JP2002270224A - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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JP2002270224A
JP2002270224A JP2001064452A JP2001064452A JP2002270224A JP 2002270224 A JP2002270224 A JP 2002270224A JP 2001064452 A JP2001064452 A JP 2001064452A JP 2001064452 A JP2001064452 A JP 2001064452A JP 2002270224 A JP2002270224 A JP 2002270224A
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正起 山口
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信一 田崎
Yukinori Hado
之規 羽藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通常よりも高温で処理するリフローハンダ時の
耐漏液性を向上した有機電解質電池を提供する。 【解決手段】有機電解質電池において、ガスケットがポ
リエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイ
ド、又はフッ素樹脂からなり、かつ電解液を構成する非
プロトン性溶媒がプロピレンカーボネートとスルホラン
の混合溶媒であり、該混合溶媒のプロピレンカーボネー
トとスルホランの重量比が10:90〜90:10であ
ることを特徴とする有機電解質電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解質電池に
係り、非プロトン性有機溶媒を電解液とする有機電解質
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話等のモバイル機器の小型
化、薄型化、高機能化は目覚しく、それに伴い機器に搭
載される部品についても高密度化、高機能化が急速に進
展している。また、これら部品をプリント基板上に搭載
する方法も表面実装化が一層進んでおり、特にハンダ付
けプロセスについては、多くの電子部品を高密度に且つ
一括してハンダ付可能な方法として、ハンダをあらかじ
め基板上に印刷した後、ハンダの融点異常の温度に設定
されたリフロー熱源によりハンダ付けを行なう方法(以
下リフローハンダ付という)が多く採用されている。
【0003】一方、これらモバイル機器のメモリーのバ
ックアップ用途として各種電池が用いられているもの
の、従来これらの電池はそのような高温に対する耐性が
乏しく、電池以外の部品をリフローハンダ付した後手作
業にてハンダ付け、あるいはホルダをリフローハンダ付
後、手作業にて電池を該ホルダに装着しており、作業の
効率化、すなわちリフローハンダ付可能な電池が要求さ
れていた。
【0004】かかる状況下、本願の共同出願人の出願に
かかる特開平8−17470号公報、及び特開平8−3
06384号公報には、ポリアセン系骨格構造を有する
有機半導体を正極及び、負極とし、非プロトン性有機溶
媒溶液を電解液とする有機電解質電池が開示されてい
る。該電池に用いられる電極は熱縮合反応により得られ
るポリアセン系骨格構造を有する有機半導体からなり優
れた耐熱性を有している。また、該電池においてはガス
ケットの材質として従来のポリプロピレンに変えて耐熱
性に優れ、かつ耐薬品性、耐クリープ性、弾力性にも優
れたポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド又はフッ素樹脂を用いることにより、大幅に耐
熱性を向上させリフローハンダ付を可能にしている。
【0005】従来においてリフローハンダ付処理は、1
20℃〜160℃の温度で数10秒間予熱した後、20
0℃〜230℃にて20〜30秒の温度雰囲気にて行な
うのが一般であった。ところが、これらハンダには重金
属である鉛が含まれていることから、最近、環境問題等
を配慮した、鉛を含まない鉛フリーハンダが主流になり
つつある。この場合、ハンダ融点は従来の鉛含有のハン
ダと比較して20〜30℃高く、リフローの温度雰囲気
として240℃から260℃が採用されており、リフロ
ーハンダ対応電池においても同様の耐温度性が要求され
ている。
【0006】しかしながら、上述のような構成をもつ有
機電解質電池をもってしても、このような鉛フリー対応
の雰囲気下でリフローハンダ付けを行なった場合、リフ
ロー後の漏液、内部抵抗の上昇、容量低下、サイクル寿
命の劣化が極めて著しく、またスルホランのような上述
の温度雰囲気以上の沸点を有するような溶媒を用いた場
合には耐リフロー性はあるものの、−20℃以下の極低
温環境下において充分な容量が得られないという問題点
を残していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述の実
状を鑑み鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したもの
である。本発明の目的は、高電圧でかつ長期にわたって
