JP2002274975A - ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法 - Google Patents

ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002274975A
JP2002274975A JP2001080078A JP2001080078A JP2002274975A JP 2002274975 A JP2002274975 A JP 2002274975A JP 2001080078 A JP2001080078 A JP 2001080078A JP 2001080078 A JP2001080078 A JP 2001080078A JP 2002274975 A JP2002274975 A JP 2002274975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous concrete
filler
porous
voids
cured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001080078A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Oyahayashi
和生 親林
Akihiko Karasawa
明彦 唐沢
Katsuro Mizukami
克朗 水上
Tamotsu Tsuchida
保 土田
Yuji Kato
裕二 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp, Maeta Concrete Industry Ltd filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2001080078A priority Critical patent/JP2002274975A/ja
Publication of JP2002274975A publication Critical patent/JP2002274975A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冬期の気温が0℃以下に下がる地域において
も、長期に亘って強度が低下することなく、好適に使用
することのできるポーラスコンクリート硬化体を提供す
る。 【解決手段】 本発明のポーラスコンクリート硬化体
は、連続空隙を有する多孔性の硬化体であるポーラスコ
ンクリート本体部(粗骨材1及びセメントペーストまた
はモルタル2)と、ポーラスコンクリート本体部の連続
空隙内に充填される充填物3とからなる。充填物3は、
空隙を有する微細な無機系物質(例えば、パーライト、
土壌等)、空隙もしくは吸水性を有する有機系物質(例
えば、ピートモス、合成樹脂発泡体、ポリビニルアルコ
ール系共重合体等)、またはゴム状物質(例えば、スチ
レンゴム等)からなり、好ましくは、3mm以下の最大寸
法を有する粒状物または繊維状物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分の凍結の生じ
易い寒冷地等で好適に用いられるポーラスコンクリート
硬化体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、凍結融解に対して抵抗性を有する
コンクリートを得るために、例えば、高性能AE減水剤
等の混和剤を混入して、コンクリート中に微細な独立気
泡を形成させることが知られている。この場合、凍結融
解を繰り返す際にコンクリート内に発生する氷圧が、微
細な独立気泡によって緩和されることから、凍結融解抵
抗性が得られるものである。
【0003】また、凍結融解抵抗性を得るための他の方
法として、例えば、次のような技術が提案されている。
特開平11-189454号公報には、ポゾラン反応を呈する中
空体をコンクリート中に分散させておき、凍結融解抵抗
性を得る技術が開示されている。この場合、ポゾラン反
応を呈する中空体が、コンクリート中の水酸化カルシウ
ムと徐々に反応して、当該中空体を構成する成分が溶解
し、微細な空気泡がコンクリート中に形成される。形成
された空気泡は、氷圧を吸収し、コンクリートの強度低
下を防止する。また、特開平8-188458号公報には、空気
量をコントロールするための消泡剤と共に、高分子系の
中空微小球及び高炉スラグ粉末を配合することによっ
て、コンクリート組成物に凍結融解抵抗性を付与する技
術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、河川の護岸等に
