JP2002267663A - 基底膜ケア薬剤 - Google Patents

基底膜ケア薬剤

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JP2002267663A
JP2002267663A JP2001063749A JP2001063749A JP2002267663A JP 2002267663 A JP2002267663 A JP 2002267663A JP 2001063749 A JP2001063749 A JP 2001063749A JP 2001063749 A JP2001063749 A JP 2001063749A JP 2002267663 A JP2002267663 A JP 2002267663A
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collagen
factor
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Satoshi Amano
聡 天野
Nobuko Sonehara
信子 曽根原
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、VII 型及び/又はIV型コラーゲン
産生制御因子をスクリーニングする方法、かかるスクリ
ーニング方法によりスクリ−ニングされたVII 型及び/
又はIV型コラーゲン産生制御因子、更にはかかるVII 型
及び/又はIV型コラーゲン産生制御因子を含有するVII
型及び/又はIV型コラーゲン産生制御剤、特に基底膜ケ
ア剤の提供を課題とする。 【解決手段】 VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制
御因子は、VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生細胞を
被験因子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生するVI
I 型/又はIV型コラーゲンを定量することによりスクリ
ーニングすることができた。かかるコラーゲン産生制御
因子のうち、VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生を促
進する因子は基底膜のダメージの修復に利用する基底膜
ケア剤に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VII 型及び/又は
IV型コラーゲン産生制御因子をスクリーニングする方
法、かかるスクリーニング方法によりスクリ−ニングさ
れたVII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制御因子、更
にはかかるVII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制御因
子を含有するVII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制御
剤、特に基底膜ケア剤を提供する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の構造は、大きく分けて角層、表
皮、基底膜、真皮から成る。IV、VII 型コラーゲンは表
皮と真皮とを結合させる働きを担う表皮基底膜成分であ
る。特に、VII 型コラーゲンは基底膜と真皮とを結合さ
せるアンカリング線維の主成分である。電子顕微鏡によ
る観察では、アンカリング線維の一端は表皮基底膜のラ
ミナデンサから発し、真皮中に存在するI型、III 型、
V型コラーゲンから構成されるコラーゲン線維と相互作
用し、再度基底膜のラミナデンサに結合している。この
巨大なネットワーク構造を形成することによって、基底
膜と真皮とは強く結合している。(Keene et al., J. Ce
ll Biol., 104:611-621 (1987)、Shimizu etal., Lab I
nvest. 1997 Jun. ;76(6): 753-63)。
【0003】IV型コラーゲンは分子量約185kDaの糖
蛋白質であり、α1(IV)、α2(IV)、α3(IV)、
α4(IV)、α5(IV)、α6(IV)と表記されている
ポリペプチド鎖をコードする6種類の遺伝子が同定され
ている。IV型コラーゲン分子においては、[α1(I
V)]2α2(IV)、α3(IV)α4(IV)α5(IV)及
びα5(IV)α6(IV)ポリペプチドが3本鎖を形成し
て存在し、皮膚ではα1(IV)、α2(IV)、α5(I
V)及びα6(IV)が存在していることが知られてい
る。そして、α5(IV)を欠損するX−連鎖アルポート
症候群(X-linked Alport syndrome)では皮膚基底膜の
構造異常が発生しないことから、皮膚基底膜における
[α1(IV)]2α2(IV)ポリペプチドの重要性が示
唆されていた。皮膚老化との関連では、皮膚基底膜中の
IV型コラーゲンが加齢と共に低下することが観察されて
いる(Vazquez F et al., Maturitas 1996, 25:209-1
5)。従って、表皮基底膜中のIV型コラーゲンは皮膚老化
の防止において重要な役割を担うものと考えられてい
る。しかしながら、生体内でIV型コラーゲンの産生がど
のようにして制御されているかは未だ十分には解明され
ていない。
【0004】一方、VII 型コラーゲン分子は分子量約30
0kDaのα1鎖の3本鎖から成り、分子同士がS―S
結合により2量体をつくり、これらが更に会合して線維
を形成している。ケラチノサイトと線維芽細胞は共にVI
I 型コラーゲンを産生することで知られている。しかし
ながら、生体内でVII 型コラーゲンの産生がどのように
制御されているかはよくわかっていない。
【0005】皮膚におけるアンカリング線維の役割は、
VII 型コラーゲン遺伝子の変異を原因とする先天性表皮
水泡症に基づき解明されている。この疾患では、VII 型
コラーゲン遺伝子上の変異のためにVII 型コラーゲン分
子構造が変化し、正常なアンカリング線維が形成され
