JP2002266882A - シール装置 - Google Patents

シール装置

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JP2002266882A
JP2002266882A JP2001070285A JP2001070285A JP2002266882A JP 2002266882 A JP2002266882 A JP 2002266882A JP 2001070285 A JP2001070285 A JP 2001070285A JP 2001070285 A JP2001070285 A JP 2001070285A JP 2002266882 A JP2002266882 A JP 2002266882A
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JP
Japan
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peripheral surface
outer peripheral
solid lubricant
rotating body
lip
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Application number
JP2001070285A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Isato Masuda
勇人 益田
Yuji Igawa
裕二 井川
Soushi Shibukawa
壮史 澁川
Akihiro Tanaka
章弘 田中
Shinichi Sekido
慎一 関戸
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転体とリップとの摺接部を適正に潤滑する
ことにより、リップの摩耗を抑える。 【解決手段】 スリーブ22の外周面22Aに摺接する
リップ33B,33Cを備えた環状のシール部33の内
周側に、含油樹脂材料により形成された潤滑用リング3
5を設ける。これにより、スリーブ22の外周面22A
と潤滑用リング35とが摺接すると、この潤滑用リング
35から潤滑油が滲み出してスリーブ22の外周面22
Aに付着する。このため、スリーブ22の外周面22A
と各リップ33B,33Cとの摺接部を、潤滑用リング
35からの潤滑油によって常時潤滑することができ、各
リップ33B,33Cの摩耗を抑え、そのシール性を長
期に亘って確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングと該ハ
ウジングに回転可能に設けられた回転体との間に設けら
れ両者間をシールするシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧クレーン等の建設機械に搭
載される旋回装置は、油圧モータ等の回転源と、該回転
源が取付けられたハウジングと、回転源の回転を減速す
るため該ハウジング内に設けられた減速機構と、ハウジ
ングに回転可能に設けられ減速機構によって減速された
回転を出力する回転軸(回転体)とにより大略構成され
ている。そして、ハウジングと回転軸との間には、減速
機構等を潤滑する潤滑油をハウジング内に封止するため
のシール装置が設けられている。
【0003】そこで、この種の従来技術によるシール装
置を油圧ショベルの旋回装置に適用した場合を例に挙
げ、図9及び図10を参照しつつ説明する。
【0004】図中、1は油圧ショベルの下部走行体と上
部旋回体との間に設けられた旋回輪で、該旋回輪1は、
下部走行体側の丸胴2にボルト3を用いて固着された内
輪1Aと、上部旋回体側の旋回フレーム4に固着された
外輪1Bと、内輪1Aと外輪1Bとの間に配設された複
数の鋼球1C(1個のみ図示)とからなり、内輪1Aの
内周側には全周に亘って内歯車1Dが形成されている。
そして、旋回フレーム4に固着された外輪1Bが内輪1
Aの周囲を回転することにより、上部旋回体が下部走行
体上で旋回する構成となっている。
【0005】5は旋回輪1を構成する内輪1Aの内周側
に設けられたグリースバスで、該グリースバス5は、内
輪1Aの内歯車1Dと後述するピニオン18との噛合部
を潤滑するグリースを保持するものである。
【0006】6は旋回輪1に回転力を伝達することによ
り上部旋回体(旋回フレーム4)を旋回させる旋回装置
で、該旋回装置6は、回転源としての油圧モータ7と、
該油圧モータ7の出力軸7Aの回転を減速して旋回輪1
に大きな回転力を伝達する後述の減速装置8とにより大
略構成されている。
【0007】8は油圧モータ7と共に旋回装置6を構成
する減速装置で、該減速装置8は、後述のハウジング
9、遊星歯車減速機構15,16、回転軸17、ピニオ
ン18、軸受19,20、シール装置23等により構成
されている。
【0008】9は減速装置8の外殻をなす筒状のハウジ
ングで、該ハウジング9は、軸方向の一側(上側)に位
置する円筒状の上側ハウジング10と、軸方向の他側
(下側)に位置する段付き円筒状の下側ハウジング11
と、該下側ハウジング11の下端側に固着され後述の軸
受20を保持する底板12とにより構成されている。
【0009】ここで、上側ハウジング10の上端側には
油圧モータ7が固着され、該油圧モータ7の出力軸7A
はハウジング9内に伸長している。また、上側ハウジン
グ10の内周側には、環状の上側内歯10Aと下側内歯
10Bとが全周に亘って形成されている。
【0010】一方、下側ハウジング11の下端側には環
