JP2002267577A - 自動車のサスペンション挙動計測装置 - Google Patents

自動車のサスペンション挙動計測装置

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JP2002267577A
JP2002267577A JP2001069818A JP2001069818A JP2002267577A JP 2002267577 A JP2002267577 A JP 2002267577A JP 2001069818 A JP2001069818 A JP 2001069818A JP 2001069818 A JP2001069818 A JP 2001069818A JP 2002267577 A JP2002267577 A JP 2002267577A
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screen
vehicle
laser projector
suspension behavior
wheel
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JP2001069818A
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Akira Koizumi
陽 小泉
Koji Kido
孝二 木戸
Naoki Yamada
直樹 山田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のサスペンション挙動に伴う車輪22
のアライメント変化を容易かつ高精度に計測すると共
に、車輪22のアライメント変化を、タイヤ力と同時に
計測することが可能な装置を提供する。 【解決手段】 後輪22に固定されてレーザ光を照射す
るレーザプロジェクタ3と、レーザ光が照射される前側
及び後側スクリーン41,42と、スクリーン41,4
2上のレーザ光の照射点(ターゲット3a)を撮像する
CCDカメラ51,52とを備える。スクリーン41,
42とCCDカメラ51,52とは取付ブラケット6を
介してフロア下面に取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のサスペン
ション挙動に起因して生じる車輪のアライメント変化を
計測する自動車のサスペンション挙動計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の走行中におけるサス
ペンション挙動に伴う車輪のアライメント変化を計測す
る装置として、いわゆるDAT(Dynamic Aligment Tes
ter)が知られている。このものは、車輪のホイール
(ディスクホイール)面に相対向して配設される測距セ
ンサを備えており、この測距センサによって検出された
ホイールとセンサとの間の距離に基づいて、車輪のアラ
イメント変化を計測するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記DAT
は、左右の車輪のそれぞれに配設される一対の測距セン
サと、この一対の測距センサのそれぞれを上記左右の車
輪のホイール近傍に位置付けるために自動車のトランク
リッドやボンネット上を車幅方向に延びるように配設さ
れる取付部とからなる大型かつ大重量のものであるた
め、自動車への取り付けが困難である。
【0004】また、このDATを自動車に取り付けるこ
とで車重が変化してしまって正確な計測ができなくなる
虞がある。さらに、上記取付部が自動車のトランクリッ
ドやボンネット上を車幅方向に延びて配設されるため、
例えば車体がねじれ変形するとセンサとホイールとの距
離が変化してしまって、計測誤差を生じ易いという不都
合もある。
【0005】また、車両運動のメカニズムを解明するに
は、タイヤ力に対するサスペンション挙動の影響を明ら
かにする必要があり、このためには、タイヤ力と車輪の
アライメント変化とを同時に計測して、これらを比較し
なければならない。タイヤ力は、いわゆるタイヤ6分力
計によって測定することが可能であるが、このものは車
輪のホイールに取り付けるものであるため、このタイヤ
6分力計を取り付けると、上記DATは取り付けること
ができない。このため、車輪のアライメント変化をDA
