JP2002266754A - コンプレッサユニット - Google Patents

コンプレッサユニット

Info

Publication number
JP2002266754A
JP2002266754A JP2001070920A JP2001070920A JP2002266754A JP 2002266754 A JP2002266754 A JP 2002266754A JP 2001070920 A JP2001070920 A JP 2001070920A JP 2001070920 A JP2001070920 A JP 2001070920A JP 2002266754 A JP2002266754 A JP 2002266754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
roller
center
cylindrical surface
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001070920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002266754A5 (ja
Inventor
Takeyuki Yoshiba
岳雪 吉場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001070920A priority Critical patent/JP2002266754A/ja
Publication of JP2002266754A publication Critical patent/JP2002266754A/ja
Publication of JP2002266754A5 publication Critical patent/JP2002266754A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンプレッサの吐出量の増大を、このコンプ
レッサを大型化する事なく、しかも、組立容易性並びに
静音性を確保しつつ図る。 【解決手段】 コンプレッサ1aを構成する回転軸14
aと、駆動源により回転駆動される駆動軸51との間に
摩擦ローラ式変速機44を設ける。そして、この摩擦ロ
ーラ式変速機44により、この駆動軸51の回転を上記
回転軸14aに増速しつつ伝達する。この結果、上記駆
動軸51と上記回転軸14aとの速度比を大きくでき
る。従って、上記コンプレッサ1aの各シリンダ孔2
0、20の容量を大きくする事なく、このコンプレッサ
1aの吐出量の増大を図れる。しかも、上記摩擦ローラ
式変速機44は、円筒面同士70、71、80の接触に
より動力を伝達する為、静音性を確保できる他、焼き嵌
め等の面倒な作業を必要としない為、組み立ても容易に
行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るコンプレッサ
ユニットは、例えば自動車や建物の室内用の空気調和装
置や冷凍庫、冷蔵庫を構成する冷凍機、或は、圧縮空気
供給装置等、各種機械機器に組み込み、吸引した冷媒蒸
気や空気等の気体を圧縮して吐出するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用空気調和装置に組み込
まれる蒸気圧縮式冷凍機は、図6に略示する様に構成さ
れる。コンプレッサ1は、吸入ポートから吸引した冷媒
蒸気を圧縮してから吐出ポートより吐出する。このコン
プレッサ1から吐出された冷媒は、コンデンサ2を通過
する間に、空気との間で熱交換を行なう事により放熱し
て凝縮する。このコンデンサ2から吐出された液状の冷
媒は、リキッドタンク3と膨張弁4とを通過してからエ
バポレータ5内に送り込まれ、このエバポレータ5内で
蒸発する。内部で冷媒が蒸発する事により、このエバポ
レータ5の温度が低下する為、このエバポレータ5を通
過する空気を冷却し、自動車室内の冷房や除湿を行なえ
る。エバポレータ5内で蒸発した冷媒は、上記吸入ポー
トからコンプレッサ1内に吸入される。
【0003】この様な自動車用空気調和装置に組み込ま
れる蒸気圧縮式冷凍機用のコンプレッサ1は、従来から
種々の構造のものが知られている。又、回転軸の回転運
動を斜板によりピストンの往復運動に変換し、このピス
トンにより冷媒の圧縮を行なう斜板式のコンプレッサ
も、例えば特開平11−280644号公報等に記載さ
れ、従来から広く知られている。図7〜8は、この様に
従来から知られている斜板式のコンプレッサの1例を示
している。
【0004】コンプレッサ1を構成するケーシング6
は、中央の本体7をヘッドケース8と斜板ケース9とで
軸方向(図7の左右方向)両側から挟持し、更に複数本
の結合ボルト(図示せず)により結合して成る。このう
ちのヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高
圧室11とを設けている。尚、高圧室11内は勿論、低
圧室10、10内も陽圧である。又、上記本体7とヘッ
ドケース8との間には平板状の隔壁板12を挟持してい
る。尚、図7で複数に分割されている如く表されている
低圧室10、10は互いに連通しており、上記ヘッドケ
ース8の外面に設けられた単一の吸入ポート13(図
8)に通じている。又、上記高圧室11は、やはり上記
ヘッドケース8に設けられた吐出ポート(図示せず)に
通じている。そして、上記吸入ポート13を上記エバポ
レータ5(図6)の出口に、上記吐出ポートを上記コン
デンサ2(図6)の入口に、それぞれ通じさせている。
【0005】上記ケーシング6内には回転軸14を、上
記本体7と斜板ケース9とに掛け渡す状態で、回転のみ
自在に支持している。即ち、上記回転軸14の両端部を
1対のラジアルニードル軸受15a、15bにより、上
記本体7と斜板ケース9とに支持すると共に、1対のス
ラストころ軸受16a、16bにより、この回転軸14
に加わるスラスト荷重を支承自在としている。これら1
対のスラストころ軸受16a、16bのうち、一方(図
7の右方)のスラストころ軸受16aは、上記本体7の
一部と上記回転軸14の一端部(図7の右端部)に形成
した段部17との間に、皿ばね18を介して設けてい
る。又、他方のスラストころ軸受16bは、上記回転軸
14の中間部外周面に外嵌固定した円板部19と上記斜
板ケース9との間に設けている。又、上記ケーシング6
を構成する本体7の内側で上記回転軸14の周囲部分に
は、複数(例えば図示の例では、円周方向等間隔に6
個)のシリンダ孔20、20を形成している。この様に
本体7に形成した、複数のシリンダ孔20、20の内側
には、それぞれピストン21、21の先半部(図7の右
半部)に設けた摺動部22、22を、軸方向の変位自在
に嵌装している。そして、上記シリンダ孔20、20の
底面と上記ピストン21、21の先端面(図7の右端
面)との間に設けられた空間を、圧縮室23としてい
る。
【0006】又、上記斜板ケース9の内側に存在する空
間は、斜板室24としている。上記回転軸14の中間部
外周面でこの斜板室24内に位置する部分には斜板25
