JP2002277913A - 和周波光発生方法及び和周波光発生装置 - Google Patents

和周波光発生方法及び和周波光発生装置

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JP2002277913A JP2001074683A JP2001074683A JP2002277913A JP 2002277913 A JP2002277913 A JP 2002277913A JP 2001074683 A JP2001074683 A JP 2001074683A JP 2001074683 A JP2001074683 A JP 2001074683A JP 2002277913 A JP2002277913 A JP 2002277913A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長変換帯域の広い和周波光発生装置を提供
する。 【解決手段】 入射された単一の偏波面を有し波長が固
定された固定波長光b1とこの固定波長光の偏波面に対
して直交する単一の偏波面を有し波長が可変である可変
波長光a1 とを同一光軸16上に合波する合波器3と、
この合波器で合波された固定波長光及び可変波長光が入
射され、この固定波長光及び可変波長光に対して第2種
位相整合が可能な、前記固定波長光及び可変波長光の和
周波光cを出射する非線形光学結晶8とを備えた和周波
光発生装置において、非線形光学結晶を有機非線形光学
結晶のAANPで構成し、非線形光学結晶の位相整合方
向12に垂直な面内に有る結晶の基準軸と直角に可変波
長光の偏波面を設定し、かつ基準軸と平行に固定波長光
の偏波面を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の独立光源か
ら発せられた2つの光から、この2つの光が有する角周
波数を加算した角周波数の光を得る和周波光発生方法及
び和周波光発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度メモリ、光ディスプレイ用
光源、医用、カラープリンター等の各技術分野におい
て、その使用目的に応じた種々の角周波数(波長)を持
ったレーザ光が採用されている。さらに、レッド・オレ
ンジ・グリーン・ブルー等可視光の他に紫外光まで、そ
の使用波長範囲はますます広がりつつある。
【0003】これらの各波長を有する光は、それぞれ専
用のレーザ光源を用いて発生することも可能であるが、
非線形光学結晶を介してレーザ光を所望の各波長に変換
する方法が、比較的簡単な構成で安価に実現できるた
め、一般には用いられる。
【0004】この非線形光学結晶を介して波長変換する
技術としては、従来から、第1種位相整合が可能な非線
形光学結晶(以後、第1種位相整合結晶という。)によ
りSHG(第2高調波発生)光を発生させて波長変換す
る方法がこの用途に用いられてきた。
【0005】この方法は、基本的に、入力されたレーザ
光の角周波数を、第1種位相整合結晶を介して2逓倍す
る技術であり、互いに偏波方向が平行な角周波数ω1
持つ第1の光と角周波数ω1 を持つ第2の光とを第1種
位相整合結晶で合波混合させ、2倍の角周波数2ω1
持った光に波長変換するというものである。
【0006】しかしながら、この第1種位相整合結晶を
介して波長変換する方法は、周波数が異なる2つの光か
らそれらの周波数の和の周波数を持つ和周波光(SFG
光)に変換させたいような場合、互いに偏波方向が平行
で角周波数ω1 を持つ第1の光と角周波数ω2 を持つ第
2の光とを第1種位相整合結晶に入力することとなり、
実際には2ω1 、2ω2 、ω1 +ω2 の角周波数を持っ
た3種類の光に変換されてしまう。
【0007】したがって、ω1 とω2 の角周波数が近い
場合には、2ω1 、2ω2 の角周波数を持つ2つの光
と、ω1 +ω2 の角周波数を持つSFG光との分離が非
常に難しくなり、所望の光のみを取り出すことができな
い。また、効率的にみても余分な2ω1 、2ω2 の角周
波数を持つ2つの光が出力されるため、ω1 +ω2 の角
周波数を持つSFG光への実効的変換効率が下がってし
まう。これらの問題が、第1種位相整合を用いた波長変
換によってSFG光を発生させる方法やSFG光発生装
置には有った。
【0008】そこで、このような問題を解決するために
第2種位相整合が可能な非線形光学結晶(以後、第2種
位相整合結晶という。)を用いてSFG光を発生させる
波長変換方法が考案された。ここで、第2種位相整合に
よる波長変換について詳しく説明する。前述のように、
第1種位相整合による波長変換とは、互いに偏波方向が
平行な角周波数ω1 を持つ第1の光と角周波数ω1 を持
つ第2の光とを第1種位相整合結晶で合波混合させ、2
倍の角周波数2ω1 を持った光に波長変換する方法であ
る。これに対して、第2種位相整合による波長変換と
は、互いに偏波方向が直交する角周波数ω1 を持つ第1
の光と角周波数ω2 を持つ第2の光とを第2種位相整合
結晶で合波混合することで角周波数ω1 +ω2 を持つ光
に波長変換する方法である。第2種位相整合による波長
変換では直交する偏波方向を持つ光の間でしか波長変換
が行われないために、第1種位相整合による波長変換と
は異なり、角周波数ω1 を持つ第1の光と角周波数ω2
を持つ第2の光とを入射してもSFG光である角周波数
ω1 +ω2 の光のみが波長変換光として外部に出力され
る。また、角周波数2ω1 を持つ光と角周波数2ω2
持つ光が発生しないだけに、ω1 +ω2 の角周波数を持
つSFG光への変換効率が良い。そのため、第2種位相
整合結晶を用いてSFG光を発生させる波長変換方法
は、2つの光信号間における相互相関信号を得る目的に
も使用でき、それを目的としたSFG光発生装置なども
