JP2002276808A - ピストン部構造 - Google Patents
ピストン部構造Info
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Abstract
内壁面とで発生する面圧を必要以上に高くしないように
することと、シリンダチューブの耐摩耗性を向上させる
ことである。 【解決手段】 シリンダチューブ内に軸方向に移動可能
に設けた金属製のピストン本体1と、このピストン本体
の外周面を覆う樹脂製のピストンリング5とからなり、
上記ピストンリングは、筒状のリング本体5aと、その
側面外周に形成した環状突部5dとを備え、この環状突
部を上記シリンダチューブの内壁面4に接触させるとと
もに、上記環状突部の軸方向断面の輪郭をなだらかな曲
線にした。
Description
用いるシリンダ装置のピストン部構造に関する。
ン部は、図4に示すように、ピストン本体1に、ピスト
ンリング2を被せた構成にしている。ピストン本体の外
周には、複数の環状凹部1aを形成している。図4で
は、シリンダチューブを図示していないが、図示したピ
ストン部をシリンダチューブ内に挿入してシリンダとし
て使用する。なお、図中、符号3はピストンロッドであ
る。また、上記ピストンリング2は、四フッ化エチレン
樹脂などの摩擦係数の低い材料で作られた筒状のリング
本体2a、リップ部2b、ピストン本体1側に形成した
複数の内側環状突部2cとで構成されている。上記内側
環状突部2cを、ピストン本体1に形成した環状凹部1
aにはめ込むことにより、リング本体2aが、ピストン
本体1から脱落しないように機能させている。
おいて、図示しないシリンダーチューブ側、すなわちピ
ストン本体1に対して外側に向けて形成された部分であ
る。上記ピストン部をシリンダチューブに挿入したとき
に、リップ2bが、シリンダチューブの内壁面面に接触
するようにしている。つまり、ピストン本体1は、リッ
プ2bを介して、シリンダチューブ内を摺動する。
内壁面とリップ2bとの間には、油膜が形成され、これ
によって摺動性を保っている。また、上記リップ部2b
は、外側に向けて形成されていることにより、ピストン
リング2とシリンダチューブ間から圧油などが漏れ出す
のを防ぐ役割を果たしている。
ンリング2のリップ2bは、シリンダチューブ内壁面に
は、上記リップ2bのエッヂ部が接触するようにしてい
る。また、リップ2bは、シリンダチューブに向かって
開いているので、高圧室側に作動媒体の圧力が発生した
ときに、その圧力によってさらに外側に開く。このよう
に、リップ2bは、エッヂ部で、シリンダチューブに接
しているうえ、高圧室側の圧力が高くなれば、それにと
もなって、シリンダチューブへの押圧力も高くなる。す
なわち、リップ2bとシリンダチューブ内壁との接触部
での面圧が非常に高くなる。この面圧の発生状況を図5
に示している。
って、変形したリップ2bを実線で示し、シリンダへ挿
入前のリップ2b状態を破線で示している。図5に示す
ように、リップ2bとシリンダチューブ内壁面4との接
触面積が小さいので、面圧分布P1のピーク値が高くな
る。そのため、リップ2bによって油膜が薄く規制さ
れ、時には油膜が切れてしまうこともある。このよう
に、油膜が薄すぎたり、油膜切れが発生した場合には、
ピストンリング2の摺動性が悪くなるので、シリンダが
滑らかに作動しなくなる。シリンダが滑らかに作動しな
ければ、シリンダから衝撃が発生するようなことも起こ
り、それを緩衝装置として用いることができない。
常に大きな面圧が作用するので、このエッヂ部が摩耗し
易く、ピストンリングの寿命が短いという問題もあっ
た。この発明の目的は、ピストンリングのリップとシリ
ンダチューブ内壁面とで発生する面圧を必要以上に高く
しないようにすることである。また、別の目的は、シリ
ンダチューブの耐摩耗性を向上させることである。
チューブ内に軸方向に移動可能に設けた金属製のピスト
ン本体と、このピストン本体の外周面を覆う樹脂製のピ
ストンリングとからなり、上記ピストンリングは、筒状
のリング本体と、その側面外周に形成した環状突部とを
備え、この環状突部を上記シリンダチューブの内壁面に
