JP2002266803A - トルクジェネレータ - Google Patents

トルクジェネレータ

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JP2002266803A
JP2002266803A JP2001061808A JP2001061808A JP2002266803A JP 2002266803 A JP2002266803 A JP 2002266803A JP 2001061808 A JP2001061808 A JP 2001061808A JP 2001061808 A JP2001061808 A JP 2001061808A JP 2002266803 A JP2002266803 A JP 2002266803A
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spool
gerotor
inlet port
input shaft
sleeve
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JP2001061808A
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Atsushi Ishigaki
厚 石垣
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Sumitomo Eaton Hydraulics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクジェネレータ単体で出力軸側からの負
荷の反力が入力軸側に伝わらない構造を実現する。 【解決手段】 入力軸110及び出力軸122を備える
と共に、入口ポート118及び出口ポート126を備
え、入口ポート118から流入するオイルの流路を、流
路制御部FCを介してコントロールすることにより出力
軸122と連結されたジロータ119を回転させ、入力
軸110の小さなトルクによる回転を出力軸122の大
きなトルクの回転として取り出すトルクジェネレータT
G1において、入力軸110の回転が停止しているとき
に、ジロータ119の図示せぬ容積室が、入口ポート1
18及び出口ポート126のいずれに対しても遮断状態
に維持されるように流路制御部FCが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクジェネレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】トルクジェネレータは、入力軸の小さな
トルクの回転を出力軸の大きなトルクの回転として取り
出すためのもので、従来、農業機械や建設機械を含む各
種車両のパワーステアリング、ウィンチ、あるいは船の
操舵機構等において幅広く利用されている。
【0003】図6〜図9に、従来の代表的なトルクジェ
ネレータの構成を示す。
【0004】このトルクジェネレータTGは、入力軸1
0、該入力軸10に一体的に形成されたスプール(ロー
タリバルブ)12、該スプール12の外周側に摺動自在
に重合されたスリーブ14、該スリーブ14及びスプー
ル12を収容するハウジング16、油圧源に通じる入口
ポート18からこのスリーブ14及びスプール12を経
由して流入したオイルによって回転作動するジロータ
(油圧モータ)19、該ジロータ19の回転をスリーブ
14にフィードバックするコントロールエンドドライブ
20、該ジロータ19の回転を出力軸22に伝達するパ
ワーエンドドライブ24、ジロータ19からの戻りオイ
ルを排出する出口ポート26等で構成される。
【0005】図7に模式的に示されるように、入力軸1
0が停止している状態の場合には、入口ポート18と出
口ポート26とが短絡(連通)した状態となっている
(オープンセンタタイプ)。従って、入口ポート18か
ら流入されたオイルは出口ポート26からそのまま流出
される。
【0006】ここで、入力軸10が左右いずれかの方向
に回転された場合には、スリーブ14に対するスプール
12の位相(円周方向の相対変位)に依存して、ジロー
タ19が(増幅されたトルクで)回転し、その回転力が
パワーエンドドライブ24を介して出力軸22に伝達さ
れる。又、ジロータ19の回転は、スリーブ14にもフ
ィードバックされるため、スリーブ14はスプール12
を追いかけるようにして回転し、入力軸10が停止した
段階でスプール12に追いつき、ここで(即ち相対変位
が解消された段階で)ジロータ19も停止する。
【0007】この状態で、入力軸10を再びいずれかの
方向に回転させると、スプール12とスリーブ14とに
