JP2002273438A - 脱塩装置 - Google Patents

脱塩装置

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JP2002273438A
JP2002273438A JP2001083905A JP2001083905A JP2002273438A JP 2002273438 A JP2002273438 A JP 2002273438A JP 2001083905 A JP2001083905 A JP 2001083905A JP 2001083905 A JP2001083905 A JP 2001083905A JP 2002273438 A JP2002273438 A JP 2002273438A
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type electric
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ion exchange
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JP2001083905A
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Makoto Nomura
誠 埜村
Nobuhiro Oda
信博 織田
Nobuhiro Matsushita
聿宏 松下
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通液型電気二重層コンデンサを用いて原水中
の各種イオンを除去するとともに、シリカをも除去して
純水を得ることができ、さらには原水の起源や性状が変
わった場合にもその前処理を変えることなくなくこれに
対応して安定した水質の脱塩水や純水を製造し、さらに
これによって二次純水(超純水)の安定的な製造をも可
能にした純水製造方法の提供が望まれている。 【解決手段】 複数段の通液型電気二重層コンデンサ2
と、イオン交換樹脂装置3とをこの順に直列に備えてな
る脱塩装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所などのボイ
ラの給水、半導体製造工程、燃料電池発電等に用いられ
る純水の製造や、冷却塔用水の製造・循環使用、各種排
水の回収に用いられる脱塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の脱塩装置としては、イオ
ン交換膜やイオン交換樹脂を用いたものなどが多く知ら
れている。
【0003】また、半導体製造工場において、特にIC
・LSIの製造において、ウエーハの水洗処理がなされ
る工程がある。この水洗処理では、半導体ウエーハには
μmオーダーの微細加工がなされることから、水洗のた
めの処理水として、超純水と呼ばれる高度に精製された
ものが用いられる。
【0004】超純水には、以下に示すような理論純水に
近い水質が要求されている。 ・電気比抵抗;18MΩ・cm以上 ・微粒子 ;1ml中、0.1μm以下の微粒子5個
以下 ・微生物 ;1L中、5個以下 ・有機物 ;5ppb以下
【0005】ところで、このような超純水は天然ではま
ったく得られず、人為的な精製が必要とされている。超
純水の精製は、一次純水処理と二次純水処理とに分かれ
ており、一次純水処理では、市水、工業用水、河川の表
流水、伏流水、井水あるいは排水を原水とし、このよう
な原水に対してそれぞれの起源や性状に応じて濾過など
の前処理を行い、次いで、逆浸透膜やイオン交換樹脂を
用いて、微細な懸濁微粒子や溶存物質を除去し、前記条
件に近い水質に精製するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
イオン交換膜やイオン交換樹脂を用いた脱塩装置は、通
常、所定のサイクルで膜や樹脂を再生させたり交換した
りする必要があり、経済的にも作業効率の点でもその改
善が望まれていた。
【0007】また、前記の超純水製造における一次純水
処理では、特に原水の起源や性状が変わった場合にも、
安定した水質の一次純水を得ることが望まれていた。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、通液型電気二重層コンデ
ンサを用いて原水中の各種イオンを除去するとともに、
シリカをも除去して脱塩水や純水を得ることができ、さ
らには原水の起源や性状が変わった場合にもその前処理
を変えることなくなくこれに対応して安定した水質の脱
塩水や純水を製造し、またこれによって二次純水(超純
水)の安定的な製造を可能とする脱塩装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の脱塩装置では、複数段の通液型電気二重層コンデ
ンサと、イオン交換樹脂装置とをこの順に直列に備えて
なることを前記課題の解決手段とした。
【0010】この脱塩装置によれば、イオン交換樹脂装
置によってイオンが低濃度まで除去され、前段に通液型
電気二重層コンデンサが複数段設けられたことにより、
イオン交換樹脂装置の負荷が大幅に軽減され、したがっ
て樹脂の再生や交換の頻度を格段に少なくすることが可
能になる。
【0011】請求項2記載の脱塩装置では、複数段の通
液型電気二重層コンデンサと、逆浸透膜分離装置とをこ
の順に直列に備えてなることを前記課題の解決手段とし
た。
【0012】この脱塩装置によれば、通液型電気二重層
コンデンサが複数段設けられたことによって各種のイオ
ンが十分に除去され、さらに逆浸透膜分離装置によって
有機物と残りのイオンが除去される。また、逆浸透膜分
離装置の前に通液型電気二重層コンデンサが複数段設け
られたことにより、逆浸透膜分離装置の負荷が大幅に軽
減される。
