JP2002210334A - 脱塩装置及び脱塩方法 - Google Patents

脱塩装置及び脱塩方法

Info

Publication number
JP2002210334A
JP2002210334A JP2001011712A JP2001011712A JP2002210334A JP 2002210334 A JP2002210334 A JP 2002210334A JP 2001011712 A JP2001011712 A JP 2001011712A JP 2001011712 A JP2001011712 A JP 2001011712A JP 2002210334 A JP2002210334 A JP 2002210334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric double
water
type electric
double layer
flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001011712A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nomura
誠 埜村
Nobuhiro Oda
信博 織田
Nobuhiro Matsushita
聿宏 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2001011712A priority Critical patent/JP2002210334A/ja
Publication of JP2002210334A publication Critical patent/JP2002210334A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水利用率が高く、煩雑な操作を必要とせず、
環境汚染等の問題がなく、高効率で脱塩することができ
る装置及びかかる装置を用いた脱塩方法の提供。 【解決手段】 通液型電気二重層コンデンサと、RO装
置と、原水を該通液型電気二重層コンデンサに供給する
ラインと、通液型電気二重層コンデンサ処理水を該RO
装置に供給するラインと、該RO装置から流出する透過
水を取り出すラインと、を有することを特徴とする脱塩
装置;及び原水を通液型電気二重層コンデンサに通水
し、得られた通液型電気二重層コンデンサ処理水をRO
装置に通水し、RO装置から流出する透過水を取り出す
ことを特徴とする脱塩方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所等のボイラ
の給水、半導体製造工程、燃料電池発電等に用いられる
純水の製造や、冷却塔用水の製造、循環使用、各種排水
の回収に用いられる脱塩方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水の脱塩方法として、複数の逆浸透膜
(RO)を通水させる技術が知られている。逆浸透膜
は、半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が存在する場合に
おいて、高濃度水溶液側に圧力を加えることによって、
高濃度水溶液側から低濃度水溶液側に水が移動するとい
う原理を応用したものである。原水を複数個のROを通
水させることによって、より効率的に脱塩を行うことが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
複数個のROを用いて脱塩する場合、特に第1段のRO
はカルシウムやマグネシウム等の硬度成分や、シリカ等
の存在により、水利用率(純水製造量/原水使用量)が
低かった。すなわち、カルシウムイオン、マグネシウム
イオンは、濃縮により炭酸イオンと結合して炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウムとなり、スケールを生じる。ま
た、シリカは水に難溶であり、濃縮によりやはりスケー
ルを生じる。特に、膜材としてポリアミドを用いた場合
にスケールによる目詰まりを起こしやすい。このような
スケールの発生により濃縮率を向上させられず、その結
果水利用率が低かった。かかる問題を解決する手段とし
て、ヘキサメタリン酸等のスケール防止剤を添加する方