新たな相対変位が形成されるため、この相対変位を解消
するようにジロータ19が(増幅されたトルクで)回転
する。
【0008】図8は、スプール12とスリーブ14とで
構成される制御バルブ機構を説明するために、これらの
一部を平面に展開して示した模式図である。スプール1
2とスリーブ14は図8の(A)において左右方向に、
(B)において紙面に対して垂直方向に相対変位する。
スプール12はその外周に該スプール12の軸方向に間
隔をおいて設けられた高圧側の円周方向溝30、低圧側
の円周方向溝32を有する。高圧側の円周方向溝30に
は入力ポート18側に連通する貫通孔38が形成され、
低圧側の円周方向溝32には出口ポート26側に通じる
貫通孔40がそれぞれ形成されている。円周方向溝3
0、32にはそれぞれ複数の軸方向溝34、36が連通
している。
【0009】入力軸10が停止しているニュートラル位
置においては、ジロータ19の図示せぬ容積室に通じる
貫通孔42A、42Bは、図8に示されるように、ラン
ド44に跨がるように位置するが、このランド44の幅
よりも貫通孔42A、42Bの直径の方が大きいため、
スプール12の軸方向溝34と軸方向溝36とが連通
し、この結果、入口ポート18側の貫通孔38は出口ポ
ート26側の貫通孔40のみならず、ジロータ19の容
積室とも連通している。
【0010】この状態から、例えば入力軸10の右方向
の回転によってスプール12が図の右方向に移動した場
合、貫通孔42A、42Bは相対的に左方向に変位す
る。この結果、図9に示されるように相対変位が大きく
なるに従って低圧側の円周方向溝32と連通している貫
通孔42AのエリアAの面積が低減すると共に、(1つ
おきに配置されている)高圧側の円周方向溝30と連通
している貫通孔42BのエリアBの面積が増大し、該エ
リアBを経て入口ポート18側がジロータ19の右方向
回転時に高圧室となる容積室に通じ、ジロータ19が右
方向に回転する。入力軸10が左方向に回転されたとき
は、エリアAとエリアBとの関係が逆になり、ジロータ
19は左方向に回転する。
【0011】なお、入力軸10と一体的に回転するスプ
ール12は、コントロールエンドドライブ20に(一体
的にではないが)機械的に連結されている。そのため、
図示せぬ油圧発生源が非作動状態であっても、入力軸1
0の回転を出力軸22から純機械的に取り出すことがで
きるようになっている。
【0012】ここでは、入口ポート18と出口ポート2
6とが常時連通している、いわゆる「オープンセンタ」
タイプの構造を例にとって説明している。この構造は、
油圧発生源に対する負荷が小さく、エネルギーの損失も
少ないという利点がある。これに対し、制御バルブ機構
のニュートラル状態において入口ポート18と出口ポー
ト26とが遮断され、入口ポート18側に常時高圧を作
用させることによって応答性を向上させるようにした、
いわゆる「クローズドセンタ」タイプと呼ばれる構造も
公知である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のトル
クジェネレータTGにあっては、ニュートラル状態にお
いて入口ポート18、ジロータ19の容積室、出口ポー
ト26がそれぞれ連通された状態が形成されていたた
め、例えば出力軸22に何らかの外力が加わって該出力
軸22が回転した場合、この回転に伴ってジロータ19
が回転し、このときスプール12とスリーブ14には変
位は発生しないことから、該スプール12と一体の入力
軸10がこの出力軸22の動きに追随して回転するとい
う現象が発生した。
【0014】この現象は、いわゆる「ロード(LOA
D:負荷)リアクション現象」と呼ばれ、例えば、自動
車のパワーステアリング等の用途においては、車輪側か
らの反力をステアリングを介して感じ取ることにより、
路面状況、例えば路面の凹凸状態、あるいは滑り易さ
(路面の摩擦係数)等を知る手かがりを得ることがで
き、ある意味では有効に作用することもあった。
【0015】しかしながら、その機能上低速でしか走行
しないような車両、例えば、耕耘機、田植機、あるいは
除雪車、クレーン車、ショベルカー等の各種特殊車両や
建設車両等においては、路面状況は、敢えてステアリン
グのリアクションによらなくても既に把握済みであり、
むしろ、車輪側から伝達される路面の凹凸による走行反
力や、土の掘り起こしや雪の除去の際の車輪側からの反
力によってステアリングが駆動されて(回転して)しま
うのは、煩わしいという問題があった。何よりも、直線
走行を維持しようとした場合には、常時ステアリングを
定位置に保持しておく必要があるという問題があり、頻
度によっては少なからぬ労力を必要とした。
【0016】又、ウィンチや船の操舵機構のように、本