【0013】請求項3、5記載の脱塩装置では、アルカ
リを添加する手段が設けられていることを前記課題の解
決手段とした。
【0014】これらの脱塩装置によれば、通液型電気二
重層コンデンサが複数段設けられたことによって各種の
イオンが十分に除去され、さらに逆浸透膜分離装置及び
/又はイオン交換樹脂装置によって残存するイオン、さ
らには有機物が除去される。また、複数段の通液型電気
二重層コンデンサのうちの最後段の通液型電気二重層コ
ンデンサと逆浸透膜分離装置との間に添加したアルカリ
により通常SiO2の状態で存在するシリカがイオン化
されてHSiO3 -となり、イオン交換樹脂装置及び/又
は逆浸透膜分離装置で除去される。請求項5記載の脱塩
装置によれば、逆浸透膜分離装置で除去されずに僅かに
透過するアルカリのイオンやHSiO3 -もイオン交換樹
脂装置によって確実に除去されるようになる。
【0015】また、これら請求項1、2、5記載の脱塩
装置によれば、通液型電気二重層コンデンサが複数段設
けられていることにより各種のイオンが十分に除去さ
れ、さらにその下流側にイオン交換樹脂装置及び/又は
逆浸透膜分離装置が設けられていることにより、通液型
電気二重層コンデンサで除去しきれなかったシリカや有
機物も除去される。よって、処理の対象となる原水の起
源や性状が変わった場合にも、これに影響されることな
く安定した水質の脱塩水や純水を製造することが可能に
なる。
【0016】また、このように安定した水質の一次純水
が得られることから、これらの脱塩装置に紫外線照射装
置とイオン交換樹脂装置と限外濾過装置とを有した超純
水製造のためのサブシステムを備えさせるようにすれ
ば、二次純水、すなわち超純水の安定的な製造が可能に
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明における請求項1記載の脱塩装置の一実施
形態例を示す図であり、図1中符号1は脱塩装置であ
る。この脱塩装置1は、通液型電気二重層コンデンサ2
を複数段(本例では3段)備え、さらに最後段の通液型
電気二重層コンデンサ2の下流側にイオン交換樹脂装置
3を備えたものである。
【0018】通液型電気二重層コンデンサ2は、間に通
液路を挟んで2つの高比表面積の導電体層を有し、これ
らの導電体層の外側に集電極を配置した構成を有するも
のであり、集電極に電圧を加えることにより、原水中の
イオンを導電体層に電気的に吸着させ、塩濃度が減少し
た処理水を得ることができるようになっている。このよ
うな高比表面積の導電体としては、活性炭が好適であ
る。そして、本例において、通液型電気二重層コンデン
サ2は、図2(a)、(b)に示すように、電気絶縁性
多孔質通液性シートからなるセパレータ4を挟んで高比
表面積活性炭を主材とする活性炭層5、5を配置し、こ
れら活性炭層5、5の外側に集電極6、6を配置し、さ
らにこれら集電極6、6の外側にガスケット7、7を介
して押え板8、8を配置してなる平板形状のものであ
る。
【0019】セパレータ4は、ろ紙、多孔質高分子膜、
織布、不織布など、液体の通過が容易でかつ電気絶縁性
を有する有機質または無機質のシートからなるもので、
その厚さとしては、0.01〜0.5mm程度、特に
0.02から0.3mm程度が好適とされる。
【0020】活性炭層5は、高比表面積活性炭を主材と
する層によって形成されたものである。高比表面積活性
炭とは、BET比表面積が1000m2 /g以上、好ま
しくは1500m2 /g以上、さらに好ましくは200
0〜2500m2 /gの活性炭を言う。BET比表面積
が余りに小さい場合では、イオン性物質を含む液体(原
水)を通したときのイオン性物質の除去率が低下する。
なお、BET比表面積が余りに大きくなると、イオン性
物質の除去率がかえって低下する傾向があるので、BE
T比表面積を必要以上に大きくする必要はない。
【0021】活性炭層5を構成する活性炭の形状として
は、粉粒状、繊維状など任意のものが使用可能である。
粉粒状の場合には平板状またはシート状に成形して用
い、繊維状の場合には織布あるいは不織布に加工して用
いる。粉粒状活性炭を平板状またはシート状に成形して
用いた場合、繊維状の活性炭を織布あるいは不織布に加
工して用いる場合に比べ、コストの点で格段に有利にな
る。
【0022】粉粒状活性炭の平板状またはシート状への
成形については、例えば粉粒状活性炭をバインダー成分
(ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、カー
ボンブラック等)および/または分散媒(溶媒等)と混
合して板状に成形し、さらに必要に応じてこれを熱処理
することで行うことができる。なお、活性炭層5、5と
して平板状またはシート状のものを用いる場合には、必
要に応じこれに穿孔加工を施しておくこともできる。活
性炭層5の厚さとしては、0.1〜3mm程度、特に
0.5〜2mm程度とすることが好ましいものの、必ず
しもこの範囲内に限定されることはない。
【0023】集電極6は、銅板、アルミニウム板、カー
ボン板、フォイル状グラファイトなどの電気良導体から
なるもので、活性炭層5と緊密に接触した状態に形成配
置されたものである。集電極6の厚さについては、特に
限定されないものの、0.1〜0.5mm程度のものが
好適とされる。なお、電圧の印加を容易にするため、集
電極6にはそれぞれ端子(リード)6aが設けられてい
る。
【0024】押え板8としては、樹脂などの電気絶縁性
で変形しにくい材料からなる平板が用いられている。こ
れら押え板8、8のうちの一方には液入口9が、また他
方には液出口10が形成されている。また、両方の押え
板8、8には多数の固定用ボルト孔11…が形成されて
おり、これらボルト孔11、11にはボルト12が挿通
されナット13によって締結されている。このような構
成により通液型電気二重層コンデンサ2は、各部材が押
