JP2002268748A - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

形状記憶合金アクチュエータ

Info

Publication number
JP2002268748A
JP2002268748A JP2001070032A JP2001070032A JP2002268748A JP 2002268748 A JP2002268748 A JP 2002268748A JP 2001070032 A JP2001070032 A JP 2001070032A JP 2001070032 A JP2001070032 A JP 2001070032A JP 2002268748 A JP2002268748 A JP 2002268748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shape memory
intermediate member
memory alloy
end member
stable position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001070032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4067282B2 (ja
Inventor
Masaru Honma
大 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toki Corp
Original Assignee
Toki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toki Corp filed Critical Toki Corp
Priority to JP2001070032A priority Critical patent/JP4067282B2/ja
Priority to PCT/JP2002/001706 priority patent/WO2002073033A1/ja
Publication of JP2002268748A publication Critical patent/JP2002268748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4067282B2 publication Critical patent/JP4067282B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03GSPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS; MECHANICAL-POWER PRODUCING DEVICES OR MECHANISMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR OR USING ENERGY SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03G7/00Mechanical-power-producing mechanisms, not otherwise provided for or using energy sources not otherwise provided for
    • F03G7/06Mechanical-power-producing mechanisms, not otherwise provided for or using energy sources not otherwise provided for using expansion or contraction of bodies due to heating, cooling, moistening, drying or the like
    • F03G7/065Mechanical-power-producing mechanisms, not otherwise provided for or using energy sources not otherwise provided for using expansion or contraction of bodies due to heating, cooling, moistening, drying or the like using a shape memory element

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部から力が操作端に作用しても、その外力
が操作端を通じて形状記憶合金に直接作用することがな
く、動作速度の速い形状記憶合金アクチュエータを提供
する。 【解決手段】 形状回復力を発生したとき、中間部材3
をそれぞれ第一、第二の中間部材安定位置に向かって動
かすように、中間部材3に第一、第二の形状記憶合金1
4a,14bを連係する。操作端部材7の所定箇所と中
間部材3の所定箇所とを互いに近づくようにまたは遠ざ
けるように付勢する反転用付勢手段12を設け、この反
転付勢手段12が、中間部材3が中立位置より第一の中
間部材安定位置側にあるか第二の中間部材安定位置側に
あるかにより、操作端部材7を第一の操作端部材安定位
置側または第二の操作端部材安定位置側のいずれか逆方
向に付勢するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金を駆
動源とする形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の形状記憶合金アクチュエータは、
一般に、外部から力が操作端に作用したとき、その外力
が操作端を通じて形状記憶合金に直接作用する構成とな
っていた。
【0003】また、従来の形状記憶合金アクチュエータ
は、多くの場合、操作端を一つの方向に移動させる際
は、操作端を形状記憶合金の形状回復力により駆動する
一方、操作端を反対方向に移動させる際は、バイアスば
ねの復元力により操作端を駆動するようになっていた
が、操作端の前記一つの方向の移動に関してのみ見る
と、形状記憶合金の形状回復力だけで操作端を駆動して
いた。
【0004】また、従来は、操作端が2つの安定位置を
持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータは存在しな
かった。また、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操
作端の位置が瞬間的に反転する単安定型の形状記憶合金
アクチュエータも存在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】大きな予変形を与えら
れた形状記憶合金の加熱時の形状回復力は非常に大き
く、それ自身の材料強度を上回る。例えば1%以上の変
形を与え、ひずみを拘束した状態の形状記憶合金の形状
回復力は、疲労強度や弾性限界を上回ることもある。し
かるに、従来の形状記憶合金アクチュエータでは、一般
に、前述のように外部から力が操作端に作用したとき、
その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接作用する
構成となっていたので、操作端が作動中に拘束された
り、不意に予定外の強い外力が操作端に作用されたりす
ると、過剰な応力が形状記憶合金に加わり、性能が低下
したり、破壊されてしまう大きな原因となっていた。
【0006】また、操作端を互いに反対方向に駆動する
2つの形状記憶合金を備えた差動型といわれる形状記憶
合金アクチュエータでは、冷却を十分に行わないと2つ
の形状記憶合金が互いの強い形状回復力で引き合う状態
になり、形状記憶合金に致命的なダメージを与えること
があった。
【0007】また、従来の形状記憶合金アクチュエータ
では、前述のように少なくとも操作端の一方向の運動
は、形状記憶合金の形状回復力のみで行われるようにな
っていたので、動作速度が遅いとともに、高価な形状記
憶合金を比較的大量に要し、コストが高くなり、かつ使
用エネルギー量も多くなるという問題もあった。
【0008】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の1つの目的は、外部から力が
操作端に作用しても、その外力が操作端を通じて形状記
憶合金に直接作用することのない形状記憶合金アクチュ
エータを提供することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、動作速度の速い形状
記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、操作端が2つの安定
位置を持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータを提
供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、操作端が1つの安定
位置を持ち、かつ操作端の位置が瞬間的に反転する単安
定型の形状記憶合金アクチュエータを提供することを目
的とする。
【0012】本発明の他の目的は、差動型形状記憶合金
アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が同時に
形状回復力を発生している状態になっても、形状記憶合
金が劣化したり、破壊されることのない形状記憶合金ア
クチュエータを提供することを目的とする。
【0013】本発明の他の目的は、以下の説明から明ら
かになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】第一の本発明による形状
記憶合金アクチュエータは、操作端が2つの安定位置を
有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置
との間を移動可能な操作端部材と、第一の中間部材安定
位置と第二の中間部材安定位置との間を移動可能な中間
部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前
記第一の中間部材安定位置に向かって動かすように前記
中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復
力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材
安定位置に向かって動かすように前記中間部材に連係さ
れた第二の形状記憶合金と、前記操作端部材の所定箇所
と前記中間部材の所定箇所とを互いに近づくようにまた
は遠ざけるように付勢する反転用付勢手段とを有してな
り、前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置に
あるときは、前記中間部材が所定の中立位置より前記第
一の中間部材安定位置側にある間は、前記操作端部材は
前記反転用付勢手段により前記第一の操作端部材安定位
置に向かって付勢されているが、前記中間部材が前記中
立位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に移動す
ると、前記操作端部材は前記反転用付勢手段により逆に
前記第二の操作端部材安定位置に向かって付勢されるよ
うになる一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材
安定位置にあるときは、前記中間部材が所定の中立位置
より前記第二の中間部材安定位置側にある間は、前記操
作端部材は前記反転用付勢手段により前記第二の操作端
部材安定位置に向かって付勢されているが、前記中間部
材が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置
側に移動すると、前記操作端部材は前記反転用付勢手段
により逆に前記第一の操作端部材安定位置に向かって付
勢されるようになるように構成されているものである。
【0015】この第一の本発明の双安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材が第二の操作端
部材安定位置、中間部材が第二の中間部材安定位置にあ
るとき、第一の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱さ
れると、第一の形状記憶合金の形状回復力によって中間
部材が第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定
位置に向かって移動される。しかし、中間部材が中立位
置に達するまでは、反転付勢手段が操作端部材を第二の
操作端部材安定位置に向かって付勢しているので、操作
端部材は第二の操作端部材安定位置に停止したままにな
っている。
【0016】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て第一の中間部材安定位置側に移動されると、反転付勢
手段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、
操作端部材が急に第一の操作端部材安定位置に向かって
動き出し、第一の操作端部材安定位置に達すると、その
位置に停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段
の付勢力により第一の中間部材安定位置に停止する。
【0017】また、操作端部材が第一の操作端部材安定
位置、中間部材が第一の中間部材安定位置にあるとき、
第二の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、
第二の形状記憶合金の形状回復力によって中間部材が第
一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向
かって移動される。しかし、中間部材が中立位置に達す
るまでは、反転付勢手段が操作端部材を第一の操作端部
材安定位置に向かって付勢しているので、操作端部材は
第一の操作端部材安定位置に停止したままになってい
る。
【0018】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て第二の中間部材安定位置側に移動されると、反転付勢
手段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、
操作端部材が急に第二の操作端部材安定位置に向かって
動き出し、第二の操作端部材安定位置に達すると、その
位置に停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段
の付勢力により第二の安定位置に停止する。
【0019】この第一の本発明の双安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材に第一および第
二の2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記
憶合金に加熱することにより、その安定位置を反転でき
る。
【0020】第二の本発明による形状記憶合金アクチュ
エータは、操作端が1つの安定位置を有する単安定型形
状記憶合金アクチュエータであって、操作端部材安定位
置と操作端部材一時反転位置との間を移動可能な操作端
部材と、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との
間を移動可能な中間部材と、形状回復力を発生したと
き、前記中間部材を前記一時反転位置に向かって動かす
ように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記
中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する中
間部材復帰付勢手段と、前記操作端部材の所定箇所と前
記中間部材の所定箇所とを互いに近づくようにまたは遠
ざけるように付勢する反転用付勢手段とを有してなり、
前記操作端部材が前記操作端部材安定位置にあるとき、
前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位
置側にある間は、前記操作端部材は前記反転用付勢手段
により前記操作端部材安定位置に向かって付勢されてい
るが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部
材一時反転位置側に移動すると、前記操作端部材は前記
反転用付勢手段により逆に前記操作端部材一時反転位置
に向かって付勢されるようになる一方、前記操作端部材
が前記操作端部材一時反転位置にあるとき、前記中間部
材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側に
ある間は、前記操作端部材は前記反転用付勢手段により
前記操作端部材一時反転位置に向かって付勢されている
が、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材
安定位置側に移動すると、前記操作端部材は前記反転用
付勢手段により逆に前記操作端部材安定位置に向かって
付勢されるようになるように構成されているものであ
る。
【0021】この第二の本発明の単安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材が操作端部材安
定位置、中間部材が中間部材安定位置にあるとき、形状
記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、形状記憶合
金の形状回復力によって中間部材が中間部材安定位置か
ら中間部材一時反転位置に向かって移動される。しか
し、中間部材が中立位置に達するまでは、反転付勢手段
が操作端部材を操作端部材安定位置に向かって付勢して
いるので、操作端部材は操作端部材安定位置に停止した
ままになっている。
【0022】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て中間部材一時反転位置側に移動されると、反転付勢手
段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、操
作端部材が急に操作端部材一時反転位置に向かって動き
出し、操作端部材一時反転位置に達すると、その位置に
停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段の付勢
力により中間部材一時反転位置に停止する。
【0023】また、操作端部材が一時反転位置、中間部
材が中間部材一時反転位置にそれぞれ達した後、形状記
憶合金に対する加熱が停止され、形状記憶合金が冷却す
ると、中間部材復帰付勢手段により中間部材が反転付勢
手段に抗して中間部材安定位置へ向かって移動されて行
き、この中間部材が中立位置を越えて中間部材安定位置
側に移動されると、反転付勢手段が操作端部材を逆に操
作端部材安定位置に向かって付勢するようになるので、
操作端部材が反転付勢手段の力により急に動き出し、操
作端部材安定位置に復帰する。なお、中間部材も、中間
部材復帰付勢手段および反転付勢手段の力により中間部
材安定位置に復帰する。
【0024】このようにして、第二の本発明の単安定型
形状記憶合金アクチュエータでは、形状記憶合金を加熱
することにより、中間部材が中立位置を越えると、安定
位置にある操作端部材が急に一時反転位置へ反転し、か
つ形状記憶合金が冷却すると、操作端部材が元の安定位
置へ戻る。
【0025】また、前記第一および第二の本発明の単安
定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、外部から
操作端部材に力が作用しても、その外力が操作端部材を
通じて形状記憶合金に直接作用することがない。したが
って、外部から操作端部材に作用する力により過大な応
力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊さ
れてしまうことがないので、耐久性を向上することがで
きる。
【0026】また、操作端部材の動作は直接的には反転
付勢手段の力によってなされるので、動作速度を速くす
ることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減らし、コ
ストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減し、
ひいては省資源を図ることができる。
【0027】なお、本発明における形状記憶合金として
は、一般的な形状記憶合金も使用することができるが、
特に大きな二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を
使用すると、一層優れた効果を得ることができる。
【0028】ここで、二方向性形状記憶効果とは、低温
で形状回復と反対方向の変形を与える際に力が不要であ
るか、または極めて少なくてよい現象である。見た目に
は、形状記憶合金が低温時に変形した形状と高温時に形
状回復した形状との2つの形状を覚えているような挙動
を示す。従来の二方向性形状記憶合金においては、引張
ひずみで最大1%前後の小さくて不安定な二方向性形状
記憶効果しか得られなかったが、本発明者が前に特願2
000−204927号において提案した方法によれ
ば、巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を
得ることができる。例えば、ワイヤ状で、引張方向に記
憶形状を持つ形状記憶合金とした場合は、加熱すると記
憶している長さに収縮して硬くなる一方、冷却時には、
負荷の無い状態でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔
らかくなり、自分で伸びて低温時の元の長さと形に戻
る。したがって、加熱と冷却だけで、外部からバイアス
力を作用させることなく、伸び縮みする。
【0029】このような形状記憶合金を、例えば、第一