来負荷側からの反力の如何に関らず、常に入力側からの
指令に従って出力軸側を操作、あるいは操縦したいとい
う要請のあるもの(あるいは分野)においては、従来、
複数のシリンダ機構等を利用した複雑な油圧制御機構を
構築することによって出力側のリアクションが入力側に
伝達されないように配慮した構造が知られている。しか
しながら、言うまでもなく、このような複雑な油圧制御
機構ではシステムの変更も大幅となった。
【0017】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
さなれたものであって、出力軸側からの反力の如何に関
わらず、常に「入力軸側の回転に応じて安定した出力軸
側の操縦を行う」という機能をトルクジェネレータ自体
に内在させ、簡易な構成でありながら、従来複雑な油圧
制御機構でなければ実現できなかった効果と同様の効果
が得られるようにすることをその課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力軸及び出
力軸を備えると共に、油圧発生源に通じる入口ポート及
びリザーバに通じる出口ポートを備え、入口ポートから
流入するオイルの流路を、流路制御部を介してコントロ
ールすることにより前記出力軸と連結されたジロータを
回転させ、入力軸の小さなトルクによる回転を出力軸の
大きなトルクの回転として取り出すトルクジェネレータ
において、前記入力軸の回転が停止しているときに、前
記ジロータの容積室が、前記入口ポート及び出口ポート
のいずれに対しても、遮断された状態に維持されるよう
に前記流路制御部を形成したことにより、上記課題を解
決したものである。
【0019】本発明においては、従来ニュートラル状態
において連通状態とされていた入口ポート〜ジロータの
容積室〜出口ポートの三者を遮断可能とし、入力軸の回
転が停止しているときには、ジロータの容積室が、入口
ポート及び出口ポート及び出口ポートのいずれに対して
も、遮断された状態に維持されるように流路制御部を形
成するようにした。
【0020】この構成により、入力軸の回転が停止して
いるときには、ジロータの高圧側の容積室に流入された
オイルも又低圧側の容積室に残存していたオイルの圧力
差は殆どなくなってはいるが、何れの側のオイルもその
移動が封じられた状態となり、出力軸の回転に対して大
きな反力を発生させることができる。その結果、運転者
が入力軸側を意図的に回転させない限り、出力軸側は常
に、その位置が保持されることになり、例えば各種車両
のパワーステアリングの用途に用いる場合には直進走行
を安定した状態で行うことができる。又、例えばウィン
チに用いる場合には、対象物を所定の位置に安定的に維
持することができ、船の操舵機構に用いるような場合に
は、流れによる反力の如何に関わらず、所定の操舵角を
確実に維持することができる。
【0021】なお、本発明を具体的に実施する際の構成
としては、例えば、前記流路制御部が前記入力軸と回転
方向に一体化されたスプールと、このスプールの外周に
摺動自在に重合するスリーブと、該スリーブに前記ジロ
ータの回転をフィードバックするためのコントロールエ
ンドドライブと、を備え、前記スプール及びスリーブに
は、該スプール及びスリーブに円周方向の相対位相差が
発生していないときに、前記入口ポートからのオイルが
前記出口ポート側に全量導かれるようにすると共に、前
記ジロータの容積室が、この入口ポート〜出口ポートの
流路と遮断された状態に維持され、前記スプールとスリ
ーブとに相対変位が発生したときに、該発生した相対変
位に依存して、前記入口ポート〜出口ポート間の連通が
遮断されると共に、該入口ポートと前記ジロータの増圧
方向の容積室側が連通され、且つ、前記ジロータの減圧
方向の容積室側と前記出口側が連通されるように、流路
体系が形成されているような構成を採用することができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0023】図1〜図4に本発明が適用されたトルクジ
ェネレータTG1を示す。
【0024】図1に示されるように、このトルクジェネ
レータTG1は、入力軸110及び出力軸122を備え
ると共に、図示せぬ油圧発生源に通じる入口ポート11
8及び図示せぬリザーバに通じる出口ポート126を備
え、入口ポート118から流入するオイルの流路を、流
路制御部FCを介してコントロールすることにより、出
力軸122と連結されたジロータを回転させ、入力軸1
10の小さなトルクによる回転を出力軸122の大きな
トルクの回転として取り出すものである。その基本的な
構成は、先に図6〜図9を用いて説明した従来のトルク
ジェネレータTGと同様である。
