JP2002273666A - 回転打撃工具 - Google Patents

回転打撃工具

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JP2002273666A
JP2002273666A JP2001078886A JP2001078886A JP2002273666A JP 2002273666 A JP2002273666 A JP 2002273666A JP 2001078886 A JP2001078886 A JP 2001078886A JP 2001078886 A JP2001078886 A JP 2001078886A JP 2002273666 A JP2002273666 A JP 2002273666A
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hammer
anvil
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force
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JP2001078886A
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Manabu Sugimoto
学 杉本
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Makita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンマーをアンビルに衝突させてその打撃力
によりねじ締めを行うインパクトドライバ等の回転打撃
工具において、スピンドルに形成したV溝の傾斜角度を
緩く設定するとハンマーの回転速度を高めることができ
るが、この場合には機長方向の振動を発生しやすくな
る。本発明では、このような問題を生ずることなくハン
マーのアンビルに対する打撃力をより大きくすることを
目的とする。 【解決手段】 モータ出力減速用の遊星歯車機構4のキ
ャリア4cに対してスピンドル7を回転可能に支持する
とともに、両者4c,7間に捩りばね9を介装し、この
捩りばね9の付勢力をハンマー11の打撃力として付加
する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばインパク
トドライバやインパクトレンチと称されるねじ締め用の
携帯工具であって、回転方向(ねじ締め)に打撃(衝
撃)を与えて回転させることによりねじを強固に締め付
けることができる回転打撃工具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば上記インパクトドライバ50は、
図3に示すように駆動源としての電動モータ51と、該
電動モータ51の出力軸51aに取り付けたピニオンギ
ヤ57(サンギヤ)を介して該電動モータ51に連結さ
れた遊星歯車機構52と、該遊星歯車機構52を介して
前記電動モータ51により回転するスピンドル59と、
該スピンドル59の先端側に取り付けた回転打撃機構6
0を備えている。回転打撃機構60は、スピンドル59
と同軸で回転可能に支持したアンビル61と、前記スピ
ンドル59の外周側に回転可能且つ軸方向移動可能に支
持した略円筒形状をなすハンマー62を備えている。ア
ンビル61は、本体ケース53の先端に取り付けたイン
パクトケース54に軸受け55を介して回転可能に支持
されている。アンビル61の先端側は、インパクトケー
ス54から突き出されており、この突き出し部分の先端
にねじ締め用のドライバビット(図示省略)が装着され
る。
【0003】スピンドル59とハンマー62との間には
鋼球64,64が挟み込まれている。鋼球64,64
は、スピンドル59の外周面に形成した回転軸線に対し
て傾斜する側面視V字形かつ断面半円形のカム溝59a
と、ハンマー62の内周面に形成した、該カム溝59a
とは逆向きの側面視V字形のガイド溝62aとの間に挟
み込まれている。このため、ハンマー62は、スピンド
ル59に対して相対的に回転しつつ、軸方向に前進又は
後退する。
【0004】又、ハンマー62は、圧縮ばね63により
前進方向(図示右方)に付勢されている。このため、ハ
ンマー62の後退動作は、圧縮ばね63の付勢力に抗し
てなされる。ハンマー62の前端面には、2個の打撃突
部62b,62bがアンビル61側に突き出して設けら
