーブ9d、9eを経て分離バッグ5bに移す。その後分
離バッグ5b中の多血小板血漿(PRP)を強遠心(例
えば遠心力3350g、時間5分)して、血小板を沈降
させ、上清のPPP(乏血小板血漿)を連結チューブ9
e、9dを経て分離バッグ5cに移す。 (4)その後沈降した血小板は、少量の血漿に再浮遊さ
せ血小板製剤とする。また、採血後強遠心により全血を
上層(乏血小板血漿)、中層(バフィーコート成分)、
下層(赤血球成分)の三層に分離する場合もあり、分離
した乏血小板血漿を分離バッグに移して製剤化する。バ
フィーコート成分を赤血球製剤中に残す場合には、分離
バッグは1個でよく、バフィーコート成分を分離し、別
の血液製剤を調製する場合には、さらに分離バッグが必
要となる。 (5)いずれの場合も製剤化された濃厚赤血球を収納し
た採血バッグ3とイオン濃度調整体2の部分を前記採血
バッグ3と分岐管16の間の連結チューブ9dの途中か
ら汚染しないようにチューブシーラー等を用いで切断
し、さらに分離バッグ5cと分岐管16の間の連結チュ
ーブ9d及び連結チューブ9eを前記と同様にチューブ
シーラー等により分離バッグ5c、5dを切り離す。 (6)以降前記図1の血液バッグ1の使用方法(3)か
ら(6)と同様に取り扱う。その他の使用方法について
は図1の血液バッグ1と同様なので詳細な説明は省略す
る。
【0016】図4の血液バッグ31も、前記図2の血液
バッグ11の赤血球保存液入りバッグ4が装着されてい
ないだけである。従って血液バッグ31の使用方法は図
2と図3の血液バッグ11及び21の説明と実質的に同
じであるため、詳細な説明は省略する。図5の血液バッ
グ41は前記図1の血液バッグ1の分離バッグ5b、5
cと赤血球保存液入りバッグ4が装着されていないだけ
である。また図6の血液バッグ51は前記図2の血液バ
ッグ11の分離バッグ5cと赤血球保存液入りバッグ4
が装着されていないだけである。従って採血後遠心分離
による各血液成分の分離工程がなく、その他の使用方法
については図1の血液バッグ1、図2の血液バッグ11
の説明と実質的に同じであるため詳細な説明は省略す
る。
【0017】本発明で、前記イオン濃度調整体2とし
て、例えばイオン交換樹脂、キレート樹脂、カリウムイ
オン記憶特性を有する無機化合物等を使用することがで
きる。本発明で、前記イオン交換樹脂は、血液中の特定
成分と交換能のあるイオン交換基を有するもので、例え
ば陽イオン交換樹脂もしくは陰イオン交換樹脂の単体、
または異なるイオン交換基を有する陽イオン交換樹脂も
しくは陰イオン交換樹脂の混合体、または陽イオン交換
樹脂と陰イオン交換樹脂の混合体等を使用することがで
きる。本発明で、前記陽イオン交換樹脂は、例えばスチ
レン系強酸性陽イオン交換樹脂(一例としてポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カル
シウム)、メタクリル酸系またはアクリル酸系弱酸性陽
イオン交換樹脂等を使用することができる。本発明で、
前記陰イオン交換樹脂は、例えばスチレン系強塩基性陰
イオン交換樹脂(一例としてポリスチレントリメチルア
ンモニウムクロライド、ポリスチレンジメチルエタノー
ルアンモニウム)、アクリル酸系またはスチレン系弱塩
基性陰イオン交換樹脂等を使用することができる。イオ
ン交換樹脂のイオン交換基を陽イオン交換樹脂であれば
ナトリウム型(Na +)、カルシウム型(Ca2+)、マグネ
シウム型(Mg2+)、水素型(H+)等にすれば、血液中の
陽イオン濃度を制御することが可能である。陰イオン交
換樹脂の交換基を塩素型(Cl-)、水酸基型(OH-)等に
すれば、血液中の陰イオン濃度を制御することができ
る。イオン交換樹脂はポーラス型、ゲル型の形態の他、
樹脂基材(基体)やそのサイズにより吸着効率(交換容
量)、有効pH範囲、化学的安定性が変動することか
ら、本発明では処理対象に応じて適当な形状、サイズを
選択して使用することができる。本発明で前記キレート
樹脂は血液中の特定成分を選択的に吸着するキレート形
成基を有するもので、前記イオン交換樹脂のイオン交換
基の代りに、金属イオンとキレートをつくるキレート形
成基を導入したものである。前記キレート形成基として
はN、S、O、P等の電子供与元素を2個以上含んだものが
使用される。例えばポリスチレンを基体とし、イミノジ