【0025】異なるのは、主にスプール112及びスリ
ーブ114に形成した溝や貫通孔の組合せによって形成
される流路制御部FCの構成である。従って、従来の構
成と同様な部材については図中において下2桁が同一の
符号を付すに止どめて重複説明を省略することとし、こ
こでは、流路制御部FCの構成に焦点を当てて詳しく説
明する。
【0026】図2は図7に相当する本トルクジェネレー
タTG1の油圧系統の概略模式図である。図から明らか
なように、このトルクジェネレータTG1では、入力軸
110が停止している状態の場合において、入口ポート
118と出口ポート126は従来と同様に短絡(連通)
した状態とされている(オープンセンタタイプ)。
【0027】しかしながら、ジロータ119の容積室
は、その高圧側、あるいは低圧側の双方ともこの入口ポ
ート118、あるいは出口ポート126のいずれとも遮
断された状態とされている。従って、出力軸122が回
転してジロータ119が回転しようとしても、容積室に
密封状態とされたオイルが当該回転に対して強い抵抗を
与え、出力軸が容易に回転しない状態を維持することが
できる。
【0028】図5(A)、(B)は、図8の(A)、
(B)に相当する模式図である。この模式図は、スプー
ル112とスリーブ114とで構成される制御バルブ機
構を概念的に説明するためのもので、該スプール112
とスリーブ114との重合部の一部を平面的に展開して
示している。スプール112とスリーブ114は、図5
の(A)において左右方向に、(B)において紙面と垂
直の方向にそれぞれ相対変位する。スプール112はそ
の外周に該スプール112の円周方向に間隔をおいて設
けられた軸方向溝150を有し、この軸方向溝150の
間に同じく軸方向に長く形成された中間溝152を備え
る。
【0029】入口ポート118に連通している貫通孔1
54は、ニュートラル状態(スプール112とスリーブ
114とに相対変位が生じていない状態)のときに前記
軸方向溝150と連通する位置に形成されている。又、
スプール112にはその外周に低圧側の円周方向溝13
2を有し、この円周方向溝132に出口ポート126側
に通じる貫通孔140が形成されている。前記軸方向溝
150は、円周方向溝132と連通されているため、結
局、ニュートラル状態においては、入口ポート118側
に連通する貫通孔154、軸方向溝150、円周方向溝
132、出口ポート126側に通じる通孔140が全て
連通された状態となるように位置決めされている。な
お、この例では、従来の高圧側の円周方向溝30に相当
する幅広の円周方向溝は特に形成されていない。
【0030】なお、ニュートラル時においては、貫通孔
154A、154Bは、スプールの中間溝152とは連
通していない。
【0031】一方、スプール112が左方向に回転した
とき貫通孔156Aと中間溝152が連通し、入口ポー
ト118から流入したオイルは、貫通孔154と貫通孔
156Aとに分流し、中間溝152へ流れた油は貫通孔
160Aを通り、ジロータ左回転時の入口側(高圧側)
へ連通する構成とされている。
【0032】右回転時にはその逆で、貫通孔156Bと
中間溝152が連通し、オイルは貫通孔160Bへと流
れ、ジロータ右回転時の入口側(高圧側)へ連通するよ
うになっている。
【0033】貫通孔156A、156Bと中間溝152
との間、及び貫通孔160A、160Bとの間にはそれ
ぞれ不感帯N1、N2が設けられている。この不感帯N
1、N2は、通常入力される可能性のある出力軸122
側からの反力によってスリープ114が微小に動く範囲
より大きく設定されている。
【0034】なお、このトルクジェネレータTG1の入
力軸は、用途に応じ、例えば駆動対象物(例えば操舵車
輪)の角度や位置を支持するための、例えばステアリン
グのような回転機構と連結されており、出力軸122
は、当該駆動対象物を機械的に駆動する機構に直接連結
されている。
【0035】次に、このトルクジェネレータTG1の作
用を説明する。
【0036】ステアリングに力を加えていない(手放
し)状態の場合は、図3の(A)、(B)に示されるよ
うな状態となり、入口ポート118から流入されたオイ
ルは貫通孔154より軸方向溝150に流入し、そのま
ま円周方向溝132、貫通孔140を介して出口ポート
126から流出される(オープンセンタタイプ)。従っ
て、図示せぬ油圧発生源に対する負荷は殆どなく、エネ
ルギの損失も少ない。
【0037】この状態では、車輪に路面の凹凸や旋回力
等の外力が加わって当該外力によって出力軸122が回
転・駆動されようとしても、ジロータ119の容積室の
出入口に相当する貫通孔160A、160Bがブロック
されているため、出力軸122は動くことができず、操