Tによって計測するのでは、タイヤ力と車輪のアライメ
ント変化とを同時に計測することができないという不都
合もある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、自動車のサス
ペンション挙動に伴う車輪のアライメント変化を容易か
つ高精度に計測すると共に、車輪のアライメント変化
を、タイヤ力と同時に計測することが可能な装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、自動車のサスペンション挙
動に伴う車輪のアライメント変化を検出する自動車のサ
スペンション挙動計測装置を対象とし、上記車輪に固定
されかつレーザ光を車両前後方向に照射するレーザプロ
ジェクタと、上記自動車のフロア下面に車両前後方向に
延びるように配設されたブラケット本体と、該ブラケッ
ト本体を上記フロア下面に取り付ける取付部とからなる
取付ブラケットと、上記取付ブラケットに、上記レーザ
プロジェクタとは車両前後方向に離されて取り付けられ
かつ上記レーザプロジェクタからのレーザ光が照射され
るスクリーンと、上記取付ブラケットに、上記スクリー
ンを挟んで上記レーザプロジェクタとは反対側に取り付
けられかつ上記スクリーン上における上記レーザ光の照
射点であるターゲットを撮像する撮像手段とを備えるこ
とを特定事項とするものである。
【0008】請求項1記載の発明によると、レーザプロ
ジェクタからのレーザ光は、このレーザプロジェクタと
は車両前後方向に離されて取り付けられたスクリーンに
照射されるため、このスクリーン上には、上記レーザ光
の照射点であるターゲットが形成される。上記レーザプ
ロジェクタは車輪に固定されているため、この車輪のア
ライメントが変化すると、その変化に伴いレーザ光の照
射方向は変化し、このように照射方向が変化すると、上
記スクリーン上のターゲットの位置は移動する。このタ
ーゲットの変位量は、上記スクリーン上のターゲットを
撮像手段によって撮像することで計測することができ、
このターゲットの変位量に基づいて、車輪のアライメン
ト変化を計測することができる。ここで、上記ターゲッ
トの変位量は、上記レーザプロジェクタとスクリーンと
が車両前後方向に互いに離されている分、上記照射角度
の変化量を拡大して表すものであるため、このターゲッ
トの変位量を計測することで、車輪のアライメント変化
を高精度に計測することができる。
【0009】このように上記サスペンション挙動計測装
置は、車輪に固定されるレーザプロジェクタと、このレ
ーザプロジェクタからのレーザ光が照射されるスクリー
ンと、このスクリーン上のターゲットを撮像する撮像手
段とによって構成され、上記レーザプロジェクタと、ス
クリーン及び撮像手段が取り付けられた取付ブラケット
とを自動車の所定の位置に取り付けることだけで、サス
ペンション挙動に伴う車輪のアライメント変化の計測が
可能である。このため、計測装置の取り付けが容易にな
って、サスペンション挙動の計測を容易に行うことがで
きる。
【0010】また、上記サスペンション挙動計測装置
は、車輪に固定されたレーザプロジェクタからのレーザ
光をスクリーンに照射させる構成であるため、上記取付
ブラケットは、フロア下面における例えばサイドシルの
近傍に取り付けられることになる。このため、車体が変
形しても、上記スクリーンや撮像手段の配設位置は、殆
ど変位せず、これにより計測誤差の低減化が図られる。
【0011】さらに、DATのようにホイールに相対向
する測距センサを必要としないため、タイヤ6分力計と
の併用が可能であり、これにより、タイヤ力と車輪のア
ライメント変化とを同時に計測することが実現する。
【0012】上記サスペンション挙動計測装置において
は、例えば請求項2記載の如く、複数のスクリーンと、
該各スクリーン上におけるターゲットをそれぞれ撮像す
る複数の撮像手段とを備え、上記複数のスクリーン及び
撮像手段を、取付ブラケットに、車両前後方向に互いに
離しかつ上下方向に互いに位置を異ならせて取り付けて
もよい。
【0013】このように複数のスクリーンを上下方向に
互いに位置を異ならせて配設することで、全てのスクリ
ーンに上記レーザプロジェクタからのレーザ光を照射さ
せることができる。また、複数のスクリーンを車両前後
方向に互いに離して配設することで、上記複数のスクリ