おける植栽可能なコンクリートブロック等の用途におい
て、ポーラスコンクリートが用いられるようになってい
る。しかし、ポーラスコンクリート内の連続空隙に水が
浸入し、この水が凍結融解を繰り返した場合には、ポー
ラスコンクリートの強度が低下する可能性がある。特
に、冬期の気温が0℃以下に下がる地域(寒冷地、降雪
地域等)においては、凍結融解が繰り返される回数が多
いため、凍結融解に際して生じる氷圧がポーラスコンク
リートに悪影響を与えぬように、予め対策を講ずるべき
である。
【0005】しかしながら、上記従来の技術をポーラス
コンクリートに適用した場合、凍結融解抵抗性を付与す
るための成分(中空体等)は、セメント、骨材、水等と
共にコンクリートマトリックスの材料として配合されて
いるため、ポーラスコンクリートの連続空隙内に浸入し
た水の凍結融解に起因する氷圧に対しては何ら有効な緩
和作用を示すものではない。したがって、本発明の目的
は、冬期の気温が0℃以下に下がる地域(寒冷地、降雪
地域等)においても好適に使用されるポーラスコンクリ
ート硬化体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討したところ、ポーラスコンクリ
ート硬化体の連続空隙内に充填物を予め充填して、凍結
融解抵抗性を付与することによって、冬期の気温が0℃
以下に下がる地域(寒冷地、降雪地域等)においても、
長期間、ポーラスコンクリート硬化体の強度が低下せず
に維持されることを見出し、本発明に到達したものであ
る。
【0007】すなわち、本願請求項1に記載のポーラス
コンクリート硬化体は、連続空隙を有する多孔性の硬化
体であるポーラスコンクリート本体部と、該ポーラスコ
ンクリート本体部の連続空隙内に充填された充填物とか
らなり、凍結融解抵抗性を有することを特徴とする。こ
のように構成すれば、冬期の気温が0℃以下に下がる地
域(寒冷地、降雪地域等)においても、長期間、ポーラ
スコンクリート硬化体の強度は、低下せずに維持され
る。ここで、上記充填物としては、例えば、空隙を有す
る無機系物質、空隙もしくは吸水性を有する有機系物
質、またはゴム状物質が用いられる(請求項2)。より
具体的には、上記充填物は、例えば、パーライト等の火
山性ガラス質鉱物系発泡体、バーミキュライト等の蛭石
系発泡体、ガラスカレット発泡体、膨張頁岩、軽石、火
山性岩石、中空セラミックス、電気炉酸化スラグ粒化
物、土壌(以上、空隙を有する無機系物質の例であ
る。)、ポリビニルアルコール系共重合体等の吸水性樹
脂、結晶セルロース等のセルロース、発泡スチロール等
の合成樹脂発泡体、ピートモス等の植物片もしくは植物
繊維、微細な網目構造を有する化学繊維(以上、空隙も
しくは吸水性を有する有機系物質の例である。)、ゴム
状物質の中から選ばれる一種以上からなる(請求項
3)。上記充填物は、好ましくは、3mm以下の最大寸法
(ただし、粒状物の場合には、最大粒径を意味し、繊維
状物の場合には、長さを意味する。)を有する(請求項
4)。上記ポーラスコンクリート本体部は、好ましく
は、粗骨材の粒径が10〜40mm、水セメント比が18〜25
%、セメント量が150〜350kg/m3、空隙率が25〜35%で
ある(請求項5)。
【0008】次に、本願請求項6に記載のポーラスコン
クリート硬化体の製造方法は、連続空隙を有する多孔性
のポーラスコンクリート本体部を作製して硬化させた
後、該ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内に、空
隙を有する無機系物質、空隙もしくは吸水性を有する有
機系物質、またはゴム状物質からなる充填物を充填し
て、凍結融解抵抗性を有するポーラスコンクリート硬化
体を得ることを特徴とする。ここで、上記充填物は、例
えば、振動を付与しつつ、乾燥した固体の形態で充填さ
れることができる(請求項7)。あるいは、上記充填物
は、スラリーの形態で充填されることができる(請求項
8)。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポーラスコンクリート硬化体は、連続空隙を有
する多孔性の硬化体であるポーラスコンクリート本体部
(通常、20%以上の空隙率を有する。)と、該ポーラス
コンクリート本体部の連続空隙内に充填された充填物と
からなり、凍結融解抵抗性を有するものである。ここ
で、ポーラスコンクリート本体部の「連続空隙」とは、
ポーラスコンクリート本体部の表面から内部にまで連続
的に形成されている空隙を意味する。なお、ポーラスコ
ンクリート本体部は、多数の連続空隙を有しているた