え板8、8によって圧締された平板形状の構造のものと
なっているいる。
【0025】なお、前記集電極6、6と押え板8、8と
の間に設けられたガスケット7、7は、集電極6、6と
押え板8、8との間を液密に保持するための枠状のもの
である。また、このようなガスケット8、8を設けるの
に代えて、押え板8、8側にシール機能を有する部材を
設けるようにしてもよい。
【0026】このような構成の通液型電気二重層コンデ
ンサ2では、以下に述べる原理でイオン性物質を含む液
体(本発明における原水)の処理がなされる。この処理
原理を、イオン性物質を含む液体が食塩水である場合を
例にして図3(a)、(b)を用いて説明すると、電圧
印加時には、図3(a)に示すように通液した水中のナ
トリウムイオンはアノード側の集電極6に接する活性炭
層5に電気的に吸着され、塩素イオンはカソード側の集
電極6に接する活性炭層5に電気的に吸着される。した
がって、液出口から得られる浄水(処理水)は、その食
塩濃度が著しく減少したものとなる。
【0027】また、通液を長時間し続けると、活性炭層
5、5に対する両イオンの吸着が飽和に達するので、液
出口から得られる処理水の食塩濃度が原水の食塩濃度に
近くなってしまう。そこで、適当なタイミングでカソー
ド側とアノード側とをショートさせるか、あるいは逆接
続すれば、図3(b)に示すように活性炭層5、5に吸
着されていたナトリムイオンおよび塩素イオンが脱離
し、流入水中の食塩濃度よりはるかに高濃度の塩化ナト
リウムを含む流入水が出口より排出される。このときの
流速を遅くすれば、少ない流出水量で活性炭層に吸着さ
れた塩化ナトリウムを排出できるので好ましい。
【0028】このような通液型電気二重層コンデンサ2
にあっては、各部材が押え板8、8によって圧締された
平板形状の構造となっているため、平板状またはシート
状の活性炭層5、5が均等に圧縮され、これにより通液
時の液の偏流が効果的に防止されたものとなっている。
そのため、イオン性物質の除去率の安定化が図られ、し
かもその除去率が十分に高められたものとなっている。
【0029】イオン交換樹脂装置3は、陽イオン交換樹
脂と陰イオン交換樹脂とを備えた混合床タイプのものと
することが好ましく、水中の陽イオンを水素イオンに、
また陰イオンを水酸イオンに交換する公知の構成のもの
である。なお、イオン交換樹脂としては、ジビニルベン
ゼンで架橋したスチレン重合体に、陽イオン交換樹脂の
場合にはスルホン酸基を、また陰イオン交換樹脂の場合
には4級アンモニウム基を導入したものが好適に用いら
れる。前者ではスルホン酸基(SO3 -)が負の固定電荷
となり、後者ではアンモニウム基(NR3 +;ただし、R
はメチル基−CH3 などのアルキル基)が正の固定電荷
となる。また、本発明のイオン交換樹脂装置3として
は、イオン交換膜を用いた公知構成のものを用いてもよ
い。
【0030】本例の脱塩装置1では、前記通液型電気二
重層コンデンサ2が3段、すなわち3基の通液型電気二
重層コンデンサ2‥が配管14等を介して直列に接続配
置されており、これら配管14中には貯槽15が配設さ
れている。ここで、配管14は、前段側の通液型電気二
重層コンデンサ2の液出口11と後段側の通液型電気二
重層コンデンサ2の液入口10との間を接続するもの
で、その経路中に貯槽15、15を配したものである。
【0031】貯槽15は、前段側の通液型電気二重層コ
ンデンサ2から送られてきた処理水を一旦溜め、その
後、後段側の通液型電気二重層コンデンサ2に送り出す
もので、本例においてはこの貯槽15に、すなわち1段
目と2段目の通液型電気二重層コンデンサ2の後に、そ
れぞれアルカリ添加手段16と硬度検出手段17とが設
けられている。
【0032】硬度検出手段17は、導電率計やカルシウ
ムあるいはマグネシウムのイオン濃度計によって構成さ
れたもので、貯槽15中に滞留する処理水中の硬度、す
なわちカルシウムイオン、マグネシウムイオンの含量を
検出し、これが予め設定した基準値以下であるか否かを
検知するためのものである。
【0033】ここで、硬度検出手段17として導電率計
を用いた場合には、予め原水の硬度と導電率との関係を
実験等により求めておき、その結果に基づいて導電率か
ら硬度を推定するといった方法が採られる。同様にイオ
ン濃度計を用いた場合にも、原水の硬度と各イオンの濃
度との関係を調べておき、その結果に基づいて測定した
イオンの濃度から硬度を推定するといった方法が採られ
る。
【0034】本例では、処理水についての基準となる硬
度を、炭酸カルシウム換算で5ppmとする。したがっ
て、貯槽15に滞留する処理水の硬度が5ppm以下で
あったら、前記のアルカリ添加手段16によって貯槽1
5中にアルカリを添加し、5ppmを越えている場合に
は、アルカリを添加することなくそのまま次段の通液型
電気二重層コンデンサ2に送るようになっている。
【0035】アルカリ添加手段16は、処理水の硬度を
上昇させず、しかも通液型電気二重層コンデンサ2によ
って容易に除去可能な陽イオンからなるアルカリ水溶液
(通常はNaOH水溶液またはKOH水溶液)を貯槽1
5に添加供給するためのもので、前述したように処理水
の硬度が5ppm以下のとき、貯槽15中に添加するよ
う構成されたものである。ここで、アルカリ水溶液の添
加については、処理水のpHが8以上で好ましくは12
以下程度となるようにして行われる。このようなpHの
調整については、pH計を備えておき、これで貯槽15
中のpHを測定し、この測定結果に基づいてアルカリ水
溶液の添加量を決定し、決定した量の水溶液を添加供給
するようにすればよい。また、予め添加するアルカリ水
溶液の濃度を所定濃度に調製しておき、処理水のpHを
ほぼ7とし、貯槽15中の処理水の量から換算して、ア
ルカリ水溶液の添加量を決定するといった方法を採用し
てもよい。
【0036】したがって、前記アルカリ添加手段16