状のフランジ部11Aが形成され、該フランジ部11A
はボルト13を用いて旋回フレーム4に固着されてい
る。また、下側ハウジング11の内周側には、後述の軸
受19,20が取付けられる環状の軸受取付部11B,
11Cが上,下に離間して設けられている。
【0011】また、底板12は、下側ハウジング11の
下端面にボルト14を用いて固着され、その中央部には
後述のシール装置23を取付けるための円筒部12Aが
下向きに突設されている。
【0012】15はハウジング9内に設けられた1段目
の遊星歯車減速機構で、該遊星歯車減速機構15は、油
圧モータ7の出力軸7Aにスプライン結合された太陽歯
車15Aと、該太陽歯車15Aと上側ハウジング10の
上側内歯10Aとに噛合しつつ太陽歯車15Aの周囲を
公転する複数の遊星歯車15B(1個のみ図示)と、該
遊星歯車15Bを回転可能に支持するキャリア15Cと
により構成されている。
【0013】16は遊星減速歯車機構15の下側に位置
してハウジング9内に設けられた2段目の遊星歯車減速
機構で、該遊星歯車減速機構16は、油圧モータ7の出
力軸7Aにスプライン結合された太陽歯車16Aと、該
太陽歯車16Aと上側ハウジング10の下側内歯10B
とに噛合しつつ太陽歯車16Aの周囲を公転する複数の
遊星歯車16B(1個のみ図示)と、該遊星歯車16B
を回転可能に支持するキャリア16Cとにより構成され
ている。
【0014】17は後述の軸受19,20を介してハウ
ジング9内に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸
17の上端側は、遊星歯車減速機構16のキャリア16
Cにスプライン結合されている。そして、回転軸17
は、各遊星歯車減速機構15,16によって減速された
油圧モータ7の回転を出力するものである。
【0015】18は回転軸17の下端側に設けられたピ
ニオンで、該ピニオン18は、下側ハウジング11から
グリースバス5に向けて下方に突出している。そして、
ピニオン18は、旋回輪1の内輪1Aに形成された内歯
車1Dに噛合することにより、回転軸17の回転を旋回
輪1(内輪1A)に伝達するものである。
【0016】19,20はハウジング9内に位置して下
側ハウジング11の軸受取付部11B,11Cに取付け
られた上,下の軸受で、下側の軸受20は底板12によ
って保持されている。そして、これら各軸受19,20
は、回転軸17の上端側外周に螺着されたナット21に
よって与圧された状態で、ハウジング9に対して回転軸
17を回転可能に支持するものである。
【0017】22は回転軸17の下端側に取付けられた
回転体としての環状のスリーブで、該スリーブ22は、
内周側が回転軸17の外周に液密に挿嵌され、外周側が
底板12の円筒部12A側に延びている。そして、スリ
ーブ22は、軸受20とピニオン18との間で挟持さ
れ、回転軸17と一体に回転するものである。そして、
スリーブ22の外周面22Aは、底板12の円筒部12
A内周面と全周に亘って対面し、後述するシール装置2
3の各リップ25B,25Cが摺接するシール摺接面と
なっている。
【0018】23は底板12の円筒部12A内周面とス
リーブ22の外周面22Aとの間に設けられた環状のシ
ール装置で、該シール装置23は、底板12の円筒部1
2A内周面とスリーブ22の外周面22Aとの間をシー
ルし、ハウジング9内に遊星歯車減速機構15,16、
軸受19,20等を潤滑するための潤滑油を封止するも
のである。
【0019】ここで、シール装置23は、図10に示す
ように、薄肉な金属板等によりほぼJ型の断面形状をも
って環状に形成された取付部としての金属環24と、該
金属環24の内周側に焼付け等の手段によって固着さ
れ、スリーブ22に向けて延びたニトリルゴム等のゴム
材料からなる環状のシール部25と、該シール部25を
スリーブ22の外周面22Aに押付ける環状のばね26
とにより構成されている。
【0020】また、シール部25は、スリーブ22の外
周面22Aと全周に亘って対面する環状面部25Aと、
該環状面部25Aの上端側から環状に突出しスリーブ2
2の外周面22Aに常時摺接するオイルリップ25B
と、環状面部25Aの下端側から環状に突出しスリーブ
22の外周面22Aに常時摺接するダストリップ25C
とにより構成され、オイルリップ25B、ダストリップ
25Cの外周側には、これら各リップ25B,25Cを
スリーブ22の外周面22Aに向けて押圧する上述の環
状のばね26がそれぞれ配設されている。
【0021】そして、シール装置23は、金属環24を
底板12の円筒部12A内周側に挿嵌することによりハ
ウジング9に取付けられ、オイルリップ25B及びダス
トリップ25Cの内周縁部をスリーブ22の外周面22
Aに適度な弾力をもって常時摺接させる。これにより、
底板12の円筒部12A内周面とスリーブ22の外周面
22Aとの間をシールし、オイルリップ25Bによって
ハウジング9内に潤滑油を封止すると共に、ダストリッ
プ25Cによって外部の塵埃等がハウジング9内に侵入
するのを防止する構成となっている。
【0022】従来技術による旋回装置6は上述の如き構
成を有するもので、油圧モータ7が作動して出力軸7A
が回転すると、この出力軸7Aの回転が遊星歯車減速機
構15,16によって2段減速されて回転軸17に伝わ
り、ピニオン18が大きなトルクをもって回転する。そ
して、ピニオン18が旋回輪1の内輪1Aに設けた内歯
車1Dと噛合しつつ内輪1Aに沿って公転し、このピニ
オン18の公転力がハウジング9を介して旋回フレーム
