JP2002267639A - コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法 - Google Patents

コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法

Info

Publication number
JP2002267639A
JP2002267639A JP2001069341A JP2001069341A JP2002267639A JP 2002267639 A JP2002267639 A JP 2002267639A JP 2001069341 A JP2001069341 A JP 2001069341A JP 2001069341 A JP2001069341 A JP 2001069341A JP 2002267639 A JP2002267639 A JP 2002267639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
sensor
concrete structure
concrete
inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001069341A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimitsu Hironaka
美光 弘中
Masanori Yoshioka
正則 吉岡
Masashi Nakamitsu
眞史 中光
Susumu Inoue
進 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001069341A priority Critical patent/JP2002267639A/ja
Publication of JP2002267639A publication Critical patent/JP2002267639A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート製のトンネル壁、橋脚、梁、床、壁等
に内在する空隙を、単数又は複数の超音波センサーを用
いて非破壊で広範囲に短時間で検査する装置及びそれを
用いた検査方法を提供する。 【解決手段】超音波センサーを固定したセンサーホルダ
ーを、等間隔に又は所定の距離をおいて不等間隔に一列
又は複数列の並びで配置し、横方向にスライド自在にホ
ルダー固定バーに固定するとともに、前記ホルダー固定
バーがセンサー枠上を、縦方向にスライド自在できるよ
うに構成されているコンクリート構造物の超音波検査装
置、及び、複数個の超音波センサーをコンクリート表面
に密着させ、信号切換装置で、送信、受信超音波センサー
を選択することにより、超音波センサーを移動すること
なく行うコンクリート構造体の検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート構造物
の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法に関する。
さらに詳しくは、例えば、コンクリート製のトンネル
壁、橋脚、梁、床、壁等に内在する内在する空隙、剥離
及びその他の介在物(以下欠陥等という)を、単数又は
複数の超音波プローブを用いて非破壊で検査するコンク
リート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート構造物、特に鉄道又
は自動車道路等のトンネル壁などのコンクリート構造物
は、大小の鉄筋、骨材、コンクリート内部の亀裂、型枠
木片等を含んだ異物等の存在が避けられず、その内部構
造が一様ではない。このような、内部構造のコンクリー
ト構造物は、長期の使用による振動、地震、材質劣化等
により強度が減少し、構造物内部で剥離、亀裂等が発生
し、構造物全体の破壊につながるおそれがあった。
【0003】このような事態を防ぐため、コンクリート
構造物の健全度を検査する最も基本的な手段として、古
来から、小型ハンマーで要所を叩く診断法が用いられて
いるが、これには相当な熟練を要する。しかも、検査員
の疲労による感度の変動を避けられないという問題があ
った。
【0004】さらに、コンクリート構造物に亀裂が発生
している場合には、この打診によって、数kg〜数十k
gレベルの剥片の落下を助長することがあり、これは検
査員の生命にも関わる危険な作業であった。
【0005】コンクリート構造物の検査法として、レー
ダーを用いる方法、赤外線を用いる方法が試みられてい
るが、これらは非接触で高速調査が可能ではあるが、検
査装置の大型化などの難点もあり、調査不可能部分も多