ず、表皮層と真皮との結合力が弱まり、その結果皮膚に
力が加わると、皮膚はその構造を維持することができな
くなってしまう(Christiano, Nature Genet., 4:62-66,
1993)。
【0006】正常皮膚においては、生理的老化及び光老
化に伴いアンカリング線維の数が減少することが報告さ
れている(辻卓夫、日皮会誌 105:963-975, 1995, Tidm
an et al., J. Invest Dermatol., 83:448-453, 198
4)。高齢者の皮膚由来の線維芽細胞において、若いヒト
皮膚由来の線維芽細胞と比較して、VII 型コラーゲン産
生能が蛋白質レベル及びmRNAレベルで共に低下して
いることも報告されている(Chen et al., J. Invest. D
ermatol., 102:205-209, 1994)。従って、VII 型コラー
ゲンの存否が皮膚の老化症状の発現に関与している可能
性が考えられる。
【0007】レチノイン酸塗布によりしわ等の老徴現象
が改善されることはよく知られている。アンカリング線
維に関しては、UV障害皮膚にレチノイン酸を連続塗布
することによりアンカリング線維の数が有意に増加する
ことが報告されており、アンカリング線維数の回復がし
わの改善に関与している可能性が示唆されている(Wood
ley, JAMA, 263:3057-3059, 1990)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、IV及びVI
I 型コラーゲンは共に表皮基底膜中に存在し、皮膚の若
さの保持を担う重要な成分であるが、共に生体内におい
て如何なるメカニズムによりその産生が制御されている
か十分に解明されておらず、またそれらの産生を促進、
抑制する物質に関する検討は十分に行われていない。本
発明者は、IV及びVII 型コラーゲンの表皮基底膜におけ
る重要性に鑑み、その産生を促進する物質の存在を検討
した。その結果、本発明者は所定の物質がIV及びVII 型
コラーゲンの産生を促進することを見出すと共に、IV及
びVII 型コラーゲン産生制御因子を簡易にスクリーニン
グする方法の開発に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一の観点に
おいて、VII 型コラーゲン産生制御因子をスクリーニン
グする方法であって、VII 型コラーゲン産生細胞を被験
因子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生するVII 型
コラーゲンを定量することを特徴とする方法を提供す
る。かかる方法において、VII 型コラーゲン産生細胞の
VII 型コラーゲン産生能が制御(促進又は抑制)された
ら、当該因子はVII 型コラーゲン産生制御(促進又は抑
制)因子と認定できる。
【0010】好ましくは、前記VII 型コラーゲン産生細
胞はケラチノサイト又は線維芽細胞である。更に好まし
くは、前記VII 型コラーゲンの定量は、VII 型コラーゲ
ンに特異的な2種類のモノクローナル抗体を使用し、前
記細胞から産生されたVII 型コラーゲンをサンドイッチ
する免疫測定方法により実施する。更に好ましくは、前
記スクリーニング方法において、前記モノクローナル抗
体として抗VII 型コラーゲンモノクローナル抗体NP−
185及び/又はNP−32(G. P. Lunstrum et al.
J. Biol. Chem. 1987, 262:13706-13712)を利用する。
更に好ましくは、前記VII 型コラーゲン産生制御因子は
VII 型コラーゲン産生促進因子である。
【0011】別の態様において、本発明は前記VII 型コ
ラーゲンの産生制御因子をスクリーニングする方法によ
りスクリーニングされ得るVII 型コラーゲン産生制御因
子を提供する。好ましくは、前記VII 型コラーゲン産生
制御因子はVII 型コラーゲン産生促進因子である。
【0012】別の態様において、本発明は前記VII 型コ
ラーゲンの産生制御因子をスクリーニングする方法によ
りスクリーニングされ得るVII 型コラーゲン産生制御因
子を含有するVII 型コラーゲン産生制御剤を供する。好
ましくは、前記VII 型コラーゲン産生制御剤はVII 型コ
ラーゲン産生促進剤、より好ましくは基底膜ケア剤、更
により好ましくはヒト基底膜ケア剤である。
【0013】更なる別の態様において、本発明は抗VII
型コラーゲンモノクローナル抗体NP−185及び/又
はNP−32を利用する、VII 型コラーゲンの定量する
ための免疫測定方法を提供する。好ましくは、かかる方
法はサンドイッチ免疫測定方法である。更に好ましく
は、かかる免疫測定方法はサンドイッチELISA(Enz
yme Linked Immunosorbent Assay)である。
【0014】本発明は、第二の観点において、IV型コラ
ーゲン産生制御因子をスクリーニングする方法であっ
て、IV型コラーゲン産生細胞を被験因子と接触させ、し
かる後に当該細胞が産生するIV型コラーゲンを抗IV 型
コラーゲンモノクローナル抗体JK−199(Kino et
al. J. Biochem. 1988, 103:829-835)及び抗IV 型コラ
ーゲンポリクローナル抗体MO−S−CLIV(コスモ
バイオ株式会社)の組み合わせを利用する免疫測定方法
により定量することを特徴とする方法を提供する。好ま
しくは、かかる方法はサンドイッチ免疫測定方法であ
る。更に好ましくは、かかる免疫測定方法はサンドイッ
チELISAである。かかる方法において、IV型コラー
ゲン産生細胞のIV型コラーゲン産生能が制御(促進又は
抑制)されたら、当該因子はIV型コラーゲン産生制御
(促進又は抑制)因子と認定できる。
【0015】好ましくは、前記IV型コラーゲン産生細胞
はケラチノサイト又は線維芽細胞である。更に好ましく
は、前記IV型コラーゲン産生制御因子はIV型コラーゲン
産生促進因子である。
【0016】別の態様において、本発明は前記IV型コラ
ーゲンの産生制御因子をスクリーニングする方法により
スクリーニングされ得るIV型コラーゲン産生制御因子を
提供する。好ましくは、前記IV型コラーゲン産生制御因
