JP2002274807A - 多管式反応装置 - Google Patents

多管式反応装置

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JP2002274807A
JP2002274807A JP2001072350A JP2001072350A JP2002274807A JP 2002274807 A JP2002274807 A JP 2002274807A JP 2001072350 A JP2001072350 A JP 2001072350A JP 2001072350 A JP2001072350 A JP 2001072350A JP 2002274807 A JP2002274807 A JP 2002274807A
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tube
reaction
gas
pipe
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JP2001072350A
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English (en)
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Yasumasa Urushizaki
靖昌 漆崎
Koichiro Ikeda
耕一郎 池田
Masanori Kawamoto
将則 川本
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧で運転可能として経済性を向上させるこ
とが可能な多管式反応装置を提供する。 【解決手段】 多管式反応装置39の容器40に、複数
の二重管式反応管41を上方から差込む。容器の上方に
は、環状の原料ガス集合管42および改質ガス集合管4
3を配置し、原料ガス連絡管44および改質ガス連絡管
45でそれぞれ、外管51および内管50と接続する。
管板などを用いないので、原料ガスおよび改質ガスを加
圧して用いることができ、水素ガス製造の経済性を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素や都市ガ
ス等の原料気体から、吸熱反応によって水素等の反応気
体を生成する多管式反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、炭化水素や都市ガス等を原料
として水素ガスを発生させる水蒸気改質反応に、多管式
反応装置が使用されている。従来からの多管式反応装置
は、図5、図6および図7に示すような3方式に分類さ
れる。
【0003】図5は、特開昭58−64202号公報に
開示されている構成を簡略化して示す。同様の構成は、
特公昭62−4322号公報、特開昭58−12453
1号公報および特公平6−45442号公報などにも開
示されている。多管式反応装置である改質反応器1は、
竪型円筒状の容器の上部に第1管版2を設置し、流路9
から炭化水素と水蒸気との混合ガスを、空室10に導入
する。第2管板5からは、複数の反応管6が懸垂され
る。第1管板2からは、内管7が反応管6内に懸垂され
る。反応管6の内径は内管7の外径よりも大きく、内管
7と反応管6との間隙部には粒状の触媒が充填されて触
媒層8が形成される。内管7内には、流路9から上部空
室10を経て、炭化水素と水蒸気の混合ガスが導入され
る。炭化水素と水蒸気の混合ガスは、内管を通過する間
に反応管6に充填された触媒層8から熱を受けて最下端
に達する間に予熱される。予熱された炭化水素と水蒸気
の混合ガスは最下端で反転して触媒層8に入る。触媒層
8では反応管6の外部から熱を受けて反応ガスとなる。
各反応管6からの反応ガスは、第1管板2とその下方に
間隔をあけて設置する第2管板5との間に形成された空
室4に導入され、流路3から排出される。
【0004】すなわち、第1の方式では、原料と水蒸気
の混合ガスおよび生成された反応ガスの集合部を、上部
空室10および空室4の上下2段に配置している。集合
部の反応管6および内管7の貫通部を管板構造とし、そ
の外周を円筒形状等にして、それぞれの集合部を形成し
ている。
【0005】図6は、特公平6−73626号公報に開
示されているような第2の方式の構成を簡略化して示
