JP2002277113A - 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム - Google Patents

冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム

Info

Publication number
JP2002277113A
JP2002277113A JP2001073861A JP2001073861A JP2002277113A JP 2002277113 A JP2002277113 A JP 2002277113A JP 2001073861 A JP2001073861 A JP 2001073861A JP 2001073861 A JP2001073861 A JP 2001073861A JP 2002277113 A JP2002277113 A JP 2002277113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
chlorine
based refrigerant
refrigerator system
lubricating oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001073861A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Toyama
悟 外山
Yasuyori Hirai
康順 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001073861A priority Critical patent/JP2002277113A/ja
Publication of JP2002277113A publication Critical patent/JP2002277113A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/18Refrigerant conversion

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍機システム内の冷媒を塩素系冷媒から非
塩素系冷媒に置換する際に、非塩素系冷媒中に混入され
る塩素系冷媒用潤滑油を分離回収する。 【解決手段】 塩素系冷媒用潤滑油を含有する塩素系冷
媒が充填された冷凍機システムから、当該塩素系冷媒を
排出し、冷凍機システム内に、非塩素系冷媒用潤滑油を
含有する非塩素系冷媒を導入する。その後、冷凍機シス
テムから、導入された非塩素系冷媒を主とする内部冷媒
を冷媒回収容器22に回収して分相処理に付すことによ
り、当該冷凍機システム内に残留する塩素系冷媒用潤滑
油の相と非塩素系冷媒の相とを分離し、分離された非塩
素系冷媒の相を、塩素系冷媒用潤滑油を吸着除去しうる
吸着材26と接触させた後、冷凍機システム内へ再導入
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍機システム
の冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システ
ムに関するものであり、特に冷凍機システム内の冷媒を
塩素を含む塩素系冷媒から塩素を含まない非塩素系冷媒
に置換する際に、冷凍機システム内に残留する塩素系冷
媒用潤滑油(A)を分離回収する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】地球環境保護の観点から、塩素を含む塩
素系冷媒であるクロロフルオロカーボン類の冷媒(以下
CFC系冷媒と称する)やヒドロクロロフルオロカーボ
ン類の冷媒(以下HCFC系冷媒と称する)から塩素を
含まない非塩素系冷媒であるヒドロフルオロカーボン類
の冷媒(以下HFC系冷媒と称する)への代替が進めら
れている。ビル用空調機などでは冷媒が循環する配管が
ビルの壁や天井などに埋設されている場合が多く、空調
機などの代替需要に対して、既設の配管をHFC系冷媒
への代替後も使用する場合が多いと予想される。
【0003】CFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いた冷
凍機システムではこれらの塩素系冷媒と相溶性のある塩
素系冷媒用潤滑油(A)として鉱油が用いられてきた。
しかし、鉱油はHFC系冷媒との相溶性が無く、CFC
系冷媒やHCFC系冷媒をHFC系冷媒に置換後、HF
C系冷媒中に冷凍機システム内に残留する鉱油が混入さ
れると冷凍機システムの蒸発器内部に潤滑油が付着し冷
却効率を下げるなどの問題が発生した。この発明は、主