れており、これに対応してアンビル61の後端には2本
の打撃アーム61a,61aが放射方向に張り出すよう
に設けられている。ハンマー62が圧縮ばね63の付勢
力により前進すると、上記したように該ハンマー62は
前進しつつ回転するので、ハンマー62の打撃突部62
b,62bがアンビル61の打撃アーム61a,61a
に衝突し、これによりアンビル61に回転方向の打撃が
与えられる。この打撃によりアンビル61はねじの締め
付け方向に回転し、これによりねじが締め付けられる。
【0005】ねじ締め作業時において、ドライバビット
を経てアンビル61に一定以上の外部トルク(ねじ締め
抵抗)が付加されると、ハンマー62がスピンドル59
に対して相対回転しつつ軸方向に後退して打撃突部62
b,62bがアンビル61の打撃アーム61a,61a
から外れ、これによりハンマー62とアンビル61との
係合状態が解除される。ハンマー62とアンビル61と
の係合状態が解除されると、外部トルクはハンマー62
に伝わらなくなり、該ハンマー62が圧縮ばね63のば
ね付勢力により前進しつつ回転し、ほぼ180゜回転し
た後、打撃突部62bが打撃アーム61aに衝突してア
ンビル61が回転方向に打撃され、これによりアンビル
61が回転してねじが締め付けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
インパクトドライバ50において、アンビル61に対す
るハンマー62の打撃力を向上させるために、例えば、
図4に示すようにカム溝59aの傾斜角度θを緩くする
ことが考えられる。
【0007】しかしながら、この方法を採用する場合に
は、スピンドル59の限られた円周方向のスペースに2
箇所のカム溝59a,59aを形成する必要があること
から、両カム溝59a,59aが相互に干渉しない範囲
で(円周方向の移動距離L1を大きくすることなく)そ
の傾斜角度θをそれぞれ緩くする必要があり、これでは
軸方向の移動距離L2を十分に確保することが困難にな
る。カム溝59aの軸方向の移動距離L2が十分に確保
されていないと、例えば高負荷時において打撃後のハン
マー62の反発が大きくなって鋼球64がカム溝59a
の開き側端部(図4において上端部、以下同じ)に衝突
し、その結果当該インパクトドライバ50に軸方向(機
長方向)の衝撃を生じて、これを把持した使用者の使用
感を著しく損なう問題がある。このため、カム溝59a
の傾斜角度θを緩くすることによってハンマー62の打
撃力を高めるには限界があった。本願発明は、インパク
トドライバ等の回転打撃工具であって、上記のような使
用感を損なうことなく、ハンマーのアンビルに対する打
撃力を向上させることができる回転打撃工具を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本願発明は、
前記各請求項に記載した構成の回転打撃工具とした。請
求項1に記載した回転打撃工具によれば、アンビルに付
加される外部トルク(ねじ締め抵抗)が一定トルクに達
しない状態では、モータ駆動側とスピンドルとハンマー
とアンビルが一体で回転してねじ締めが進行する。ねじ
締めの進行に伴い外部トルクが上昇して一定トルクに達
した時点で、ハンマーがばね付勢力に抗して軸方向に後
退しつつスピンドルに対して相対的に反ねじ締め方向に
回転してアンビルとの係合が解除され、その後ハンマー
がばね付勢力によりねじ締め方向に回転してアンビルを
打撃する。また、アンビルに付加される外部トルクが一
定トルクに達すると、スピンドルが付勢力に抗してモー
タ駆動側に対して反ねじ締め方向に回転し、ハンマーの
アンビルに対する係合が解除されて外部トルクが遮断さ
れると、この付勢力によりスピンドルがモータ駆動側に
対してねじ締め方向に戻される。このため、ハンマーの
打撃力には、ハンマーをスピンドルに対してねじ締め方
向に付勢するばね付勢力による打撃力に加えて、スピン
ドルとモータ駆動側との間に介装した付勢力による打撃
力が付加され、これによりハンマー単独の打撃力よりも
大きな打撃力を得ることができる。
【0009】このように、スピンドルとモータ駆動側と
の間に介装した付勢力の分だけハンマーの打撃力を高め
ることができるので、スピンドルに形成したカム溝の傾
斜角度θを緩くする方法よりも打撃力を高めることがで
きる。なお、この明細書では必要に応じて、ハンマーを
スピンドルに対してねじ締め方向に付勢するために該ハ
ンマーとスピンドルとの間に介装したばね(一般的には