充放電が可能であり、また耐熱性に優れ、リフローハン
ダ付、さらには鉛フリーハンダに対応したリフローハン
ダ付が可能な有機電解質電池を提供するにある。
【0008】本発明の他の目的は、耐熱性に加え、鉛フ
リーハンダに対応したリフローハンダ付処理などの高温
処理後においても引き続き充放電可能であり、かつ過酷
な環境下でも高い信頼性を有する有機電解質電池を提供
するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は正極、負
極、並びに有機電解液を備えた有機電解質電池におい
て、ガスケットがポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ェニレンサルファイド、又はフッ素樹脂からなり、かつ
電解液を構成する非プロトン性溶媒がプロピレンカーボ
ネートとスルホランの混合溶媒であり、該混合溶媒のプ
ロピレンカーボネートとスルホランの重量比が10:9
0〜90:10であることを特徴とする有機電解質電池
により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における正極材および負極
材としては、電解質塩を非プロトン性溶媒に溶解して生
成し得る陽イオン、あるいは陰イオンを可逆的に坦持し
得る材料であれば特に限定されない。例えば正極材とし
ては、活性炭の如き多孔質系炭素、ポリアセン系物質な
どの炭素質材料が好ましく用いられるが、LiCoO2
やLiMn24など一般式Lixyz(Mは金属、二
種類以上でもよい)で表されるリチウム含有遷移金属酸
化物、コバルト、マンガン、バナジウム、チタン、ニッ
ケル等の遷移金属酸化物を用いることも可能である。負
極材としては、活性炭の如き多孔質系炭素、ポリアセン
系物質、錫酸化物、珪素酸化物等が上げられる。これら
正極および負極材は必ずしも正・負両極に同一材料を用
いる必要はなく、適切な電解質塩を選択することによ
り、様々な構成を採る有機電解質電池が可能である。そ
して、これらの中でも芳香族系縮合ポリマーの熱処理物
であって水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.
05であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性
基体を正極および負極材料として用いることが好まし
い。
【0011】上記芳香族系ポリマーとは、フェノール性
水酸基を有する芳香族系炭化水素化合物とアルデヒド類
の縮合物である。芳香族系炭化水素化合物としては、例
えばフェノール、クレゾール、キシレノールの如きいわ
ゆるフェノール類が好適であるが、これらに限定される
ものではない。例えば下記式
【0012】
【化1】
【0013】(ここで、xおよびyはそれぞれ独立に、
0、1又は2である)で表されるメチレン・ビスフェノ
ール類であることができ、或いはヒドロキシ・ビフェニ
ル類、ヒドロキシナフタレン類であることもできる。こ
れらの内、実用的にはフェノール類特にフェノールが好
適である。
【0014】本発明における芳香族系縮合ポリマーとし
て、上記のフェノール性水酸基を有する芳香族系炭化水
素化合物の一部を、フェノール性水酸基を有さない芳香
族系炭化水素化合物例えばキシレン、トルエン、アニリ
ン等で置換した変性芳香族系縮合ポリマー例えばフェノ
ールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いる
ことも、また、メラミン、尿素などで置換した変性芳香
族系縮合ポリマーを用いることもできる。また、フラン
樹脂も好適である。
【0015】またアルデヒドとしてはホルムアルデヒ
ド、アセチルアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド
を使用することができるが、その中でもホルムアルデヒ
ドが好適である。フェノールホルムアルデヒド縮合物と
しては、ノボラック型又はレゾール型或いはそれらの混
合物のいずれであってもよい。
【0016】上記不溶不融性基体は、上記芳香族系縮合
ポリマーを熱処理することにより得られるものであり、
特公平1−44212号公報、特公平3−24024号
公報等に記載されているポリアセン系骨格構造を有する
不溶不融性基体をすべて含むものである。
【0017】本発明における不溶不融性基体は、上記の
如き芳香族系縮合ポリマーを熱処理物であって例えば次
のようにして製造することができる。
【0018】上記芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰
囲気(真空を含む)中で400〜1000℃の適当な温
度まで徐々に加熱することにより、水素原子/炭素原子
の原子比(以下H/Cと記す)が0.50〜0.05、
好ましくは0.35〜0.10の不溶不融性基体を得る
ことができる。
【0019】上記不溶不融性基体はX線回折(CuK
α)によれば、メインピークの位置は2θで表して24
#以下に存在し、また該メインピークの41〜46#の間
にブロードな他のピークが存在する。
【0020】すなわち、芳香族系多環構造が適度に発達
したポリアセン系骨格構造を有し、かつアモルファス構
造をとると示唆され、イオンを安定にドーピング、脱ド
ーピングできることから電極活物質として有用である。
【0021】この不溶不融性基体は、そのH/Cが0.