は、所定量のアルカリ水溶液を貯槽15に添加できる構
成、すなわち定量的に供給を行える圧送ポンプ等を備え
た構成となっている。
【0037】また、貯槽15には、貯留した処理水を加
熱する加熱手段18が設けられている。この加熱手段1
8は、一般的なヒータによって構成されたもので、サー
モスタット等が設けられていることにより、所定温度、
すなわち40〜80℃の範囲の中で予め設定された温度
に処理水を加温するためのものである。ここで、このよ
うな加温はシリカのイオン化を促進するためである。な
お、このような加温については、温度を高くすればする
ほどシリカのイオン化が高まるものの、高くすれば当然
消費エネルギーが増大するとともに、加温に要する時間
も長くなって純水の製造効率も低下することから、シリ
カの濃度などによって処理水の加温温度を適宜に決定す
るのが好ましい。
【0038】次に、このような構成からなる脱塩装置1
の運転方法を説明する。まず、各段の通液型電気二重層
コンデンサ2の運転条件、すなわちその集電極6、6へ
の印加電圧として、例えば1段目の通液型電気二重層コ
ンデンサ2には1.2V、2段目には1.3V、3段目
には1.4Vというように、後段側に行くにしたがって
少しずつ印加電圧を高めるように設定することが好まし
い。これは、前段側から後段側になるにつれて原水中の
イオン濃度が低下することにより、集電極6、6間に電
流が流れにくくなるからである。
【0039】このような運転条件のもとで、まず、カル
シウムやマグネシウム等の金属イオンを含み、さらにシ
リカをSiO2 の状態で含有する原水を、1段目の通液
型電気二重層コンデンサ2に通液し、ここで処理するこ
とにより金属イオン等の各イオンを除去する。なお、こ
の通液型電気二重層コンデンサ2での処理では、前述し
たようにシリカはSiO2 の状態にあってほとんどイオ
ン化していないことから除去されない。そして、得られ
た処理水を、通液型電気二重層コンデンサ2の液出口1
0から配管14を通して上流側の貯槽15に導入する。
【0040】このようにして処理水を貯槽15に導入し
たら、硬度検出手段17によって貯槽15中の処理水の
硬度を検出し、予め設定した基準硬度、すなわち本例に
おいては炭酸カルシウム換算で5ppm以下であるか否
かを求める。
【0041】処理水が5ppm以下である場合、すなわ
ち原水の硬度が比較的低かった場合には、アルカリ添加
手段16よりこの貯槽15中にアルカリ水溶液を添加供
給し、処理水のpHを8〜12程度にして前述したよう
にシリカをイオン化する。また、このとき、イオン化し
たシリカの通液型電気二重層コンデンサ2による除去率
を高めるため、加熱手段18によって処理水を40〜8
0℃の範囲の適宜温度に加温しておく。なお、この加温
については、アルカリ水溶液添加の前であっても後であ
っても、また同時であってもよい。
【0042】そして、このようにしてシリカをイオン化
した処理水を、2段目の通液型電気二重層コンデンサ2
に導入する。すると、処理水中にはすでにカルシウムや
マグネシウム等の金属イオンなどが僅かにしか残留して
いないことから、この残留分が確実に除去されるととも
に、イオン化されたシリカ(HSiO3 -)や添加したア
ルカリ水溶液中の陽イオンも除去される。このとき、処
理水は40〜80℃に加温されていることにより、シリ
カのイオン化が促進され、効率良く除去される。
【0043】このようにして2段目の通液型電気二重層
コンデンサ2で処理された処理水は、配管14を通って
下流側の貯槽15に導入される。なお、ここでは、上流
側の貯槽15のときと同様に硬度検出手段17によって
硬度を検出することなく、もちろんアルカリ添加手段1
6によってアルカリ水溶液を添加供給することもなく、
導入された処理水をそのまま3段目の通液型電気二重層
コンデンサ2に送り込むる。ただし、原水中のシリカ濃
度が極めて高く、通液型電気二重層コンデンサ2による
一回の処理、すなわち1段だけの処理では十分に除去で
きないおそれがある場合には、上流側の貯槽15のとき
と同様にして硬度検出手段17、アルカリ添加手段1
6、さらには加熱手段18をそれぞれ機能させてもよ
い。
【0044】このようにして3段目の通液型電気二重層
コンデンサ2で3回目のイオン除去処理を行うことによ
り、カルシウムやマグネシウム等の金属イオンを含む各
イオン、およびシリカを確実に除去することができ、こ
れにより電気比抵抗が5MΩ・cm以上の純水を得るこ
ともできる。
【0045】また、1段目の通液型電気二重層コンデン
サ2から得られた処理水の硬度が5ppmを越えている
場合、すなわち原水の硬度が比較的高かった場合には、
ここにアルカリを添加するとスケールを生じてしまうこ
とから、アルカリ添加手段16よって貯槽15中にアル
カリ水溶液を添加供給することなく、また、もちろん加
熱手段18によって処理水を加温することなく、そのま
ま2段目の通液型電気二重層コンデンサ2に処理水を送
り込む。
【0046】そして、2段目の通液型電気二重層コンデ
ンサ2から得られた処理水を、配管14を通して下流側
の貯槽15に導入する。このようにして処理水を貯槽1
5に導入したら、先の場合と同様にして、硬度検出手段
17によって貯槽15中の処理水の硬度を検出し、基準
硬度(炭酸カルシウム換算で5ppm)以下であるか否
かを求める。
【0047】そして、基準硬度以下である場合には、先
の場合と同様にして、アルカリ添加手段16によってア
ルカリ水溶液を添加供給し、処理水のpHを8〜12程
度にしてシリカをイオン化する。また、このとき、加熱
手段18によって処理水を40〜80℃の範囲の適宜温
度に加温しておく。なお、原水の硬度が著しく高くない
限り、2段目の通液型電気二重層コンデンサ2から得ら
れる処理水の硬度は十分に低くなり、基準硬度以下とな
るので、この下流側での硬度の検出は省略してすぐにア
ルカリ水溶液を添加するようにしてもよい。