ーン間におけるターゲットの変位量の差に基づいて、車
輪のアライメント変化を、より一層高精度に計測するこ
とが可能になる。こうして、単にスクリーン及び撮像手
段のそれぞれを複数備え、これらの配設位置を工夫する
ことだけの低コストで、車輪のアライメント変化の検出
精度を向上させることができる。
【0014】しかも、これら複数のスクリーン及び撮像
手段は全て、取付ブラケットにおける所定の位置に取り
付けられているため、この取付ブラケットをフロア下面
に取り付けることだけで、上記複数のスクリーンと複数
の撮像手段とを、自動車に対して所定の位置に取り付け
ることが可能になる。こうしてサスペンション挙動計測
装置の取り付けの容易化も図られる。
【0015】また、例えば請求項3記載の如く、撮像手
段により撮像されたターゲットの画像を記録する記録手
段を備えると、ターゲットの変位量を容易に計測し得
る。
【0016】さらに、請求項4記載の如く、ブラケット
本体に、スクリーンの周囲を囲みかつ該スクリーンへの
外乱光を遮断する遮光壁を備えるようにし、上記遮光壁
における上記スクリーン側の側面を、黒色に塗装しても
よい。こうすることで、この遮光壁が、例えば太陽光等
の外乱光が上記スクリーンに照射することを防止し、こ
のスクリーンにレーザプロジェクタからのレーザ光のみ
を照射させることができる。さらに、上記遮光壁のスク
リーン側の側面を黒色に塗装することで、上記スクリー
ンへの外乱光をより確実に遮断することができる。こう
して、ターゲットの変位量を確実かつ正確に計測するこ
とが可能になる。
【0017】加えて、請求項5記載の如く、レーザプロ
ジェクタを、調整機構を介して車輪に固定し、上記調整
手段を、上記レーザプロジェクタの配設位置を車両前後
方向及び車幅方向に調整可能に構成してもよい。こうす
ることで、この調整機構が上記レーザプロジェクタとス
クリーンとの相対位置を調整するため、上記スクリーン
上のターゲットの中立位置(初期位置)の設定を容易に
行うことが可能になる。これにより、上記レーザプロジ
ェクタの自動車に対する取り付けが容易になるのは勿論
のこと、上記取付ブラケットを、ターゲットの位置を考
慮することなく自動車に取り付けることができ、取付ブ
ラケットの取り付けも容易になる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における自
動車のサスペンション挙動計測装置は、車輪に固定され
るレーザプロジェクタからのレーザ光をスクリーンに照
射することで、上記車輪のアライメント変化を、スクリ
ーン上におけるターゲットの変位量に拡大して計測する
ことができる。これにより、サスペンション挙動に伴う
車輪のアライメント変化を高精度に計測することができ
る。
【0019】また、上記スクリーンと撮像手段とは取付
ブラケットに取り付けられているため、レーザプロジェ
クタと上記取付ブラケットとを自動車の所定の位置に取
り付けることだけでサスペンション挙動計測装置の取り
付けを行うことができ、これにより、サスペンション挙
動の計測を容易に行うことができる。さらに、上記取付
ブラケットを、自動車における車体変形に伴うスクリー
ン及び撮像手段の変位量が小さい部位に取り付けること
で、計測誤差を低減化させることができる。加えて、タ
イヤ6分力計との併用が可能であるため、タイヤ力と車
輪のアライメント変化とを同時に計測することができ
る。
【0020】さらに、複数のスクリーン及び撮像手段
を、車両前後方向に離して配設すると共に、上下方向に
互いに位置を異ならせて配設することで、車輪のアライ
メント変化の計測精度を向上させることができる。
【0021】さらに、ブラケット本体に遮光壁を備える
と共に、この遮光壁におけるスクリーン側の側面を黒色
に塗装することで、スクリーン上のターゲットの変位量
を確実かつ正確に計測することができる。
【0022】加えて、レーザプロジェクタを調整機構を
介して車輪に固定することで、ターゲットの中立位置の
設定が容易になるため、レーザプロジェクタ及び取付ブ
ラケットの自動車に対する取り付けを容易に行うことが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0024】図1は、本発明の実施形態に係る自動車の
サスペンション挙動計測装置1を示し、このものは、自
