JP2002278699A - タッチパネル式入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示画面領域を損なうことなく、マウスが持
つ機能と同等の機能を表示画面上で実現することが可能
なタッチパネル式入力装置を提供すること。 【解決手段】 タッチパネル１上で一度目のタッチ入力
がされると、左ボタンクリック機能情報が送出され、タ
イマカウント部６のタイマが起動される。第１のタッチ
入力のカーソル座標情報信号ａが信号記憶部３に送られ
記憶される。その後、予め定められた一定時間内に第２
のタッチ入力があった場合、これと信号記憶部３に記憶
された第１のタッチ入力座標が信号判定部４で判定さ
れ、第１のタッチ入力座標と第２のタッチ入力座標が同
じ位置座標の場合、左ボタンダブルクリック機能情報が
送出され、第２のタッチパネル入力が予め決められてい
る右ボタンクリック用座標の場合は、右ボタンクリック
機能情報が送出される。これにより、タッチパネル式入
力装置でマウスと同等の機能を行わせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置へ情
報入力を行う情報入力装置に関し、特に、入力面に例え
ばペンや指などを接触させることにより、情報処理装置
への情報入力を行うタッチパネル式入力装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】情報処理装置に情報を入力するための情
報入力装置として、従来からタッチパネル式入力装置が
知られており、各種情報処理装置に広く実用化されてい
る。タッチパネル式入力装置は、通常、情報処理装置の
システムに組み込まれており、透明に構成された入力部
を情報処理装置システムの表示装置上に重ねて用いられ
ている。操作者は、タッチパネル式入力装置の透明な入
力部を介して表示を見ながら、タッチパネル式入力装置
の入力面にペンや指などを接触させて入力を行うことが
できる。

【０００３】具体的な動作機能としては、タッチパネル
面に指やペンなどを押しつけて離すと、押しつけた位置
にカーソルが移動し、マウスをクリックした状態とな
る。また、カーソル表示位置をすばやく２度押すと、マ
ウスのダブルクリックに対応する効果が得られる。ま
た、カーソルの表示位置に指を押し付けたまま指やペン
を移動すると、マウスをドラッグした場合と同様の機能
が得られる。

【０００４】また、タッチパネルにおけるマウスクリッ
ク状態の左右ボタン判別手段としては、例えば特開平１
０−９７３６３号公報に開示されたものがある。この公
報に開示されたものは、表示画面上に「右クリックキー
ボタン」を設けておくことにより、マウスの右ボタンク
リック機能を実現している。また、特開平１１−２８２
６２４号公報では、表示装置上のカーソルを一定時間押
しつづけた時間により、右ボタンクリック機能を実現す
るタッチパネル式入力装置が報告されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近年、コンピュータ、
ワープロ、ＣＡＤその他の情報処理装置では、入力装置
の１つとして、タッチパネル式入力装置が用いられてい
る。このタッチパネル装置を用いると、情報処理装置画
面上のカーソル位置を自由に制御でき、また、ボタンに
より特定処理の実行・中止などを容易に行うことができ
る。

【０００６】しかし、従来のタッチパネル式入力装置で
は、通常のマウスが具備する左ボタンと右ボタンの違い
を考慮しておらず、マウスと同様の入力操作が全て行え
るわけではない。例えば、表示画面上のタッチパネル面
に指やペンなどを押しつけて離す操作を、マウスの左ボ
タンをクリックした状態とすると、右ボタンクリックに
対応する入力操作をいかに行うかが問題となる。

【０００７】このような理由から、マウス同等の機能を
持つタッチパネル式入力装置を実現する手段として、い
くつかの案が考えられている。その例として挙げた従来
の技術だが、特開平１０−９７３６３号公報では表示画
面上に「右クリックキーボタン」を設けているが、これ
により本来表示画面に表示すべき領域がこのボタンによ
り狭くなってしまうという問題点がある。

【０００８】また、特開平１１−２８２６２４号公報に
開示されたものでは、表示装置上のカーソルを一定時間
押しつづけることにより右ボタンクリック機能を実現し
ているが、このような右ボタンクリック機能を実現した
場合は、従来のマウスの左ボタンを押しつづける操作に
よる機能、例えば画面スクロール時の上下矢印押下など
の操作機能は使用できなくなる、という問題点がある。

