JP2002270471A - 電気二重層キャパシタ用セパレータ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用セパレータ

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JP2002270471A JP2001067563A JP2001067563A JP2002270471A JP 2002270471 A JP2002270471 A JP 2002270471A JP 2001067563 A JP2001067563 A JP 2001067563A JP 2001067563 A JP2001067563 A JP 2001067563A JP 2002270471 A JP2002270471 A JP 2002270471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極間の電気絶縁性、イオン透過性及び強度
的に優れ、しかも一定体積中におけるエネルギー密度を
高めることのできる電気二重層キャパシタ用セパレータ
を提供すること。 【解決手段】 本発明の電気二重層キャパシタ用セパレ
ータは、フィブリルを有する繊維と、繊度が0.45d
tex(デシテックス)以下の細ポリエステル繊維とを
含む、面密度が20〜40g/mで、厚さが30〜5
0μmで、見掛密度が0.5g/cmを越え、0.8
g/cm以下の繊維シートからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気二重層キャパシ
タ用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは比較的大きな容
量をもち、しかも長寿命かつ急速充放電が可能であるこ
とから、電源の平滑化、ノイズ吸収などの従来の用途以
外に、パーソナルコンピューターのメモリーバックアッ
プ電源、二次電池の補助又は代替に用いられてきてお
り、近年においては電気自動車用の二次電池としての用
途が期待されている。この電気二重層キャパシタはイオ
ン性溶液中に1対の電極が浸漬された構造を有してい
る。この電気二重層キャパシタに電圧を印加すると、電
極と反対符号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの
層を形成する一方、電極の内部にはイオンと反対符号の
電荷が蓄積される。次いで、電極間に負荷をつなぐと、
電極内の電荷が放電されると同時に、電極近傍に分布し
ていたイオンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。こ
のような電気二重層キャパシタにおいて、1対の電極が
接触してしまうと、電極近傍においてイオンの層を形成
することが困難になるため、通常1対の電極間にセパレ
ータが配置されている。このセパレータは前記のような
電極間の電気絶縁性を有することに加えて、イオン透過
性に優れている必要がある。前者の要件である電極間の
電気絶縁性に優れているためには、セパレータは面密度
が高くしかも厚さが厚いのが好ましい。しかしながら、
このようにセパレータの面密度が高く厚いと、イオン透
過性が妨げられて容量が低下する傾向があり、しかも一
定体積中におけるセパレータの占める体積が大きくな
り、一定体積中に存在させることのできる電極量が少な
くなるため、一定体積中におけるエネルギー密度を高め
ることが困難になり、実際には使用することができない
ものであった。逆に、イオン透過性を高くするために、
面密度が低くしかも薄いセパレータを使用すると、電極
間の電気絶縁性が低下して漏れ電流が発生するなど不安
定になりやすいばかりでなく、セパレータの強度も低下
してしまう傾向があるため取り扱いにくいものであっ
た。そのため、強度を向上させるためにセパレータを構
成する繊維として熱融着可能な繊維を含ませておき、こ
の熱融着可能な繊維を熱融着させる方法も提案されてい
るが、この方法により得られるセパレータは熱融着可能
な繊維が熱融着していることによって皮膜が形成されて
いるため、イオン透過性を向上させるために面密度及び
厚さを薄くしているにもかかわらず、イオン透過性の悪
いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、電極間の電気絶
縁性、イオン透過性及び強度的に優れ、しかも一定体積
中におけるエネルギー密度を高めることのできる電気二
重層キャパシタ用セパレータを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の電気二重層キャ
パシタ用セパレータ(以下、「セパレータ」という)
は、フィブリルを有する繊維(以下、「フィブリル繊