を、上記回転軸14に対して所定の傾斜角度を持たせて
固設し、この斜板25が上記回転軸14と共に回転する
様にしている。上記斜板25の円周方向複数個所と、上
記各ピストン21、21とは、それぞれ1対ずつのスラ
イディングシュー26、26により連結している。この
為、これら各スライディングシュー26、26の内側面
(互いに対向する面)は平坦面として、同じく平坦面で
ある上記斜板25の両側面外径寄り部分に摺接させてい
る。又、これら各スライディングシュー26、26の外
側面(相手スライディングシュー26と反対側面)は球
状凸面としている。そして、上記内側面を上記斜板25
の両側面に当接させた状態で、これら両スライディング
シュー26、26の外側面を単一球面上に位置させてい
る。一方、上記各ピストン21、21の基端部(前記隔
壁板12から遠い側の端部で、図7の左端部)には、上
記スライディングシュー26、26及び上記斜板25と
共に、駆動力伝達機構を構成する連結部27、27を、
上記各ピストン21、21と一体に形成している。そし
て、これら各連結部27、27に、上記1対のスライデ
ィングシュー26、26を抱持する為の抱持部28、2
8を形成している。又、これら各抱持部28、28に
は、上記各スライディングシュー26、26の外側面と
密に摺接する球状凹面を、互いに対向させて形成してい
る。
【0007】又、前記本体7の一部内周面で、上記各連
結部27、27の外端部に整合する部分には、上記各ピ
ストン21、21毎にそれぞれ1対ずつのガイド面(図
示せず)を、円周方向に離隔して形成している。上記各
連結部27、27の外端部は、このガイド面に案内され
て、上記ピストン21、21の軸方向(図7の左右方
向)の変位のみ自在である。従って、上記各ピストン2
1、21も、前記各シリンダ孔20、20内に、上記斜
板25の回転に伴う各ピストン21、21の中心軸回り
の回転を防止されて、軸方向の変位のみ自在(回転不
能)に嵌装されている。この結果、上記各連結部27、
27は、前記回転軸14の回転による上記斜板25の揺
動変位に伴って上記各ピストン21、21を軸方向に押
し引きし、前記各摺動部22、22を上記シリンダ孔2
0、20内で軸方向に往復移動させる。
【0008】一方、前記低圧室10及び高圧室11と上
記各シリンダ孔20、20とを仕切るべく、上記本体7
と前記ヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している
隔壁板12には、上記低圧室10と各シリンダ孔20、
20とを連通させる吸入孔29、29と、上記高圧室1
1と各シリンダ孔20、20とを連通させる吐出孔3
0、30とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で形成し
ている。従って、上記各吸入孔29、29及び各吐出孔
30、30の一端(図7の左端)で上記シリンダ孔2
0、20側の開口は、何れも上記各ピストン21、21
の先端面と対向する。又、上記各シリンダ孔20、20
内で、上記各吸入孔29、29の一端と対向する部分に
は、上記低圧室10から上記各シリンダ孔20、20に
向けてのみ冷媒蒸気を流す、リード弁式の吸入弁31、
31を設けている。又、上記高圧室11内で、上記各吐
出孔30、30の他端(図7の右端)開口と対向する部
分には、上記各シリンダ孔20、20から上記高圧室1
1に向けてのみ冷媒蒸気を流す、リード弁式の吐出弁3
2を設けている。この吐出弁32には、上記各吐出孔3
0、30から離れる方向への変位を制限する、ストッパ
33を付設している。
【0009】上述の様に構成するコンプレッサ1の回転
軸14は、自動車の走行用エンジンにより回転駆動す
る。この為に、図示の例の場合は、前記ケーシング6を
構成する斜板ケース9の外側面(図7の左側面)中央に
設けた支持筒部34の周囲に従動プーリ35を、複列ラ
ジアル玉軸受36により、回転自在に支持している。こ
の従動プーリ35は、断面コ字形で全体を円環状に構成
しており、上記斜板ケース9の外側面に固定したソレノ
イド37を、上記従動プーリ35の内部空間に配置して
いる。一方、上記回転軸14の端部で上記支持筒部34
から突出した部分には取付ブラケット38を固定してお
り、この取付ブラケット38の周囲に磁性材製の環状板
39を、板ばね40を介して支持している。この環状板
39は上記ソレノイド37への非通電時には、上記板ば
ね40の弾力により、図に示す様に上記従動プーリ35
から離隔しているが、上記ソレノイド37への通電時に
はこの従動プーリ35に向け吸着されて、この従動プー
リ35から上記回転軸14への回転力の伝達を自在とす
る。即ち、上記ソレノイド37と上記環状板39と上記
板ばね40とにより、上記従動プーリ35と上記回転軸
14とを係脱する為の電磁クラッチ41を構成してい
る。又、上記走行用エンジンのクランクシャフトの端部
に固定した駆動プーリと上記従動プーリ35との間に
は、無端ベルト42を掛け渡している。そして、上記電
磁クラッチ41により上記従動プーリ35と上記回転軸
14とを係合させた状態で、上記無端ベルト42の循環
に基づき、上記回転軸14を回転駆動する。
【0010】上述の様に構成する斜板式コンプレッサ1
の作用は、次の通りである。即ち、自動車室内の冷房或
は除湿を行なう為、蒸気圧縮式冷凍機を運転する場合に
は、上述の様に回転軸14を駆動源である走行用エンジ
ンにより回転駆動する。この結果、前記斜板25が回転
して、前記複数のピストン21、21を構成する摺動部
22、22をそれぞれシリンダ孔20、20内で往復移
動させる。そして、この様な摺動部22、22の往復移
動に伴って、前記吸入ポート13から吸引された冷媒蒸
気が、前記低圧室10、10内から前記各吸入孔29、
29を通じて圧縮室23内に吸い込まれる。この冷媒蒸
気は、これら各圧縮室23内で圧縮されてから、前記吐
出孔30、30を通じて前記高圧室11に送り出され、
前記吐出ポートより吐出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な従来のコン
プレッサ1の場合、従動プーリ35の回転が、そのまま
(増速及び減速する事なく)回転軸14に伝達される。
即ち、駆動源である走行用エンジンの回転速度を一定と
考えると、上記回転軸14の回転速度は、この走行用エ
ンジンのクランクシャフトに固定した駆動プーリと上記
従動プーリ35との外径比によって決まる。この為、上
記コンプレッサ1の吐出量の増大を図るべく、上記回転
軸14の回転速度を大きくする場合、上記駆動プーリの
外径を大きくしたり、上記従動プーリ35の外径を小さ
くする事が考えられる。
【0012】ところで、近年、冷媒として使用するフロ
ンガスによるオゾン層の破壊が大きな問題となってお
り、このフロンガスの替わりに二酸化炭素を冷媒として
使用する事が考えられている。ところが、この様に冷媒
として二酸化炭素を使用する場合には、この二酸化炭素
に加える圧力を、上記フロンガスを使用する場合に比べ
て大幅に高くする必要がある。この為、上述の様なコン
プレッサ1の吐出量(圧縮力)を確保しつつ、このコン