圧縮コイルばね)による付勢力をハンマー付勢力、ばね
をハンマー付勢手段といい、スピンドルとモータ駆動側
との間に介装した付勢手段による付勢力をスピンドル付
勢力、付勢手段をスピンドル付勢手段と称して区別す
る。上記スピンドル付勢力を与えるための付勢手段(ス
ピンドル付勢手段)には、捩りコイルばねあるいは弾性
ゴム体を用いることができる。
【0010】スピンドル付勢力は、ハンマー付勢力に一
致させ、またはハンマー付勢力よりも高い値に設定して
もよい。スピンドル付勢力とハンマー付勢力が一致して
いれば、ハンマーのアンビルに対する打撃が開始される
と、ほぼ同時にスピンドル付勢力による打撃力が付加さ
れる。これに対して、スピンドル付勢力をハンマー付勢
力よりも高く設定しておくと、ハンマーのアンビルに対
する打撃が開始された後、さらにねじ締め抵抗が大きく
なった時点からスピンドル付勢力による打撃力が付加さ
れるようになる。スピンドル付勢力は、ねじ締め時およ
びねじ緩め時(モータ駆動側の正転時および逆転時)の
何れの場合にもほぼ同等に機能させて同様の作用効果を
得ることができる。
【0011】請求項2記載の回転打撃工具によれば、モ
ータの出力は遊星歯車機構を経てスピンドルに伝達さ
れ、該スピンドルはこの遊星歯車機構のキャリア(モー
タ駆動側)に対して回転可能に設けられ、かつアンビル
に付加される外部トルクが一定トルクに達すると該キャ
リアとの間に介装した捩りばね(付勢手段)に抗してス
ピンドルがキャリアに対して反ねじ締め方向に回転し、
ハンマーがアンビルから外れた時点でこの付勢力がハン
マーの打撃力に付加されるので、上記と同様の作用効果
を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図
1、図2に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る
回転打撃工具1を示している。この実施形態では、回転
打撃工具の一例として、ねじ締め方向に打撃を与えつつ
ねじ締めを行う機能を備えたインパクトドライバを例示
している。本実施形態における回転打撃工具1は、スピ
ンドルのモータ駆動側に対する支持形態に特徴を有して
おり、その他の構成については前記した従来構成に比し
て特に変更を要しないが、以下簡単に説明する。図1
中、符号2は当該回転打撃工具1の駆動源として電動モ
ータを示している。この電動モータ2の出力軸2aには
ピニオンギヤ3(サンギヤ)が取り付けられている。こ
のピニオンギヤ3は、遊星歯車機構4の2個のプラネタ
リギヤ4a,4aに噛み合わされている。両プラネタリ
ギヤ4a,4aは、それぞれ軸4bを介してキャリア4
cに回転可能に支持されている。キャリア4cは、軸受
け5を介して本体ケース6に固定したギヤケース6aに
回転可能に支持されている。なお、このギヤケース6a
には、電動モータ2の出力軸2aが軸受け2bを介して
回転可能に支持されている。また、当該遊星歯車機構4
のインターナルギヤ4dがこのギヤケース6aの内周側
に固定されている。
【0013】キャリア4cの前面(図1において右端
面)の中心にはボス部4eが形成されている。このボス
部4eはスピンドル7の後端面に形成した連結孔7a内
に隙間なくかつ相対的に回転可能に挿入されている。ス
ピンドル7の後端部にはフランジ部7bが形成されてお
り、このフランジ部7bとキャリア4cの前面との間に
はスラスト軸受け8が介装されている。このため、スピ
ンドル7はキャリア4cに対してその軸回りに回転可能
に支持されている。スピンドル7の回転軸線はキャリア
4cの回転軸線に一致している。また、スピンドル7の
フランジ部7bとキャリア4cとの間に、スピンドル付
勢手段の一例としての捩りばね9が介装されている。捩
りばね9の一端はキャリア4c側に固定され、他端側は
スピンドル7側に固定されている。この捩りばね9の付
勢力(スピンドル付勢力)は、アンビル13に付加され
るねじ締め抵抗が一定トルク(一般には、アンビル13
が打撃を受けなければ回転しないときのねじ締め抵抗)
に達しない状態では撓まず、ねじ締め抵抗が一定トルク
に達した時点で撓むように設定されている。このため、
ねじ締め初期段階では、スピンドル7はキャリア4cと
一体で回転する。これに対して、ねじ締め抵抗が高まっ
て一定トルクに達すると、捩りばね9が撓んでスピンド
ル7がキャリア4cに対して一定角度だけ回転する。
【0014】次に、スピンドル7の先端側周方向の2箇