動車の後輪22(図例では左側後輪)におけるナックル
部材22a(図5参照、尚、同図は右側後輪を示す)に
固定されたレーザプロジェクタ3から、このレーザプロ
ジェクタ3とは車両前後方向に所定の距離だけ離されて
配設された、スリット41a,42aを有する前側及び
後側スクリーン41,42のそれぞれにレーザ光を照射
するように構成されている。ここで、上記レーザプロジ
ェクタ3は、上下方向に拡がるスリット状のレーザ光を
照射するように構成されており、これにより、上記前側
及び後側スクリーン41,42には、上記スリット41
a,42aを、スリット状のレーザ光が通過すること
で、点状の照射点が形成されるようになる。
【0025】そして、上記自動車の走行中におけるサス
ペンション挙動に伴い、上記後輪22のアライメントが
変化すると、この変化に伴いこの後輪22に固定された
レーザプロジェクタ3の向きが変化して、レーザ光の照
射方向が変化するようになると共に、上記前側及び後側
スクリーン41,42上に照射されたレーザ光の位置
(スクリーン41,42上のターゲットの位置)が移動
するため、その変位量を計測することによって上記後輪
22のアライメント変化(トー角、キャンバ角及び横変
位)を計測するように構成されている。尚、符号21は
上記自動車の左側前輪である。
【0026】このサスペンション挙動計測装置1は、上
記レーザプロジェクタ3と、上記前側及び後側スクリー
ン41,42等を上記自動車のサイドシル近傍のフロア
下面(図示省略)に取り付けるための、図1では図示を
省略する取付ブラケット6とから構成されている。
【0027】上記取付ブラケット6は、図2に示すよう
に、前側及び後側スクリーン41,42と、この各スク
リーン41,42上のターゲットを撮像する撮像手段と
しての前側及び後側CCDカメラ51,52とが取り付
けられるブラケット本体61と、このブラケット本体6
1をフロア下面に取り付ける取付部62とから構成され
ている。
【0028】上記ブラケット本体61は、車両前後方向
に延びる上壁部61aと、この上壁部61aの車幅方向
両端縁から下方に延びる一対の側壁部61bとからな
る、下方に開放した断面略逆U字状の箱型に形成されて
いる。尚、この一対の側壁部61bにおける車両前後方
向の前側部分は、前側スクリーン41の大きさに対応し
て、後側部分よりも下方に延びて形成されている。
【0029】一方、上記取付部62は、上記車両前後方
向に延びるブラケット本体61の前端部、中間部及び後
端部の計3箇所にそれぞれ設けられており、各取付部6
2は、上記ブラケット本体61の各側壁部61bに取り
付けられる一対の取付部材62aにより構成されてい
る。この各取付部材62aは、上記側壁部61bに対し
取り付けられる部分と、上記フロア下面に対し取り付け
られる部分とを有する断面略L字状の部材により構成さ
れており、上記各取付部62は、上記ブラケット本体6
1が後輪22の近傍から車両前後方向の前方に向かって
略水平に配設されるように、フロア下面の形状に応じて
上記各取付部材62aの側壁部61bに対する取り付け
位置が調整可能に構成されている。
【0030】そして、上記上壁部61aと一対の側壁部
61b,61bとによって囲まれたブラケット本体61
内における車両前後方向の前側部分の所定の位置には、
上記前側スクリーン41が取り付けられている一方、上
記ブラケット本体61内における後側部分の所定の位置
には、上記後側スクリーン42が取り付けられている。
このように、上記前側スクリーン41と後側スクリーン
42とは車両前後方向に互いに離されて配設されてい
る。また、上記ブラケット本体61内におけるこの前側
スクリーン41よりも前方位置には、レンズを上記前側
スクリーン41の側に向けた状態で前側CCDカメラ5
1が取り付けられており、上記ブラケット本体61内に
おける後側スクリーン42よりも前方位置には、レンズ
を上記後側スクリーン42の側に向けた状態後側CCD
カメラ52が取り付けられている。
【0031】上記前側スクリーン41は、後側スクリー
ン42よりも下方に延びて形成されていて、この前側ス
クリーン41に形成されたスリット41aは、上記後側
スクリーン42に形成されたスリット42aよりも下方
に位置している。これに伴い、上記前側CCDカメラ5
1は、後側CCDカメラ52よりも下方に位置してい