の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータに使用
した場合は、形状回復力を発生して収縮した形状記憶合
金によって中間部材が動かされるとき、収縮をしていな
い方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなくゆるむ
方向に動き、操作部端部材の運動を容易にする。この結
果、応答性などの性能や寿命が大幅に向上し、僅かな形
状記憶合金で動く、双安定式の差動型アクチュエータを
実用化できる。
【0030】なお、完全な、2方向性を示せないまで
も、形状回復可能なひずみ領域内で低温での変形に力が
ほとんど必要ない形状記憶合金でも、同様の効果を得る
ことができる(このような形状記憶合金も実質的に二方
向性形状記憶合金として考えてよい)、このような形状
記憶合金もやはり本発明者が前に提案した特願2000
−204927号に開示された方法により得ることがで
きる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0032】
【実施例】図1〜12は本発明による形状記憶合金アク
チュエータの第一実施例を示しており、双安定型アクチ
ュエータを構成した例である。これらの図のうち図1は
後で詳しく説明するように操作端部材7および中間部材
3がそれぞれの第二の安定位置にある状態を示してい
る。図2は、図3(図2のIII−III線における断
面図)と対応して参照することにより、装置の構成が容
易に理解されるようにするために、通常の使用状態では
あり得ない状態であるが、操作端部材7および中間部材
3を強制的に中立位置に位置に固定した状態を示してい
る。
【0033】アクチュエータ本体1には中間部材回動軸
2が立設されており、この中間部材回動軸2には直線形
のレバー状の中間部材3の一端部が該中間部材回動軸2
を中心として回動可能に支持されている。前記アクチュ
エータ本体1にはピン状の中間部材ストッパ4および5
が互いに間隔を置いて固定されており、中間部材3はそ
の回動範囲を図8のように中間部材ストッパ4に当接す
る第一の中間部材安定位置と、図1および4のように中
間部材ストッパ5に当接する第二の中間部材安定位置と
の間に制限されている。前記アクチュエータ本体1には
操作端部材回動軸6が立設されており、この操作端部材
回動軸6には直線形のレバー状の操作端部材7の一端部
が該操作端部材回動軸6を中心として回動可能に支持さ
れている。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作
端部材ストッパ8および9が互いに間隔を置いて固定さ
れており、操作端部材7はその回動範囲を図8のように
ストッパ8に当接する第一の操作端部材安定位置と、図
1および4のように操作端部材ストッパ9に当接する第
二の操作端部材安定位置との間に制限されている。
【0034】ここで、前記中間部材回動軸2と操作端部
材回動軸6とを結ぶ直線E(図1参照)に関して、中間
部材ストッパ4と5および操作端部材ストッパ8と9は
対称的に配置されており、これに伴い直線Eに関して前
記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位
置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定
位置とはそれぞれ対称的な位置となっている。ただし、
本発明においては必ずしもこのような対称的な配置とす
る必要はない。
【0035】前記中間部材3の他端部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。なお、前記中間部材
回動軸2を中心にしたピン10(中間部材3に対する反
転付勢手段12の力の作用点)の回転軌跡が操作端部材
回動軸6上を通過するように各部が配置されている。図
6および10は、ピン10が操作端部材回動軸6上に位
置した状態を示している。
【0036】前記中間部材3には、中間部材回動軸2と
同軸に横断面円形の巻き掛け部13が一体的に設けられ
ている。この巻き掛け部13の外周の1箇所には、1本
のワイヤ状の形状記憶合金14の中間部が固定されてお
り(15は巻き掛け部13に対する形状記憶合金14の
固定部を示している)、この形状記憶合金14の両端部
はそれぞれピン16,17を介してアクチュエータ本体
1に固定されている。これにより、形状記憶合金14の
前記固定部15付近は巻き掛け部13に巻き掛けられた
状態となっている。この形状記憶合金14は物理的には
1本のワイヤ状をなしているが、本実施例では、この形
状記憶合金14の固定部15とピン16との間の部分が
第一の形状記憶合金14aを構成する一方、前記固定部
15とピン17との間の部分が第二の形状記憶合金14
bを構成している。勿論、第一の形状記憶合金14aに
相当する部分および第二の形状記憶合金14bに相当す
る部分を分離した2本のワイヤ状の形状記憶合金により
それぞれ構成し、各形状記憶合金の端部を巻き掛け部1
3の外周に固定してもよい。
【0037】前記形状記憶合金14は、巨大な二方向性
形状記憶効果を持つ形状記憶合金とされており、直線引
張方向に記憶形状を持ち、加熱すると記憶している長さ
に収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態
でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自
分で伸びて低温時の元の長さと形に戻る。したがって、
加熱と冷却だけで、外部からバイアス力を作用させるこ
となく、伸び縮みする。このような形状記憶合金は、例
えば、本発明者が前に提案した特願2000−2049
27号に開示された方法により得ることができる。な
お、完全な、2方向性を示せないまでも、形状回復可能
なひずみ領域内で低温での変形に力がほとんど必要ない
形状記憶合金であってもよく、このような形状記憶合金
もやはり本発明者が前に提案した特願2000−204
927号に開示された方法により得ることができる。
【0038】前記ピン16と固定部15との間および、
ピン17と固定部15との間は、スイッチ手段(図示せ
ず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続お
よび切断できるようになっている。
【0039】次に、本実施例の作動を図4〜11の動作
説明図を用いて説明する(これらの図においては、図面
を分かりやすくするために、アクチュエータ本体1およ
び形状記憶合金14等は図示を省略している)。図4
は、図1と同じ状態を示しており、操作端部材7および
中間部材3がそれぞれ反転付勢手段12の力により操作
端部材ストッパ9,中間部材ストッパ5に当接され、そ
れぞれ第二の操作端部材安定位置、第二の中間部材安定
位置にある状態を示している。
【0040】この図4の状態において、前記スイッチ手
段によりピン16と固定部15との間を電源に接続し、
第一の形状記憶合金14aに通電すると、ジュール熱に
より第一の形状記憶合金14aが所定温度範囲まで加熱
され、形状記憶効果により反転付勢手段12に抗して該
形状記憶合金14aが記憶している長さに戻ろうとする
形状回復力を発生して収縮するので、巻き掛け部13ひ
いては中間部材3が図5および6の矢印Aのように時計
方向(本実施例の動作説明において時計方向または反時
計方向と言うとき、それは図3以外の図における向きと
する)に回動して行く。しかしながら、中間部材3がそ
の中立位置(図6のように中間部材3が中間部材回動軸
2と操作端部材回動軸6とを結ぶ直線Eと重なる位置
で、この位置においてピン10とピン11とを結ぶ直線
(反転付勢手段12の力の作用線)が操作端部材回動軸
6とピン11(操作端部材7に対する反転付勢手段12
の力の作用点)とを結ぶ直線と一直線上に重なる)に達
するまでは、反転付勢手段12が操作端部材7を時計方
向に付勢しているので、操作端部材7は反転付勢手段1
2によって操作端部材ストッパ9に当接されて、第二の
安定位置に停止したままになっている。
【0041】しかしながら、中間部材3が図6の中立位
置を時計方向に越えると、それまで操作端部材7を時計
方向に付勢していた反転付勢手段12が操作端部材7を
逆に反時計方向に付勢するようになるので、操作端部材
7が急に動き出し、図7および8の矢印Bのように急速
に反時計方向に回動されて行き、図8のように操作端部
材ストッパ8に当接されると、その位置、すなわち第一
の安定位置で停止する。他方、中間部材3に関してみる
と、操作端部材7の回動によって図7のようにピン10
とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用
線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越え
ると、それまで反転付勢手段12によって反時計方向に
付勢されていた中間部材3が逆に時計方向に付勢される
ようになるので、中間部材3は反転付勢手段12の力
(および第一の形状記憶合金14a)によって図8のよ
うに中間部材ストッパ4に当接されるまで時計方向(矢
印A方向)に回動されて行き、中間部材ストッパ4に当
接される位置、すなわち第一の安定位置に停止する。
【0042】また、図8のように中間部材3および操作
端部材7がそれぞれの第一の安定位置にあるときに、前
記スイッチ手段によりピン17と固定部15との間を電
源に接続し、第二の形状記憶合金14bに通電すると、
第二の形状記憶合金14bが所定温度範囲まで加熱さ
れ、形状記憶効果により反転付勢手段12に抗して該形
状記憶合金14bが記憶している長さに戻ろうとして短
くなるので、巻き掛け部13ひいては中間部材3が図9
および10の矢印Cのように反時計方向に回動して行
く。しかしながら、中間部材3がその中立位置に達する
までは、反転付勢手段12が操作端部材7を反時計方向
に付勢しているので、操作端部材7は反転付勢手段12
によって操作端部材ストッパ8に当接されて、第一の安
定位置に停止したままになっている。
【0043】しかしながら、図10のように中間部材3
が中立位置まで回転され、さらにその位置を反時計方向
に越えると、それまで操作端部材7を反時計方向に付勢
していた反転付勢手段12が、操作端部材7を逆に時計
方向に付勢するようになるので、操作端部材7が反転付
勢手段12の力により急に動き出し、図11の矢印Dの
ように急速に反時計方向に回動されて行き、図6のよう
に操作端部材9に当接されると、その位置、すなわち第
二の安定位置で停止する。他方、中間部材3に関してみ
ると、操作端部材7の回動によって図11のようにピン
10とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の
作用線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に
対する反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を
越えると、それまで反転付勢手段12によって時計方向
に付勢されていた中間部材3が逆に反時計方向に付勢さ
れるようになるので、中間部材3は反転付勢手段12の
力(および第二の形状記憶合金14b)によって中間部
材ストッパ5に当接されるまで反時計方向に回動されて
行き、中間部材ストッパ5に当接される位置、すなわち
第二の安定位置に停止する。
【0044】このようにして、この双安定型形状記憶合
金アクチュエータでは、操作端部材7に2つの安定位置
を持たせ、第一または第二の形状記憶合金14a,14
bに加熱することにより、その安定位置を反転できる。
なお、本発明においては本実施例のように、中間部材回
動軸2を中心にしたピン10(中間部材3に対する反転
付勢手段12の力の作用点)の回転軌跡が操作端部材回
動軸6かその極近傍を通過するようにすることが好まし
く、そのようにすることにより、中立位置近傍の中間部
材3の極僅かな角度変化(位置変化)で操作端部材7を
第一または第二の操作端部材安定位置に瞬時に反転でき
る。
【0045】また、この形状記憶合金アクチュエータ
は、外部から操作端部材7に力が作用しても、その外力
が操作端部材7を通じて第一および第二の形状記憶合金
14a,14bに直接作用することがない。したがっ
て、外部から操作端部材7に作用する力により過大な応
力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊さ
れてしまうことがないので、耐久性を向上することがで
きる。
【0046】また、操作端部材7の動作は直接的には反
転付勢手段12の力によってなされるので、動作速度を
速くすることができ、かつ形状記憶合金14a,14b
の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エ
ネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができ
る。
【0047】なお、前記実施例においては、中間部材3
に対する反転付勢手段12の力の作用点の回転軌跡が操
作端部材回動軸6上を通過するようにされているので、
中間部材3が第一の中間部材安定位置から第二の中間部
材安定位置に移動する際の中立位置と、第二の中間部材
安定位置から第一の中間部材安定位置に移動する際の中
立位置とが同一位置となっているが、中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点の回転軌跡が操作端部
材回動軸6上を通過しない場合は、中間部材3が第一の
中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に移動す
る際の中立位置と、第二の中間部材安定位置から第一の
中間部材安定位置に移動する際の中立位置とが異なって
くることがある。
【0048】また、本実施例では、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bとして、形状回復可能なひず
み領域内で低温での変形に力が必要ないか、またはほと
んど必要ない形状記憶合金を用いているので、収縮をし
ていない方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなく
たるむ方向に動き、操作部端部材の運動を容易にする。
この結果、応答性などの性能や寿命が大幅に向上し、僅
かな形状記憶合金で動く、双安定式の差動型アクチュエ
ータを実用化できる(ただし、本発明においては、形状
記憶合金として、通常の形状記憶合金を用いることもで
きる)。
【0049】また、前記第一の実施例においては、操作
端部材7が外部からの力により、操作端部材7が一方の
安定位置から他方の安定位置に回動された場合には、中
間部材3も反転されてしまうので、前記外部の力がなく
なっても、操作端部材7および中間部材3は元の安定位
置に戻ることはない。図12は、この現象を例示したも
のであり、外部からの力により操作端部材7が実線で示
す第一の操作端部材安定位置から一点鎖線で示す第二の
操作端部材安定位置へ回動されると、ピン10とピン1
1とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用線)が中
間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対する反転付
勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越えた時点で
中間部材3に対する反転付勢手段12の付勢力の向きが
反転するため、中間部材3が実線で示す第一の中間部材
安定位置から一点鎖線で示す第二の中間部材安定位置に
反転されてしまう。したがって、前記外部の力がなくな
っても、操作端部材7および中間部材3は元の第一の操
作端部材安定位置および第一の中間部材安定位置に戻る
ことはない。勿論、逆に、外部からの力により操作端部
材7が第二の操作端部材安定位置から第一の操作端部材
安定位置へ回動されたときも、同様にして中間部材3が
第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定位置に
反転されてしまい、前記外部の力がなくなっても、操作
端部材7および中間部材3は元の第二の操作端部材安定
位置および第二の中間部材安定位置に戻ることはない。
【0050】図13は、このような現象を防止すること
ができる本発明による形状記憶合金アクチュエータの第
二実施例を示している。この実施例においては、外部か
らの力により、操作端部材7が一方の安定位置から他方
の安定位置に回動されても、ピン10とピン11とを結
ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用線)が中間部材回
動軸2とピン10(中間部材3に対する反転付勢手段1
2の力の作用点)とを結ぶ直線を越えないようにアクチ
ュエータが構成されている。他の構成は前記第一実施例
と同様である。
【0051】このような構成とすることにより、操作端
部材7が一方の安定位置から他方の安定位置に回動され
ても、中間部材3は反転されないので、前記外部の力が
なくなると、操作端部材7は元の安定位置に戻るように
することができる(図13に例示されている場合につい
て言えば、外部からの力により操作端部材7が実線で示
す第一の操作端部材安定位置から一点鎖線で示す第二の
操作端部材安定位置へ回動されても、中間部材3は実線
で示す第一の安定位置に止まっており、したがって前記
外部の力がなくなると、操作端部材7は元の第一の操作
端部材安定位置に戻る)。
【0052】図14〜16は本発明による形状記憶合金
アクチュエータの第三実施例を示している。本実施例に
おいては、中間部材回動軸2と操作端部材回動軸6とを
同軸としている。他の構成は前記第一実施例と同様であ
る。
【0053】本実施例においても前記第一実施例と同様
の作用効果を得ることができる。ただし、ピン10(中
間部材3に対する反転付勢手段12の力の作用点)と操
作端部材回動軸6との距離が大きくなるため、操作端部
材7の安定位置の反転を行うのに中間部材3の大きな角
度変化が必要となる。
【0054】図17〜20は本発明の第四実施例を示し
ている。前記各実施例においては中間部材3が回動する
形式とされていたが、本実施例においては中間部材3が
スライド運動(直線移動)を行う形式とされている。こ
れを詳しく説明すると、アクチュエータ本体1にはピン
状の中間部材ストッパ18,19,20,21が立設さ
れており、中間部材ストッパ18と19との間および2
0と21との間に挟まれることにより、中間部材3が直
線方向に移動可能な状態でアクチュエータ本体1に支持
されている。そして、前記中間部材3はその移動範囲を
図20のように中間部材ストッパ20,21に当接する
第一の中間部材安定位置と、図17のように中間部材ス
トッパ18,19に当接する第二の中間部材安定位置と
の間に制限されている。前記アクチュエータ本体1には
操作端部材回動軸6が立設されており、この操作端部材
回動軸6には直線形のレバー状の操作端部材7の一端部
が該操作端部材回動軸6を中心として回動可能に支持さ
れている。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作
端部材ストッパ8および9が互いに間隔を置いて固定さ
れており、操作端部材7はその回動範囲を図20のよう
に操作端部材ストッパ8に当接する第一の操作端部材安
定位置と、図17のように操作端部材ストッパ9に当接
する第二の操作端部材安定位置との間に制限されてい
る。ここで、前記中間部材3の移動方向に対し垂直で操
作端部材回動軸6を通る直線Fに関して、中間部材スト
ッパ18,19と20,21および操作端部材ストッパ
8と9が対称的に配置されているので、前記直線Fに関
して前記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材
安定位置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部
材安定位置とがそれぞれ対称的な位置となっている。た
だし、この場合も、必ずしも対称的な配置としなくても
よい。
【0055】前記中間部材3の中央部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。前記中間部材3の移
動可能範囲の両側には、ピン22,23が立設されてお
り、ピン22と中間部材3との間には第一の形状記憶合
金14a、ピン23と中間部材3との間には第二の形状
記憶合金14bがそれぞれ渡されている。第一および第
二の形状記憶合金14a,14bは前記各実施例の場合
と同様にそれぞれ巨大な二方向性形状記憶効果を持つワ
イヤ状の形状記憶合金とされており、直線の引張方向に
記憶形状を持っており、加熱すると記憶している長さに
収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態で
も、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自分
で伸びて低温時の元の長さと形に戻る。
【0056】前記ピン22と中間部材3との間および、
ピン23と中間部材3との間は、スイッチ手段(図示せ
ず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続お
よび切断できるようになっている。
【0057】次に、本実施例の作動を説明する。図17
は、操作端部材7および中間部材3がそれぞれ反転付勢
手段12の力により操作端部材ストッパ9、中間部材ス
トッパ18,19に当接され、それぞれ第二の操作端部
材安定位置、第二の中間部材安定位置にある状態を示し
ている。この状態において、前記スイッチ手段によりピ
ン22と中間部材3との間を電源に接続し、第一の形状
記憶合金14aに通電すると、第一の形状記憶合金14
aが所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により反