め、河川の護岸等に用いた場合に草木類の植栽が可能で
あり、また、水の浄化作用を有することができる。ま
た、本明細書中で、本発明と関連させて用いられる「凍
結融解抵抗性」の語は、冬期の温度が0℃以下に下がる
場所において、雨水及び降雪に曝される屋外にポーラス
コンクリート硬化体を2年間放置した場合に、当該ポー
ラスコンクリート硬化体のセメントペーストまたはモル
タルの部分にクラックやひび割れが生じず、かつ、当該
ポーラスコンクリート硬化体の圧縮強度の低下が初期値
(放置前)の5%以内に収まる程度に、凍結融解に対す
る抵抗性を有することを意味する。なお、コンクリート
の凍結融解試験方法としては、ASTM C666があるが、こ
の方法をポーラスコンクリートに応用すると、通常、30
0サイクルまではもたず、破壊されてしまう。この試験
方法は、実際の環境よりもはるかに厳しい条件である。
そこで、凍結融解抵抗性を評価するために、簡易的に用
いられる試験方法として、圧縮強度試験を採用したもの
である。
【0010】図1は、本発明のポーラスコンクリート硬
化体を部分的に拡大して示す断面図である。図1中、ポ
ーラスコンクリート硬化体は、粗骨材1及びセメントペ
ースト又はモルタル2とからなる硬化体であるポーラス
コンクリート本体部と、ポーラスコンクリート本体部内
の連続空隙内に充填された充填物3とからなる。
【0011】本発明のポーラスコンクリート硬化体の主
要部分を構成するポーラスコンクリート本体部は、例え
ば、適当な配合割合で粗骨材、セメント等の材料を混練
した後、流し込み、または振動締め固めによって成形さ
れる。成形後、20℃で24時間の養生、または65℃で4時
間の養生が行なわれる。この際、良質な粗骨材、AE剤
等の材料を用いること、及び、適切な水セメント比、単
位水量、空気量等を設定することに留意すべきである。
【0012】ポーラスコンクリート本体部の好適な例と
しては、粗骨材の粒径が10〜40mm、水セメント比が18〜
25%、セメント量が150〜350kg/m3、空隙率が25〜35%
であるものが挙げられる。すなわち、一般的に、ポーラ
スコンクリート本体部内に形成される連続空隙を閉塞さ
せないために、空隙率を25〜35%に調整することが好ま
しい。また、ハンドリングに必要な最低強度8N/mm2以上
を得るために、水セメント比が18〜25%で、セメント量
が150〜350kg/m3の範囲内となるように調整することが
好ましい。水セメント比が18%未満では、成型が困難と
なり、25%を超えると、ペースト垂れを起こし、空隙を
閉塞してしまう。セメント量が150kg/m3未満では、所定
の強度を確保することが困難となり、350kg/m3を超える
と、所定の空隙率を確保することが困難となる。空隙率
が25%未満では、所定の機能を付加することが困難とな
り、35%を超えると、所定の強度を確保することが困難
となる。
【0013】ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
に充填される充填物としては、例えば、空隙を有する無
機系物質、空隙もしくは吸水性を有する有機系物質、ま
たはゴム状物質が用いられる。これらの物質は、水が浸
入できない空洞(独立空隙等)を有していたり、あるい
は、外からの圧力に対して緩衝作用を示す構造(外力に
対して変形またはゴム弾性を示すことによって該外力を
吸収する網目構造等の構造)を有しているため、水の凍
結による膨張圧に対して緩和作用を示す。なお、空隙を
有する無機系物質、空隙もしくは吸水性を有する有機系
物質、ゴム状物質は、各々、単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0014】ここで、空隙を有する無機系物質として
は、例えば、パーライト(特に、黒曜石を原料とするも
の)で例示される火山性ガラス質鉱物系発泡体、バーミ
キュライトで例示される蛭石系発泡体、ガラスカレット
発泡体、膨張頁岩、軽石、火山性岩石、中空セラミック
ス、電気炉酸化スラグ粒化物、土壌(特に団粒構造を有
する土壌)等が挙げられる。なお、空隙の形態として
は、微細な連続空隙、独立空隙、団粒構造等が挙げられ
る。
【0015】空隙もしくは吸水性を有する有機系物質と
しては、例えば、ポリビニルアルコール系共重合体やア
クリル酸・アクリル酸ナトリウム共重合架橋体やアルギ
ン酸カルシウム等の吸水性樹脂、結晶セルロースや広葉
樹パルプ粉砕品等のセルロース、発泡ポリスチレンや発
泡ポリウレタンや発泡ポリプロピレン等の合成樹脂発泡
体、ピートモスやヤシ殻繊維等の植物片もしくは植物繊
維、微細な網目構造を有する化学繊維等が挙げられる。