舵車輪は現状の角度を維持する。
【0038】更に、この実施形態では、通常の反力で出
力軸が微小に動く範囲以上の長さに設定された不感帯N
1、N2が設定されているため、外力によって出力軸1
22が微小に回転したとしても、中間溝152と貫通孔
156A(あるいは156B)、中間軸152と貫通孔
160A(あるいは160B)が連通しないため、入力
軸110側を積極的に回転させない限り、常にこの状態
を維持することができ、入力軸110側に何らトルクを
加えることなく(即ちステアリングに軽く手を添えてい
るだけで)直進状態、あるいは同一半径の旋回状態を維
持し続けることができる。
【0039】なお、不感帯N1、N2は、基本的には略
同一の大きさとするが、これらの絶対値、相対的な大き
さ、あるいは貫通孔154の大きさや数を変えることに
より、ニュートラル時、或いは入力軸の回転開始・終了
付近のジロータの挙動を調整できる。
【0040】一方、ステアリングを回転させることによ
って入力軸110を積極的に回転させた場合には、スプ
ール112とスリーブ114との間に円周方向の相対変
位が発生するため、各溝や貫通孔の相対位置が(例えば
右回転の場合には)図4に示されるように変化する。図
5に各エリアの開口度を示すように、この状態では、貫
通孔154が軸方向溝150から(徐々に)外れるよう
になるため、エリアAnが小さくなっていわゆるブリー
ド制御状態となり、入力側の圧力が高くなる。又、これ
と同時に、それまてブロック状態にあった中間溝152
と右回転用の貫通孔156Bが連通すると共に(エリア
B1の拡大)、右回転時に高圧のオイルが流入する容積
室と連通している貫通孔160Bが当該中間溝152を
介して連通するようになるため(エリアB2の拡大)、
結局、入口ポート118から流入し、ブリード制御され
た高圧のオイルがジロータ119の右回転用の容積室に
流入するようになる。
【0041】一方、この状態では、ジロータ119の左
回転時に高圧となる容積室と連通している貫通孔160
Aは軸方向溝150側と連通するようになるため、円周
方向溝132、貫通孔140を介してそのまま出口ポー
ト126と連通し、ドレン状態となる。この結果、ジロ
ータ119の高圧側、低圧側の容積室の圧力差によって
該ジロータ119にトルクが発生し、ジロータ119が
回転する。
【0042】このときのジロータ119の回転トルク
が、操舵車輪を旋回させるのに必要なトルクより小さい
場合には、(入力軸を回転しても)スリーブ114がフ
ィードバックされた形で追随してこないため、入口ポー
ト118側の貫通孔154が更に絞られて圧力差が一層
大きくなる。この結果、操舵車輪を回転させるのに必要
なトルクよりも大きいトルクがジロータ119に発生
し、実際に操舵車輪が回転させられることによって出力
軸122を介してスリーブ114の追随回転があった場
合には、再び軸方向溝150と貫通孔154とのオリフ
ィス面積が大きくなり、ジロータ119の容積室の圧力
差も小さくなる。このときの運転者によるステアリング
操作時の入力トルクは、スプール110とスリーブ11
4との間に相対変位を発生させ得るだけのトルクのみで
よい。
【0043】ジロータ119の回転はパワーエンドドラ
イブ124を介して出力軸122に伝達される。又、ジ
ロータ119の回転は、コントロールエンドドライブ1
20を介してスリーブ114にフィードバックされるた
め、該スリーブ114はスプール112を追いかけるよ
うにして回転し、入力軸110が停止した段階でスプー
ル112に追いつき、ここで(即ち相対変位が解消され
た段階で)ジロータ119も停止する。
【0044】なお、入力軸を左に回転させたときには、
中間軸152等に対する各貫通孔の相対変位が逆にな
り、同様の作用が得られる。
【0045】一度入力軸110の回転を止めると、先に
説明した状態となり、ジロータ119の各容積室がブロ
ックされ、入力軸110に何ら力を加えなくても出力軸
122は停止状態を維持し、操舵車輪はそのときの角度
を維持する。
【0046】又、トルクジェネレータTG1の出力軸1
22側からの外力(トルク)は一切入力軸110側に伝
わることはなく、運転者が改めて入力軸110を積極的
に回転させない限り、出力軸122は当該出力軸122
にかかるトルクの如何に関わらず停止状態を維持するこ
とができる。従って、例えば衝撃的な外力が操舵車輪に
かかったような場合でも、ステアリングが急に動くよう
なことはない。
【0047】なお、上記実施形態においては、ニュート
ラル時において入口ポート側と出口ポート側とが連通し
た状態とされるいわゆるオープンセンタタイプの例が示
されていたが、本発明では、ニュートラル状態で入口ポ
ートと出口ポートとがブロック状態となり、入口ポート