近年開発されてきている。
【0009】図9は以上述べた第2種位相整合結晶を用
いた和周波光発生方法による具体的装置の概略構成図で
ある。
【0010】外部から入力端子1へ入射された波長λ1
(角周波数ωD )でかつ直線偏光である第1の光aは、
偏光方向制御器2にてその偏波方向が例えば基準方向
(0°方向)に対して90°方向に制御された後、合波
器3へ入射される。一方、外部から入力端子4へ入射さ
れた波長λ2 (角周波数ωS )でかつ直線偏光である第
2の光bは、偏光方向制御器5にてその偏波方向が例え
ば基準方向(0°方向)に制御された後、合波器3へ入
射される。
【0011】例えば、ビームスプリッタ(BS)等で構
成された合波器3は、ハーフミラー3aで第1の光aを
直角の方向に反射させるとともに第2の光bを直進させ
る。
【0012】したがって、この合波器3は入射した偏波
方向が互いに直交する第1の光a、第2の光bを同一光
軸上に合波する。この合波器3から出射された互いに偏
波方向が直交する第1の光a、第2の光bは、第2種位
相整合結晶から目的に応じた位相整合方向に合わせて切
り出された非線形光学材料6の一方の面へ入射される。
【0013】非線形光学材料6では偏波方向が互いに直
交する第1の光a、第2の光bがそれぞれ有する各角周
波数ωD 、ωS の和の角周波数ωD +ωS (波長λ3
の和周波光cを他方の面から出力端子7へ出射する。
【0014】ここで、位相整合方向について詳しく説明
する。
【0015】和周波光が発生するためには、上述した各
入射光の結晶内での速度(位相速度)と和周波光の結晶
内での速度(位相速度)がほぼ一致する必要が有る。結
晶内においてこれらの位相速度が最も一致する方向を特
に位相整合方向と呼び、この方向に光を伝搬させれば最
も波長変換の効率が高くなる。
【0016】図4(a)に示す屈折率楕円体9を用いて
さらに説明すると、例えば、角周波数ωD の第1の光に
ついての屈折率楕円体9と角周波数ωS の第2の光につ
いての屈折率楕円体9と角周波数(ωD +ωS )の和周
波光についての屈折率楕円体10の交点と屈折率楕円体
9,10の原点を結ぶ方向12が位相整合方向となる。
【0017】但し、図4(a)では説明を簡略化するた
めに、角周波数ωS の第2の光についての屈折率楕円体
が角周波数ωD の第1の光についての屈折率楕円体に等
しい場合を仮定している。
【0018】なお、図4(b)に示すように、位相整合
方向12をa軸とb軸とを含む平面へ投影した方向と結
晶のa軸とのなす角φと、位相整合方向12と結晶のc
軸とのなす角θとを位相整合角と称する。
【0019】一般に、第2種位相整合可能な非線形光学
結晶は、前記位相整合方向12に直交する面13を含ん
だ直方体状又は円柱状に切り出され、光の伝搬方向が位
相整合方向12に一致するようにして用いられる。結晶
を切り出すときの結晶の軸(a軸、b軸、c軸)に対す
る角度(切出し角度)は、前述の位相整合角φ及びθに
て決められる。
【0020】なお、屈折率楕円体は結晶の種類と該結晶
を伝搬する光の波長、結晶の軸に対する該光の偏波方向
によって異なるので、それらが決定されれば、前記切出
し角度が決まる。
【0021】例えば、有機非線形光学結晶である2−ア
ダマンチルアミノ−5−ニトロピリジン(AANP)
は、第1及び第2の光が波長1.55μmのときの位相
整合角はφ=90°、θ=60°、第1及び第2の光
が、波長1.3μmのときの位相整合角はφ=60°、
θ=90°であることが知られており、波長1.55μ
mで用いるために切り出された結晶は、前述のようにφ
=90°であるから、位相整合方向12に直交する面1
3は、a軸に平行な面となっており、この結晶を使用す
るに際しては、SFGの場合、a軸を基準軸として、該
基準軸に平行な偏波面を有する光と該基準軸に垂直な偏
波面を有する光とを合波して入射することにより、該基
準軸に平行な偏波面を有するSFG光が得られる。
【0022】また、波長1.3μmで用いるために切り
出された結晶は、前述のようにθ=90°であるから、
位相整合方向12に直交する面13は、c軸に平行な面
となっており、この結晶を使用するに際しては、SFG
の場合、c軸を基準軸として、該基準軸に平行な偏波面
を有する光と該基準軸に垂直な偏波面を有する光とを合
波して入射することにより、該基準軸に平行な偏波面を
有するSFG光が得られる。
【0023】なお、通常、非線形光学結晶の仕様書に
は、前記基準軸について記載されている。
【0024】非線形光学結晶を利用して入射された第1
の光a、第2の光bを各角周波数の和の角周波数を持つ
光に波長変換する技術は、前述のように非線形光学結晶
として第2種位相整合結晶を用いることで効率良く、ま
た容易に和周波光を得ることができる方法である。そし
て、目的の波長に応じた非線形光学材料6を使用し、該
非線形光学材料6に応じた入射角度となるような光学系
(光学的位置関係)とすれば、各種の波長の光を得るこ
とができる。
【0025】ところが近年、和周波光発生装置における
各偏光方向制御器2、5、合波器3、非線形光学材料6
相互間の光学的位置関係を変更することなく、目的の波
長に広帯域に変換することが通信分野の測定器で必要と
されてきている。
【0026】このような要望に答えるものとして、第2
種位相整合結晶であるKTPやAANP(2-adamantyl
amino 5-nitropyridine )を用いて、一方の光の波長を
固定し他方の光の波長を変更することで和周波光の発生
領域を広帯域にできることがECOC’96 ThB
1.2等で示された。そのことは、論文中では、一方の
光の波長を1555nmに固定し、他方の光の波長を1
530nm〜1580nmの間で変更したときに、出力
される和周波光cの変換効率で示されている。このとき