法があるが、労力がかかり、操作が煩雑であること、排
水による環境汚染があること、第2段以降のROに有機
物が蓄積し易くなる等の問題があった。
【0004】また、前記のように、逆浸透膜では、高濃
度水溶液側に高圧力をかける必要があるため、電力消費
量が大きく、運転コストが高いという問題があった。
【0005】したがって、本発明は、水利用率が高く、
煩雑な操作を必要とせず、環境汚染等の問題が少なく、
高効率で脱塩することができる装置及びかかる装置を用
いた脱塩方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、逆浸透膜装置(RO装
置)による処理に先立って、通液型電気二重層コンデン
サによる前処理を行えば、大部分の陽イオン、陰イオン
が通液型電気二重層コンデンサで除去され、しかも通液
型電気二重層コンデンサによる処理は膜を介しての処理
ではないことからスケールの発生という問題が生じない
ため、RO装置へのイオン負荷が非常に小さくなり、煩
雑な操作を必要とせずに、環境汚染等の問題もなく、高
効率で脱塩することができることを見出し、本発明を完
成した。
【0007】すなわち、請求項1記載の発明は、通液型
電気二重層コンデンサと、RO装置と、原水を該通液型
電気二重層コンデンサに供給するラインと、通液型電気
二重層コンデンサ処理水を該RO装置に通水するライン
と、該RO装置から流出する透過水を取り出すライン
と、を有することを特徴とする脱塩装置である。請求項
2記載の発明は、前記通液型電気二重層コンデンサの電
極の素材が、活性炭である請求項1記載の脱塩装置であ
る。請求項3記載の発明は、前記RO装置から排出され
る濃縮液を、前記通液型電気二重層コンデンサ上流側に
還流させるラインを有するものである請求項1又は2記
載の脱塩装置である。請求項4記載の発明は、前記逆浸
透膜装置から排出される濃縮液を、前記逆浸透膜装置の
流入側に還流させるラインを有するものである請求項1
〜3のいずれか1項記載の脱塩装置である。請求項5記
載の発明は、原水を通液型電気二重層コンデンサに通水
し、得られた通液型電気二重層コンデンサ処理水をRO
装置に通水し、RO装置から流出する透過水を取り出す
ことを特徴とする脱塩方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】通液型電気二重層コンデンサは、
間に通液路を挟んで2つの高比表面積の導電体層を有
し、これら導電体層の外側に集電極を配置した構成を有
するものであり、集電極に電圧を加えることによって、
原水中のイオンを導電体層に電気的に吸着させ、塩濃度
が減少した処理水を得ることができるようになってい
る。このような高比表面積の導電体としては、活性炭が
好適である。通液型電気二重層コンデンサにおいては、
以下に示す処理過程を経て流入水中のイオン性物質が除
去される。この処理過程を、流入水に含まれるイオン性
物質が塩化ナトリウムであり、前記高比表面積の導電体
が活性炭である場合を例にして、図2(イ)、(ロ)を
用いて説明する。
【0009】図2(イ)に示すように、電圧印加時にお
いて、流入水中のナトリウムイオンは陰極側の集電極2
03に接する活性炭層202に電気的に吸着され、塩素
イオンは陽極側の集電極203に接する活性炭層202
に電気的に吸着される。このため、出口から得られる浄
水(処理水)は、その塩化ナトリウム濃度が著しく低下
したものとなる。また、通水を長時間続けると、活性炭
202に対するイオンの吸着が飽和に近づくため、出口
から得られる処理水の塩化ナトリウム濃度が高くなる。
そこで、吸着飽和に達する前に陽極側と陰極側とを短絡
(ショート)させるか、あるいは逆接続すれば、図2
(ロ)に示すように活性炭202に吸着されていたナト
リウムイオンおよび塩素イオンが脱離し、流入水中の塩
化ナトリウム濃度よりはるかに高濃度の塩化ナトリウム
を含む流出水が出口より排出される。このときの流速を
遅くすれば、少ない流水量で活性炭層に吸着された塩化
ナトリウムを排出できるので好ましい。
【0010】図1は、本発明の脱塩装置の一実施形態を
示すものである。本発明の脱塩装置においては、原水が
まず通液型電気二重層コンデンサ、次いでRO装置で処
理されるように通液型電気二重層コンデンサ及びRO装
置が配置されている。まず通液型電気二重層コンデンサ