【０００９】本発明は、上記の問題点を解消し、表示画
面領域を損なうことなく、マウスが持つ機能と同等の機
能を表示画面上で実現することが可能なタッチパネル式
入力装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のような構成を有する。すなわち、請
求項１記載のタッチパネル式入力装置は、一定時間内の
連続したタッチパネル入力における第２の入力位置によ
り、マウスのダブルクリック機能および右ボタンクリッ
ク機能を実現するものである。これにより、表示画面領
域を損なうことなく、マウスが持つ機能と同等の機能を
実現することが可能となる。

【００１１】請求項２記載のタッチパネル式入力装置
は、請求項１記載のタッチパネル式入力装置における第
２のタッチパネル入力の位置座標を、情報処理装置の表
示装置上に一定時間内表示させるようにしたものであ
る。これにより、操作者は視覚的に正確な位置へのタッ
チパネル入力を行うことが可能となる。

【００１２】請求項３記載のタッチパネル式入力装置
は、請求項１記載のタッチパネル式入力装置において、
第２の入力位置に許容誤差範囲を設け、この許容誤差範
囲を設定する設定手段を設けたものである。これによ
り、操作者は連続したタッチパネル入力を確実に行うこ
とが可能となる。

【００１３】請求項４記載のタッチパネル式入力装置
は、請求項３記載のタッチパネル式入力装置において、
許容誤差範囲を情報処理装置の表示装置上に一定時間内
表示させる表示手段を設けるものである。これにより、
操作者は視覚的に正確な位置へのタッチパネル入力を行
うことが可能となる。

【００１４】請求項５記載のタッチパネル式入力装置
は、請求項１〜４記載のタッチパネル式入力装置におけ
る前記一定時間を可変とし、その設定手段を設けるもの
である。これにより、操作者の操作感覚に応じた設定が
可能となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を説明する。 （第１の実施例）本発明のタッチパネル式入力装置の第
１の実施例を図面を用いて説明する（請求項１）。図１
は、本実施例に係るタッチパネル式入力装置の機能ブロ
ック図である。

【００１６】図１において、１はタッチパネル、２はタ
ッチパネル１から入力された信号を元に、カーソル座標
情報信号ａとボタン信号ｂを送出する信号送出制御部、
３はカーソル座標情報信号ａとボタン信号ｂを記憶する
信号記憶部、４はカーソル座標情報信号ａとボタン信号
ｂを判定データ格納部５およびタイマカウント部６の情
報によって判定を行う信号判定部、ｃは信号判定部４で
判定された新たなボタン信号である。

【００１７】従来の情報処理装置上で用いるタッチパネ
ルは、一般的に一度のタッチでカーソル座標情報、およ
びボタンクリック（左ボタンとする）情報を送出してい
るが、本発明では、一定時間内の二度のタッチにより、
右ボタンクリックおよび左ボタンダブルクリックを実現
するようにしたことを特徴としている。

【００１８】以下、本発明のタッチパネル式入力装置の
動作機能を、図１の機能ブロック図、図２の第２タッチ
入力時のダブルクリックポイントと右クリックポイント
を示す図を参照しながら図３のフローチャートに沿って
説明する。

【００１９】タッチパネル１上で一度目のタッチ入力が
されると（ステップＳ１０１：Ｙ）、左ボタンクリック
機能情報が送出され（ステップＳ１０２）、タイマカウ
ント部６のタイマが起動される（ステップＳ１０３）。
このとき、一度目のタッチ入力（第１のタッチ入力）の
カーソル座標情報信号ａが信号記憶部３に送られ記憶さ
れる。

【００２０】その後、予め定められた一定時間内に第２
のタッチ入力が無ければタイムアウトとなり（ステップ
Ｓ１０４：Ｙ）、タイマはクリアされる（ステップＳ１
０８）。

【００２１】一定時間内に第２のタッチ入力があった場
合（ステップＳ１０５：Ｙ）、第２のタッチ入力のカー
ソル座標情報信号ａが信号記憶部３に送られ記憶され
る。信号記憶部３に記憶された第１のタッチ入力座標と
第２のタッチ入力座標の比較判定が信号判定部４で行わ
れる。

【００２２】信号判定部４での判定の結果、第１のタッ
チ入力座標と第２のタッチ入力座標が同じ位置座標の場
合、例えば図２の１１の位置座標の場合、左ボタンダブ
ルクリック機能情報が送出され（ステップＳ１０６：
Ｙ）、タイマクリアされる（ステップＳ１０８）。

【００２３】また、第２のタッチ入力座標が、判定デー
タ格納部５を元に算出された予め決められている右ボタ
ンクリック用座標の場合、例えば図２の１２の位置座標
の場合は、右ボタンクリック機能情報が送出され（ステ
ップＳ１１０）、タイマクリアされる（ステップＳ１０
８）。