得られているSFG光が発生する帯域幅は3dB幅で定
義するとKTPの場合で35nm、AANPの場合で4
0nm程度である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ここま
でに述べてきた第2種位相整合結晶を用いた和周波光発
生方法や和周波光発生装置においては、まだ、解決すべ
き次のような課題があった。
【0028】すなわち、最近のWDM(波長多重化)伝
送で通信領域が80nm以上に拡大されるに伴い、80
nm以上のSFG光発生帯域が通信分野の測定器におい
て必要となってきた。ところが、単に第2種位相整合結
晶を用いただけの従来の和周波光発生方法・装置では、
非線形光学材料6を目的の波長に応じて交換したり光学
部品の位置関係を変更したりすることなく、80nm以
上の波長変換をすることができない。前述のように、例
えば、一方の光の波長を1555nmに固定し、他方の
光の波長を1530nm〜1580nmの間で変更した
ときに、実現できているSFG光が発生する帯域幅は3
dB幅で定義するとKTPの場合で35nm、AANP
の場合で40nm程度である。
【0029】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、第2種位相整合結晶を用いた和周波光発生
方法や和周波光発生装置において、その波長変換帯域を
従来の倍以上に広げることができる和周波光発生方法・
和周波光発生装置を提供することを目的とする。また、
波長変換帯域の中心を任意に設定できるようにすること
で、さらに広帯域の波長変換に応じられる和周波光発生
方法・和周波光発生装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、発明者等は非線形光学結晶の結晶軸と該結晶への
入射光の偏波面との関係について検討を加えた。
【0031】一般に、非線形光学結晶においては位相整
合角からの角度偏差による第2高調波発生出力の変化の
計算方法や実験データが知られていた。例えば、AAN
Pの場合、図11に示したようにa軸を中心にした位相
整合角からの角度偏差(回転角度)による図12に示し
たSHG光の出力の変化とa軸に対して垂直な軸を中心
にした位相整合角からの角度偏差(あおり角度)による
図13に示したSHG光の出力の変化とを比較すると前
者(図12)の変化量に対して後者(図13)の変化量
が少ないことが分かる。
【0032】言い換えれば、SHG光はa軸を中心とす
る角度偏差には敏感であり、a軸に垂直な軸を中心とす
る角度偏差に対しては鈍感に発生光量が変化することが
分かる。このため、光学部品の位置関係を変更すること
なく、第2種位相整合可能な非線形光学結晶を用いた光
学系においては、一方の固定波長光は波長が変化しない
ため、光学部品の収差や分散による光軸の変化がないか
ら、a軸と垂直な軸方向に偏光方向を、他方の波長が変
化する光は光学部品の収差や分散により光軸が変化する
から、a軸に対して平行な方向に偏光方向を設定し、波
長変換を行うように設計されてきた。図9を用いて説明
すれば、第1の光aとして可変波長光を第2の光bとし
て固定波長光を入力するようにしていた。
【0033】ちなみに、前述のECOC’96 ThB
1.2で報告されているものは、従来行われていた偏光
方向の設定で固定波長光と可変波長光を入射しており、
和周波発生帯域幅は3dB幅でKTPの場合で35n
m、AANPの場合で40nm程度である。
【0034】従来は前述のように設計されてきたのであ
るが、発明者等は、従来とは視点を変えて、可変波長光
の波長と位相整合方向との関係に着目した。
【0035】和周波発生では、第2種位相整合が可能な
非線形光学結晶に対して、互いに偏波面が直交するよう
に合波された可変波長光及び固定波長光の光軸が非線形
光学結晶の位相整合方向にほぼ一致すると共に、可変波
長光及び固定波長光の偏波面を位相整合方向に垂直な結
晶の基準軸に平行又は直交するように設定する。
【0036】このとき、可変波長光及び固定波長光の非
線形光学結晶に対する入射角(入射方向)を固定した状
態で、固定波長光の波長を固定して、可変波長光の波長
を変化させると、該波長に応じて位相整合方向が変化す
る。光の入射方向と位相整合方向との差が小さければ小
さい程変換効率が良いので、波長を変化させても位相整
合方向の変化が少ない方の基準軸と可変波長光の偏波面
との関係に設定することが望ましい。
【0037】そこで、可変波長光の波長と位相整合方向
との関係を調べてみると、可変波長光の偏波面を非線形
光学結晶の基準軸に平行にするか直交させるかで、可変
波長光の波長を変化させた場合における位相整合方向の
変化量に差が生じることが分かった。
【0038】図6にその特性例を示す。A特性は、可変
波長光の偏波面を非線形光学結晶の基準軸に直角に設定
し、固定波長光の偏波面を非線形光学結晶(AANP)
の基準軸に平行に設定した状態を示す。逆に、B特性
は、可変波長光の偏波面を非線形光学結晶の基準軸に平
行に設定し、固定波長光の偏波面を非線形光学結晶の基
準軸に直角に設定した状態を示す。
【0039】A特性で示すように、可変波長光の偏波面
を非線形光学結晶の基準軸に直角に設定し、固定波長光
の偏波面を非線形光学結晶の基準軸に平行に設定した方
が、可変波長光の波長変化に対する位相整合方向の変化
量が少なく、結果的にこの非線形光学結晶から出射され
る和周波光の発生効率が可変波長光の波長変化の影響を
受けにくい。言い換えれば、このような設定条件にする
ことで、可変波長光の波長を変化させても、必要とされ
る発生効率を広範囲に維持できる。前記設定条件は、従
来考えられていた最適な設定とは逆の設定となるもので
あった。
【0040】図7は、前記設定条件を採用して実験した
