JP2002270195A - 燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 - Google Patents
燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小型で高性能な燃料電池を実現するため、燃
料電池の全容積を占める割合の大きいセパレータの小型
化および薄肉化が必要であり、機械的強度、導電性およ
び燃料ガスに対するガス気密性が高く、かつ、低コスト
で適度な濡れ性のあるセパレータが求められていた。 【解決手段】 炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウ
イスカを含む複合材料で燃料電池用セパレータを構成
し、これを炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイス
カを混合して混合物を得る工程、および前記混合物を成
型してセパレータを得る工程により製造する。
料電池の全容積を占める割合の大きいセパレータの小型
化および薄肉化が必要であり、機械的強度、導電性およ
び燃料ガスに対するガス気密性が高く、かつ、低コスト
で適度な濡れ性のあるセパレータが求められていた。 【解決手段】 炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウ
イスカを含む複合材料で燃料電池用セパレータを構成
し、これを炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイス
カを混合して混合物を得る工程、および前記混合物を成
型してセパレータを得る工程により製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型分散型電源お
よび自動車などに用いる燃料電池のセパレータ、ならび
にその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
薄肉化してもセパレータに必要な強度と高い電気伝導性
を保ち、かつ表面の濡れ性が良好で信頼性の高い燃料電
池用セパレータ、その製造方法、および前記セパレータ
を用いた燃料電池に関する。
よび自動車などに用いる燃料電池のセパレータ、ならび
にその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
薄肉化してもセパレータに必要な強度と高い電気伝導性
を保ち、かつ表面の濡れ性が良好で信頼性の高い燃料電
池用セパレータ、その製造方法、および前記セパレータ
を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、水素を含有する燃料ガス
と、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学
的に反応させて、電力と熱とを同時に発生させる装置で
ある。現在、燃料電池はビルおよび工場などにおける比
較的小型の発電プラントとしてその開発が進められてい
る。これに対し、車載用および小型可搬型の電源開発の
ためには燃料電池本体の小型化および薄型化を図る必要
がある。
と、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学
的に反応させて、電力と熱とを同時に発生させる装置で
ある。現在、燃料電池はビルおよび工場などにおける比
較的小型の発電プラントとしてその開発が進められてい
る。これに対し、車載用および小型可搬型の電源開発の
ためには燃料電池本体の小型化および薄型化を図る必要
がある。
【0003】また、燃料電池には、固体高分子型、リン
酸型、溶融炭酸塩型および固体酸化物型などのタイプが
あるが、以下に、固体高分子電解質型燃料電池に代表さ
せて説明する。図1は、固体高分子電解質型燃料電池の
単電池(ユニットセル)の概略断面図である。図1に示
すように、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質
膜11の両面にアノード極触媒層12とカソード極触媒
層13とを配置し、さらにその外側にセパレータ14を
配置する。セパレータ14には、燃料ガスや酸化剤ガス
を流す複数のガス流路溝15と冷却水流通溝16が形成
されている。
酸型、溶融炭酸塩型および固体酸化物型などのタイプが
あるが、以下に、固体高分子電解質型燃料電池に代表さ
せて説明する。図1は、固体高分子電解質型燃料電池の
単電池(ユニットセル)の概略断面図である。図1に示
すように、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質
膜11の両面にアノード極触媒層12とカソード極触媒
層13とを配置し、さらにその外側にセパレータ14を
配置する。セパレータ14には、燃料ガスや酸化剤ガス
を流す複数のガス流路溝15と冷却水流通溝16が形成
されている。
【0004】また、アノード極触媒層12とカソード極
触媒層13の外面には、燃料ガスに対する通気性および
電子伝導性を併せ持つ拡散層17を、例えば撥水処理を
施した紙状の炭素繊維材料(カーボンペーパー)で形成
する。さらに、拡散層17にセパレータ14を密着さ
せ、ガスケット18でガス流通部の気密性を保持する。
上記の燃料電池を構成する部品の中で、セパレータ14
は、一般にその両側または片側に複数の溝を形成してガ
ス流路が形成されており、単電池内で発電した電気を外
部へ伝達する役割を果たしている。
触媒層13の外面には、燃料ガスに対する通気性および
電子伝導性を併せ持つ拡散層17を、例えば撥水処理を
施した紙状の炭素繊維材料(カーボンペーパー)で形成
する。さらに、拡散層17にセパレータ14を密着さ
せ、ガスケット18でガス流通部の気密性を保持する。
上記の燃料電池を構成する部品の中で、セパレータ14
は、一般にその両側または片側に複数の溝を形成してガ
ス流路が形成されており、単電池内で発電した電気を外
部へ伝達する役割を果たしている。
【0005】このセパレータとしては、例えばフェノー
ル樹脂などを不活性雰囲気中および高温下で長時間炭化
して作製したグラッシーカーボン板の表面に、切削加工
でガス流路を形成することによって得られる。また、グ
ラファイトに熱硬化性樹脂を含浸し、その両面または片
面に複数の溝を機械加工により形成したものもある。さ
らに、特公平1−57466号公報に開示されているよ
うに、機械加工によらず、特殊な熱硬化性樹脂と黒鉛粉
末とを加圧形成するセパレータの製造方法がある。
ル樹脂などを不活性雰囲気中および高温下で長時間炭化
して作製したグラッシーカーボン板の表面に、切削加工
でガス流路を形成することによって得られる。また、グ
ラファイトに熱硬化性樹脂を含浸し、その両面または片
面に複数の溝を機械加工により形成したものもある。さ
らに、特公平1−57466号公報に開示されているよ
うに、機械加工によらず、特殊な熱硬化性樹脂と黒鉛粉
末とを加圧形成するセパレータの製造方法がある。
【0006】さらにまた、特開平4−214072号公
報に開示されているように、フェノール樹脂、炭素繊維
ミルドファイバーおよび黒鉛紛を含む混合物をシート状
に成型し、得られた成型物を黒鉛化するセパレータの製
造方法もある。一方、従来の炭素材料に代えて、ステン
レスなどの金属板を用いてセパレータを作製する試みも
行われている。いずれにせよ、小型で高性能な燃料電池
を実現するためには、燃料電池の全容積を占める割合の
大きいセパレータの小型化および薄肉化を実現すること
が急務である。
報に開示されているように、フェノール樹脂、炭素繊維
ミルドファイバーおよび黒鉛紛を含む混合物をシート状
に成型し、得られた成型物を黒鉛化するセパレータの製
造方法もある。一方、従来の炭素材料に代えて、ステン
レスなどの金属板を用いてセパレータを作製する試みも
行われている。いずれにせよ、小型で高性能な燃料電池
を実現するためには、燃料電池の全容積を占める割合の
大きいセパレータの小型化および薄肉化を実現すること
が急務である。
【0007】燃料電池用セパレータは、機械的強度に優
れ、導電性が高く、かつ燃料ガスに対して高いガス気密