接触させるとともに、上記環状突部の軸方向断面の輪郭
をなだらかな曲線にした点に特徴を有する。なお、上記
なだらかな曲線とは、曲線の曲率が小さいことを言う。
そして、小さい曲率とは、この発明において、上記環状
突部とシリンダチューブ内壁面とがある程度の面積を持
った面で接触する程度の曲率である
し、ピストンリングの、軸方向の端部のうち少なくとも
一方に、ピストン本体側に折り曲げた折り曲げ部を形成
し、上記折り曲げ部の内周側エッヂをピストン本体外周
に当接させた点に特徴を有する。第3の発明は、上記第
2の発明を前提とし、折り曲げ部によって、リング本体
の側面外周に突出した環状突部を形成した点に特徴を有
する。
例を示す。図1に示すピストン部は、ピストンリング5
が、図4のピストンリング2と異なる以外は、上記従来
例と同様である。上記ピストンリング5は、リング本体
5aに、その軸方向端部に、折り曲げ部5bを形成して
いる。この折り曲げ部5bは、リング本体5の端部に形
成されている。そして、リング本体5の側面外周には、
上記折り曲げ部5bを形成することによって、環状突部
5dが形成される。この環状突部5dの断面は、その輪
郭が外側に向かう滑らかな曲線になっている。また、折
り曲げ部5bの内周側エッヂ5eは、ピストン本体1に
当接するようにしている。なお、ピストン本体1におい
て、内周側エッヂ5eが当接する部分は、環状凹部1a
と同じ径にしている。なお、図1中、符号5cは、ピス
トン本体1に形成した環状凹部1aにはめ込ませた内側
環状突部である。
ューブ内に挿入した時の面圧の分布を図2に示してい
る。図2で、破線で示した折り曲げ部5bが、シリンダ
チューブに挿入する前の状態であり、実線で示したの
が、シリンダチューブに挿入した時の状態である。上記
環状突部5dは、断面がなだらかな山状になっているの
で、シリンダチューブの内壁面4とは面で接する。さら
に、ピストン部をシリンダに挿入すると、シリンダチュ
ーブ内壁面4で押しつぶされるので、内壁面4との接触
面積はより大きくなる。そのため、面圧分布P2は、図
5のP1と比べて、そのピークが低くなる。
動性は安定する。また、摺動部分の耐摩耗性が上がり、
ひいては、ピストンリング5の耐久性が高まることにな
る。また、シリンダ内壁面4とピストンリング5の外周
とが面で接触しているので、圧油漏れも防止し易い。
5eが、ピストン本体1の外周に当接した状態で、ピス
トンをシリンダに挿入するので、上記内周側エッジ5e
がピストン本体1の外周に押し付けられる。これによ
り、ロッド側室が高圧になったとしても、圧油が、上記
内周側エッヂ5eとピストン本体1との間に入り込みに
くい。もしも、上記内周側エッヂ5eとピストン本体1
との間に圧油が入り込んだ場合には、油圧によって上記
折り曲げ部5bを外側へ押し付ける方向の力が作用する
ことになる。このような力が作用すれば、折り曲げ部5
bが伸ばされるとともに、シリンダチューブ内壁面4に
対する押圧力が大きくなる。
が大きくなると、従来と同様に、油膜が切れて摺動性が
悪くなったり、摺動部分が摩耗し易くなったりしてしま
う。また、折り曲げ部5bが伸ばされて、さらに、外側
に向かう圧力が大きく作用すれば、上記ピストンリング
5が、ピストン本体1からはずれてしまうようなことも
起こる。しかし、この第1実施例によれば、上記折り曲
げ部5bとピストン本体1との間に、圧油が入りにく
く、外側へ向かう力が作用しないので、油膜が切れ難く
なって、摺動性が保たれるとともに、ピストンリング5
の摺動部分の耐摩耗性も向上する。
に設けた樹脂製のピストンリング6の形状が、図1のピ
ストンリング5と異なる。上記ピストンリング6は、リ
ング本体6aに、内側環状突部6cを備えている。ま
た、上記リング本体6aの軸方向両端に折り曲げ部6
b、6fを形成している。折り曲げ部6bは、図1に示
した第1実施例の折り曲げ部5bと全く同じ構成であ
る。すなわち、折り曲げ部6bには、環状突部6dと内
周側エッヂ6eとを備えている。そして、この折り曲げ
部6bは、上記折り曲げ部5bと同じ効果を発揮する。
また、折り曲げ部6bと反対側の端部、ボトム側室に形
成した折り曲げ部6fは、環状突部6gと、内周側エッ
ヂ6hとを備えている。そして、上記内周側エッヂ6h