結果を示す図である。また、同図は、前述のように非線
形光学結晶は使用を予定された波長の光に対する位相整
合方向に合わせて切り出されるのであるが、敢えて使用
を予定された波長と異なる波長の光を固定波長光として
入射した場合の結果を共に示す。なお、横軸は可変波長
光の波長(nm)を示し、縦軸は相対SFG変換効率を
示す。具体的には、波長が1552nmの光に対する位
相整合方向に合わせて切り出されたAANP結晶に対し
て、第1、第2の光a、bの光軸方向がこの位相整合方
向と一致するように配置した光学系において、固定波長
光の波長を1547nm(図中b特性)、1552nm
(図中a特性)、1557nm(図中c特性)とした場
合の可変波長光の波長に対する変換効率を示す。
【0041】図7から、前記AANP結晶の位相整合方
向が固定波長光の波長に対する位相整合方向と一致する
(つまり、固定波長光の波長が使用を予定された波長1
552nmである)場合、和周波発生帯域幅は3dB幅
で80nm程度となる。
【0042】また、その場合は図中a特性で示されるよ
うに可変波長光の波長1552nmをピークに変換効率
の高い部分が現れるが、波長1547nmの固定波長光
を入射した場合では、図中b特性のように変換効率のピ
ークは長波長側にシフトしている。一方、波長1557
nmの固定波長光を入射した場合では、図中c特性のよ
うに変換効率のピークは短波長側にシフトしている。
【0043】これらのことから、同じAANP結晶を用
いた同じ光学系においても、固定波長光の波長を変える
ことで、必要とされる和周波発生の効率が得られる可変
波長光の波長範囲(帯域)をシフトさせることができる
ことが分かる。
【0044】図8は、波長が1552nmの光に対する
位相整合方向に合わせて切り出されたAANP結晶に対
して、固定波長光の波長を1552nmとしたきに固定
波長光と可変波長光が合波された光の光軸の方向をこの
位相整合方向からずらすことができる光学系において、
位相整合方向と光軸とのa軸回りの角度ずれを、−1度
(図中b特性)、0度(図中a特性)、+1度(図中c
特性)とした場合の可変波長光の波長に対する変換効率
を示す図である。設定条件は図7のときと同じであり、
固定波長光の偏波面は基準軸(この場合は前述のように
a軸)に平行に設定している。
【0045】図8から、位相整合方向と光軸の方向が一
致する場合は図中a特性で示されるように可変波長光の
波長1552nmをピークに変換効率の高い部分が現れ
るが、角度ずれが−1度の場合では、図中b特性のよう
に変換効率のピークは長波長側にシフトしている。一
方、角度ずれが+1度の場合は、図中c特性のように変
換効率のピークは短波長側にシフトしている。
【0046】これらのことから、同じAANP結晶を用
いた同じ光学系において、光の入射角度を変えること
で、必要とされる和周波発生の効率が得られる可変波長
光の波長範囲(帯域)をシフトさせることができること
が分かる。
【0047】本発明は以上述べた知見に基づいている。
【0048】すなわち、本発明の請求項1に記載の和周
波光発生方法は、単一の偏波面を有し波長(λ2 )が固
定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光に対して
直交する単一の偏波面を有し波長(λ1 )が可変である
可変波長光(a1 )とを同一光軸上に合波し、この合波
された固定波長光及び可変波長光を、この固定波長光及
び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な非線形光
学結晶(8)に入射させ、この非線形光学結晶から前記
固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射させ
る和周波光発生方法であって、前記非線形光学結晶の位
相整合方向(12)にほぼ垂直な面内に有る結晶の基準
軸と直角に前記可変波長光の偏波面を設定し、かつ前記
基準軸と平行に前記固定波長光の偏波面を設定した状態
で、前記可変波長光の波長を変更した場合における位相
整合方向の第1の変化量を検出するステップと、前記基
準軸と平行に前記可変波長光の偏波面を設定し、かつ前
記基準軸と直角に前記固定波長光の偏波面を設定した状
態で、前記可変波長光の波長を変更した場合における位
相整合方向の第2の変化量を検出するステップと、前記
非線形光学結晶に入射する前記固定波長光及び可変波長
光の各偏波面を、前記第1の変化量と第2の変化量との
うちの少ない方のステップで設定された各偏波面に設定
するステップとを備えている。
【0049】また、本発明の請求項2に記載の和周波光
発生方法は、入射された単一の偏波面を有し波長(λ
2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
する非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置
を用いる和周波光発生方法であって、前記固定波長光の
偏波面が前記非線形光学結晶の基準軸に平行になるよう
に前記固定波長光を前記非線形光学結晶に入射する。
【0050】また、本発明の請求項3に記載の和周波光
発生装置は、入射された単一の偏波面を有し波長(λ
2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
する非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置
であって、前記非線形光学結晶は、有機非線形光学結晶
の2−アダマンチルアミノ−5−ニトロピリジン(AA
NP)であり、前記非線形光学結晶の位相整合方向(1
2)にほぼ垂直な面内に有る結晶の基準軸と直角に前記
可変波長光の偏波面が設定され、かつ前記基準軸と平行
に前記固定波長光の偏波面が設定されている。