プレッサ1を構成するケーシングの剛性を確保する事が
求められる。
【0013】この様なコンプレッサ1の吐出量を確保す
る為には、上記回転軸14の回転速度を大きくしたり、
このコンプレッサ1のシリンダ孔20、20の容量(容
積)を大きくする事が考えられる。ところが、上記回転
軸14の回転速度を大きくすべく、上述の様に駆動プー
リの外径を大きくする事は、エンジンルームの限られた
空間内にこの駆動プーリを設ける必要上、この外径寸法
に限界がある。しかも、この駆動プーリにより回転駆動
する上記コンプレッサ1以外の自動車用補機(例えば、
オルタネータ、冷却ファン等)との回転速度の関係から
も、この駆動プーリの外径寸法は制限される。又、上記
従動プーリ35の外径寸法を小さくする場合には、この
従動プーリ35と無端ベルト42との接触面積を確保し
にくくなるだけでなく、この従動プーリ35部分での無
端ベルト42の曲率が大きくなる。この結果、これら従
動プーリ35と無端ベルト42との間で滑りが生じ易く
なるだけでなく、この無端ベルト42が傷み易くなる
為、やはり上記従動プーリ35の外径寸法も制限され
る。この為、上記駆動、従動両プーリ35の外径寸法に
よって、上記回転軸14の回転速度を大きくする場合
は、余り大きな効果を得られない。
【0014】一方、上記コンプレッサ1のシリンダ孔2
0、20の容量を大きくする場合は、このコンプレッサ
1を構成するケーシング6の軸方向並びに径方向寸法が
嵩む。しかも、容量を大きくすると、このケーシング6
の剛性を確保すべく、このケーシング6の肉厚を大きく
(厚く)する必要が生じ、この様な肉厚を大きくする事
と上記容量を確保する事とが相まって、上記コンプレッ
サ1が大型化し、重量が相当に嵩む事が避けられない。
この様なコンプレッサ1の大型化及び重量増大は、上記
エンジンルーム等の限られた空間内にこのコンプレッサ
1を設置する必要上、或は自動車の走行性能確保の上か
ら、好ましくない。
【0015】尚、上記コンプレッサ1の回転軸14の回
転速度の向上を図る為に、この回転軸14に従動プーリ
35の回転を、遊星歯車式変速機や遊星ローラ式変速機
を介し、増速して伝達する事が考えられる。ところが、
上記遊星歯車式変速機を使用する場合には、各歯車の噛
み合いに基づく騒音が避けられず、例えば自動車の冷凍
機に組み込む場合や、建物の空気調和装置を構成する室
外機に組み込む場合に、乗員や居住者に不快感を与える
可能性がある。尚、この様な騒音の低減を図るべく、合
成樹脂製の歯車を使用する事も考えられるが、この様な
合成樹脂製の歯車を使用する場合は、これら各歯車の強
度や耐久性を確保しにくくなる。一方、上記遊星ローラ
式変速機を使用する場合には、静音性を確保できる反
面、この遊星ローラ式変速機を組み立てる際に焼き嵌め
等の作業を行なう必要があり、組立作業が面倒になる。
本発明のコンプレッサユニットは、この様な事情に鑑み
て、コンプレッサの吐出量の増大を、このコンプレッサ
を大型化する事なく、しかも、組立容易性並びに静音性
を確保しつつ図るべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のコンプレッサユ
ニットは、回転軸の回転に基づいて吸引した気体を圧縮
して吐出する、前述の図7〜8に示した様な斜板式コン
プレッサ等の各種コンプレッサと同様のコンプレッサ
と、駆動源により回転駆動される駆動軸の回転を上記回
転軸に増速して伝達する増速機とから成る。そして、こ
の増速機を、摩擦ローラ式変速機としている。
【0017】この摩擦ローラ式変速機は、その一端部を
上記回転軸に接続すると共に、その他端部外周面を第一
の円筒面とした中心ローラと、その内周面を第二の円筒
面としてこの中心ローラの周囲に、この中心ローラに対
する相対回転を自在に設けると共に、その他端部を上記
駆動軸に接続した外輪と、上記第一の円筒面と上記第二
の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行
に配置された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転
自在に支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とし
た複数個の中間ローラとを備える。
【0018】そして、上記中心ローラの中心と上記外輪
の中心とを偏心させる事により、環状空間の幅寸法を円
周方向に関して不同にし、上記各中間ローラのうちの少
なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状空間
の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラとする
と共に、残りの中間ローラをガイドローラとし、上記中
心ローラ及び外輪が所定方向にこれら中心ローラと外輪
との間の速度比に見合う速度で回転した場合に、上記ウ
ェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の幅の
狭い部分に向け移動自在としている。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明のコンプレッサユニ
ットを構成するコンプレッサにより、吸引した気体を圧
縮して吐出する基本的作用は、前述の図7に示した様な
斜板式コンプレッサ等を含む各種コンプレッサと同様で
ある。特に、本発明のコンプレッサユニットの場合に
は、駆動源により回転駆動される駆動軸の回転をコンプ
レッサを構成する回転軸に、摩擦ローラ式変速機により
増速してから伝達する。この様に増速機として摩擦ロー
ラ式変速機を使用した場合には、上記駆動軸と上記回転
軸との速度比を大きく(例えば6倍等に)できる。この
為、上記コンプレッサの圧縮室の容量を大きくする事な
く、更に言えば、この圧縮室の容量を小さくした場合に
も、このコンプレッサの吐出量を十分に確保できる。言
い換えれば、上記回転軸の回転速度を大きくできる分だ
け、従来のコンプレッサと同等の吐出量を確保しつつ、
このコンプレッサの圧縮室の容量を小さくできる。又、
吐出量を確保する場合には、このコンプレッサの剛性を
確保すべく、このコンプレッサを構成するケーシング等
の肉厚を大きくしても、このコンプレッサの大型化を抑
えられる。従って、冷媒としてより高圧縮する必要のあ
る二酸化炭素を使用する場合は、上記コンプレッサの小
型化を図れる他、このコンプレッサを従来と同じ大きさ
にした場合には、その分だけ上記ケーシングの肉厚を大
きくでき、このケーシングの剛性を十分に確保できる。
尚、これと共に、上記駆動軸に固定する従動プーリの外
径を小さくすれば、上記回転軸の更なる高回転化を図れ
る為、より小型のコンプレッサユニットを実現できる。
【0020】又、上記摩擦ローラ式変速機と上記コンプ
レッサとを別々に組み立てた後に、これらコンプレッサ
と摩擦ローラ式変速機とを結合固定すれば、上記コンプ
レッサユニットの組立作業を容易に行なえる。しかも、
遊星ローラ式変速機の様に、焼き嵌め等の面倒な作業を
行なう必要がない為、組立作業の容易化を図れるだけで