50〜0.05であることが好ましい。すなわち、H/
Cが0.50を超える場合は、芳香族系多環構造が充分
に発達していないため、イオンのドーピング、脱ドーピ
ングがスムーズに行なわれず、電池を組んだ際に充放電
効率が低下するという問題が生じるし、また逆に、H/
Cが0.05未満の場合には本発明の電池の容量が低下
するおそれがあるからである。
【0022】本発明で用いる正・負電極材の形状は、粉
末状、短繊維状等、成形可能であれば特に限定されない
が、成形性を考慮すると、平均粒径が100μmの粉末
であることが望ましい。
【0023】本発明に用いる正極および負極としては、
例えば特公平3−24024号公報の記載のポリアセン
系有機半導体が最も好ましく、必要に応じて導電材、バ
インダーを加え成形される。該電極は安定性に優れ、か
つ繰り返し充放電による劣化もほとんどなく、サイクル
特性に優れる電池が作製可能である。
【0024】本発明における電解液の非プロトン性溶媒
には、環状カーボネートであるプロピレンカーボネート
と、含硫黄五員環化合物であるスルホランの混合溶媒が
用いられる。スルホランは比誘電率が42.5と高く、
且つ沸点が287.3℃と鉛フリー対応のリフローハン
ダ条件である240〜260℃のような高温に対しても
充分な耐性がある。しかしながら、融解点は28.9℃
と比較的高く、実用電池に用いた場合、例えば0℃以下
の低温において電解液が凝固し、十分な容量が得られな
いという事態が起こる。一方プロピレンカーボネートは
沸点が241.7℃、融解点が−49.2℃であり、ま
た比誘電率も64.4と高く、電解液用非プロトン性溶
媒として適している。しかしながら、電解液用非プロト
ン性溶媒としてプロピレンカーボネート単独溶媒をもち
いた場合、リフロー温度が沸点とほぼ同等もしくは若干
上回るため、電池の漏液等の発生の恐れが高くなってし
まう。
【0025】本発明におけるプロピレンカーボネートと
スルホランの混合溶媒は双方の長所を生かし且つ短所を
補うものである。本発明におけるプロピレンカーボネー
ト/スルホラン混合溶媒の重量比は10:90〜90:
10であり、好ましくは10:90〜30:70であ
る。プロピレンカーボネートの割合が10%以下である
場合、低温において十分な放電容量が得られず、逆にプ
ロピレンカーボネートの割合が90%以上である場合、
鉛フリーハンダ対応のリフローハンダ付後に漏液が発生
する等の確率が大きくなる。
【0026】本発明における電解液の電解質塩として
は、非プロトン性有機溶媒に溶解し、陽イオン、陰イオ
ンを生じる電解質塩であれば特に限定されるものではな
い。例えば、下記式
【0027】
【化2】
【0028】で表される様なテトラアルキルアンモニウ
ム塩、(R1、R2、R3及びR4はアルキル基を示
し、R1〜R4は同一でも異でもよい。XはClO4
たはBF4を示す)、を用いた場合には、2V級の電機
化学キャパシタ様の特性を持つ有機電解質電池が得られ
るが、また、燐弗化リチウム、砒弗化リチウム、硼弗化
リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムなど
の有機含弗素リチウム塩を電解質塩に用いることも可能
である。
【0029】電解液中の前記化合物の濃度は適切な電池
容量を得るために充分であればよく通常、0.5〜1.
5モル/lの範囲が実用的である。
【0030】次に図面により本発明の実施形態の一例を
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1に示すように、正極2と負極3は、導電性ペ
ースト4、4’を介して、それぞれ正極缶1と負極缶6
の内定部に接着されている。この正極2と負極3がそれ
ぞれ接着された正極缶1と負極缶6はセパレータ5を介
して対抗しており、ガスケット7により絶縁され、機密
性、液密性が保たれている。電解液は、正極2と負極
3、セパレータ5それぞれに含浸され、保持している。
【0031】本発明の電池を構成するガスケットは、本
願の共同出願人の出願に係る特開平8−17470号公
報、及び特開平8−306384号公報などに記載の通
り、リフローハンダ付に対応させるにあたり、重要な部
材の一つであり、その材質としてはポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリフェニレンサルファイド又はフッ素樹脂
が好ましく用いられる。。これらの樹脂は融点が250
℃〜330℃と非常に高く、鉛フリーハンダに対応した
リフローハンダ付に充分耐え得る耐熱性を有している。
また、これら樹脂は耐薬品性、耐クリープ性、弾力性に
優れ、かつ成形性をも持ち合わせており、電池のガスケ
ット材料として適している。
【0032】また、電池の機密性、液密性を向上させる
ために、上記ガスケットをシール材であらかじめコーテ
ィングしても良い。このとき、ガスケットの内壁部、外
周部のどちらかもしくは両方にコーティングすることが
可能である。またガスケットの外周部にコーティングす
る代りに、正極缶の内壁部に予めシール材をコーティン
グしておいても良い。シール材の種類としては、アスフ
ァルト系、ゴム系などが適しており、コーティング精度
を上げるため、これらシール材は適当な有機溶媒で希釈
したものを用いても良い。
【0033】正極缶及び負極缶は、一般に有機電解質電
池に用いられるステンレス材を用いることができる。セ
パレータは、電解液或いは電極活物質等に対し耐久性の
ある連通気孔を有する電子伝導性のない多孔体であり、
ガラス繊維からなる布、不織布あるいは多孔体あるい
は、電解コンデンサー紙などが好適である。セパレータ
の厚みは薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通
性、強度等と勘案して決定される。
【0034】
【発明の効果】本発明の有機電解質電池は、ガスケット
がポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、又はフッ素樹脂からなり、かつ電解液を構成す
る非プロトン性溶媒がプロピレンカーボネートとスルホ
ランの混合溶媒を用いることにより、鉛フリーハンダに
対応したリフローハンダ付を可能にし、且つ高電圧であ
るとともに長期信頼性に優れる有機電解質電池である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0036】(実施例1) (正極の作製)水溶性レゾ−ル(約60%濃度)/塩化
亜鉛/水を重量比で10/25/4の割合で混合した水
溶液を100mm×100mm×2mmの型に流し込
み、その上にガラス板を被せ水分が蒸発しない様にした
後、約100℃の温度で1時間加熱して硬化させた。
【0037】該フェノール樹脂をシリコンユニット電機
炉中に入れ窒素気流中で40℃/時間の速度で昇温し
て、500℃まで熱処理を行なった。次に該熱処理物を
希塩酸で洗った後、水洗し、その後、乾燥することによ
って板状のPASを得た。かくして得られたPASをナ
イロンボールミルで粉砕しPAS粉末を得た。該粉末の
BET法による比表面積を測定したところ、1990m
2/gであった。またH/Cは0.24であった。
【0038】上記PAS粉末100重量部と導電材とし
てケッチェンブラック25重量部とポリ四弗化エチレン
粉末6重量部を充分に混練し、ローラーにより約340
μmと約310μmのシートに成形し、それぞれ正極及
び負極とした。
【0039】(電池の作製)上述の方法により得られた
正極及び負極を円盤状に打抜き、それぞれステンレス製
の正極缶、負極缶に導電ペーストを介して接着した。続
いて図1のように缶に接着された正極及び負極をセパレ
ータを介して対向させ、ガスケットを装着した後、かし
めを行ない直径6.8mm高さ1.4mmのコイン型の
有機電解質電池を組み立てた。電解液としては重量比が
20:80のプロピレンカーボネート/スルホランの混
合溶媒に1モル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルア
ンモニウムを溶解した溶液を調整し、予め正極、負極、
およびセパレータに所定量を含浸した。また、ガスケッ
トはポリフェニレンサルファイド製のものにゴム系シー
ル材をコーティングしたものを用いた。電池は15個作
製した。
【0040】(初期特性の測定)上記のごとく作製した
本発明の有機電解質電池15個の内、任意に選択した1
0個について、電池表面温度が図2に示す温度履歴にな
るようなリフローハンダ付処理を2回行なった。リフロ
ー処理後の漏液の状況をそれぞれ表1に示す。このリフ
ローハンダ付処理をした電池および未処理のそれぞれ5
個について、初期容量と交流内部抵抗(1kHz)を測
定した。初期容量は、電池に外部電源より2.5Vの電
圧を約2時間印可し充電を行ない、次いで30μAの定
電流にて1.0Vまで放電し、放電時間より算出した。
それぞれ5個の平均値を表2に示す。
【0041】(低温容量試験)リフローハンダ付処理を
行なった電池を5個任意に選択し、低温容量試験を行な
った。低温容量試験は、前述の初期容量の測定と同様の
条件で充電を行ない、−25℃の恒温層に2時間放置し
た。さらに、2.5Vにて30分充電した後、30μA
の定電流にて1.0Vまで放電し、放電時間より算出し