所には、側面視V字形で断面半円形のカム溝7c,7c
がスピンドル7の後端側に開き側を向けた向きで形成さ
れており、この両カム溝7c,7cにはそれぞれ鋼球1
0が嵌り込んでいる。本実施形態において、スピンドル
7の軸線に対するこのカム溝7c,7cの傾斜角度(リ
ード)は従来と同程度に設定されており、特に変更を要
しない。従って、本実施形態では、以下述べるハンマー
11の後退距離は十分に確保されているため、高負荷時
であっても鋼球10が当該カム溝7cの端部に衝突する
ことはない。また、スピンドル7の先端側にはハンマー
11が軸方向移動可能かつ回転可能に配置されている。
このハンマー11と前記スピンドル7のフランジ部7b
との間には圧縮ばね12(ハンマー付勢手段)が介装さ
れている。このため、ハンマー11は前進方向(図1に
おいて軸方向右側)に付勢されている。ハンマー11の
内周側であって上記カム溝7c,7cに対向した2箇所
には、スピンドル7の先端側に開き側を向けた向き(カ
ム溝7cとは逆向き)で同じくV字形のガイド溝11
a,11aが形成されている。相互に対向するカム溝7
cとガイド溝11aとの間に鋼球10が挟み込まれてい
る。ハンマー11の先端面の2箇所には、アンビル打撃
用の打撃突部11b,11bが形成されている。両打撃
突部11b,11bは周方向180゜の間隔をおいて相
互に対向して形成されている。以下、必要に応じて両打
撃突部11b,11bの符号を11b1,11b2と称
して区別する。
【0015】次に、スピンドル7の先端にはガイド軸部
7dが同軸に形成されている。このガイド軸部7dは、
アンビル13の後端面に形成したガイド孔13a内にガ
タツキなく回転可能に挿入されている。このため、アン
ビル13は、スピンドル7に対して同軸かつ独立して回
転可能に支持されている。アンビル13は、軸受け14
を介して、本体ケース6の先端に取り付けたインパクト
ケース15に対して回転可能に支持されている。アンビ
ル13の後端には打撃アーム13b,13bが相互に1
80゜の間隔おいた周方向2等分位置において側方へ張
り出すように設けられている。この両打撃アーム13
b,13bに、上記したハンマー11の両打撃突部11
b1,11b2が同じ方向から同時に衝突することによ
りアンビル13に対してねじ締め方向の打撃が与えられ
る。以下、必要に応じて両打撃アーム13b,13bの
符号を13b1,13b2と称して区別する。
【0016】アンビル13の先端側は、インパクトケー
ス15から突き出されている。この突き出し部分に、先
端工具としてのドライバビット(図示省略)が装着され
る。アンビル13の先端面には、6角形の装着孔13c
が一定の深さで形成されている。この装着孔13cの軸
線は、アンビル13の回転軸線に一致している。また、
装着孔13cの周囲2箇所には鋼球16,16が該装着
孔13c内に出没可能に設けられている。さらに、アン
ビル13のインパクトケース15から突き出した部分に
は操作スリーブ17が軸方向に移動可能に設けられてい
る。この操作スリーブ17とアンビル13との間には圧
縮ばね18が介装されている。このため、操作スリーブ
17は後ろ側(図1において左方)に付勢されている。
この操作スリーブ17を圧縮ばね18により後ろ側に位
置させておくと、鋼球16,16が装着孔13c内に突
き出した状態にロックされ、これにより該装着孔13c
内に挿入したドライバビットが抜け不能に装着される。
一方、操作スリーブ17を圧縮ばね18に抗して前側に
移動させると、鋼球16,16が装着孔13c内から退
出可能となって、該装着孔13cからドライバビットを
抜き出し可能、また挿入可能な状態となる。
【0017】以上のように構成した本実施形態の回転打
撃工具1によれば、電動モータ2が起動すると、その回
転出力が遊星歯車機構4および捩りばね9を経てスピン
ドル7に伝達される。スピンドル7が回転すると、ハン
マー11が回転する。ねじ締めの初期段階であってアン
ビル13に付加される外部トルク(ねじ締め抵抗)が一
定トルクに達しない状態では、スピンドル7、ハンマー
11およびアンビル13は一体で回転する。また、スピ
ンドル7と遊星歯車機構4のキャリア4cも一体で回転
する。ねじ締めが進行して、アンビル13に付加される
ねじ締め抵抗が大きくなると、該アンビル13が回転せ
ず、スピンドル7がそのまま回転し続ける状態が瞬間的
に発生する。この段階では、ハンマー11とスピンドル
7との間に介装した鋼球10,10がそれぞれガイド溝