す。多管式反応装置21の容器内には、複数の反応管2
2が配置される。反応管22は、外管23、中間管24
および内管25によって三重管構造を形成している。こ
の第2の方式は、第1の方式の二重管構造の中心部をく
り抜き、中心部に燃焼ガスを通すようにした構造であ
る。すなわち、原料ガスは原料集合室26に流路27か
ら導入されて、内管25と中間管24との間に流れ込
む。反応ガスは、中間管24と外管23との間を流れ、
流路28から取出される。原料ガスを効率的に反応させ
るため、内管25と中間管24との間には粒状の触媒が
充填され、触媒層29が形成される。燃焼ガスは反応管
22をその外面から加熱した後、反応管22の中心部で
ある内管25を通って、さらに内面から反応管22を加
熱する。原料および改質ガスの集合部の構造は、第1の
方式と等しい。燃焼ガスは、反応管22の中心を通った
後、原料集合室26内の燃焼ガス集合室30で集合さ
れ、系外に排出される。
【0006】図7は、特開平3−97602号公報に開
示されているような第3の方式の構成を簡略化して示
す。第3の方式は多管式ではなく、反応器31内に単一
の反応管32が設置される。反応管32は、円筒形であ
り、中仕切りとしての仕切円筒33によって内筒側34
および外筒側35に二分される。内筒側34には、触媒
36が充填されるて反応ゾーンとなる。外筒側35は、
空筒として原料の予熱ゾーンとする。内筒側34の内側
で燃料をバーナ37で燃焼させて反応ゾーンに熱を与
え、その後、燃焼ガスを円筒形の反応管32の外側を通
して、原料の予熱に利用した後、系外に排出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多管式反応装置を、原
料の都市ガスなどを改質して水素ガスを発生する用途に
使用する場合、圧力を高める方が経済的に有利である。
しかしながら、前述の3つの方式では、管板などの平坦
な部分が圧力を受けることになり、以下に示すような理
由で圧力を上げることが困難である。
【0008】第1および第2の方式について 原料および改質ガスの集合部の一部は、反応管が貫通
する2枚の管板間に形成されている。その管板の必要厚
みは、反応管の口径、原料および改質ガスの圧力、外周
の円筒部の口径に影響され、それぞれが大きくなるとそ
れに従って必要厚みも厚くなる。 二重式反応管の外管と内管とは、それぞれ2枚の管板
に溶接等によって固定されている。2枚の管板間の反応
管は、運転状態における温度条件下では伸び、その伸び
量は外周の円筒部の伸び量とは異なるため、反力が発生
し、それが2枚の管板に作用する。およびの理由に
より、管板の厚みを採用可能な範囲に納めるために、原
料および改質ガスの圧力は、概略的に、200〜300
kPaが最大となる。
【0009】第3の方式について 原料および改質ガスが通る反応器は、ドーナツ状、す
なわち間隔をあけて同心状に配置される2枚の円筒型板
と、その間を繋ぐ平坦な中抜きの円盤とで構成されてい
る。 ドーナツ状の2枚の円筒型板のうちで内側の円筒型板
には、原料および改質ガスの圧力は外面から作用し、温
度的にはその内側で燃焼しているバーナの燃焼ガスによ
って直接加熱される。 一方、もう1枚の外側の円筒型板には、原料および改
質ガスの圧力は内面から作用し、温度的には、で原料
と改質ガスとに熱を与えて、その分温度が下がった燃料
ガスによって加熱される。 2枚の円筒型板を繋ぐ中抜きの円盤には、内面から原
料および改質ガスの圧力が作用し、前述のような2枚の
円筒型板の温度の違いから生ずる伸びの違いが反力とし
て作用している。そして、その反力は再反力として2枚
の円筒型板に作用している。 これらのうち、に示すような内側の円筒型板に作用
する力が最も大きく、その必要肉厚は、円筒の直径、原
料および改質ガスの圧力に比例する。また、円筒型板の
材料の有する許容応力は、最も温度が高いところに晒さ
れているために最も小さくなる。これらのことから、原
料および改質ガスの圧力は、最高で概略60kPa程度
となっている。
【0010】本発明の目的は、高圧で運転可能として経
済性を向上させることが可能な多管式反応装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、筒状の容器内
に複数の反応管が配置されて加熱され、反応管内で原料
気体が反応して反応気体が得られる多管式反応装置にお