酢酸基をキレート形成基とするキレート樹脂は3価の金
属イオン(Cr3+、Fe3+、Al3+等)に対し選択性が強い
が、2価の金属イオン(Ca2+、Fe2+、Mg2+等)ともキレ
ートを形成するため、カルシウムや鉄等の除去に有効で
ある。その他にもポリアミン基をキレート形成基とする
ポリスチレンを基体とするキレート樹脂もあり、金属イ
オンに対する選択性に違いが有り、必要に応じて使い分
けることができる。カリウムイオン記憶特性を有する無
機化合物としては、例えばクリプトメラン型マンガン化
合物、タングステン酸カリウム等を使用することができ
る。
【0018】本発明の白血球除去フィルターは、例えば
不織布や多孔質体等のものを使用することができる。例
えば不織布の場合、異なる平均繊維直径Dを有する複数
のフィルター(不織布)を積層し、前記複数のフィルタ
ーは少なくとも、平均繊維直径Dが5.0μm以上から
10.0μm以下のプレフィルター(A)と、平均繊維
直径Dが1.0μmを越えかつ5.0μm以下の第一の
本フィルター(B)と、平均繊維直径Dが1.5μm以
下の第二の本フィルター(C)の三種類のフィルターよ
り構成しても良い。前記各フィルター(A)、(B)、
(C)は血液導入口から導出口に向けて、(A)、
(B)、(C)の順に積層して、血液入口と血液出口を
有する可とう性または硬質のハウジング内に配置され
る。本発明で、前記プレフィルター(A)として、例え
ばスパンボンド法またはメルトブローン法で製造したポ
リブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポ
リエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、ポリアミ
ド(PA)等の不織布が使用される。本発明で、前記第
一の本フィルター(B)及び前記第二の本フィルター
(C)として、例えばメルトブローン法で製造したポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
エチレン(PE)等の不織布が使用される。上記の不織
布は、製法を限定するものではなく、前記プレフィルタ
ー(A)、前記第一の本フィルター(B)及び前記第二
の本フィルター(C)に相当する平均繊維直径Dを有す
ればいかなる製法による不織布でもかまわない。また多
孔質体の場合、スポンジ状のポリウレタン多孔質体、ポ
リビニルホルマール多孔質体等が好適である。
【0019】
【実施例】次に図1の血液バッグ1を用いて該血液バッ
グ1の使用方法で説明した方法で、実際に血液を用いた
実施例を紹介する。抗凝固剤はACD液、赤血球保存液
にはMAP液を使用し、イオン交換体2にはゲル型ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム樹脂(完全球状;平均直
径700μm)20mLを用いた。男性ボランティア1
0名より400mL全血を採血し、MAP加濃厚赤血球
を常法(日本輸血学会誌.37(3),404-410,1991)に従
って調製した後、25Gyで放射線照射後4℃〜6℃で
保存し、照射後3日目に5名分はイオン濃度調整体2を
通して、K濃度を低下させた(実施例)。また残り5
名分は比較例としてイオン調整体2を通さず採血バッグ
3で42日間4℃〜6℃で保存した。表1に保存中の血
漿K濃度の変化を示した。イオン濃度調整体2を通さ
ず、照射後4℃〜6℃で保存をすると、照射後3日目ま
でK濃度が急激に上昇することを示している。保存3日
目にイオン調整体2を通した結果は、急激に上昇したK
濃度(36.2mEq/L)を新鮮血液と同程度の
3.4mEq/Lまで減少させることができた。更にそ
の後の42日までの保存期間中K濃度の上昇は、比較
例と同様の傾きであった。また、調製・保存された赤血
球製剤はクローズドシステムであり、42日保存後の無
菌試験も陰性であった。従来のMAP加濃厚赤血球の放
射線未照射による保存では、42日保存後に約58mE
q/L(日本輸血学会誌.37(3),404-410,1991)であ
ると報告されており、放射線照射後3日目にイオン濃度
調整体2を通すことで、血漿K濃度の推移は未照射血
液と同程度の上昇しか示さないことが確認された。放射
線照射により上昇した血漿K濃度はイオン濃度調整体
2を通すことで一度生体レベルに減少することができ、