子はIV型コラーゲン産生促進因子である。
【0017】別の態様において、本発明は前記IV型コラ
ーゲンの産生制御因子をスクリーニングする方法により
スクリーニングされ得るIV型コラーゲン産生制御因子を
含有するVII 型コラーゲン産生制御剤を供する。好まし
くは、前記IV型コラーゲン産生制御剤はIV型コラーゲン
産生促進剤、より好ましくは基底膜ケア剤、更により好
ましくはヒト基底膜ケア剤である。更に好ましくは、前
記IV型コラーゲン産生促進因子はトランスフォーミング
成長因子、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β及
び血小板由来増殖因子から成る群から選択されたI又は
2種以上のものである。
【0018】更なる別の態様において、本発明は抗IV
型コラーゲンモノクローナル抗体JK−199及び抗IV
型コラーゲンポリクローナル抗体MO−S−CLIV
の組み合わせを利用する、IV 型コラーゲンの定量する
ための免疫測定方法を提供する。好ましくは、かかる方
法はサンドイッチ免疫測定方法である。更に好ましく
は、かかる免疫測定方法はサンドイッチELISAであ
る。
【0019】本発明は、第三の観点において、基底膜ケ
ア因子をスクリーニングする方法であって、VII 型コラ
ーゲン産生細胞及びIV型コラーゲン産生細胞を各々被験
因子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生するVII 型
コラーゲン及びIV型コラーゲンを各々定量することを特
徴とする方法を提供する。かかる方法において、上記細
胞のIV型コラーゲン及びIV型コラーゲンの両者の産生能
が促進されたら、当該因子は基底膜ケア因子と認定でき
る。好ましくは、前記VII 型コラーゲン産生細胞及びIV
型コラーゲン産生細胞はケラチノサイト又は線維芽細胞
である。前記VII 型コラーゲンの定量のおいては、好ま
しくは、VII 型コラーゲンに特異的な2種類の抗体を使
用し、前記細胞から産生されたVII 型コラーゲンをサン
ドイッチする免疫測定方法により実施する。更に好まし
くは、前記抗体として抗VII 型コラーゲンモノクローナ
ル抗体NP−185及び/又はNP−32を利用する。
前記IV 型コラーゲンの定量のおいては、好ましくは、I
V 型コラーゲンに特異的な2種類の抗体を使用し、前記
細胞から産生されたVII 型コラーゲンをサンドイッチす
る免疫測定方法により実施する。更に好ましくは、前記
抗体として、抗IV 型コラーゲンモノクローナル抗体J
K−199及び抗IV 型コラーゲンポリクローナル抗体
MO−S−CLIVの組み合わせを利用する。
【0020】別の態様において、本発明は前記基底膜ケ
ア因子をスクリーニングする方法によりスクリーニング
され得る基底膜ケア因子を提供する。
【0021】別の態様において、本発明は前記基底膜ケ
ア因子をスクリーニングする方法によりスクリーニング
され得る基底膜ケア因子を含有する基底膜ケア剤、好ま
しくはヒト基底膜ケア剤を提供する。更に好ましくは、
前記基底膜ケア因子はトランスフォーミング成長因子、
腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β及び血小板由
来増殖因子から成る群から選択された1又2種以上のも
のである。
【0022】本発明は更に、皮膚基底膜をダメージから
保護するための、又は皮膚基底膜のダメージを修復する
ための方法であって、上記基底膜ケア剤を皮膚に塗布す
ることを含んで成る方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係るVII 型及び/又はIV
型コラーゲン産生制御因子をスクリーニングする方法
は、VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生細胞を被験因
子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生するVII 型及
び/又はIV型コラーゲンを定量することを特徴とする方
法を提供する。かかる方法において、VII 型及び/又は
IV型コラーゲン産生細胞のVII 型及び/又はIV型コラー
ゲン産生能が制御(促進又は抑制)されたら、当該因子
はVII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制御(促進又は
抑制)因子と認定できる。
【0024】本発明でいうVII 型及び/又はIV型コラー
ゲン産生能の促進とは、VII 型及び/又はIV型コラーゲ
ン産生細胞のVII 型及び/又はIV型コラーゲンを産生す
る能力を、コントロール細胞が産生するVII 型及び/又
はIV型コラーゲンの量と比較して、好ましくは少なくと
も10%、より好ましくは少なくとも50%、更に好ま
しくは少なくとも100%、特に200%以上高めるこ
とをいう。
【0025】また、本発明でいうVII 型及び/又はIV型
コラーゲン産生能の抑制とは、VII型及び/又はIV型コ
ラーゲン産生細胞のVII 型及び/又はIV型コラーゲンを
産生する能力を、コントロール細胞が産生するVII 型及
び/又はIV型コラーゲンの量と比較して、好ましくは少
なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%、更
に好ましくは少なくとも90%、特に95%以上抑制す
ることをいう。
【0026】上記VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生
細胞はVII 型及び/又はIV型コラーゲンを産生すること
のできる皮膚を構成する種々の細胞であってよいが、好
ましくはケラチノサイト又は線維芽細胞である。本発明
に係るスクリーニング方法において、かかる細胞は組織
から単離してそのまま使用してもよいし、又は好ましく
はその培養物を使用してもよい。ケラチノサイトや線維
芽細胞は皮膚より単離された均一の細胞として市販され
ており、ケラチノサイトはケラチノサイト増殖培地、線
維芽細胞は10%の牛胎児血清を含むDMEM(ダルベ
ッコ改良イーグル)培地を使用することにより当業者で
あれば容易に培養することができる(例えば、S.Amano