いて、各反応管は、容器の軸方向の一端側から容器内に
挿入され、内管および外管からなる二重管構造を有し、
外管の軸方向の他端側が容器内で封止され、内管は外管
の他端封止部近傍まで延びて開口し、容器の軸方向の一
端側では内管および外管が容器の端部から外方に突出し
てそれぞれ分れて開口しており、容器の軸方向の一端側
で、該複数の反応管の突出部分から間隔をあけて、該突
出部分を外囲するように、環状に配置される原料気体集
合管と、容器の軸方向の該一端側で、該複数の反応管の
突出部分から間隔をあけて、該突出部分を外囲するよう
に、環状に配置される反応気体集合管と、原料気体集合
管と該複数の反応管の外管の開口部とを、それぞれ接続
する該複数の原料気体連絡管と、反応気体集合管と該複
数の反応管の内管の開口部とを、それぞれ接続する該複
数の反応気体連絡管とを含むことを特徴とする多管式反
応装置である。
【0012】本発明に従えば、筒状の容器内に複数の反
応管を配置する。各反応管は、容器の軸方向の一端側か
ら挿入され、内管および外管からなる二重管構造を有す
る。外管の軸方向の他端側は容器内で封止され、内管は
外管の他端封止部近傍まで延びて開口する。容器の軸方
向の一端側では、内管および外管が容器の端部から外方
に突出してそれぞれ分れて開口する。内管および外管が
突出する容器の一端側には、突出部分を間隔をあけて外
囲するように、原料気体集合管と反応気体集合管とがそ
れぞれ環状に配置される。原料気体集合管と反応管の外
管の開口部とは、原料気体連絡管によって接続される。
反応気体集合管と反応管の内管の開口部とは、反応気体
連絡管によって接続される。管板などの平坦な板で圧力
を受ける構造ではないので、原料気体や反応気体の圧力
を300kPa以上にも高めることが可能になり、反応
の経済性を高めることができる。
【0013】また本発明で、前記容器は円筒形状を有
し、前記複数の反応管は、該円筒形状の容器の中心軸を
中心とする同心円の周上の位置に均等に配置され、前記
原料気体集合管および前記反応気体集合管も、該中心軸
を中心として、それぞれ環状に配置され、該原料気体集
合管の口径は、原料気体の圧力損失が前記原料気体連絡
管内での圧力損失に比較して充分小さくなるように、該
原料気体連絡管の口径よりも大きく、該反応気体集合管
の口径は、反応気体の圧力損失が前記反応気体連絡管内
での圧力損失に比較して充分小さくなるように、該反応
気体連絡管の口径よりも大きく、該複数の原料気体連絡
管は、該中心軸に関してそれぞれ同一の幾何学的形状を
有し、該複数の反応気体連絡管は、該中心軸に関してそ
れぞれ同一の幾何学的形状を有することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、複数の反応管を円筒形状
の容器の中心軸を中心とする同心円の周上に均等に配置
される。原料気体集合管および反応気体集合管も、容器
の中心軸を中心とする環状にそれぞれ配置される。原料
気体集合管および反応気体集合管の口径は、原料気体お
よび反応気体の圧力損失が原料気体連絡管内および反応
気体連絡管内での圧力損失に比較して充分小さくなるよ
うに、原料気体連絡管および反応気体連絡管の口径より
もそれぞれ大きくされる。さらに、全部の原料気体連絡
管は、それぞれ中心軸に関して同一の幾何学的形状を有
し、全部の反応気体連絡管もそれぞれ中心軸に関して同
一の幾何学的形状を有する。
【0015】円筒形状の容器内で、バーナなどで燃料を
燃焼させ、その燃焼ガスによって均等に配置される所定
数の反応管の外部を加熱する多管式反応装置では、各反
応管がそれぞれ同一量の熱を受けるため、反応管の内部
を流れる原料気体や反応気体が他の反応管に比べて少な
くなると、過熱されることになる。過熱によって、当該
反応管の寿命が短くなったり、ときには損傷を起すこと
がある。そのため、所定数の反応管のそれぞれを通る原
料気体や反応気体の量をできるだけ等しくすることが重
要である。原料気体連絡管および反応気体連絡管をそれ
ぞれ同一形状とするので、原料気体連絡管および反応気
体連絡管内での原料気体および反応気体の圧力損失はそ
れぞれ等しくなる。原料気体集合管内および反応気体集
合管内各での圧力損失の違いは小さく、反応管を通る原
料気体および反応気体は、原料気体集合管への原料気体
入口から反応気体集合管の反応気体出口までの圧力損失