4に伝わることにより、旋回フレーム4が丸胴2上で旋
回する。
【0023】そして、旋回装置6の作動時には、シール
装置23のオイルリップ25B及びダストリップ25C
が、回転軸17と一体に回転するスリーブ22の外周面
22Aに常時摺接し、ハウジング9(底板12)とスリ
ーブ22との間をシールする。このため、オイルリップ
25Bによってハウジング9内に封止された潤滑油によ
り、遊星歯車減速機構15,16、各軸受19,20等
を適正に潤滑できると共に、ダストリップ25Cによっ
て外部の塵埃等がハウジング9内に侵入するのを防止す
ることができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した旋
回装置6の作動時に、シール装置23の各リップ25
B,25Cは、回転軸17と一体に回転するスリーブ2
2の外周面22Aに常時摺接することにより、徐々に摩
耗していく。
【0025】この場合、オイルリップ25Bは、ハウジ
ング9内の潤滑油に常に接しているため、この潤滑油が
オイルリップ25Bとスリーブ22(外周面22A)と
の摺接部に供給されることにより摩耗の進行が比較的遅
い。
【0026】これに対し、ダストリップ25Cとスリー
ブ22との摺接部には潤滑油が供給されることがないた
め、ダストリップ25Cは、以下の理由によって比較的
早期に摩耗してしまうことが知られている。
【0027】即ち、旋回装置6の作動時には、旋回輪1
の内輪1Aに形成した内歯車1Dとピニオン18とが噛
合するときのポンプ作用により、当該噛合部を潤滑する
グリースが、シール装置23のダストリップ25C、ス
リーブ22の外周面等に向けて噴出する。
【0028】この場合、グリースバス5内に保持された
グリースには、雨水や結露による水分が混入しているた
め、グリースに混入した水分がスリーブ22の外周面2
2A等に付着して錆を発生させることにより、ダストリ
ップ25Cの摩耗が促進されてしまう。
【0029】また、グリース内には、内歯車1Dとピニ
オン18とが噛合することにより生じた摩耗粉や土砂等
の異物が混入しているため、この異物がスリーブ22の
外周面22Aとダストリップ25Cとの間に侵入するこ
とにより、ダストリップ25Cの摩耗が促進されてしま
う。
【0030】このように、ダストリップ25Cは、該ダ
ストリップ25Cとスリーブ22の外周面22Aとの摺
接部に対する潤滑不足により比較的早期に摩耗してしま
う。そして、ダストリップ25Cが摩耗してそのシール
性が損なわれると、噴出したグリース内の異物が、ダス
トリップ25Cを通過してオイルリップ25Bとスリー
ブ22との摺接部に付着することにより、オイルリップ
25Bの摩耗が促進され、該オイルリップ25Bのシー
ル性が低下してしまう。
【0031】上述したように、従来技術によるシール装
置23は、各リップ25B,25Cとスリーブ22との
摺接部(特に、ダストリップ25Cとスリーブ22との
摺接部)に対する潤滑が不足し、これら各リップ25
B,25Cが比較的早期に摩耗してシール性が低下する
ことにより、ハウジング9内からの潤滑油漏れを招き、
旋回装置6を長期に亘って安定して作動させることがで
きなくなるという問題がある。
【0032】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、回転体とリップとの摺接部を適正に潤
滑することにより該リップの摩耗を抑え、長期に亘って
シール性を確保することができるようにしたシール装置
を提供することを目的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、ケーシングと該ケーシングに回転可能
に設けられた回転体との間をシールすべく両者間に設け
られ、前記ケーシングに取付けられる取付部と、該取付
部に設けられ前記回転体の外周面に摺接するリップを備
えた環状のシール部とからなるシール装置に適用され
る。
【0034】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記シール部の内周側には、潤滑油を含有して
なる含油樹脂材料により形成され、前記回転体の外周面
に摺接することにより該回転体とリップとの摺接部を潤
滑する固形潤滑材を設けたことにある。
【0035】このように構成したことにより、回転体が
回転し、該回転体の外周面と固形潤滑材とが摺接する
と、このときの両者間の摩擦熱等によって固形潤滑材か
ら潤滑油が滲み出し、当該潤滑油が回転体の外周面に付
着する。このため、回転体の外周面とリップとの摺接部
を、固形潤滑材から滲み出した潤滑油によって常時潤滑
することができ、リップの摩耗を抑え、そのシール性を
長期に亘って確保することができる。
【0036】請求項2の発明は、シール部は、回転体の
外周面と対面する環状面部と、該環状面部の内周面から
突出し回転体の外周面に摺接する複数のリップとにより
構成し、固形潤滑材は各リップ間に配設する構成とした
ことにある。
【0037】このように構成したことにより、固形潤滑
材を各リップによって保持(挟持)することができる。
また、回転体の外周面と固形潤滑材とが摺接して固形潤
滑材から潤滑油が滲み出すことにより、この潤滑油を各
リップに効率良く供給することができる。
【0038】請求項3の発明は、固形潤滑材は、リップ
が回転体の外周面に摺接したときに該回転体とシール部
との間に形成される空間を塞ぐように、該空間の断面形
状とほぼ等しい断面形状を有する構成としたことにあ
る。
【0039】このように構成したことにより、固形潤滑
材の容積を可及的に大きくすることができ、該固形潤滑