et al. J.Immunol. Method, 224:161-169, 1999参
照)。
【0027】VII 型及び/又はIV型コラーゲン産生細胞
とVII 型及び/又はIV型コラーゲン産生制御因子との接
触は、例えば適当な培地、例えばケラチノサイト増殖培
地やDMEM培地にて培養した上記細胞にかかる因子を
添加し、適当な時間、例えば1時間〜3日間、好ましく
は1〜2日間、37℃の温度でインキュベーションする
ことにより行うことができる。このようにしてインキュ
ベーションした後、培養液を回収し、細胞が培養液に放
出したVII 型及び/又はIV型コラーゲンの定量測定を行
う。培養プレートに結合したVII 型及び/又はIV型コラ
ーゲンと細胞内に残存するVII 型及び/又はIV型コラー
ゲンは、界面活性剤とタンパク質分解酵素阻害剤を含む
リン酸緩衝生理食塩液を培地を回収した後に添加し、凍
結後、氷上で超音波処理して回収し、抽出されたVII 型
及び/又はIV型コラーゲンの定量測定を行うことができ
る。
【0028】本発明に係るIV型コラーゲン又はVII 型コ
ラーゲンの定量方法は、IV型コラーゲン又はVII 型コラ
ーゲンを測定する任意の方法に従って実施することがで
きる。具体的には、免疫測定方法、例えば酵素ラベルを
利用するELISA法、放射性ラベルを利用するRIA
法、抗体と抗原との反応で生ずる濁りの吸光度の変化か
ら抗原量を定量する免疫比濁法、抗原と抗体感作ラテッ
クスビーズもしくは抗体感作赤血球との反応によって生
ずる凝集反応の度合いから抗原量を測定するラテックス
凝集法や赤血球凝集法等、様々な方法が挙げられる。免
疫測定法の方式には競合法やサンドイッチ法が挙げられ
る。
【0029】上記免疫測定方法において使用するIV型コ
ラーゲン又はVII 型コラーゲンに特異的な抗体はモノク
ローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい。モノク
ローナル抗体が特に好ましい。モノクローナル抗体やポ
リクローナル抗体の作成方法は当業者に周知であり、例
えばLunstrum et el., J Biol. Chem. 1986, 261: 9042
-9048; Hurle et al. J Cell Science 1994, 107: 2623
-2634に記載されている。
【0030】本発明に係るスクリーニング方法における
定量方法においては、サンドイッチ免疫測定法が特に好
ましい。特に、2種類のモノクローナル抗体を利用して
IV型又はVII 型コラーゲンをサンドイッチする免疫測定
方法が好ましい。
【0031】特に、本発明に係るVII 型コラーゲンの産
生制御因子をスクリーニングする方法においては、VII
型コラーゲンに特異的な2種類のモノクローナル抗体を
利用してVII 型コラーゲンをサンドイッチする免疫測定
方法が好ましい。
【0032】VII 型コラーゲンの高精度な定量は、本発
明者がはじめて達成できたものである。VII 型コラーゲ
ンに関しては、VII 型コラーゲンを特異的に認識する抗
体を用いるウェスタンブロッティング法にて、出現バン
ドの濃淡を指標とし、デンシトメーターにて測定する半
定量的な方法が報告されていた。しかしながら、かかる
方法は、電気泳動を行う前に濃縮操作、透析などの煩雑
な前処理を要し、多数の検体を処理するのには不向きで
あった。また、培養細胞を用い、細胞が産生したVII 型
コラーゲンを特異的抗体で免疫染色して、その染色強度
でVII 型コラーゲンの産生の程度を予想する方法が報告
されている(Chen et al., J. Invest.Dermatol., 102:
205-209, 1994)。しかしながら、かかる方法ではVII
型コラーゲンを数100ngのオーダーでしか測定できず、
半定量的であり、定量的な解析には不十分であった。し
かしながら、本発明者はVII 型コラーゲンに特異的な2
種類のモノクローナル抗体として抗VII 型コラーゲンモ
ノクローナル抗体NP−185及び/又はNP−32を
使用してVII 型コラーゲンをサンドイッチする免疫測定
方法を実施することにより、VII 型コラーゲンを数ngの
オーダーで定量することに成功した。
【0033】更に、本発明者は、IV型コラーゲンの定量
において、抗IV 型コラーゲンモノクローナル抗体JK
−199及び抗IV 型コラーゲンポリクローナル抗体M
O−S−CLIVの組み合わせを利用するサンドイッチ
免疫測定方法を実施することによりことにより、IV 型
コラーゲンを数ngのオーダーで定量することにも成功し
た。
【0034】上述のサンドイッチ免疫測定方法は例えば
下記の通りに実施できる。
【0035】2種類のIV型又はVII 型コラーゲンに特異
的な抗体の一方を一次抗体として担体に固定化する。担
体としては固体担体が好ましく、例えば固体担体として
免疫測定法において常用される任意のものを使用してよ
く、例えば任意の大きさ、形状に成形されたスチレンや
ポリスチレンなどの高分子担体のほか、これらの適当な
材料で成形した反応容器の内壁などが挙げられる。
【0036】上記一次抗体の担体への固定化は常法に従
って行うことができ、例えば上記一次抗体を緩衝液、例
えばリン酸緩衝食塩水(PBS)、重炭酸緩衝液などに
溶解して担体に吸着させることにより固定化することが
できる。また、例えば上記一次抗体に結合する抗体やそ
の他の蛋白質、例えばプロテインAまたはプロテインG
をあらかじめ担体に固定化し、これを上記一次抗体と接
触させる等してもよい。更に、非特異的な結合を抑える
ため、このようにして一次抗体を固定化した担体に適当
なブロッキング剤、例えばブロックエース(大日本製薬
株式会社製)を加え、約4〜40℃、好ましくは20〜
37℃で、5分から数日、好ましくは10分から24時
間、より好ましくは1〜3時間インキュベーションする
ことによりブロッキングするのが好ましい。
【0037】上記2種類のIV型又はVII 型コラーゲンに
特異的な抗体の他方の抗体は二次抗体として使用し、標
識する。標識としては、酵素標識、放射線標識、蛍光標
識、などが挙げられる。酵素標識する場合、酵素を二次
抗体に直接結合させて標識するか、または例えばアビジ