い。そのため、超音波を用いた各種の診断装置が考案さ
れ、コンクリート構造物の検査法として広く用いられて
いる。
【0006】これらの例として、特開昭63−2476
08号公報、特開平5−332758号公報、特開20
00−88819公報等が挙げられる。
【0007】特開昭63−247608号公報において
は、コンクリート表面に2個の超音波プローブを配置
し、1方の超音波プローブから超音波を発振し、他の超
音波プローブで受信し、受信された信号をフーリエ変換
することで、周波数スペクトルから最小周波数(f)を
求めるか、又は一方の超音波プローブから発信される超
音波の発信間隔(f)を変化させながら他の超音波プロ
ーブで受信しコンクリート厚さに応じた共振周波数を求
め、2d/c=1/f(d:版厚、c:音速、f:周波
数)の式より版厚を推定する。
【0008】特開平5−332758号公報において
は、複数の超音波プローブをコンクリート表面の複数箇
所に配置し、それらの複数超音波プローブより同時に超
音波を投入し、コンクリート中を伝搬した超音波が対向
版面あるいは骨材等から反射され、このとき複数個の超
音波プローブで受信された信号を同時に表示器に表示さ
せることによって、骨材等から反射された信号を消去す
る。
【0009】特開2000−88819公報において
は、一定の範囲のコンクリート表面で超音波プローブを
連続して移動し、数千回の得られた信号を高速で、加算
平均することによって骨材等のノイズを除去する。上記
の方法は、目的信号の抽出のために、ある測定点におい
て時間をかけて精度良く空隙又は版厚を測定することに
は一定の効果がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の測定方
法は、いずれも検査に要する時間の要素を考慮していな
いという問題がある。例えば、被検体がトンネル、橋梁
等である場合は、列車や車輌の通行の停止、煙突である
場合は、ボイラー運転の停止を余儀なくする。これらの
被検体の停止は、その経済的、社会的影響が大きい。そ
こで、被検体の停止期間を短くして、経済的・社会的損
失を少なくするためには短期間のうちに検査作業を終了
することが要求される。
【0011】また、コンクリート構造物は巨大なものが
少なくないので、全体を検査しようとすれば、従来の方
法では膨大な時間と労力を要していた。そこで、巨大な
コンクリート構造物を効率よく短時間で検査でき、しか
も骨材等のノイズの影響を少なくする方法が求められて
いた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波検査装置
は、超音波センサーを固定したセンサーホルダーを、等
間隔に又は所定の距離をおいて不等間隔に一列又は複数
列の並びで配置し、横方向にスライド自在にホルダー固
定バーに固定するとともに、前記ホルダー固定バーがセ
ンサー枠上を、縦方向にスライド自在であるように構成
されていることを特徴とする。
【0013】このような超音波検査装置は、センサーホ
ルダーに固定された超音波センサーの移動位置を検出す
るためのセンサーが、センサー枠に取り付けられてある
ことが好ましい。
【0014】また、本発明の超音波検査装置は、アーム
先端に取り付けられているものであることが望ましい。
これにより、高所での検査が容易になる。
【0015】また、超音波検査装置は、コンクリート構
造物の表面に存在する、ほこり、土等のスケールを除去
するために、超音波センサー近傍に接触媒質を噴射する
液体噴射装置を設けてあることが望ましい。これによ
り、洗浄効果を期待でき、全体として時間短縮の要因と
なる。
【0016】本発明のコンクリート構造物の超音波検査
方法は、センサーホルダーに装着された複数の超音波セ
ンサーをコンクリート構造物の表面に接触させ、各超音
波センサーから発信された超音波が対向版面又は内部欠
陥等で反射された超音波信号を、当該超音波センサーで
受信するように信号切換装置を介してシーケンス制御さ
せることを特徴とする。これにより、人手で超音波セン
サーを頻繁に移動することなく、検査時間の効率化を図
ることができる。
【0017】本発明のコンクリート構造物の超音波検査
方法は、センサーホルダーに装着された複数の超音波セ
ンサーをコンクリート構造物の表面に接触させ、各超音
波センサーから発信された超音波が対向版面又は内部欠
陥等で反射された超音波信号を、当該超音波センサー以
外で受信するように信号切換装置を介してシーケンス制
御させることを特徴とする。
【0018】このような検査方法を用いることにより、
時間領域でデータを解析するときに、超音波を発信した
センサーと同一センサーで超音波を受信すると、発信パ
ルスに時間的幅があるので表面近傍は不感帯となり、そ
の中に欠陥等の目的信号が混在しても、当該信号を識別
することが困難なる不利な点を補完することができる。
【0019】本発明の超音波検査方法は、1探法と2探
法を併用した検査方法を用いるので、超音波送受信にお
いて多くの欠陥データが得られ、しかもその識別困難な
時間帯は重なることがないので相互に補完しあうことが
でき、識別困難な時間帯のデータは使用しないことで解
析の簡易化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のコンクリート構
造物の超音波検査装置Gの概略を示す平面図であり、図
2はその側面図である。図3は、超音波センサーの接
触、離反状況を示す概略図である。図4、図5は、アー
ム先端に超音波検査装置を取り付けた場合の概略図であ
る。図6は、センサー枠の首振り機構を示す概略図であ
る。図7は、コンクリート構造物の超音波検査システム
の概略を示す構成図である。図8は、1探法の操作法を
示す概略図である。図9は、2探法の操作法を示す概略
図である。図10は、2探法の他の操作法を示す概略図
である。図11は、1探法と2探法の切り換え操作を示
す概略図である。
【0021】図1、図2において、超音波検査装置Gの
センサー枠10は、複数の超音波センサー11,11,
11・・・が、等間隔に又は所定の距離をおいて不等間
隔に、一列又は複数列の並びで、センサーホルダー1
2,12,12・・・に固定されている。そして、各セ
ンサーホルダー12,12,12・・・は、ホルダー固
定バー13上を横方向(R又はS)に、所定距離スライ
ド自在に固定されている。また、ホルダー固定バー13
は、センサー枠10上を、縦方向(P又はQ)に所定距
離スライド自在できるように構成されている。
【0022】上記構成により、各超音波センサー11,
11,11・・・は、センサー枠10内のすべての面積
を移動させることができるようになっており、センサー
枠10には超音波センサー11,11,11・・・の移
動位置を検出するための、例えば磁気センサーなどのセ
ンサー(図示せず)が取り付けられてある。すなわち、
センサー枠10には、各超音波センサー11,11,1
1・・・が移動した位置を検出できるように検出装置を
取り付けてあり、各超音波センサーのセンサー枠10内
でのX座標(R又はS方向)、Y座標(P又はQ方向)
位置の検出を行うことができる。また、R又はS方向、
P又はQ方向に移動させた場合のモータ回転角からも、
超音波センサー11の現在位置のX座標、Y座標を検出
することもできる。これらの座標位置をデータから、コ
ンクリート構造物の2次元位置データと欠陥位置とを連
携させることができる。
【0023】センサーホルダー12は、図3に示すよう
に、その後部に設けたセンサーホルダー駆動用モータ1
5で、ボールネジ16を正回転させることによって被検
体面に接触させ、逆回転させることによって離反させる
ことができる。すなわち、所定の間隔で固定された超音
波センサー11を、センサー枠10の中を接触、非接触
を繰り返しながら移動して測定する。各センサーホルダ
ー12,12,12・・・は、図3のU方向に区々に移
動可能に構成されており、被検体であるコンクリート構
造物がある程度の凹凸や曲率を有する場合であっても、
個々のセンサーホルダー12,12,12・・・は、そ
の表面に追随して各超音波センサー11,11,11・
・・を密着させることが可能となっている。このような
センサーホルダー12の出入りは、センサーホルダー駆
動用モータ15によって、個々に制御できるようになっ
ており、被検体と複数の超音波センサー11,11,1
1・・・との間に空間が形成されることを防止し、超音
波送受信の伝播効率を向上させ、欠陥を正確に検出でき
る。
【0024】本発明の超音波検査装置Gは、通常は被検
体に接触させて机上で用いることができるが、高所での
検査作業においては、図4又は図5に示すように、アー
ム21の先端に固定して用いることができる。また、ア
ーム21を伸縮自在の多段アームとすれば、低所作業位
置から高所作業位置まで広い範囲にわたって連続的に検
査することができる。さらに、アーム21を移動式台車
22上に設けておけば、高所位置の検査を移動しながら
連続的に行うことができる。
【0025】この場合は、図4又は図5に示すように、
センサー枠10は、移動式台車22上のアーム21の先
端部に取り付けられている。また、図6に示すように、
センサー枠10の後端部は、アーム21の先端に設けら
れた回転軸23に取り付けられており、センサー枠駆動
モータ24により、センサー枠10全体が矢印V,W方
向に首振り自在の構造になっている。このような首振り
構造によって、超音波センサーを精度良く傾斜壁面など
に密着させることができる。
【0026】図4又は図5に示すような高所位置での検
査を行う場合は、移動式台車22に内臓された油圧ユニ
ットを駆動させてアーム21を伸長させ、アーム21の
傾きを調整して、高所位置に存在する被検体面にセンサ
ー枠10を密着させる。
【0027】また、本発明の超音波検査装置Gは、図3
に示すように、各センサーホルダー12,12,12・
・・内に液体噴射装置17を設け、この液体噴射装置1
7のノズルより接触接触媒質を噴射し、被検体と超音波
センサー11との間に接触媒質膜を形成させておくこと
が望ましい。検査時において接触媒質膜を形成させてお
くことにより、超音波を効率よく被検体であるコンクリ
ート構造物内へ伝播させることができる。また、超音波
センサーに周波数の低いものを採用すれば、接触媒質膜
を形成させることによる影響は少ない。さらに、液体噴
射装置17のノズルは、超音波センサー近傍に各々取り
付けられてあり、超音波センサー位置及びその近傍に、
高圧で、連続的に供給されている。
【0028】接触媒質としては、グリセリン、油、CM
C、水ガラスなどが挙げられるが、本発明の検査装置G
では、取り扱い、後処理の容易性、コストなどの点か
ら、また上向き検査や高所作業などを考慮すると水を主
とする液体を用いることが好ましい。この場合は、前記
移動式台車22上に、接触媒質を貯蔵しておくタンク、
発電器などを設けておくことにより、検査作業をより効
率的に行うことができる。
【0029】また、超音波の伝達を阻害する要因であ
る、コンクリート構造物の表面に付着している、ほこ
り、土等のスケールを検査作業に先立って除去する手間
を省くことができ、全体として時間短縮の要因となる。
【0030】さらに、本発明の検査装置Gを、図7に示
すように、超音波パルス電圧発信器、受信器、増幅器、
モニター、フィルター、ゲートなどを一体化した信号処
理装置71と、波形処理及び図形作成ソフト等がインス
トールされた演算装置72とを、信号切換装置73を介
して連結させることにより、一連のコンクリート構造物
の超音波検査システムを構成することができる。
【0031】信号処理装置71内の超音波パルス電圧発
信器から信号切換装置73を介して、超音波センサー1
1に送られたパルス電圧は、振動子にひずみを起こし超
音波となり、被検体であるコンクリート表面よりコンク
リート中に投入、コンクリート中を伝播し、空隙などの
欠陥等、又は底面で反射して、逆経路で超音波センサー
11、信号切換装置73を経て、受信器で増幅された後
デジタル信号に変換され、演算装置72によって波形処
理され、目的情報を得、それを演算装置72内メモリー
に記憶する。
【0032】次に本発明の超音波検査装置を用いて、被
検体の欠陥検査方法について説明する。まず、第1段階
として、1探法を実行する。すなわち、図7及び図8に
示すように、配列されているそれぞれの超音波センサー
11,11,11,・・・が、自己センサーで送受信を
行い、データを演算装置72に取り込む。
【0033】この場合、ホルダー固定バー13には、図
8に示すように、超音波センサー11,11,11,・
・・がn個直線上に配列されている。すなわち、超音波
センサーを固定したセンサーホルダーを、等間隔に又は
所定の距離をおいて不等間隔に一列又は複数列の並びで
配置し、横方向にスライド自在にホルダー固定バーに固
定するとともに、前記ホルダー固定バーがセンサー枠上
を、縦方向にスライド自在であるように構成されてい
る。そして、信号切換装置73を介して、超音波センサ
ー11の1番目から順番にn番目まで超音波の送受信を
シーケンス制御させる。被検体が欠陥のない健全なもの
であればセンサーで受信された波形をオシロスコープで
観察すると、発信波と底面波以外に何も現れない。
【0034】送受信を行う超音波センサー11を1番目
からn番目へシーケンス制御させる操作は、演算装置7
2が制御する信号切換装置73で瞬時に行うことができ
るようになっており、超音波センサー11の配置されて
いる被検体直下の欠陥等の情報を得ることができる。こ
の欠陥等の情報は、配列されている超音波センサー11
の数だけ得られる。このとき、受信信号を増幅する信号
処理装置71は、超音波センサー近傍に配置しておき受
信信号にノイズが混入することを防ぐことが望ましい。
【0035】超音波を励起する電圧は、一定時間間隔毎
に信号切換装置73に供給されているので、信号切換の
みで発信、受信が特定の超音波センサーより行われ、あ
らかじめ記録されているセンサー位置情報と併せて、A
/D変換された波形データから欠陥等又は対向版面まで
の往復伝播時間を求め、深さ換算された値を演算装置7
2に記憶する。
【0036】もし、発信波と底面波の間に信号すなわち
波形が観察されれば、欠陥等からの信号であることが推
定され、その往復伝播時間を計測することにより、距離
=音速×時間/2の式から欠陥位置を推定することがで
きる。
【0037】超音波センサー11は、低周波を発信可能
な大きい径の振動子を用いることが望ましく、小さな径
の振動子を用いた場合より極端にノイズを低減できる効
果がある。
【0038】本発明の検査装置で用いる超音波センサー
11は、中心周波数150kzの広帯域を用いることが
好ましく、信号処理装置71内の受信器に内蔵されたフ
イルターを用い、被検体の版厚、コンクリートの性状に
応じて段階的に切り替えることができるようになってい
る。
【0039】なお、受信信号をフィルターを通すことな
く、そのままA/D変換を得て演算装置72に取り込む
こともできる。この場合は、内蔵のフィルターを用いる
と元波形の特性が失われ、後に疑義が生じた際、他の解
析法を援用することが困難になるという欠点を防止でき
るという利点がある。
【0040】しかし、1探法の場合の欠点がある。それ
は、欠陥等が表面近傍に存在するとその往復伝播時間は
短いので波形は重畳して識別不能となるということであ
る。
【0041】そこで、第2段階として、コンクリート内
の超音波の伝播の無指向性を利用して、図9に示すよう
に、2探法を行う。すなわち、自己センサーで発信・受
信を行わずに、発信センサーと受信センサーとを別にし
て送受信を行う方法である。発信センサーと受信センサ
ーとを別にすることで、同一の超音波センサーで送受信
を行った場合の欠点を補完することができるとともに、
短時間で広範囲の探傷を可能とすることができる。図9
では、相互に隣り合う1組の2つのセンサーでその1方
を送信専用、他方を受信専用として、用いる様子を示
す。この場合の送受信の操作は、図10に示すように、
一つの超音波センサー11を発信センサーとし、その他
のセンサーをすべて受信センサーとして用いることもで
きる。また、超音波センサー11を複数列に配列して、
列の異なる超音波センサー間で行うこともできる。この
場合も、1探法の場合と同様に、信号切換装置73を介
して、超音波センサー11の1番目から順番にn番目ま
で超音波の送受信をシーケンス制御させる。被検体が欠
陥のない健全なものであればセンサーで受信された波形
をオシロスコープで観察すると、発信波と底面波以外に
何も現れない。そして、送受信を行う超音波センサー1
1を1番目からn番目へシーケンス制御させる操作は、
演算装置72が制御する信号切換装置73で瞬時に行う
ことができるようになっている。この欠陥等の情報は、
配列されている超音波センサー11の数から1引いた数
だけ得られる。
【0042】しかし、2探法においても、1探法では生
じなかった欠点が発生する。すなわち、表面波(横波)
の存在である。表面波も発信波と同じようにある程度の
幅を保ち、もしその中に空隙等の波が重なるならば欠陥
の識別が不能となる。
【0043】そこで、1つのセンサーのみで送受信する
1探法と、2つのセンサーを組み合わせて用いる2探法
を併用する。すなわち、表面近傍に存在する欠陥を検査
するときは、図10に示すように、第2段階の2探法で
得られたデータのうち、発信センサーから最も遠方で受
信した信号を採用する。すなわち、このデータが2探法
で得られる被検体表面の位置近くの欠陥情報である。被
検体の表面から深い位置に存在する欠陥等は、第1段階
の1探法で得られたデータを用いて欠陥等の情報とす
る。
【0044】このように、被検体の表面近の情報は2探
法によるデータを採用し、表面から離れた位置の情報は
1探法よるデータを採用するという方法により、被検体
全体の欠陥を検査することができる。
【0045】本発明のコンクリート構造体の超音波検査
システムは、図11に示すように、演算装置72のI/
Oポートを介して信号切換をプログラム上で行うことが
できるように設計されているので、1探法と2探法の切
り換えは切換スイッチ75をで瞬時に行うことができ
る。2つの超音波センサー11を組み合わせた時に起生
する表面波の時刻は、表面波の音速が1800〜240
0m/sであり、本装置ではセンサー間距離が100m
mに設定した場合は、時間にして約42〜55マイクロ
セカンドが識別不能時間となるだけである。この識別不
能な時間帯は1探法で得られた情報を用いて欠陥の存否
を判断する。
【0046】なお、2探法においては、受信用も送信用
も2つのセンサーは構造が同一であるので、信号切換装
置73により、瞬時に送受信を逆にし、超音波を発信す
ることもできる。粗骨材等の傾き、表面形状によって往
路と復路では受信波形に振幅、伝播時間に差異が見られ
るので、これらの情報も欠陥存在情報として有効に使う
ことができる。
【0047】また、超音波センサー11は、先に1探法
を行ったときにすでにコンクリート表面と接触状態に位
置させてあるので、2探法による検査を行うに際し移動
させる必要はなく、演算装置72上のプログラムで送
信、受信の制御をするだけでよい。
【0048】演算装置72に取り込まれたデータは、例
えば、表計算ソフト又は市販の波形処理ソフトを用いて
処理される。
【0049】上記操作のみでは、骨材等のノイズ波形と
欠陥等を区別が明確でない場合は、演算装置72におい
て別途の波形処理ソフトを起動、波形処理を行って処理
することができる。
【0050】信号処理装置73は同一ブロックで、同一
電源であり、電源が入ると一定間隔で発信、受信の体制
が整うように調整され、発信信号はトリガー信号として
発信毎に演算装置72に送られるようになっている。
【0051】また、この表面波の信号は縦波の音速測定
にも用いることができる。縦波と表面波は一定の比率の
音速が規定されるので、通常、調査に入る前に被検体ま
たはこれと同種のコンクリート片で、音速測定をして、
ファクターとして演算装置に打ち込む必要があるが本発
明のシステムではその労を省くことができる。また、同
一被検体においても、場所が違うと音速が異なることが
あるので、リアルタイムに音速補正ができるという効果
もある。
【0052】
【発明の効果】本発明の超音波検査装置は、一定の間隔
に固定された複数個のセンサーを移動させて用いること
ができるので、コンクリート構造体内部全体を、高速
に、漏れなく調査することができる。また、1探法及び
2探法を併用させた検査法を用いることで、超音波の往
復伝搬時間計測の障害となっていた領域を除いた検査で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート構造物の超音波検査装置
Gの概略を示す平面図である。
【図2】本発明のコンクリート構造物の超音波検査装置
Gの概略を示す側面図である。
【図3】超音波センサーの接触、離反状況を示す概略図
である。
【図4】アーム先端に超音波検査装置を取り付けた場合
の概略図である。
【図5】アーム先端に超音波検査装置を取り付けた他の
場合の概略図である。
【図6】センサー枠の首振り機構を示す概略図である。
【図7】コンクリート構造物の超音波検査システムの概
略を示す構成図である。
【図8】1探法の操作法を示す概略図である。
【図9】2探法の操作法を示す概略図である。
【図10】2探法の他の操作法を示す概略図である。
【図11】1探法と2探法の切り換え操作を示す概略図
である。
【符号の説明】
G:超音波検査装置、 10:センサー枠10、 11:超音波センサー、 12:センサーホルダー、 13:ホルダー固定バー、 15:センサーホルダー駆動用モータ、 16:ボールネジ、 21:アーム、 22:移動式台車、 23:回転軸 24:センサー枠駆動モータ 71:信号処理装置、 72:演算装置、 73:信号切換装置、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中光 眞史 山口県下松市平田443番地 日進工業株式 会社内 (72)発明者 井上 進 山口県下松市平田443番地 日進工業株式 会社内 Fターム(参考) 2G047 AA09 BA02 BC09 DB03 EA08 EA09 EA11 EA12 GA03 GA14 GA19 GE04 GF06 GJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波センサーを固定したセンサーホル
    ダーを、等間隔に又は所定の距離をおいて不等間隔に一
    列又は複数列の並びで配置し、横方向にスライド自在に
    ホルダー固定バーに固定するとともに、前記ホルダー固
    定バーがセンサー枠上を、縦方向にスライド自在である
    ように構成されていることを特徴とするコンクリート構
    造物の超音波検査装置。
  2. 【請求項2】 センサーホルダーに固定された超音波セ
    ンサーの移動位置を検出するためのセンサーが、センサ
    ー枠に取り付けられてある請求項1のコンクリート構造
    物の超音波検査装置。
  3. 【請求項3】 前記センサー枠が、アーム先端に取り付
    けられているものである請求項1又は2のコンクリート
    構造物の超音波検査装置。
  4. 【請求項4】 前記センサーホルダーに、超音波センサ
    ー近傍に接触媒質を噴射する液体噴射装置が設けてられ
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかのコン
    クリート構造物の超音波検査装置。
  5. 【請求項5】 センサーホルダーに装着された複数の超
    音波センサーをコンクリート構造物の表面に接触させ、
    各超音波センサーから発信された超音波が対向版面又は
    内部欠陥等で反射された超音波信号を、当該超音波セン
    サーで受信するように信号切換装置を介してシーケンス
    制御させることを特徴とするコンクリート構造物の検査
    方法。
  6. 【請求項6】 センサーホルダーに装着された複数の超
    音波センサーをコンクリート構造物の表面に接触させ、
    各超音波センサーから発信された超音波が対向版面又は
    内部欠陥等で反射された超音波信号を、当該超音波セン
    サー以外で受信するように信号切換装置を介してシーケ
    ンス制御させることを特徴とするコンクリート構造物の
    検査方法。
  7. 【請求項7】 請求項5と請求項6の検査方法を併合し
    て用いることを特徴とするコンクリート構造物の検査方
    法。
JP2001069341A 2001-03-12 2001-03-12 コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法 Pending JP2002267639A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001069341A JP2002267639A (ja) 2001-03-12 2001-03-12 コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001069341A JP2002267639A (ja) 2001-03-12 2001-03-12 コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002267639A true JP2002267639A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18927385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001069341A Pending JP2002267639A (ja) 2001-03-12 2001-03-12 コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002267639A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220488A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Nippon Steel Corp 超音波探傷方法及び超音波探傷装置
JP2008286622A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Ihi Aerospace Co Ltd 超音波測定装置と超音波測定方法
JP2010029241A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Furuno Electric Co Ltd 形状検出装置、形状検出方法、及び形状検出装置を用いた骨強度診断装置
JP2011242332A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 超音波非破壊計測方法、超音波非破壊計測装置、及びプログラム
CN103499641A (zh) * 2013-10-22 2014-01-08 孙杰 一种公路自动探伤装置
CZ307824B6 (cs) * 2017-10-20 2019-05-29 Centrum Výzkumu Řež S.R.O. Manipulátor pro hodnocení stavu betonu biologického stínění jaderného reaktoru
CN113340998A (zh) * 2021-07-16 2021-09-03 常州建昊建筑鉴定检测有限公司 一种多功能混凝土超声波检测仪
CN113465557A (zh) * 2021-07-22 2021-10-01 深圳市大升高科技工程有限公司 高架桥梁位移的实时监测方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220488A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Nippon Steel Corp 超音波探傷方法及び超音波探傷装置
JP4505344B2 (ja) * 2005-02-09 2010-07-21 新日本製鐵株式会社 超音波探傷方法及び超音波探傷装置
JP2008286622A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Ihi Aerospace Co Ltd 超音波測定装置と超音波測定方法
JP2010029241A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Furuno Electric Co Ltd 形状検出装置、形状検出方法、及び形状検出装置を用いた骨強度診断装置
JP2011242332A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 超音波非破壊計測方法、超音波非破壊計測装置、及びプログラム
CN103499641A (zh) * 2013-10-22 2014-01-08 孙杰 一种公路自动探伤装置
CZ307824B6 (cs) * 2017-10-20 2019-05-29 Centrum Výzkumu Řež S.R.O. Manipulátor pro hodnocení stavu betonu biologického stínění jaderného reaktoru
CN113340998A (zh) * 2021-07-16 2021-09-03 常州建昊建筑鉴定检测有限公司 一种多功能混凝土超声波检测仪
CN113465557A (zh) * 2021-07-22 2021-10-01 深圳市大升高科技工程有限公司 高架桥梁位移的实时监测方法
CN113465557B (zh) * 2021-07-22 2023-11-24 深圳市大升勘测技术有限公司 高架桥梁位移的实时监测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4315464B1 (ja) 鉄筋コンクリート体の健全性の非破壊評価方法、及びその装置
Kohl et al. Results of reconstructed and fused NDT-data measured in the laboratory and on-site at bridges
JP4938050B2 (ja) 超音波診断評価装置
CN101424664B (zh) 钢轨踏面裂纹超声波检测装置及检测方法
KR101052347B1 (ko) 음향초음파 전파 영상화 장치
CN102043015B (zh) 长距离探测钢轨轨底缺陷的超声导波装置及方法
Kenderian et al. Dynamic railroad inspection using the laser-air hybrid ultrasonic technique
EP0826148A1 (en) Ultrasonic inspection
Shokouhi et al. Nondestructive detection of delamination in concrete slabs: Multiple-method investigation
JP2002267639A (ja) コンクリート構造物の超音波検査装置及びそれを用いた検査方法
JP3722211B2 (ja) コンクリート構造物の診断方法及び装置
GB2383413A (en) Detecting rail defects using acoustic surface waves
KR100975330B1 (ko) 초음파 탐상 장치 시스템 및 그 제어 방법
Krause et al. Progress in ultrasonic tendon duct imaging
JP3198840U (ja) 支柱路面境界部調査システム
KR20060095338A (ko) 초음파를 이용한 비파괴 검사장비
JP2009058238A (ja) 欠陥検査方法および装置
Tsai et al. Detecting the depth of weak layer in concrete using R-wave dispersion techniques
JP2005156333A (ja) 円筒形構造物の欠陥検出方法
JP2002040001A (ja) 探傷方法および装置
JP4761147B2 (ja) 超音波探傷方法及び装置
Bellanova et al. Unconventional applications of A1040 MIRA tomograph
RU2621216C1 (ru) Способ внутритрубного ультразвукового контроля сварных швов
CN104297345A (zh) 一种一维结构的不连续在线检测方法
JP2006343154A (ja) 構造物の超音波検査方法及び装置