に、冷凍・空調機などの冷凍機システムに用いられてい
る冷媒の代替需要において、既設の延長配管を用いた場
合に既設配管中に残留する旧冷凍・空調機に使用されて
いた塩素系冷媒用潤滑油(A)を分離回収する方法に関
するものである。
【0004】冷凍機システムの代替需要に対し、既設延
長配管に残留する鉱油を回収する方法として大別して下
記の2種類の方法が知られている。まず、既設配管に残
留する鉱油を洗浄により除去する方法である。例えば特
開平10−339526号公報では圧縮機、室外熱交換
器、膨張機構、室内熱交換器及び四路切替弁で構成され
るHCFC系冷媒と鉱油或いはアルキルベンゼンとを使
用する冷凍機システムを、無極性の鉱油或いはアルキル
ベンゼン油に対する相溶性がエステル油よりも良いポリ
ビニルエーテル油とHFC系冷媒を使用する冷凍機シス
テムにレトロフィットする場合に、フラッシング油とし
て低粘度ポリビニルエーテル油を用いることにより鉱油
或いはアルキルベンゼン油を除去する方法が述べられて
いる。その他一般的にはトリクロロエチレン、アルコー
ル洗浄剤、液冷媒など洗浄剤により既設配管に残留する
CFC系冷媒やHCFC系冷媒と相溶性の潤滑油を洗浄
・回収する方法が考えられる。
【0005】もうひとつの方法は、鉱油を洗浄せずに新
たにエステル油を注入し、エステル油と鉱油の混合物か
ら鉱油のみを除去する方法である。図3は特開平6−2
49551号公報に示されている従来の潤滑油分離回収
方法を説明する図である。図2において、1は圧縮機、
2は凝縮器、3はレシーバードライヤー、4は膨張弁、
5は蒸発器、6はこれらの各部品を接続する循環配管で
ある。7はレシーバードライヤー3と膨張弁4の間に設
けられた高圧側サービスポート、8は蒸発器5と圧縮器
1の間に設けられた低圧側サービスポートであり、9は
高圧側サービスポート7と低圧側サービスポート8の間
に設けられた分離器である。分離器9は、高圧側サービ
スポート7とバルブ9aを介して配管で接続された分離
管9bと、分離管9bとバルブ9cを介して接続された
ドレイン9dと、分離管9bとバルブ9eを介して接続
され、低圧サービスポート8に接続された蒸発器9fと
から構成されている。通常、冷媒及び潤滑油は循環配管
6内を、圧縮機1、凝縮器2、レシーバードライヤー
3、膨張弁4、蒸発器5、圧縮機1の順に循環されてい
る。
【0006】この従来の潤滑油分離回収方法は、HFC
系冷媒に対する鉱油とエステル油の溶解度の違いを利用
することで、鉱油とエステル油の分離をするものであ
る。高圧側サービスポート7よりCFC系冷媒やHCF
C系冷媒を回収し、ついで循環配管6内を真空ポンプで
減圧真空とし、低圧側サービスポート8からHFC系冷
媒用の潤滑油であるエステル油を注入し、さらにHFC
系冷媒を注入した後運転を行い、バルブ9a操作により
分離管9b内に白濁液を回収し二相に分離した下相をバ
ルブ9eを開けて蒸発器9fを通して低圧サービスポー
ト8より循環配管6に戻し、上相に含まれる鉱油をバル
ブ9cを開けてドレイン9dに回収・廃棄する方法であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既設配管に残留する鉱
油を洗浄により除去する方法においては、洗浄剤の環境
への影響、洗浄にかかる時間及びコスト、洗浄剤の廃棄
方法、洗浄剤が残留した場合の冷凍機システムの信頼性
への影響が問題となる。例えば、特開平10−3395
26号公報に述べられた方法では、低粘度フラッシング
油が別途必要であるためコスト高であり、また、フラッ
シング及び低粘度ポリビニルエーテル油の回収に手間が
かかる。さらに、低粘度フラッシング油の除去が完全で
ない場合、潤滑油の粘度が低下し圧縮機の潤滑性が損な
われる可能性がある。
【0008】その他の洗浄剤を用いる場合、塩素系洗浄
剤は一般的に安価で洗浄効果が高いが環境に与える悪影
響が大きく、また、毒性があるため取り扱いに注意が必
要である。アルコールなどの洗浄剤は、可燃性があり洗
浄後の配管の乾燥や洗浄剤の取り扱いには格別の注意が
必要である。
【0009】エステル油と鉱油の混合物から鉱油を分離
・除去する方法においては、鉱油の除去性能が問題とな
る。上記の特開平6−249551号公報に開示された
方法では、エステル油と鉱油が混合状態にある場合、下
相に溶け込んだエステル油が鉱油のHFC系冷媒への溶
解度を高めるため、下相のエステル油には2相分離後も
多量の鉱油が混入している。例えば、ペンタエリスリト
ールタイプのヒンダードエステル油と鉱油である日本サ
ン石油社製スニソ3GS(商品名)が混合状態にあり、
かつ、上記鉱油濃度がエステル油に対して40%である
場合、下相に溶け込むエステル油には20%程度の鉱油
が混入することが本発明の途中段階の実験により明らか
となった。
【0010】このようにHFC系冷媒中にエステル油と
鉱油が混合状態にあると、冷凍機システム内の配管など
でエステル油がHFC系冷媒から分離することにより、
エステル油が枯渇し、潤滑性能が低下するという問題が
あった。
【0011】本発明では、冷凍機システムの冷媒を、塩
素系冷媒用潤滑油(A)を含有する塩素系冷媒から、非
塩素系冷媒用潤滑油(B)を含有する非塩素系冷媒から
に置換するときに、非塩素系冷媒中に混入する塩素系冷
媒用潤滑油(A)を分離回収することにより、潤滑油の
枯渇による潤滑性能の低下を防ぐことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る冷凍機シ
ステムの冷媒置換方法は、塩素系冷媒用潤滑油(A)を
含有する塩素系冷媒が充填された冷凍機システムから、
当該塩素系冷媒を排出する工程と、冷凍機システム内
に、非塩素系冷媒用潤滑油(B)を含有する非塩素系冷
媒を導入する工程と、冷凍機システムから、導入された
非塩素系冷媒を主とする内部冷媒を冷媒回収容器に回収
して分相処理に付すことにより、当該冷凍機システム内
に残留する塩素系冷媒用潤滑油(A)の相と非塩素系冷
媒の相とを分離する工程と、分離された非塩素系冷媒の
相を、塩素系冷媒用潤滑油(A)を吸着除去しうる吸着
材と接触させた後、冷凍機システム内へ再導入する工程
と、を備えるものである。
【0013】また、吸着材が、直径1nm以上の細孔を
含む活性炭であるものである。
【0014】この発明に係る潤滑油の分離装置は、冷媒
が充填された冷凍機システムに接続可能な冷媒導入口を
備え、導入された冷媒を所定時間保持しうる冷媒回収容
器と、冷媒回収容器から冷凍機システムへ冷媒を供給し
うる冷媒供給管路を備え、この冷媒供給管路に、塩素系
冷媒用潤滑油(A)を吸着除去しうる吸着材を介在せし
めてなるものである。
【0015】この発明に係る冷凍機システムは、冷媒が
充填された冷凍機システムと、この冷凍機システムに接
続された冷媒導入口を備え、導入された冷媒を所定時間
保持しうる冷媒回収容器と、冷媒回収容器から冷凍機シ
ステムへ冷媒を供給しうる冷媒供給管路を備え、この冷
媒供給管路に、塩素系冷媒用潤滑油(A)を吸着除去し
うる吸着材を介在せしめてなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1の潤滑油分離回収装置の構成を説明する図
である。図1において、21は冷媒が充填された冷凍機
システムに接続可能な冷媒導入口、22は冷媒導入口か
ら導入された冷媒を所定時間保持しうる冷媒回収容器、
23は冷媒回収容器22内から気体状冷媒を排出する配
管、24は冷媒回収容器22内に回収された潤滑油を含
む冷媒であり、上相24aと下相24bの2相に分離さ
れた状態を示す。25は吸着容器、26は吸着容器25
内に設けられた吸着材、27は冷媒回収容器22と吸着
容器25とを接続する接続配管、28は接続配管27の
途中に設けられた3方バルブ、29は3方バルブ28に
接続され、3方バルブ28を通して冷媒回収容器22内
に導入された冷媒を系外に排出しうる配管、30は吸着
容器25に導入され吸着材26と接触後の冷媒を取り出
し、冷凍機システムに再導入可能な排出口である。
【0017】この発明に係る潤滑油分離回収装置は、図
3に示したものと同様に、圧縮機1、凝縮器2、レシー
バードライヤー3、膨張弁4、蒸発器5、循環配管6な
どから構成される冷凍機システムの冷媒の置換に用いる
ことができる。この潤滑油分離回収装置を用いた冷凍機
システムの冷媒置換方法について説明する。まず、塩素
系冷媒用潤滑油(A)を含有する塩素系冷媒が循環され
ている冷凍機システムの循環配管の一部から、塩素系冷
媒用潤滑油(A)を含有する塩素系冷媒を排出し回収す
る。通常は循環配管内を減圧真空とする。塩素系冷媒と
しては、CFC系冷媒やHCFC系冷媒が用いられ、塩
素系冷媒と相溶性の塩素系冷媒用潤滑油(A)として
は、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ポリアルファ
オレイン油、アルキルベンゼン油、ナフテン油とアルキ
ルベンゼンの混合油などが用いられる。
【0018】次に冷凍機システムの循環配管内に非塩素
系冷媒用潤滑油(B)を含有する非塩素系冷媒を導入す
る。非塩素系冷媒としては、HFC系冷媒が用いられ、
非塩素系冷媒と相溶性の非塩素系冷媒用潤滑油(B)と
しては、エステル油、ポリアルキレングリコール油、ポ
リビニルエーテル油などが用いられる。また、非塩素系
冷媒用潤滑油(B)の添加剤として、代表的には燐酸エ
ステルなどの摩耗防止剤、DBPC(di-tert-butyl-p-
cresol)などの酸化防止剤、エポキシが用いられる。
【0019】冷媒導入口21は、冷媒及び潤滑油が循環
されている冷凍機システムの循環配管の一部に接続した
後に、冷凍機システムの循環配管内の非塩素系冷媒を主
とする内部冷媒が冷媒導入口21を通して冷媒回収容器
22内に導入される。冷媒回収容器22内に導入された
冷媒のうち、気体状の冷媒は、配管23を通して冷凍機
システムの循環配管に再導入される。冷媒回収容器22
内に導入された液体状の冷媒は冷媒回収容器22内で上
相24aと下相24bに分離される。上相24aは塩素
系冷媒用潤滑油(A)の相であり、塩素系冷媒用潤滑油
(A)が主成分である。下相24bは非塩素系冷媒の相
であり、非塩素系冷媒が主成分である。
【0020】非塩素系冷媒用潤滑油(B)としてエステ
ル油、非塩素系冷媒としてHFC系冷媒を用いるとき、
エステル油とHFC系冷媒の混合比は、エステル油濃度
がHFC系冷媒に対して10〜60%で使用することが
できるが、エステル油の回収率を考慮して10〜30%
であることが望ましい。またこのとき、上相24aと下
相24bの2相分離は−40℃〜60℃で可能である。
低温になるほど非塩素系冷媒の相に溶け込んだエステル
油中の鉱油濃度が低くなる傾向が見られるが、同時に上
相24aと下相24bの分離に時間を要するようにな
る。特に−30℃以下の温度では2相分離状態が不安定
で、外乱により容易に白濁状態となり2相分離状態を得
ることが困難となる。このため、冷媒回収容器22に
は、回収された冷媒の温度を制御できる温度制御機構を
設け、理想的には−20℃〜室温で分相処理を行うこと
が望ましい。
【0021】2相分離した後、3方バルブ28を開き、
非塩素系冷媒の相を接続配管27を通して吸着容器25
に導入し、非塩素系冷媒の相を吸着容器25内に設けら
れている吸着材26と接触させる。尚、非塩素系冷媒の
相のみを吸着容器25に導入する方法として、冷媒回収
容器22に透明窓を設けて、この透明窓を見ながら人間
がマニュアルで3方バルブ28を操作する方法であって
も良く、また冷媒回収容器22に液面計を設けて、この
液面計を用いて自動的に3方バルブ28を操作する方法
であっても良い。吸着材26としては、塩素系冷媒用潤
滑油(A)を吸着除去できるものであればよく、例えば
活性炭が用いられる。また吸着材26として、非塩素系
冷媒用潤滑油(B)の添加剤に対して低吸着性のものを
用いることにより、非塩素系冷媒用潤滑油(B)に添加
剤を添加する場合でも、添加剤量が変化せず添加剤添加
の効果を保持できる点、添加剤の追加補充が不要である
点で望ましい。非塩素系冷媒の相に含まれる塩素系冷媒
用潤滑油(A)は吸着材26に吸着除去され、塩素系冷
媒用潤滑油(A)の濃度が低下した非塩素系冷媒の相
が、排出口30から取り出され冷凍機システム内に再導
入される。
【0022】一方、冷媒回収容器22内に残る塩素系冷
媒用潤滑油(A)の相は3方バルブ28により排出配管
29を通して系外に排出し、回収する。
【0023】尚、冷凍機システムの循環配管から冷媒導
入口21により冷媒を回収する位置と、排出口30より
冷媒を冷凍機システムの循環配管に再導入する位置は、
循環配管内のどこでも良いが、特に圧縮機の入り口側か
ら冷媒を回収することによって、効率よく塩素系冷媒用
潤滑油(A)を分離回収できるので望ましい。
【0024】このような方法で、冷凍機システム内の冷
媒を置換することによって、非塩素系冷媒中に混入され
る塩素系冷媒用潤滑油(A)を、簡便に且つ短時間で除
去することができる。このため、冷凍機システム内で非
塩素系冷媒用潤滑油(B)が非塩素系冷媒から分離する
ことによる潤滑油の枯渇を防ぎ、潤滑性能の低下を防ぐ
ことができる。これにより、冷凍機システムの信頼性を
飛躍的に向上することができる。また、上述した、冷凍
機システム内に残留する塩素系冷媒用潤滑油(A)を洗
浄により除去するという従来の方法に比べて、低コスト
で且つ安全に置換することができる。
【0025】実施例1.実施例1では、実施の形態1で
説明した潤滑油分離回収装置を用いて、潤滑油の分離回
収を行った結果を説明する。表1は鉱油濃度が10%、
20%、40%のエステル油を上記処理を施したときの
エステル油中の鉱油濃度を調べた結果をまとめたもので
ある。鉱油は日本サン石油社製SUNISO3GSD
(商品名)、エステル油はヒンダードエステルである。
鉱油の初期濃度が10%のエステル油の場合(条件
1)、2相分離した後、下相であるHFC系冷媒の相に
含まれるエステル油には4〜7%の鉱油が含まれる。こ
のHFC系冷媒の相を活性炭処理することにより、鉱油
濃度が1%以下のエステル油が得られた。同様に鉱油の
初期濃度が20%のエステル油の場合(条件2)、鉱油
の初期濃度が40%のエステル油の場合(条件3)もH
FC系冷媒の相に含まれるエステル油には、それぞれ1
1〜12%、25〜27%の鉱油が含まれる。このHF
C系冷媒の相を活性炭処理することにより、鉱油濃度が
1%以下のエステル油が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】表2は3種類の活性炭について、鉱油吸着
試験結果をまとめたものである。エステル油中の鉱油の
初期濃度はすべて20%とし、上述の方法により処理し
た後の鉱油初期濃度に対する鉱油残存率、添加剤初期濃
度に対する添加剤残存率を示す。表2より、活性炭Aは
鉱油の残存率が大きく鉱油の吸着が不完全であった。ま
た、活性炭Bは鉱油の残存率が小さく鉱油が完全に吸着
されるものの、添加剤の残存率も小さく、よって添加剤
を配合したエステル油に対しては好ましい活性炭ではな
い。これに対し、活性炭Cは鉱油の除去性能も高く、且
つ添加剤の残存率も活性炭Bと比して十分に大きい。よ
って、活性炭Cが最も望ましいものであると言える。
【0028】
【表2】
【0029】図2はこの発明に用いる活性炭の細孔分布
を示す図である。図2に示す3種類の活性炭AからC
は、それぞれ表2の活性炭AからCに対応している。図
2はBET法により計測したものであり、横軸は活性炭
の細孔直径を、縦軸は活性炭の累積細孔容積を示す。図
2において、細孔分布曲線の傾きが大きい領域では、そ
の領域の細孔直径を有する細孔が多く存在し、傾きがゼ
ロの領域では、その領域の細孔直径を有する細孔が存在
しないことを示す。
【0030】図2において、各活性炭は次のような傾向
が見られる。活性炭Aは細孔直径が1nm以上において
傾きが小さい。活性炭Bは細孔直径が1nm以上におい
て傾きが大きい。また活性炭Cは細孔直径が1〜3nm
において傾きが大きく、3nm以上において傾きは小さ
い。したがって、活性炭Aは細孔直径が1nm以下のも
のが主であり、1nm以上のものは少ない、活性炭Bは
細孔直径が1nm以下のものが少なく、細孔直径が1n
m以上のものが多い、活性炭Cは細孔直径が1〜3nm
のものが多く、細孔直径が3nm以上のものが少ない、
と言える。
【0031】図2の細孔分布曲線と表2の結果からは、
直径が1nm以下の細孔は、鉱油も添加剤も吸着しな
い、直径が1〜3nmの細孔は添加剤は吸着しないが、
鉱油は吸着する、直径が3nm以上の細孔は鉱油も添加
剤も吸着する、と言える。したがって、直径が1〜3n
mの細孔を主とする活性炭が望ましい吸着材であると言
える。以上のように、直径が1nm以上の細孔を多く含
む活性炭は、塩素系冷媒用潤滑油(A)を効率よく吸着
除去できるので望ましい吸着材である。さらに、直径が
3nm以上の細孔が少ない活性炭、即ち、細孔直径が3
nm以下を主とする活性炭は、非塩素系冷媒用潤滑油
(B)に添加する添加剤を吸着除去しないので、非塩素
系冷媒用潤滑油(B)に添加剤を添加する場合でも、添
加剤の量が変化せず添加剤の効果が保持できる点、添加
剤の追加補充が不要である点で、より望ましい吸着材で
ある。
【0032】
【発明の効果】この発明に係る冷凍機システムの冷媒置
換方法は、冷凍機システム内に充填された塩素系冷媒用
潤滑油(A)を含む塩素系冷媒を、非塩素系冷媒潤滑油
を含む非塩素系冷媒に置換する際に、冷凍機システム内
に残留する塩素系冷媒用潤滑油(A)を分離回収するこ
とができる。
【0033】また吸着材が、直径1nm以上の細孔を含
む活性炭であるので、冷凍機システム内に残留する塩素
系冷媒用潤滑油(A)を効率よく除去することができ
る。
【0034】この発明に係る潤滑油分離回収装置は、冷
媒中の塩素系冷媒用潤滑油(A)を分離回収することが
できる。
【0035】この発明に係る冷凍機システムは、冷凍機
システムに充填された冷媒中の塩素系冷媒用潤滑油
(A)を分離回収することができる。このため冷凍機シ
ステム内で潤滑油が冷媒から分離することにより、潤滑
油が枯渇し、潤滑性能が低下するという問題を防ぐこと
ができ、飛躍的に冷凍機システムの信頼性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の潤滑油分離回収装
置の構成を説明する図である。
【図2】 この発明に用いる活性炭の細孔分布を示す図
である。
【図3】 従来の潤滑油分離回収方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
21 冷媒導入口、22 冷媒回収容器、26 吸着
材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系冷媒用潤滑油(A)を含有する塩
    素系冷媒が充填された冷凍機システムから、当該塩素系
    冷媒を排出する工程と、 上記冷凍機システム内に、非塩素系冷媒用潤滑油(B)
    を含有する非塩素系冷媒を導入する工程と、 上記冷凍機システムから、導入された上記非塩素系冷媒
    を主とする内部冷媒を冷媒回収容器に回収して分相処理
    に付すことにより、当該冷凍機システム内に残留する上
    記塩素系冷媒用潤滑油(A)の相と上記非塩素系冷媒の
    相とを分離する工程と、 分離された上記非塩素系冷媒の相を、上記塩素系冷媒用
    潤滑油(A)を吸着除去しうる吸着材と接触させた後、
    上記冷凍機システム内へ再導入する工程と、を備えてな
    る冷凍機システムの冷媒置換方法。
  2. 【請求項2】 吸着材が、直径1nm以上の細孔を含む
    活性炭である請求項1記載の冷凍機システムの冷媒置換
    方法。
  3. 【請求項3】 冷媒が充填された冷凍機システムに接続
    可能な冷媒導入口を備え、導入された冷媒を所定時間保
    持しうる冷媒回収容器と、 上記冷媒回収容器から上記冷凍機システムへ冷媒を供給
    しうる冷媒供給管路を備え、この冷媒供給管路に、塩素
    系冷媒用潤滑油(A)を吸着除去しうる吸着材を介在せ
    しめてなる潤滑油分離回収装置。
  4. 【請求項4】 冷媒が充填された冷凍機システムと、こ
    の冷凍機システムに接続された冷媒導入口を備え、導入
    された冷媒を所定時間保持しうる冷媒回収容器と、上記
    冷媒回収容器から上記冷凍機システムへ冷媒を供給しう
    る冷媒供給管路を備え、この冷媒供給管路に、塩素系冷
    媒用潤滑油(A)を吸着除去しうる吸着材を介在せしめ
    てなる冷凍機システム。
JP2001073861A 2001-03-15 2001-03-15 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム Pending JP2002277113A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073861A JP2002277113A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073861A JP2002277113A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002277113A true JP2002277113A (ja) 2002-09-25

Family

ID=18931228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001073861A Pending JP2002277113A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002277113A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305789A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート用型枠離型剤及びコンクリートの打設方法
JP2005305788A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート製品またはコンクリート構造物の製造・構築方法
JP2010032126A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Mitsubishi Electric Corp 空気調和装置
CN109444338A (zh) * 2018-11-16 2019-03-08 天津大学 一种测试多种材料与制冷剂润滑油兼容性测试系统及方法
CN113007913A (zh) * 2019-12-20 2021-06-22 青岛海尔空调电子有限公司 冷水机组及其控制方法
WO2021153137A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05 ダイキン工業株式会社 冷凍装置の冷媒置換方法、冷凍機油、および容器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305789A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート用型枠離型剤及びコンクリートの打設方法