材中に多量の潤滑油を含ませることができる。また、固
形潤滑材と回転体との摺接部の面積を大きくすることが
でき、回転体の外周面に広範囲に亘って潤滑油を供給す
ることができる。
【0040】請求項4の発明は、固形潤滑材は回転体の
外周面を取囲む環状に形成し、該固形潤滑材の外周面は
シール部の内周面に締め代をもって嵌合する構成とした
ことにある。
【0041】このように構成したことにより、シール部
の内周面を利用して固形潤滑材を回転体の外周面に押付
けることができるので、該固形潤滑材を回転体に常時適
正に摺接させることができる。
【0042】請求項5の発明は、固形潤滑材の外周面は
シール部の内周面に廻止め状態に嵌着し、固形潤滑材の
内周面は回転体の外周面に摺接する構成としたことにあ
る。
【0043】このように構成したことにより、回転体が
回転したときに、固形潤滑材がシール部に対して回転す
るのが抑えられ、固形潤滑材の内周面と回転体の外周面
とが摺接面となる。このため、固形潤滑材から滲み出し
た潤滑油を確実に回転体の外周面に供給することができ
る。
【0044】請求項6の発明は、シール部と固形潤滑材
との間には、該固形潤滑材をシール部に対して廻止めす
るための凹凸嵌合部を設ける構成としたことにある。
【0045】このように構成したことにより、固形潤滑
材がシール部に対して確実に廻止めされ、固形潤滑材の
内周面と回転体の外周面とが摺接面となるので、固形潤
滑材から滲み出した潤滑油を確実に回転体の外周面に供
給することができる。
【0046】請求項7の発明は、固形潤滑材の内部には
環状の補強材を埋設する構成としたことにある。
【0047】このように構成したことにより、固形潤滑
材が、回転体の外周面との間の摩擦によって変形、破損
するのを補強材によって抑えることができ、固形潤滑材
から回転体への潤滑油の供給を長期に亘って適正に行う
ことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシール装置の
実施の形態を、油圧ショベルの旋回装置に適用した場合
を例に挙げ、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説明す
る。
【0049】まず、図1及び図2は第1の実施の形態を
示している。なお、本実施の形態では上述した従来技術
と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0050】図中、31は本実施の形態によるシール装
置で、該シール装置31は、従来技術によるシール装置
23に代えて旋回装置6に用いたものである。そして、
シール装置31は、ハウジング9を構成する底板12の
円筒部12A内周面と、回転軸17に取付けられたスリ
ーブ22の外周面22Aとの間に設けられ、両者間をシ
ールしている。
【0051】ここで、シール装置31は、従来技術によ
るシール装置23と同様に、底板12の円筒部12A内
周面に挿嵌される取付部としての金属環32と、該金属
環32の内周側に固着されたゴム材料からなる環状のシ
ール部33と、該シール部33をスリーブ22の外周面
22Aに押付ける環状のばね34とにより構成されてい
る。
【0052】そして、シール部33は、スリーブ22の
外周面22Aと全周に亘って対面する環状面部33A
と、該環状面部33Aの上端側から環状に突出しスリー
ブ22の外周面22Aに常時摺接するオイルリップ33
Bと、環状面部33Aの下端側から環状に突出しスリー
ブ22の外周面22Aに常時摺接するダストリップ33
Cとにより構成され、これら各リップ33B,33Cの
外周側には、環状のばね34がそれぞれ配設されてい
る。
【0053】しかし、本実施の形態によるシール装置3
1は、シール部33の内周側に後述の潤滑用リング35
を設けた点で、従来技術によるシール装置23とは異な
るものである。
【0054】35はシール部33の環状面部33A内周
側に配設された固形潤滑材としての潤滑用リングで、該
潤滑用リング35は、後述する含油樹脂材料によりスリ
ーブ22の外周面22Aを取囲む環状に形成され、オイ
ルリップ33Bとダストリップ33Cとの間に保持(挟
持)されている。
【0055】ここで、潤滑用リング35の素材となる含
油樹脂材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系合成樹脂等の
高分子材料からなる樹脂材料中に、例えば鉱油系、合成
油系潤滑油、リチウム石けん−鉱油系グリース等の潤滑
油を、例えば50重量%以上含有したものである。
【0056】また、この含油樹脂材料は熱硬化性を有
し、非加熱状態ではグリース状となっているため、この
グリース状の含油樹脂材料を成形型内に充填して加熱す
ることにより、硬質ゴム程度の硬さをもった潤滑用リン
グ35を容易に成形することができる。
【0057】そして、潤滑用リング35は、その外周面
35Aがシール部33の環状面部33Aの内周面に大き
な締め代をもって嵌合(環着)され、内周面35Bはス
リーブ22の外周面22Aに摺動可能に当接(摺接)し
ている。これにより、旋回装置6が作動して回転軸17
と共にスリーブ22が回転したときに、潤滑用リング3
5がスリーブ22に対して廻止めされ、該潤滑用リング
35の内周面35Bとスリーブ22の外周面22Aとが
摺接面となるように構成されている。
【0058】そして、潤滑用リング35の内周面35B
からは、スリーブ22の外周面22Aに摺接することに
より発生する摩擦熱、スリーブ22から受ける押圧力等
によって潤滑油が徐々に滲み出し、この潤滑油をスリー