ンービオチンのような相互反応性蛋白質を介して間接的
に酵素で標識することもできる。酵素の抗体などへの結
合は、例えば市販のチオール導入基試薬を利用して酵素
及び標識すべき抗体などのそれぞれにチオール基を導入
してから両者をS−S結合させることで行うことができ
る。酵素としては、ホースラディッシュパーオキシダー
ゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダ
ーゼなどが挙げられる。酵素の検出は、その酵素に特異
的な基質を用いて行うことができる。例えばホースラデ
ィッシュパーオキシダーゼを利用する場合、ABTS
(2,2’−アジン‐ジ[3−エチルベンズチアゾリン
スルホネート])やTMB(3,3’,5,5’−テト
ラメチルベンジンジン)などが利用できる。
【0038】かかる免疫測定は、前記一次抗体を固定し
た担体、前記標識した二次抗体、被験細胞の培養上清液
等の被験試料を混合し、インキュベーションすることに
より、担体に固定化された一次抗体に被験試料中のIV型
又はVII 型コラーゲンを結合せしめ、このコラーゲン分
子に標識二次抗体を結合せしめる。
【0039】このようにして、標識化抗体は、試料中の
IV型又はVII 型コラーゲンの量を反映した量において、
担体に固定化された一次抗体と試料に由来するIV型又は
VII型コラーゲンを介して担体上に固定される。かかる
インキュベーションは、適当な緩衝液、例えばPBS中
で約4〜40℃、好ましくは20〜37℃で、5分から
数日、好ましくは10分から24時間、より好ましくは
10分〜3時間行う。
【0040】次に、上記担体から未結合の標識化抗体を
分離する操作を行う。担体が固体担体である場合、この
分離操作は固液分離により簡単に行うことができる。一
定の既知量の標識二次抗体を使用した場合、担体に結合
した標識もしくは未結合の標識又はこの両者を測定する
ことができる。他方、任意の標識抗体を使用した場合、
担体に結合した標識を検出、測定する。担体に結合した
標識を検出するには、好ましくは担体を洗浄液、例えば
適当な界面活性剤の入った緩衝液、例えばPBS−Tw
een20により洗浄して未結合の標識化抗体を除去し
た後に検出を行う。検出は標識の種類に依存して常法に
従って行うことができる。
【0041】VII 型及び/又はIV型コラーゲンの産生促
進因子、即ち基底膜ケア因子を含有する本発明に係る基
底膜ケア剤は、皮膚中の基底膜のVII 型及び/又はIV型
コラーゲンの産生を促進することで皮膚の基底膜をダメ
ージから保護、あるいは基底膜のダメージを修復する効
果を発揮し、また皮膚の老化を防止する作用をもつ。
【0042】本発明に係る、VII 型及び/又はIV型コラ
ーゲン産生促進剤はVII 型及び/又はIV型コラーゲンの
産生を促進するのに有効な量で、本発明に係るスクリー
ニング方法によりスクリーニングされたVII 型及び/又
はIV型コラーゲン産生促進剤因子を含む。特に、本発明
に係る基底膜ケア剤は基底膜ケア因子を基底膜ケア効果
を発揮するのに有効な量で含む。基底膜ケア因子の具体
的な配合量はその因子の種類、活性、基底膜ケア剤の剤
型及び用途に応じて適宜変えられるが、一般には当該基
底膜ケア剤1g当たり0.1 pmol〜1mol、好ましくは1pm
ol〜100μmol程度であろう。
【0043】また、本発明の基底膜ケア剤には、上記必
須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用
いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、
油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコ
ール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養
剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0044】その他、エデト酸二ナトリウム、エデト酸
三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖
剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム
酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリ
ンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロー
ル、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等
の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウ
ム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸
等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノー
ス、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レ
チノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等
のビタミンA類なども適宜配合することができる。
【0045】本発明の基底膜ケア剤は、例えば軟膏、ク
リーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮
膚外用剤に用いるものであればいずれでもよく、剤型は
特に問わない。
【0046】
【実施例】以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。
【0047】(1)コラーゲン標準品の調製 1)VII 型コラーゲン標準品の調製 VII 型コラーゲンの標準品としては、ヒトプラセンタホ
モジネートよりVII 型コラーゲンモノクローナル抗体を
結合させたアフィニティカラムを用いて精製したVII 型
コラーゲンを用いた(Rouselle et al., J Cell Biol.