【0051】また、本発明の請求項4に記載の和周波光
発生装置は、単一の偏波面を有し波長(λ2 )が固定さ
れた固定波長光(b1 )を出射する固定波長光出射手段
(20)と、該固定波長光とこの固定波長光の偏波面に
対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ1 )が可変
である可変波長光(a1 )とを受けて同一光軸(16)
上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波された
固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波長光
及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、前記
固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射する
非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置であ
って、前記固定波長光出射手段は出射する固定波長光の
偏波面が前記非線形光学結晶の位相整合方向(12)に
ほぼ垂直な面内に有る結晶の基準軸と平行になるような
前記固定波長光を出射する固定波長光出射手段である。
【0052】また、本発明の請求項5に記載の和周波光
発生装置は、請求項4に記載の和周波光発生装置におい
て、前記非線形光学結晶が有機非線形光学結晶の2−ア
ダマンチルアミノ−5−ニトロピリジン(AANP)で
ある。
【0053】また、本発明の請求項6に記載の和周波光
発生装置は、請求項4に記載の和周波光発生装置におい
て、前記固定波長光出射手段が波長の異なる複数の固定
波長光を出射可能とされており、該複数の固定波長光の
うちのいずれか一つの固定波長光を選択して出射する。
【0054】また、本発明の請求項7に記載の和周波光
発生装置は、入射された単一の偏波面を有し波長(λ
2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
する非線形光学結晶(8)と、該非線形光学結晶に入射
される固定波長光及び可変波長光の前記非線形光学結晶
への入射角度を変える入射角度変更手段(30)とを備
えた和周波光発生装置であって、前記非線形光学結晶の
位相整合方向(12)にほぼ垂直な面内に有る結晶の基
準軸と直角に前記可変波長光の偏波面を設定し、かつ前
記基準軸と平行に前記固定波長光の偏波面を設定する
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0056】図1は第1の実施の形態の和周波光発生方
法が適用される和周波光発生装置の概略構成を示すブロ
ック図である。図9に示す従来の和周波光発生装置と同
一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を
省略する。
【0057】図1の和周波光発生装置が図9に示す従来
の和周波光発生装置と異なる点は、非線形光学材料6と
して有機の非線形光学結晶であるAANP8が組み込ま
れている点、並びに、該AANP8へ入射する可変波長
光a1 及び固定波長光b1 の偏波面と結晶の基準軸との
関係である。
【0058】AANP8は、図2に示す分子構造を有
し、図3に示す結晶構造を有する。図3中のa、b、c
は互いに直交する結晶の軸を示す。
【0059】このような有機の非線形光学結晶であるA
ANP8における位相整合方向は、図4(a)(b)を
用いて説明したように、結晶のxyz(abc)の三次
元座標における入射光(可変波長光a1 、固定波長光b
1 )に対する屈折率楕円体9と和周波光cに対する屈折
率楕円体10との交点11と座標原点とを結ぶ方向とな
り、具体的には、入射光の波長が1.55μmのときは
位相整合角φ=90°、θ=60°で示す方向となる。
また、この場合前述のように、基準軸はa軸となる。
【0060】和周波光発生装置に用いるAANP8は、
AANPの結晶の塊から位相整合方向12に直交する面
13を有する直方体状又は円柱状に切り出され、図5に
示すように、ARコーティングガラス14を介してエポ
キシ樹脂の支持枠15で支持されている。そして、位相
整合方向12に直交する面13内に有る結晶の基準軸で
あるa軸が支持枠15の一辺15aに平行となるよう
に、直方体状又は円柱状のAANP8の姿勢が設定され
ている。
【0061】そして、合波器3で偏波面が互いに直交す
るように合波された可変波長光a1と固定波長光b1 と
の一つの光軸16は、位相整合方向12に直交するAA
NP8の面13に垂直に設定されている。この場合、可
変波長光a1 の偏波面は図5に示すように、AANP8
の結晶の基準軸であるa軸と直角に設定されている。そ
の結果、固定波長光b1 の偏波面は、AANP8の結晶
の基準軸であるa軸と平行に設定される。この場合、A
ANP8の面13の反対の面から光軸16方向に和周波
光cが出射される。
【0062】このように構成された和周波光発生装置に
おいて、外部から入力端子1へ入射された単一の偏波面
を有しλ1 (角周波数ωD )が可変である可変波長光a
1 は、偏光方向制御器2にてその偏波面が基準方向(0
°方向)に制御されたのち合波器3へ入射される。
【0063】一方、外部から入力端子4へ入射された単
一の偏波面を有しλ2 (角周波数ω S )が固定である固
定波長光b1 は、偏光方向制御器5にてその偏波面が基
準方向(0°方向)に対して90°方向に制御されたの
ち合波器3へ入射される。
【0064】ビームスプリッタ(BS)等で構成された
合波器3は、ハーフミラー3aで可変波長光a1 を直進
させるとともに固定波長光b1 を直角方向に反射させ
る。したがって、この合波器3は入射した偏波面が互い