処理後の血液の保存・管理が従来の赤血球製剤と同様と
なり、輸血後高カリウム血症の危険性は従来の未照射血
液と同程度になると考えられ、本発明のイオン濃度調整
体2を組込んだ血液バッグは、同種白血球に由来する輸
血副作用防止と放射線照射で危惧される輸血後高カリウ
ム血症を予防できる有効な手段であるといえる。
【表1】
【0020】状況に応じて、血液バッグ1、11、2
1、31、41、51の採血バッグ3(分離バッグ5
b)と接続ライン17を装着する分岐管16aの間の連
結チューブ19の途中をチューブシーラーで切断と溶着
を同時に行い分けることにより、従来の血液分離バッグ
とイオン濃度調整装置として使用することができる。
【0021】
【発明の作用効果】(1)前記血液バッグ1、11、2
1、31、41、51は採血後から赤血球製剤又は全血
の放射線照射並びにその後のイオン濃度調整体2を通し
て上昇したK 濃度を低下させるまで一切接続作業がな
く、外気に触れないので微生物等の汚染が解消される。 (2)前記血液バッグ1、11、21、31、41、5
1にイオン濃度調整体2を装着することで、照射血液も
従来の未照射血液と同様に保存することができるため、
輸血時の取扱い、特に血漿K濃度について同等に扱え
るようになる。また輸血されるカリウムの負荷に対する
許容範囲が患者により、耐えられないような場合でも、
放射線照射による特別な取扱いをする必要が無くなり、
赤血球製剤の供給面においても従来の製剤と同様に扱え
るようになり、都合がよい。 (3)血液バッグ11、31、51のように採血バッグ
3と分離バッグ5の間に接続した連結チューブ29の間
に白除F13を装着することにより、保存期間中に白血
球からサイトカイン(IL-6、IL-8、TNF-α、IL-1β)等
の生理活性物質の産生を抑え、白血球抗原に由来する免
疫感作等の輸血後副作用(発熱、蕁麻疹、ショック等)
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液バッグ1の概略図
【図2】その他の実施例の血液バッグ11の概略図
【図3】前記血液バッグ1のその他の実施例の血液バッ
グ21の概略図
【図4】前記血液バッグ11のその他の実施例の血液バ
ッグ31の概略図
【図5】前記血液バッグ1のその他の実施例の血液バッ
グ41の概略図
【図6】前記血液バッグ11のその他の実施例の血液バ
ッグ51の概略図
【符号の説明】
1、11、41 血液バッグ 21、31、51 血液バッグ 3 採血バッグ 4 赤血球保存液入りバッグ 5a、5b、5c 分離バッグ 6 採血針 7 バッグ針 8 採血チューブ 9c、9d、9e、9f 連結チューブ 19、29 連結チューブ 10a、10b 連通部材 10c、10d、10e 連通部材 13 白血球除去フィルター(白除F) 16、16a 分岐管 17 接続ライン 29A バイパスチューブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも採血バッグ3と処理バッグ5a
    を連結チューブ19を介して接続し、該連結チューブ1
    9の途中または、前記採血バッグ3と連結チューブ19
    の間または、前記処理バッグ5aと連結チューブ19の
    間に、イオン濃度調整体2を装着したことを特徴とする
    血液バッグ1、21、41。
  2. 【請求項2】前記採血バッグ3に連結チューブ9dを接
    続し、該連結チューブ9dに少なくとも一つ以上の分離
    バッグ5b、5c及び/又は赤血球保存液入りバッグ4
    を装着したことを特徴とする前記請求項1に記載の血液
    バッグ1、21。
  3. 【請求項3】採血バッグ3と分離バッグ5bを連結チュ
    ーブ29を介して接続し、該連結チューブ29の途中ま
    たは、前記採血バッグ3と該連結チューブ29の間また
    は、前記分離バッグ5bと連結チューブ29の間に、白
    血球除去フィルター13を装着し、 前記分離バッグ5bと処理バッグ5aを連結チューブ1
    9を介して接続し、該連結チューブ19の途中または、
    分離バッグ5bと前記連結チューブ19の間または、前
    記処理バッグ5aと連結チューブ19の間にイオン濃度
    調整体2を装着したことを特徴とする血液バッグ11、