で原水を処理することにより、ナトリウムイオン、カル
シウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオン及び塩
素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等の陰イオンを除去
する。通液型電気二重層コンデンサ処理により、イオン
を少なくとも数十%以上除去することができ、これに続
くRO装置でのスケール(炭酸カルシウム、シリカ等)
の発生を大幅に低減することができるため、RO装置で
の濃縮率を向上させることができ、水利用率を大幅に改
善することができる。通液型電気二重層コンデンサ2に
は、原水を通液型電気二重層コンデンサ2に供給するラ
イン4及び通液型電気二重層コンデンサ2で処理された
処理水をRO装置3に供給するライン5が接続されてい
る。RO装置3には、通液型電気二重層コンデンサ2で
処理された処理水が供給されるライン5及びRO装置3
から流出する透過水を取り出すためのライン6が接続さ
れている。通液型電気二重層コンデンサ、RO装置は、
処理しようとする原水の量を考慮して、適宜の処理能力
を有するものを選択することができる。なお、図1にお
いては、RO装置は1個配設されているが、RO装置は
2個以上直列及び/又は並列に配設されていてもよい。
【0011】本発明の脱塩装置に用いる通液型電気二重
層コンデンサに特に制限はないが、例えば次の二種類の
ものを代表例として挙げることができる。第一の通液型
電気二重層コンデンサとして、電気絶縁性多孔質通液性
シートからなるセパレータを挟んで、高比表面積導電体
として高比表面積活性炭を主材とする活性炭層を配置
し、その活性炭層の外側に集電極を配置し、さらにその
集電極の外側に押え板を配置した構成を有する平板形状
のものが挙げられる。フラットな活性炭層を用い、各部
材を配置して圧締した平板形状の構造とすることによ
り、活性炭層を均等に圧縮でき、通液時の液の偏流を効
果的に防止することができる。そのため、イオン性物質
の除去率の安定化が図られ、しかもその除去率を極限に
まで高めることができる。
【0012】図3は、かかる平板形状の通液型電気二重
層コンデンサの分解図の一例を示したものであり、図4
は、その組み立て図を示したものである。セパレータ2
11としては、ろ紙、多孔質高分子膜、織布、不織布な
ど、液体の通過が容易でかつ電気絶縁性を有する有機質
または無機質のシートからなるものが用いられる。セパ
レータ211の厚さは、0.01〜0.5mm程度、殊
に0.02〜0.3mm程度が好ましい。活性炭層21
2としては、高比表面積活性炭を主材とする層が用いら
れる。高比表面積活性炭とは、BET比表面積が好まし
くは1000m2/g以上、より好ましくは1500m2
/g以上、さらに好ましくは2000〜2500m2
gの活性炭を言う。BET比表面積が余りに小さいとき
は、イオン性物質を含む液体を通したときのイオン性物
質の除去率が低下し易くなる。なおBET比表面積が余
りに大きくなるとイオン性物質の除去率がかえって低下
する傾向があるので、BET比表面積を必要以上に大き
くするには及ばない。使用する活性炭の形状は、粉粒
状、繊維状など任意である。粉粒状の場合には平板状ま
たはシート状に成形して用い、繊維状の場合には布状に
加工して用いることが好ましい。粉粒状活性炭を平板状
またはシート状に成形して用いることは、繊維状の活性
炭を布状に加工して用いる場合に比べて、コストの点か
らは格段に有利である。平板状またはシート状への成形
は、たとえば、粉粒状活性炭をバインダー成分(ポリテ
トラフルオロエチレン、フェノール樹脂、カーボンブラ
ック等)および/または分散媒(溶媒等)と混合して板
状に成形してから、適宜熱処理することにより得られ
る。活性炭層212として平板状またはシート状のもの
を用いる場合は、必要に応じこれに穿孔加工を施してお
くこともできる。なお、平板状またはシート状の活性炭
を用いる技術については、特開昭63−107011号
公報、特開平3−122008号公報、特開平3−22
8814号、特開昭63−110622号、特開昭63
−226019号公報、特開昭64−1219号公報な
どにも開示があるので、それらの公報に開示のものを参
考にすることもできる。活性炭層212の厚さは、0.