【0048】そして、このシリカをイオン化した処理水
を3段目の通液型電気二重層コンデンサ2に導入し、カ
ルシウムやマグネシウム等の金属イオンの残留分を除去
するとともに、イオン化されたシリカ(HSiO3 -)や
添加したアルカリ水溶液中の陽イオンを除去する。この
ようにして3段目の通液型電気二重層コンデンサ2で3
回目の処理を行うことにより、カルシウムやマグネシウ
ム等の金属イオンを含む各イオン、およびシリカを十分
に除去することができる。その後、これら3段の通液型
電気二重層コンデンサ2で処理されて得られた処理水を
イオン交換樹脂装置3に導入し、処理水中にごく僅かに
残留した各イオンやシリカをここで確実に除去する。
【0049】このような脱塩装置1にあっては、1段目
あるいは2段目までの通液型電気二重層コンデンサ2で
処理を行うことにより、カルシウムイオンやマグネシウ
ムイオンを除去して原水中の硬度を十分に低くしている
ので、得られた処理水にアルカリを添加しても、このア
ルカリの添加によってほとんどカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオンによるスケールが発生せず、したがって
アルカリを添加して処理水中に含まれるシリカをイオン
化させた後、このアルカリを添加した処理水を後段(2
段目と3段目、あるいは3段目)の通液型電気二重層コ
ンデンサ2に通液することにより、原水中に含まれたシ
リカも除去して導電率が低い、つまり高比抵抗の脱塩水
や純水を製造することができる。
【0050】また、特に通液型電気二重層コンデンサを
3段用いていることにより、原水の硬度に応じてアルカ
リを添加するタイミングを変えることができ、したがっ
て原水の硬度の高低に影響されることなく確実にシリカ
分を除去して脱塩水や純水を製造することができる。ま
た、処理水にアルカリを添加した際、この処理水を40
〜80℃に加温して通液型電気二重層コンデンサ2の処
理に供するようにしたので、シリカのイオン化が促進さ
れることにより通液型電気二重層コンデンサ2によるシ
リカの除去率を高めることができ、したがってシリカの
含有率が極めて低い、高度に精製された脱塩水や純水を
製造することができる。
【0051】また、イオン交換樹脂装置3を設けたこと
により、このイオン交換樹脂装置3でイオンを除去する
ことができ、したがって3段の通液型電気二重層コンデ
ンサ2‥を経てなお残留する僅かなイオンについても、
これを確実に除去することができる。したがって、原水
の起源や性状が変わった場合にも、これに影響されるこ
となく高い水質の脱塩水や純水を製造することができ
る。また、イオン交換樹脂装置3の前に3段の通液型電
気二重層コンデンサ2‥を設けたことにより、イオン交
換樹脂装置3の負荷を大幅に軽減することができ、した
がってイオン交換樹脂装置3の樹脂の再生や交換の頻度
を格段に少なくして経済的にも作業的にもその効率を向
上することができる。
【0052】なお、シリカ除去の必要のないときは、ア
ルカリ添加手段16、硬度検出手段17、加熱手段18
を設けなくてもよい。イオン交換装置は複数段直列また
は並列に配置されていてもかまわない。また、前記実施
形態例では通液型電気二重層コンデンサ2を3段用いて
いるが、本発明はこれに限定されることなく、2段でも
また4段以上でもよい。
【0053】次に、前記構成の脱塩装置1で得られた純
水、すなわち一次純水を、さらに二次処理して超純水
(二次純水)を得るサブシステムについて説明する。図
4中符号19はサブシステムと称される、二次純水処理
を行う設備群であり、このサブシステム19は、一次純
水処理で得られた純水(一次純水)に紫外線を照射して
紫外線照射処理を行う紫外線照射装置20と、紫外線照
射処理後の純水をイオン交換処理するイオン交換樹脂装
置21と、イオン交換処理後の純水を限外濾過する限外
濾過装置22とから構成されている。
【0054】紫外線照射装置20は、本例では波長が1
85nmの酸化処理を行う紫外線ランプ及び/又は波長
が256nmの殺菌処理を行う紫外線ランプを備えてな
るもので、一次純水処理がなされてタンク23に貯蔵さ
れた純水(一次純水)を、酸化・殺菌処理するためのも
のである。
【0055】イオン交換樹脂装置21は、基本的に図1
に示したイオン交換樹脂装置3と同じ構成からなる公知
のものである。限外濾過装置5は、セルロース系などの
微細な孔を有する限外濾過膜を用いてなるもので、圧力
を加えた状態で処理水(純水)を限外濾過膜に透過さ
せ、コロイド粒子などの微粒子を除去するものである。
【0056】このような構成のサブシステムによって二
次純水処理、すなわち超純水の製造を行うには、図1に
示した脱塩装置1で得られ、タンク23に貯蔵された純
水(一次純水)をポンプ24によって紫外線照射装置2
に送り、ここで酸化・殺菌処理する。すると、このよう
な処理により、一次純水中に残存していた有機物(TO
C)がイオン状の有機酸と炭酸とになる。
【0057】次に、この紫外線処理後の純水をイオン交
換樹脂装置21でイオン交換処理し、残存する極微量の
イオンをさらに除去する。その後、イオン交換樹脂装置
21から得られた純水を限外濾過装置22に導入し、こ
こで従来と同様にして限外濾過を行い、前記した水質を
有する超純水を得る。
【0058】このように、前記の脱塩装置1にあって
は、このサブシステム19を備えることによって二次純
水処理、すなわち超純水の製造を行うことができる。そ
の際、一次純水として各種イオンおよびシリカを十分に
除去していることから、サブシステムで得られる二次純
水(超純水)についても要求される水質を確実に得るこ
とができる。
【0059】図5は、本発明における請求項2記載の脱
塩装置の一実施形態例を示す図であり、図5中符号30
は脱塩装置である。この脱塩装置30は、通液型電気二
重層コンデンサ2を複数段(本例では3段)備え、さら