た。表1に−25℃における放電容量を示す。
【0042】(実施例2)電解液に重量比が30:70
のプロピレンカーボネート/スルホランの混合溶媒に1
モル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルアンモニウム
を溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の電池組
立を行なった。リフローハンダ付処理を行なった場合と
未処理の場合の初期容量、交流内部抵抗、リフロー処理
後の液漏れの状況、低温容量試験の結果を表1に示す。
【0043】(実施例3)電解液に重量比が50:50
のプロピレンカーボネート/スルホランの混合溶媒に1
モル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルアンモニウム
を溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の電池組
立を行なった。リフローハンダ付処理を行なった場合と
未処理の場合の初期容量、交流内部抵抗、リフロー処理
後の液漏れの状況、低温容量試験の結果を表1に示す。
【0044】(比較例1)電解液に重量比が95:5の
プロピレンカーボネート/スルホランの混合溶媒に1モ
ル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルアンモニウムを
溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の電池組立
を行なった。リフローハンダ付処理を行なった場合と未
処理の場合の初期容量、交流内部抵抗、リフロー処理後
の液漏れの有無、低温容量試験の結果を表1に示す。
【0045】(比較例2)電解液に重量比が5:95の
プロピレンカーボネート/スルホランの混合溶媒に1モ
ル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルアンモニウムを
溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の電池組立
を行なった。リフローハンダ付処理を行なった場合と未
処理の場合の初期容量、交流内部抵抗、リフロー処理後
の液漏れの有無、低温容量試験の結果を表1に示す。
【0046】(比較例3)電解液としてスルホラン溶媒
に1モル/lの濃度に硼弗化トリエチルメチルアンモニ
ウムを溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の電
池組立を行なった。リフローハンダ付処理を行なった場
合と未処理の場合の初期容量、交流内部抵抗、リフロー
処理後の液漏れの有無、低温容量試験の結果を表1に示
す。この場合、低温容量試験においては、放電開始後直
ちに電圧が1.0Vに到達してしまい、容量を測定する
ことは不可能であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上の結果から分かるように、本出願の
ように、正極、負極、並びに有機電解液を備えた有機電
解質電池において、ガスケットがポリエーテルエーテル
ケトン、ポリフェニレンサルファイド、又はフッ素樹脂
からなり、かつ電解液を構成する非プロトン性溶媒がプ
ロピレンカーボネートとスルホランの混合溶媒であると
いう構成をとった場合、鉛フリーハンダに対応したリフ
ロー処理後においても、良好な諸特性を示している。
【0049】一方、電解液の非プロトン性有機溶媒とし
てプロピレンカーボネート単体あるいはプロピレンカー
ボネートの割合が90%以上であるプロピレンカーボネ
ート/スルホラン混合溶媒を用いた場合、電気化学特性
においては。また、非プロトン性溶媒がスルホラン単体
あるいはプロピレンカーボネートの割合が10%以下で
あるプロピレンカーボネート/スルホラン混合溶媒の場
合は、リフロー後の電池に漏液は見られず、比較的良好
な初期特性を示すが、低温容量試験において内部抵抗が
上昇し、放電することは不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の基本構成説明図である。
【図2】本発明に係るリフローハンダ付の電池表面の温
度履歴図である。
【符号の説明】
1 正極缶 2 正極 3 負極 4 導電ペースト 4’導電ペースト 5 セパレータ 6 負極缶 7 ガスケット
フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ14 AJ15 AK03 AK06 AK08 AL02 AL06 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ03 HJ01 HJ02 5H050 AA19 AA20 BA17 CA07 CA08 CA09 CA14 CA16 CB02 CB07 CB09 HA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極、負極、並びに有機電解液を備えた有
    機電解質電池において、電解液を構成する非プロトン性
    溶媒がプロピレンカーボネートとスルホランの混合溶媒
    であり、該混合溶媒のプロピレンカーボネートとスルホ
    ランの重量比が10:90〜90:10であることを特
    徴とする有機電解質電池
  2. 【請求項2】正極材及び負極材が芳香族系縮合ポリマー
    の熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.
    50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を含有する
    不溶不融性基体であることを特徴とする請求項1記載の
    有機電解質電池
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