1〜3mm程度、殊に0.5〜2mm程度とすることが
好ましいが、必ずしもこの範囲内に限られるものではな
い。
【0013】集電極213としては、銅板、アルミニウ
ム板、カーボン板、フォイル状グラファイトなどの電気
良導体であって、活性炭層212との緊密な接触が可能
なものが好ましい。集電極213の厚さに特に限定はな
いが、0.1〜0.5mm程度のものが好ましい。印加
を容易にするため、集電極213には端子(リード)を
設けるのが通常である。押え板214としては、プラス
チックス板などの電気絶縁性材料からできた変形しにく
い平板が用いられる。この押え板214には、液入口、
液出口、固定用ボルト孔などを適宜設けることができ
る。集電極213と押え板214との間には、枠状のガ
スケット215を介在させることが望ましい。そのよう
なガスケット215を独立に設ける代りに、押え板21
4側にシール機能を有する部材を設けておくこともでき
る。上記の部材を用いて、図4に示すように、押え板2
14 /(ガスケット215 /)集電極213 /活性
炭層212 /セパレータ211 /活性炭層212/集
電極213 /(ガスケット215 /)押え板214の
構成を有する平板形状の通液型電気二重層コンデンサが
組み立てられる。
【0014】第二の通液型電気二重層コンデンサの一例
を、図5の模式的拡大断面図を用いて説明する。通液型
電気二重層コンデンサ2は、反対側に離間して設けられ
た二つの末端プレート231,232と、絶縁層23
5,236を挟んで夫夫隣接した、二つの片面末端電極
233、234とを有している。夫々の末端電極23
3、234は、チタンシートからなる集電極の片面に導
電性エポキシ等のバインダで高比表面積の導電体(ここ
では活性炭)からなるシートが接合されている。二つの
末端電極233、234の間に両面中間電極237〜2
43は、相互に等距離だけ離間して配設されている。夫
々の両面電極(例えば237)は、チタンシートからな
る集電極の両側に活性炭シートを接合したものである。
この中間電極の数は限定されず、必要な容量が得られる
表面積となるよう適宜調節する(図5は7つの両面中間
電極237〜243だけが図示されている)。
【0015】このような構成の通液型電気二重層コンデ
ンサの各電極を交互にアノード、カソードとする。すな
わち、例えば末端電極233、中間電極238,24
0、243をアノードとし、中間電極237、239、
241、242および末端電極234をカソードとす
る。すると、それぞれ隣接した電極対(アノードおよび
カソード)は、独立した処理室を形成する。
【0016】したがって、この通液型電気二重層コンデ
ンサ2に原水を導入すると、まず、矢印Aで示すよう
に、第1の処理室250を通る原水が、電極表面に対し
てほぼ平行に流れる。すると、両側の電極が分極されて
いることにより、イオンは原水中から静電的に除去さ
れ、電極233および237の活性炭層表面に形成され
た電気二重層に保持される。
【0017】原水は、続いて、矢印Bで示すように孔2
63を通って次の処理室の中に流れる。ここでは、中間
電極237および238によって形成される処理室の分
極により、原水中のイオンがさらに除去される。そし
て、原水は、矢印C〜Gに示すように残りの各処理室を
連続的に通過させられ、イオンが除去される。その後、
矢印Hで示すように、処理水は、末端電極234、絶縁
層236等を通過し、通液型電気二重層コンデンサ2か
ら導出される。
【0018】原水は、ライン4から通液型電気二重層コ
ンデンサ2に供給され、前述の図2にて説明した原理に
より、Na+等のカチオンはアノード側の活性炭層に電
気的に吸着され、Cl-等のアニオンはカソード側の活
性炭層に電気的に吸着される。適当な時期にライン5を
閉じるとともにカソード側とアノード側とをショートあ
るいは逆接続させることにより、吸着されていた塩は脱
塩し、原水中の濃度よりはるかに高濃度で再生排水ライ
ンより排出される。このようにして、アニオン、カチオ
ンが除去された通液型電気二重層コンデンサ処理水は、
ライン5を経てRO装置3に送水される。
【0019】RO装置は、ROを用いて脱イオン等を行
い、脱塩することができるものであれば、ROの膜の材
質、膜厚、孔径、膜透過速度等に特に制限はない。RO
処理水は、前記した原理にしたがって脱塩され、透過水
として取り出される。
【0020】本発明に用いる通液型電気二重層コンデン
サは、その電極の素材が活性炭であることが好ましい。
ROの膜材としてポリアミド樹脂を用いると、良好な水
質の純水が得られるが、ポリアミド樹脂は塩素により弱
化しやすい。したがって、従来ROを用いて純水を製造
する場合は、別個に活性炭塔を設けて、原水を予め活性
炭塔を通水させ、塩素や微粒子等を除去することが好ま
しかった。このとき、活性炭の破砕防止や処理能力維持
のため、原水は低速度で通水する必要があり、このため