11aとカム溝7cに嵌り込んでいるため、ハンマー1
1は、両打撃突部11b1,11b2をそれぞれ打撃ア
ーム13bに係合させた状態のまま、圧縮ばね12に抗
して後退しつつ、スピンドル7に対して反ねじ締め方向
に回転する。このとき、両鋼球10,10は、カム溝7
cの開き側に向かって移動する。また、ねじ締め抵抗が
大きくなってアンビル13が回転しない状態になると、
上記したようにハンマー11がスピンドル7に対して後
退しながら反ねじ締め方向に回転するとともに、スピン
ドル7が捩りばね9に抗して遊星歯車機構4のキャリア
4cに対して反ねじ締め方向に回転する。スピンドル7
がキャリア4cに対して反ねじ締め方向に回転するとと
もに、ハンマー11がスピンドル7に対して後退するこ
とによりアンビル13の打撃アーム13b1,13b2
に対する打撃突部11b1,11b2の係合状態が図2
(A)に示すように徐々に浅くなり、最終的に図2
(B)に示すように解除される。
【0018】アンビル13の打撃アーム13b1,13
b2に対するハンマー11の打撃突部11b1,11b
2の係合状態が解除されると、ハンマー11は、圧縮ば
ね12の付勢力によりスピンドル7に対して前進しつつ
ねじ締め方向に回転し始める。この段階の様子が図2
(A)および図2(B)に示されている。なお、このと
き、鋼球10,10はカム溝7c,7cの閉じ側に向か
って移動する。また、アンビル13の打撃アーム13b
1,13b2に対するハンマー11の打撃突部11b
1,11b2の係合状態が解除されると、捩りばね9の
付勢力によりスピンドル7がキャリア4cに対してねじ
締め方向に戻される。このように、アンビル13に対す
るハンマー11の係合状態が解除されると、ハンマー1
1がスピンドル7に対してねじ締め方向に回転し、かつ
スピンドル7が遊星歯車機構4のキャリア4cに対して
同じくねじ締め方向に回転する。
【0019】このことから、ハンマー11のアンビル1
3に対する打撃力は、圧縮ばね12によるハンマー11
自体の打撃力(ハンマー付勢力)と、捩りばね9による
スピンドル7のキャリア4cに対する戻り力(スピンド
ル付勢力)との合計の力となる。従って、ハンマー11
の両打撃突部11b1,11b2は、この合計の力でア
ンビル13の打撃アーム13b,13bに衝突し、この
際の打撃力によりアンビル13がねじ締め方向に回転し
てねじが締め込まれる。図2(D)は、一方の打撃突部
11b1が一方の打撃アーム13b1から外れて他方の
打撃アーム13b2に衝突した段階の様子を示してい
る。なお、この段階では、他方の打撃突部11b2が上
記一方の打撃アーム13b1に衝突している。ハンマー
11の打撃によりアンビル13がある角度だけ回転して
ねじが締め込まれた後、さらにねじ締め抵抗が大きくな
ってアンビル13の回転が再度停止し、以後上記したよ
うにスピンドル7がキャリア4cに対して捩りばね9に
抗して反ねじ締め方向に回転するとともに、ハンマー1
1が圧縮ばね12に抗して後退しつつ反ねじ締め方向に
回転して、上記と同様の動作が繰り返される。ハンマー
11によるアンビル13の打撃が繰り返されることによ
り、アンビル13がねじ締め方向に回転し、これにより
ねじが徐々に締め込まれていく。
【0020】以上説明したように本実施形態の回転打撃
工具1によれば、アンビル13が打撃される時点でのハ
ンマー11の打撃力は、圧縮ばね12によるハンマー1
1自体の打撃力と、捩りばね9によるスピンドル7のキ
ャリア4cに対する戻し力との合計の力となるので、前
記したようにスピンドル59がモータ駆動側(遊星歯車
機構52)に固定された従来構成に比して捩りばね9の
付勢力によるスピンドル7のキャリア4cに対する戻し
力(スピンドル付勢力)の分だけ大きな打撃力を得るこ
とができる。このようにスピンドル7がキャリア4c
(モータ駆動側)に対して回転可能に設けられ、両者
7,4c間に捩りばね9を介装し、この捩りばね9によ
るスピンドル7の戻し力をハンマー11の打撃力として
付加する該ハンマー11の打撃力を高めることができる
ので、前記したようにカム溝7cの傾斜角度は従来と同
程度に設定してハンマー11の軸方向移動量を十分に確
保し、これにより高負荷時においても鋼球10がカム溝
7cの端部に衝突することはなく、従って機長方向の振
動を発生させることなく、打撃力を高めることができ
る。
【0021】以上説明した実施形態には種々変更を加え
ることができる。例えば、遊星歯車機構4においてキャ
リア4cを出力側に用いる構成(キャリア出力)を例示