をほぼ同等とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
しての多管式反応装置39の概略的な構成を示す。この
多管式反応装置39は、炭化水素や都市ガス等を原料と
して、水素ガス発生用の水蒸気改質反応を行う。竪型円
筒状の容器40内には、多数(2〜20本程度)の二重
管式反応管41が配置されている。原料ガスは、容器4
0の上方の原料ガス集合管42に導入される。原料ガス
が反応して生成される改質ガスは、改質ガス集合管43
に集められる。二重管式反応管41の頂部は、容器40
の上端から上方に突出している。各二重管式反応管41
と原料ガス集合管42および改質ガス集合管43との間
は、原料ガス連絡管44および改質ガス連絡管45によ
って、それぞれ接続されている。改質反応は、二重管式
反応管41内の触媒46によって促進され、燃焼室47
から熱が供給される。各二重管式反応管41内には、原
料ガス48が原料ガス連絡管44を介して供給される。
また、各二重管式反応管41からは、改質ガス連絡管4
5を介して改質ガス内管50が送出される。
【0017】二重管式反応管41は、同心的に配置され
る内管50および外管51を有する。内管50と外管5
1との間の間隙には、粒状の触媒46が充填されてお
り、原料ガスが流れる。原料ガス48が触媒46の充填
層を通る間に、水蒸気改質反応に必要な熱量の多く、概
略的に全体の80〜90%程度を、燃焼室47の燃焼ガ
ス52から二重管式反応管41の外面を介して受ける。
二重管式反応管41の下端は、容器40内の燃焼室47
内に懸垂され、外管51の先端は封止されている。内管
50の先端は、外管51の封止部の近傍まで達し、開口
している。原料ガス48が外管51と内管50との間隙
を下端まで流れて下降する間に、触媒46によって、原
料ガス48が改質される。改質ガス49として二重管式
反応管41の下端に達すると、流れの方向が反転し、改
質ガス49は、開口部から内管50内に入って、内管5
0内を上昇する。改質ガス49が内管50内を上昇する
間に、内管50と外管51との間の間隙部分を下降する
原料ガス48と熱交換し、水蒸気改質反応に必要な熱量
の残りを原料ガス48に与える。この熱量は、全体の概
略20〜10%である。
【0018】本実施形態では、複数の二重管式反応管4
1に対して、原料ガス集合管42および改質ガス集合管
43は、それぞれ1つであるのに対し、原料ガス連絡管
44および改質ガス連絡管45は、二重管式反応管41
とそれぞれ同数だけ設けている。このような原料ガス集
合管42、改質ガス集合管43、原料ガス連絡管44お
よび改質ガス連絡管45の接続構造は、平板状の管板な
どで圧力を受ける必要がないので、300kPa以上の
圧力にも容易に加圧することができる。
【0019】すなわち、本実施形態では、筒状の容器4
0内に複数の二重管式反応管41が配置されて加熱さ
れ、二重管式反応管41内で原料ガス48が反応して改
質ガス49が得られる。各二重管式反応管41は、容器
40の軸方向の一端側である上側から容器40内に挿入
され、内管50および外管51からなる二重管構造を有
する。外管51の軸方向の他端側、すなわち下端は容器
40内で封止され、内管50は外管51の止部近傍まで
延びて開口する。容器40の軸方向の一端側である上方
では、内管50および外管41が容器40の上端部から
外方に突出してそれぞれ分れて開口する。容器40の軸
方向の一端側で、複数の二重管式反応管41の突出部分
から間隔をあけて、突出部分を外囲するように、原料ガ
ス集合管44および改質ガス集合管45がそれぞれ環状
に配置されている。原料ガス集合管42および改質ガス
集合管43と二重管式反応管41の開口部との間は、原
料ガス連絡管44と改質ガス連絡管45とで、それぞれ
接続されている。管板などの平坦な板で圧力を受ける構
造ではないので、原料ガス48や改質ガス49の圧力を
300kPa以上にも高めることが可能になり、水素ガ
ス発生のための改質反応の経済性を高めることができ
る。
【0020】本実施形態では、容器40は円筒形状で、
中心軸40aが鉛直方向となるように、竪型に配置され
る。複数の二重管式反応管41は、該円筒形状の容器4
0の中心軸40aを中心とする同心円の周上の位置に均
等に配置される。
【0021】図2は、本実施形態の多管式反応装置39
を平面視した状態を簡略化して示す。たとえば6である