維」という)と、繊度が0.45dtex(デシテック
ス)以下の細ポリエステル繊維とを含む、面密度が20
〜40g/mで、厚さが30〜50μmで、見掛密度
が0.5g/cmを越え、0.8g/cm以下の繊
維シートからなる。本発明のセパレータは厚さが30μ
m以上とある程度の厚さがあり、しかもフィブリル繊維
及び細ポリエステル繊維によって緻密な構造を採ること
ができるため、漏れ電流を生じることなく、電極間の電
気絶縁性に優れている。なお、細ポリエステル繊維が存
在していること、厚さが30〜50μmと薄いこと、及
び見掛密度が0.8g/cm以下と極端に緻密な構造
を採っていないことによって、イオン透過性にも優れて
いる。また、フィブリル繊維のフィブリルが絡み、面密
度が20g/m以上であり、しかも見掛密度が0.5
g/cmを越える緻密な構造であることによって、強
度的にも優れている。更に、面密度が40g/m以下
で、しかも厚さが50μm以下であるため、一定体積中
におけるエネルギー密度を高めることができる。前記フ
ィブリルを有する繊維が融解温度又は炭化温度が300
℃以上の樹脂から構成されていると、セパレータ全体が
耐熱性に優れているため、電気二重層キャパシタを製造
する際に、各材料から組み立てた後に高温で水分を除去
することができるため、電気二重層キャパシタの製造
上、好適である。特に、全芳香族ポリアミドからなるフ
ィブリル繊維は電解液との親和性にも優れ、イオン透過
性に優れるという効果を奏する。電気二重層キャパシタ
用セパレータを構成するいずれの成分も熱融着していな
いと、皮膜を形成していないためイオン透過性が更に優
れている。前記繊維シートが湿式不織布からなると繊維
の均一分散性に優れているため、電気絶縁性に関して信
頼性のより高いものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のセパレータはフィブリル
繊維のフィブリルが絡んで緻密な構造を採ることができ
るため、強度的に優れ、しかも電気絶縁性にも優れてい
る。このフィブリル繊維とは、1本の繊維から無数の微
細繊維が発生した繊維であり、微細繊維のみから構成さ
れていても良いし、微細繊維に加えて微細繊維が束状に
なっている部分を含むものであっても良いが、後者のよ
うに微細繊維に加えて微細繊維が束状になっている部分
を含むフィブリル繊維を含んでいると、強度的に優れ、
しかも後述の細ポリエステル繊維との相乗効果により優
れたイオン透過性を示すため好適に使用できる。このフ
ィブリル繊維はどのような樹脂から構成されていても良
いが、融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂から
構成されていると、電気二重層キャパシタを製造するう
えで好適である。例えば、有機電解液を使用する電気二
重層キャパシタは個々の材料(例えば、集電極、電極、
セパレータなど)が水分を含んでいると、耐電圧の高い
電気二重層キャパシタやエネルギー密度の高い電気二重
層キャパシタを製造することが困難であるため、個々の
材料を十分に乾燥しておく必要がある。従来から使用さ
れているようなポリプロピレン繊維からなるセパレータ
やセルロースパルプからなるセパレータは、他の材料
(例えば、集電極、電極など)と比較して耐熱温度が低
いため、集電極、電極及びセパレータを組み立てた後に
150℃以上の温度で乾燥すると、セパレータが溶融し
たり炭化するなど劣化が著しいため、これら材料を組み
立てた後、同時に乾燥することは困難であった。そのた
め、個々の材料を十分に乾燥した後に組み立てれば良い
が、個々の材料を十分に乾燥した後に組み立てるのでは
手間がかかりすぎるという問題があった。そこで、セパ
レータを構成するフィブリル繊維として、前記のような
融解温度又は炭化温度を有する樹脂からなるものを使用
すると、集電極、電極及びセパレータを組み立てた後、
150℃以上の温度で同時に乾燥することができるた
め、耐電圧の高い電気二重層キャパシタやエネルギー密
度の高い電気二重層キャパシタを容易に製造することが
できる。なお、「融解温度」とは、JIS K 712
1に規定されている示差熱分析により得られる示差熱分
析曲線(DTA曲線)から得られる温度をいう。また、
「炭化温度」とは、JIS K 7120に規定されて
いる熱重量測定により得られる温度をいう。この「融解
温度が300℃以上の樹脂」としては、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイドな
どを挙げることができる。また、「炭化温度が300℃
以上の樹脂」としては、メタ系全芳香族ポリアミド、パ
ラ系全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポ
リエーテルアミド、ポリベンゾイミダゾール、全芳香族
ポリエステルなどを挙げることができる。これらの中で
も、メタ系全芳香族ポリアミド又はパラ系全芳香族ポリ
アミドは電解液との親和性にも優れているため好適に使
用でき、より炭化温度の高いパラ系全芳香族ポリアミド
がより好適である。このようなフィブリル繊維は強度的
に優れ、しかも電気絶縁性に優れているように、繊維シ
ート中、20mass%以上含まれているのが好まし
く、50mass%以上含まれているのがより好まし
い。他方、後述の細ポリエステル繊維との関係から、9
5mass%以下であるのが好ましく、90mass%
以下であるのがより好ましい。なお、フィブリル繊維は
1種類である必要はなく、2種類以上含んでいても良
い。このように2種類以上のフィブリル繊維を含んでい
る場合には、その合計質量が前記範囲内にあるのが好ま
しい。
【0006】本発明のセパレータは前述のようなフィブ
リル繊維に加えて、繊度が0.45dtex以下の細ポ
リエステル繊維を含んでいることによって、イオン透過
性に優れる微細孔を形成することができる。細ポリエス
テル繊維の繊度が0.45dtexを越えると、形成さ
れる孔径が大きなものとなり、電気絶縁性が著しく悪く
なる傾向がある。より好ましい繊度は0.35dtex
以下であり、更に好ましい繊度は0.25dtex以下
であり、最も好ましい繊度は0.15dtex以下であ
る。下限は特に限定するものではないが、0.01dt
ex程度であるのが好ましい。なお、この「繊度」はJ
IS L 1015に規定されているA法により得られ
る値をいう。この細ポリエステル繊維の軟化温度は24
0℃程度であるため、前述のフィブリル繊維が融解温度
又は炭化温度が300℃以上の樹脂から構成されていれ
ば、個々の材料(例えば、集電極、電極、セパレータな
ど)を組み立てた後、同時に乾燥することができ、電気
二重層キャパシタを製造するうえで好適である。この
「軟化温度」とは、JIS K 7121に規定されて
いる熱流束示差走差熱量測定(DSC、昇温温度10℃
/分)により得られるDSC曲線における融解吸熱曲線
の開始点を与える温度をいう。本発明の細ポリエステル
繊維の繊維長は特に限定されるものではなく、繊維シー
トの態様によって変化する。本発明の繊維シートが好適
である湿式不織布からなる場合には、繊維長1〜25m
m程度であるのが好ましく、3〜20mm程度であるの
がより好ましい。この繊維長はJIS L 1015の
B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる
長さをいう。細ポリエステル繊維の断面形状は円形であ
る必要はなく、非円形(例えば、長円、楕円、星型、Y
やXなどのアルファベット型、プラス型など)であって
も良い。このような細ポリエステル繊維はイオン透過性
に優れるように、繊維シート中、5mass%以上含ま
れているのが好ましく、10mass%以上含まれてい
るのがより好ましい。他方、前述のフィブリル繊維との
関係から、80mass%以下であるのが好ましく、5
0mass%以下であるのがより好ましい。なお、細ポ
リエステル繊維は1種類である必要はなく、繊維径及び
/又は樹脂組成の点で相違する細ポリエステル繊維を2
種類以上含んでいても良い。このように2種類以上の細
ポリエステル繊維を含んでいる場合には、その合計質量
が前記範囲内にあるのが好ましい。
【0007】本発明のセパレータは前述のようなフィブ
リル繊維及び細ポリエステル繊維を含む繊維シートから
なるが、繊維シートの態様は、例えば、織物、編物、不
織布或いはこれらの複合体であることができる。これら
の中でも、厚さを薄くすることのできる不織布であるの
が好ましく、繊維の均一分散性に優れ、電気絶縁性に優
れ、信頼性の高い湿式不織布からなるのがより好まし
い。特に、緻密性、電気絶縁性、イオン透過性及び強度
的に優れているように、セパレータは繊維配向が同じ、
又は異なる繊維層を2層以上有するのが好ましい。更に
電気絶縁性に優れているように、2層以上の繊維層から
なり、隣接する繊維層の繊維配向が異なっているのがよ
り好ましい。
【0008】本発明のセパレータは基本的に、前述のよ
うなフィブリル繊維と細ポリエステル繊維とからなる
が、これら繊維の作用を損なわない範囲内で、これら繊
維以外の繊維を含んでいることができる。
【0009】本発明のセパレータを構成する成分(例え
ば、フィブリル繊維、細ポリエステル繊維など)はいず
れも熱融着していないのが好ましい。このように熱融着
していないことによって皮膜を形成していないため、イ
オンの透過性に優れている。
【0010】本発明のセパレータは前述のような繊維か
らなり、面密度が20〜40g/m で、厚さが30〜
50μmで、見掛密度が0.5g/cmを越え、0.