【００２４】どちらの座標でもない場合は（ステップＳ
１０６：Ｎ、ステップＳ１０９：Ｎ）、タイマクリアの
みされる（ステップＳ１０８）。なお、判定データ格納
部５には、「右ボタンクリック座標は、第１のタッチ入
座標より右に＋５ドット」というような情報が予め格納
されているものとする。これにより、タッチパネル式入
力装置でマウスと同等の機能を行わせることが可能とな
る。

【００２５】（第２の実施例）次に、本発明のタッチパ
ネル式入力装置の第２の実施例を図面を用いて説明する
（請求項２）。本実施例は、第１の実施例で説明した第
２のタッチ入力時における、左ボタンダブルクリック位
置（図２の１１）、および右ボタンクリック位置（図２
の１２）を、タイマ起動中表示装置上に表示して操作者
に知らせるものである。

【００２６】図４は、本実施例に係るタッチパネル式入
力装置の機能ブロック図である。図４において、１はタ
ッチパネル、２はタッチパネル１から入力された信号を
元に、カーソル座標情報信号ａとボタン信号ｂを送出す
る信号送出制御部、３はカーソル座標情報信号ａとボタ
ン信号ｂを記憶する信号記憶部、４はカーソル座標情報
信号ａとボタン信号ｂを判定データ格納部５およびタイ
マカウント部６の情報によって判定を行う信号判定部、
ｃは信号判定部４で判定された新たなボタン信号、７は
表示制御部、８は表示装置である。

【００２７】図５は、第１のタッチ入力前のカーソル表
示状態例、図６は第２のタッチ入力前のカーソル表示状
態例を示す図である。本実施例においては、第１のタッ
チ入力後、第２のタッチ入力がされるまでの間、あるい
はタイムアウトになるまでの間、図４の表示制御部７に
よって表示装置８に左ボタンダブルクリック位置（すな
わち図６のマーク１５）、および右ボタンクリック位置
（すなわち図６のマーク１６）を表示する。これによ
り、操作者は視覚的にマウスと同等の機能実現ポイント
を確認することが可能となる。

【００２８】この際、図６に点線で示したようにカーソ
ル自体の表示を消去すると、より見やすくなる。その
後、第２のタッチ入力が行われるか、あるいはタイムア
ウトになると図５に示す表示状態に戻る。

【００２９】（第３の実施例）次に、本発明のタッチパ
ネル式入力装置の第２の実施例を図面を用いて説明する
（請求項３）。本実施例は、第１の実施例で説明した第
２のタッチ入力時の左ボタンダブルクリック用座標（図
２の１１の位置）、および右ボタンクリック用座標（図
２の１２の位置）に、所定の許容誤差範囲を持たせるも
のである。

【００３０】ここで、許容誤差範囲情報は、図１の機能
ブロックの判定データ格納部５に予め格納され、そのデ
ータを元に信号判定部４において判定が行われる。な
お、判定データ格納部５には、図７の１７、１８に示す
ようなタッチ入力範囲が有効となるような許容範囲デー
タが格納されている。これにより、操作者に合った許容
範囲の設定が可能となり、使い勝手が向上する。

【００３１】（第４の実施例）次に、本発明のタッチパ
ネル式入力装置の第４の実施例を図面を用いて説明する
（請求項４）。本実施例は、第３の実施例で説明した第
２のタッチ入力時における、左ボタンダブルクリック位
置（図７の１７）、および右ボタンクリック位置（図７
の１８）を、タイマ起動中表示装置上に表示するもので
ある。本発明を実現するための機能ブロック図は、図４
と同じでよい。

【００３２】図８は、第４の実施例における第２のタッ
チ入力前のカーソル表示状態例である。第１のタッチ入
力後、第２のタッチ入力がされるまでの間、あるいはタ
イムアウトになるまでの間、図４の表示制御部７により
表示装置８に、左ボタンダブルクリック位置（図８の１
９）、および右ボタンクリック位置（図８の２０）を表
示する。これにより、操作者は視覚的にマウスと同等の
機能実現ポイントを確認でき、確実な操作が可能とな
る。

【００３３】この際、第２の実施例と同様に、図８の点
線で示すようにカーソル自体の表示を消去すると、より
見やすくなる。その後、第２のタッチ入力が行われる
か、あるいはタイムアウトになると図５に示す表示状態
に戻る。