性を持ち、さらに水素と酸素をそれぞれ酸化、還元する
際の反応に対して高い耐食性、すなわち耐酸性を持つ必
要がある。なぜなら、セパレータの破損や欠損によりガ
スリークが生じると、電気化学反応が円滑に進行しない
ため電池性能が低下するばかりでなく、燃料ガスと酸化
剤ガスが混合してしまうおそれがあるからである。
れ、導電性が高く、かつ燃料ガスに対して高いガス気密
性を持ち、さらに水素と酸素をそれぞれ酸化、還元する
際の反応に対して高い耐食性、すなわち耐酸性を持つ必
要がある。なぜなら、セパレータの破損や欠損によりガ
スリークが生じると、電気化学反応が円滑に進行しない
ため電池性能が低下するばかりでなく、燃料ガスと酸化
剤ガスが混合してしまうおそれがあるからである。
【0008】また、セパレータには適度の濡れ性が要求
される。なぜなら、この適度の濡れ性は電極反応で生成
した水を速やかに排出することが可能で電池特性や信頼
性に影響を及ぼすフラッディング(生成水などの滞留)
を防止する必要があるからである。また、燃料電池の実
使用時には、上記単電池を数十層積層して電池スタック
が構成されている。この場合、各単電池間が十分に密着
していることが重要であり、密着性が不十分であると接
触電気抵抗の増大により電池の内部抵抗が増大して電池
性能が著しく低下してしまう。
される。なぜなら、この適度の濡れ性は電極反応で生成
した水を速やかに排出することが可能で電池特性や信頼
性に影響を及ぼすフラッディング(生成水などの滞留)
を防止する必要があるからである。また、燃料電池の実
使用時には、上記単電池を数十層積層して電池スタック
が構成されている。この場合、各単電池間が十分に密着
していることが重要であり、密着性が不十分であると接
触電気抵抗の増大により電池の内部抵抗が増大して電池
性能が著しく低下してしまう。
【0009】また、単電池は加圧されているため、セパ
レータに亀裂が発生して破損や欠損を生じることがあ
り、セパレータの材料強度、寸法精度および平面性を制
御することが重要である。特に、グラッシーカーボン板
の表面に切削加工でガス流路を形成して得られるセパレ
ータの場合、高温で安定した長期の焼成と高精度な切削
加工が必要である。このようにして作製されたセパレー
タは、薄肉化すると脆くなり、燃料電池を組み立てる際
に割れ易く、信頼性に乏しく、非常に高価なものになる
ばかりか、焼成工程でシート状物が収縮し寸法の再現性
に乏しく、加えて、焼成工程での収縮による歪が残ると
いう問題がある。
レータに亀裂が発生して破損や欠損を生じることがあ
り、セパレータの材料強度、寸法精度および平面性を制
御することが重要である。特に、グラッシーカーボン板
の表面に切削加工でガス流路を形成して得られるセパレ
ータの場合、高温で安定した長期の焼成と高精度な切削
加工が必要である。このようにして作製されたセパレー
タは、薄肉化すると脆くなり、燃料電池を組み立てる際
に割れ易く、信頼性に乏しく、非常に高価なものになる
ばかりか、焼成工程でシート状物が収縮し寸法の再現性
に乏しく、加えて、焼成工程での収縮による歪が残ると
いう問題がある。
【0010】また、他のセパレータの製造方法としてガ
ス流路溝を形成したプレス金型にバインダーとともに膨
張黒鉛粉末を入れ、これをプレス加工した後、加熱焼成
することで作製されているものもある。このようにして
作製されたセパレータは、高抵抗のバインダーを用いる
ため比抵抗が大きくなり、また、黒鉛粉末と樹脂との界
面接着性が劣り薄肉化すると脆く、燃料電池を組み立て
る際に割れ易く、信頼性に乏しいという問題がある。
ス流路溝を形成したプレス金型にバインダーとともに膨
張黒鉛粉末を入れ、これをプレス加工した後、加熱焼成
することで作製されているものもある。このようにして
作製されたセパレータは、高抵抗のバインダーを用いる
ため比抵抗が大きくなり、また、黒鉛粉末と樹脂との界
面接着性が劣り薄肉化すると脆く、燃料電池を組み立て
る際に割れ易く、信頼性に乏しいという問題がある。
【0011】さらに、ステンレスなどの金属板を用いる
試みが行われているが、金属板を用いたセパレータは、
金属板が高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間
使用すると、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐
食すると、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が
低下するという問題がある。また、金属板が溶解する
と、溶解した金属イオンが高分子電解質に拡散し、これ
が高分子電解質のイオン交換サイトにトラップされ、結
果的に高分子電解質自身のイオン電導性が低下するとい
う問題もある。このような劣化を避けるため金属板の表
面にある程度の厚さを持つ金メッキを施すことも通例で
あった。金メッキを施したものは非常に高価になる。
試みが行われているが、金属板を用いたセパレータは、
金属板が高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間
使用すると、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐
食すると、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が
低下するという問題がある。また、金属板が溶解する
と、溶解した金属イオンが高分子電解質に拡散し、これ
が高分子電解質のイオン交換サイトにトラップされ、結
果的に高分子電解質自身のイオン電導性が低下するとい
う問題もある。このような劣化を避けるため金属板の表
面にある程度の厚さを持つ金メッキを施すことも通例で
あった。金メッキを施したものは非常に高価になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
の問題点に鑑み、本発明は、上記問題点を解決し、薄肉
化してもセパレータに必要な機械的強度を保つことが可
能で、燃料電池の組み立て時に割れなどの発生がなく、
電気伝導度が大きく、また表面の濡れ性が良好で、特性
および信頼性の高い、また高温での焼成工程がないため
廉価な燃料電池用セパレータ、およびその製造方法を提
供することを目的とする。
の問題点に鑑み、本発明は、上記問題点を解決し、薄肉
化してもセパレータに必要な機械的強度を保つことが可
能で、燃料電池の組み立て時に割れなどの発生がなく、
電気伝導度が大きく、また表面の濡れ性が良好で、特性
および信頼性の高い、また高温での焼成工程がないため
廉価な燃料電池用セパレータ、およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素材料、バ
インダーおよび酸化亜鉛ウイスカを含む複合材料からな
ることを特徴とする燃料電池用セパレータを提供する。
前記炭素材料または前記複合材料が、紫外線照射、オゾ
ン処理もしくはプラズマ処理された炭素材料または複合
材料であるのが有効である。
インダーおよび酸化亜鉛ウイスカを含む複合材料からな
ることを特徴とする燃料電池用セパレータを提供する。
前記炭素材料または前記複合材料が、紫外線照射、オゾ
ン処理もしくはプラズマ処理された炭素材料または複合
材料であるのが有効である。
【0014】また、前記酸化亜鉛ウイスカが繊維状であ
り、1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、
および10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有するのが有
効である。さらに、前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの
核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテ
トラポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μm
の長さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜10