1997 Aug.11, 138(3):719-28)。
【0048】2)IV型コラーゲン標準品の調製 IV型コラーゲンの標準品としては、Sigma社より販
売されているIV型コラーゲン(Sigma C7251)を用いた。
【0049】(2)抗体の調製 VII 型コラーゲン及びIV型コラーゲンに対するモノクロ
ーナル抗体及びポリクローナル抗体は上記精製VII 型コ
ラーゲン及びIV型コラーゲンをそれぞれ抗原として、モ
ノクローナル抗体の場合はマウスを感作動物として、ま
たポリクローナル抗体の場合はウサギを感作動物として
用い、常法(Lunstrum et al., J Biol.Chem. 1986, 26
1:9042-9048; Hurle et al., J Cell Science 1994, 10
7: 2623-2634)に従って作製されたものである。本実施
例において使用した抗体は以下の通りである: VII 型コラーゲン特異的抗体 モノクローナル抗体NP−185; モノクローナル抗体NP−32; IV型コラーゲン特異的抗体 モノクローナル抗体JK−199 ; ポリクローナル抗体MO−S−CLIV
【0050】(3)モノクローナル抗体の大量調製 ELISA実験に用いるため、純度の高いモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマの培養上清液より、プ
ロテインGを結合させたアフィニティカラムを用いてI
gG抗体を精製した。ハイブリドーマの培養には、Gi
bco−RBL社の無血清ハイブリドーマ培地に1%の
IgG抗体を取り除いた牛胎児血清(Gibco-RBL社)を
添加した培地を用いた。培養は、10段のセルファクト
リー(Nunc社)を用いて行い、培地1リットル又は1.
5リットル中でハイブリドーマをコンフルエントとなる
ように培養し、培養終了後、濾過によってハイブリドー
マを除去し、濾液をアフィニティカラムにかけ、産生さ
れたモノクローナル抗体(IgG)を精製した。(4)ポ
リクローナル抗体の精製 感作動物から得られた抗血清をプロテインA又はプロテ
インGを結合させたアフィニティカラムを用いてIgG
フラクションを精製分離した。このIgGフラクション
よりIV型コラーゲンペプチドを結合させたアフィニティ
ーカラムを用いて特異抗体を精製した。 (5)抗体のビオチン化 精製抗体を2mg/mlとなるようにPBSに溶解させた。
これに精製水に溶解した1mg/mlのスルホスクシニミジ
ル6−(ビオチンアミド)ヘキサノエートを抗体溶液1
mlに対して75μl添加し、室温で30分間反応させた。そ
の後、その反応液をPBSに対して透析し、ビオチン化
抗体を得た。
【0051】実施例1 2種類のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチEL
ISAによるVII 型コラーゲンの測定 精製抗VII 型コラーゲンモノクロナル抗体NP−185
を5μg/mlの濃度になるようにPBSを用いて調製し、
これを100μlずつ、96穴ELISAプレートの各ウ
ェルに分注し、一晩室温におき、プレートの固相に抗体
NP−185を結合させた。その後、プレートへの非特
異的な結合を阻害するために、ブロッキング溶液(ブロ
クエースをPBS−Tween 20で1/4希釈した溶液、300
μl/ウェル)にて1時間インキュベートした。この抗体
結合プレートは-20℃において長期保存が可能であ
る。
【0052】検体と標準品の溶液を、ブロッキング溶液
をあらかじめ入れておいたNP−185結合プレートの
各ウェルに添加した。抗原抗体反応を37℃で2時間行
い、VII 型コラーゲンをこのプレートに結合したNP−
185と反応させて固相に固定した。洗浄して非特異的
に結合した成分を除去した後、ビオチン化抗VII 型コラ
ーゲンモノクローナル抗体NP−32とアビジン−HR
P(ホスラディッシュパーオキシダーゼ)とを含むPB
S−Tween溶液を100μl各ウェルに添加し、更に1時間
反応させた。洗浄後、HRPの基質であるABTS(図
1)又はTMB溶液(図2)を加え、405又は450nmの吸
光度をELISAプレートリーダーを用いて測定した。
標準物質で同時に作製した検量線(図1及び2)から、
検体中のVII 型コラーゲン量を算出した。図1及び2の
結果から明らかな通り、本ELISAに従うと、0-50ng
/mlの範囲において良好な直線性が確認され、VII 型コ
ラーゲンをng/mlのオーダーで定量測定することできる
ことがわかる。
【0053】実施例2 希釈直線性の検討 2種類の培養液検体のPBS希釈系列を作製し、上記E
LISAの希釈直線性を検討した。その結果を図3に示
す。図3の結果から明らかな通り、上記ELISA測定
法の検体希釈直線性は極めて良好であった。
【0054】実施例3 添加回収試験 検体に50ng/mlのVII 型コラーゲン標準検体を添加し、
上記ELISAによりVII型コラーゲンの量を測定する
ことで添加回収試験を行った。その結果を下記の表1に
示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果から明らかな通り、上記ELI
SAにおいて、VII 型コラーゲンの添加量が良好に測定
結果に反映することが確認された。
【0057】実施例4 2種類の抗体を用いたサンドイッチELISAによるIV
型コラーゲンの測定 精製抗IV型コラーゲンモノクロナル抗体JK−199を
14.5μg/mlの濃度になるようにPBSを用いて調製
し、これを100μlずつ、96穴ELISAプレートの
各ウェルに分注し、一晩室温におき、プレートの固相に
抗体JK−199を結合させた。その後、プレートへの
非特異的な結合を阻害するために、ブロッキング溶液
(ブロクエースをPBS−Tween 20で1/4希釈した溶