活性炭塔を大きくせねばならないという問題があった。
また、かかる活性炭塔には微生物が繁殖するという問題
があった。活性炭塔の代わりに、ROの原水に亜硫酸水
素ナトリウム等の還元剤を定期的に添加する方法もある
が、操作が煩雑である上に、ROに余分なイオン負荷を
与えるという問題があった。通液型電気二重層コンデン
サの電極の素材を活性炭とすれば、活性炭塔を設けるこ
となく塩素を除去することができる。すなわち、塩素
は、通液型電気二重層コンデンサ内で電極素材である活
性炭と反応し、生成した塩化物イオンは他の陰イオンと
ともに除去される。また、ROに余分なイオン負荷を与
えることがなく、さらに通液型電気二重層コンデンサに
は常時電流が流れているため活性炭表面での微生物の増
殖を抑制することができる。電極の素材とする活性炭と
しては、例えば繊維状等にしたもの、あるいは粒状、粉
状のものを不織布等で包摂したものが挙げられる。
【0021】本発明においては、RO装置から排出され
る濃縮水を、通液型電気二重層コンデンサの上流側すな
わち原水を通液型電気二重層コンデンサに供給するライ
ンに還流するライン7、又はRO装置の流入側すなわち
通液型電気二重層コンデンサ処理水をRO装置に供給す
るラインに還流するライン8を有することが好ましい。
これにより、濃縮水を再度通液型電気二重層コンデンサ
又はRO装置で処理することができるため、水利用率を
向上させることができる。
【0022】RO装置から排出される濃縮水を、通液型
電気二重層コンデンサの上流側、RO装置の流入側のい
ずれに還流するかは、かかる濃縮水の水質により決定す
ればよい。すなわち、水質がある一定基準より悪い場合
には、濃縮水を通液型電気二重層コンデンサ上流側に還
流し、水質がある一定基準よりよい場合には濃縮水をR
O装置の流入側に還流すればよい。これにより、効率よ
く水利用率を向上させることができる。図1では、両還
流ラインは、X点で分岐するように記載されているが、
RO装置の濃縮水排出口から別ラインとなるように設置
されてもよい。濃縮水の水質は、例えば水導電率や、カ
ルシウム、マグネシウム、シリカ等の濃度で判断するこ
とができる。
【0023】具体的には、図1の例では、X点よりRO
装置側に水導電率測定装置や、カルシウム等の濃度測定
装置を設置し、測定データに応じて、濃縮水を通液型電
気二重層コンデンサの上流側又はRO装置の流入側に還
流させる手段を設ければよい。なお、上記一定基準は、
必要とする純水の水質、装置の能力等に応じて適宜選択
することができる。
【0024】本発明の脱塩装置は、通液型電気二重層コ
ンデンサの代わりにROを2段用いた場合と比較して、
次のような利点を有する。ROを用いると、濃縮水中の
カルシウムイオン、マグネシウムイオン等と炭酸イオン
とが結合して炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等とな
ってスケールが生じる。これを解決するためには、濃縮
倍率を低くして運転したり、スケール防止剤等を頻繁に
添加する必要がある等操作が非常に煩雑である。しかし
ながら、通液型電気二重層コンデンサによる濃縮は、膜
を介した濃縮ではないので、スケールの発生という問題
が生じず、十分濃縮できるため、通液型電気二重層コン
デンサに続くRO装置の負荷改善効果がきわめて高い。
ROは、高圧ポンプを使用するため、電力消費量が大き
く、これを2段で用いると、経済性の点からも問題があ
るが、通液型電気二重層コンデンサとRO装置との併用
であれば、このような問題は少ない。
【0025】本発明の製造装置に適用し得る原水に特に
制限はなく、工業用水、市水、井水だけでなく、海水、
工業排水等が挙げられる。
【0026】本発明の脱塩方法は、かかる脱塩装置を用
いるものである。まず、原水をライン4を介して通液型
電気二重層コンデンサ2に通水する。ここで大部分のイ
オン性物質、シリカ等が除去される。次いで、得られた
通液型電気二重層コンデンサ処理水は、ライン5を介し
てRO装置3へ供給される。ここで、さらにイオン性物
質等が除去される。該RO装置の濃縮水は、必要に応じ
て通液型電気二重層コンデンサ上流側又はRO装置流入
側に還流される。イオンが除去された透過水(純水)
は、ライン6から排出され、必要に応じて後処理された
後、ユースポイント供給へ給される。このように、通液
型電気二重層コンデンサ処理で得られた通液型電気二重
層コンデンサ処理水をRO装置に通水させることができ
るため、スケール析出等の問題が生じることなく、水利
用率を向上させることができ、煩雑な操作を行うことな
く、高効率で脱塩させることができる。
【0027】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】実施例1及び比較例1 図1に示す脱塩装置を用いて脱塩を行った。通液型電気