9Ω・cmの比抵抗を有するのが有効である。
り、1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、
および10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有するのが有
効である。さらに、前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの
核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテ
トラポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μm
の長さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜10
9Ω・cmの比抵抗を有するのが有効である。
【0015】本発明は、さらに(a)炭素材料、バイン
ダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合して混合物を得る工
程、および(b)前記混合物を成型してセパレータを得
る工程を含むことを特徴とする燃料電池用セパレータの
製造方法を提供する。この製造方法においては、工程
(b)において前記混合物を成型した後、(c−1)得
られる成型物の表面に、紫外線照射、オゾン処理または
プラズマ処理を施す工程、および(c−2)得られる成
型物を不活性雰囲気中で焼成する工程の少なくとも一方
を含むのが有効である。
ダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合して混合物を得る工
程、および(b)前記混合物を成型してセパレータを得
る工程を含むことを特徴とする燃料電池用セパレータの
製造方法を提供する。この製造方法においては、工程
(b)において前記混合物を成型した後、(c−1)得
られる成型物の表面に、紫外線照射、オゾン処理または
プラズマ処理を施す工程、および(c−2)得られる成
型物を不活性雰囲気中で焼成する工程の少なくとも一方
を含むのが有効である。
【0016】この場合、工程(b)の後に工程(c−
1)を行う場合、工程(b)の後に工程(c−2)を行
う場合、および工程(b)の後に(c−2)を行い、つ
いで工程(c−1)を行う場合の3通りの方法が可能で
ある。また、工程(c−1)を行わない場合には、前記
炭素材料として、紫外線照射、オゾン処理またはプラズ
マ処理された炭素材料を用いるのが有効である。
1)を行う場合、工程(b)の後に工程(c−2)を行
う場合、および工程(b)の後に(c−2)を行い、つ
いで工程(c−1)を行う場合の3通りの方法が可能で
ある。また、工程(c−1)を行わない場合には、前記
炭素材料として、紫外線照射、オゾン処理またはプラズ
マ処理された炭素材料を用いるのが有効である。
【0017】また、前記酸化亜鉛ウイスカが繊維状であ
り、1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、
および10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有するのが有
効である。さらに、前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの
核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテ
トラポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μm
の長さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜10
9Ω・cmの比抵抗を有するのが有効である。
り、1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、
および10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有するのが有
効である。さらに、前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの
核部から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテ
トラポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μm
の長さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜10
9Ω・cmの比抵抗を有するのが有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】前記目的を達成するため、本発明
の燃料電池用セパレータは、炭素材料とバインダーおよ
び酸化亜鉛ウイスカで構成される複合材料からなること
を特徴とする。前記構成において、炭素材料があらかじ
め紫外線照射、オゾン処理、およびプラズマ処理された
ものがバインダーとの接着性が改善され好ましい。前記
構成において、複合材料の表面を紫外線照射、オゾン処
理、およびプラズマ処理されたものが水との濡れ性を改
善することが可能で好ましい。
の燃料電池用セパレータは、炭素材料とバインダーおよ
び酸化亜鉛ウイスカで構成される複合材料からなること
を特徴とする。前記構成において、炭素材料があらかじ
め紫外線照射、オゾン処理、およびプラズマ処理された
ものがバインダーとの接着性が改善され好ましい。前記
構成において、複合材料の表面を紫外線照射、オゾン処
理、およびプラズマ処理されたものが水との濡れ性を改
善することが可能で好ましい。
【0019】また、炭素材料が鱗片状天然黒鉛粉、膨張
黒鉛紛、炭素繊維および黒鉛繊維よよりなる群から選択
される少なくとも1種であることが好ましい。この構成
により比抵抗の小さな燃料電池用セパレータを提供する
ことができる。また、前記構成において、バインダーが
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂およびメラミ
ン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である
のが好ましい。この構成により、機械的強度に優れた燃
料電池用セパレータを提供することができる。
黒鉛紛、炭素繊維および黒鉛繊維よよりなる群から選択
される少なくとも1種であることが好ましい。この構成
により比抵抗の小さな燃料電池用セパレータを提供する
ことができる。また、前記構成において、バインダーが
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂およびメラミ
ン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である
のが好ましい。この構成により、機械的強度に優れた燃
料電池用セパレータを提供することができる。
【0020】前記構成において、酸化亜鉛ウイスカが繊
維状で長さが1〜200μm、アスペクト比が3〜7
0、かつ比抵抗が10-1〜109Ω・cmであることが
好ましい。この構成により、機械的強度に優れ、比抵抗
の小さな燃料電池用セパレータを提供することができ
る。前記構成において、酸化亜鉛ウイスカが、核部とこ
の核部から異なる4軸方向に伸びた繊維状結晶部からな
るテトラポット状であることが好ましい。この構成によ
り、機械的強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパ
レータを提供することができる。
維状で長さが1〜200μm、アスペクト比が3〜7
0、かつ比抵抗が10-1〜109Ω・cmであることが
好ましい。この構成により、機械的強度に優れ、比抵抗
の小さな燃料電池用セパレータを提供することができ
る。前記構成において、酸化亜鉛ウイスカが、核部とこ
の核部から異なる4軸方向に伸びた繊維状結晶部からな
るテトラポット状であることが好ましい。この構成によ