なく、製造コストが嵩む事も防止できる。又、上記遊星
ローラ式変速機と同様に静音性を確保できる為、自動車
の冷凍機に組み込んだ場合や、建物の空気調和装置を構
成する室外機に取り付けた場合でも、乗員や居住者に不
快感を与える事はない。
【0021】又、上記摩擦ローラ式変速機を構成する中
間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラをウェッ
ジローラとし、この摩擦ローラ式変速機にクラッチ機構
を持たせている為、上記コンプレッサの効率低下を防止
する事ができる。即ち、上記駆動軸の回転速度が低下し
た際に、慣性力で回転し続けようとする上記回転軸の回
転速度が、上記駆動軸と共に低下する事を防止できる。
しかも、この様に摩擦ローラ式変速機にクラッチ機構を
持たせれば、他の部分に一方向クラッチを設ける必要が
なくなり、部品点数の低減並びに小型化を図り易くな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例のコンプレッサユニット4
3は、斜板式のコンプレッサ1aと増速機(後述する摩
擦ローラ式変速機44)とを一体に結合固定して成るも
のである。尚、このうちのコンプレッサ1aの基本的作
用、即ち、ケーシング6の内側に回転自在に支持した回
転軸14aの回転により、各ピストン21、21を各シ
リンダ孔20、20内で往復移動させて、吸入ポート
(図示省略)から吸引された冷媒蒸気を圧縮して吐出ポ
ート(図示省略)により吐出する基本的作用は、前述の
図7に示した斜板式コンプレッサ1と同様である。この
為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略
若しくは簡略にし、以下、上記図7に示したコンプレッ
サ1と異なる部分、並びに、本発明の特徴部分を中心に
説明する。
【0023】上記回転軸14aの中間部に外嵌固定した
斜板25aは、片側面(図1の右側面)をこの回転軸1
4aに対して傾斜した傾斜面45とし、これら回転軸1
4aに対する傾斜面45の傾斜角度を一定としている。
又、上記各シリンダ孔20、20内にそれぞれ嵌装した
上記各ピストン21、21の端部に連結腕46の一端部
(図1の右端部)を、球状凹部47aと球状凸部48a
との係合により揺動自在に連結している。又、これら各
連結腕46、46の他端部(図1の左端部)を、上記回
転軸14aに隙間を持たせて外嵌した揺動板49に、同
じく球状凹部47bと球状凸部48bとの係合により揺
動自在に連結している。そして、上記斜板25aと上記
揺動板49との間に複数個の転動体、図示の例ではころ
50、50を設け、上記斜板25aに上記揺動板49
を、相対回転自在に支持している。従って、この揺動板
49は、上記回転軸14a並びに斜板25aが回転した
場合にも、これら回転軸14a並びに斜板25aに伴っ
て回転する事はなく、この斜板25aの回転に基づいて
図1の左右方向に揺動変位(振れ回り運動)する。そし
て、この揺動板49の揺動変位に基づいて、上記各ピス
トン21、21が上記各シリンダ孔20、20内で軸方
向に往復移動し、これら各シリンダ孔20、20内に開
口した、図示しない吸入孔から吸入された冷媒蒸気(例
えば、二酸化炭素)等の気体を、吐出孔30、30から
吐出する。尚、上記吸入孔は、上記ピストン21が図1
で最も左側に存在する場合に吸入可能となり、且つ、こ
のピストン21がそれ以外に存在する場合にこのピスト
ン21に塞がれる様に、上記各シリンダ孔20、20の
内周面に開口させている。
【0024】又、上記コンプレッサ1aを構成するケー
シング6の他端部に、駆動源により回転駆動される駆動
軸51の回転を増速して上記回転軸14aに伝達する増
速機を、結合固定している。特に、本例のコンプレッサ
ユニット43の場合には、上記増速機を摩擦ローラ式変
速機44としている。この摩擦ローラ式変速機44は、
鋼或はアルミニウム合金製で有底円筒状の本体52と、
この本体52の基端(図1の右端)開口部を塞ぐ、鋼製
の蓋体53とから成る、固定のハウジング54を有す
る。このうちの蓋体53は、上記コンプレッサ1aを構
成するケーシング6を結合固定自在としており、この蓋
体53によりこのケーシング6の他端開口部を塞いだ状
態で、上記摩擦ローラ式変速機44とコンプレッサ1a
とを結合固定する。
【0025】又、上記ハウジング54の内側に上記回転
軸14aの他端部を、上記蓋体53の中央部に形成した
通孔55を通じて挿入している。この回転軸14aの他
端部は、上記摩擦ローラ式変速機44を構成する中心ロ
ーラ56とし、これら中心ローラ56と上記回転軸14
aとを、一体且つ同心に形成している。又、上記通孔5
5に上記中心ローラ56を、玉軸受57aにより回転自
在に支持している。従って、上記回転軸14aは、他端
寄り部分をこの玉軸受57aにより、一端部を前記ケー
シング6の底板部92に設けた他の玉軸受57bによ
り、回転自在に支持されている。又、上記通孔55の内
周面と上記中心ローラ56の外周面との間部分で、上記
玉軸受57aから外れた部分には、シールリング58を
設け、上記摩擦ローラ式変速機44内に注入したトラク
ションオイルが漏洩する事を防止している。尚、上記通
孔55は、上記蓋体53の略中央部で、上記ハウジング
54(の本体52)の中心から少しだけ外れた位置とな
る部分に設けている。従って、上記摩擦ローラ式変速機
44を構成する上記ハウジング54の中心と、上記コン
プレッサ1aを構成する上記ケーシング6の中心とは、
互いに偏心している。
【0026】又、上記ハウジング54の内側で上記中心
ローラ56の周囲部分には、3本の枢軸59、59a
を、それぞれこの中心ローラ56と平行に配置してい
る。即ち、これら各枢軸59、59aの一端部を上記蓋
体53に支持すると共に、他端部を円輪状の連結板60
に支持している。尚、上記3本の枢軸59、59aのう
ち、図2の上部中央並びに下部右側に位置する2本の枢
軸59、59は、その両端部を上記蓋体53及び連結板
60に形成した嵌合孔61、61に圧入固定している。
従って、これら両枢軸59、59が、上記ハウジング5
4内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これ
に対して、図2の下部左側に位置する残り1本の枢軸5
9aは、両端部を上記蓋体53及び連結板60に対し、
上記ハウジング54の円周方向及び直径方向に関して若
干の変位自在に支持している。この為に、上記蓋体53
及び連結板60の一部で上記枢軸59aの両端部に整合
する部分には、この枢軸59aの外径よりも大きな幅及
び長さを有する支持孔62、62を形成し、これら各支
持孔62、62に、上記枢軸59aの両端部を緩く係合
させている。
【0027】そして、これら各枢軸59、59aの中間
部周囲に、それぞれが中間ローラであるウェッジローラ
63及びガイドローラ64a、64bを、それぞれラジ
アルニードル軸受65により、回転自在に支持してい
る。尚、上記連結板60は、上記蓋体53の内面(上記
ウェッジローラ63及びガイドローラ64a、64bを