る。このように、上記前側及び後側スクリーン41,4
2は上下方向に互いに位置を異ならせて配設されてお
り、これにより、上記レーザプロジェクタ3からの上下
方向に拡がるスリット状のレーザ光が、上記前側及び後
側スクリーン41,42のそれぞれに照射されるように
構成されている。特に前側スクリーン41のスリット4
1aを後側スクリーン42のスリット42aよりも下方
に位置づけることで、自動車のバンプ時でも上記レーザ
光が後側CCDカメラ52に遮られることなく前側スク
リーン41に照射されるようになっている。尚、前側C
CDカメラ51は下方に位置するため、地面との干渉を
考慮してその配設位置を設定するのが好ましい。
【0032】また、上記前側及び後側スクリーン41,
42と、前側及び後側CCDカメラ51,52とは、上
記ブラケット本体61における上壁部61a及び一対の
側壁部61b,61bに囲まれて配設されているため、
この上壁部61a及び側壁部61bは、各スクリーン4
1,42への、例えば太陽光等の外乱光を遮断する遮光
壁としての機能を有するものにされている。さらに、上
記上壁部61a及び側壁部61bの内側面(スクリーン
41,42側の側面)は黒色に塗装されている。
【0033】上記前側スクリーン41は、図3に示すよ
うに、略長方形状の、例えば半透明のプラスチック板か
らなる拡散板43のほぼ下半分に、2つのスリット41
a,41aが形成された略正方形状の遮光紙44を貼り
付けることで構成されている。尚、図示は省略するが、
後側スクリーン42は、略正方形状の半透明のプラスチ
ック板からなる拡散板に2つのスリット42a,42a
が形成された略正方形状の遮光紙を貼り付けることで構
成されている。このような構成により、上記前側スクリ
ーン41(又は後側スクリーン42)を、上記レーザプ
ロジェクタ3の配設側とは反対側の位置から見ると、図
4に示すように、上記遮光紙44に形成された各スリッ
ト41a(42a)をレーザ光が通過して、上記拡散板
43において点状に輝くターゲット3a,3aを観察す
ることができるようになっている。
【0034】この前側又は後側スクリーン41,42上
のターゲット3a,3aは、上記前側及び後側CCDカ
メラ51,52によってそれぞれ撮像されるが、この前
側及び後側CCDカメラ51,52には、図1に示すよ
うに、記録手段としてのビデオテープレコーダ53,5
4が接続されている。これにより、上記CCDカメラ5
1,52によって撮像された前側及び後側スクリーン4
1,42上のターゲット3aの画像が、ビデオテープレ
コーダ53,54によってビデオテープ55に記録され
るように構成されている。
【0035】一方、上記レーザプロジェクタ3は、図5
に示すように、後輪22の(図例では右側後輪)のナッ
クル部材22aに対して、調整機構としてのXYステー
ジ31を介して取り付けられている。このXYステージ
31は、上記レーザプロジェクタ3の配設位置を車両前
後方向及び車幅方向に調整するものであって、このXY
ステージ31により、前側及び後側スクリーン41,4
2上のターゲット3aが所定の中立位置(初期位置)に
なるように、上記レーザプロジェクタ3の配設位置を調
整するようにしている。このレーザプロジェクタ3は、
自動車のバンプ時にレーザ光が後側CCDカメラ52に
よって遮られて、前側スクリーン41に照射されなくな
ることを防止するために、なるべく低い位置に取り付け
ることが好ましいが、このレーザプロジェクタ3は、後
輪22(タイヤ)の接地点近傍に位置しているため、低
い位置に取り付けても地面との干渉は生じない。
【0036】次に、上記自動車のサスペンション挙動計
測装置1を用いた後輪22のアライメント変化の計測方
法について説明すると、先ず、このサスペンション挙動
計測装置1を自動車に対して取り付ける。つまり、上記
前側及び後側スクリーン41,42と、前側及び後側C
CDカメラ51,52とのそれぞれが取り付けられた取
付ブラケット6を自動車のサイドシル近傍のフロア下面
に取り付ける一方、後輪22のナックル部材22aに対
しXYステージ31を介してレーザプロジェクタ3を固
定する。こうして取付ブラケット6とレーザプロジェク
タ3とを自動車に取り付けると、上記レーザプロジェク
タ3からレーザ光を照射しつつ、XYステージ31によ
ってレーザプロジェクタ3の配設位置を微調整して、上