ブ22の外周面22Aに供給することにより、オイルリ
ップ33Bとスリーブ22との摺接部、ダストリップ3
3Cとスリーブ22との摺接部を潤滑することができる
構成となっている。この場合、潤滑用リング35の素材
となる含油樹脂材料は水に侵されにくい性質を有してい
るため、潤滑用リング35に雨水等の水分が付着したと
しても、該潤滑用リング35の潤滑性能が低下すること
はない。
【0059】本実施の形態によるシール装置31は上述
の如き構成を有するもので、旋回装置6の作動時には、
シール装置31のオイルリップ33B及びダストリップ
33Cが、回転軸17と一体に回転するスリーブ22の
外周面22Aに常時摺接することにより、ハウジング9
(底板12)とスリーブ22との間をシールする。
【0060】このとき、各リップ33B,33C間に保
持された潤滑用リング35の内周面35Bは、スリーブ
22の外周面22Aに常時摺接する。そして、潤滑用リ
ング35の内周面35Bからは、スリーブ22の外周面
22Aとの摺接によって発生する摩擦熱、スリーブ22
から受ける押圧力等によって潤滑油が徐々に滲み出し、
この潤滑油はスリーブ22の外周面22Aに付着する。
【0061】これにより、オイルリップ33Bとスリー
ブ22との摺接部、ダストリップ33Cとスリーブ22
との摺接部を、潤滑用リング35からの潤滑油によって
常時適正に潤滑することができるので、これら各リップ
33B,33C(特に、ダストリップ33C)の摩耗を
抑え、これらのシール性を長期に亘って良好に保つこと
ができる。
【0062】このため、オイルリップ33Bによってハ
ウジング9内に封止された潤滑油により、遊星歯車減速
機構15,16、各軸受19,20等を長期に亘って適
正に潤滑できると共に、ダストリップ33Cによって外
部の塵埃等がハウジング9内に侵入するのを防止するこ
とができ、旋回装置6の寿命を延ばすことができる。
【0063】また、旋回輪1の内輪1Aに形成した内歯
車1Dとピニオン18との噛合部から噴出するグリー
ス、該グリース内に混入した異物等により、シール装置
31のダストリップ33Cが破損し、そのシール性が損
なわれたとしても、該ダストリップ33Cとオイルリッ
プ33Bとの間には潤滑用リング35が設けられてい
る。
【0064】このため、噴出するグリースや該グリース
内に混入した異物等を、潤滑用リング35によって遮断
することにより、ダストリップ33Cが破損した後にお
いてもオイルリップ33Bを保護することができ、その
シール性を長期に亘って良好に保つことができる。
【0065】次に、図3は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、固形潤滑材を、回転
体の外周面とシール部との間に形成される空間の断面形
状とほぼ等しい断面形状に形成したことにある。なお、
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0066】図中、41は本実施の形態によるシール装
置で、該シール装置41は、第1の実施の形態によるシ
ール装置31とほぼ同様に、取付部としての金属環32
と、該金属環32に固着された環状面部33A、オイル
リップ33B、ダストリップ33Cからなるシール部3
3と、該シール部33をスリーブ22の外周面22Aに
押付ける環状のばね34と、シール部33の内周側に設
けられた後述の潤滑用リング42とにより構成されるも
のの、該潤滑用リング42の構成が第1の実施の形態に
よるものとは異なっている。
【0067】42はシール部33の環状面部33A内周
側に設けられた固形潤滑材としての潤滑用リングで、該
潤滑用リング42は、第1の実施の形態に用いた潤滑用
リング35と同様の含油樹脂材料により、スリーブ22
の外周面22Aを取囲む環状に形成されている。そし
て、潤滑用リング42の外周面42Aは、シール部33
の環状面部33Aの内周面に大きな締め代をもって嵌合
され、内周面42Bはスリーブ22の外周面22Aに摺
接している。
【0068】ここで、潤滑用リング42の断面形状は、
シール部33の各リップ33B,33Cがスリーブ22
の外周面22Aに摺接したときに、該スリーブ22の外
周面22Aとシール部33との間に環状に形成される空
間の断面形状と等しく、ほぼ等脚台形状に形成されてい
る。
【0069】これにより、スリーブ22の外周面22A
とシール部33との間が潤滑用リング42によって隙間
なく塞がれる状態となり、潤滑用リング42の容積は第
1の実施の形態による潤滑用リング35よりも大きくな
っている。従って、潤滑用リング42は、容積が大きく
なった分、多量の潤滑油を保持することができる構成と
なっている。
【0070】本実施の形態によるシール装置41は上述
の如き潤滑用リング42を備えたもので、回転軸17と
共にスリーブ22が回転し、該スリーブ22の外周面2
2Aに潤滑用リング42の内周面42Bが摺接すること
により、潤滑用リング42から潤滑油が滲み出し、この
潤滑油によってスリーブ22の外周面22Aと各リップ
33B,33Cとの摺接部を常時適正に潤滑することが
できる。
【0071】この場合、本実施の形態によるシール装置
41は、潤滑用リング42を、スリーブ22の外周面2
2Aとシール部33との間に環状に形成される空間を隙
間なく塞ぐように、当該空間の断面形状と等しい断面形
状をもった環状に形成したので、潤滑用リング42の容
積を可及的に大きくすることができる。このため、潤滑
用リング42中に多量の潤滑油を含ませることができ、
かつ、潤滑用リング42とスリーブ22の外周面22A