設置した空間側の面で、図1の左面)の一部で、上記ウ
ェッジローラ63及びガイドローラ64a、64bから
外れた位置に突設した突部66、66に突き当て、連結
ボルト67、67により、上記蓋体53に連結固定して
いる。又、上記ウェッジローラ63及びガイドローラ6
4a、64bの軸方向両端面と上記連結板60及び蓋体
53との間には、それぞれワッシャ68、68を設け
て、上記各ローラ63、64a、64bの回転が円滑に
行なわれる様にしている。
【0028】又、上記ハウジング54の内側で上記ウェ
ッジローラ63及びガイドローラ64a、64bを囲む
部分には、円筒状の外輪69を設け、この外輪69の内
周面を、第二の円筒面70としている。そして、この第
二の円筒面70と、上記ウェッジローラ63及びガイド
ローラ64a、64bの外周面である第三の円筒面7
1、71とを当接自在としている。又、上記外輪69
は、鍔部72を介して、前記駆動軸51と連結してい
る。この駆動軸51は、前記ハウジング54を構成する
本体52の中央部に形成した支持筒部73の内側に挿通
して、このハウジング54外に突出させている。図示の
例では、上記駆動軸51を上記支持筒部73の内側に、
玉軸受74により回転自在に支持すると共に、この支持
筒部73の先端開口部と上記駆動軸51の中間部内周面
との間を、シールリング75により塞いでいる。
【0029】本例の場合には、上記外輪69を上記ハウ
ジング54の内側に、回転並びにラジアル方向に関する
若干の変位自在に設けている。即ち、本例の場合には、
上記駆動軸51の基端部(図1の右端部)に、外向フラ
ンジ状の上記鍔部72を形成している。そして、この鍔
部72の外周縁に形成した突片76、76と、上記外輪
69の軸方向一端縁部(図1の左端縁部)に形成した切
り欠き77、77とを、ラジアル方向に関する若干の変
位自在に係合させている。又、上記各突片76、76を
上記各切り欠き77、77の奥部(図1の右部)に進入
させた状態で、上記外輪69の端部内周面に形成した係
止溝78に止め輪79を係止して、上記各突片76、7
6が上記各切り欠き77、77から抜け出ない様にして
いる。従って、上記外輪69と上記駆動軸51とは、回
転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関する若干
の相対変位自在に結合されている。
【0030】又、前記各ウェッジローラ63及びガイド
ローラ64a、64bの外周面である、前記各第三の円
筒面71、71は、それぞれ前記中心ローラ56の外周
面に設けた第一の円筒面80と、上記外輪69の内周面
に設けた前記第二の円筒面70とに当接させている。上
記中心ローラ56(回転軸14a)の中心と上記駆動軸
51及び外輪69の中心とは互いに偏心している。即
ち、前述の様に、上記中心ローラ56を挿通する通孔5
5は、上記ハウジング54の中心から少しだけ外れた位
置に設けているのに対して、上記駆動軸51を挿通する
支持筒部73は、上記ハウジング54の中心に設けてい
る。又、この支持筒部73の内側に回転自在に支持した
駆動軸51と外輪69とは、実質的には互いに同心であ
る。従って、上記中心ローラ56と上記外輪69及び駆
動軸51とは、上記通孔55のハウジング54の中心か
らのずれ量δ(図1参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ56の外周面に設けた上記
第一の円筒面80と上記外輪69に設けた上記第二の円
筒面70との間に存在して上記ウェッジローラ63及び
ガイドローラ64a、64bが設けられた環状空間81
の幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周方
向に関して不同になっている。
【0031】この様に、上記環状空間81の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ウェッジローラ63
及びガイドローラ64a、64bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪69に対し中心ローラ56が偏心し
ている側(図2の下側)に位置するウェッジローラ63
及びガイドローラ64bの径を、互いに同じとすると共
に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪69に
対し中心ローラ56が偏心しているのと反対側(図2の
上側)に位置するガイドローラ64aの径を、上記ウェ
ッジローラ63及びガイドローラ64bよりも大きくし
ている。そして、これら3個の、それぞれが中間ローラ
であるウェッジローラ63及びガイドローラ64a、6
4bの外周面である第三の円筒面71、71を、上記第
一、第二の円筒面80、70に当接させている。
【0032】尚、それぞれが中間ローラである、上記2
個のガイドローラ64a、64b及び1個のウェッジロ
ーラ63のうち、両ガイドローラ64a、64bを支持
した枢軸59、59は、前述の様に、上記ハウジング5
4内に固定している。これに対して、ウェッジローラ6
3を支持した枢軸59aは、やはり前述した様に上記ハ
ウジング54内に、円周方向及び直径方向に関する若干
の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロ
ーラ63も、上記ハウジング54内で円周方向及び直径
方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体53及
び連結板60のシリンダ孔82、82内に装着した圧縮
コイルばね83、83等の弾性材により、上記ウェッジ
ローラ63を支持した枢軸59aを、この枢軸59aに
回転自在に支持したウェッジローラ63を前記環状空間
81の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に押
圧している。
【0033】図示の例では、上記圧縮コイルばね83、
83により、それぞれの先端部(図2の右下端部。図3
の右端部)に外向フランジ状の鍔部84を形成した押圧
ピン85、85を押圧し、これら両押圧ピン85、85
により、上記枢軸59aの両端部を同方向に押圧してい
る。又、上記各シリンダ孔82、82の両端開口のう
ち、前記各支持孔62、62と反対側開口部を、ねじ蓋
(図示省略)により塞ぐ場合もある。上記各圧縮コイル
ばね83、83は、このねじ蓋或はシリンダ孔82の端
部内面と上記鍔部84との間に設けて、上記各押圧ピン
85、85に、上記方向の弾力を付与している。
【0034】以上に述べた様に構成する本例の摩擦ロー
ラ式変速機44の場合、駆動源により回転駆動される前
記駆動軸51に接続した上記外輪69の回転は、この外
輪69の内周面である第二の円筒面70と、ウェッジロ
ーラ63及びガイドローラ64a、64bの外周面であ
る第三の円筒面71、71との当接部である、各外径側
当接部86、86を介して、これらウェッジローラ63
及びガイドローラ64a、64bに伝わる。更に、これ
らウェッジローラ63及びガイドローラ64a、64b
の回転は、上記各第三の円筒面71、71と前記中心ロ