所定数の二重管式反応管41の中心軸は、容器40の中
心軸40aを中心とする仮想的な同心円41aの円周上
に均等に配置される。原料ガス集合管42および改質ガ
ス集合管43も、中心軸40aを中心として、それぞれ
環状に配置される。原料ガス集合管42および改質ガス
集合管43は、周方向で一部を欠く円弧状であり、周方
向の両端をそれぞれ密閉している。原料ガス集合管42
および改質ガス集合管43には、周方向に沿って、原料
ガス連絡管44および改質ガス連絡管45の取付け部5
3,54がそれぞれ設けられている。原料ガス集合管4
2の口径は、原料ガスの圧力損失が原料ガス連絡管44
内での圧力損失に比較して充分小さくなるように、原料
ガス連絡管44の口径よりも充分に大きくしてある。ま
た改質ガス集合管43の口径も、改質ガスの圧力損失が
改質ガス連絡管45内での圧力損失に比較して充分小さ
くなるように、改質ガス連絡管45の口径よりも充分に
大きくしてある。原料ガス集合管42および改質ガス集
合管43の周方向の中心部には、原料ガスの入口55と
改質ガスの出口56とがそれぞれ設けられる。
【0022】複数の原料ガス連絡管44は、中心軸40
aに関してそれぞれ同一の幾何学的形状を有する。ま
た、複数の改質ガス連絡管45も、中心軸40aに関し
てそれぞれ同一の幾何学的形状を有する。すなわち、各
原料ガス連絡管44は、円形の配管であり、それぞれの
原料ガス集合管42からの取出し、および二重管式反応
管41の外管51に至る形状を幾何学的に同一なものと
する。また、改質ガス連絡管45も、円形の配管であ
り、それぞれの二重管式反応管41の内管50から改質
ガス集合管42に至る形状を幾何学的に同一なものとす
る。図2では、入口55および出口56を通り、中心軸
40aも通る仮想平面40bに関して、面対称な配置と
なっている。
【0023】原料ガス集合管42および改質ガス集合管
43のそれぞれの口径は、できるだけ圧力損失が少なく
なるように、管内流速を25m/秒以下、望ましくは1
5m/秒以下となるような値とする。一方、原料ガス連
絡管44および改質ガス連絡管45の口径は、圧力損失
がそれぞれの二重管式反応管41に生ずる圧力損失程度
になるように、管内流速を35/秒以上、望ましくは4
5m/秒以上とする。
【0024】本実施形態のように、円筒形状の容器40
内で、バーナなどで燃料を燃焼させ、その燃焼ガスによ
って均等に配置される所定数の反応管の外部を加熱する
多管式反応装置では、各反応管がそれぞれ同一量の熱を
受けるので、反応管の内部を流れる原料気体や反応気体
が他の反応管に比べて少なくなると、過熱されることに
なる。過熱によって、当該反応管の寿命が短くなった
り、ときには損傷を起すことがある。そのため、所定数
の反応管のそれぞれを通る原料気体や反応気体の量をで
きるだけ等しくすることが重要である。本実施形態で
は、原料ガス連絡管44および改質ガス連絡管45をそ
れぞれ同一形状とするので、原料ガス連絡管44および
改質ガス連絡管45内での原料ガスおよび改質ガスの圧
力損失はそれぞれ等しくなる。原料ガス集合管42内お
よび改質ガス集合管43内での圧力損失の違いは小さ
く、各二重管式反応管41を通る原料ガスおよび改質ガ
スは、原料ガス集合管42への原料ガスの入口55から
改質ガス集合管43の改質ガスの出口56までの圧力損
失をほぼ同等とすることができる。
【0025】図3は、本実施形態の多管式反応装置39
を用いる水素ガス発生の基本的工程フローを示す。多管
式反応装置39は、都市ガスなどの原料を、都市ガスな
どの補助燃料で加熱しながら反応させて改質し、PSA
装置60で精製して、最終的に製品水素を得るために使
用される。PSAは、Pressure Swing Adsorptionの略
称であり、吸着剤に圧力変動を与えて、吸着と脱着とを
繰返して運転する。脱着の際には、PSAオフガスが発
生するので、多管式反応装置39の燃料として利用す
る。ただし、多管式反応装置39とPSA装置60との
間には、CO変性などの工程が設けられる。
【0026】図4は、図3の工程を含む水素製造工程全
体を概略的に示す。原料となる都市ガスなどの炭化水素
は、A1の工程で圧縮される。A2の工程では、電熱ヒ
ータなどで予熱され、脱硫される。A3の工程では、脱
硫された原料に、ボイラで発生した水蒸気が添加され
る。水蒸気が添加された原料は、A4の工程で加熱さ