液、300μl/ウェル)にて1時間インキュベートした。
この抗体結合プレートは-20℃において長期保存が可
能である。
【0058】検体と標準品の溶液を、ブロッキング溶液
をあらかじめ入れておいたJK−199結合プレートの
各ウェルに添加した。抗原抗体反応を37℃で2時間行
い、IV型コラーゲンをこのプレートに結合したJK−1
99と反応させた固相に固定した。洗浄して非特異的に
結合した成分を除去した後、ビオチン化抗IV型コラーゲ
ンポリクローナル抗体MO−S−CLIVとアビジン−
HRPとを含むPBS−Tween溶液を100μl各ウェルに
添加し、更に1時間反応させた。洗浄後、HRPの基質
であるABTS又はTMB溶液を加え、405又は450nmの
吸光度をELISAプレートリーダーを用いて測定し
た。標準物質で同時に作製した検量線(図4)から、検
体中のIV型コラーゲン量を算出した。図4の結果から明
らかな通り、本ELISAに従うと、0-50ng/mlの範囲
において良好な直線性が確認された。
【0059】実施例5 VII 型及びIV型コラーゲン産生評価試験 1)表皮ケラチノサイトの培養とVII 型及びIV型コラー
ゲン産生評価試験 表皮ケラチノサイトはヒト包皮より単離し、カルシウム
濃度の低いケラチノサイト増殖培地(KGM)にて培養
した。この培地には牛脳下垂体抽出液とEGFを添加し
た。細胞を第4代までKGMで培養後、トリプシン−E
DTA処理によって接着細胞を浮遊させ、濾過によって
細胞の凝集物を除き、均一な細胞懸濁液を得た。遠心分
離によって細胞を集め、KGMに再懸濁後、24穴プレ
ートに蒔いた。細胞が接着した後、培地を除き、被験物
質とアスコルビン酸、そのリン酸塩、及びそのグルコー
ス結合体を添加したKGM又はDMEM−F12(2:
1)−0.1%BSAを添加した。その後、培養液中に
遊離されたIV、VII 型コラーゲン量及び細胞層に存在す
るIV、VII 型コラーゲンを可溶化して上記サンドイッチ
ELISAにて定量した。 2)線維芽細胞の培養とVII 型及びIV型コラーゲン産生
評価試験 線維芽細胞は、ヒト皮膚真皮より単離し、DMEM−1
0%FBSにて培養した。細胞を24穴プレートに蒔き、
被験物質を含むアスコルビン酸、そのリン酸塩、及びそ
のグルコース結合体を添加したDMEM−0.25%F
BSにて培養し、培養液中に遊離されたIV、VII 型コラ
ーゲン量及び細胞層に存在するIV、VII型コラーゲンを
可溶化して上記サンドイッチELISAにて定量した。
これらの結果を以下の表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2に示すように、ケラチノサイト及び線
維芽細胞に各種のサイトカイン、増殖因子を作用させ、
IV型、VII 型コラーゲン産生に及ぼす影響に関して検討
した。培地中に遊離されたIV型、VII 型コラーゲンは、
上記IV型、VII 型コラーゲンに特異的なサンドイッチE
LISAにて測定した。ケラチノサイトではトランスフ
ォーミング成長因子−β1がIV型、VII 型コラーゲンの
産生を高める作用を示した。同様に、線維芽細胞におい
ても、検討したサイトカイン、トランスフォーミング成
長因子−β1、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1
β、及び血小板由来増殖因子が濃度依存性をもってIV
型、VII 型コラーゲンの産生を高めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】基質としてABTSを用いた本発明に係るVII
型コラーゲンサンドイッチELISAの検量線。
【図2】基質としてTMBを用いた本発明に係るVII 型
コラーゲンサンドイッチELISAの検量線。
【図3】本発明に係るVII 型コラーゲンサンドイッチE
LISAの希釈直線性。
【図4】IV型コラーゲンサンドイッチELISAの検量
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/02 G01N 33/53 D G01N 33/15 C12P 21/08 33/53 (C12Q 1/02 // C12P 21/08 C12R 1:91) (C12Q 1/02 (C12P 21/08 C12R 1:91) C12R 1:91) (C12P 21/08 A61K 37/02 C12R 1:91) 37/24 Fターム(参考) 2G045 AA40 CB09 DA36 FA26 FA27 FA29 FB03 FB07 GC10 4B063 QA01 QA20 QQ08 QQ79 QR48 QS33 QX02 4B064 AG26 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA13 4C084 AA02 AA17 DA13 DA25 DB52 MA02 MA63 NA05 ZA891 ZB211 ZC781

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VII 型コラーゲン産生制御因子をスクリ
    ーニングする方法であって、VII 型コラーゲン産生細胞
    を被験因子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生する
    VII 型コラーゲンを定量することを特徴とするスクリー
    ニング方法。
  2. 【請求項2】 前記VII 型コラーゲン産生細胞がケラチ
    ノサイト又は線維芽細胞である、請求項1記載のスクリ
    ーニング方法。
  3. 【請求項3】 前記VII 型コラーゲンの定量を、VII 型
    コラーゲンに特異的な2種類のモノクローナル抗体を使
    用し、前記細胞から産生されたVII 型コラーゲンをサン
    ドイッチする免疫測定方法により実施する、請求項1又
    は2記載のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 前記モノクローナル抗体として抗VII 型
    コラーゲンモノクローナル抗体NP−185及び/又は
    NP−32を利用することを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1項記載のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 前記VII 型コラーゲン産生制御因子がVI
    I 型コラーゲン産生促進因子である、請求項1〜4のい
    ずれか1項記載のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法
    によりスクリーニングされ得るVII 型コラーゲン産生制
    御因子。
  7. 【請求項7】 前記VII 型コラーゲン産生制御因子がVI
    I 型コラーゲン産生促進因子である、請求項6記載のVI
    I 型コラーゲン産生制御因子。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のVII 型コラーゲンの産生
    制御因子を含有するVII 型コラーゲン産生制御剤。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のVII 型コラーゲン産生促
    進因子を含有する基底膜ケア剤。
  10. 【請求項10】 抗VII 型コラーゲンモノクローナル抗
    体NP−185及び/又はNP−32を利用することを
    特徴とする、VII 型コラーゲンを定量するための免疫測
    定方法。
  11. 【請求項11】 IV型コラーゲン産生制御因子をスクリ
    ーニングする方法であって、IV型コラーゲン産生細胞を
    被験因子と接触させ、しかる後に当該細胞が産生するIV
    型コラーゲンを抗IV 型コラーゲンモノクローナル抗体
    JK−199及び抗IV 型コラーゲンポリクローナル抗
    体MO−S−CLIVの組み合わせを利用してサンドイ
    ッチする免疫測定方法により定量することを特徴とす
    る、スクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 前記IV型コラーゲン産生細胞がケラチ
    ノサイト又は線維芽細胞ある、請求項11記載のスクリ
    ーニング方法。
  13. 【請求項13】 前記IV型コラーゲン産生制御因子がIV
    型コラーゲン産生促進因子である、請求項11又は12
    項記載のスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 請求項11又は12記載の方法により
    スクリーニングされ得るIV型コラーゲン産生制御因子。
  15. 【請求項15】 前記IV型コラーゲン産生制御因子がIV
    型コラーゲン産生促進因子である、請求項14記載のIV
    型コラーゲン産生制御因子。
  16. 【請求項16】 請求項14記載のIV型コラーゲン産生
    制御因子を含有するVII 型コラーゲン産生制御剤。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のIV型コラーゲン産生
    促進因子を含有する基底膜ケア剤。
  18. 【請求項18】 トランスフォーミング成長因子、腫瘍
    壊死因子α、インターロイキン−1β及び血小板由来増
    殖因子から成る群から選択された1又は2種以上のIV型
    コラーゲン産生促進因子を含有する、請求項17記載の
    基底膜ケア剤。
  19. 【請求項19】 基底膜ケア因子をスクリーニングする
    方法であって、VII型コラーゲン産生細胞及びIV型コラ
    ーゲン産生細胞を各々被験因子と接触させ、しかる後に
    当該細胞が産生するVII 型コラーゲン及びIV型コラーゲ
    ンを各々定量することを特徴とするスクリーニング方
    法。
  20. 【請求項20】 前記VII 型コラーゲン産生細胞及びIV
    型コラーゲン産生細胞が各々ケラチノサイト又は線維芽
    細胞ある、請求項19記載のスクリーニング方法。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20記載の方法により
    スクリーニングされ得る基底膜ケア因子。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の基底膜ケア因子を含
    有する基底膜ケア剤。
  23. 【請求項23】 トランスフォーミング成長因子、腫瘍
    壊死因子α、インターロイキン−1β及び血小板由来増
    殖因子から成る群から選択された1又は2種以上の基底
    膜ケア因子を含有する、請求項22記載の基底膜ケア
    剤。
  24. 【請求項24】 基底膜をダメージから保護するため
    の、又は基底膜のダメージを修復するための方法であっ
    て、請求項9、17、18、22又は23記載の基底膜
    ケア剤を皮膚に塗布することを含んで成る方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006070921A1 (ja) * 2004-12-28 2006-07-06 Shiseido Company, Ltd. Ⅳ型およびⅶ型コラーゲン産生促進剤
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