二重層コンデンサは、電極面積が13000cm2×2
50枚(陽極、陰極125対)のものを用い、基数3基
で、運転条件は印加電圧2.0V(電流値2.5〜5
A)、短絡頻度1回/30分とし、短絡の都度陽極、陰
極を転換させた。また、電極は、活性炭シートを用い
た。RO装置(RO2)は、日東電工社製ES−10
(直径2インチ)を用い、運転条件は、圧力80kP
a、給水量:透過水量:ブライン=80L:60L:2
0Lとした。原水は、厚木市の市水を、孔径10μmの
カートリッジフィルターを通し、懸濁物を除去したもの
を用いた。
【0029】まず、給水量160L/hrで通液型電気
二重層コンデンサ2に通水し、得られた通液型電気二重
層コンデンサ処理水をRO装置3に送水し、透過水(純
水)をRO装置3から取り出した。通液型電気二重層コ
ンデンサ上流側、RO装置流入側への還流は行わなかっ
た。かかる条件で脱塩装置の運転を30日間行った。こ
のときのRO2流入水の水質、RO2透過水(純水)の
水質、純水1m3を製造するのに必要な原水の量(水利
用率)、純水1m3を製造するのに必要な電力量及びR
O2流入水中の遊離塩素濃度を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1は、実施例1において、通液型電
気二重層コンデンサ2の代わりに以下のRO装置(RO
1)を、以下の条件で用い、RO1の原水にNaHSO
3が3.5ppmとなるように連続して注入した以外は
実施例1と同様にして純水を製造した。すなわち、RO
1は、日東電工社製ES20(直径4インチ)を用い、
運転条件は、圧力80kPa、給水量:透過水量:ブラ
イン=260L:160L:100Lとした。このとき
のRO2流入水の水質、RO2透過水(純水)の水質、
純水1m3を製造するのに必要な原水の量、純水1m3
製造するのに必要な電力量及びRO2流入水中の遊離塩
素濃度を表1に示す。
【0032】表1より、実施例1の装置を用いれば、比
較例1の装置を用いた場合に比べて、RO2流入水の水
質、RO2透過水(純水)の水質はほぼ同等であるが、
水利用率及び電力量は大幅に少なく、本発明の効果が確
認された。また、実施例1では、通液型電気二重層コン
デンサの電極を活性炭とすることにより、RO2流入水
の塩素濃度が検出限界以下まで減少した。これにより、
ROの膜の耐久性を向上させることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の脱塩装置を用いれば、RO装置
による処理に先立って通液型電気二重層コンデンサ処理
を行い、大部分の陽イオン、陰イオンが通液型電気二重
層コンデンサで除去されるため、RO装置への負荷が非
常に小さくなり、スケールの発生等による濃縮率の低下
等の問題が生じず、その結果水利用率が向上して、高効
率で脱塩することができる。また、本発明の脱塩装置を
用いれば、通液型電気二重層コンデンサの代わりにRO
を用いた場合と比べて、電力消費量が小さく、経済性の
点からも優れている。また、通液型電気二重層コンデン
サの電極の素材を活性炭とすれば、活性炭塔を設けるこ
となく塩素を除去することができる。すなわち、塩素
は、通液型電気二重層コンデンサ内で電極素材である活
性炭と反応し、生成した塩化物イオンは他の陰イオンと
ともに除去される。そして、ROに余分なイオン負荷を
与えることがなく、さらに通液型電気二重層コンデンサ
には常時電流が流れているため微生物の増殖を抑制する
こともできる。さらに、RO装置から排出される濃縮水
を、通液型電気二重層コンデンサの上流側及びRO装置
の流入側に還流するラインを設けることにより、濃縮水
を再度RO装置及び必要により通液型電気二重層コンデ
ンサで処理することができるため、水利用率をさらに向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の脱塩装置の一実施形態を示すもので
ある。
【図2】 第一の通液型電気二重層コンデンサの原理を
示す構成図である。
【図3】 第一の通液型電気二重層コンデンサの分解図
の一例を示すものである。
【図4】 第一の通液型電気二重層コンデンサの組み立
て図の一例を示すものである。
【図5】 第二の通液型電気二重層コンデンサ模式的拡
大断面図である。
【符号の説明】
1:脱塩装置 2:通液型電気二重層コンデンサ 211:セパレータ 212:活性炭層 213:集電極 214:押え板 231、232:末端プレート 233、234:片面末端電極 235、236:絶縁層 237〜243:中間電極 3:RO装置 4:原水供給ライン 5:通液型電気二重層コンデンサ処理水供給ライン 6:希釈水(純水)取り出しライン 7:RO濃縮水の通液型電気二重層コンデンサ上流側へ
の還流ライン 8:RO濃縮水のRO流入側への還流ライン A:アニオン交換樹脂 C:カチオン交換樹脂