転付勢手段12に抗して該形状記憶合金14aが記憶し
ている長さに戻ろうとして収縮するので、中間部材3が
図19のように図上左方向に直線的に移動して行く。し
かしながら、中間部材3がその中立位置(図19のよう
に直線Fにピン10が重なる位置で、この位置において
ピン10と11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の
作用線)が操作端部材回動軸6とピン11(操作端部材
7に対する反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直
線と一直線上に重なることとなる)に達するまでは、反
転付勢手段12が操作端部材7を時計方向に付勢してい
るので、操作端部材7は反転付勢手段12によって操作
端部材ストッパ9に当接されて、第二の操作端部材安定
位置に停止したままになっている。
【0058】しかしながら、図19のように中間部材3
が中立位置を左方に越えると、それまで操作端部材7を
時計方向に付勢していた反転付勢手段12が、逆に操作
端部材7を反時計方向に付勢するようになるので、操作
端部材7が反転付勢手段12の力により急に反時計方向
に動き出し、図20のように操作端部材ストッパ8に当
接されると、その位置、すなわち第一の操作端部材安定
位置で停止する。他方、中間部材3に関してみると、操
作端部材7の移動によってピン10とピン11とを結ぶ
直線(反転付勢手段12の力の作用線)が中間部材3の
移動方向に対し垂直な方向より反時計方向に傾くと、そ
れまで反転付勢手段12によって右方に付勢されていた
中間部材3が逆に左方に付勢されるようになるので、中
間部材3は反転付勢手段12の力(および第一の形状記
憶合金14a)によって中間部材ストッパ20,21に
当接されるまで左方に移動されて行き、中間部材ストッ
パ20,21に当接される位置、すなわち第一の中間部
材安定位置に停止する。
【0059】また、操作端部材7の第一の操作端部材安
定位置から第二の操作端部材安定位置への反転も全く同
様にして行われる。
【0060】図21〜24は本発明の第五実施例を示し
ている。前記各実施例においては、一方の形状記憶合金
が冷却しきらないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
ると、両方の形状記憶合金14a,14bが同時に形状
回復力を発生している状態になり、形状記憶合金が劣化
したり、破壊される虞があるが、本実施例はこのような
不都合を防止するものである。
【0061】本実施例においては、中間部材ストッパ
4,5はアクチュエータ本体1に凸部として形成されて
おり、これらの中間部材ストッパ4,5に中間部材3が
当接される位置がそれぞれ第一および第二の中間部材安
定位置とされている。また、アクチュエータ本体1の肩
部が操作端部材ストッパ8,9を構成しており、これら
のストッパ8,9に操作端部材7に設けられた支柱部2
5が当接される位置がそれぞれ第一および第二の操作端
部材安定位置とされている。このようにアクチュエータ
本体1、中間部材ストッパ4,5および操作端部材スト
ッパ8,9の形状等は変更されているが、基本的な構成
は前記第一実施例と同様とされている(対応する部品は
同一符号で示している)。前記第一実施例との主な相違
は、次に説明するように形状記憶合金14a,14bに
過大な負荷荷重が作用するのを防止する手段が設けられ
ていることである。
【0062】アクチュエータ本体1には、中間部材回動
軸2の下方において、スライド凹部26が設けられてお
り、このスライド凹部26にはスイッチ作動部材27が
図上上下方向に移動可能に嵌合されている。このスイッ
チ作動部材27はスライド凹部26の上端とアクチュエ
ータ本体1に固定されたストッパ28,29とにより、
その移動範囲を制限されている。前記スイッチ作動部材
27にはスイッチ操作片30が設けられている。第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bの一端部はスイ
ッチ作動部材27に立設されたピン16,17を介して
それぞれスイッチ作動部材27に固定されている。前記
スイッチ作動部材27に立設されたピン60とアクチュ
エータ本体1に立設されたピン31との間には圧縮コイ
ルばねからなる過負荷防止用ばね32が介装されてお
り、この過負荷防止用ばね32はスイッチ作動部材27
を下方、すなわち巻き掛け部13から遠ざかる方向に付
勢している。
【0063】前記アクチュエータ本体1にはリミットス
イッチからなる過負荷防止スイッチ33が取り付けられ
ている。この過負荷防止スイッチ33は、二つの電気伝
導性のよい板ばね34,35と、これらの板ばね34,
35にそれぞれ固定されて互いに対向された2つの接点
36,37と、板ばね34の先端部付近に設けられた電
気絶縁体41とを有しており、一方の接点36は中間部
材3の巻き掛け部13に固定部15において固定されて
いる第一および第二の形状記憶合金14a,14bの一
端部に板ばね34を介して電気的に接続され、他方の接
点37は板ばね35を介して電源38の一方の極に電気
的に接続されている。前記電源38の他方の極は第一お
よび第二の駆動スイッチ39,40の一端に電気的に共
通に接続されている。前記第一の駆動スイッチ39の他
端はピン16を介して第一の形状記憶合金14aの他端
部に電気的に接続され、第二の駆動スイッチ40の他端
はピン17を介して第二の形状記憶合金14bの他端部
に電気的に接続されている。
【0064】本実施例においては、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bに過大な負荷が作用されてい
ない状態では、過負荷防止用ばね32のばね力によりス
イッチ作動部材27は下方に移動されてストッパ28,
29に当接されている。この状態では、スイッチ作動部
材27のスイッチ操作片30が電気絶縁体41および板
ばね34を介して接点36を押し下げ、接点36と37
とを互いに接触させている。したがって、図21の実線
位置で示すように操作端部材7が第二の操作端部材安定
位置、中間部材3が第二の中間部材安定位置にそれぞれ
ある状態において、第一の駆動スイッチ39をオンする
と、第一の形状記憶合金14aに通電されて該合金14
aが加熱され、該合金14aが収縮するので、中間部材
3が図上時計方向に回動され、操作端部材7が一点鎖線
で示すように第一の操作端部材安定位置に反転するとと
もに中間部材3も一点鎖線で示すように第一の中間部材
安定位置に回動する。
【0065】次に、第一の形状記憶合金14aが十分に
冷却した後、第二の駆動スイッチ40をオンすると、第
二の形状記憶合金14bに通電されて該合金14bが加
熱され、該合金14bが収縮するので、操作端部材7が
第二の操作端部材安定位置に反転するとともに中間部材
3も第二の中間部材安定位置に回動する。このようにし
て、第一および第二の形状記憶合金14a,14bに過
大な負荷荷重が作用しない場合には、前記第一実施例の
場合と同様に動作する。
【0066】しかしながら、一方の形状記憶合金が冷却
しきらないうちに他方の形状記憶合金が加熱されたり、
両方の形状記憶合金14a,14bが同時に加熱される
ことによって両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を
発生している状態になったり、または大きい外力が作用
したりすることにより、第一および(または)第二の形
状記憶合金14a,14bに過大な負荷が作用すると、
図24のようにスイッチ作動部材27が図上上方に引き
上げられるので、スイッチ作動部材27がスイッチ操作
片30、電気絶縁体41および板ばね34を介して接点
36を押し下げなくなるため、接点36と37が離間さ
れる。これにより、それまで通電されていた第一または
(および)第二の形状記憶合金14a,14bに対する
通電が停止され、該形状記憶合金が冷却するので、第一
および第二の形状記憶合金14a,14bに形状記憶合
金が劣化したり、破壊されるのを防止できる。
【0067】なお、ストッパ28,29は必ずしも設け
なくてもよいが、本実施例のように設けておくと、スイ
ッチ作動部材27と巻き掛け部13との間の距離の上限
を設定することができ、これにより過大な負荷が作用し
ていないときにも両方の形状記憶合金にある程度以上の
張力が作用し、中間部材3が中央付近で安定しやすくな
ってアクチュエータの動作が不安定になることを防止で
きる。
【0068】図25〜28は本発明の第六実施例を示し
ている。本実施例においては、中間部材3は該中間部材
3に設けられた長穴42を中間部材回動軸2に嵌合され
ることにより回動可能とされている。巻き掛け部13は
長穴42の周囲に長円状に形成されている。他の構成は
前記図1〜12の第一実施例および図21〜24の第五
実施例と同様とされている(対応する部品は同一符号で
示している)。
【0069】本実施例においては、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bがともに冷却しているとき
は、図25に示されるように、反転付勢手段12によ
り、中間部材3が図上上方に引き上げられ、中間部材回
動軸2は相対的に長穴42の一端(図上下端側)に偏倚
した状態となっており、これにより巻き掛け部13と第
一および第二の形状記憶合金14a,14bの反対側の
端部との間の距離が比較的に大きくなっている(図25
では、便宜上、中間部材が中立位置にあるように描いて
ある)。
【0070】また、図26に示されるように、一方の形
状記憶合金(図では第二の形状記憶合金14b)が十分
に冷却している状態において、他方の形状記憶合金(図
では第二の形状記憶合金14a)が加熱されると、中間
部材3が回動し、前記第一実施例および第五実施例の場
合と同様に操作端部材7(図示せず)が反転する(この
場合、反転付勢手段12に抗して中間部材3が若干図上
下方に移動され、中間部材回動軸2が相対的に長穴42
の中間部に若干移動するようになっていてもよいし、中
間部材3が図上下方に移動せず、回動軸2が長穴42の
一端に偏倚したままの状態となるようになっていてもよ
い)。
【0071】また、図27に示されるように、一方の形
状記憶合金(図では第一の形状記憶合金14a)がまだ
十分冷却されていないうちに他方の形状記憶合金(図で
は第二の形状記憶合金14b)が加熱状態とされたとき
は、反転付勢手段12に抗して中間部材3が図上下方に
移動され、中間部材回動軸2が相対的に長穴42の他端
(図上上端)の方にある程度移動することにより、巻き
掛け部13と第一および第二の形状記憶合金14a,1
4bの反対側の端部との間の距離がある程度短くなるの
で、第一および第二の形状記憶合金14a,14bに過
大な負荷が作用するのを防止することができる。また、
前記のように中間部材回動軸2が相対的に長穴42の他
端(図上上端)の方にある程度移動することにより、形
状記憶合金の形状回復力が一時的に反転付勢手段12に
蓄えられる。その後、一方の形状記憶合金が冷却する
と、前記中間部材3の下方移動のため、中間部材3の回
動の当初、冷却した方の形状記憶合金は中間部材3が回
転しやすい方向に緩む(なお、図26の場合も、中間部
材回動軸2が相対的に若干移動するようになっている場
合には、同様に、中間部材材3の回動当初に、冷却して
収縮していない形状記憶合金の方が中間部材3が回転し
やすい方向に緩む)。
【0072】さらに、第一および第二の形状記憶合金1
4a,14bが同時に加熱されている状態になると、図
28に示されるように、中間部材3が大きく引き下げら
れて、相対的に中間部材回動軸2が長穴42の他端(図
上上端)の方に大きく移動し、巻き掛け部13と第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bの反対側の端部
との間の距離が短くなるので、第一および第二の形状記
憶合金14a,14bに過大な負荷が作用するのを防止
することができる。
【0073】図29および30は本発明の第七実施例を
示している。本実施例においては、前記図25〜28の
第六実施例の構成にさらに過負荷防止スイッチ33が設
けられている。この過負荷防止スイッチ33は、前記図
21〜24の第五実施例におけるものと同様のものであ
り、通常の状態では、反転付勢手段12(本実施例にお
いては、本発明における過負荷防止用ばねを兼ねてい
る)の力により、中間部材3(本実施例においては、本
発明におけるスイッチ作動部材を兼ねている)が電気絶
縁体41を介して板ばね34を押圧して、接点36,3
7を互いに接触させているので、加熱すべき形状記憶合
金14aまたは14bに通電可能な状態となっている。
【0074】しかしながら、第一および第二の形状記憶
合金14a,14bが両方とも加熱状態となり、過大な
負荷が作用されると、図30に示されるように、反転付
勢手段12に抗して中間部材3が図上下方に大きく移動
され、相対的に中間部材回動軸2が長穴42の他端(図
上上端)の方に大きく移動し、電気絶縁体41が中間部
材3から離間し、接点36,37も互いに離間し、過負
荷防止スイッチ33が形状記憶合金14a,14bへの
通電回路を遮断し、形状記憶合金14a,14bへの通
電を停止させる。これにより、形状記憶合金14a,1
4bが保護される(なお、両方の形状記憶合金14a,
14bが加熱状態となったときのみならず、一方の形状
記憶合金がまだ十分冷却されていないうちに他方の形状
記憶合金が加熱状態とされたときも、接点36,37が
互いに離間し、形状記憶合金への通電が停止されるよう
にしてもよい)。
【0075】図31は本発明の第八実施例を示してい
る。本実施例においては、アクチュエータ本体(図示せ
ず)に固定された回動部材回動軸43には回動部材44
の中央部が回動を可能に支持されている。この回動部材
44には2つのプーリー45,46がそれぞれ回転可能
に支持されており、これらのプーリー45,46は回動
部材回動軸43を間に挟むように配置されている。ここ
において、本実施例では、回動部材44およびプーリー
45,46が可動当接体を構成している。回動部材44
と前記アクチュエータ本体1との間には圧縮コイルばね
からなる過負荷防止用ばね32が介装されており、この
ばね32は回動部材44を図上時計方向に付勢すること
により、プーリー45,46を第一および第二の形状記
憶合金14a,14bに押圧し、これらの形状記憶合金
14a,14bを伸張させようとするようになってい
る。前記アクチュエータ本体1に固定されたストッパ4
6は、回動部材44が所定以上図上時計方向に回動でき
ないように回動部材44の回動範囲を制限しており、こ
れにより第一および第二の形状記憶合金14a,14b
を所定以上伸張させないように制限している。他の構成
は前記第一実施例と同様とされている(対応する部品は
同一符号で示している)。
【0076】本実施例においては、通常は、回動部材4
4は図31の位置またはそれに近い位置にあり、第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡される
経路を長くしており、この状態で前記第一実施例の場合
と同様な動作が行われる。
【0077】しかし、両方の形状記憶合金14a,14
bが同時に加熱状態とされたり、一方の形状記憶合金が
十分冷却されないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
たりすることにより、形状記憶合金14a,14bに過
負荷が作用したときは、回動部材44が過負荷防止用ば
ね32に抗して図上反時計方向に回動され、第一および
第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡される経路
が短くなって、第一および第二の形状記憶合金14a,
14bに作用する力が緩和されるので、過負荷が防止さ
れる。
【0078】図32は本発明の第九実施例を示してい
る。本実施例においては、アクチュエータ本体1(図示
せず)に固定された一対の回動部材回動軸47,48に
はそれぞれ回動部材49,50が回動を可能に支持され
ている。これらの回動部材49,50には部分的な歯車
部分51,52が設けられており、これらの歯車部分5
1,52を互いに噛み合わされている。各回動部材4
9,50にはそれぞれプーリー53,54が回転可能に
支持されている。ここにおいて、本実施例では、回動部
材49,50およびプーリー53,54が可動当接体を
構成している。回動部材47,48間には圧縮コイルば
ねからなる過負荷防止用ばね32が介装されており、こ
のばね32は図上回動部材49を時計方向、回動部材5
0を反時計方向に付勢することにより、プーリー53,
54を第一および第二の形状記憶合金14a,14bに
押圧し、これらの形状記憶合金14a,14bを伸張さ
せようとするようになっている。前記アクチュエータ本
体1に固定されたストッパ55は、回動部材44が所定
以上図上反時計方向に回動できないように回動部材44
の回動範囲を制限しており、これにより第一および第二
の形状記憶合金14a,14bを所定以上伸張させない
ように制限している。図示していないが、他の構成は前
記第一実施例と同様とされている。
【0079】本実施例においても、通常は、回動部材4
9,50は図32の位置またはそれに近い位置にあり、
第一および第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡
される経路を長くしており、この状態で前記第一実施例
の場合と同様な動作が行われる。
【0080】しかし、両方の形状記憶合金14a,14
bが同時に加熱状態とされたり、一方の形状記憶合金が
十分冷却されないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
ることにより、形状記憶合金14a,14bに過負荷が
作用したときは、過負荷防止用ばね32に抗して回動部
材49が図上反時計方向、回動部材50が時計方向に回
動され、第一および第二の形状記憶合金14a,14b
が掛け渡される経路が短くなって、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bに作用する力が緩和されるの
で、過負荷が防止される。
【0081】図33〜37は本発明による形状記憶合金
アクチュエータの第十実施例を示している。これらの図
のうち図33は、図34(図33のXXXIV−XXX
IV線における断面図)と組み合わせて参照することに
より、装置の構成が容易に理解されるようにするため
に、通常の使用状態ではあり得ない状態であるが、操作
端部材7および中間部材3を強制的に中立位置に位置に
固定した状態を示している。
【0082】この実施例は、単安定型アクチュエータを
構成するものであり、基本的には前記第一実施例の双安
定型アクチュエータにおけるが第一の形状記憶合金14
aを中間部材復帰付勢手段56に置き換えた構成とされ
ている。これを詳しく説明すると、アクチュエータ本体
1には中間部材回動軸2が立設されており、この中間部
材回動軸2にはL字形をなした中間部材3の屈曲部が該
中間部材回動軸2を中心として回動可能に支持されてい
る。前記アクチュエータ本体1にはピン状の中間部材ス
トッパ4および5が互いに間隔を置いて固定されてお
り、中間部材3はその回動範囲を図35のように中間部
材ストッパ5に当接する中間部材安定位置と、図37の
ように中間部材ストッパ4に当接する中間部材一時反転
位置との間に制限されている。前記中間部材3の一端部
に立設されたピン57とアクチュエータ本体1に立設さ
れたピン58との間には圧縮コイルばねからなる中間部
材復帰付勢手段56が介装されており、この中間部材復
帰付勢手段56は中間部材3を中間部材一時反転位置に
向かって(すなわち図35〜37における反時計方向
に)付勢している。前記アクチュエータ本体1には操作
端部材回動軸6が立設されており、この操作端部材回動
軸6には直線形のレバー状の操作端部材7の一端部が該
操作端部材回動軸6を中心として回動可能に支持されて
いる。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作端部
材ストッパ8および9が互いに間隔を置いて固定されて
おり、操作端部材7はその回動範囲を図35のように操
作端部材ストッパ9に当接する操作端部材安定位置と、
図37のように操作端部材ストッパ8に当接する操作端
部材一時反転位置との間に制限されている。
【0083】前記中間部材3の他端部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。前記中間部材3に
は、中間部材回動軸2と同軸に横断面円形の巻き掛け部
13が一体的に設けられている。この巻き掛け部13に
は、ワイヤ状の形状記憶合金14の一端部が固定されて
おり(15はこの巻き掛け部13に対する形状記憶合金
14の固定部を示している)、この形状記憶合金14の
他端部はピン17を介してアクチュエータ本体1に固定
されている。これにより、形状記憶合金14の固定部1
5付近は巻き掛け部13に巻き掛けられた状態となって
いる。
【0084】前記形状記憶合金14は、前記各実施例の
場合と同様に巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記
憶合金とされている。前記ピン17と固定部15との間
は、スイッチ手段(図示せず)により、電源(図示せ
ず)に接続および切断できるようになっている。
【0085】次に、本実施例の作動を図35〜37の動
作説明図を用いて説明する。図35は、操作端部材7お
よび中間部材3がそれぞれ反転付勢手段12の力により
操作端部材ストッパ9、中間部材ストッパ5に当接さ
れ、それぞれの安定位置にある状態を示している。
【0086】この状態において、前記スイッチ手段によ
りピン17と固定部15との間を電源に接続し、形状記
憶合金14に通電すると、形状記憶合金14が所定温度
範囲まで加熱され、形状記憶効果により反転付勢手段1
2に抗して該形状記憶合金14が記憶している長さに戻
ろうとして収縮するので、巻き掛け部13ひいては中間