との摺接面積を大きくすることができ、スリーブ22の
外周面22Aと各リップ33B,33Cとの摺接部に多
くの潤滑油を供給することができる。
【0072】次に、図4及び図5は本発明による第3の
実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、シール部と
固形潤滑材との間に、該固形潤滑材をシール部に対して
廻止めするための凹凸嵌合部を設けたことにある。な
お、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0073】図中、51は本実施の形態によるシール装
置で、該シール装置51は、取付部としての金属環52
と、該金属環52の内周側に固着されたゴム材料からな
る環状のシール部53と、該シール部53をスリーブ2
2の外周面22Aに押付ける環状のばね54と、シール
部53の内周側に設けられた後述の潤滑用リング55と
により構成されている。
【0074】ここで、シール部53は、スリーブ22の
外周面22Aと全周に亘って対面する環状面部53A
と、該環状面部53Aの上端側から環状に突出しスリー
ブ22の外周面22Aに常時摺接するオイルリップ53
Bと、環状面部53Aの下端側から環状に突出しスリー
ブ22の外周面22Aに常時摺接するダストリップ53
Cとにより構成され、各リップ53B,53Cの外周側
にはそれぞれ環状のばね54が配設されている。また、
環状面部53Aの内周側には、後述する潤滑用リング5
5の各嵌合凹部55Cに嵌合する複数の突起部53D
と、各嵌合凸部55Dに嵌合する複数の凹陥部53Eと
が設けられている。
【0075】55はシール部53の環状面部53A内周
側に設けられた固形潤滑材としての潤滑用リングで、該
潤滑用リング55は、第1の実施の形態に用いた潤滑用
リング35と同様の含油樹脂材料により、スリーブ22
の外周面22Aを取囲む環状に形成され、その外周面5
5Aはシール部53の環状面部53Aの内周面に嵌合さ
れ、内周面55Bはスリーブ22の外周面22Aに摺接
している。
【0076】55C,55C,…は潤滑用リング55の
外周面55Aに設けられた複数の嵌合凹部で、該各嵌合
凹部55Cは、例えば潤滑用リング55の外周面55A
の周方向に一定のピッチをもって形成されている。そし
て、各嵌合凹部55Cは、シール部53の環状面部53
Aに設けられた各突起部53Dに嵌合することにより、
潤滑用リング55をシール部53に対して廻止めするも
のである。
【0077】55D,55D,…は潤滑用リング55の
外周面55Aに設けられた複数の嵌合凸部で、該各嵌合
凸部55Dは、上述した各嵌合凹部55Cと周方向で互
い違いとなるように設けられている。そして、各嵌合凸
部55Dは、シール部53の環状面部53Aに設けられ
た各凹陥部53Eに嵌合することにより、潤滑用リング
55をシール部53に対して廻止めするものである。
【0078】本実施の形態によるシール装置51は上述
の如き構成を有するもので、シール部53の環状面部5
3A内周側に、複数の突起部53Dと凹陥部53Eとを
設け、潤滑用リング55の外周面55Aに、突起部53
Dが嵌合する嵌合凹部55Cと、凹陥部53Eに嵌合す
る嵌合凸部55Dとを設けることにより、潤滑用リング
55をシール部53に対して確実に廻止めすることがで
きる。
【0079】このため、回転軸17と共にスリーブ22
が回転したときに、潤滑用リング55の内周面55Bと
スリーブ22の外周面22Aとが摺接面となり、潤滑用
リング55からの潤滑油を、スリーブ22の外周面22
Aに確実に供給することができる。
【0080】次に、図6は本発明による第4の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、固形潤滑材の内部に
環状の補強材を埋設したことにある。なお、本実施の形
態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に
同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0081】図中、61は本実施の形態によるシール装
置で、該シール装置61は、取付部としての金属環32
と、該金属環32に固着された環状面部33A、オイル
リップ33B、ダストリップ33Cからなるシール部3
3と、該シール部33をスリーブ22の外周面22Aに
押付ける環状のばね34と、シール部33の内周側に設
けられた後述の潤滑用リング62とにより構成されてい
る。
【0082】62はシール部33の環状面部33A内周
側に設けられた固形潤滑材としての潤滑用リングで、該
潤滑用リング62は、第1の実施の形態に用いた潤滑用
リング35と同様の含油樹脂材料により、スリーブ22
の外周面22Aを取囲む環状に形成されている。そし
て、潤滑用リング62の外周面62Aは、シール部33
の環状面部33A内周面に嵌合され、内周面62Bはス
リーブ22の外周面22Aに摺動可能に嵌合されてい
る。また、潤滑用リング62の断面形状は、スリーブ2
2の外周面22Aとシール部33との間に環状に形成さ
れる空間の断面形状と等しく、ほぼ等脚台形状に形成さ
れている。
【0083】63は潤滑用リング62内に埋設された補
強材で、該補強材63は、例えば金属材料、エンジニア
リングプラスチック等の強度に優れた材料により環状に
形成され、潤滑用リング62の成形時に該潤滑用リング
62内に埋込まれる構成となっている。そして、補強材
63は、潤滑用リング62がスリーブ22の外周面22
Aとの間の摩擦によって変形、破損するのを抑えるもの