に直交する可変波長光a1 と固定波長光b1 とを同一光
軸16上に合波する。
【0065】この合波器3から出射された偏波面が互い
に直交する可変波長光a1 と固定波長光b1 は、この可
変波長光a1 、固定波長光b1 に対する第2種位相整合
が可能な有機の非線形光学結晶であるAANP8の一方
の面13へ入射される。この可変波長光a1 と固定波長
光b1 のAANP8に対する入射条件は、図5を用いて
説明した通りである。
【0066】したがって、この第2種位相整合が可能な
有機の非線形光学結晶であるAANP8は、一方の面1
3へ入射されている可変波長光a1 、固定波長光b1
各角周波数ωD 、ωS の和の角周波数(ωD +ωS
(波長λ3 )を有した和周波光cを他方の面から出力端
子7へ出射する。
【0067】以上では、非線形光学材料6が波長1.5
5μm用に切り出されたAANP8であるとして説明し
た。ここで、和周波光発生装置に、非線形光学材料6と
して非線形特性が未知である非線形光学結晶を組み込む
場合における可変波長光a1、固定波長光b1 の各偏波
面の設定手順を説明する。
【0068】この場合、可変波長光a1 、固定波長光b
1 の各偏波面をこの非線形光学結晶の基準軸に直角に設
定すべきか、平行に設定すべきかが不明の場合がある。
【0069】このような場合、別の光学試験装置を用い
て、この未知の非線形光学結晶に対して、予め前述の図
6に示すA特性とB特性とを測定する。そして、可変波
長光a1 の波長変化に対する位相整合方向の変化量が少
ない特性の測定条件が指定する方向に可変波長光a1
固定波長光b1 の各偏波面の方向を設定する。
【0070】第1の実施の形態で述べた和周波光発生装
置での可変波長光a1 、固定波長光b1 の各偏波面の方
向の設定も前記A特性とB特性とを比較して決めてい
る。
【0071】第1の実施の形態のように構成された和周
波光発生装置においては、非線形光学結晶として、KT
P(KH2 P04 )、LN(LiNb03 )、LT(L
iTa03 )、KN(KNb03 )、等の無機の非線形
光学結晶でなく有機のAANPを用いている。この有機
の非線形光学結晶であるAANPの非線形変換効率ηは
無機の非線形光学結晶の非線形変換効率ηに比べて格段
に高い。したがって、AANPから出射される和周波光
cのレベルが高い、すなわち、変換効率が高い。また、
前述のように可変波長光a1 、固定波長光b1 の各偏波
面の方向の設定をしているので、可変波長光a1 の波長
λ1 が変化しても、AANPでの和周波光cへの変換効
率の変化が少ない。結果として、図7、図8に示すよう
に、3dB幅で定義して80nm以上の広い帯域で波長
変換ができる。
【0072】図14は第2の実施の形態の和周波光発生
装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す和
周波光発生装置と同一部分には同一符号を付して重複す
る部分の詳細説明を省略する。
【0073】図14の和周波光発生装置が図1に示す和
周波光発生装置と異なる点は、単一の偏波面を有し波長
(λ2 )が固定された固定波長光(b1 )を出射する固
定波長光出射手段20を備えていることである。
【0074】固定波長光出射手段20は、例えば、波長
が1552nmで、かつ、偏波方向が非線形光学結晶8
へ入射するときに基準軸と平行になるような偏波方向を
有する光を出射する。前記固定波長光出射手段20から
出射するときの偏波方向は、該固定波長光出射手段20
と前記非線形光学結晶8との間にある偏波方向に影響を
与える光学部品に応じて決める。
【0075】前記非線形光学結晶8としてAANPを用
いた場合は、波長1552nmならば前記基準軸はa軸
となる。
【0076】図15に示すように、固定波長光出射手段
20を複数の波長の光が出射可能な多波長光源21と前
記複数の波長の光の内から一つを選択して出射する光路
切替器22とで構成して、固定波長を切り替えられるよ
うにしてもよい。あるいは、固定波長光出射手段20に
波長を変えられる可変波長光源を用い、可変波長範囲の
内の一点に固定することで固定波長光を出射することと
し、複数の点から一点を選択するような構成として、固
定波長を切り替えてもよい。
【0077】固定波長光の波長を、例えば、1547n
m、1552nm、1557nmの3種類に切り替えら
れれば、図7に示したように、1種類の波長のものより
さらに広帯域の可変波長光に応じられる和周波光発生装
置となる。
【0078】図16は第3の実施の形態の和周波光発生
装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す和
周波光発生装置と同一部分には同一符号を付して重複す
る部分の詳細説明を省略する。
【0079】図16の和周波光発生装置が図1に示す和
周波光発生装置と異なる点は、非線形光学結晶8に入射
される固定波長光及び可変波長光の前記非線形光学結晶
8への入射角度を変える入射角度変更手段30を備えて
いることである。
【0080】入射角度変更手段30は、例えばμメータ
付微動回転ステージで構成する。図17に示すように、
非線形光学結晶8であるAANP8を前記μメータ付微
動回転ステージ30にセットし、該μメータ付微動回転
ステージ30を回転させてAANP8への入射光の入射
角度を変化させる。
【0081】例えば、固定波長光の波長が1552nm
として、AANP8への入射光の入射角度を、AANP
8の面13が光軸に垂直な状態、左右にそれぞれ1°a
軸中心に回転した状態の3種類に切り替えられれば、図
8に示したように、面13に垂直に入射するだけのもの
よりさらに広帯域の可変波長光に応じられる和周波光発
生装置となる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の和周波光