JP2005305788A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート製品またはコンクリート構造物の製造・構築方法
JP4531438B2 (ja) * 2004-04-21 2010-08-25 株式会社熊谷組 コンクリート製品またはコンクリート構造物の製造・構築方法
JP4579571B2 (ja) * 2004-04-21 2010-11-10 株式会社熊谷組 コンクリートの打設方法
JP2010032126A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Mitsubishi Electric Corp 空気調和装置
CN109444338A (zh) * 2018-11-16 2019-03-08 天津大学 一种测试多种材料与制冷剂润滑油兼容性测试系统及方法
CN113007913A (zh) * 2019-12-20 2021-06-22 青岛海尔空调电子有限公司 冷水机组及其控制方法
WO2021153137A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05 ダイキン工業株式会社 冷凍装置の冷媒置換方法、冷凍機油、および容器
CN115066585A (zh) * 2020-01-31 2022-09-16 大金工业株式会社 制冷装置的制冷剂替换方法、冷冻机油以及容器
CN115066585B (zh) * 2020-01-31 2023-06-02 大金工业株式会社 制冷装置的制冷剂替换方法
US11808499B2 (en) 2020-01-31 2023-11-07 Daikin Industries, Ltd. Method for replacing refrigerant in refrigeration apparatus, refrigerating machine oil, and container

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5754926B2 (ja) 冷媒処理装置
WO2007006044A1 (en) Combined method and apparatus for recovering and reclaiming refrigerant, solvent flushing, and refrigerant recharging
KR100519150B1 (ko) 냉동 사이클장치
JP2002277113A (ja) 冷凍機システムの冷媒置換方法、潤滑油分離回収装置及び冷凍機システム
EP1591730B1 (en) Refrigerant pipe washing method
KR20030009452A (ko) 냉매 및 기름 회수운전방법, 및 냉매 및 기름의회수제어장치
JP2001201215A (ja) 冷凍機油除去方法及び冷凍機油除去装置
US5946921A (en) Method for repairing HFC refrigerant system
JP4186472B2 (ja) 冷凍機システムの冷媒置換方法、塩化鉄除去装置及び冷凍機システム
JPH11201588A (ja) 冷凍システム
JP2004333121A (ja) 空気調和装置の更新方法、及び、空気調和装置
JP2005048097A (ja) サイクル洗浄方法およびサイクル洗浄用洗浄剤
JP3360575B2 (ja) 冷媒回収方法
JP2004333121A5 (ja)
US5770048A (en) Method for removal of acid from compressor oil
JP4517834B2 (ja) 既設冷媒配管の利用方法
JP2002107011A (ja) 冷凍サイクル装置の洗浄運転方法
JP3680740B2 (ja) 既設冷媒配管の利用方法、空気調和機の設置方法、空気調和機
JP2007085643A (ja) 空気調和システムの洗浄方法およびこれに用いる室外機
JP2004218972A (ja) 冷凍機システムの冷媒置換方法、塩化鉄除去装置及び冷凍機システム
JPH06249551A (ja) 潤滑油分離回収方法及び冷凍機レトロフィット方法
JP4425457B2 (ja) 冷凍サイクル装置およびその運転方法
JP2010032126A (ja) 空気調和装置
JP3271437B2 (ja) 冷凍装置の不純物除去方法
JP2003221596A (ja) 冷却システムまたはヒートポンプシステムのサイクル洗浄用洗浄剤

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040702