【0016】ゴム状物質としては、例えば、スチレンゴ
ム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム
等の石油合成ゴム、シリコーンゴム、天然ゴム等が挙げ
られる。
【0017】充填物(具体的には、空隙を有する無機系
物質や、空隙もしくは吸水性を有する有機系物質や、ゴ
ム状物質)の最大寸法は、ポーラスコンクリート本体部
の連続空隙内への充填に際しての作業効率を考慮する
と、当該連続空隙の最大空隙径(孔の断面の最大寸法)
と同等以下とするのが好ましい。ここで、充填物の最大
寸法とは、粒状物の場合には最大粒径であり、繊維状物
の場合には、長さである。具体的には、ポーラスコンク
リート本体部の粗骨材の粒径が15〜25mmで、空隙率(ポ
ーラスコンクリート本体部の全体積中に占める連続空隙
の割合)が28%である場合には、充填物の最大寸法は、
1.2mm以下とするのが好ましい。また、ポーラスコンク
リート本体部の粗骨材の粒径が20〜40mmで、空隙率が35
%である場合には、充填物の最大寸法は、3.0mm以下と
するのが好ましい。充填物の最大粒径が3.0mmを超える
と、粒径3.0mmを超える充填物は、空隙の中に入ってい
かず、また、粒径3.0mmを超える充填物が、空隙の入口
を塞ぎ、粒径3.0mm以下の充填物の充填を阻害してしま
う。なお、充填物は、ポーラスコンクリート硬化体のコ
ンクリートマトリックス中に含まれるものではないの
で、当該充填物中に空隙を有していても、あるいは、比
重が低くても、ポーラスコンクリート硬化体の強度には
何ら影響を与えることがない。
【0018】ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
に水を充満させた場合において、ポーラスコンクリート
本体部の連続空隙の全体積(100%)中に占める充填物
の固相と気相(独立空隙)の合計量(容積比)は、好ま
しくは15%以上であり、より好ましくは20%以上であ
る。該合計量(容積比)の上限は、特に制限されない
が、通常、40%以下である。例えば、ポーラスコンクリ
ート本体部の空隙率が30%であって、ポーラスコンクリ
ート本体部の連続空隙中にパーライトを65体積%充填さ
せた場合、パーライトの含水率(パーライトの全体積中
に占めるパーライトが自ら吸収した水の割合)は、67%
である。この場合、パーライトの全体積中に占める固相
と気相(独立空隙)の合計量は、33%である。したがっ
て、ポーラスコンクリート本体部の連続空隙の全体積
(100%)中に占める充填物(パーライト)の固相と気
相(独立空隙)の合計量は、21%である。すなわち、こ
の程度の大きさの空隙部分(充填物の固相と気相(独立
空隙)の合計)が存在すれば、水が凍結して膨張した場
合(体積増加率9%)に、その膨張分(増加分)の体積
を当該空隙部分によって吸収することができる。
【0019】次に、本発明のポーラスコンクリート硬化
体の製造方法について説明する。本発明のポーラスコン
クリート硬化体の製造方法は、連続空隙を有する多孔性
のポーラスコンクリート本体部を作製して硬化させる工
程と、凍結融解抵抗性を付与するために、硬化後のポー
ラスコンクリート本体部の連続空隙内に、充填物を充填
する工程とからなる。
【0020】ここで、充填物を充填する方法としては、
(a)ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内に、乾
燥させた充填物を、振動を付与しつつ充填する方法(振
動による充填方法)、(b)充填物をスラリーとして、
該スラリーをポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
に流し込む方法(流し込みによる充填方法)、(c)充
填物をスラリーとして、該スラリーの中にポーラスコン
クリート本体部を沈降させる方法(沈降による充填方
法)等が挙げられる。
【0021】上記の(a)の方法(振動による充填方
法)は、好ましくは、以下の工程、すなわち、(A)連
続空隙を有する多孔性のポーラスコンクリート本体部を
作製して硬化させる工程と、(B)硬化後の該ポーラス
コンクリート本体部を、乾燥器内で乾燥させる工程と、
(C)乾燥させた上記ポーラスコンクリート本体部の連
続空隙内に、空隙部分を有する充填物を、振動を付与し
つつ充填する工程とからなる。なお、上記工程(B)の
乾燥は、例えば、室温〜80℃で、4〜12時間、強制循環
式乾燥器内で行なわれる。また、上記工程(C)の充填
物として、水分を含有するもの(例えば、土壌等)を用
いる場合には、当該工程(C)の前に、充填物を乾燥さ
せる工程(例えば、80〜105℃で、4〜48時間の乾燥器内