に常に高圧が作用するようないわゆるクローズドセンタ
タイプのトルクジェネレータにも適用可能である。
【0048】又、本発明に係るトルクジェネレータは、
各種車両(特に低速走行をする耕耘機、田植機、除雪
車、ショベルカー、等の各種特殊車両)のパワーステア
リングの用途のみならず、ウィンチや船の操舵機構等の
用途に幅広く適用することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、入力軸の小さなトルク
を出力軸の大きなトルクとして取り出すことができると
いうトルクジェネレータ本来の効果をそのまま維持しな
がら、ニュートラル時において、入力軸に特に力を加え
なくても出力軸をその状態に維持することができ、とり
わけ出力軸側に様々な外力が加わったとしても、それを
入力軸側に伝えないようにすることができるという優れ
た効果を、(複雑な油圧制御機構等を構築することなく
トルクジェネレータ単体で)実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルクジェネレータの概略構成を
示す縦断面図
【図2】上記トルクジェネレータの油圧回路を模式的に
示したスケルトン図
【図3】上記トルクジェネレータのニュートラル状態に
おけるスプール及びスリーブの溝や貫通孔の配置状態を
概念的に展開して示した模式図
【図4】同じく入力軸が(右方向に)回転されたときの
状態を示す模式図
【図5】同じくスプールとスリーブとの相対変位(回
転)を各エリアの開口状態との関係を示した線図
【図6】従来のトルクジェネレータの概略構成を示す一
部破断の斜視図
【図7】上記従来のトルクジェネレータの油圧回路を示
す図2相当のスケルトン図
【図8】上記従来のトルクジェネレータのニュートラル
状態におけるスプール及びスリーブの溝や貫通孔の配置
状態を示す図3相当の展開模式図
【図9】上記従来のトルクジェネレータのスプール及び
スリーブの相対変位(回転)と各エリアの開口状態との
関係を示す図5相当の線図
【符号の説明】
10、110…入力軸 12、112…スプール 14、114…スリーブ 16、116…ハウジング 18、118…入口ポート 19、119…ジロータ 20、120…コントロールエンドドライブ 22、122…出力軸 24、124…パワーエンドドライブ 26、126…出口ポート 150…軸方向溝 152…中間溝 154…貫通孔 156A、156B…(入口ポートに通じる)貫通孔 160A、160B…(ジロータの容積室に通じる)貫
通孔 132…円周方向溝 140…(出口ポートに通じる)貫通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸及び出力軸を備えると共に、油圧発
    生源に通じる入口ポート及びリザーバに通じる出口ポー
    トを備え、入口ポートから流入するオイルの流路を、流
    路制御部を介してコントロールすることにより前記出力
    軸と連結されたジロータを回転させ、入力軸の小さなト
    ルクによる回転を出力軸の大きなトルクの回転として取
    り出すトルクジェネレータにおいて、 前記入力軸の回転が停止しているときに、 前記ジロータの容積室が、前記入口ポート及び出口ポー
    トのいずれに対しても、遮断された状態に維持されるよ
    うに前記流路制御部を形成したことを特徴とするトルク
    ジェネレータ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記流路制御部が、 前記入力軸と回転方向に一体化されたスプールと、 このスプールの外周に摺動自在に重合するスリーブと、 該スリーブに前記ジロータの回転をフィードバックする
    ためのコントロールエンドドライブと、を備え、 前記スプール及びスリーブには、 該スプール及びスリーブに円周方向の相対変位が発生し
    ていないときに、前記入口ポートからのオイルが前記出
    口ポート側に全量導かれるようにすると共に、前記ジロ
    ータの容積室が、この入口ポート〜出口ポートの流路と
    遮断された状態に維持され、 前記スプールとスリーブとに相対変位が発生したとき
    に、該発生した相対変位に依存して、前記入口ポート〜
    出口ポート間の連通が遮断されると共に、該入口ポート
    と前記ジロータの増圧方向の容積室側が連通され、且
    つ、前記ジロータの減圧方向の容積室側と前記出口ポー
    ト側が連通されるように、 流路体系が形成されていることを特徴とするトルクジェ
    ネレータ。
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