は、ピストン本体1において、環状溝1aと同じ径にし
たボトム側室端部に当接させている。また、図3中、符
号6cは、ピストン本体1に形成した環状凹部1aには
め込ませた内側環状突部である。ただし、他の構成は、
第1実施例と同様である。
部6gを形成し、この環状突部6gの頂上を、なだらか
な曲面にしている。そして、上記環状突部6gがシリン
ダチューブの内壁面との摺動部分になる。この環状突部
6gも、上記環状突部6bと同様に、シリンダチューブ
内壁面に対して、広い接触面積で接触することになる。
そのため、従来のように、エッジで、接触する場合と比
べて、面圧が小さくなり、油膜切れや、摩耗の心配が少
ない。
1の軸方向両端に折り曲げ部6bと6fとを形成してい
る。そのため、ロッド側室が高圧になったときには、折
り曲げ部6bの内周側エッヂ6eによって、高圧がリン
グ本体6aの内周側に入り込むことを防止し、ボトム側
室が高圧になったときには、折り曲げ部6fの内周側エ
ッヂ6hによって、高圧がリング本体6aの内側に入り
込むことを防いでいる。そのため、どちらの室が、高圧
になっても、その圧力によって、ピストンリング6のシ
リンダーチューブ内壁面に対する押圧力が変化したり、
高くなりすぎることがない。したがって、油膜切れや、
摩耗の心配も少ない。すなわち、摺動性を保持すること
ができる。
d、第2実施例における環状突部6d、6gが、軸方向
断面の輪郭を曲線にしたこの発明の環状突部である。そ
して、上記第1、第2実施例では、上記環状突部を、折
り曲げ部5b、6b、6fと一体に形成しているが、上
記環状突部と折り曲げ部とが 別々に形成されるもので
あってもかまわない。例えば、リング本体の軸方向中央
部に環状突部を設け、折り曲げ部を、リング本体の両端
に形成することもできる。また、リング本体の内周側エ
ッヂをピストン本体に当接させない構成にして、リング
本体の外周に環状突部を形成して、そこをシリンダチュ
ーブ内壁面に摺動させる構成にするだけでも、油膜切れ
や、摩耗に対する効果は期待できる。
内壁面に対する面圧が小さくできるので、油膜切れや、
ピストンリングの摩耗という問題を防止することができ
る。したがって、安定した摺動性を維持することができ
る。
リンダチューブ内壁面に対する押圧力が、ピストン本体
で区画されたそれぞれの室の圧力に依存しにくくなる。
そのため、ピストン部の摺動性が安定するとともに、ど
ちらかの室が高圧になったとしても、それによって、摺
動性が変化したり、ピストンリングが摩耗し易くなるこ
とがない。したがって、安定した摺動性を維持すること
ができる。第3の発明によれば、ピストン本体外周に当
接させる内周側エッジと、シリンダチューブ内壁面に接
触させる環状突部とを同時に形成することができる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 シリンダチューブ内に軸方向に移動可能
に設けた金属製のピストン本体と、このピストン本体の
外周面を覆う樹脂製のピストンリングとからなり、上記
ピストンリングは、筒状のリング本体と、その側面外周
に形成した環状突部とを備え、この環状突部を上記シリ
ンダチューブの内壁面に接触させるとともに、上記環状
突部の軸方向断面の輪郭をなだらかな曲線にしたことを
特徴とするピストン部構造。 - 【請求項2】 ピストンリングの、軸方向の端部のうち
少なくとも一方に、ピストン本体側に折り曲げた折り曲
げ部を形成し、上記折り曲げ部の内周側エッヂをピスト
ン本体外周に当接させた請求項1に記載のピストン部構
造。 - 【請求項3】 折り曲げ部によって、リング本体の側面
外周に突出した環状突部を形成した請求項2に記載のピ
ストン部構造。
Priority Applications (1)
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- 2001-03-16 JP JP2001075326A patent/JP4683749B2/ja not_active Expired - Fee Related
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