記前側及び後側スクリーン41,42上におけるターゲ
ット3aの中立位置が所定の位置になるようにする。ま
た、上記前側及び後側CCDカメラ51,52のピント
及び絞りを調整して、このCCDカメラ51,52が撮
像する画像におけるターゲット3aのコントラストの調
整も併せて行う。
【0037】次いで、屋外において太陽光等の外乱光が
上記前側及び後側スクリーン41,42を直射しないこ
とを確認する。これと共に、ターゲット3aの変位量か
らトー角等を算出するのに必要となるため、上記前側ス
クリーン41における下側のスリット41aの地上高
と、後側スクリーン42における下側のスリット42a
の地上高とをそれぞれ計測して、これら両スリット41
a,42aの高低差を記録しておく。
【0038】こうしてサスペンション計測装置1の自動
車への取り付けが完了すれば、自動車を走行させてサス
ペンション挙動に伴う後輪22のアライメント変化の計
測を行う。これは、上記自動車の走行中における前側及
び後側スクリーン41,42上におけるターゲット3a
を前側及び後側CCDカメラ51,52により撮像しか
つ、その画像をビデオテープレコーダ53,54により
ビデオテープ55に記録することにより行う。尚、この
記録の際には、2つのCCDカメラ51,52間(上記
サスペンション計測装置1を自動車の左右の後輪に取り
付けた場合は、4つのCCDカメラ間)、及びこの画像
と車速等の記録データとの同期を取るために、上記ビデ
オテープ55の音声トラックにトリガ信号を記録させて
おくのがよい。
【0039】こうして、ビデオテープ55に画像信号が
記録されて計測が終了すれば、このビデオテープ55の
画像信号を、図示省略のビデオキャプチャボードを介し
てPC7に取り込み(図1参照)、このPC7におい
て、画像上におけるターゲットの画素座標を演算する画
像処理を行う。そして、この画素座標を物理座標に変換
すると共に、この物理座標を用いて後述する関係式に従
い、後輪22のトー角、キャンバ角及び横変位を算出す
る。
【0040】ここで、このサスペンション挙動計測装置
1における、車輪(後輪22)のアライメント変化の計
測原理について、図6及び図7を参照しながら説明する
と、車輪のアライメント変化に伴いホイールセンタ(以
下W/Cと略す)が変位した後におけるこのW/Cに固
定した単位ベクトル(i′,j′,k′)は、トー角を
δ、キャンバ角をεとすると、数式1で示される。
【0041】
【数1】
【0042】ターゲット3aのY座標は数式2により表
される。
【0043】
【数2】
【0044】このため、Y=y−lとすれば、前側及び
後側スクリーン41,42における合計4つのターゲッ
ト3a(前側及び後側スクリーン41,42における4
つのスリット41a,42aのそれぞれに対応するター
ゲット3a)について、それぞれ数式3が成り立つ。
【0045】
【数3】
【0046】ここで、添字FUは、前側スクリーン41
における上側のスリット41aでのターゲット3aを、
添字FLは、前側スクリーン41における下側のスリッ
ト41aでのターゲット3aを、添字RUは、後側スク
リーン42における上側のスリット42aでのターゲッ
ト3aを、添字RLは、後側スクリーン42における下
側のスリット42aでのターゲット3aをそれぞれ表
す。
【0047】数式3を、キャンバ角ε、トー角δ及び横
変位y0について逆に解けば、数式4を得る。
【0048】
【数4】
【0049】こうして、トー角δとキャンバ角εとは、
FL,YRU,YRLの3つのターゲット3aの位置から算
出することができる。尚、横変位y0は、ストロークz0
が判っている場合にのみ算出することが可能である。
【0050】このように、本実施形態に係る自動車のサ
スペンション挙動計測装置1は、レーザ光を照射するレ
ーザプロジェクタ3が後輪22に固定されているため、
後輪22がアライメント変化を生じると、その変化に伴
い上記レーザプロジェクタ3はレーザ光の照射方向を変
化させることになる。このレーザ光は、上記レーザプロ
ジェクタ3とは車両前後方向に互いに離されて配設され
た前側及び後側スクリーン41,42に照射されている
が、上記照射方向の変化に伴い該スクリーン41,42
上での上記レーザ光の照射位置(ターゲット3a)が移
動する。このターゲット3aの変位量は、上記レーザプ