したが、インターナルギヤを出力側に用いる構成(イン
ターナル出力)としてもよい。この場合には、インター
ナルギヤに対してスピンドルを回転可能に支持するとと
もに、両者間に一定の外部トルクで撓む捩りばね(スピ
ンドル付勢手段)を介装すればよい。また、スピンドル
を回転可能に設ける対象としてのモータ駆動側として遊
星歯車機構4を例示したが、これに代えて平歯車列ある
いはモータの出力軸に対してスピンドルを回転可能に設
ける構成としてもよい。これらの場合であっても、スピ
ンドルとモータ駆動側との間に一定の外部トルクで撓む
スピンドル付勢手段を介装すれば、前記と同様の作用効
果を得ることができる。また、スピンドル7とキャリア
4cとの間に介装するスピンドル付勢手段として捩りば
ね9を例示したが、これに代えて弾性ゴム体、圧縮ば
ね、引っ張りばね等の付勢手段を用いることもできる。
さらに、回転打撃工具の一例としてインパクトドライバ
を例示したが、先端工具としてのドライバビットに代え
ていわゆるソケットビットを取り付ける形態のインパク
トレンチにも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であり、回転打撃工
具の一例としてのインパクトドライバの内部構造の側面
図である。
【図2】アンビルの打撃アームに対するハンマーの打撃
突部の位置関係を示す側面図である。図2(A)は、打
撃アームに対して打撃突部が係合している状態を示して
いる。図2(B)は、打撃アームに対する打撃突部の係
合状態が解除された直後の状態を示している。図2
(C)は、ハンマーがねじ締め方向に回転する途中の状
態を示している。図2(D)は、ハンマーの打撃突部が
次の打撃アームに衝突した状態および衝突に至るまでの
打撃突部の軌跡を示している。
【図3】従来の回転打撃工具(インパクトドライバ)の
内部構造を示す側面図である。
【図4】スピンドルに形成したカム溝の展開図である。
【符号の説明】
1…回転打撃工具(インパクトドライバ) 2…電動モータ 4…遊星歯車機構、4c…キャリア、4d…インターナ
ルギヤ 7…スピンドル、7c…カム溝 9…捩りばね 10…鋼球 11…ハンマー、11b(11b1,11b2)…打撃
突部 12…圧縮ばね 13…アンビル、13b(13b1,13b2)…打撃
アーム 50…インパクトドライバ(従来) 52…遊星歯車機構 60…回転打撃機構 61…アンビル、61a…打撃アーム 62…ハンマー、62b…打撃突部 L1…スピンドルに対するハンマーの軸回りの移動距離 L2…スピンドルに対するハンマーの軸方向の移動距離

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより回転するスピンドルと、該
    スピンドルに形成したカム溝における鋼球の変位によ
    り、該スピンドルに対して軸方向へ移動しつつ回転する
    ハンマーと、先端にねじ締め用の先端工具が装着され、
    該ハンマーにより回転方向の打撃を受けてねじ締め方向
    に回転するアンビルを備え、前記アンビルに付加される
    外部トルクが一定トルクに達すると、前記ハンマーが前
    記スピンドルに対して軸方向へ変位しつつ回転すること
    により前記アンビルに係脱して該アンビルを回転方向に
    打撃する回転打撃工具であって、 前記スピンドルをモータ駆動側に対して回転可能に支持
    するとともに、両者間に、前記アンビルに付加される外
    部トルクが前記一定トルクに達しない状態では該スピン
    ドルを前記モータ駆動側に対して回転方向に一体化さ
    せ、前記外部トルクが前記一定トルクに達した状態では
    前記スピンドルの前記モータ駆動側に対する相対的回転
    を許容する付勢手段を介装し、該付勢手段の付勢力を前
    記ハンマーの打撃力に付加する構成とした回転打撃工
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した回転打撃工具であっ
    て、モータ駆動側としての遊星歯車機構を介してモータ
    の出力がスピンドルに伝達され、該遊星歯車機構のキャ
    リアに前記スピンドルが回転可能に設けられ、該スピン
    ドルと前記キャリアとの間に介装する付勢手段として捩
    りばねを用いる構成とした回転打撃工具。
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