に最後段の通液型電気二重層コンデンサ2の下流側に逆
浸透膜分離装置31を備えたものである。
【0060】本例の脱塩装置30が先の例の脱塩装置1
と異なるところは、基本的に、イオン交換樹脂装置3を
逆浸透膜分離装置31に代えた点にある。逆浸透膜分離
装置31は、孔径が2nm程度の逆浸透膜を有してなる
もので、イオンおよび微生物や有機物を除去することが
できるようになっている。なお、このような逆浸透膜装
置としては、例えば日東電工社製ES−20、ES−1
0等が好適に用いられる。
【0061】したがって、この脱塩装置30にあって
は、前記脱塩装置1と同様の作用効果が得られるのに加
え、微生物や有機物をも除去できることから、特に得ら
れた純水にさらに二次純水処理を施し、超純水を得るの
に好適となる。すなわち、この脱塩装置30に、図4に
示した紫外線照射装置20、イオン交換樹脂装置21、
限外濾過装置22から構成されるサブシステム19を備
えさせることにより、より高い水質の二次純水(超純
水)を安定して製造することができるようになる。
【0062】なお、本例においても、図5中に示したご
とく、先の例と同様にアルカリ添加手段16、硬度検出
手段17、加熱手段18を設けているが、これら各手段
16、17、18を設けることなく複数段の通液型電気
二重層コンデンサ2と逆浸透膜分離装置31とから脱塩
装置を構成してもよいのはもちろんである。また、通液
型電気二重層コンデンサ2についても、2段用いても4
段以上用いてもよい。
【0063】図6は、本発明における請求項5記載の脱
塩装置の一実施形態例を示す図であり、図6中符号40
は脱塩装置である。この脱塩装置40は、通液型電気二
重層コンデンサ2を複数段(本例では2段)備え、さら
に最後段の通液型電気二重層コンデンサ2の下流側に逆
浸透膜分離装置31とイオン交換樹脂装置3とをこの順
に備えたものである。また、通液型電気二重層コンデン
サ2‥のうちの最後段の通液型電気二重層コンデンサ2
と逆浸透膜分離装置31との間には、これらを接続する
配管41中に貯槽42が設けられており、この貯槽42
にはアルカリ添加手段16と加熱手段18とが設けられ
ている。
【0064】ここで、逆浸透膜分離装置31は図5に示
した脱塩装置30の逆浸透膜分離装置31と同一構成の
ものであり、イオン交換樹脂装置3は図1に示した脱塩
装置1のイオン交換樹脂装置3と同一構成のものであ
る。また、アルカリ添加手段16、加熱手段18も、図
1に示した脱塩装置1のアルカリ添加手段16、加熱手
段18と同一構成のものである。
【0065】このような構成の脱塩装置40によって純
水を製造するには、先の例と同様にして、各段の通液型
電気二重層コンデンサ2の運転条件、すなわちその集電
極6、6への印加電圧として、例えば1段目の通液型電
気二重層コンデンサ2には1.2V、2段目には1.3
Vというように、後段側の印加電圧を高めるように設定
する。
【0066】このような運転条件のもとで、まず、原水
を1段目の通液型電気二重層コンデンサ2に通液し、こ
こで処理することにより金属イオン等の各イオンを除去
する。なお、この通液型電気二重層コンデンサ2での処
理では、前述したようにシリカはSiO2 の状態にあっ
てイオン化していないことからほとんど除去されない。
続いて、得られた処理水を、2段目の通液型電気二重層
コンデンサ2に通液し、1段目と同様にイオンの除去処
理を行う。そして、得られた処理水を貯槽通液型電気二
重層コンデンサ2の液出口10から配管41を通して貯
槽42に導入する。
【0067】このようにして処理水を貯槽42に導入し
たら、逆浸透膜分離装置31によるシリカの除去率を高
めるべく、図1に示した脱塩装置40の場合と同様に、
アルカリ添加手段16よりこの貯槽42中にアルカリ水
溶液を添加供給し、処理水のpHを8〜12程度にして
シリカをイオン化するとともに、加熱手段18によって
処理水を40〜80℃の範囲の適宜温度に加温してお
く。
【0068】そして、このようにしてシリカをイオン化
した処理水を逆浸透膜分離装置31に導入する。する
と、処理水中には2段の通液型電気二重層コンデンサ
2、2を経ることによってすでにカルシウムやマグネシ
ウム等の金属イオンなどが僅かにしか残留していないこ
とから、この残留分が確実に除去されるとともに、イオ
ン化されたシリカ(HSiO3 -)や添加したアルカリ水
溶液中の陽イオンも除去される。このとき、処理水は4
0〜80℃に加温されていることにより、シリカのイオ
ン化が促進され、効率良く除去される。ただし、この逆
浸透膜分離装置31は通液された処理水中のイオンの全
量を除去することなく、例えばその90%程度を除去す
るものとなっているため、得られた処理水中には添加し
たアルカリ等のイオンが僅かながら残留している。
【0069】そこで、この逆浸透膜分離装置31で処理
された処理水を、イオン交換樹脂装置3に通液すること
により、処理水中に残留していたイオンを確実に除去
し、高い水質の純水を得る。したがって、このような脱
塩装置40にあっては、アルカリを添加してシリカをイ
オン化することにより逆浸透膜分離装置31で該シリカ
をより確実に除去することができ、かつ、微生物や有機
物をも除去することができ、しかも僅かに流出するイオ
ンをイオン交換樹脂装置3で確実に除去することができ
る。
【0070】よって、この脱塩装置40にあっては、前
記脱塩装置1、30と同様の作用効果が得られるのに加
え、シリカと微生物等の有機物とを共に除去できること
から、より高い水質の一次純水を得ることができる。な
お、逆浸透膜分離装置やイオン交換装置を複数直列及び
/又は並列に設置してもよい。また、このように得られ
た脱塩水(純水)が高い水質となることから、これに二
次純水処理を施すことにより、高い水質の超純水を得る
ことができる。すなわち、この脱塩装置40に、図4に
示した紫外線照射装置20、イオン交換樹脂装置21、
限外濾過装置22から構成されるサブシステム19を備
えさせることにより、より高い水質の二次純水(超純
水)を安定して製造することができるようになる。な
お、前記実施形態例では通液型電気二重層コンデンサ2
を2段用いているが、本発明はこれに限定されることな
く、3段以上でもよい。
【0071】また、本発明では、通液型電気二重層コン
デンサとして、図2(a)、(b)に示した通液型電気
二重層コンデンサ2に代えて、図7に示すような特表平
11−505463号公報に開示された通液型電気二重
層コンデンサ50を用いることもできる。
【0072】この通液型電気二重層コンデンサ50は、
反対側に離間して設けられた二つの末端プレート23
1、232と、絶縁層235、236を挟んでそれぞれ
隣接した、二つの片面末端電極233、234とを有し
ている。それぞれの末端電極233、234は、チタン
シートからなる集電極の片面に導電性エポキシ等のバイ
ンダで高比表面積の導電体(ここでは活性炭)からなる
シートが接合されている。二つの末端電極233、23
4の間に両面中間電極237〜243は、相互に等距離
だけ離間して配設されている。それぞれの両面電極(例
えば237)は、チタンシートからなる集電極の両側に
活性炭シートを接合したものである。この中間電極の数
は限定されず、必要な容量が得られる表面積となるよう
適宜調節する(図7は7つの両面中間電極237〜24
3だけが図示されている)。
【0073】このような構成の通液型電気二重層コンデ
ンサの各電極を交互にアノード、カソードとする。すな
わち、例えば末端電極233、中間電極238、24
0、243をアノードとし、中間電極237、239、
241、242および末端電極234をカソードとす
る。すると、それぞれ隣接した電極対(アノードおよび
カソード)は、独立した処理室を形成する。
【0074】したがって、この通液型電気二重層コンデ
ンサ50に原水を導入すると、まず、矢印Aで示すよう
に、第1の処理室250を通る原水が、電極表面に対し
てほぼ平行に流れる。すると、両側の電極が分極されて
いることにより、イオンは原水中から静電的に除去さ
れ、電極233および237の活性炭層表面に形成され
た電気二重層に保持される。
【0075】原水は、続いて、矢印Bで示すように孔2
63を通って次の処理室の中に流れる。ここでは、中間
電極237および238によって形成される処理室の分
極により、原水中のイオンがさらに除去される。そし
て、原水は、矢印C〜Gに示すように残りの各処理室を
連続的に通過させられ、イオンが除去される。その後、
矢印Hで示すように、処理水は、末端電極234、絶縁
層236等を通過し、通液型電気二重層コンデンサ50
から導出される。
【0076】したがって、このような通液型電気二重層
コンデンサ50にあっても、前記通液型電気二重層コン
デンサ2と同様に、カルシウムやマグネシウムなどの金
属イオンをはじめとして各種のイオンを原水から除去す
ることができ、これにより通液型電気二重層コンデンサ
2と交換することが可能になっている。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求
項1記載の脱塩装置は、複数段の通液型電気二重層コン
デンサと、イオン交換樹脂装置とをこの順に直列に備え
たものであるから、複数段の通液型電気二重層コンデン
サによって原水中の各種のイオンを十分に除去すること
ができ、さらにイオン交換樹脂装置によって原水の起源
や性状が変わった場合にもこれに影響されることなく高
い水質の脱塩水や純水を製造することができる。また、
イオン交換樹脂装置の前に通液型電気二重層コンデンサ
を複数段設けたことにより、イオン交換樹脂装置の負荷
を大幅に軽減することができ、したがって樹脂の再生や
交換の頻度を格段に少なくして経済性、作業性の効率を
高めることができる。
【0078】請求項2記載の脱塩装置は、複数段の通液
型電気二重層コンデンサと、逆浸透膜分離装置とをこの
順に直列に備えたものであるから、複数段の通液型電気
二重層コンデンサによって原水中の各種のイオンを十分
に除去することができ、さらに逆浸透膜分離装置によっ
てイオンおよび有機物も除去することができ、これによ
り原水の起源や性状が変わった場合にもこれに影響され
ることなく高い水質の純水を製造することができる。ま
た、逆浸透膜分離装置の前に通液型電気二重層コンデン
サを複数段設けたことにより、逆浸透膜分離装置の負荷
を大幅に軽減して逆浸透膜におけるイオン分離性能を向
上させ、膜の劣化を抑えることができる。
【0079】請求項5記載の脱塩装置は、複数段の通液
型電気二重層コンデンサと、逆浸透膜分離装置と、イオ
ン交換樹脂装置とをこの順に直列に備えてなり、前記複
数段の通液型電気二重層コンデンサのうちの最後段の通
液型電気二重層コンデンサと逆浸透膜分離装置との間
に、アルカリを添加する手段を設けたものであるから、
複数段の通液型電気二重層コンデンサによって各種のイ
オンを十分に除去し、さらに逆浸透膜分離装置およびイ
オン交換樹脂装置によってシリカ、さらには有機物を除
去することができ、したがって、原水の起源や性状が変
わった場合にもこれに影響されることなく高い水質の脱
塩水や純水を製造することができる。
【0080】また、複数段の通液型電気二重層コンデン
サのうちの最後段の通液型電気二重層コンデンサと逆浸
透膜分離装置との間にアルカリを添加する手段を設けて
いるので、通常SiO2 の状態で存在するシリカをイオ
ン化してHSiO3 -とし、これを逆浸透膜分離装置でよ
り確実に除去するとともに、この逆浸透膜分離装置で除
去されずに僅かに透過するアルカリのイオンやHSiO
3 -もイオン交換樹脂装置によって確実に除去することが
できる。さらに、逆浸透膜分離装置、イオン交換樹脂装
置の前に通液型電気二重層コンデンサを複数段設けたこ
とにより、これら逆浸透膜分離装置やイオン交換樹脂装
置の負荷を大幅に軽減することができ、したがって逆浸
透膜の劣化を抑え、かつイオン交換樹脂膜やイオン交換
樹脂の再生や交換の頻度を格段に少なくして経済性、作
業性の効率を高めることができる。
【0081】また、これら請求項1、2、5記載の脱塩
装置にあっては、原水の起源や性状に影響されることな
く高い水質の純水を製造することができることから、二
次純水処理をなすサブシステムを備えさせることによ
り、高い水質の二次純水、すなわち超純水を安定して製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における請求項1記載の脱塩装置の一
実施形態例の、概略構成を説明するための図である。
【図2】 通液型電気二重層コンデンサの概略構成を示
す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は側断面図で
ある。
【図3】 (a)、(b)は図2に示した通液型電気二
重層コンデンサの処理原理を説明するための図である。
【図4】 サブシステムの概略構成を説明するための図
である。
【図5】 本発明における請求項2記載の脱塩装置の一
実施形態例の、概略構成を説明するための図である。
【図6】 本発明における請求項5記載の脱塩装置の一
実施形態例の、概略構成を説明するための図である。
【図7】 通液型電気二重層コンデンサの他の例の概略
構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1、30、40…脱塩装置、2、50…通液型電気二重
層コンデンサ、3…イオン交換樹脂装置、16…アルカ
リ添加手段、20…紫外線照射装置、21…イオン交換
樹脂装置、22…限外濾過装置、31…逆浸透膜分離装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 A 1/44 1/44 H 9/00 502 9/00 502F 502G 502H 502J 502M 502N 503 503G 503A (72)発明者 松下 聿宏 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 PB06 PB23 PC03 PC31 4D024 AA03 AB15 BA02 BB05 BC01 DB04 DB05 DB09 DB10 DB19 4D025 AA02 AA07 AB02 BA07 BB01 BB03 BB09 DA04 DA06 4D037 AA03 AA08 AB18 BA18 CA03 CA04 CA15 4D061 DA03 DA05 DB13 EA02 EB04 EB12 EB27 EB29 EB31 FA06 FA07 FA08 FA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数段の通液型電気二重層コンデンサ
    と、イオン交換樹脂装置とをこの順に直列に備えてなる
    ことを特徴とする脱塩装置。
  2. 【請求項2】 複数段の通液型電気二重層コンデンサ
    と、逆浸透膜分離装置とをこの順に直列に備えてなるこ
    とを特徴とする脱塩装置。
  3. 【請求項3】 前記複数段の通液型電気二重層コンデン
    サのうちの前段の通液型電気二重層コンデンサと後段の
    通液型電気二重層コンデンサとの間に、アルカリを添加
    する手段が設けられていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の脱塩装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン交換樹脂装置あるいは逆浸透
    膜分離装置の下流側に、紫外線照射装置と、イオン交換
    樹脂装置及び/又は逆浸透膜分離装置と、限外濾過装置
    とを有した超純水製造のためのサブシステムが備えられ
    ていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の脱塩
    装置。
  5. 【請求項5】 複数段の通液型電気二重層コンデンサ
    と、逆浸透膜分離装置と、イオン交換樹脂装置とをこの
    順に直列に備えてなり、 前記複数段の通液型電気二重層コンデンサのうちの最後
    段の通液型電気二重層コンデンサと逆浸透膜分離装置と
    の間に、アルカリを添加する手段が設けられていること
    を特徴とする脱塩装置。
  6. 【請求項6】 前記イオン交換樹脂装置の下流側に、紫
    外線照射装置と、イオン交換樹脂装置及び/又は逆浸透
    膜分離装置と限外濾過装置とを有した超純水製造のため
    のサブシステムが備えられていることを特徴とするため
    の請求項5記載の脱塩装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006051423A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Kurita Water Ind Ltd 電気脱イオンシステム、電気脱イオン方法及び純水製造装置
WO2006035740A1 (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法
EP2341032A3 (de) * 2009-12-15 2012-04-04 Schnider, Kurt Vorrichtung und Verfahren zur Aufbereitung von Wasser für die Speisung eines Durchflusskondensators

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