【００３４】（第５の実施例）次に、本発明のタッチパ
ネル式入力装置の第５の実施例を説明する（請求項
５）。本実施例は、第１の実施例のタッチパネル式入力
装置において、図１の機能ブロック図のタイマカウント
部６に対し、第２のタッチ入力が有効となる時間を任意
に設定可能としたものである。これにより、操作者の操
作感覚に合った時間設定が可能となり、使い勝手が向上
する。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、タッチパネル式入力装
置において、マウスと同等の機能を成すことが可能とな
る。

【００３６】さらに詳細には、請求項１記載のタッチパ
ネル式入力装置によれば、一定時間内の連続したタッチ
パネル入力の第２の入力位置により、マウスの右クリッ
ク機能、およびダブルクリック機能を実現することによ
り、マウスと同等の機能を成すことが可能となる。

【００３７】請求項２記載のタッチパネル式入力装置に
よれば、請求項１記載のタッチパネル式入力装置におい
て、第２の入力位置を、情報処理装置の表示装置上で判
別可能とすることにより、操作者は視覚的にマウスと同
等の機能実現ポイントを確認することが可能となる。

【００３８】請求項３記載のタッチパネル式入力装置に
よれば、請求項１または２記載のタッチパネル式入力装
置において、第２の入力位置に許容誤差範囲を設け、そ
の許容誤差範囲の設定手段を設けることにより、操作者
に合った許容範囲の設定が可能となり、使い勝手が向上
する。

【００３９】請求項４記載のタッチパネル式入力装置に
よれば、請求項３記載のタッチパネル式入力装置におい
て、上記許容誤差範囲を、情報処理装置の表示装置上で
判別可能とすることにより、操作者は視覚的にマウスと
同等の機能実現ポイントを確認でき、確実な操作が可能
となる。

【００４０】請求項５記載のタッチパネル式入力装置に
よれば、請求項１〜４のいずれかに記載のタッチパネル
式入力装置において、第２のタッチ入力が有効となる時
間を可変とし、その設定手段を有することにより、操作
者の操作感覚に合った時間設定が可能となり、使い勝手
が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例に係るタッチパネル式入力装置の
機能ブロック図である。

【図２】第１の実施例に係るタッチパネル式入力装置で
の、第２タッチ入力時のダブルクリックポイントと右ク
リックポイントを示す図である。

【図３】第１の実施例に係るタッチパネル式入力装置の
動作のフローチャートである。

【図４】第２の実施例に係るタッチパネル式入力装置の
機能ブロック図である。

【図５】第２の実施例における第１のタッチ入力前のカ
ーソル表示状態例を示す図である。

【図６】第２の実施例における第２のタッチ入力前のカ
ーソル表示状態例を示す図である。

【図７】第３の実施例に係るタッチパネル式入力装置で
の、第２タッチ入力時のダブルクリックポイントと右ク
リックポイントを示す図である。

【図８】第４の実施例における第２のタッチ入力前のカ
ーソル表示状態例である。

【符号の説明】

１：タッチパネル、 ２：信号送出制御部、 ３：信号記憶部、 ４：信号判定部、 ５：判定データ格納部、 ６：タイマカウント部、 ７：表示制御部、 ８：表示装置。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 情報処理装置の入力デバイスとして用い
   るタッチパネル式入力装置であって、一定時間内に第１
   のタッチパネル入力と第２のタッチパネル入力が連続し
   て行われた場合に、前記第２のタッチパネル入力の位置
   座標によりマウスの左ボタンダブルクリックまたは右ボ
   タンクリックと同等の機能を行わせることを特徴とする
   タッチパネル式入力装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のタッチパネル式入力装置
   において、マウスの左ボタンダブルクリックまたは右ボ
   タンクリックと同等の機能を行わせるための前記第２の
   タッチパネル入力の位置座標を、情報処理装置の表示装
   置上に表示することを特徴とするタッチパネル式入力装
   置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のタッチパネル式
   入力装置において、マウスの左ボタンダブルクリックま
   たは右ボタンクリックと同等の機能を行わせるための前
   記第２のタッチパネル入力の位置座標に許容誤差範囲を
   設けるとともに、該許容誤差範囲を設定する設定手段を
   設けたことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載のタッチパネル式入力装置
   において、前記許容誤差範囲を、情報処理装置の表示装
   置上に表示することを特徴とするタッチパネル式入力装
   置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれか１項に記載のタ
   ッチパネル式入力装置において、前記一定時間を可変と
   するとともに、該一定時間を設定する設定手段を設けた
   ことを特徴とするタッチパネル式入力装置。