部材3が図36の矢印のように時計方向に回動して行
く。しかしながら、中間部材3がその中立位置、すなわ
ち図36のようにピン10とピン11とを結ぶ直線(反
転付勢手段12の力の作用線)が操作端部材回動軸6と
ピン11(操作端部材7に対する反転付勢手段12の力
の作用点)とを結ぶ直線と一直線上に重なることとなる
位置に達するまでは、反転付勢手段12が操作端部材7
を時計方向に付勢しているので、操作端部材7は反転付
勢手段12によって操作端部材ストッパ9に当接され
て、操作端部材安定位置に停止したままになっている。
【0087】しかしながら、中間部材3が図36の中立
位置を時計方向に越えると、それまで操作端部材7を時
計方向に付勢していた反転付勢手段12が、操作端部材
7を逆に反時計方向に付勢するようになるので、操作端
部材7が反転付勢手段12の力により急に動き出し、図
37のように急速に反時計方向に回動されて行き、操作
端部材ストッパ8に当接されると、その位置、すなわち
操作端部材一時反転位置に停止する。他方、中間部材3
に関してみると、操作端部材7の回動によってピン10
とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用
線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越え
ると、それまで反転付勢手段12によって反時計方向に
付勢されていた中間部材3が逆に時計方向に付勢される
ようになるので、反転付勢手段12の力(および形状記
憶合金14の形状回復力)によって中間部材ストッパ4
に当接されるまで反時計方向に回動されて行き、中間部
材ストッパ4に当接される位置、すなわち中間部材一時
反転位置に停止する。
【0088】また、図37のように中間部材3および操
作端部材7がそれぞれの一時反転位置に達した後、形状
記憶合金14に対する通電が停止され、形状記憶合金が
冷却すると、中間部材復帰付勢手段56により中間部材
3が反転付勢手段12に抗して反時計方向に回動されて
行き、中間部材3が図36の中立位置を反時計方向に越
えると、それまで操作端部材7を反時計方向に付勢して
いた反転付勢手段12が、操作端部材7を逆に時計方向
に付勢するようになるので、操作端部材7が反転付勢手
段12の力により急に動き出し、急速に時計方向に回動
されて行き、図35の操作端部材安定位置に復帰する。
なお、中間部材3も、中間部材復帰付勢手段56の力に
より中間部材安定位置に復帰する(なお、途中からは反
転付勢手段12の力も中間部材3を中間部材安定位置に
復帰させるように作用するようになる)。
【0089】このようにして、本実施例では、形状記憶
合金14を加熱することにより、中間部材3が中立位置
を越えると、安定位置にある操作端部材7が急に一時反
転位置へ反転し、かつ形状記憶合金14が冷却すると、
操作端部材7が元の安定位置へ戻る単安定型アクチュエ
ータが得られる。
【0090】なお、本実施例においても、外部から操作
端部材7に力が作用しても、その力が操作端部材7を通
じて形状記憶合金14に直接作用することがない。した
がって、外部から操作端部材7に作用する力により過剰
な応力が形状記憶合金14に加わり、性能が低下した
り、破壊されてしまうことがないので、耐久性を向上す
ることができる。
【0091】また、操作端部材7の動作は直接的には反
転付勢手段12の力によってなされるので、動作速度を
速くすることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減ら
し、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低
減、ひいては省資源を図ることができる。
【0092】また、本実施例のように単安定型アクチュ
エータを構成する場合も、前記図17〜20の第四実施
例と同様に中間部材3が直線運動を行うようにしたり、
前記第五実施例以下と同様に形状記憶合金14に対する
過負荷防止手段を設けることができる。
【0093】また、前記各実施例においては、形状記憶
合金を通電により加熱するものとしているが、本発明に
おいては、伝導加熱、対流や環境温度による加熱、赤外
線やレーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって
形状記憶合金を加熱してもよい。
【0094】また、前記各実施例においては、反転用付
勢手段は、操作端部材の所定箇所と中間部材の所定箇所
とを互いに近づくよう付勢しているが、互いに遠ざける
ように付勢する構成としてもよい。
【0095】また、前記各実施例においては、反転用付
勢手段をコイルばねにより構成しているが、反転付勢手
段をコイルばね以外の板ばね等のばねや、気体を利用し
たばね等の他の種のばねとしてもよいし、反転付勢手段
をゴム弾性を有するゴム弾性体により構成してもよい。
また、操作端部材および中間部材の所定箇所にそれぞれ
磁石(永久磁石または電磁石)を設けたり、操作端部材
および中間部材の所定箇所の一方に磁石、他方に磁性体
を設け、これらを反転付勢手段としてもよい。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明による形状記憶合金
アクチュエータは、(イ)外部から力が操作端に作用し
ても、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接作
用することがない、(ロ)動作速度が速い、(ハ)操作
端が2つの安定位置を持つ双安定型の形状記憶合金アク
チュエータや、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操
作端の位置が瞬間的な反転動作を行う単安定型アクチュ
エータを得ることができる、(ニ)過負荷防止手段を設
けることにより、差動型形状記憶合金アクチュエータに
おいて、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生
している状態になっても、形状記憶合金が劣化したり、
破壊されることがないようにすることができる、等の優
れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第
一実施例を示す正面図である。
【図2】前記第一実施例を、操作端部材および中間部材
を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示す
正面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図であ
る。
【図4】前記第一実施例において操作端部材および中間
部材がそれぞれ第二の安定位置にある状態を示す動作説
明図である。
【図5】前記第一実施例において図4の状態から中間部
材が回動され始めた状態を示す動作説明図である。
【図6】前記第一実施例において図5の状態から中間部
材が中立位置に達した状態を示す動作説明図である。
【図7】前記第一実施例において図6の状態から中間部
材が中立位置を越えた状態を示す動作説明図である。
【図8】前記第一実施例において操作端部材および中間
部材がそれぞれ第一の安定位置にある状態を示す動作説
明図である。
【図9】前記第一実施例において図8の状態から中間部
材が回動され始めた状態を示す動作説明図である。
【図10】前記第一実施例において図9の状態から中間
部材が中立位置に達した状態を示す動作説明図である。
【図11】前記第一実施例において図10の状態から中
間部材が中立位置を越えた状態を示す動作説明図であ
る。
【図12】前記第一実施例において操作端部材が外力に
より一方の安定位置から他方の安定位置に回動された場
合の状態を示す動作説明図である。
【図13】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第二実施例を示す正面図である。
【図14】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第三実施例を、操作端部材および中間部材がそれぞれ第
一の安定位置にある状態において示す正面図である(ア
クチュエータ本体および形状記憶合金等は図示を省略し
ている)。
【図15】前記第三実施例において中間部材の回動に伴
って操作端部材が反転する様子を示す動作説明図であ
る。
【図16】前記第三実施例を、操作端部材および中間部
材を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示
す断面図である。
【図17】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第四実施例を、操作端部材および中間部材がそれぞれ第
二の安定位置にある状態において示す平面図である。
【図18】前記第四実施例を示す背面図である。
【図19】前記第四実施例において図17の状態から中
間部材が中立位置に達した状態を示す動作説明図であ
る。
【図20】前記第四実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ第一の安定位置にある状態を示す動作
説明図である。
【図21】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第五実施例を示す正面図である。
【図22】前記第五実施例を示す背面図である。
【図23】前記第五実施例を、操作端部材および中間部
材を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示
す断面図である(過負荷防止ばねは図示を省略してい
る)。
【図24】前記第五実施例において過負荷防止スイッチ
が切断された状態を示す正面図である。
【図25】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第六実施例を示す正面図である。
【図26】前記第六実施例において一方の形状記憶合金
が十分に冷却している状態において、他方の形状記憶合
金が加熱された状態を示す動作説明図である。
【図27】前記第六実施例において一方の形状記憶合金
がまだ十分冷却されていないうちに他方の形状記憶合金
が加熱されたときの様子を示す動作説明図である。
【図28】前記第六実施例において第一および第二の形
状記憶合金が同時に加熱された状態を示す動作説明図で
ある。
【図29】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第七実施例を正常状態において示す正面図である。
【図30】前記第七実施例を、過負荷状態において示す
正面図である。
【図31】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第八実施例を示す正面図である。
【図32】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第九実施例を示す正面図である。
【図33】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第十実施例を、操作端部材および中間部材を強制的に中
立位置に位置に固定した状態において示す正面図であ
る。
【図34】図33のXXXIV−XXXIV線における
断面図である。
【図35】前記第十実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ安定位置にある状態を示す動作説明図
である。
【図36】前記第十実施例において図35の状態から中
間部材が回動されて中立位置に達した状態を示す動作説
明図である。
【図37】前記第十実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ一時反転位置に反転された状態を示す
動作説明図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ本体 2 中間部材回動軸 3 中間部材(スイッチ作動部材) 6 操作端部材回動軸 7 操作端部材 12 反転付勢手段(過負荷防止用ばね) 13 巻き掛け部 14 形状記憶合金 14a 第一の形状記憶合金 14b 第二の形状記憶合金 27 スイッチ作動部材 32 過負荷防止用ばね 33 過負荷防止スイッチ 38 電源 39 第一の駆動スイッチ 40 第二の駆動スイッチ 42 長穴 44 回動部材(可動当接体) 45,46 プーリー(可動当接体) 49,50 回動部材(可動当接体) 53,54 プーリー(可動当接体) 56 中間部材復帰付勢手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月25日(2002.2.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 形状記憶合金アクチュエータ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金を駆
動源とする形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の形状記憶合金アクチュエータは、
一般に、外部から力が操作端に作用したとき、その外力
が操作端を通じて形状記憶合金に直接作用する構成とな
っていた。
【0003】また、従来の形状記憶合金アクチュエータ
は、多くの場合、操作端を一つの方向に移動させる際
は、操作端を形状記憶合金の形状回復力により駆動する
一方、操作端を反対方向に移動させる際は、バイアスば
ねの復元力により操作端を駆動するようになっていた
が、操作端の前記一つの方向の移動に関してのみ見る
と、形状記憶合金の形状回復力だけで操作端を駆動して
いた。
【0004】また、従来は、操作端が2つの安定位置を
持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータは存在しな
かった。また、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操
作端の位置が瞬間的に反転する単安定型の形状記憶合金
アクチュエータも存在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】大きな予変形を与えら
れた形状記憶合金の加熱時の形状回復力は非常に大き
く、それ自身の材料強度を上回る。例えば1%以上の変
形を与え、ひずみを拘束した状態の形状記憶合金の形状
回復力は、疲労強度や弾性限界を上回ることもある。し
かるに、従来の形状記憶合金アクチュエータでは、一般
に、前述のように外部から力が操作端に作用したとき、
その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接作用する
構成となっていたので、操作端が作動中に拘束された
り、不意に予定外の強い外力が操作端に作用されたりす
ると、過剰な応力が形状記憶合金に加わり、性能が低下
したり、破壊されてしまう大きな原因となっていた。
【0006】また、操作端を互いに反対方向に駆動する
2つの形状記憶合金を備えた差動型といわれる形状記憶
合金アクチュエータでは、冷却を十分に行わないと2つ
の形状記憶合金が互いの強い形状回復力で引き合う状態
になり、形状記憶合金に致命的なダメージを与えること
があった。
【0007】また、従来の形状記憶合金アクチュエータ
では、前述のように少なくとも操作端の一方向の運動
は、形状記憶合金の形状回復力のみで行われるようにな
っていたので、動作速度が遅いとともに、高価な形状記
憶合金を比較的大量に要し、コストが高くなり、かつ使
用エネルギー量も多くなるという問題もあった。
【0008】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の1つの目的は、外部から力が
操作端に作用しても、その外力が操作端を通じて形状記
憶合金に直接作用することのない形状記憶合金アクチュ
エータを提供することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、動作速度の速い形状
記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、操作端が2つの安定
位置を持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータを提
供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、操作端が1つの安定
位置を持ち、かつ操作端の位置が瞬間的に反転する単安
定型の形状記憶合金アクチュエータを提供することを目
的とする。
【0012】本発明の他の目的は、差動型形状記憶合金
アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が同時に
形状回復力を発生している状態になっても、形状記憶合
金が劣化したり、破壊されることのない形状記憶合金ア
クチュエータを提供することを目的とする。
【0013】本発明の他の目的は、以下の説明から明ら
かになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】第一の本発明による形状
記憶合金アクチュエータは、操作端が2つの安定位置を
有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置
との間を移動可能な操作端部材と、第一の中間部材安定
位置と第二の中間部材安定位置との間を移動可能な中間
部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前
記第一の中間部材安定位置に向かって動かすように前記
中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復
力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材
安定位置に向かって動かすように前記中間部材に連係さ
れた第二の形状記憶合金と、前記操作端部材の所定箇所
と前記中間部材の所定箇所とを互いに近づけるようにま
たは遠ざけるように付勢する反転付勢手段とを有してな
り、前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置に
あるときは、前記中間部材が所定の中立位置より前記第
一の中間部材安定位置側にある間は、前記操作端部材は
前記反転付勢手段により前記第一の操作端部材安定位置
に向かって付勢されているが、前記中間部材が前記中立
位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に移動する
と、前記操作端部材は前記反転付手段により逆に前記第
二の操作端部材安定位置に向かって付勢されるようにな
る一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安定位
置にあるときは、前記中間部材が所定の中立位置より前
記第二の中間部材安定位置側にある間は、前記操作端部
材は前記反転付勢手段により前記第二の操作端部材安定
位置に向かって付勢されているが、前記中間部材が前記
中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側に移動
すると、前記操作端部材は前記反転付勢手段により逆に
前記第一の操作端部材安定位置に向かって付勢されるよ
うになるように構成されているものである。
【0015】この第一の本発明の双安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材が第二の操作端
部材安定位置、中間部材が第二の中間部材安定位置にあ
るとき、第一の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱さ
れると、第一の形状記憶合金の形状回復力によって中間
部材が第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定
位置に向かって移動される。しかし、中間部材が中立位
置に達するまでは、反転付勢手段が操作端部材を第二の
操作端部材安定位置に向かって付勢しているので、操作
端部材は第二の操作端部材安定位置に停止したままにな
っている。
【0016】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て第一の中間部材安定位置側に移動されると、反転付勢
手段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、
操作端部材が急に第一の操作端部材安定位置に向かって
動き出し、第一の操作端部材安定位置に達すると、その
位置に停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段
の付勢力により第一の中間部材安定位置に停止する。
【0017】また、操作端部材が第一の操作端部材安定
位置、中間部材が第一の中間部材安定位置にあるとき、
第二の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、
第二の形状記憶合金の形状回復力によって中間部材が第
一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向
かって移動される。しかし、中間部材が中立位置に達す
るまでは、反転付勢手段が操作端部材を第一の操作端部
材安定位置に向かって付勢しているので、操作端部材は
第一の操作端部材安定位置に停止したままになってい
る。
【0018】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て第二の中間部材安定位置側に移動されると、反転付勢
手段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、
操作端部材が急に第二の操作端部材安定位置に向かって
動き出し、第二の操作端部材安定位置に達すると、その
位置に停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段