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/28 F 1/44 1/44 H K 1/46 1/46 Z H01G 9/058 H01G 9/00 301A 9/155 301Z 9/28 531 (72)発明者 松下 聿宏 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 JA58A KA02 KB12 KB14 KB30 KD09 KD19 PB07 PB08 PB27 PB28 PC31 4D017 AA01 BA11 CA03 CB01 CB03 CB05 DA01 DB04 EA03 EB08 4D024 AA03 AA04 AB14 BA02 BB01 BB02 BB03 BC01 CA01 DA07 DB05 DB09 4D061 DA02 DA05 DA08 DB13 EA01 EB02 EB05 EB14 EB23 EB27 EB29 EB31 ED20 FA09 FA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通液型電気二重層コンデンサと、逆浸透
    膜装置と、原水を該通液型電気二重層コンデンサに供給
    するラインと、通液型電気二重層コンデンサ処理水を該
    逆浸透膜装置に通水するラインと、該逆浸透膜装置から
    流出する透過水を取り出すラインと、を有することを特
    徴とする脱塩装置。
  2. 【請求項2】 前記通液型電気二重層コンデンサの電極
    の素材が、活性炭である請求項1記載の脱塩装置。
  3. 【請求項3】 前記逆浸透膜装置から排出される濃縮液
    を、前記通液型電気二重層コンデンサ上流側に還流させ
    るラインを有するものである請求項1又は2記載の脱塩
    装置。
  4. 【請求項4】 前記逆浸透膜装置から排出される濃縮液
    を、前記逆浸透膜装置の流入側に還流させるラインを有
    するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の脱塩
    装置。
  5. 【請求項5】 原水を通液型電気二重層コンデンサに通
    水し、得られた通液型電気二重層コンデンサ処理水を逆
    浸透膜装置に通水し、逆浸透膜装置から流出する透過水
    を取り出すことを特徴とする脱塩方法。
JP2001011712A 2001-01-19 2001-01-19 脱塩装置及び脱塩方法 Withdrawn JP2002210334A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011712A JP2002210334A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 脱塩装置及び脱塩方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011712A JP2002210334A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 脱塩装置及び脱塩方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002210334A true JP2002210334A (ja) 2002-07-30

Family

ID=18878817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001011712A Withdrawn JP2002210334A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 脱塩装置及び脱塩方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002210334A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100893565B1 (ko) 2009-01-20 2009-04-17 한국농어촌공사 기수의 농도별 염분제거 시스템 및 이를 이용한 염분제거 방법
KR20110027710A (ko) * 2008-06-24 2011-03-16 제너럴 일렉트릭 캄파니 슈퍼캐패시터, 슈퍼캐패시터 탈염 셀, 슈퍼캐패시터 탈염 장치 및 슈퍼캐패시터 제조 방법
JP2013186082A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Shinshu Univ 放射性汚染水の浄化装置及び浄化方法
GB2500685A (en) * 2012-03-30 2013-10-02 Spirax Sarco Ltd Steam plant with reverse osmosis unit