り、機械的強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパ
レータを提供することができる。
【0021】上記のような燃料電池用セパレータを作製
するに際し、本発明は種々の製造方法を提供する。なか
でも、好ましくは以下のような製造方法を採用する。ま
ず、本発明の第1番目の製造方法は、炭素材料とバイン
ダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成型する。
本発明の第2番目の製造方法は、あらかじめ紫外線照
射、オゾン処理、あるいはプラズマ処理された炭素材料
とバインダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成
型する。
するに際し、本発明は種々の製造方法を提供する。なか
でも、好ましくは以下のような製造方法を採用する。ま
ず、本発明の第1番目の製造方法は、炭素材料とバイン
ダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成型する。
本発明の第2番目の製造方法は、あらかじめ紫外線照
射、オゾン処理、あるいはプラズマ処理された炭素材料
とバインダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成
型する。
【0022】つぎに、本発明の第3番目の製造方法は、
炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合し
た後、成型し、さらに表面を紫外線照射、オゾン処理、
あるいはプラズマ処理を行なう。また、本発明の第4番
目の製造方法は、炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛
ウイスカを混合した後、成型しさらに不活性雰囲気中で
焼成する。
炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合し
た後、成型し、さらに表面を紫外線照射、オゾン処理、
あるいはプラズマ処理を行なう。また、本発明の第4番
目の製造方法は、炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛
ウイスカを混合した後、成型しさらに不活性雰囲気中で
焼成する。
【0023】さらに、本発明の第5番目の製造方法は、
あらかじめ紫外線照射、オゾン処理、あるいはプラズマ
処理された炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛ウイス
カを混合した後、成型、不活性雰囲気中で焼成する。そ
して、本発明の第6番目の製造方法は、炭素材料とバイ
ンダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成型、不
活性雰囲気中で焼成、さらに表面を紫外線照射、オゾン
処理、あるいはプラズマ処理を行なう。
あらかじめ紫外線照射、オゾン処理、あるいはプラズマ
処理された炭素材料とバインダーおよび酸化亜鉛ウイス
カを混合した後、成型、不活性雰囲気中で焼成する。そ
して、本発明の第6番目の製造方法は、炭素材料とバイ
ンダーおよび酸化亜鉛ウイスカを混合した後、成型、不
活性雰囲気中で焼成、さらに表面を紫外線照射、オゾン
処理、あるいはプラズマ処理を行なう。
【0024】本発明によれば、作製が容易で、かつ機械
的強度に優れ、比抵抗が小さく、薄肉化が容易で、しか
も表面の濡れ性を改善し、電池特性と信頼性を向上し得
る燃料電池用セパレータおよびその製造方法を実現でき
る。以下に、本発明についてより具体的に説明する。本
発明の燃料電池用セパレータは、上記の通り炭素材料と
バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカで構成されている。
的強度に優れ、比抵抗が小さく、薄肉化が容易で、しか
も表面の濡れ性を改善し、電池特性と信頼性を向上し得
る燃料電池用セパレータおよびその製造方法を実現でき
る。以下に、本発明についてより具体的に説明する。本
発明の燃料電池用セパレータは、上記の通り炭素材料と
バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカで構成されている。
【0025】本発明で用いる炭素材料、バインダーおよ
び酸化亜鉛ウイスカの混合重量比に関しては、合計10
0重量%として、得られる混合物が30〜90重量%の
炭素材料、5〜50重量%のバインダーおよび5〜60
重量%の酸化亜鉛ウイスカを含むのが好ましい。さらに
好ましくは、40〜80重量%の炭素材料、10〜40
重量%のバインダーおよび10〜50重量%の酸化亜鉛
ウイスカを含むのが好ましい。
び酸化亜鉛ウイスカの混合重量比に関しては、合計10
0重量%として、得られる混合物が30〜90重量%の
炭素材料、5〜50重量%のバインダーおよび5〜60
重量%の酸化亜鉛ウイスカを含むのが好ましい。さらに
好ましくは、40〜80重量%の炭素材料、10〜40
重量%のバインダーおよび10〜50重量%の酸化亜鉛
ウイスカを含むのが好ましい。
【0026】炭素材料の量が30重量%未満になると電
気抵抗が大きくなり、また90重量%を超えるとセパレ
ータの強度が弱くなり好ましくない。セパレータとして
の強度が不足すると、薄肉化した場合に、燃料電池組み
立て時または動作時に割れなどが生じ、セパレータとし
ての機能を果たさなくなる。
気抵抗が大きくなり、また90重量%を超えるとセパレ
ータの強度が弱くなり好ましくない。セパレータとして
の強度が不足すると、薄肉化した場合に、燃料電池組み
立て時または動作時に割れなどが生じ、セパレータとし
ての機能を果たさなくなる。
【0027】また、バインダーの重量比が5重量%未満
になるとセパレータの強度が弱くなり、また50重量%
を超えると抵抗が大きくなり、従ってセパレータの電気
抵抗も高くなり好ましくない。さらに、酸化亜鉛ウイス
カの重量比が5重量%未満になるとセパレータの強度を
上げることが困難になり、また60重量%を超えるとセ
パレータの電気抵抗が上がり好ましくない。
になるとセパレータの強度が弱くなり、また50重量%
を超えると抵抗が大きくなり、従ってセパレータの電気
抵抗も高くなり好ましくない。さらに、酸化亜鉛ウイス
カの重量比が5重量%未満になるとセパレータの強度を
上げることが困難になり、また60重量%を超えるとセ
パレータの電気抵抗が上がり好ましくない。
【0028】本発明で用いる粉末状の炭素材料として
は、例えば、リン片状黒鉛、膨張黒鉛、人造黒鉛、メソ
フェーズカーボン、石炭コークス、石油コークス、アセ
チレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラッ
ク、ガラッシーカーボン、活性炭などが導電性に優れ好
ましい。
は、例えば、リン片状黒鉛、膨張黒鉛、人造黒鉛、メソ
フェーズカーボン、石炭コークス、石油コークス、アセ
チレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラッ
ク、ガラッシーカーボン、活性炭などが導電性に優れ好
ましい。
【0029】上記粉末状の炭素材料の粒径としては、平
均粒径が5〜150μm、好ましくは10〜100μm
であればよい。平均粒径が5nm未満の場合には、粉末
の嵩が高すぎてセパレータの電気抵抗が高くなり、バイ
ンダーや酸化亜鉛ウイスカと均一に混合することが難し
くなり好ましくない。一方、平均粒径が150μmを超
える場合には、粉末間の電気的接触が少なくなり、セパ
レータの電気抵抗が高くなり好ましくない。
均粒径が5〜150μm、好ましくは10〜100μm
であればよい。平均粒径が5nm未満の場合には、粉末
の嵩が高すぎてセパレータの電気抵抗が高くなり、バイ
ンダーや酸化亜鉛ウイスカと均一に混合することが難し
くなり好ましくない。一方、平均粒径が150μmを超
える場合には、粉末間の電気的接触が少なくなり、セパ
レータの電気抵抗が高くなり好ましくない。
【0030】また、上記繊維状の炭素材料としては、例
えば、炭素繊維、黒鉛繊維が導電性、機械的強度に優れ