ーラ56の外周面に設けた第一の円筒面80との当接部
である、各内径側当接部87、87を介して、この中心
ローラ56に伝わる。そして、この中心ローラ56と一
体に形成した前記回転軸14aが、上記外輪69とは逆
方向に、増速された状態で回転する。又、この回転軸1
4aの回転に基づいて、前記各ピストン21、21が前
記各シリンダ孔20、20内で往復移動し、吸入ポート
から吸引された冷媒蒸気が圧縮されて吐出ポートにより
吐出される。
【0035】上記駆動軸51により上記回転軸14aを
回転駆動すべく、上記外輪69が図2の反時計方向に回
転すると、ウェッジローラ63が、この外輪69から加
わる力と前記各圧縮コイルばね83、83の弾力とによ
り、上記第一、第二の円筒面80、70同士の間に存在
する環状空間81内で、この環状空間81の幅の狭い部
分(図2の下側中央部分)に向け移動する。この結果、
上記ウェッジローラ63の外周面である第三の円筒面7
1が、上記第一の円筒面80と第二の円筒面70とを強
く押圧する。そして、このウェッジローラ63に関する
第三の円筒面71と上記第二円筒面70との当接部であ
る外径側当接部86、及び、上記ウェッジローラ63に
関する第三の円筒面71と上記第一の円筒面80との当
接部である内径側当接部87の当接圧が高くなる。
【0036】上記ウェッジローラ63に関する内径側、
外径側両当接部86、87の当接圧が高くなると、上記
外輪69が、前記各突片76、76と前記各切り欠き7
7、77との係合に基づき、直径方向に関して僅かに変
位する。この結果、残り2個の中間ローラであるガイド
ローラ64a、64bの外周面である第三の円筒面7
1、71と上記外輪69の内周面である第二の円筒面7
0との当接部である2個所の外径側当接部86、86、
及び、これらガイドローラ64a、64bの外周面であ
る第三の円筒面71、71と上記中心ローラ56の外周
面である第一の円筒面80との当接部である2個所の内
径側当接部87、87の当接圧が高くなる。そして、上
記中心ローラ56が増速された状態で、図2の時計方向
に回転する。
【0037】上記ウェッジローラ63を、上記環状空間
81内でこの環状空間81の幅の狭い部分に向け移動さ
せようとする力は、上記外輪69から上記中心ローラ5
6に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、
前記駆動軸51が上記外輪69を駆動するトルクが大き
くなる程、上記ウェッジローラ63を上記環状空間81
の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくな
る。そして、この力が大きくなる程、上記各外径側、内
径側両当接部86、87の当接圧が大きくなる。逆に言
えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各外径
側、内径側両当接部86、87の当接圧が小さい。この
為、上記各外径側、内径側両当接部86、87の当接圧
を、前記駆動軸51と前記中心ローラ56(回転軸14
a)との間で伝達すべきトルクの大きさに応じた適正値
にできて、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を高くでき
る。この状態では、クラッチ機構がONとなる。
【0038】一方、上記駆動軸51に対し上記中心ロー
ラ56が、この駆動軸51との速度比に見合う速度以上
で所定方向(図2の時計方向)に回転する場合には、上
記ウェッジローラ63が、上記中心ローラ56から加わ
る力により、前記各圧縮コイルばね83、83の弾力に
抗し、上記環状空間81内で、この環状空間81の幅の
広い部分(図2の左側中央部分)に向け移動する。この
結果、上記ウェッジローラ63の外周面である第三の円
筒面71が、上記第一の円筒面80と第二の円筒面70
とを押圧しなくなる。そして、このウェッジローラ63
並びに前記各ガイドローラ64a、64bに関する第三
の円筒面71、71と上記第二の円筒面70との当接部
である各外径側当接部86、86、及び、上記ウェッジ
ローラ63並びに前記各ガイドローラ64a、64bに
関する第三の円筒面71、71と上記第一の円筒面80
との当接部である各内径側当接部87、87の当接圧
が、低下乃至は喪失する。この結果、上記中心ローラ5
6の回転が上記外輪69にまで伝達されなくなる。
【0039】更に、図示の摩擦ローラ式変速機44の場
合には、上記各ガイドローラ64a、64bの外径や取
付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾性変形したり、
更には上記外輪69が熱膨張した場合でも、これら各ガ
イドローラ64a、64bの外周面である第三の円筒面
71、71と上記外輪69の内周面である第二の円筒面
70との接触部の接触面圧を、設計値通りに規制でき
る。即ち、上記各ガイドローラ64a、64bの外径や
取付位置がずれた場合には、上記ウェッジローラ63が
上記環状空間81の幅寸法が狭い部分に変位するのに伴
って、上記外輪69がラジアル方向に変位する。そし
て、上記ガイドローラ64a、64b及び上記ウェッジ
ローラ63の外周面である、上記各第三の円筒面71、
71と、上記外輪69の内周面である第二の円筒面70
との接触部並びに上記中心ローラ56の外周面である第
一の円筒面80との接触面圧を設計値通りにする。従っ
て、上記外径や取付位置が多少ずれたり、或は構成部材
が弾性変形した場合でも、高い伝達効率を得られる。
【0040】上述の様に構成する摩擦ローラ式変速機4
4を組み込んだ、本例のコンプレッサユニット43の場
合には、コンプレッサ1aを構成する回転軸14aに駆
動源により回転駆動される駆動軸51の回転が、上記摩
擦ローラ式変速機44により増速されてから伝達され
る。この様に増速機として摩擦ローラ式変速機44を使
用した場合には、上記駆動軸51と上記回転軸14aと
の速度比を大きく(例えば6倍等に)できる。この為、
上記コンプレッサ1aの各シリンダ孔20、20の容量
を大きくする事なく、更に言えば、これら各シリンダ孔
20、20の容量を小さくした場合でも、このコンプレ
ッサ1aの吐出量を十分に確保できる。言い換えれば、
上記回転軸14aの回転速度を大きくできる分だけ、従
来のコンプレッサ1(図7〜8参照)と同等の吐出量を
確保しつつ、上記コンプレッサ1aの各シリンダ孔2
0、20の容量を小さくできる。又、吐出量を確保する
場合は、上記コンプレッサ1aの剛性を確保すべく、こ
のコンプレッサ1aを構成するケーシング6の肉厚を大
きくしても、このコンプレッサ1aの大型化を抑えら
れ。即ち、冷媒としてより高圧縮する必要のある二酸化
炭素を使用した場合にも、上記コンプレッサ1aの小型
化を図れる他、このコンプレッサ1aを従来と同じ大き
さにする場合は、その分だけ上記ケーシング6の肉厚を
大きくでき、このケーシング6の剛性を十分に確保でき
る。尚、これと共に、上記駆動軸51に固定する従動プ
ーリ47(図7参照)の外径を小さくすれば、上記回転
軸14aの更なる高速化を図れる為、より小型のコンプ
レッサユニット43を実現できる。