CN113402074A (zh) * 2020-03-16 2021-09-17 佛山市云米电器科技有限公司 一种家用净水装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110027710A (ko) * 2008-06-24 2011-03-16 제너럴 일렉트릭 캄파니 슈퍼캐패시터, 슈퍼캐패시터 탈염 셀, 슈퍼캐패시터 탈염 장치 및 슈퍼캐패시터 제조 방법
US9233860B2 (en) 2008-06-24 2016-01-12 General Electric Company Supercapacitor and method for making the same
KR101593255B1 (ko) * 2008-06-24 2016-02-11 제너럴 일렉트릭 캄파니 슈퍼캐패시터, 슈퍼캐패시터 탈염 셀, 슈퍼캐패시터 탈염 장치 및 슈퍼캐패시터 제조 방법
KR100893565B1 (ko) 2009-01-20 2009-04-17 한국농어촌공사 기수의 농도별 염분제거 시스템 및 이를 이용한 염분제거 방법
JP2013186082A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Shinshu Univ 放射性汚染水の浄化装置及び浄化方法
GB2500685A (en) * 2012-03-30 2013-10-02 Spirax Sarco Ltd Steam plant with reverse osmosis unit
CN113402074A (zh) * 2020-03-16 2021-09-17 佛山市云米电器科技有限公司 一种家用净水装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11261109B2 (en) Single module, flow-electrode apparatus and method for continous water desalination and ion separation by capacitive deionization
US6462935B1 (en) Replaceable flow-through capacitors for removing charged species from liquids
CN102574707A (zh) 脱盐系统和方法
CN100489160C (zh) 电荷阻挡层流通电容器
EP3000789B1 (en) Apparatus and method for purifying a fluid
EP2411126A1 (en) Method for removing ionic species from desalination unit
US20030029718A1 (en) Movable electrode flow through capacitor
KR20120030834A (ko) 전기흡착식 수처리장치
KR20170034953A (ko) 직렬형 축전식 탈염장치 및 그 제조방법
JP2002210334A (ja) 脱塩装置及び脱塩方法
KR100442773B1 (ko) 전기흡착 방식의 담수화방법 및 장치
JP2002273439A (ja) 脱塩方法とその装置
JP2002336865A (ja) 脱塩装置及び脱塩方法
JP2002273437A (ja) 脱塩装置
JP2002210468A (ja) 脱塩装置及び脱塩方法
JP2002336859A (ja) 脱塩水製造方法
JP3133880B2 (ja) 硝酸アンモニウム含有廃液の処理装置
JP2002336866A (ja) 脱塩装置及び脱塩方法
US20160326027A9 (en) Apparatus for purifying a fluid and method for purifying a fluid, in particular by means of the aforesaid apparatus
JP2002336863A (ja) 脱塩水製造方法および装置
JP2002210467A (ja) 脱塩水製造装置および脱塩水製造方法
KR200177170Y1 (ko) 활성탄소섬유전극 탈염법과 막분리법을 이용한 공업용수생산장치
JP2002273438A (ja) 脱塩装置
TW504720B (en) Independent flow-through capacitor
EP1291323B1 (en) Replaceable flow-through capacitors for removing charged species from liquids

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401