の付勢力により第二の安定位置に停止する。
【0019】この第一の本発明の双安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材に第一および第
二の2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記
憶合金加熱することにより、その安定位置を反転でき
る。
【0020】第二の本発明による形状記憶合金アクチュ
エータは、操作端が1つの安定位置を有する単安定型形
状記憶合金アクチュエータであって、操作端部材安定位
置と操作端部材一時反転位置との間を移動可能な操作端
部材と、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との
間を移動可能な中間部材と、形状回復力を発生したと
き、前記中間部材を前記一時反転位置に向かって動かす
ように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記
中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する中
間部材復帰付勢手段と、前記操作端部材の所定箇所と前
記中間部材の所定箇所とを互いに近づけるようにまたは
遠ざけるように付勢する反転付勢手段とを有してなり、
前記操作端部材が前記操作端部材安定位置にあるとき、
前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位
置側にある間は、前記操作端部材は前記反転付勢手段に
より前記操作端部材安定位置に向かって付勢されている
が、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材
一時反転位置側に移動すると、前記操作端部材は前記反
転付勢手段により逆に前記操作端部材一時反転位置に向
かって付勢されるようになる一方、前記操作端部材が前
記操作端部材一時反転位置にあるとき、前記中間部材が
所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側にある
間は、前記操作端部材は前記反転付勢手段により前記操
作端部材一時反転位置に向かって付勢されているが、前
記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材安定位
置側に移動すると、前記操作端部材は前記反転付勢手段
により逆に前記操作端部材安定位置に向かって付勢され
るようになるように構成されているものである。
【0021】この第二の本発明の単安定型形状記憶合金
アクチュエータにおいては、操作端部材が操作端部材安
定位置、中間部材が中間部材安定位置にあるとき、形状
記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、形状記憶合
金の形状回復力によって中間部材が中間部材安定位置か
ら中間部材一時反転位置に向かって移動される。しか
し、中間部材が中立位置に達するまでは、反転付勢手段
が操作端部材を操作端部材安定位置に向かって付勢して
いるので、操作端部材は操作端部材安定位置に停止した
ままになっている。
【0022】ところが、中間部材が前記中立位置を越え
て中間部材一時反転位置側に移動されると、反転付勢手
段が操作端部材を逆方向に付勢するようになるので、操
作端部材が急に操作端部材一時反転位置に向かって動き
出し、操作端部材一時反転位置に達すると、その位置に
停止する。その一方、中間部材は、反転付勢手段の付勢
力により中間部材一時反転位置に停止する。
【0023】また、操作端部材が一時反転位置、中間部
材が中間部材一時反転位置にそれぞれ達した後、形状記
憶合金に対する加熱が停止され、形状記憶合金が冷却す
ると、中間部材復帰付勢手段により中間部材が反転付勢
手段に抗して中間部材安定位置へ向かって移動されて行
き、この中間部材が中立位置を越えて中間部材安定位置
側に移動されると、反転付勢手段が操作端部材を逆に操
作端部材安定位置に向かって付勢するようになるので、
操作端部材が反転付勢手段の力により急に動き出し、操
作端部材安定位置に復帰する。なお、中間部材も、中間
部材復帰付勢手段および反転付勢手段の力により中間部
材安定位置に復帰する。
【0024】このようにして、第二の本発明の単安定型
形状記憶合金アクチュエータでは、形状記憶合金を加熱
することにより、中間部材が中立位置を越えると、安定
位置にある操作端部材が急に一時反転位置へ反転し、か
つ形状記憶合金が冷却すると、操作端部材が元の安定位
置へ戻る。
【0025】また、前記第一および第二の本発明の単安
定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、外部から
操作端部材に力が作用しても、その外力が操作端部材を
通じて形状記憶合金に直接作用することがない。したが
って、外部から操作端部材に作用する力により過大な応
力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊さ
れてしまうことがないので、耐久性を向上することがで
きる。
【0026】また、操作端部材の動作は直接的には反転
付勢手段の力によってなされるので、動作速度を速くす
ることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減らし、コ
ストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減し、
ひいては省資源を図ることができる。
【0027】なお、本発明における形状記憶合金として
は、一般的な形状記憶合金も使用することができるが、
特に大きな二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を
使用すると、一層優れた効果を得ることができる。
【0028】ここで、二方向性形状記憶効果とは、低温
で形状回復と反対方向の変形を与える際に力が不要であ
るか、または極めて少なくてよい現象である。見た目に
は、形状記憶合金が低温時に変形した形状と高温時に形
状回復した形状との2つの形状を覚えているような挙動
を示す。従来の二方向性形状記憶合金においては、引張
ひずみで最大1%前後の小さくて不安定な二方向性形状
記憶効果しか得られなかったが、本発明者が前に特願2
000−204927号において提案した方法によれ
ば、巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を
得ることができる。例えば、ワイヤ状で、引張方向に記
憶形状を持つ形状記憶合金とした場合は、加熱すると記
憶している長さに収縮して硬くなる一方、冷却時には、
負荷の無い状態でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔
らかくなり、自分で伸びて低温時の元の長さと形に戻
る。したがって、加熱と冷却だけで、外部からバイアス
力を作用させることなく、伸び縮みする。
【0029】このような形状記憶合金を、例えば、第一
の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータに使用
した場合は、形状回復力を発生して収縮した形状記憶合
金によって中間部材が動かされるとき、収縮をしていな
い方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなくゆるむ
方向に動き、操作部端部材の運動を容易にする。この結
果、応答性などの性能や寿命が大幅に向上し、僅かな形
状記憶合金で動く、双安定式の差動型アクチュエータを
実用化できる。
【0030】なお、完全な、2方向性を示せないまで
も、形状回復可能なひずみ領域内で低温での変形に力が
ほとんど必要ない形状記憶合金でも、同様の効果を得る
ことができる(このような形状記憶合金も実質的に二方
向性形状記憶合金として考えてよい)、このような形状
記憶合金もやはり本発明者が前に提案した特願2000
−204927号に開示された方法により得ることがで
きる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0032】
【実施例】図1〜12は本発明による形状記憶合金アク
チュエータの第一実施例を示しており、双安定型アクチ
ュエータを構成した例である。これらの図のうち図1は
後で詳しく説明するように操作端部材7および中間部材
3がそれぞれの第二の安定位置にある状態を示してい
る。図2は、図3(図2のIII−III線における断
面図)と対応して参照することにより、装置の構成が容
易に理解されるようにするために、通常の使用状態では
あり得ない状態であるが、操作端部材7および中間部材
3を強制的に中立位置に位置に固定した状態を示してい
る。
【0033】アクチュエータ本体1には中間部材回動軸
2が立設されており、この中間部材回動軸2には直線形
のレバー状の中間部材3の一端部が該中間部材回動軸2
を中心として回動可能に支持されている。前記アクチュ
エータ本体1にはピン状の中間部材ストッパ4および5
が互いに間隔を置いて固定されており、中間部材3はそ
の回動範囲を図8のように中間部材ストッパ4に当接す
る第一の中間部材安定位置と、図1および4のように中
間部材ストッパ5に当接する第二の中間部材安定位置と
の間に制限されている。前記アクチュエータ本体1には
操作端部材回動軸6が立設されており、この操作端部材
回動軸6には直線形のレバー状の操作端部材7の一端部
が該操作端部材回動軸6を中心として回動可能に支持さ
れている。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作
端部材ストッパ8および9が互いに間隔を置いて固定さ
れており、操作端部材7はその回動範囲を図8のように
ストッパ8に当接する第一の操作端部材安定位置と、図
1および4のように操作端部材ストッパ9に当接する第
二の操作端部材安定位置との間に制限されている。
【0034】ここで、前記中間部材回動軸2と操作端部
材回動軸6とを結ぶ直線E(図1参照)に関して、中間
部材ストッパ4と5および操作端部材ストッパ8と9は
対称的に配置されており、これに伴い直線Eに関して前
記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位
置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定
位置とはそれぞれ対称的な位置となっている。ただし、
本発明においては必ずしもこのような対称的な配置とす
る必要はない。
【0035】前記中間部材3の他端部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。なお、前記中間部材
回動軸2を中心にしたピン10(中間部材3に対する反
転付勢手段12の力の作用点)の回転軌跡が操作端部材
回動軸6上を通過するように各部が配置されている。図
6および10は、ピン10が操作端部材回動軸6上に位
置した状態を示している。
【0036】前記中間部材3には、中間部材回動軸2と
同軸に横断面円形の巻き掛け部13が一体的に設けられ
ている。この巻き掛け部13の外周の1箇所には、1本
のワイヤ状の形状記憶合金14の中間部が固定されてお
り(15は巻き掛け部13に対する形状記憶合金14の
固定部を示している)、この形状記憶合金14の両端部
はそれぞれピン16,17を介してアクチュエータ本体
1に固定されている。これにより、形状記憶合金14の
前記固定部15付近は巻き掛け部13に巻き掛けられた
状態となっている。この形状記憶合金14は物理的には
1本のワイヤ状をなしているが、本実施例では、この形
状記憶合金14の固定部15とピン16との間の部分が
第一の形状記憶合金14aを構成する一方、前記固定部
15とピン17との間の部分が第二の形状記憶合金14
bを構成している。勿論、第一の形状記憶合金14aに
相当する部分および第二の形状記憶合金14bに相当す
る部分を分離した2本のワイヤ状の形状記憶合金により
それぞれ構成し、各形状記憶合金の端部を巻き掛け部1
3の外周に固定してもよい。
【0037】前記形状記憶合金14は、巨大な二方向性
形状記憶効果を持つ形状記憶合金とされており、直線引
張方向に記憶形状を持ち、加熱すると記憶している長さ
に収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態
でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自
分で伸びて低温時の元の長さと形に戻る。したがって、
加熱と冷却だけで、外部からバイアス力を作用させるこ
となく、伸び縮みする。このような形状記憶合金は、例
えば、本発明者が前に提案した特願2000−2049
27号に開示された方法により得ることができる。な
お、完全な、2方向性を示せないまでも、形状回復可能
なひずみ領域内で低温での変形に力がほとんど必要ない
形状記憶合金であってもよく、このような形状記憶合金
もやはり本発明者が前に提案した特願2000−204
927号に開示された方法により得ることができる。
【0038】前記ピン16と固定部15との間および、
ピン17と固定部15との間は、スイッチ手段(図示せ
ず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続お
よび切断できるようになっている。
【0039】次に、本実施例の作動を図4〜11の動作
説明図を用いて説明する(これらの図においては、図面
を分かりやすくするために、アクチュエータ本体1およ
び形状記憶合金14等は図示を省略している)。図4
は、図1と同じ状態を示しており、操作端部材7および
中間部材3がそれぞれ反転付勢手段12の力により操作
端部材ストッパ9,中間部材ストッパ5に当接され、そ
れぞれ第二の操作端部材安定位置、第二の中間部材安定
位置にある状態を示している。
【0040】この図4の状態において、前記スイッチ手
段によりピン16と固定部15との間を電源に接続し、
第一の形状記憶合金14aに通電すると、ジュール熱に
より第一の形状記憶合金14aが所定温度範囲まで加熱
され、形状記憶効果により反転付勢手段12に抗して該
形状記憶合金14aが記憶している長さに戻ろうとする
形状回復力を発生して収縮するので、巻き掛け部13ひ
いては中間部材3が図5および6の矢印Aのように時計
方向(本実施例の動作説明において時計方向または反時
計方向と言うとき、それは図3以外の図における向きと
する)に回動して行く。しかしながら、中間部材3がそ
の中立位置(図6のように中間部材3が中間部材回動軸
2と操作端部材回動軸6とを結ぶ直線Eと重なる位置
で、この位置においてピン10とピン11とを結ぶ直線
(反転付勢手段12の力の作用線)が操作端部材回動軸
6とピン11(操作端部材7に対する反転付勢手段12
の力の作用点)とを結ぶ直線と一直線上に重なる)に達
するまでは、反転付勢手段12が操作端部材7を時計方
向に付勢しているので、操作端部材7は反転付勢手段1
2によって操作端部材ストッパ9に当接されて、第二の
安定位置に停止したままになっている。
【0041】しかしながら、中間部材3が図6の中立位
置を時計方向に越えると、それまで操作端部材7を時計
方向に付勢していた反転付勢手段12が操作端部材7を
逆に反時計方向に付勢するようになるので、操作端部材
7が急に動き出し、図7および8の矢印Bのように急速
に反時計方向に回動されて行き、図8のように操作端部
材ストッパ8に当接されると、その位置、すなわち第一
の安定位置で停止する。他方、中間部材3に関してみる
と、操作端部材7の回動によって図7のようにピン10
とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用
線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越え
ると、それまで反転付勢手段12によって反時計方向に
付勢されていた中間部材3が逆に時計方向に付勢される
ようになるので、中間部材3は反転付勢手段12の力
(および第一の形状記憶合金14a)によって図8のよ
うに中間部材ストッパ4に当接されるまで時計方向(矢
印A方向)に回動されて行き、中間部材ストッパ4に当
接される位置、すなわち第一の安定位置に停止する。
【0042】また、図8のように中間部材3および操作
端部材7がそれぞれの第一の安定位置にあるときに、前
記スイッチ手段によりピン17と固定部15との間を電
源に接続し、第二の形状記憶合金14bに通電すると、
第二の形状記憶合金14bが所定温度範囲まで加熱さ
れ、形状記憶効果により反転付勢手段12に抗して該形
状記憶合金14bが記憶している長さに戻ろうとして短
くなるので、巻き掛け部13ひいては中間部材3が図9
および10の矢印Cのように反時計方向に回動して行
く。しかしながら、中間部材3がその中立位置に達する
までは、反転付勢手段12が操作端部材7を反時計方向
に付勢しているので、操作端部材7は反転付勢手段12
によって操作端部材ストッパ8に当接されて、第一の安
定位置に停止したままになっている。
【0043】しかしながら、図10のように中間部材3
が中立位置まで回転され、さらにその位置を反時計方向
に越えると、それまで操作端部材7を反時計方向に付勢
していた反転付勢手段12が、操作端部材7を逆に時計
方向に付勢するようになるので、操作端部材7が反転付
勢手段12の力により急に動き出し、図11の矢印Dの
ように急速に時計方向に回動されて行き、図6のように
操作端部材9に当接されると、その位置、すなわち第二
の安定位置で停止する。他方、中間部材3に関してみる
と、操作端部材7の回動によって図11のようにピン1
0とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作
用線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対
する反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越
えると、それまで反転付勢手段12によって時計方向に
付勢されていた中間部材3が逆に反時計方向に付勢され
るようになるので、中間部材3は反転付勢手段12の力
(および第二の形状記憶合金14b)によって中間部材
ストッパ5に当接されるまで反時計方向に回動されて行
き、中間部材ストッパ5に当接される位置、すなわち第
二の安定位置に停止する。
【0044】このようにして、この双安定型形状記憶合
金アクチュエータでは、操作端部材7に2つの安定位置
を持たせ、第一または第二の形状記憶合金14a,14
bに加熱することにより、その安定位置を反転できる。
なお、本発明においては本実施例のように、中間部材回
動軸2を中心にしたピン10(中間部材3に対する反転
付勢手段12の力の作用点)の回転軌跡が操作端部材回
動軸6かその極近傍を通過するようにすることが好まし
く、そのようにすることにより、中立位置近傍の中間部
材3の極僅かな角度変化(位置変化)で操作端部材7を
第一または第二の操作端部材安定位置に瞬時に反転でき
る。
【0045】また、この形状記憶合金アクチュエータ
は、外部から操作端部材7に力が作用しても、その外力
が操作端部材7を通じて第一および第二の形状記憶合金
14a,14bに直接作用することがない。したがっ
て、外部から操作端部材7に作用する力により過大な応
力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊さ
れてしまうことがないので、耐久性を向上することがで
きる。
【0046】また、操作端部材7の動作は直接的には反
転付勢手段12の力によってなされるので、動作速度を
速くすることができ、かつ形状記憶合金14a,14b
の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エ
ネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができ
る。
【0047】なお、前記実施例においては、中間部材3
に対する反転付勢手段12の力の作用点の回転軌跡が操
作端部材回動軸6上を通過するようにされているので、
中間部材3が第一の中間部材安定位置から第二の中間部
材安定位置に移動する際の中立位置と、第二の中間部材
安定位置から第一の中間部材安定位置に移動する際の中
立位置とが同一位置となっているが、中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点の回転軌跡が操作端部
材回動軸6上を通過しない場合は、中間部材3が第一の
中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に移動す
る際の中立位置と、第二の中間部材安定位置から第一の
中間部材安定位置に移動する際の中立位置とが異なって
くることがある。
【0048】また、本実施例では、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bとして、形状回復可能なひず
み領域内で低温での変形に力が必要ないか、またはほと
んど必要ない形状記憶合金を用いているので、収縮をし
ていない方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなく
たるむ方向に動き、操作部端部材の運動を容易にする。
この結果、応答性などの性能や寿命が大幅に向上し、僅
かな形状記憶合金で動く、双安定式の差動型アクチュエ
ータを実用化できる(ただし、本発明においては、形状
記憶合金として、通常の形状記憶合金を用いることもで
きる)。
【0049】また、前記第一の実施例においては、外
からの力により、操作端部材7が一方の安定位置から他
方の安定位置に回動された場合には、中間部材3も反転
されてしまうので、前記外部の力がなくなっても、操作
端部材7および中間部材3は元の安定位置に戻ることは
ない。図12は、この現象を例示したものであり、外部