れ、A5の工程で図3の多管式反応装置39を用いて改
質反応を起させる。得られる改質ガスは、A6の工程で
冷却される。次にA7の工程では、一酸化炭素(CO)
変成器に通されてCO変性を受け、A8の工程で冷却さ
れた後、A9の工程で図3に示すPSA装置60が使用
され、製品水素が得られる。
【0027】以下、水素製造工程で、本実施形態のよう
な高耐圧の多管式反応装置39を用いる効果について説
明する。本実施形態の多管式反応装置39は、ゲージ圧
で980kPaの圧力で加圧式の運転を行う。比較のた
めに、従来の低圧式の工程を、ゲージ圧で50kPaの
圧力で運転する。原料と補助燃料とには、都市ガス13
Aを共通に使用する。得られたガス量は、次の表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】製品水素を標準状態で1m3発生させるた
めに使用する都市ガス量および電力量については、次の
表2に示すような結果が得られた。
【0030】
【表2】
【0031】表3から、エネルギ効率と製品コストとの
比較結果として、次の表3が得られる。
【0032】
【表3】
【0033】ここで、エネルギ効率は、次の(1)式で
表される。
【数1】
【0034】製品水素のコストは、13Aガスおよび電
力の単価を次のように仮定した場合の値である。 13Aガス:50円/m3(標準状態) 電力:20円/kWh
【0035】以上のことから、エネルギとしての利用面
ではそれほど差はないけれども、経済性の面では加圧式
の方が有利であることが判る。
【0036】
【実施例】図1の多管式反応装置39を用いて次のよう
な水素改質工程を実現することができる。
【0037】(イ)条件 原料および改質ガスの流量 原料 :755.8m3/h(標準状態) 改質ガス:982.2m3/h(標準状態) 燃焼室の形状 内直径:1,350mm 高さ :1,950mm 反応管の形状および本数 口径:203mm(公称8B) 長さ:1,700mm 本数:6本 反応管の中心が配置される円の直径:820mm 原料ガス集合管および改質ガス集合管の直径 原料ガス集合管の環状形状の直径:1,550mm 改質ガス集合管の環状形状の直径:1,650mm 原料ガス集合管および改質ガス集合管の口径と管内流
速 原料ガス集合管の口径:25.4mm(公称1B)およ
び50.8mm(公称2B) 口径1Bでの管内流速:5.7m/秒 口径2Bでの管内流速:21.1mm/秒 および 1
0.6mm/秒 改質ガス集合管の口径:38.1mm(公称11/2B)
および63.5mm(公称21/2B) 口径11/2Bでの管内流速:18.6m/秒 および
9.3m/秒 口径21/2Bでの管内流速:10.5m/秒 原料ガス連絡管および改質ガス連絡管の口径と管内流
速 原料ガス連絡管の口径:9.5mm(公称3/8B) 管内流速:48.1m/秒 改質ガス連絡管の口径:12.7mm(公称1/2B) 管内流速:56.2m/秒
【0038】図2に示すように6本の二重管式反応管4
1を配置すると、原料ガスの入口55に近く、改質ガス
の出口56から遠い左側の二重管式反応管41と、原料
ガスの入口55から遠く、改質ガスの出口56に近い右
側の二重管式反応管41とで、ガスの流量等に最も大き
い違いが生ずると予想される。左側の二重管式反応管4
1には、原料ガスが入口55から原料ガス集合管42に
入り、すぐに取付部53aから原料ガス連絡管44aに
入って、二重管式反応管41の外管51に入って改質ガ
スとなる。改質ガスは、内管50から改質ガス連絡管4
5aに入り、改質ガス集合管43に端部の取付部54a
から入った後、出口56まで流れてから、排出される。
一方、右側の二重管式反応管41には、原料ガスが入口
55から原料ガス集合管42に入り、端部の取付部53
bまで流れてから原料ガス連絡管44bに入り、二重管
式反応管41の外管51に入って改質ガスとなる。改質
ガスは、内管50から改質ガス連絡管45bに入り、改
質ガス集合管43に取付部54bから入った後、すぐに
出口56まで流れて排出される。
【0039】このような右側と左側とを、6本の二重管
式反応管41に等量の原料ガスおよび改質ガスを流す条
件で比較した結果を次の表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4から、左側と右側との流量の比は1.