である。
【0084】本実施の形態によるシール装置61は上述
の如き潤滑用リング62を備えたもので、該潤滑用リン
グ62内に補強材63を埋設することにより、潤滑用リ
ング62がスリーブ22の外周面22Aとの間の摩擦に
よって変形、破損するのを抑えることができ、潤滑用リ
ング62による潤滑機能を長期に亘って維持することが
できる。
【0085】なお、上述した第1の実施の形態では、互
いにほぼ等しい形状をもったオイルリップ33Bとダス
トリップ33Cとを有するシール部33に、潤滑用リン
グ35を設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限
るものではなく、例えば図7に示す変形例のシール装置
71のように、金属環72に互いに形状の異なるオイル
リップ73Aとダストリップ73Bとを有するシール部
73が固着されたものにおいて、このシール部73の内
周側に潤滑用リング74を設ける構成としてもよい。こ
のことは、第2,第3,第4の実施の形態についても同
様である。
【0086】また、例えば図8に示す他の変形例のシー
ル装置81のように、金属環82に単一のオイルリップ
83Aを有するシール部83が固着されたシングルリッ
プ型のシール84を2個組合わせ、これら各シール84
のオイルリップ83A間に潤滑用リング85を設ける構
成としてもよい。
【0087】また、上述した第4の実施の形態では、潤
滑用リング62内に埋設される補強材63を中実な環状
体により構成しているが、本発明はこれに限らず、例え
ば中空な環状体により構成してもよく、また、潤滑用リ
ング62との密着性を高めるために表面を凹凸形状に形
成してもよい。
【0088】また、上述した各実施の形態では、シール
部33の各リップ33B,33C、及び潤滑用リング3
5(42,55,62)が、回転軸17に取付けたスリ
ーブ22の外周面22Aに摺接するものとして述べた
が、本発明はこれに限らず、例えばシール部33の各リ
ップ33B,33C、及び潤滑用リング35(42,5
5,62)が、回転軸17の外周面に摺接する構成とし
てもよい。
【0089】さらに、上述した各実施の形態では、シー
ル装置31(41,51,61)を、油圧ショベルの旋
回装置6に適用した場合を例に挙げているが、本発明に
係るシール装置は、ハウジングと該ハウジングに回転可
能に設けられた回転体とを備えた装置全般に広く適用す
ることができるものである。
【0090】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、回転体の外周面に摺接するリップを備えた環状の
シール部の内周側に、潤滑油を含有してなる含油樹脂材
料により形成された固形潤滑材を設ける構成としたの
で、回転体の外周面と固形潤滑材とが摺接し、このとき
の両者間の摩擦熱等によって固形潤滑材から潤滑油が滲
み出すことにより、回転体の外周面とリップとの摺接部
を、固形潤滑材から滲み出した潤滑油によって常時潤滑
することができる。このため、リップの摩耗を抑え、そ
のシール性を長期に亘って確保することができる。
【0091】また、請求項2の発明によれば、シール部
を、回転体の外周面と対面する環状面部と、該環状面部
の内周面から突出する複数のリップとにより構成し、固
形潤滑材は各リップ間に配設する構成としたので、固形
潤滑材を各リップによって保持(挟持)することができ
る。また、回転体の外周面と固形潤滑材とが摺接して固
形潤滑材から潤滑油が滲み出すことにより、この潤滑油
を各リップに効率良く供給することができる。
【0092】また、請求項3の発明によれば、固形潤滑
材は、リップが回転体の外周面に摺接したときに該回転
体とシール部との間に形成される空間を塞ぐように、該
空間の断面形状とほぼ等しい断面形状を有する構成とし
たので、固形潤滑材の容積を可及的に大きくすることが
できる。このため、固形潤滑材中に多量の潤滑油を含ま
せることができ、かつ、固形潤滑材と回転体との摺接面
積を大きくすることができ、回転体の外周面に広範囲に
亘って潤滑油を供給することができる。
【0093】また、請求項4の発明によれば、固形潤滑
材は回転体の外周面を取囲む環状に形成し、該固形潤滑
材の外周面はシール部の内周面に締め代をもって嵌合す
る構成としたので、シール部の内周面を利用して固形潤
滑材を回転体の外周面に押付けることができ、該固形潤
滑材を回転体に常時適正に摺接させることができる。
【0094】また、請求項5の発明によれば、固形潤滑
材の外周面はシール部の内周面に廻止め状態に嵌着し、
内周面を回転体の外周面に摺接する構成としたので、固
形潤滑材の内周面と回転体の外周面とを摺接面とするこ
とができ、固形潤滑材から滲み出した潤滑油を確実に回
転体の外周面に供給することができる。
【0095】また、請求項6の発明によれば、シール部
と固形潤滑材との間に、該固形潤滑材をシール部に対し
て廻止めするための凹凸嵌合部を設けたので、固形潤滑
材をシール部に対して確実に廻止めすることができる。
これにより、固形潤滑材の内周面と回転体の外周面とが
摺接面となるので、固形潤滑材から滲み出した潤滑油を
確実に回転体の外周面に供給することができる。
【0096】さらに、請求項7の発明によれば、固形潤
滑材の内部には環状の補強材を埋設する構成としたの
で、固形潤滑材が、回転体の外周面との間の摩擦によっ
て変形、破損するのを補強材によって抑えることがで
き、固形潤滑材による潤滑機能を長期に亘って維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるシール装置の