8g/cm以下である。セパレータの面密度が20g
/m未満であると、強度的に弱い傾向があり、40g
/mを越えると、厚さが厚くなりやすく、エネルギー
密度の点で不利であるばかりでなく、見掛密度が高くな
り、イオン透過性が悪くなる傾向があるためで、より好
ましい面密度は25〜35g/mである。セパレータ
の厚さが30μm未満であると、十分な電気絶縁性を発
揮するのが困難となり、漏れ電流を生じるなど、不安定
になる傾向があり、厚さが50μmを越えると、一定体
積中におけるセパレータの占める体積が大きくなり、エ
ネルギー密度を高められない傾向があるためで、より好
ましい厚さは35〜45μmである。セパレータの見掛
密度が0.5g/cm以下であると、強度的に劣る傾
向があり、見掛密度が0.8g/cmを越えると、緻
密な構造となりすぎて、イオン透過性に劣る傾向がある
ためで、より好ましい見掛密度は0.6〜0.75g/
cmである。本発明における「面密度」はJIS P
8124(紙及び板紙−坪量測定方法)に規定する方
法に基いて得られる坪量をいい、「厚さ」はJIS B
7502に規定する方法による測定値、すなわち、5
N荷重時の外側マイクロメーターによる測定値をいう。
更に、「見掛密度(D)」は面密度(W、単位:g/c
)を厚さ(T、単位:cm)で除した値、つまり、
次の式から得られる値をいう。 D=W/T
【0011】本発明のセパレータは常法により繊維シー
トを製造し、その繊維シートをセパレータとして使用す
ることができる。例えば、好適である湿式不織布は次の
ようにして製造することができる。まず、少なくともフ
ィブリル繊維と細ポリエステル繊維とを用意する。この
フィブリル繊維及び細ポリエステル繊維はいずれも市販
されているため、容易に入手することができる。次い
で、これらの繊維を使用して、常法の湿式法(例えば、
水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、順
流円網・逆流円網コンビネーション方式、順流円網・円
網フォーマーコンビネーション方式、逆流円網・円網フ
ォーマーコンビネーション方式、短網・円網コンビネー
ション方式、又は長網・円網コンビネーション方式な
ど)により、面密度が20〜40g/mの湿式繊維ウ
エブを形成する。この湿式繊維ウエブを形成する際、繊
維の均一な分散状態を維持するために増粘剤を加えた
り、水と繊維との親和性を高めるために界面活性剤を加
えたり、攪拌等によって生じる気泡を取り除くために消
泡剤を加えても良い。次いで、この湿式繊維ウエブを乾
燥し、水分を除去して湿式不織布を得ることができる。
なお、乾燥温度は湿式繊維ウエブを構成する繊維が融解
しない温度で実施する。次いで、このように製造した湿
式不織布をカレンダーなどによって圧力を加え、厚さが
30〜50μmかつ見掛密度が0.5g/cmを越
え、0.8g/cm以下となるように調整する。この
ように圧力を加えることによって、厚さを薄くすること
ができ、フィブリル繊維のフィブリルを進行させてより
緻密にしたり、フィブリル繊維のフィブリルを密着させ
ることにより強度を向上させることができる。なお、圧
力を加える際には加熱しても良いし加熱しなくても良い
が、加熱すると前記効果を発揮しやすい。但し、構成繊
維が軟化する程度に加熱すると、皮膜が形成されてイオ
ン透過性が悪くなるため、加熱する場合には構成繊維を
構成する樹脂のうち、最も低い軟化温度を有する樹脂の
軟化温度よりも低い温度で加熱するのが好ましく、軟化
温度より10℃以上低い温度で加熱するのがより好まし
く、軟化温度より20℃以上低い温度で加熱するのが更
に好ましい。
【0012】本発明の好適である繊維配向が同じ、又は
異なる繊維層を2層以上有するセパレータは、例えば、
湿式繊維ウエブを2つ以上積層することによって製造す
ることができる。より具体的には、同種類の網によって
抄造した湿式繊維ウエブを積層したり、異なる種類の網
(例えば、短網と円網、長網と円網)によって抄造した
湿式繊維ウエブを積層して製造することができる。これ
らの中でも、異なる種類の網によって抄造した湿式繊維
ウエブを積層すると、繊維配向の異なる繊維層を2層以
上有するセパレータを容易に製造できる。なお、湿式繊
維ウエブを乾燥した後に積層し、加熱加圧することによ
っても同様のセパレータを製造することができるが、湿
潤状態の湿式繊維ウエブを積層した方が、同じ面密度、
同じ厚さ、同じ繊維配向状態であれば、イオン透過性に
より優れるセパレータを製造することができる。
【0013】本発明のセパレータは電気二重層キャパシ
タ用に使用できるものであり、1対の電極間に配置させ
て使用することができる。なお、セパレータを構成する
繊維として、融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹
脂からなるフィブリル繊維を含んでいる場合には、各材
料から組み立てた後に同時に全体を乾燥することのでき
る、電気二重層キャパシタの製造上、好適なものであ
る。