ロジェクタ3と前側及び後側スクリーン41,42とが
車両前後方向に互いに離されている分、照射角度の変
化、つまり後輪22のアライメント変化を拡大したもの
となる。このため、上記ターゲット3aを、前側及び後
側CCD51,52によって撮像すると共に画像処理を
行い上記ターゲット3aの変位量を計測することで、こ
のターゲット3aの変位量に基づいて後輪22のアライ
メント変化を計測することができる。特に、前側及び後
側スクリーン41,42の複数のスクリーンを備えるこ
とで、トー角変化に伴うターゲット3aの車幅方向の変
位量は、より拡大されることになる。これにより、上記
サスペンション挙動計測装置1は、特にトー角を高精度
に検出することができる。
【0051】また、上記サスペンション挙動計測装置1
は、後輪22に固定されたレーザプロジェクタ3と、取
付ブラケット6に取り付けられた前側及び後側スクリー
ン41,42と前側及び後側CCDカメラ51,52と
によって構成されているため、このレーザプロジェクタ
3と取付ブラケット6を、自動車に取り付けることだけ
で計測を行うことができる。しかも、上記前側及び後側
スクリーン41,42及びCCDカメラ51,52は全
て、取付ブラケット6における所定の位置に取り付けら
れているため、この取付ブラケット6をフロア下面に取
り付けることだけで、上記前側及び後側スクリーン4
1,42及びCCDカメラ51,52が、自動車の所定
の位置に取り付けられることになる。こうしてサスペン
ション挙動計測装置1の取り付けが容易になり、計測の
より一層の容易化を図ることができる。
【0052】また、DATのようにホイールに相対向す
る測距センサが必要ではないため、タイヤ6分力計と併
用することができ、これにより、タイヤ力と車輪のアラ
イメント変化とを同時に計測することができる。さら
に、上記取付ブラケット6は、自動車のサイドシル近傍
のフロア下面に取り付けられるため、車体が変形しても
上記スクリーン41,42等の位置は殆ど変位しない。
これにより、計測誤差を小さくすることができる。
【0053】また、前側スクリーン41(前側スクリー
ン41のスリット41a)を、後側スクリーン42(後
側スクリーン42のスリット42a)よりも下方に配設
することで、この両スクリーン41,42のそれぞれに
上記レーザプロジェクタ3からのレーザ光を照射させる
ことができると共に、自動車のバンプ時でも、上記レー
ザ光を前側スクリーン41に照射させることができる。
【0054】さらに、上記取付ブラケット6の上壁部6
1a及び側壁部61b,61bによって、上記前側及び
後側スクリーン41,42への外乱光を遮断することが
できると共に、上記上壁部61a及び側壁部61b,6
1bの内側面を黒色に塗装することで、上記スクリーン
41,42への外乱光の遮断効果をより一層確実なもの
にすることができる。これにより、上記前側及び後側ス
クリーン41,42にはレーザプロジェクタ3からのレ
ーザ光のみが照射されるようになり、ターゲット3aの
変位量を確実かつ正確に計測することができる。
【0055】また、上記レーザプロジェクタ3は、XY
ステージ31を介して後輪22のナックル部材22aに
取り付けられるため、スクリーン41,42上のターゲ
ット3aの中立位置の調整を容易に行うことができる。
このため、上記レーザプロジェクタ3の後輪22に対す
る取り付け、及び取付ブラケット6のフロア下面に対す
る取り付けを共に容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車のサスペンショ
ン挙動計測装置の概略を示す概略斜視図である。
【図2】取付ブラケットを示す斜視図である。
【図3】スクリーンの構成を示す分解斜視図である。
【図4】スクリーン上のターゲットの様子を示す正面図
である。
【図5】レーザプロジェクタの取り付け状態を示す斜視
図である。
【図6】アライメント変化を算出する際の座標系を示す
図である。
【図7】変位前後のホイールセンタに固定された単位ベ
クトルを示す図である。
【符号の説明】