好ましい。上記繊維の繊維長は、3mm以下、好ましく
は2mm以下であればよく、3mmを超える場合には混
合工程で十分に分散せず、薄肉化した場合、比抵抗が高
くなり、また機械的強度も低下し、好ましくない。
えば、炭素繊維、黒鉛繊維が導電性、機械的強度に優れ
好ましい。上記繊維の繊維長は、3mm以下、好ましく
は2mm以下であればよく、3mmを超える場合には混
合工程で十分に分散せず、薄肉化した場合、比抵抗が高
くなり、また機械的強度も低下し、好ましくない。
【0031】上記炭素繊維あるいは黒鉛繊維としては、
例えば、ポリアクリロニトリル繊維、ピッチ系繊維、レ
ーヨン繊維、フェノール系繊維を不活性雰囲気下で炭化
あるいは黒鉛化したものを挙げることができる。上記バ
インダーとしては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂およびメラミン樹脂などを、それぞれ単
独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
例えば、ポリアクリロニトリル繊維、ピッチ系繊維、レ
ーヨン繊維、フェノール系繊維を不活性雰囲気下で炭化
あるいは黒鉛化したものを挙げることができる。上記バ
インダーとしては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂およびメラミン樹脂などを、それぞれ単
独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
【0032】上記酸化亜鉛ウイスカは、繊維状で長さが
1〜200μm、アスペクト比が3〜70であることが
好ましく、ウイスカの作製制御性や炭素材料、バインダ
ーとの均一な混合を考慮すると、長さが3〜100μ
m、アスペクト比が5〜50であることがより好まし
い。後述のように、テトラポット状の酸化亜鉛ウイスカ
を用いる場合は、核部とこの核部から異なる4軸方向に
延びた繊維状(結晶)部から構成され、前記繊維状部が
上記条件を満たすのが有効である。
1〜200μm、アスペクト比が3〜70であることが
好ましく、ウイスカの作製制御性や炭素材料、バインダ
ーとの均一な混合を考慮すると、長さが3〜100μ
m、アスペクト比が5〜50であることがより好まし
い。後述のように、テトラポット状の酸化亜鉛ウイスカ
を用いる場合は、核部とこの核部から異なる4軸方向に
延びた繊維状(結晶)部から構成され、前記繊維状部が
上記条件を満たすのが有効である。
【0033】特に、上記サイズのテトラポット状酸化亜
鉛ウイスカを炭素材料とバインダーに分散した場合、全
方向に等方的な補強ができるため、セパレータの反りを
防止することができる。すなわち、テトラポット状酸化
亜鉛ウイスカを配合することにより、成型精度の良い、
高い伝導度を有するセパレータを作製することができ
る。
鉛ウイスカを炭素材料とバインダーに分散した場合、全
方向に等方的な補強ができるため、セパレータの反りを
防止することができる。すなわち、テトラポット状酸化
亜鉛ウイスカを配合することにより、成型精度の良い、
高い伝導度を有するセパレータを作製することができ
る。
【0034】このようなテトラポット状の酸化亜鉛ウイ
スカは、原料である金属亜鉛を特殊な雰囲気下で酸化熱
処理して製造することができる。また、市販のものとし
て、例えば松下アムラック(株)製のパナテトラを好適
に用いることができる。酸化亜鉛の導電性はその生成条
件やドーピングの条件により大きく変化し、例えば、1
0-2〜1012Ω・cmの範囲にあり、導電率の制御性を
考慮すると10 -1〜109Ω・cmの範囲がさらに好ま
しい。
スカは、原料である金属亜鉛を特殊な雰囲気下で酸化熱
処理して製造することができる。また、市販のものとし
て、例えば松下アムラック(株)製のパナテトラを好適
に用いることができる。酸化亜鉛の導電性はその生成条
件やドーピングの条件により大きく変化し、例えば、1
0-2〜1012Ω・cmの範囲にあり、導電率の制御性を
考慮すると10 -1〜109Ω・cmの範囲がさらに好ま
しい。
【0035】さらに上記酸化亜鉛ウイスカの中でテトラ
ポット状のものは全方向に等方的な補強をするため、反
りを防止し、平面性に優れたセパレータを得ることがで
きさらに好ましい。上記テトラポット状の酸化亜鉛ウイ
スカを配合することにより、成型精度(反りがない)を
上げることができるばかりでなく、ウイスカにミクロな
補強性があるため高い電気伝導度を有するセパレータを
相対的に少ない配合量で実現することができる。
ポット状のものは全方向に等方的な補強をするため、反
りを防止し、平面性に優れたセパレータを得ることがで
きさらに好ましい。上記テトラポット状の酸化亜鉛ウイ
スカを配合することにより、成型精度(反りがない)を
上げることができるばかりでなく、ウイスカにミクロな
補強性があるため高い電気伝導度を有するセパレータを
相対的に少ない配合量で実現することができる。
【0036】なお、上記炭素材料とバインダーおよび酸
化亜鉛ウイスカの混合物には、成型時の離型性を上げる
ために潤滑剤を入れてもよく、この潤滑剤としては特に
制限はないが、例えば、ステアリン酸、脂肪酸、脂肪酸
金属塩、ワックスなどを用いることができる。
化亜鉛ウイスカの混合物には、成型時の離型性を上げる
ために潤滑剤を入れてもよく、この潤滑剤としては特に
制限はないが、例えば、ステアリン酸、脂肪酸、脂肪酸
金属塩、ワックスなどを用いることができる。
【0037】一方、本発明の燃料電池用セパレータの製
造方法によると、上記炭素材料とバインダーおよび酸化
亜鉛ウイスカの混合物を、上記重量比の範囲で混合し、
必要に応じて溶媒を加え、顆粒化を行なう。このような
混合・顆粒工程には、ニーダーやミキサーなどを用いる
ことができるが特に制限はない。上記混合・顆粒工程で
用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノ
ール、トルエン、アセトンなどを用いることができる。
造方法によると、上記炭素材料とバインダーおよび酸化
亜鉛ウイスカの混合物を、上記重量比の範囲で混合し、
必要に応じて溶媒を加え、顆粒化を行なう。このような
混合・顆粒工程には、ニーダーやミキサーなどを用いる
ことができるが特に制限はない。上記混合・顆粒工程で
用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノ
ール、トルエン、アセトンなどを用いることができる。
【0038】必要に応じて、上記のようにして作製した
顆粒状の混合物を、温風循環乾燥機や真空乾燥機などの
乾燥機を用いて溶媒などを蒸発させ、乾燥してもよい。
上記顆粒状の混合物の粒径としては、5mm未満、好ま
しくは3mm以下が良く、粒径が5mm以上になると、
金型に混合物を入れる時に均一に充填することができ
ず、薄肉のセパレータを作製する場合に成型不良や密度
のばらつきなどが生じて好ましくない。
顆粒状の混合物を、温風循環乾燥機や真空乾燥機などの
乾燥機を用いて溶媒などを蒸発させ、乾燥してもよい。
上記顆粒状の混合物の粒径としては、5mm未満、好ま
しくは3mm以下が良く、粒径が5mm以上になると、
金型に混合物を入れる時に均一に充填することができ
ず、薄肉のセパレータを作製する場合に成型不良や密度
のばらつきなどが生じて好ましくない。
【0039】つぎに、本発明の製造方法では、上記混合
物を用いてセパレータに成型する時、圧縮成型法、射出
成型法、圧縮射出成型法などを用いることができる。な
お、上記工程における成型温度、成型圧力、成型時間に
ついては、使用するバインダーなどの特性に応じて選択
すればよいが、常温から樹脂が硬化、溶融、加硫される
範囲でよい。また、生産性を向上させるために、タブレ
ット成型、押し出し成型、素押し成型、ロールプレスな
どの手法を用いて、プレカーサを製造しておき、このプ
レカーサを成型機に投入し、最終的にセパレータ形状に
成型しても良い。
物を用いてセパレータに成型する時、圧縮成型法、射出
成型法、圧縮射出成型法などを用いることができる。な
お、上記工程における成型温度、成型圧力、成型時間に
ついては、使用するバインダーなどの特性に応じて選択