からの力により操作端部材7が実線で示す第一の操作端
部材安定位置から一点鎖線で示す第二の操作端部材安定
位置へ回動されると、ピン10とピン11とを結ぶ直線
(反転付勢手段12の力の作用線)が中間部材回動軸2
とピン10(中間部材3に対する反転付勢手段12の力
の作用点)とを結ぶ直線を越えた時点で中間部材3に対
する反転付勢手段12の付勢力の向きが反転するため、
中間部材3が実線で示す第一の中間部材安定位置から一
点鎖線で示す第二の中間部材安定位置に反転されてしま
う。したがって、前記外部の力がなくなっても、操作端
部材7および中間部材3は元の第一の操作端部材安定位
置および第一の中間部材安定位置に戻ることはない。勿
論、逆に、外部からの力により操作端部材7が第二の操
作端部材安定位置から第一の操作端部材安定位置へ回動
されたときも、同様にして中間部材3が第二の中間部材
安定位置から第一の中間部材安定位置に反転されてしま
い、前記外部の力がなくなっても、操作端部材7および
中間部材3は元の第二の操作端部材安定位置および第二
の中間部材安定位置に戻ることはない。
【0050】図13は、このような現象を防止すること
ができる本発明による形状記憶合金アクチュエータの第
二実施例を示している。この実施例においては、外部か
らの力により、操作端部材7が一方の安定位置から他方
の安定位置に回動されても、ピン10とピン11とを結
ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用線)が中間部材回
動軸2とピン10(中間部材3に対する反転付勢手段1
2の力の作用点)とを結ぶ直線を越えないようにアクチ
ュエータが構成されている。他の構成は前記第一実施例
と同様である。
【0051】このような構成とすることにより、操作端
部材7が一方の安定位置から他方の安定位置に回動され
ても、中間部材3は反転されないので、前記外部の力が
なくなると、操作端部材7は元の安定位置に戻るように
することができる(図13に例示されている場合につい
て言えば、外部からの力により操作端部材7が実線で示
す第一の操作端部材安定位置から一点鎖線で示す第二の
操作端部材安定位置へ回動されても、中間部材3は実線
で示す第一の安定位置に止まっており、したがって前記
外部の力がなくなると、操作端部材7は元の第一の操作
端部材安定位置に戻る)。
【0052】図14〜16は本発明による形状記憶合金
アクチュエータの第三実施例を示している。本実施例に
おいては、中間部材回動軸2と操作端部材回動軸6とを
同軸としている。他の構成は前記第一実施例と同様であ
る。
【0053】本実施例においても前記第一実施例と同様
の作用効果を得ることができる。ただし、ピン10(中
間部材3に対する反転付勢手段12の力の作用点)と操
作端部材回動軸6との距離が大きくなるため、操作端部
材7の安定位置の反転を行うのに中間部材3の大きな角
度変化が必要となる。
【0054】図17〜20は本発明の第四実施例を示し
ている。前記各実施例においては中間部材3が回動する
形式とされていたが、本実施例においては中間部材3が
スライド運動(直線移動)を行う形式とされている。こ
れを詳しく説明すると、アクチュエータ本体1にはピン
状の中間部材ストッパ18,19,20,21が立設さ
れており、中間部材ストッパ18と19との間および2
0と21との間に挟まれることにより、中間部材3が直
線方向に移動可能な状態でアクチュエータ本体1に支持
されている。そして、前記中間部材3はその移動範囲を
図20のように中間部材ストッパ20,21に当接する
第一の中間部材安定位置と、図17のように中間部材ス
トッパ18,19に当接する第二の中間部材安定位置と
の間に制限されている。前記アクチュエータ本体1には
操作端部材回動軸6が立設されており、この操作端部材
回動軸6には直線形のレバー状の操作端部材7の一端部
が該操作端部材回動軸6を中心として回動可能に支持さ
れている。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作
端部材ストッパ8および9が互いに間隔を置いて固定さ
れており、操作端部材7はその回動範囲を図20のよう
に操作端部材ストッパ8に当接する第一の操作端部材安
定位置と、図17のように操作端部材ストッパ9に当接
する第二の操作端部材安定位置との間に制限されてい
る。ここで、前記中間部材3の移動方向に対し垂直で操
作端部材回動軸6を通る直線Fに関して、中間部材スト
ッパ18,19と20,21および操作端部材ストッパ
8と9が対称的に配置されているので、前記直線Fに関
して前記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材
安定位置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部
材安定位置とがそれぞれ対称的な位置となっている。た
だし、この場合も、必ずしも対称的な配置としなくても
よい。
【0055】前記中間部材3の中央部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。前記中間部材3の移
動可能範囲の両側には、ピン22,23が立設されてお
り、ピン22と中間部材3との間には第一の形状記憶合
金14a、ピン23と中間部材3との間には第二の形状
記憶合金14bがそれぞれ渡されている。第一および第
二の形状記憶合金14a,14bは前記各実施例の場合
と同様にそれぞれ巨大な二方向性形状記憶効果を持つワ
イヤ状の形状記憶合金とされており、直線の引張方向に
記憶形状を持っており、加熱すると記憶している長さに
収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態で
も、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自分
で伸びて低温時の元の長さと形に戻る。
【0056】前記ピン22と中間部材3との間および、
ピン23と中間部材3との間は、スイッチ手段(図示せ
ず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続お
よび切断できるようになっている。
【0057】次に、本実施例の作動を説明する。図17
は、操作端部材7および中間部材3がそれぞれ反転付勢
手段12の力により操作端部材ストッパ9、中間部材ス
トッパ18,19に当接され、それぞれ第二の操作端部
材安定位置、第二の中間部材安定位置にある状態を示し
ている。この状態において、前記スイッチ手段によりピ
ン22と中間部材3との間を電源に接続し、第一の形状
記憶合金14aに通電すると、第一の形状記憶合金14
aが所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により反
転付勢手段12に抗して該形状記憶合金14aが記憶し
ている長さに戻ろうとして収縮するので、中間部材3が
図19のように図上左方向に直線的に移動して行く。し
かしながら、中間部材3がその中立位置(図19のよう
に直線Fにピン10が重なる位置で、この位置において
ピン10と11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の
作用線)が操作端部材回動軸6とピン11(操作端部材
7に対する反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直
線と一直線上に重なることとなる)に達するまでは、反
転付勢手段12が操作端部材7を時計方向に付勢してい
るので、操作端部材7は反転付勢手段12によって操作
端部材ストッパ9に当接されて、第二の操作端部材安定
位置に停止したままになっている。
【0058】しかしながら、図19のように中間部材3
が中立位置を左方に越えると、それまで操作端部材7を
時計方向に付勢していた反転付勢手段12が、逆に操作
端部材7を反時計方向に付勢するようになるので、操作
端部材7が反転付勢手段12の力により急に反時計方向
に動き出し、図20のように操作端部材ストッパ8に当
接されると、その位置、すなわち第一の操作端部材安定
位置で停止する。他方、中間部材3に関してみると、操
作端部材7の移動によってピン10とピン11とを結ぶ
直線(反転付勢手段12の力の作用線)が中間部材3の
移動方向に対し垂直な方向より反時計方向に傾くと、そ
れまで反転付勢手段12によって右方に付勢されていた
中間部材3が逆に左方に付勢されるようになるので、中
間部材3は反転付勢手段12の力(および第一の形状記
憶合金14a)によって中間部材ストッパ20,21に
当接されるまで左方に移動されて行き、中間部材ストッ
パ20,21に当接される位置、すなわち第一の中間部
材安定位置に停止する。
【0059】また、操作端部材7の第一の操作端部材安
定位置から第二の操作端部材安定位置への反転も全く同
様にして行われる。
【0060】図21〜24は本発明の第五実施例を示し
ている。前記各実施例においては、一方の形状記憶合金
が冷却しきらないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
ると、両方の形状記憶合金14a,14bが同時に形状
回復力を発生している状態になり、形状記憶合金が劣化
したり、破壊される虞があるが、本実施例はこのような
不都合を防止するものである。
【0061】本実施例においては、中間部材ストッパ
4,5はアクチュエータ本体1に凸部として形成されて
おり、これらの中間部材ストッパ4,5に中間部材3が
当接される位置がそれぞれ第一および第二の中間部材安
定位置とされている。また、アクチュエータ本体1の肩
部が操作端部材ストッパ8,9を構成しており、これら
のストッパ8,9に操作端部材7に設けられた支柱部2
5が当接される位置がそれぞれ第一および第二の操作端
部材安定位置とされている。このようにアクチュエータ
本体1、中間部材ストッパ4,5および操作端部材スト
ッパ8,9の形状等は変更されているが、基本的な構成
は前記第一実施例と同様とされている(対応する部品は
同一符号で示している)。前記第一実施例との主な相違
は、次に説明するように形状記憶合金14a,14bに
過大な負荷荷重が作用するのを防止する手段が設けられ
ていることである。
【0062】アクチュエータ本体1には、中間部材回動
軸2の下方において、スライド凹部26が設けられてお
り、このスライド凹部26にはスイッチ作動部材27が
図上上下方向に移動可能に嵌合されている。このスイッ
チ作動部材27はスライド凹部26の上端とアクチュエ
ータ本体1に固定されたストッパ28,29とにより、
その移動範囲を制限されている。前記スイッチ作動部材
27にはスイッチ操作片30が設けられている。第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bの一端部はスイ
ッチ作動部材27に立設されたピン16,17を介して
それぞれスイッチ作動部材27に固定されている。前記
スイッチ作動部材27に立設されたピン60とアクチュ
エータ本体1に立設されたピン31との間には引張コイ
ルばねからなる過負荷防止用ばね32が介装されてお
り、この過負荷防止用ばね32はスイッチ作動部材27
を下方、すなわち巻き掛け部13から遠ざかる方向に付
勢している。
【0063】前記アクチュエータ本体1にはリミットス
イッチからなる過負荷防止スイッチ33が取り付けられ
ている。この過負荷防止スイッチ33は、二つの電気伝
導性のよい板ばね34,35と、これらの板ばね34,
35にそれぞれ固定されて互いに対向された2つの接点
36,37と、板ばね34の先端部付近に設けられた電
気絶縁体41とを有しており、一方の接点36は中間部
材3の巻き掛け部13に固定部15において固定されて
いる第一および第二の形状記憶合金14a,14bの一
端部に板ばね34を介して電気的に接続され、他方の接
点37は板ばね35を介して電源38の一方の極に電気
的に接続されている。前記電源38の他方の極は第一お
よび第二の駆動スイッチ39,40の一端に電気的に共
通に接続されている。前記第一の駆動スイッチ39の他
端はピン16を介して第一の形状記憶合金14aの他端
部に電気的に接続され、第二の駆動スイッチ40の他端
はピン17を介して第二の形状記憶合金14bの他端部
に電気的に接続されている。
【0064】本実施例においては、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bに過大な負荷が作用されてい
ない状態では、過負荷防止用ばね32のばね力によりス
イッチ作動部材27は下方に移動されてストッパ28,
29に当接されている。この状態では、スイッチ作動部
材27のスイッチ操作片30が電気絶縁体41および板
ばね34を介して接点36を押し下げ、接点36と37
とを互いに接触させている。したがって、図21の実線
位置で示すように操作端部材7が第二の操作端部材安定
位置、中間部材3が第二の中間部材安定位置にそれぞれ
ある状態において、第一の駆動スイッチ39をオンする
と、第一の形状記憶合金14aに通電されて該合金14
aが加熱され、該合金14aが収縮するので、中間部材
3が図上時計方向に回動され、操作端部材7が一点鎖線
で示すように第一の操作端部材安定位置に反転するとと
もに中間部材3も一点鎖線で示すように第一の中間部材
安定位置に回動する。
【0065】次に、第一の形状記憶合金14aが十分に
冷却した後、第二の駆動スイッチ40をオンすると、第
二の形状記憶合金14bに通電されて該合金14bが加
熱され、該合金14bが収縮するので、操作端部材7が
第二の操作端部材安定位置に反転するとともに中間部材
3も第二の中間部材安定位置に回動する。このようにし
て、第一および第二の形状記憶合金14a,14bに過
大な負荷荷重が作用しない場合には、前記第一実施例の
場合と同様に動作する。
【0066】しかしながら、一方の形状記憶合金が冷却
しきらないうちに他方の形状記憶合金が加熱されたり、
両方の形状記憶合金14a,14bが同時に加熱される
ことによって両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を
発生している状態になったり、または大きい外力が作用
したりすることにより、第一および(または)第二の形
状記憶合金14a,14bに過大な負荷が作用すると、
図24のようにスイッチ作動部材27が図上上方に引き
上げられるので、スイッチ作動部材27がスイッチ操作
片30、電気絶縁体41および板ばね34を介して接点
36を押し下げなくなるため、接点36と37が離間さ
れる。これにより、それまで通電されていた第一または
(および)第二の形状記憶合金14a,14bに対する
通電が停止され、該形状記憶合金が冷却するので、第一
および第二の形状記憶合金14a,14bに形状記憶合
金が劣化したり、破壊されるのを防止できる。
【0067】なお、ストッパ28,29は必ずしも設け
なくてもよいが、本実施例のように設けておくと、スイ
ッチ作動部材27と巻き掛け部13との間の距離の上限
を設定することができ、これにより、前記上限を設けな
い場合におけるように過大な負荷が作用していないとき
にも両方の形状記憶合金にある程度以上の張力が作用
し、中間部材3が中央付近で安定しやすくなってアクチ
ュエータの動作が不安定になることを防止できる。
【0068】図25〜28は本発明の第六実施例を示し
ている。本実施例においては、中間部材3は該中間部材
3に設けられた長穴42を中間部材回動軸2に嵌合され
ることにより回動可能とされている。巻き掛け部13は
長穴42の周囲に長円状に形成されている。他の構成は
前記図1〜12の第一実施例および図21〜24の第五
実施例と同様とされている(対応する部品は同一符号で
示している)。
【0069】本実施例においては、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bがともに冷却しているとき
は、図25に示されるように、反転付勢手段12によ
り、中間部材3が図上上方に引き上げられ、中間部材回
動軸2は相対的に長穴42の一端(図上下端側)に偏倚
した状態となっており、これにより巻き掛け部13と第
一および第二の形状記憶合金14a,14bの反対側の
端部との間の距離が比較的に大きくなっている(図25
では、便宜上、中間部材が中立位置にあるように描いて
ある)。
【0070】また、図26に示されるように、一方の形
状記憶合金(図では第の形状記憶合金14)が十分
に冷却している状態において、他方の形状記憶合金(図
では第二の形状記憶合金14)が加熱されると、中間
部材3が回動し、前記第一実施例および第五実施例の場
合と同様に操作端部材7(図示せず)が反転する(この
場合、反転付勢手段12に抗して中間部材3が若干図上
下方に移動され、中間部材回動軸2が相対的に長穴42
の中間部に若干移動するようになっていてもよいし、中
間部材3が図上下方に移動せず、回動軸2が長穴42の
一端に偏倚したままの状態となるようになっていてもよ
い)。
【0071】また、図27に示されるように、一方の形
状記憶合金(図では第の形状記憶合金14)がまだ
十分冷却されていないうちに他方の形状記憶合金(図で
は第の形状記憶合金14)が加熱状態とされたとき
は、反転付勢手段12に抗して中間部材3が図上下方に
移動され、中間部材回動軸2が相対的に長穴42の他端
(図上上端)の方にある程度移動することにより、巻き
掛け部13と第一および第二の形状記憶合金14a,1
4bの反対側の端部との間の距離がある程度短くなるの
で、第一および第二の形状記憶合金14a,14bに過
大な負荷が作用するのを防止することができる。また、
前記のように中間部材回動軸2が相対的に長穴42の他
端(図上上端)の方にある程度移動することにより、形
状記憶合金の形状回復力が一時的に反転付勢手段12に
蓄えられる。その後、一方の形状記憶合金が冷却する
と、前記中間部材3の下方移動のため、中間部材3の回
動の当初、冷却した方の形状記憶合金は中間部材3が回
転しやすい方向に緩む(なお、図26の場合も、中間部
材回動軸2が相対的に若干移動するようになっている場
合には、同様に、中間部材3の回動当初に、冷却して収
縮していない形状記憶合金の方が中間部材3が回転しや
すい方向に緩む)。
【0072】さらに、第一および第二の形状記憶合金1
4a,14bが同時に加熱されている状態になると、図
28に示されるように、中間部材3が大きく引き下げら
れて、相対的に中間部材回動軸2が長穴42の他端(図
上上端)の方に大きく移動し、巻き掛け部13と第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bの反対側の端部
との間の距離が短くなるので、第一および第二の形状記
憶合金14a,14bに過大な負荷が作用するのを防止
することができる。
【0073】図29および30は本発明の第七実施例を
示している。本実施例においては、前記図25〜28の
第六実施例の構成にさらに過負荷防止スイッチ33が設
けられている。この過負荷防止スイッチ33は、前記図
21〜24の第五実施例におけるものと同様のものであ
り、通常の状態では、反転付勢手段12(本実施例にお
いては、本発明における過負荷防止用ばねを兼ねてい
る)の力により、中間部材3(本実施例においては、本
発明におけるスイッチ作動部材を兼ねている)が電気絶
縁体41を介して板ばね34を押圧して、接点36,3
7を互いに接触させているので、加熱すべき形状記憶合
金14aまたは14bに通電可能な状態となっている。
【0074】しかしながら、第一および第二の形状記憶
合金14a,14bが両方とも加熱状態となり、過大な
負荷が作用されると、図30に示されるように、反転付
勢手段12に抗して中間部材3が図上下方に大きく移動
され、相対的に中間部材回動軸2が長穴42の他端(図
上上端)の方に大きく移動し、電気絶縁体41が中間部
材3から離間し、接点36,37も互いに離間し、過負
荷防止スイッチ33が形状記憶合金14a,14bへの
通電回路を遮断し、形状記憶合金14a,14bへの通
電を停止させる。これにより、形状記憶合金14a,1
4bが保護される(なお、両方の形状記憶合金14a,
14bが加熱状態となったときのみならず、一方の形状
記憶合金がまだ十分冷却されていないうちに他方の形状
記憶合金が加熱状態とされたときも、接点36,37が
互いに離間し、形状記憶合金への通電が停止されるよう
にしてもよい)。
【0075】図31は本発明の第八実施例を示してい
る。本実施例においては、アクチュエータ本体(図示せ
ず)に固定された回動部材回動軸43には回動部材44
の中央部が回動を可能に支持されている。この回動部材
44には2つのプーリー45,46がそれぞれ回転可能
に支持されており、これらのプーリー45,46は回動
部材回動軸43を間に挟むように配置されている。ここ
において、本実施例では、回動部材44およびプーリー
45,46が可動当接体を構成している。回動部材44
と前記アクチュエータ本体1との間には引張コイルばね
からなる過負荷防止用ばね32が介装されており、この
ばね32は回動部材44を図上時計方向に付勢すること
により、プーリー46,45を第一および第二の形状記
憶合金14a,14bに押圧し、これらの形状記憶合金
14a,14bを伸張させようとするようになってい
る。前記アクチュエータ本体1に固定されたストッパ
6は、回動部材44が所定以上図上時計方向に回動でき
ないように回動部材44の回動範囲を制限しており、こ
れにより第一および第二の形状記憶合金14a,14b
を所定以上伸張させないように制限している。他の構成
は前記第一実施例と同様とされている(対応する部品は
同一符号で示している)。
【0076】本実施例においては、通常は、回動部材4
4は図31の位置またはそれに近い位置にあり、第一お
よび第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡される
経路を長くしており、この状態で前記第一実施例の場合
と同様な動作が行われる。
【0077】しかし、両方の形状記憶合金14a,14
bが同時に加熱状態とされたり、一方の形状記憶合金が