1 サスペンション挙動計測装置 3 レーザプロジェクタ 6 取付ブラケット 22 後輪(車輪) 31 XYステージ(調整機構) 41 前側スクリーン 42 後側スクリーン 51 前側CCDカメラ(撮像手段) 52 後側CCDカメラ(撮像手段) 53,54 ビデオテープレコーダ(記録手段) 61 ブラケット本体 62 取付部(取付ブラケット) 3a ターゲット 41a,42a スリット 61a 上壁部(遮光壁) 61b 側壁部(遮光壁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 直樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA17 CC11 DD03 DD12 FF42 GG04 HH05 JJ03 JJ26 LL28 LL49 QQ29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のサスペンション挙動に伴う車輪
    のアライメント変化を検出する自動車のサスペンション
    挙動計測装置であって、 上記車輪に固定されかつレーザ光を車両前後方向に照射
    するレーザプロジェクタと、 上記自動車のフロア下面に車両前後方向に延びるように
    配設されたブラケット本体と、該ブラケット本体を上記
    フロア下面に取り付ける取付部とからなる取付ブラケッ
    トと、 上記取付ブラケットに、上記レーザプロジェクタとは車
    両前後方向に離されて取り付けられかつ上記レーザプロ
    ジェクタからのレーザ光が照射されるスクリーンと、 上記取付ブラケットに、上記スクリーンを挟んで上記レ
    ーザプロジェクタとは反対側に取り付けられかつ上記ス
    クリーン上における上記レーザ光の照射点であるターゲ
    ットを撮像する撮像手段とを備えていることを特徴とす
    る自動車のサスペンション挙動計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 複数のスクリーンと、各スクリーン上におけるターゲッ
    トをそれぞれ撮像する複数の撮像手段とを備え、 上記複数のスクリーン及び撮像手段は、取付ブラケット
    に、車両前後方向に互いに離されかつ上下方向に互いに
    位置を異ならせて取り付けられていることを特徴とする
    自動車のサスペンション挙動計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 撮像手段により撮像されたターゲットの画像を記録する
    記録手段を備えていることを特徴とする自動車のサスペ
    ンション挙動計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 ブラケット本体は、スクリーンの周囲を囲みかつ該スク
    リーンへの外乱光を遮断する遮光壁を備えており、 上記遮光壁における上記スクリーン側の側面は、黒色に
    塗装されていることを特徴とする自動車のサスペンショ
    ン挙動計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 レーザプロジェクタは、調整機構を介して車輪に固定さ
    れており、 上記調整機構は、上記レーザプロジェクタの配設位置を
    車両前後方向及び車幅方向に調整可能に構成されている
    ことを特徴とする自動車のサスペンション挙動計測装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10330946A1 (de) * 2003-07-08 2005-02-10 Wente, Holger, Dr.-Ing. Verfahren zur Messung von Schwingungsvorgängen und Messeinrichtung hierzu
CN105523079A (zh) * 2016-01-05 2016-04-27 曾林旺 车辆行驶辅助系统

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DE10330946B4 (de) * 2003-07-08 2005-09-22 Wente, Holger, Dr.-Ing. Verfahren zur Messung von Schwingungsvorgängen und Messeinrichtung hierzu
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