すればよいが、常温から樹脂が硬化、溶融、加硫される
範囲でよい。また、生産性を向上させるために、タブレ
ット成型、押し出し成型、素押し成型、ロールプレスな
どの手法を用いて、プレカーサを製造しておき、このプ
レカーサを成型機に投入し、最終的にセパレータ形状に
成型しても良い。
【0040】つぎに、得られた成型物を化学的に安定化
させるために、成型後さらに不活性雰囲気中で熱処理し
ても良い。この時の熱処理温度は、300〜800℃程
度で、熱処理によりバインダーの炭化を進めることによ
りセパレータの電気伝導度が大きくすることが可能でよ
り好ましい。しかしこの時、バインダーの収縮率などに
注意し、寸法精度が低下しないように注意しなければな
らない。
させるために、成型後さらに不活性雰囲気中で熱処理し
ても良い。この時の熱処理温度は、300〜800℃程
度で、熱処理によりバインダーの炭化を進めることによ
りセパレータの電気伝導度が大きくすることが可能でよ
り好ましい。しかしこの時、バインダーの収縮率などに
注意し、寸法精度が低下しないように注意しなければな
らない。
【0041】つぎに、本発明の製造方法では、炭素材
料、バインダー、酸化亜鉛ウイスカを混合、成型するこ
とにより、少ないバインダー量でセパレータの機械的強
度を高めることができる。つぎに、本発明の製造方法で
は、炭素材料に紫外線を照射する、またはオゾン処理す
る、またはプラズマ処理することにより、炭素材料表面
の官能基を分解、あるいは酸化分解して、バインダーま
たは酸化亜鉛ウイスカとの界面密着性を向上し、少ない
バインダー量でセパレータの機械的強度を高めることが
できる。
料、バインダー、酸化亜鉛ウイスカを混合、成型するこ
とにより、少ないバインダー量でセパレータの機械的強
度を高めることができる。つぎに、本発明の製造方法で
は、炭素材料に紫外線を照射する、またはオゾン処理す
る、またはプラズマ処理することにより、炭素材料表面
の官能基を分解、あるいは酸化分解して、バインダーま
たは酸化亜鉛ウイスカとの界面密着性を向上し、少ない
バインダー量でセパレータの機械的強度を高めることが
できる。
【0042】このとき、酸化亜鉛ウイスカも炭素材料と
同様に、紫外線照射、オゾン処理、あるいはプラズマ処
理を行なってもよい。ここで、紫外線照射とオゾン発生
に用いる光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、クセノンラ
ンプなどが効率よく、紫外線やオゾンを発生することが
できる。また、プラズマ処理に用いるガスとして、アル
ゴン、酸素、窒素あるいはこれらの混合ガスを用いる
と、表面の酸化物や不純物を除去、水素結合を作ること
ができ、界面の密着性を向上させることができる。
同様に、紫外線照射、オゾン処理、あるいはプラズマ処
理を行なってもよい。ここで、紫外線照射とオゾン発生
に用いる光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、クセノンラ
ンプなどが効率よく、紫外線やオゾンを発生することが
できる。また、プラズマ処理に用いるガスとして、アル
ゴン、酸素、窒素あるいはこれらの混合ガスを用いる
と、表面の酸化物や不純物を除去、水素結合を作ること
ができ、界面の密着性を向上させることができる。
【0043】つぎに、本発明の製造方法では、セパレー
タ表面の官能基を紫外線、オゾン処理あるいはプラズマ
処理により分解することにより、表面の濡れ性を向上さ
せることができる。セパレータには適度な濡れ性が要求
され、この適度な濡れ性は電極反応で生成した水を速や
かに排出することが可能で燃料電池性能に影響を及ぼす
フラッディング(生成水などの滞留)を防止することが
できる。
タ表面の官能基を紫外線、オゾン処理あるいはプラズマ
処理により分解することにより、表面の濡れ性を向上さ
せることができる。セパレータには適度な濡れ性が要求
され、この適度な濡れ性は電極反応で生成した水を速や
かに排出することが可能で燃料電池性能に影響を及ぼす
フラッディング(生成水などの滞留)を防止することが
できる。
【0044】上記のように、本発明によれば、最も薄い
部分の厚みが0.05〜1.0mmのセパレータを容易
に作製することができる。また、セパレータの曲げ強度
が2〜20kgf/mm2、曲げ弾性率〜8000kgf
/mm2であり、高強度、高靭性のセパレータを得ること
ができる。さらに、濡れ性に優れたセパレータを作製す
ることができる。
部分の厚みが0.05〜1.0mmのセパレータを容易
に作製することができる。また、セパレータの曲げ強度
が2〜20kgf/mm2、曲げ弾性率〜8000kgf
/mm2であり、高強度、高靭性のセパレータを得ること
ができる。さらに、濡れ性に優れたセパレータを作製す
ることができる。
【0045】したがって、上記のように肉薄化した強度
の高いセパレータを従来と同様な方法で作製することが
できる。また、このセパレータを用いて、固体高分子型
燃料電池を作製すると、従来のものと比較して、より薄
型で特性と耐久性に優れた燃料電池を得ることができ
る。
の高いセパレータを従来と同様な方法で作製することが
できる。また、このセパレータを用いて、固体高分子型
燃料電池を作製すると、従来のものと比較して、より薄
型で特性と耐久性に優れた燃料電池を得ることができ
る。
【0046】
【実施例】以下本発明の具体的な実施例について説明す
る。 《実施例1〜20》表1に示す重量比で炭素材料、バイ
ンダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサーを用いて混合
し、全固形分に対してエタノールを10重量%添加し、
粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲にある顆粒状原
料混合物を調製した。この原料混合物を熱風乾燥機で5
0℃、1時間乾燥した後、成型温度160℃、成型圧力
120kg/cm2、20分間プレス成型し、最も薄い
ところで0.2mmの燃料電池セパレータを作製した。
このセパレータの諸特性を表1に示した。なお、固有抵
抗の測定には、JIS H0602、曲げ強度、曲げ弾
性率についてはJIS K6911に準拠して測定し
た。
る。 《実施例1〜20》表1に示す重量比で炭素材料、バイ
ンダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサーを用いて混合
し、全固形分に対してエタノールを10重量%添加し、
粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲にある顆粒状原
料混合物を調製した。この原料混合物を熱風乾燥機で5
0℃、1時間乾燥した後、成型温度160℃、成型圧力
120kg/cm2、20分間プレス成型し、最も薄い
ところで0.2mmの燃料電池セパレータを作製した。
このセパレータの諸特性を表1に示した。なお、固有抵
抗の測定には、JIS H0602、曲げ強度、曲げ弾
性率についてはJIS K6911に準拠して測定し
た。
【0047】つぎに、実施例1〜20で作製したセパレ
ータを用いて、固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シ
ール部材を組み合わせて図1に示した構成の単電池を作
製した。具体的には、水素イオン伝導性高分子膜11
(デュポン社製のナフィオン)に、カーボンブラックに
平均粒径3nmの白金微粒子を30wt%担持した触媒
20部と水素イオン伝導性高分子を9wt%含んだエタ
ノール溶液80部とからなるインクを塗布、乾燥してア
ノード極触媒層12およびカソード極触媒層13を形成
し、これを厚み300μmのガス拡散層(東レ(株)製
のカーボンペーパーTGP−H−120)で挟み込み、
さらに本発明の組成を有するセパレータ14(ガス流路
溝15と冷却水流路溝16を有する。)と、ポリエチレ
ン製のガスケット18で挟み込み、130℃で1時間ホ
ットプレスし、各接合部を強固にして単電池を作製し
た。
ータを用いて、固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シ