【0041】又、図4に示す様に、上記摩擦ローラ式変
速機44と上記コンプレッサ1aとを別々に組み立てた
後、これらコンプレッサ1aと摩擦ローラ式変速機44
とを結合固定すれば、上記コンプレッサユニット43の
組立作業を容易に行なえる。しかも、上記摩擦ローラ式
変速機44は、遊星ローラ式変速機の様に、焼き嵌め等
の面倒な作業を行なう必要がない為、組立作業の容易化
を図れるだけでなく、製造コストが嵩む事も防止でき
る。又、上記遊星ローラ式変速機と同様に静音性を確保
できる為、自動車の冷凍機に組み込んだ場合や、建物の
空気調和装置を構成する室外機に取り付けた場合でも、
乗員や居住者に不快感を与える事はない。
【0042】更に、本例の場合には、各中間ローラのう
ちの1つをウェッジローラ63とする事により、摩擦ロ
ーラ式変速機44にクラッチ機構を持たせている。この
為、上記コンプレッサ1aの効率低下を防止する事がで
きる。即ち、上記駆動軸51の回転速度が低下した際
に、慣性力で回転し続けようとする上記回転軸14aの
回転速度が、上記駆動軸と共に低下する事を防止でき
る。
【0043】次に、図5は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合は、コンプレッサユニット
43aを構成するコンプレッサ1bを、スクロール型コ
ンプレッサとしている。このスクロール型のコンプレッ
サ1bは、基板88とこの基板88の片面(図5の右面
部)に軸方向に突出した状態で設けられたうず巻き状の
スクロール89aとから成り、回転軸14bの旋回に伴
って旋回する可動スクロール部90と、ケーシング6a
の一部を構成すると共に、同じくうず巻き状のスクロー
ル89bを上記可動スクロール部90に対向する状態で
設けた固定スクロール部91とを備える。そして、上記
各スクロール89a、89b同士の間で吸入気体(二酸
化炭素等の冷媒蒸気)を圧縮し、この圧縮した吸入気体
を上記固定スクロール部91の中央部に設けた吐出孔3
0から吐出する。即ち、上記各スクロール89a、89
b同士に挟まれた複数の圧縮室23、23が、上記可動
スクロール部90の旋回に基づいて、これら各スクロー
ル89a、89bの側面に沿いつつ径方向外側から内側
へ向けて容積が狭まりながら移動する事により、これら
各圧縮室23、23に存在する吸入気体が圧縮されて、
上記吐出孔30から吐出される。この為に、摩擦ローラ
式変速機44を構成する中心ローラ56と上記回転軸1
4bとを偏心させ、上記可動スクロール部90が上記中
心ローラ56の回転に伴って旋回する様にしている。
【0044】この様な本例の場合も、駆動源により回転
駆動される駆動軸51の回転を、摩擦ローラ式変速機4
4により増速しつつ、上記回転軸14bに伝達する。こ
の為、上記コンプレッサ1bの吐出量の増大を、このコ
ンプレッサ1bを大型化する事なく図れる。言い換えれ
ば、上記回転軸14bの回転速度を大きくできる分だ
け、従来のスクロールコンプレッサと同等の吐出量を確
保しつつ、上記コンプレッサ1bの小型化を図れる。
又、吐出量を確保する場合には、上記コンプレッサ1b
の剛性を確保すべく、このコンプレッサ1bを構成する
ケーシング6aや上記各スクロール89a、89bの肉
厚を大きくしても、このコンプレッサ1bが大型化する
事を防止できる。即ち、冷媒としてより高圧縮する必要
のある二酸化炭素を使用した場合にも、上記コンプレッ
サ1bの小型化を図れる他、このコンプレッサ1bを従
来と同じ大きさにする場合は、その分だけ上記ケーシン
グ6aや上記各スクロール89a、89bの肉厚を大き
くでき、このケーシング6aの剛性を十分に確保でき
る。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と
同様である。
【0045】尚、本発明のコンプレッサユニットを構成
するコンプレッサに就いては、回転軸の回転に基づいて
吸引した気体を圧縮して吐出する、実施の形態の第1例
の斜板式コンプレッサ1aや、同じく第2例のスクロー
ルコンプレッサ1b、更には、図示は省略するが、斜板
式可変容量型コンプレッサやロータリーコンプレッサ
等、各種構造のコンプレッサで実施できる。
【0046】
【発明の効果】本発明のコンプレッサユニットは、以上
に述べた通り構成され作用する為、コンプレッサの吐出
量の増大を、このコンプレッサを大型化する事なく、し
かも組立容易性並びに静音性を確保しつつ図る事ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図2の拡大B−B断面図。
【図4】組立途中の状態を示す図1と同様の図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図6】自動車用空気調和装置を構成する蒸気圧縮式冷
凍機の回路図。
【図7】従来のコンプレッサの1例を示す断面図。
【図8】図7のC矢視図。
【符号の説明】
1、1a、1b コンプレッサ 2 コンデンサ 3 リキッドタンク 4 膨張弁 5 エバポレータ 6、6a ケーシング 7 本体 8 ヘッドケース 9 斜板ケース 10 低圧室 11 高圧室 12 隔壁板 13 吸入ポート 14、14a、14b 回転軸 15a、15b ラジアルニードル軸受 16a、16b スラストころ軸受 17 段部 18 皿ばね 19 円板部 20 シリンダ孔 21 ピストン 22 摺動部 23 圧縮室 24 斜板室 25、25a 斜板 26 スライディングシュー 27 連結部 28 抱持部 29 吸入孔 30 吐出孔 31 吸入弁 32 吐出弁 33 ストッパ 34 支持筒部 35 従動プーリ 36 複列ラジアル玉軸受 37 ソレノイド 38 取付ブラケット 39 環状板 40 板ばね 41 電磁クラッチ 42 無端ベルト 43、43a コンプレッサユニット 44 摩擦ローラ式変速機 45 傾斜面 46 連結腕 47a、47b 球状凹部 48a、48b 球状凸部 49 揺動板 50 ころ 51 駆動軸 52 本体 53 蓋体 54 ハウジング 55 通孔 56 中心ローラ 57a、57b 玉軸受 58 シールリング 59、59a 枢軸 60 連結板 61 嵌合孔 62 支持孔 63 ウェッジローラ 64a、64b ガイドローラ 65 ラジアルニードル軸受 66 突部 67 連結ボルト 68 ワッシャ 69 外輪 70 第二の円筒面 71 第三の円筒面 72 鍔部 73 支持筒部 74 玉軸受 75 シールリング 76 突片 77 切り欠き 78 係止溝 79 止め輪 80 第一の円筒面 81 環状空間 82 シリンダ孔 83 圧縮コイルばね 84 鍔部 85 押圧ピン 86 外径側当接部 87 内径側当接部 88 基板 89a、89b スクロール 90 可動スクロール部 91 固定スクロール部 92 底板部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の回転に基づいて吸引した気体を
    圧縮して吐出するコンプレッサと、駆動源により回転駆
    動される駆動軸の回転を上記回転軸に増速して伝達する