要部を、旋回装置のハウジングと回転軸との間に取付け
た状態で拡大して示す要部拡大断面図である。
【図2】図1中のシール装置を単体で示す一部破断の斜
視図である。
【図3】第2の実施の形態によるシール装置の要部を拡
大して示す図1と同様の要部拡大断面図である。
【図4】第3の実施の形態によるシール装置の要部を拡
大して示す図1と同様の要部拡大断面図である。
【図5】図4中の潤滑用リング等を矢示V−V方向から
みた断面図である。
【図6】第4の実施の形態によるシール装置の要部を拡
大して示す図1と同様の要部拡大断面図である。
【図7】シール装置の変形例を示す図1と同様の要部拡
大断面図である。
【図8】シール装置の他の変形例を示す図1と同様の要
部拡大断面図である。
【図9】従来技術によるシール装置を用いた油圧ショベ
ルの旋回装置を示す断面図である。
【図10】従来技術によるシール装置を、図9中のa部
を拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
9 ハウジング 10 上側ハウジング 11 下側ハウジング 12 底板 17 回転軸(回転体) 22 スリーブ(回転体) 31,41,51,61,71,81 シール装置 32,52,72,82 金属環(取付部) 33,53,73,83 シール部 33A,53A 環状面部 33B,53B,73A,83A オイルリップ 33C,53C,73B ダストリップ 35,42,55,62,74,85 潤滑用リング
(固形潤滑材) 35A,55A 外周面 35B,55B 内周面 53D 突起部(凹凸嵌合部) 53E 凹陥部(凹凸嵌合部) 55C 嵌合凹部(凹凸嵌合部) 55D 嵌合凸部(凹凸嵌合部) 63 補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 勇人 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 澁川 壮史 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 田中 章弘 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 関戸 慎一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3J006 AD02 AE18 3J016 AA01 BB03 CA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと該ケーシングに回転可能に
    設けられた回転体との間をシールすべく両者間に設けら
    れ、前記ケーシングに取付けられる取付部と、該取付部
    に設けられ前記回転体の外周面に摺接するリップを備え
    た環状のシール部とからなるシール装置において、 前記シール部の内周側には、潤滑油を含有してなる含油
    樹脂材料により形成され、前記回転体の外周面に摺接す
    ることにより該回転体とリップとの摺接部を潤滑する固
    形潤滑材を設ける構成としたことを特徴とするシール装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シール部は、前記回転体の外周面と
    対面する環状面部と、該環状面部の内周面から突出し前
    記回転体の外周面に摺接する複数のリップとにより構成
    し、前記固形潤滑材は前記各リップ間に配設する構成と
    してなる請求項1に記載のシール装置。
  3. 【請求項3】 前記固形潤滑材は、前記リップが前記回
    転体の外周面に摺接したときに該回転体と前記シール部
    との間に形成される空間を塞ぐように、該空間の断面形
    状とほぼ等しい断面形状を有する構成としてなる請求項
    1または2に記載のシール装置。
  4. 【請求項4】 前記固形潤滑材は前記回転体の外周面を
    取囲む環状に形成し、該固形潤滑材の外周面は前記シー
    ル部の内周面に締め代をもって嵌合する構成としてなる
    請求項1,2または3に記載のシール装置。
  5. 【請求項5】 前記固形潤滑材の外周面は前記シール部
    の内周面に廻止め状態に嵌着し、前記固形潤滑材の内周
    面は前記回転体の外周面に摺接する構成としてなる請求
    項1,2,3または4に記載のシール装置。
  6. 【請求項6】 前記シール部と固形潤滑材との間には、
    該固形潤滑材をシール部に対して廻止めするための凹凸
    嵌合部を設ける構成としてなる請求項1,2,3,4ま
    たは5に記載のシール装置。
  7. 【請求項7】 前記固形潤滑材の内部には環状の補強材
    を埋設する構成としてなる請求項1,2,3,4,5ま
    たは6に記載のシール装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180342A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Nok Corp ウォーターポンプ用密封装置

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JP2008180342A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Nok Corp ウォーターポンプ用密封装置

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