ール部材を組み合わせて図1に示した構成の単電池を作
製した。具体的には、水素イオン伝導性高分子膜11
(デュポン社製のナフィオン)に、カーボンブラックに
平均粒径3nmの白金微粒子を30wt%担持した触媒
20部と水素イオン伝導性高分子を9wt%含んだエタ
ノール溶液80部とからなるインクを塗布、乾燥してア
ノード極触媒層12およびカソード極触媒層13を形成
し、これを厚み300μmのガス拡散層(東レ(株)製
のカーボンペーパーTGP−H−120)で挟み込み、
さらに本発明の組成を有するセパレータ14(ガス流路
溝15と冷却水流路溝16を有する。)と、ポリエチレ
ン製のガスケット18で挟み込み、130℃で1時間ホ
ットプレスし、各接合部を強固にして単電池を作製し
た。
【0048】この燃料電池の信頼性を評価した。評価
は、燃料電池を2000時間運転し、初期電池電圧を1
00とした時の2000時間経過時の電池電圧を割合で
示した。表より、炭素材料としては、黒鉛繊維が優れて
いること、バインダーの含有量で抵抗値、特性が影響さ
れること、酸化亜鉛ウイスカでは、繊維状のものより、
テトラポット状の方がよい特性のセパレータを作製でき
ることが分かる。
は、燃料電池を2000時間運転し、初期電池電圧を1
00とした時の2000時間経過時の電池電圧を割合で
示した。表より、炭素材料としては、黒鉛繊維が優れて
いること、バインダーの含有量で抵抗値、特性が影響さ
れること、酸化亜鉛ウイスカでは、繊維状のものより、
テトラポット状の方がよい特性のセパレータを作製でき
ることが分かる。
【0049】
【表1】
【0050】《実施例21〜40》表2に示す重量比で
炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサ
ーを用いて混合し、全固形分に対してエタノールを10
重量%添加し、粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲
にある顆粒状原料混合物を調製した。ここで用いた炭素
材料と酸化亜鉛ウイスカについて、実施例21〜30で
はあらかじめ高圧水銀灯を光源として紫外線とオゾン処
理を行ない、実施例31〜40ではあらかじめアルゴン
プラズマ処理を行なった。この原料混合物を熱風乾燥機
で50℃、1時間乾燥した後、成型温度160℃、成型
圧力120kg/cm2、20分間プレス成型し、最も
薄いところで0.2mmの燃料電池セパレータを作製し
た。このセパレータの諸特性を表2に示した。
炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサ
ーを用いて混合し、全固形分に対してエタノールを10
重量%添加し、粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲
にある顆粒状原料混合物を調製した。ここで用いた炭素
材料と酸化亜鉛ウイスカについて、実施例21〜30で
はあらかじめ高圧水銀灯を光源として紫外線とオゾン処
理を行ない、実施例31〜40ではあらかじめアルゴン
プラズマ処理を行なった。この原料混合物を熱風乾燥機
で50℃、1時間乾燥した後、成型温度160℃、成型
圧力120kg/cm2、20分間プレス成型し、最も
薄いところで0.2mmの燃料電池セパレータを作製し
た。このセパレータの諸特性を表2に示した。
【0051】なお、固有抵抗の測定には、JIS H0
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例21〜40
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100とした時の20
00時間経過時の電池電圧を割合で示した。表1のセパ
レータと比較するとセパレータの特性が向上しているこ
とが分かる。
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例21〜40
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100とした時の20
00時間経過時の電池電圧を割合で示した。表1のセパ
レータと比較するとセパレータの特性が向上しているこ
とが分かる。
【0052】
【表2】
【0053】《実施例41〜60》表3に示す重量比で
炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサ
ーを用いて混合し、全固形分に対してエタノールを10
重量%添加し、粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲
にある顆粒状原料混合物を調製した。この原料混合物を
熱風乾燥機で50℃、1時間乾燥した後、成型温度16
0℃、成型圧力120Kg/cm2、20分間プレス成
型し、最も薄いところで0.2mmの燃料電池セパレー
タを作製した。このセパレータについて、実施例21〜
30ではあらかじめ高圧水銀灯を光源として紫外線とオ
ゾン処理を行ない、実施例31〜40ではあらかじめア
ルゴンプラズマ処理を行なった。本実施例で作製したセ
パレータの諸特性を表3に示した。
炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウイスカをミキサ
ーを用いて混合し、全固形分に対してエタノールを10
重量%添加し、粒度分布が0.01〜2.0mmの範囲
にある顆粒状原料混合物を調製した。この原料混合物を
熱風乾燥機で50℃、1時間乾燥した後、成型温度16
0℃、成型圧力120Kg/cm2、20分間プレス成
型し、最も薄いところで0.2mmの燃料電池セパレー
タを作製した。このセパレータについて、実施例21〜
30ではあらかじめ高圧水銀灯を光源として紫外線とオ
ゾン処理を行ない、実施例31〜40ではあらかじめア
ルゴンプラズマ処理を行なった。本実施例で作製したセ
パレータの諸特性を表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】なお、固有抵抗の測定には、JIS H0
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例41〜60
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100とした時の20
00時間経過時の電池電圧を割合で示した。表1および
2のセパレータと比較すると燃料電池の信頼性が向上し
ていることが分かる。
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例41〜60
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100とした時の20
00時間経過時の電池電圧を割合で示した。表1および
2のセパレータと比較すると燃料電池の信頼性が向上し
ていることが分かる。
【0056】《比較例1〜6》表4に示す重量比で炭素
材料、バインダーをミキサーを用いて混合し、全固形分
に対してエタノールを10重量%添加し、粒度分布が
0.01〜2.0mmの範囲にある顆粒状原料混合物を
調製した。この原料混合物を熱風乾燥機で50℃、1時
間乾燥した。成型温度160℃、成型圧力120Kg/
cm2、20分間プレス成型し、最も薄いところで0.
8mmの燃料電池セパレータを作製した。このセパレー
タについて、実施例3ではあらかじめ高圧水銀灯を光源
として紫外線とオゾン処理を行ない、実施例4ではあら
かじめプラズマ処理を行なった。また、このセパレータ
について、実施例5では作製したセパレータに高圧水銀
灯を光源として紫外線とオゾン処理を行ない、実施例6
ではプラズマ処理を行なった。本実施例で作製したセパ
レータの諸特性を表4に示した。
材料、バインダーをミキサーを用いて混合し、全固形分
に対してエタノールを10重量%添加し、粒度分布が
0.01〜2.0mmの範囲にある顆粒状原料混合物を
調製した。この原料混合物を熱風乾燥機で50℃、1時
間乾燥した。成型温度160℃、成型圧力120Kg/
cm2、20分間プレス成型し、最も薄いところで0.