    増速機とから成り、この増速機が、その一端部を上記回
    転軸に接続すると共に、その他端部外周面を第一の円筒
    面とした中心ローラと、その内周面を第二の円筒面とし
    てこの中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相
    対回転を自在に設けると共に、その他端部を上記駆動軸
    に接続した外輪と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒
    面との間の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置
    された複数本の枢軸と、これら各枢軸により回転自在に
    支持され、それぞれの外周面を第三の円筒面とした複数
    個の中間ローラとを備え、上記中心ローラの中心と上記
    外輪の中心とを偏心させる事により、環状空間の幅寸法
    を円周方向に関して不同にし、上記各中間ローラのうち
    の少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状
    空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラと
    すると共に、残りの中間ローラをガイドローラとし、上
    記中心ローラ及び外輪が所定方向にこれら中心ローラと
    外輪との間の速度比に見合う速度で回転した場合に、上
    記ウェッジローラとなる中間ローラを、上記環状空間の
    幅の狭い部分に向け移動自在とした摩擦ローラ式変速機
    であるコンプレッサユニット。
JP2001070920A 2001-03-13 2001-03-13 コンプレッサユニット Pending JP2002266754A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070920A JP2002266754A (ja) 2001-03-13 2001-03-13 コンプレッサユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070920A JP2002266754A (ja) 2001-03-13 2001-03-13 コンプレッサユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002266754A true JP2002266754A (ja) 2002-09-18
JP2002266754A5 JP2002266754A5 (ja) 2005-03-17

Family

ID=18928702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001070920A Pending JP2002266754A (ja) 2001-03-13 2001-03-13 コンプレッサユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002266754A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067979A1 (ja) 2003-01-31 2004-08-12 Nsk Ltd. ニードル軸受、シャフト、カーエアコン用コンプレッサ及び自動変速機用遊星歯車機構
CN106870133A (zh) * 2017-01-13 2017-06-20 四川大学 槽式两相摆盘凸轮内燃机

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067979A1 (ja) 2003-01-31 2004-08-12 Nsk Ltd. ニードル軸受、シャフト、カーエアコン用コンプレッサ及び自動変速機用遊星歯車機構
EP1589241A1 (en) * 2003-01-31 2005-10-26 NSK Ltd. Needle bearing, shaft, compressor for car air-conditioner, and planetrary gear mechanism for automatic speed changer
EP1589241A4 (en) * 2003-01-31 2006-10-11 Nsk Ltd NEEDLE BEARING, SHAFT, COMPRESSOR FOR CAR AIR CONDITIONER AND PLANETARY GEAR MECHANISM FOR AUTOMATIC SPEED DRIVE
CN106870133A (zh) * 2017-01-13 2017-06-20 四川大学 槽式两相摆盘凸轮内燃机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100350750B1 (ko) 스크롤 압축기
JP3781460B2 (ja) スクロール型圧縮機
JPH06159278A (ja) ローリングピストン型圧縮機
JPH08326655A (ja) 斜板式コンプレッサ
US5575635A (en) Scroll compressor having eccentric shaft lubrication
JP2019515184A (ja) ガス状流体の圧縮装置
US5975860A (en) Vibration torsion system damper for a shaft of a compressor
KR100395163B1 (ko) 스크롤 압축기
WO2010061792A1 (ja) 可変容量往復動圧縮機
KR100699226B1 (ko) 스크롤 압축기의 자전방지를 위한 구조
US6802243B2 (en) Wobble type fluid pump having swing support mechanism
JP2002266754A (ja) コンプレッサユニット
KR100349478B1 (ko) 스크롤 압축기
JP2008169810A (ja) 気体圧縮機
CN111656012B (zh) 可变容量斜盘式压缩机
JP4843446B2 (ja) 気体圧縮機
KR100381093B1 (ko) 스러스트 볼 베어링 및 개방형의 스크롤형 압축기
JP2001304141A (ja) スクロール型変圧装置
JP4046409B2 (ja) 圧力制御弁のシール構造
JP2000110717A (ja) 斜板型可変容量圧縮機
JP2000297757A (ja) 圧縮機
JPH06288362A (ja) スクロール形圧縮機
JP4314511B2 (ja) スラストニードル軸受
KR100715261B1 (ko) 가변 용량형 사판식 압축기
KR100493316B1 (ko) 로터리 압축기

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040415

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071009