    31、51。
  4. 【請求項4】前記分離バッグ5bに連結チューブ9dを
    接続し、該連結チューブ9dに少なくとも一つ以上の分
    離バッグ5c及び/又は赤血球保存液入りバッグ4を装
    着したことを特徴とする前記請求項3に記載の血液バッ
    グ11、31。
  5. 【請求項5】次の工程を含むことを特徴とする前記請求
    項1、2に記載の血液バッグ1、21、41を用いた血
    液製剤の製造・保存方法。 (1)採血バッグ3に血液を採血する工程、(2)
    (a)採血バッグ3に採血した血液(全血)を密封する
    工程、または(b)採血バッグ3に採血した血液(全
    血)を遠心分離により上層(血漿成分)と中間層(バフ
    ィーコート成分)と下層(赤血球成分)に分離し、前記
    血漿成分を分離バッグ5cに移し、前記バフィーコート
    成分を分離バッグ5bに収納して密封する工程、または
    (c)採血バッグ3に採血した血液(全血)を遠心分離
    により上層(血小板が浮遊した多血小板血漿)と下層
    (赤血球成分)に分離し、さらに前記上層(血小板が浮
    遊した多血小板血漿)を分離バッグ5bに移し、該分離
    バッグ5bを遠心分離により上層(乏血小板血漿)と下
    層(血小板)に分離し、前記上層(乏血小板血漿)を分
    離バッグ5cに移す工程、(3)(a)赤血球成分が残
    った採血バッグ3を赤血球製剤として密封する工程、ま
    たは(b)赤血球成分が残った採血バッグ3に赤血球保
    存液入りバッグ4の赤血球保存液を入れて赤血球製剤と
    して密封する工程、(4A)(a)前記工程(3)に記
    載の採血バッグ3中の赤血球製剤または前記(2)
    (a)の全血に放射線を照射する工程、(b)前記
    (a)の赤血球製剤または全血を4℃〜6℃の間で冷蔵
    保存し、保存3日目以降に赤血球製剤または全血をイオ
    ン濃度調整体2に通す工程、または(4B)前記工程
    (3)に記載の採血バッグ3中の赤血球製剤または全血
    を4℃〜6℃の間で冷蔵保存し、保存7日目以降に赤血
    球製剤または全血をイオン濃度調整体2に通す工程、
    (5)前記(4A)または(4B)の工程で、イオン濃
    度調整体2で処理した赤血球製剤または全血を処理バッ
    グ5aに入れ再び4℃〜6℃の間で保存する工程、
  6. 【請求項6】次の工程を含むことを特徴とする前記請求
    項3、4に記載の血液バッグ11、31、51を用いた
    血液製剤の製造・保存方法。 (1)採血バッグ3に血液を採血する工程、(2)採血
    バッグ3に採取した血液(全血)を白血球除去フィルタ
    ー13に通し、白血球を除去する工程、(3)(a)白
    血球を除去した前記血液を分離バッグ5bに入れ密封す
    る工程、または(b)白血球を除去した前記血液を分離
    バッグ5bに入れ、遠心分離により上層(血漿成分)と
    下層(赤血球成分)に分離する工程、(4)前記血漿
    成分を分離バッグ5cに収納して密封する工程、
    (a)赤血球成分が残った分離バッグ5bを赤血球製剤
    として密封する工程、または(b)赤血球保存液入りバ
    ッグ4の赤血球保存液を赤血球成分が残った分離バッグ
    5bに入れ赤血球製剤として収納し密封する工程、(5
    A)(a)前記工程(4)に記載の分離バッグ5b中の
    赤血球製剤または前記工程(3)(a)の全血に放射線
    を照射する工程、(b)前記赤血球製剤または全血を4
    ℃〜6℃の間で冷蔵保存し、保存3日目以降に赤血球製
    剤または全血をイオン濃度調整体2に通す工程、または
    (5B)前記工程(4)に記載の分離バッグ5b中の赤
    血球製剤または前記工程(3)(a)の全血を4℃〜6
    ℃の間で冷蔵保存し、保存7日目以降に赤血球製剤また
    は全血をイオン濃度調整体2に通す工程、(6)前記
    (5A)または(5B)の工程で、イオン濃度調整体2
    で処理した赤血球製剤または全血を処理バッグ5aに入
    れ再び4℃〜6℃の間で保存する工程、
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