十分冷却されないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
たりすることにより、形状記憶合金14a,14bに過
負荷が作用したときは、回動部材44が過負荷防止用ば
ね32に抗して図上反時計方向に回動され、第一および
第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡される経路
が短くなって、第一および第二の形状記憶合金14a,
14bに作用する力が緩和されるので、過負荷が防止さ
れる。
【0078】図32は本発明の第九実施例を示してい
る。本実施例においては、アクチュエータ本体1(図示
せず)に固定された一対の回動部材回動軸47,48に
はそれぞれ回動部材49,50が回動を可能に支持され
ている。これらの回動部材49,50には部分的な歯車
部分51,52が設けられており、これらの歯車部分5
1,52を互いに噛み合わされている。各回動部材4
9,50にはそれぞれプーリー53,54が回転可能に
支持されている。ここにおいて、本実施例では、回動部
材49,50およびプーリー53,54が可動当接体を
構成している。回動部材47,48間には引張コイルば
ねからなる過負荷防止用ばね32が介装されており、こ
のばね32は図上回動部材49を時計方向、回動部材5
0を反時計方向に付勢することにより、プーリー54,
53を第一および第二の形状記憶合金14a,14bに
押圧し、これらの形状記憶合金14a,14bを伸張さ
せようとするようになっている。前記アクチュエータ本
体1に固定されたストッパ55は、回動部材50が所定
以上図上反時計方向に回動できないように回動部材50
の回動範囲を制限しており、これにより第一および第二
の形状記憶合金14a,14bを所定以上伸張させない
ように制限している。図示していないが、他の構成は前
記第一実施例と同様とされている。
【0079】本実施例においても、通常は、回動部材4
9,50は図32の位置またはそれに近い位置にあり、
第一および第二の形状記憶合金14a,14bが掛け渡
される経路を長くしており、この状態で前記第一実施例
の場合と同様な動作が行われる。
【0080】しかし、両方の形状記憶合金14a,14
bが同時に加熱状態とされたり、一方の形状記憶合金が
十分冷却されないうちに他方の形状記憶合金が加熱され
ることにより、形状記憶合金14a,14bに過負荷が
作用したときは、過負荷防止用ばね32に抗して回動部
材49が図上反時計方向、回動部材50が時計方向に回
動され、第一および第二の形状記憶合金14a,14b
が掛け渡される経路が短くなって、第一および第二の形
状記憶合金14a,14bに作用する力が緩和されるの
で、過負荷が防止される。
【0081】図33〜37は本発明による形状記憶合金
アクチュエータの第十実施例を示している。これらの図
のうち図33は、図34(図33のXXXIV−XXX
IV線における断面図)と組み合わせて参照することに
より、装置の構成が容易に理解されるようにするため
に、通常の使用状態ではあり得ない状態であるが、操作
端部材7および中間部材3を強制的に中立位置に位置に
固定した状態を示している。
【0082】この実施例は、単安定型アクチュエータを
構成するものであり、基本的には前記第一実施例の双安
定型アクチュエータにおける第二の形状記憶合金14
を中間部材復帰付勢手段56に置き換えた構成とされて
いる。これを詳しく説明すると、アクチュエータ本体1
には中間部材回動軸2が立設されており、この中間部材
回動軸2にはL字形をなした中間部材3の屈曲部が該中
間部材回動軸2を中心として回動可能に支持されてい
る。前記アクチュエータ本体1にはピン状の中間部材ス
トッパ4および5が互いに間隔を置いて固定されてお
り、中間部材3はその回動範囲を図35のように中間部
材ストッパ5に当接する中間部材安定位置と、図37の
ように中間部材ストッパ4に当接する中間部材一時反転
位置との間に制限されている。前記中間部材3の一端部
に立設されたピン57とアクチュエータ本体1に立設さ
れたピン58との間には引張コイルばねからなる中間部
材復帰付勢手段56が介装されており、この中間部材復
帰付勢手段56は中間部材3を中間部材安定位置に向か
って(すなわち図35〜37における反時計方向に)付
勢している。前記アクチュエータ本体1には操作端部材
回動軸6が立設されており、この操作端部材回動軸6に
は直線形のレバー状の操作端部材7の一端部が該操作端
部材回動軸6を中心として回動可能に支持されている。
前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作端部材スト
ッパ8および9が互いに間隔を置いて固定されており、
操作端部材7はその回動範囲を図35のように操作端部
材ストッパ9に当接する操作端部材安定位置と、図37
のように操作端部材ストッパ8に当接する操作端部材一
時反転位置との間に制限されている。
【0083】前記中間部材3の他端部にはピン10が立
設されており、操作端部材7の中間部にはピン11が立
設されている。前記ピン10とピン11との間には引張
コイルばねからなる反転付勢手段12が介装されてお
り、この反転付勢手段12はピン10とピン11とを互
いに近接する方向に付勢している。前記中間部材3に
は、中間部材回動軸2と同軸に横断面円形の巻き掛け部
13が一体的に設けられている。この巻き掛け部13に
は、ワイヤ状の形状記憶合金14の一端部が固定されて
おり(15はこの巻き掛け部13に対する形状記憶合金
14の固定部を示している)、この形状記憶合金14の
他端部はピン17を介してアクチュエータ本体1に固定
されている。これにより、形状記憶合金14の固定部1
5付近は巻き掛け部13に巻き掛けられた状態となって
いる。
【0084】前記形状記憶合金14は、前記各実施例の
場合と同様に巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記
憶合金とされている。前記ピン17と固定部15との間
は、スイッチ手段(図示せず)により、電源(図示せ
ず)に接続および切断できるようになっている。
【0085】次に、本実施例の作動を図35〜37の動
作説明図を用いて説明する。図35は、操作端部材7お
よび中間部材3がそれぞれ反転付勢手段12の力により
操作端部材ストッパ9、中間部材ストッパ5に当接さ
れ、それぞれの安定位置にある状態を示している。
【0086】この状態において、前記スイッチ手段によ
りピン17と固定部15との間を電源に接続し、形状記
憶合金14に通電すると、形状記憶合金14が所定温度
範囲まで加熱され、形状記憶効果により反転付勢手段1
2に抗して該形状記憶合金14が記憶している長さに戻
ろうとして収縮するので、巻き掛け部13ひいては中間
部材3が図36の矢印のように時計方向に回動して行
く。しかしながら、中間部材3がその中立位置、すなわ
ち図36のようにピン10とピン11とを結ぶ直線(反
転付勢手段12の力の作用線)が操作端部材回動軸6と
ピン11(操作端部材7に対する反転付勢手段12の力
の作用点)とを結ぶ直線と一直線上に重なることとなる
位置に達するまでは、反転付勢手段12が操作端部材7
を時計方向に付勢しているので、操作端部材7は反転付
勢手段12によって操作端部材ストッパ9に当接され
て、操作端部材安定位置に停止したままになっている。
【0087】しかしながら、中間部材3が図36の中立
位置を時計方向に越えると、それまで操作端部材7を時
計方向に付勢していた反転付勢手段12が、操作端部材
7を逆に反時計方向に付勢するようになるので、操作端
部材7が反転付勢手段12の力により急に動き出し、図
37のように急速に反時計方向に回動されて行き、操作
端部材ストッパ8に当接されると、その位置、すなわち
操作端部材一時反転位置に停止する。他方、中間部材3
に関してみると、操作端部材7の回動によってピン10
とピン11とを結ぶ直線(反転付勢手段12の力の作用
線)が中間部材回動軸2とピン10(中間部材3に対す
る反転付勢手段12の力の作用点)とを結ぶ直線を越え
ると、それまで反転付勢手段12によって反時計方向に
付勢されていた中間部材3が逆に時計方向に付勢される
ようになるので、反転付勢手段12の力(および形状記
憶合金14の形状回復力)によって中間部材ストッパ4
に当接されるまで反時計方向に回動されて行き、中間部
材ストッパ4に当接される位置、すなわち中間部材一時
反転位置に停止する。
【0088】また、図37のように中間部材3および操
作端部材7がそれぞれの一時反転位置に達した後、形状
記憶合金14に対する通電が停止され、形状記憶合金が
冷却すると、中間部材復帰付勢手段56により中間部材
3が反転付勢手段12に抗して反時計方向に回動されて
行き、中間部材3が図36の中立位置を反時計方向に越
えると、それまで操作端部材7を反時計方向に付勢して
いた反転付勢手段12が、操作端部材7を逆に時計方向
に付勢するようになるので、操作端部材7が反転付勢手
段12の力により急に動き出し、急速に時計方向に回動
されて行き、図35の操作端部材安定位置に復帰する。
なお、中間部材3も、中間部材復帰付勢手段56の力に
より中間部材安定位置に復帰する(なお、途中からは反
転付勢手段12の力も中間部材3を中間部材安定位置に
復帰させるように作用するようになる)。
【0089】このようにして、本実施例では、形状記憶
合金14を加熱することにより、中間部材3が中立位置
を越えると、安定位置にある操作端部材7が急に一時反
転位置へ反転し、かつ形状記憶合金14が冷却すると、
操作端部材7が元の安定位置へ戻る単安定型アクチュエ
ータが得られる。
【0090】なお、本実施例においても、外部から操作
端部材7に力が作用しても、その力が操作端部材7を通
じて形状記憶合金14に直接作用することがない。した
がって、外部から操作端部材7に作用する力により過剰
な応力が形状記憶合金14に加わり、性能が低下した
り、破壊されてしまうことがないので、耐久性を向上す
ることができる。
【0091】また、操作端部材7の動作は直接的には反
転付勢手段12の力によってなされるので、動作速度を
速くすることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減ら
し、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低
減、ひいては省資源を図ることができる。
【0092】また、本実施例のように単安定型アクチュ
エータを構成する場合も、前記図17〜20の第四実施
例と同様に中間部材3が直線運動を行うようにしたり、
前記第五実施例以下と同様に形状記憶合金14に対する
過負荷防止手段を設けることができる。
【0093】また、前記各実施例においては、形状記憶
合金を通電により加熱するものとしているが、本発明に
おいては、伝導加熱、対流や環境温度による加熱、赤外
線やレーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって
形状記憶合金を加熱してもよい。
【0094】また、前記各実施例においては、反転付
手段は、操作端部材の所定箇所と中間部材の所定箇所と
を互いに近づけるよう付勢しているが、互いに遠ざける
ように付勢する構成としてもよい。
【0095】また、前記各実施例においては、反転付
手段をコイルばねにより構成しているが、反転付勢手段
をコイルばね以外の板ばね等のばねや、気体を利用した
ばね等の他の種のばねとしてもよいし、反転付勢手段を
ゴム弾性を有するゴム弾性体により構成してもよい。ま
た、操作端部材および中間部材の所定箇所にそれぞれ磁
石(永久磁石または電磁石)を設けたり、操作端部材お
よび中間部材の所定箇所の一方に磁石、他方に磁性体を
設け、これらを反転付勢手段としてもよい。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明による形状記憶合金
アクチュエータは、(イ)外部から力が操作端に作用し
ても、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接作
用することがない、(ロ)動作速度が速い、(ハ)操作
端が2つの安定位置を持つ双安定型の形状記憶合金アク
チュエータや、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操
作端の位置が瞬間的な反転動作を行う単安定型アクチュ
エータを得ることができる、(ニ)過負荷防止手段を設
けることにより、差動型形状記憶合金アクチュエータに
おいて、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生
している状態になっても、形状記憶合金が劣化したり、
破壊されることがないようにすることができる、等の優
れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第
一実施例を示す正面図である。
【図2】前記第一実施例を、操作端部材および中間部材
を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示す
正面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図であ
る。
【図4】前記第一実施例において操作端部材および中間
部材がそれぞれ第二の安定位置にある状態を示す動作説
明図である。
【図5】前記第一実施例において図4の状態から中間部
材が回動され始めた状態を示す動作説明図である。
【図6】前記第一実施例において図5の状態から中間部
材が中立位置に達した状態を示す動作説明図である。
【図7】前記第一実施例において図6の状態から中間部
材が中立位置を越えた状態を示す動作説明図である。
【図8】前記第一実施例において操作端部材および中間
部材がそれぞれ第一の安定位置にある状態を示す動作説
明図である。
【図9】前記第一実施例において図8の状態から中間部
材が回動され始めた状態を示す動作説明図である。
【図10】前記第一実施例において図9の状態から中間
部材が中立位置に達した状態を示す動作説明図である。
【図11】前記第一実施例において図10の状態から中
間部材が中立位置を越えた状態を示す動作説明図であ
る。
【図12】前記第一実施例において操作端部材が外力に
より一方の安定位置から他方の安定位置に回動された場
合の状態を示す動作説明図である。
【図13】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第二実施例を示す正面図である。
【図14】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第三実施例を、操作端部材および中間部材がそれぞれ第
一の安定位置にある状態において示す正面図である(ア
クチュエータ本体および形状記憶合金等は図示を省略し
ている)。
【図15】前記第三実施例において中間部材の回動に伴
って操作端部材が反転する様子を示す動作説明図であ
る。
【図16】前記第三実施例を、操作端部材および中間部
材を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示
す断面図である。
【図17】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第四実施例を、操作端部材および中間部材がそれぞれ第
二の安定位置にある状態において示す平面図である。
【図18】前記第四実施例を示す背面図である。
【図19】前記第四実施例において図17の状態から中
間部材が中立位置に達した状態を示す動作説明図であ
る。
【図20】前記第四実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ第一の安定位置にある状態を示す動作
説明図である。
【図21】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第五実施例を示す正面図である。
【図22】前記第五実施例を示す背面図である。
【図23】前記第五実施例を、操作端部材および中間部
材を強制的に中立位置に位置に固定した状態において示
す断面図である(過負荷防止ばねは図示を省略してい
る)。
【図24】前記第五実施例において過負荷防止スイッチ
が切断された状態を示す正面図である。
【図25】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第六実施例を示す正面図である。
【図26】前記第六実施例において一方の形状記憶合金
が十分に冷却している状態において、他方の形状記憶合
金が加熱された状態を示す動作説明図である。
【図27】前記第六実施例において一方の形状記憶合金
がまだ十分冷却されていないうちに他方の形状記憶合金
が加熱されたときの様子を示す動作説明図である。
【図28】前記第六実施例において第一および第二の形
状記憶合金が同時に加熱された状態を示す動作説明図で
ある。
【図29】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第七実施例を正常状態において示す正面図である。
【図30】前記第七実施例を、過負荷状態において示す
正面図である。
【図31】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第八実施例を示す正面図である。
【図32】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第九実施例を示す正面図である。
【図33】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第十実施例を、操作端部材および中間部材を強制的に中
立位置に位置に固定した状態において示す正面図であ
る。
【図34】図33のXXXIV−XXXIV線における
断面図である。
【図35】前記第十実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ安定位置にある状態を示す動作説明図
である。
【図36】前記第十実施例において図35の状態から中
間部材が回動されて中立位置に達した状態を示す動作説
明図である。
【図37】前記第十実施例において操作端部材および中
間部材がそれぞれ一時反転位置に反転された状態を示す
動作説明図である。
【符号の説明】 1 アクチュエータ本体 2 中間部材回動軸 3 中間部材(スイッチ作動部材) 6 操作端部材回動軸 7 操作端部材 12 反転付勢手段(過負荷防止用ばね) 13 巻き掛け部 14 形状記憶合金 14a 第一の形状記憶合金 14b 第二の形状記憶合金 27 スイッチ作動部材 32 過負荷防止用ばね 33 過負荷防止スイッチ 38 電源 39 第一の駆動スイッチ 40 第二の駆動スイッチ 42 長穴 44 回動部材(可動当接体) 45,46 プーリー(可動当接体) 49,50 回動部材(可動当接体) 53,54 プーリー(可動当接体) 56 中間部材復帰付勢手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】変更
【補正内容】
【図26】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】変更
【補正内容】
【図27】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】変更
【補正内容】
【図28】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図29
【補正方法】変更
【補正内容】
【図29】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図30
【補正方法】変更
【補正内容】
【図30】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図31
【補正方法】変更
【補正内容】
【図31】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】変更
【補正内容】
【図32】

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作端が2つの安定位置を有する双安定
    型形状記憶合金アクチュエータであって、 第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置
    との間を移動可能な操作端部材と、第一の中間部材安定
    位置と第二の中間部材安定位置との間を移動可能な中間
    部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前
    記第一の中間部材安定位置に向かって動かすように前記
    中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復
    力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材
    安定位置に向かって動かすように前記中間部材に連係さ
    れた第二の形状記憶合金と、前記操作端部材の所定箇所
    と前記中間部材の所定箇所とを互いに近づくようにまた
    は遠ざけるように付勢する反転用付勢手段とを有してな
    り、 前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置にある
    ときは、前記中間部材が所定の中立位置より前記第一の
    中間部材安定位置側にある間は、前記操作端部材は前記
    反転用付勢手段により前記第一の操作端部材安定位置に
    向かって付勢されているが、前記中間部材が前記中立位
    置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に移動する
    と、前記操作端部材は前記反転用付勢手段により逆に前
    記第二の操作端部材安定位置に向かって付勢されるよう