発生方法及び和周波光発生装置においては、非線形光学
結晶に対する第2種位相整合を満たす条件で、さらに入
力された可変波長光及び固定波長光の各偏波方向の最適
方向を選択設定している。
【0083】また、第1、第2の光a、bのうちの波長
が固定されている固定波長光の偏波方向を基準軸と平行
に設定することで広い帯域で、高効率で波長変換できる
ようになるとともに、固定波長光の波長設定や非線形光
学結晶への入射光の入射角度を調整(すなわち、位相整
合方向に対する光軸の方向を調整)することで波長変換
効率のピークを所望の波長に合わせることができ、所望
の波長帯域での変換効率を高くすることができる。
【0084】したがって、例え、入力される可変波長光
の波長が大きく変化したとしても、出力される和周波光
のレベル低下を抑制でき、ひいては、組込まれた光学系
の位置関係を変更することなく、広帯域の波長変換に対
応できる。さらに、波長変換効率がピークとなるところ
を、例えば伝送波長に合わせることができる。
【0085】また、第1、第2の光a、bのうちの波長
が変化する可変波長光の偏波方向をAANPの基準軸と
直角に設定し、さらに、第1、第2の光a、bのうちの
波長が固定されている固定波長光の偏波方向を基準軸と
平行に設定することで広い帯域で、高効率で波長変換で
きるようになるとともに固定波長光の波長設定とAAN
Pへの入射光の入射角度を調整することで所望の波長帯
域での変換効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる和周波光発
生装置の概略構成を示すブロック図
【図2】同和周波光発生装置に組込まれたAANPの分
子構造を示す図
【図3】同AANPの結晶構造を示す図
【図4】同AANPにおける位相整合方向を求める手順
を示す図
【図5】同和周波光発生装置の要部構成を示す模式図
【図6】同和周波光発生装置における可変波長光の波長
と位相整合方向との関係を示す図
【図7】同AANPによるSFG発生効率の波長依存特
性を示す図
【図8】同AANPによる結晶角度の傾きの違いによる
変換効率の差を示す図
【図9】従来の和周波光発生装置の概略構成を示すブロ
ック図
【図10】第2種位相整合が可能な非線形光学結晶の光
学特性を説明するための図
【図11】非線形光学結晶への入射角度について説明す
るための図
【図12】変換効率の回転角度依存性を示す図
【図13】変換効率のあおり角度依存性を示す図
【図14】本発明の第2の実施の形態に係わる和周波光
発生装置の概略構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施形態に係わる固定波長光出射手
段の概略構成を示すブロック図
【図16】本発明の第3の実施の形態に係わる和周波光
発生装置の概略構成を示すブロック図
【図17】本発明の第3の実施形態に係わる和周波光発
生装置に組込まれた入射角度変更手段の概略構成図
【符号の説明】
1,4…入力端子 2,5…偏光方向制御器 3…合波器 7…出力端子 8…AANP 12…位相整合方向 16…光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾坪 利信 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アンリ ツ株式会社内 (72)発明者 高良 秀彦 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 社家 一平 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 川西 悟基 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AA02 BA01 CA05 DA01 EA30 GA07 HA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の偏波面を有し波長(λ2 )が固定
    された固定波長光(b1 )とこの固定波長光に対して直
    交する単一の偏波面を有し波長(λ1 )が可変である可
    変波長光(a1 )とを同一光軸上に合波し、この合波さ
    れた固定波長光及び可変波長光を、この固定波長光及び
    可変波長光に対して第2種位相整合が可能な非線形光学
    結晶(8)に入射させ、この非線形光学結晶から前記固
    定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射させる
    和周波光発生方法であって、 前記非線形光学結晶の位相整合方向(12)にほぼ垂直
    な面内に有る結晶の基準軸と直角に前記可変波長光の偏
    波面を設定し、かつ前記基準軸と平行に前記固定波長光
    の偏波面を設定した状態で、前記可変波長光の波長を変
    更した場合における位相整合方向の第1の変化量を検出
    するステップと、 前記基準軸と平行に前記可変波長光の偏波面を設定し、
    かつ前記基準軸と直角に前記固定波長光の偏波面を設定
    した状態で、前記可変波長光の波長を変更した場合にお
    ける位相整合方向の第2の変化量を検出するステップ
    と、 前記非線形光学結晶に入射する前記固定波長光及び可変
    波長光の各偏波面を、前記第1の変化量と第2の変化量
    とのうちの少ない方のステップで設定された各偏波面に
    設定するステップとを備えた和周波光発生方法。
  2. 【請求項2】 入射された単一の偏波面を有し波長(λ
    2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
    の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
    1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
    6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
    れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
    長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
    前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
    する非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置
    を用いる和周波光発生方法であって、 前記固定波長光の偏波面が前記非線形光学結晶の基準軸
    に平行になるように前記固定波長光を前記非線形光学結
    晶に入射することを特徴とする和周波光発生方法。
  3. 【請求項3】 入射された単一の偏波面を有し波長(λ
    2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
    の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
    1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
    6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
    れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
    長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
    前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
    する非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置
    であって、 前記非線形光学結晶は、有機非線形光学結晶の2−アダ
    マンチルアミノ−5−ニトロピリジン(AANP)であ
    り、 前記非線形光学結晶の位相整合方向(12)にほぼ垂直
    な面内に有る結晶の基準軸と直角に前記可変波長光の偏
    波面を設定し、かつ前記基準軸と平行に前記固定波長光
    の偏波面を設定することを特徴とする和周波光発生装
    置。
  4. 【請求項4】 単一の偏波面を有し波長(λ2 )が固定
    された固定波長光(b1 )を出射する固定波長光出射手
    段(20)と、該固定波長光とこの固定波長光の偏波面
    に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ1 )が可
    変である可変波長光(a1 )とを受けて同一光軸(1
    6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
    れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
    長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
    前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
    する非線形光学結晶(8)とを備えた和周波光発生装置
    であって、 前記固定波長光出射手段は出射する固定波長光の偏波面
    が前記非線形光学結晶の位相整合方向(12)にほぼ垂
    直な面内に有る結晶の基準軸と平行になるような前記固
    定波長光を出射することを特徴とする和周波光発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記非線形光学結晶が有機非線形光学結
    晶の2−アダマンチルアミノ−5−ニトロピリジン(A
    ANP)である請求項4に記載の和周波光発生装置。
  6. 【請求項6】 前記固定波長光出射手段が波長の異なる
    複数の固定波長光を出射可能とされており、該複数の固
    定波長光のうちのいずれか一つの固定波長光を選択して
    出射する請求項4に記載の和周波光発生装置。
  7. 【請求項7】 入射された単一の偏波面を有し波長(λ
    2 )が固定された固定波長光(b1 )とこの固定波長光
    の偏波面に対して直交する単一の偏波面を有し波長(λ
    1 )が可変である可変波長光(a1 )とを同一光軸(1
    6)上に合波する合波器(3)と、この合波器で合波さ
    れた固定波長光及び可変波長光が入射され、この固定波
    長光及び可変波長光に対して第2種位相整合が可能な、
    前記固定波長光及び可変波長光の和周波光(c)を出射
    する非線形光学結晶(8)と、該非線形光学結晶に入射
    される固定波長光及び可変波長光の前記非線形光学結晶
    への入射角度を変える入射角度変更手段(30)とを備
    えた和周波光発生装置であって、 前記非線形光学結晶の位相整合方向(12)にほぼ垂直
    な面内に有る結晶の基準軸と直角に前記可変波長光の偏
    波面を設定し、かつ前記基準軸と平行に前記固定波長光
    の偏波面を設定することを特徴とする和周波光発生装
    置。
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