8mmの燃料電池セパレータを作製した。このセパレー
タについて、実施例3ではあらかじめ高圧水銀灯を光源
として紫外線とオゾン処理を行ない、実施例4ではあら
かじめプラズマ処理を行なった。また、このセパレータ
について、実施例5では作製したセパレータに高圧水銀
灯を光源として紫外線とオゾン処理を行ない、実施例6
ではプラズマ処理を行なった。本実施例で作製したセパ
レータの諸特性を表4に示した。
【0057】なお、固有抵抗の測定には、JIS H0
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例41〜60
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100としたときの2
000時間経過時の電池電圧を割合で示した。作製した
セパレータに紫外線とオゾン処理やプラズマ処理したも
のは信頼性の向上に効果が見られるが、本実施例のもの
と比較するとセパレータ特性と燃料電池の信頼性に劣る
ことが分かる。
602、曲げ強度、曲げ弾性率についてはJIS K6
911に準拠して測定した。つぎに、実施例41〜60
で作製したセパレータを用いて、実施例1と同様にして
固体高分子電解質膜、ガス拡散電極、シール部材を組み
合わせて図1に示した構成の燃料電池を作製した。この
燃料電池の信頼性を評価した。評価は、燃料電池を20
00時間運転し、初期電池電圧を100としたときの2
000時間経過時の電池電圧を割合で示した。作製した
セパレータに紫外線とオゾン処理やプラズマ処理したも
のは信頼性の向上に効果が見られるが、本実施例のもの
と比較するとセパレータ特性と燃料電池の信頼性に劣る
ことが分かる。
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】以上のように、炭素材料とバインダーお
よび酸化亜鉛ウイスカで構成された複合材料からなる本
発明の燃料電池用セパレータによれば、作製が容易で、
かつ機械的強度に優れ、比抵抗が小さく、薄肉化が容易
で、しかも表面の濡れ性を改善し、電池特性と信頼性を
向上し得る燃料電池用セパレータを提供することができ
る。また、本発明において、炭素材料があらかじめ紫外
線照射、オゾン処理、およびプラズマ処理されたものが
バインダーとの接着性が改善されたセパレータを提供す
ることができる。複合材料の表面を紫外線照射、オゾン
処理、およびプラズマ処理されたものが水との濡れ性を
改善されたセパレータを提供することもできる。
よび酸化亜鉛ウイスカで構成された複合材料からなる本
発明の燃料電池用セパレータによれば、作製が容易で、
かつ機械的強度に優れ、比抵抗が小さく、薄肉化が容易
で、しかも表面の濡れ性を改善し、電池特性と信頼性を
向上し得る燃料電池用セパレータを提供することができ
る。また、本発明において、炭素材料があらかじめ紫外
線照射、オゾン処理、およびプラズマ処理されたものが
バインダーとの接着性が改善されたセパレータを提供す
ることができる。複合材料の表面を紫外線照射、オゾン
処理、およびプラズマ処理されたものが水との濡れ性を
改善されたセパレータを提供することもできる。
【0060】また、本発明の炭素材料が鱗片状天然黒鉛
粉、膨張黒鉛紛、炭素繊維および黒鉛繊維よりなる群か
ら選択される少なくとも1種であると、より比抵抗の小
さな燃料電池用セパレータを提供することができる。バ
インダーがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂お
よびメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも
1種であると、機械的強度に優れた燃料電池用セパレー
タを提供することができる。
粉、膨張黒鉛紛、炭素繊維および黒鉛繊維よりなる群か
ら選択される少なくとも1種であると、より比抵抗の小
さな燃料電池用セパレータを提供することができる。バ
インダーがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂お
よびメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも
1種であると、機械的強度に優れた燃料電池用セパレー
タを提供することができる。
【0061】酸化亜鉛ウイスカとして、繊維状で、長さ
が1〜200μm、アスペクト比が3〜70、かつ比抵
抗が10-1〜109Ω・cmとすることにより、機械的
強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパレータを提
供することができる。また、酸化亜鉛ウイスカは、核部
とこの核部から異なる4軸方向に伸びた繊維状結晶部か
らなるテトラポット状であってもよく、この場合は、機
械的強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパレータ
を提供することができる。さらに、本発明の製造方法に
よれば、作製が容易で、かつ機械的強度に優れ、比抵抗
が小さく、薄肉化が容易で、しかも表面の濡れ性を改善
し、電池特性と信頼性を向上し得る燃料電池用セパレー
タを実現できる。
が1〜200μm、アスペクト比が3〜70、かつ比抵
抗が10-1〜109Ω・cmとすることにより、機械的
強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパレータを提
供することができる。また、酸化亜鉛ウイスカは、核部
とこの核部から異なる4軸方向に伸びた繊維状結晶部か
らなるテトラポット状であってもよく、この場合は、機
械的強度に優れ、比抵抗の小さな燃料電池用セパレータ
を提供することができる。さらに、本発明の製造方法に
よれば、作製が容易で、かつ機械的強度に優れ、比抵抗
が小さく、薄肉化が容易で、しかも表面の濡れ性を改善
し、電池特性と信頼性を向上し得る燃料電池用セパレー
タを実現できる。
【図1】燃料電池の構成を示す概略断面図
11 高分子電解質膜 12 アノード極触媒層 13 カソード極触媒層 14 セパレータ 15 ガス流路溝 16 冷却水流路溝 17 ガス拡散層 18 ガスケット
Claims (10)
- 【請求項1】 炭素材料、バインダーおよび酸化亜鉛ウ
イスカを含む複合材料からなることを特徴とする燃料電
池用セパレータ。 - 【請求項2】 前記炭素材料または前記複合材料が、紫
外線照射、オゾン処理もしくはプラズマ処理された炭素
材料または複合材料であることを特徴とする請求項1記
載の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項3】 前記酸化亜鉛ウイスカが繊維状であり、
1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、およ
び10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有することを特徴
とする請求項1または2記載の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項4】 前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの核部
から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテトラ
ポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μmの長
さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜109Ω
・cmの比抵抗を有することを特徴とする請求項3記載
の燃料電池用セパレータ。 - 【請求項5】 (a)炭素材料、バインダーおよび酸化
亜鉛ウイスカを混合して混合物を得る工程、および
(b)前記混合物を成型してセパレータを得る工程を含
むことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項6】 工程(b)において前記混合物を成型し
た後、(c−1)得られる成型物の表面に、紫外線照
射、オゾン処理またはプラズマ処理を施す工程、および
(c−2)得られる成型物を不活性雰囲気中で焼成する
工程の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5
記載の燃料電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項7】 前記炭素材料として、紫外線照射、オゾ
ン処理またはプラズマ処理された炭素材料を用いること
を特徴とする請求項5または6記載の燃料電池用セパレ
ータの製造方法。 - 【請求項8】 前記酸化亜鉛ウイスカが繊維状であり、
1〜200μmの長さ、3〜70のアスペクト比、およ
び10-1〜109Ω・cmの比抵抗を有することを特徴
とする請求項5〜8のいずれかに記載の燃料電池用セパ
レータの製造方法。 - 【請求項9】 前記酸化亜鉛ウイスカが核部とこの核部
から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部からなるテトラ
ポット形状を有し、前記繊維状部が1〜200μmの長
さ、3〜70のアスペクト比、および10-1〜109Ω
・cmの比抵抗を有することを特徴とする請求項5〜8
のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法。 - 【請求項10】 請求項1記載の燃料電池用セパレータ
を用いた燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001069373A JP2002270195A (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | 燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001069373A JP2002270195A (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | 燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002270195A true JP2002270195A (ja) | 2002-09-20 |
Family
ID=18927413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001069373A Pending JP2002270195A (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | 燃料電池用セパレータ、その製造方法及びそれを用いた燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002270195A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005117180A1 (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 高分子電解質形燃料電池用セパレータ、高分子電解質形燃料電池、高分子電解質形燃料電池用セパレータの評価方法、及び、高分子電解質形燃料電池用セパレータの製造方法 |
-
2001
- 2001-03-12 JP JP2001069373A patent/JP2002270195A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005117180A1 (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 高分子電解質形燃料電池用セパレータ、高分子電解質形燃料電池、高分子電解質形燃料電池用セパレータの評価方法、及び、高分子電解質形燃料電池用セパレータの製造方法 |
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