での乾燥)を加えることが好ましい。ポーラスコンクリ
ート本体部(及び必要に応じて充填物)を乾燥させるこ
とによって、ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
への充填物の充填を円滑かつ迅速に行なうことができる
とともに、連続空隙内の隅々まで充填物を行き渡らせる
ことができるため、より確実に凍結融解抵抗性を付与す
ることができる。
【0022】上記工程(C)の後、さらに、ポーラスコ
ンクリート硬化体(すなわち、ポーラスコンクリート本
体部に充填物を充填したもの)の表面に養生材を噴霧し
て、充填物を固定する工程を加えることが好ましい。こ
の養生材としては、例えば、酢酸ビニル系緑化工養生
材、アスファルト乳剤、スチレンブタジエンゴム、アク
リル系樹脂、ポリウレタン樹脂、澱粉やニカワから作ら
れる糊等が挙げられる。例えば、酢酸ビニル系緑化工養
生材を噴霧すると、該養生剤の乾燥後、充填物がポーラ
スコンクリート本体部の連続空隙内に三次元の網目状構
造を形成して固定され、こぼれなくなるとともに、ポー
ラスコンクリート本体部の連続空隙内への水及び空気の
通行も確保される。
【0023】上記の(b)の方法(流し込みによる充填
方法)は、好ましくは、以下の工程、すなわち、(A)
連続空隙を有する多孔性のポーラスコンクリート本体部
を作製して硬化させる工程と、(B)充填物のスラリー
を調製する工程と、(C)硬化後のポーラスコンクリー
ト本体部の上方から、充填物のスラリーを流し込み、さ
らにその上からローラープレート等で振動を与えて、ポ
ーラスコンクリート本体部の連続空隙内にスラリーを充
填させる工程とからなる。ここで、スラリーの固形分量
としては、20〜25%が好ましい。なお、上記工程(C)
に際して、ポーラスコンクリート本体部は、上記(a)
の方法(振動による充填方法)による場合と異なり、事
前に乾燥させないようにする。乾燥させると、充填され
るスラリーの濃度が高くなってしまうからである。
【0024】上記の(c)の方法(沈降による充填方
法)は、好ましくは、以下の工程、すなわち、(A)連
続空隙を有する多孔性のポーラスコンクリート本体部を
作製して硬化させる工程と、(B)充填物のスラリーを
調製する工程と、(C)(B)で調製したスラリー中
に、(A)で製造したポーラスコンクリート本体部を沈
めて、連続空隙中の気泡を抜きながら、連続空隙の中に
スラリーを浸入させる工程とからなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実験例を説明する。 [実施例1〜3] (1)ポーラスコンクリート本体部の作製 ポーラスコンクリート本体部の材料として、以下のもの
を用いた。 セメント:普通ポルトランドセメント 粗骨材:砕石A(粒径:10〜15mm) 砕石B(粒径:15〜25mm) 砕石C(粒径:10〜20mm) 混和材:珪石(山形珪石7号;粗粒率:1.4;吸水
率:0%) 混和剤:高性能AE減水剤「マイティー150」
(商品名;花王(株)製) AE剤:「マイティーAE03」(商品名;花王
(株)製)
【0026】上記材料を用いて、次のようにポーラスコ
ンクリート本体部を成形した。型枠(100×100×80mm)
内に不織布(日本バイリーン(株)製、FC-406)を敷い
た後、表1(実施例1〜3)に示す配合割合の材料(混
合物)を型枠内に詰め、即時脱枠式ブロックマシーン
(佐々木式ブロック特2号升)で成形した。その後、4
時間65℃で養生した後、脱枠し、ポーラスコンクリート
本体部を得た。ポーラスコンクリート本体部は、乾燥器
(60℃)中に入れ、12時間乾燥させた。
【0027】
【表1】
【0028】(2)充填物の調製 黒土を乾燥器(105℃)中で12時間、乾燥させた後、自
由粉砕機((株)奈良機械製作所製;M−2型)を用い
て最大粒径が2.5mm以下になるように粉砕した。この粉
砕した黒土にパーライト(三井金属鉱業(株)製;商品
名:加工用1号)を体積比1:1で均一に混合し、充填
物とした。なお、パーライトの粒径分布は、粒度1.2m以
下が100%、粒度0.6mm以下が65〜95%、粒度0.3mm以下
が20〜65%、粒度0.15mm以下が10〜40%である。なお、
本実施例でパーライトと黒土を混合したのは、次の理由
による。すなわち、パーライトのみでは軽すぎて、効率
良く充填することができないため、黒土を混ぜることに
よって比重を高め、充填効率を高めるためである。
【0029】(3)充填物の充填 上述のように乾燥させたポーラスコンクリート本体部
を、振動テーブル上に固定し、ポーラスコンクリート本
体部に振動加速度レベル126dBの鉛直振動を与えなが
ら、充填物をポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
に均一に充填した。その後、ポーラスコンクリート本体
部の連続空隙から充填物がこぼれないようにするため
に、ポーラスコンクリート本体部の側面及び上面に、酢
酸ビニル系緑化工養生材(積水化学工業(株)製;商品
名:エスフィックス)を噴霧して、充填物を固定し、ポ
ーラスコンクリート硬化体を得た。
【0030】(4)曝露試験 実施例1〜3の各実施例について、北海道勇払郡追分町
で5年間に亘って、ポーラスコンクリート硬化体(2
本)を屋外に曝露した。曝露後、ポーラスコンクリート
硬化体からコア(φ100×80mm)(各硬化体毎に3本)
を採取し、圧縮強度試験を行なった。測定結果は、平均
値(6回)で、実施例1が、曝露開始前14.4MPa、曝露
終了後14.7MPaであり、実施例2が、曝露開始前12.5MP
a、曝露終了後13.0MPaであり、実施例3が、曝露開始前
14.6MPa、曝露終了後14.8MPaであり、強度の低下は全く
認められなかった。また、実施例1〜3のいずれにおい
ても、ポーラスコンクリート硬化体のセメントペースト
部分にクラックやひび割れ等は認められなかった。
【0031】[実施例4]実施例3と同様にして、ポー
ラスコンクリート本体部を作製した。その後、ポーラス
コンクリート本体部に、高分子吸水材「アクリホープG
H2」(商品名)(粒径1〜3mm(吸水前)の不定形塊状
物、嵩比重0.7〜1.0、吸水能力150〜250g/g(水道
水)、日本触媒化学工業(株)製)を手で振動を与えな
がら充填し、ポーラスコンクリート硬化体を得た。この
ポーラスコンクリート硬化体を千葉県佐倉市にて5年間
に亘って屋外に曝露したところ、ポーラスコンクリート
硬化体のセメントペースト部分にクラックやひび割れ等
は認められなかった。また、圧縮強度試験の測定結果
は、曝露開始前12.9MPa、曝露終了後12.9MPaであり、強
度の低下は全く認められなかった。
【0032】[実施例5]実施例3と同様にして、ポー
ラスコンクリート本体部を作製した。また、未乾燥黒土
(最大粒径:3mm、江俣商店製、商品名:ヤマトチ園芸
シリーズ)9.6kg、パーライト(三井金属鉱業(株)
製;商品名:加工用1号)0.4kg、水10.0kgをハンドミ
キサーで混合攪拌し、固形分量25%のスラリーを調製し
た。ポーラスコンクリート本体部の上方からスラリーを
静かに流し込み、その上からローラープレートを用いて
振動を与え、ポーラスコンクリート本体部の連続空隙内
にスラリーを充填し、ポーラスコンクリート硬化体を得
た。このポーラスコンクリート硬化体を埼玉県熊谷市に
て2年間に亘って屋外に曝露したところ、ポーラスコン
クリート硬化体のセメントペースト部分にクラックやひ
び割れ等は認められなかった。また、圧縮強度試験の測
定結果は、曝露開始前13.7MPa、曝露終了後13.7MPaであ
り、強度の低下は全く認められなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明のポーラスコンクリート硬化体
は、連続空隙内に存在する水の凍結による膨張圧を緩和
することのできるように構成されているので、冬期の気
温が0℃以下に下がる地域(寒冷地や降雪地域等)にお
いても、長期に亘って強度が低下することなく、好適に
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポーラスコンクリート硬化体を部分的
に拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 粗骨材 2 セメントペーストまたはモルタル 3 充填物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐沢 明彦 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社中央研究所内 (72)発明者 水上 克朗 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内 (72)発明者 土田 保 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内 (72)発明者 加藤 裕二 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内 Fターム(参考) 4G019 LA02 LB02 LB04 LC03 LC11 LD02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続空隙を有する多孔性の硬化体である
    ポーラスコンクリート本体部と、該ポーラスコンクリー
    ト本体部の連続空隙内に充填された充填物とからなり、
    凍結融解抵抗性を有することを特徴とするポーラスコン
    クリート硬化体。
  2. 【請求項2】 上記充填物が、空隙を有する無機系物
    質、空隙もしくは吸水性を有する有機系物質、またはゴ
    ム状物質である請求項1に記載のポーラスコンクリート
    硬化体。
  3. 【請求項3】 上記充填物が、パーライト等の火山性ガ
    ラス質鉱物系発泡体、バーミキュライト等の蛭石系発泡
    体、ガラスカレット発泡体、膨張頁岩、軽石、火山性岩
    石、中空セラミックス、電気炉酸化スラグ粒化物、土
    壌、ポリビニルアルコール系共重合体等の吸水性樹脂、
    結晶セルロース等のセルロース、発泡ポリスチレン等の
    合成樹脂発泡体、ピートモス等の植物片もしくは植物繊
    維、微細な網目構造を有する化学繊維、ゴム状物質の中
    から選ばれる一種以上からなる請求項2に記載のポーラ
    スコンクリート硬化体。
  4. 【請求項4】 上記充填物が、3mm以下の最大寸法を有
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポーラスコン
    クリート硬化体。
  5. 【請求項5】 上記ポーラスコンクリート本体部は、粗
    骨材の粒径が10〜40mm、水セメント比が18〜25%、セメ
    ント量が150〜350kg/m3、空隙率が25〜35%である請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート
    硬化体。
  6. 【請求項6】 連続空隙を有する多孔性のポーラスコン
    クリート本体部を作製して硬化させた後、該ポーラスコ
    ンクリート本体部の連続空隙内に、空隙を有する無機系
    物質、空隙もしくは吸水性を有する有機系物質、または
    ゴム状物質からなる充填物を充填して、凍結融解抵抗性
    を有するポーラスコンクリート硬化体を得ることを特徴
    とするポーラスコンクリート硬化体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記充填物が、振動を付与しつつ、乾燥
    した固体の形態で充填される請求項6に記載のポーラス
    コンクリート硬化体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記充填物が、スラリーの形態で充填さ
    れる請求項6に記載のポーラスコンクリート硬化体の製
    造方法。
JP2001080078A 2001-03-21 2001-03-21 ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法 Pending JP2002274975A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001080078A JP2002274975A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001080078A JP2002274975A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002274975A true JP2002274975A (ja) 2002-09-25

Family

ID=18936426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001080078A Pending JP2002274975A (ja) 2001-03-21 2001-03-21 ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002274975A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006061044A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Asahi Kasei Homes Kk 緑化基盤
ES2372952A1 (es) * 2011-12-27 2012-01-30 Universidad Politécnica de Madrid Procedimiento de fabricación de hormigón.
RU2444499C1 (ru) * 2010-10-01 2012-03-10 Юлия Алексеевна Щепочкина Бетонная смесь
IT201900006100A1 (it) * 2019-04-18 2020-10-18 Micheletto Sas Di Micheletto Severino & C Procedimento per la realizzazione di manufatti in calcestruzzo vibrocompresso alleggerito e manufatto ottenuto
CN114656228A (zh) * 2022-04-01 2022-06-24 江苏银辉生态科技有限公司 一种fc轻质隔声混凝土

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006061044A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Asahi Kasei Homes Kk 緑化基盤
RU2444499C1 (ru) * 2010-10-01 2012-03-10 Юлия Алексеевна Щепочкина Бетонная смесь
ES2372952A1 (es) * 2011-12-27 2012-01-30 Universidad Politécnica de Madrid Procedimiento de fabricación de hormigón.
WO2013098434A1 (es) * 2011-12-27 2013-07-04 Universidad Politécnica de Madrid Procedimiento de fabricación de hormigón
IT201900006100A1 (it) * 2019-04-18 2020-10-18 Micheletto Sas Di Micheletto Severino & C Procedimento per la realizzazione di manufatti in calcestruzzo vibrocompresso alleggerito e manufatto ottenuto
CN114656228A (zh) * 2022-04-01 2022-06-24 江苏银辉生态科技有限公司 一种fc轻质隔声混凝土

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jiang et al. Experimental study on materials composition design and mixture performance of water-retentive asphalt concrete
CN106045559A (zh) 一种加气混凝土板的制备方法
CN107902987A (zh) 去污透水混凝土及制备方法
JP6119278B2 (ja) 高保水性ブロックおよび高保水性ブロックの製造方法
CN109305792A (zh) 一种土壤固化剂、制备方法以及土壤固化施工方法
CN106045558A (zh) 一种加气混凝土砌块的制备方法
JP4235019B2 (ja) 保水性ポーラスコンクリート成形体及びその製造方法
JP2002274975A (ja) ポーラスコンクリート硬化体及びその製造方法
JP4980582B2 (ja) 多孔質材の製造方法、及び緑化用の多孔質材
JP2003252673A (ja) 保水性ブロック
JP3723178B2 (ja) 保水性硬化体
CN108285308A (zh) 一种保温砂浆、保温层结构及保温外墙体结构
RU2278847C1 (ru) Композиционное конструкционно-теплоизоляционное изделие и способ его изготовления
CN108863235A (zh) 泡沫混凝土自保温外墙砌块
JPH0930873A (ja) 透水性セラミックブロックの製造方法
KR930009896B1 (ko) 콘크리트용 다공성 경량골재와 그 제조방법 및 이를 이용해 제조된 경량 콘크리트유니트
CN113845342A (zh) 一种混凝土透水砖及其制备方法
JP2004108027A (ja) 充填材及び保水性舗装
CN112174613A (zh) 一种包含废砖粉的混凝土
JP2005126964A (ja) 舗装体
JP2002241151A5 (ja)
JP2002332473A (ja) 凍結融解抑止剤及びそれを含むポーラスコンクリート硬化体
WO2006022417A1 (ja) セメント組成物及び舗装構造
CN117567112A (zh) 一种利用废植被网制备的保水砖及其制备方法和应用
CN117088656B (zh) 一种海绵城市用透水混凝土及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908