0058であることが判り、0.6%弱の違いであるの
で、ほとんど均等とみなすことができる。
【0042】なお、以上の説明では、多管式反応装置3
9を水蒸気改質による水素発生に用いているけれども、
他の反応にも同様に用いることができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の反
応管が容器の軸方向の一端側から挿入され、二重管構造
の外管の軸方向の他端側は容器内で封止され、内管は外
管の他端封止部近傍まで延びて開口する。容器の軸方向
の一端側では、内管および外管が容器から突出し、突出
部分を間隔をあけて外囲するように、原料気体集合管と
反応気体集合管とがそれぞれ環状に配置される。原料気
体集合管と反応管の外管の開口部とは、原料気体連絡管
によって接続され、管板などの平坦な板で圧力を受ける
構造ではないので、原料気体や反応気体の圧力を300
kPa以上にも高めることが可能になり、反応の経済性
を高めることができる。
【0044】また本発明によれば、複数の反応管を円筒
形状の容器に配置して、均等に加熱し、反応管の内部を
流れる原料気体や反応気体が他の反応管に比べて少なく
ならないようにして、過熱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての多管式反応装置
39の概略的な構成を示す簡略化した正面断面図であ
る。
【図2】多管式反応装置39の簡略化した平面図であ
る。
【図3】多管式反応装置39を用いる水素発生工程の主
要部分を示すフロー図である。
【図4】図3の水素発生工程の全体を示すフロー図であ
る。
【図5】従来からの多管式反応装置の概略的な構成を示
す簡略化した正面断面図である。
【図6】従来からの多管式反応装置の概略的な構成を示
す簡略化した正面断面図である。
【図7】従来からの二重管式反応装置の概略的な構成を
示す簡略化した正面断面図である。
【符号の説明】
39 多管式反応装置 40 容器 41 二重管式反応管 42 原料ガス集合管 43 改質ガス集合管 44,44a,44b 原料ガス連絡管 45,45a,45b 改質ガス連絡管 46 触媒 50 内管 51 外管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 将則 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA05 EB03 EB12 EB24 EB41 EB46 4G075 AA03 AA45 BA01 BA05 BD03 BD04 BD12 BD14 BD22 CA02 CA54 DA01 DA02 EA01 EA06 EB27 EE02 4G140 EA03 EA05 EB03 EB12 EB24 EB41 EB46

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の容器内に複数の反応管が配置され
    て加熱され、反応管内で原料気体が反応して反応気体が
    得られる多管式反応装置において、 各反応管は、容器の軸方向の一端側から容器内に挿入さ
    れ、内管および外管からなる二重管構造を有し、外管の
    軸方向の他端側が容器内で封止され、内管は外管の他端
    封止部近傍まで延びて開口し、容器の軸方向の一端側で
    は内管および外管が容器の端部から外方に突出してそれ
    ぞれ分れて開口しており、 容器の軸方向の一端側で、該複数の反応管の突出部分か
    ら間隔をあけて、該突出部分を外囲するように、環状に
    配置される原料気体集合管と、 容器の軸方向の該一端側で、該複数の反応管の突出部分
    から間隔をあけて、該突出部分を外囲するように、環状
    に配置される反応気体集合管と、 原料気体集合管と該複数の反応管の外管の開口部とを、
    それぞれ接続する該複数の原料気体連絡管と、 反応気体集合管と該複数の反応管の内管の開口部とを、
    それぞれ接続する該複数の反応気体連絡管とを含むこと
    を特徴とする多管式反応装置。
  2. 【請求項2】 前記容器は円筒形状を有し、 前記複数の反応管は、該円筒形状の容器の中心軸を中心
    とする同心円の周上の位置に均等に配置され、 前記原料気体集合管および前記反応気体集合管も、該中
    心軸を中心として、それぞれ環状に配置され、 該原料気体集合管の口径は、原料気体の圧力損失が前記
    原料気体連絡管内での圧力損失に比較して充分小さくな
    るように、該原料気体連絡管の口径よりも大きく、 該反応気体集合管の口径は、反応気体の圧力損失が前記
    反応気体連絡管内での圧力損失に比較して充分小さくな
    るように、該反応気体連絡管の口径よりも大きく、 該複数の原料気体連絡管は、該中心軸に関してそれぞれ
    同一の幾何学的形状を有し、 該複数の反応気体連絡管は、該中心軸に関してそれぞれ
    同一の幾何学的形状を有することを特徴とする多管式反
    応装置。
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