【0014】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】(実施例1〜11、比較例1〜27)パラ系
全芳香族ポリアミドからなるフィブリル繊維(登録商
標:ケブラー、デュポン製、炭化温度:500℃以上)
と、ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度0.1
1dtex、繊維長3mmの細ポリエステル繊維(融解
温度:260℃、軟化温度:253℃、断面:円形)を
用意した。次いで、フィブリル繊維と細ポリエステル繊
維とを1:1の質量比率で含むスラリーを形成した後、
傾斜ワイヤー型短網方式により湿式繊維ウエブを形成し
た。次いで、この湿式繊維ウエブを温度120℃に設定
された熱風循環式乾燥機により乾燥した。次いで、この
乾燥した湿式繊維ウエブを温度220℃に設定された一
対の熱カレンダーにより、各種圧力で押圧して、表1に
示すような各種面密度、厚さ及び見掛密度の圧着湿式不
織布、つまりセパレータを製造した。これらいずれのセ
パレータを構成するフィブリル繊維も、微細繊維が束状
になっている部分を含んでいた。また、いずれのセパレ
ータを構成する細ポリエステル繊維も、多少圧着されて
いるものの、熱融着しておらず、皮膜は形成されていな
かった。
【0015】
【表1】
【0016】(内部抵抗の測定)電極として、粒状活性
炭、カーボンブラック及びポリテトラフルオロエチレン
を混ぜて練り上げたもの、集電極としてアルミ箔、セパ
レータとして各実施例及び比較例のセパレータ、及び電
解液としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロ
ボーレイトをプロピレンカーボネートに溶解させたもの
を用意した。次いで、これら材料から各セパレータ毎に
コインセル型の電気二重層キャパシタを作製した後、そ
れらの内部抵抗を測定した。これらの結果は表1に示す
通りであった。なお、内部抵抗が3.5Ω未満であれ
ば、イオン透過性に優れていると判断した。この表1か
ら明らかなように、本発明のセパレータは抵抗値が3.
2Ωよりも低い、イオン透過性の優れるものであった。
なお、比較例3のセパレータを使用したコインセル型の
電気二重層キャパシタは、漏れ電流があり、不安定なも
のであった。
【0017】(引張り強度の測定)各実施例及び比較例
のセパレータから試験片(幅:15mm、長さ:200
mm)を採取した後、JIS P−8113に準じて引
張り強度を測定した。この結果も表1に示す通りであっ
た。なお、引張り強度は4N/15mm幅以上あれば、
実際に使用することができる。この表1から明らかなよ
うに、本発明のセパレータは引張り強度が9N/15m
m幅以上の強度的にも優れるものであった。
【0018】
【発明の効果】本発明のセパレータは漏れ電流を生じる
ことなく電極間の電気絶縁性、イオン透過性、及び強度
的に優れている。また、電気二重層キャパシタの一定体
積中におけるエネルギー密度を高めることができる。本
発明のセパレータを構成するフィブリルを有する繊維
が、融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂から構
成されていると、電気二重層キャパシタを製造する上で
好適である。本発明のセパレータを構成するいずれの成
分も熱融着していないと、皮膜を形成していないためイ
オン透過性が更に優れている。本発明のセパレータが湿
式不織布からなると、繊維の均一分散性に優れているた
め、電気絶縁性に関して信頼性のより高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリルを有する繊維と、繊度が0.
    45dtex(デシテックス)以下の細ポリエステル繊
    維とを含む、面密度が20〜40g/mで、厚さが3
    0〜50μmで、見掛密度が0.5g/cmを越え、
    0.8g/cm以下の繊維シートからなることを特徴
    とする電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. 【請求項2】 前記フィブリルを有する繊維が融解温度
    又は炭化温度が300℃以上の樹脂から構成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の電気二重層キャパシ
    タ用セパレータ。
  3. 【請求項3】 電気二重層キャパシタ用セパレータを構
    成するいずれの成分も熱融着していないことを特徴とす
    る、請求項1又は請求項2に記載の電気二重層キャパシ
    タ用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記繊維シートが湿式不織布からなるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電気
    二重層キャパシタ用セパレータ。
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