    になる一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安
    定位置にあるときは、前記中間部材が所定の中立位置よ
    り前記第二の中間部材安定位置側にある間は、前記操作
    端部材は前記反転用付勢手段により前記第二の操作端部
    材安定位置に向かって付勢されているが、前記中間部材
    が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側
    に移動すると、前記操作端部材は前記反転用付勢手段に
    より逆に前記第一の操作端部材安定位置に向かって付勢
    されるようになるように構成されている形状記憶合金ア
    クチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記操作端部材は、前記第一の操作端部
    材安定位置と前記第二の操作端部材安定位置との間を回
    動可能とされている請求項1記載の形状記憶合金アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記中間部材は、前記第一の中間部材安
    定位置と前記第二の中間部材安定位置との間を回動可能
    とされている請求項1または2記載の形状記憶合金アク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 前記中間部材は該中間部材と一体的に回
    動する巻き掛け部を有し、前記第一および第二の形状記
    憶合金はワイヤ状とされていて、所定温度範囲に加熱さ
    れると記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発
    生して収縮するようになっており、かつそれぞれ形状回
    復力を発生したとき前記中間部材が回動されるように、
    前記前記巻き掛け部に巻き掛けられるようになっている
    請求項1,2または3記載の形状記憶合金アクチュエー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記中間部材は該中間部材に設けられた
    長穴を回動軸に嵌合されることにより回動可能とされて
    おり、前記反転付勢手段は前記回動軸を相対的に前記長
    穴の一端側に偏倚させ、前記第一および第二の形状記憶
    合金を伸張させようとする方向に前記中間部材を付勢す
    る請求項4記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 可動であって、前記第一および第二の形
    状記憶合金に当接する部分を有する可動当接体と、この
    可動当接体を前記一および第二の形状記憶合金に、より
    強く押圧して前記第一および第二の形状記憶合金を伸張
    させようとする方向に前記可動当接体を付勢する過負荷
    防止用ばねとを有する請求項4記載の形状記憶合金アク
    チュエータ。
  7. 【請求項7】 前記中間部材は、前記第一の中間部材安
    定位置と前記第二の中間部材安定位置との間を直線的に
    移動可能とされている請求項1または2記載の形状記憶
    合金アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記反転用付勢手段はばねである請求項
    1,2,3,4,5,6または7記載の形状記憶合金ア
    クチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記反転用付勢手段はゴム弾性を有する
    ゴム弾性体である請求項1,2,3,4,5,6または
    7記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記反転用付勢手段は磁石と磁石との
    組み合わせまたは磁石と磁性体との組み合わせである請
    求項1,2,3,4,5,6または7記載の形状記憶合
    金アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記第一および第二の形状記憶合金に
    それぞれ通電する通電手段と、前記第一の形状記憶合金
    および(または)第二の形状記憶合金に所定以上の負荷
    が掛かったときに前記通電手段からの前記第一の形状記
    憶合金および(または)第二の形状記憶合金に対する通
    電を停止する過負荷防止スイッチとを有してなる請求項
    1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の
    形状記憶合金アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 前記過負荷防止スイッチはリミットス
    イッチを構成しており、 前記過負荷防止スイッチに対し相対的に移動可能で、こ
    の相対的移動により前記過負荷防止スイッチをオン、オ
    フするようになっており、かつ前記第一の形状記憶合金
    および(または)第二の形状記憶合金に負荷が掛かる
    と、前記過負荷防止スイッチをオフすることとなる方向
    に移動されようとするように前記第一および(または)
    第二の形状記憶合金に連係されたスイッチ作動部材と、
    このスイッチ作動部材を前記過負荷防止スイッチをオン
    することとなる方向に付勢する過負荷防止用ばねとを有
    し、 前記第一の形状記憶合金および(または)第二の形状記
    憶合金に所定以上の負荷が掛かったときは、前記スイッ
    チ作動部材が前記過負荷防止用ばねに抗して所定以上相
    対的に移動し、前記過負荷防止スイッチをオフし、前記
    通電手段からの前記第一の形状記憶合金および(また
    は)第二の形状記憶合金に対する通電を停止する請求項
    11記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  13. 【請求項13】 操作端が1つの安定位置を有する単安
    定型形状記憶合金アクチュエータであって、 操作端部材安定位置と操作端部材一時反転位置との間を
    移動可能な操作端部材と、中間部材安定位置と中間部材
    一時反転位置との間を移動可能な中間部材と、形状回復
    力を発生したとき、前記中間部材を前記一時反転位置に
    向かって動かすように前記中間部材に連係された形状記
    憶合金と、前記中間部材を前記中間部材安定位置に向か
    って付勢する中間部材復帰付勢手段と、前記操作端部材
    の所定箇所と前記中間部材の所定箇所とを互いに近づく
    ようにまたは遠ざけるように付勢する反転用付勢手段と
    を有してなり、 前記操作端部材が前記操作端部材安定位置にあるとき、
    前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位
    置側にある間は、前記操作端部材は前記反転用付勢手段
    により前記操作端部材安定位置に向かって付勢されてい
    るが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部
    材一時反転位置側に移動すると、前記操作端部材は前記
    反転用付勢手段により逆に前記操作端部材一時反転位置
    に向かって付勢されるようになる一方、前記操作端部材
    が前記操作端部材一時反転位置にあるとき、前記中間部
    材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側に
    ある間は、前記操作端部材は前記反転用付勢手段により
    前記操作端部材一時反転位置に向かって付勢されている
    が、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材
    安定位置側に移動すると、前記操作端部材は前記反転用
    付勢手段により逆に前記操作端部材安定位置に向かって
    付勢されるようになるように構成されている形状記憶合
    金アクチュエータ。
  14. 【請求項14】 前記操作端部材は、前記操作端部材安
    定位置と前記操作端部材一時反転位置との間を回動可能
    とされている請求項13記載の形状記憶合金アクチュエ
    ータ。
  15. 【請求項15】 前記中間部材は、前記中間部材安定位
    置と前記中間部材一時反転位置との間を回動可能とされ
    ている請求項13または14記載の形状記憶合金アクチ
    ュエータ。
  16. 【請求項16】 前記中間部材は該中間部材と一体的に
    回動する巻き掛け部を有し、前記形状記憶合金はワイヤ
    状とされていて、所定温度範囲に加熱されると記憶して
    いる長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮する
    ようになっており、かつ形状回復力を発生したとき前記
    中間部材が回動されるように、前記巻き掛け部に巻き掛
    けられるようになっている請求項13,14または15
    記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  17. 【請求項17】 前記中間部材は該中間部材に設けられ
    た長穴を回動軸に嵌合されることにより回動可能とされ
    ており、前記反転付勢手段は前記回動軸を相対的に前記
    長穴の一端側に偏倚させ、前記形状記憶合金を伸張させ
    ようとする方向に前記中間部材を付勢する請求項16記
    載の形状記憶合金アクチュエータ。
  18. 【請求項18】 可動であって、前記形状記憶合金に当
    接する部分を有する可動当接体と、この可動当接体を前
    記形状記憶合金に、より強く押圧して前記形状記憶合金
    を伸張させようとする方向に前記可動当接体を付勢する
    過負荷防止用ばねとを有する請求項16記載の形状記憶
    合金アクチュエータ。
  19. 【請求項19】 前記中間部材は、前記中間部材安定位
    置と前記中間部材一時反転位置との間を直線的に移動可
    能とされている請求項13または14記載の形状記憶合
    金アクチュエータ。
  20. 【請求項20】 前記反転用付勢手段はばねである請求
    項13,14,15,16,17,18または19記載
    の形状記憶合金アクチュエータ。
  21. 【請求項21】 前記反転用付勢手段はゴム弾性を有す
    るゴム弾性体である請求項13,14,15,16,1
    7,18または19記載の形状記憶合金アクチュエー
    タ。
  22. 【請求項22】 前記反転用付勢手段は磁石と磁石との
    組み合わせまたは磁石と磁性体との組み合わせである請
    求項13,14,15,16,17,18または19記
    載の形状記憶合金アクチュエータ。
  23. 【請求項23】 前記形状記憶合金に通電する通電手段
    と、前記形状記憶合金に所定以上の負荷が掛かったとき
    に前記通電手段からの前記形状記憶合金に対する通電を
    停止する過負荷防止スイッチとを有してなる請求項1
    3,14,15,16,17,18,19,20,21
    または22記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  24. 【請求項24】 前記過負荷防止スイッチに対し相対的
    に移動可能で、この相対的移動により前記過負荷防止ス
    イッチをオン、オフするようになっており、かつ前記形
    状記憶合金に負荷が掛かると、前記過負荷防止スイッチ
    をオフすることとなる方向に移動されようとするように
    前記形状記憶合金に連係されたスイッチ作動部材と、こ
    のスイッチ作動部材を前記過負荷防止スイッチをオンす
    ることとなる方向に付勢する過負荷防止用ばねとを有
    し、前記形状記憶合金に所定以上の負荷が掛かったとき
    は、前記スイッチ作動部材が前記過負荷防止用ばねに抗
    して所定以上相対的に移動し、前記過負荷防止スイッチ
    をオフし、前記通電手段からの前記形状記憶合金に対す
    る通電を停止する請求項23記載の形状記憶合金アクチ
    ュエータ。
  25. 【請求項25】 前記形状記憶合金は、形状回復可能な
    ひずみ領域内で低温での変形に力を必要としないかまた
    はほとんど必要としない特性を有する形状記憶合金であ
    る請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,
    11,12,13,14,15,16,17,18,1
    9,20,21,22,23または24記載の形状記憶
    合金アクチュエータ。
JP2001070032A 2001-03-13 2001-03-13 形状記憶合金アクチュエータ Expired - Fee Related JP4067282B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070032A JP4067282B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 形状記憶合金アクチュエータ
PCT/JP2002/001706 WO2002073033A1 (fr) 2001-03-13 2002-02-26 Actionneur en alliage a memoire de forme

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070032A JP4067282B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 形状記憶合金アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002268748A true JP2002268748A (ja) 2002-09-20
JP4067282B2 JP4067282B2 (ja) 2008-03-26

Family

ID=18927974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001070032A Expired - Fee Related JP4067282B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 形状記憶合金アクチュエータ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4067282B2 (ja)
WO (1) WO2002073033A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513294A (ja) * 2003-09-09 2007-05-24 デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド スマートマッスルワイヤを持つ電動アクチュエータ
CN103370735A (zh) * 2010-11-05 2013-10-23 Eizo株式会社 传感器单元工作机构及具有该传感器单元工作机构的液晶显示装置
CN110543064A (zh) * 2019-04-12 2019-12-06 瑞声声学科技(深圳)有限公司 光学元件驱动装置、照相机及便携式电子设备

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080271559A1 (en) * 2005-08-11 2008-11-06 Alfmeier Prazision Ag Baugruppen Und Systemlosungen Turn-actuator with tensile element of shape memory alloy
KR102177953B1 (ko) * 2014-05-26 2020-11-12 엘지전자 주식회사 디스플레이 장치
US11585128B2 (en) 2019-05-29 2023-02-21 Faurecia Interior Systems, Inc. Actuator for a vehicle compartment
US11541820B2 (en) * 2020-03-30 2023-01-03 Faurecia Interior Systems, Inc. Actuator for a vehicle compartment
WO2023227213A1 (de) * 2022-05-25 2023-11-30 mateligent GmbH Thermoelastischer stellgeber in kompakter aufbauweise

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59206681A (ja) * 1983-05-07 1984-11-22 Shinichi Nishimura 動特性機構
JPS63309780A (ja) * 1987-06-10 1988-12-16 Nippon Denso Co Ltd 形状記憶合金アクチュエ−タ
JP2588003B2 (ja) * 1988-09-19 1997-03-05 時枝 直満 バイステーブル形状記憶合金装置
JP2736694B2 (ja) * 1989-11-28 1998-04-02 トキコーポレーション株式会社 直線運動型アクチュエータ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513294A (ja) * 2003-09-09 2007-05-24 デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド スマートマッスルワイヤを持つ電動アクチュエータ
CN103370735A (zh) * 2010-11-05 2013-10-23 Eizo株式会社 传感器单元工作机构及具有该传感器单元工作机构的液晶显示装置
CN110543064A (zh) * 2019-04-12 2019-12-06 瑞声声学科技(深圳)有限公司 光学元件驱动装置、照相机及便携式电子设备
JP2020173387A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 エーエーシー コミュニケーション テクノロジーズ(ジョウシュウ)カンパニーリミテッド 光学素子駆動装置、カメラ及び携帯電子機器
US11536924B2 (en) 2019-04-12 2022-12-27 Aac Optics Solutions Pte. Ltd. Optical element driving device, camera and portable electronic device

Also Published As

Publication number Publication date
JP4067282B2 (ja) 2008-03-26
WO2002073033A1 (fr) 2002-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8127543B2 (en) Methods of manufacturing highly integrated SMA actuators
US20040112049A1 (en) High stroke, highly integrated SMA actuators
JP2002268748A (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
US11536924B2 (en) Optical element driving device, camera and portable electronic device
JP4243042B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータおよびその設計方法
KR101820199B1 (ko) 형상 기억 액츄에이터를 갖는 쌍안정성 전기 스위치
JP4040794B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
JP4233290B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
CN1173728A (zh) 反向弹簧触点开关机构和热过载继电器
JP2009009840A (ja) 回路遮断器
JPH09147709A (ja) スイッチ装置
JP2010031721A (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
JP2804263B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
KR102485764B1 (ko) 열구동기 기반의 구동 시스템 및 상기 열구동기 기반의 구동 시스템을 이용한 로봇관절 및 로봇손
JP2736694B2 (ja) 直線運動型アクチュエータ
JP2588003B2 (ja) バイステーブル形状記憶合金装置
CN220585122U (zh) 一种隔离开关
JPS6326279B2 (ja)
JPS6348713A (ja) 死点通過型切替装置
JP2626989B2 (ja) 形状記憶合金装置
JPH0580590B2 (ja)
JPH0729734U (ja) 回路遮断器の接点構造
JPH0574309A (ja) 回路しや断器
JPH0375758B2 (ja)
JPH0828162B2 (ja) しや断器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140118

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees