JP2002266472A - 耐食性に優れた亜鉛系めっき建設用鋼材 - Google Patents

耐食性に優れた亜鉛系めっき建設用鋼材

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JP2002266472A JP2001063547A JP2001063547A JP2002266472A JP 2002266472 A JP2002266472 A JP 2002266472A JP 2001063547 A JP2001063547 A JP 2001063547A JP 2001063547 A JP2001063547 A JP 2001063547A JP 2002266472 A JP2002266472 A JP 2002266472A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化物濃度の高い環境でも、亜鉛めっき鉄筋
を用いた鉄筋コンクリート構造物の寿命を著しく改善す
ることができ、かつ亜鉛の溶解を効果的に抑制できる即
効性のある手段を開発する。 【解決手段】 亜鉛めっき鉄筋の表面に、カルシウム化
合物と結合剤 (例、CMC) とからなる被覆を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート中に
埋設される、鉄筋および鉄骨、さらにはアンカーボルト
等の結合部材といった、建設用鋼材に関する。より詳し
くは、本発明は、コンクリート構造物の長寿命化を目的
として亜鉛系めっきが施された上記建設用鋼材におい
て、そのコンクリート中での耐食性をさらに改善し、コ
ンクリート構造物の長寿命化を図ることができる鋼材
と、その製造に用いる被覆組成物とに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物をとりまく環境
は種々雑多であるが、特に海岸地域、あるいは凍結防止
のために塩が散布される寒冷地では、環境中の塩化物濃
度が高く、塩化物(塩素イオン)によるコンクリート中
の鋼材(鉄筋、鉄骨、ボルト類など)の腐食が大きな問
題となる。
【0003】コンクリートは内部に細孔を有しており、
その細孔中には周囲から滲出してくるコンクリート水が
存在する。このコンクリート水は、コンクリート中のセ
メントから溶出したNaやK等のアルカリ金属イオンやCa
等のアルカリ土類金属イオンを含有しており、強いアル
カリ性になっている。このコンクリート水は、コンクリ
ート中の細孔を通って、鉄筋等のコンクリート中の鋼材
と接触する。コンクリート中の鋼材は、単なるアルカリ
水溶液と接触しても、腐食はそれほど進行しない。鋼材
の表面が不働態化するため、アルカリ性水溶液では侵さ
れにくいからである。
【0004】しかし、環境(大気、地下水、雨水等)が
塩化物を含んでいると、環境中の塩化物はコンクリート
中に浸透し、コンクリート水はアルカリ成分に加えて塩
化物を含有するようになる。塩化物を含有するコンクリ
ート水がコンクリート中の鋼材と接触すると、鉄または
酸化鉄は塩化物と反応して水溶性の塩化鉄となるため、
鋼材の腐食の進行が速くなる。そのため、特に環境中の
塩化物濃度が高い上述したような地域では、コンクリー
ト中の鋼材の腐食により、鉄筋コンクリート建造物の寿
命が短くなることが問題となっている。
【0005】また、環境汚染に伴って大気中の濃度が増
えている硫黄酸化物(SOx )や窒素酸化物(NOx
も、やはりコンクリート中に浸透すると、塩化物と同様
にコンクリート中の鋼材の腐食を引き起こすことがあ
る。
【0006】コンクリート構造物の長寿命化を図る手段
として、鉄筋に溶融亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鉄筋
が、主に欧州および北米において以前から注目され、ま
た実際にも使用されてきた。
【0007】亜鉛めっき鉄筋は、鉄筋がアルカリ性のコ
ンクリート水と接触した場合に耐食性を発現することが
できる。この耐食性は、鉄筋表面の亜鉛がコンクリート
水中に溶解してコンクリート水中の溶解金属(例、Na、
Kなどのアルカリ金属)のイオンと反応し、亜鉛化合物
が鉄筋表面に形成されることにより達成される。形成さ
れた亜鉛化合物が防食機能を発現し、鉄筋を防御する。
しかし、鉄筋表面に形成された亜鉛化合物は、塩化物の
通過を阻止するバリアー機能を有していない。そのた
め、周囲環境からコンクリート水中にとけこんだ塩化物
は、亜鉛めっきの表面に到達することができる。これに
応じて、亜鉛が少しずつ溶解し、鋼材の腐食を防止す
る。
【0008】このように、亜鉛めっきによる耐食性は亜
鉛の溶解が前提となっているため、塩化物濃度が非常に
高い地域では、亜鉛めっきが完全に溶解して、亜鉛めっ
きによる鉄筋の防食機能が失われるといった事態にな
る。従って、亜鉛めっき鉄筋は、裸の鉄筋に比べれば、
塩化物を含有する環境中で優れた耐食性を示し、コンク
リート構造物の長寿命化に有効であるが、塩化物濃度が
高い地域では、亜鉛めっき鉄筋でも万全とはいえない。
【0009】亜鉛めっき鉄筋の腐食による亜鉛の溶解を
抑制するため、亜鉛めっき鉄筋を埋設するのにコンクリ
ート中に、金属亜硝酸塩を中心とする各種の腐食抑制剤
(インヒビター) を添加することが行われている。
【0010】コンクリート中に金属亜硝酸塩等の腐食抑
制剤を添加しておくと、亜鉛めっき鉄筋上にある種の不
溶性で耐食性の皮膜が形成されると推定される。しか
し、このような被膜は、コンクリート中から腐食抑制剤
が鉄筋上に拡散して初めて形成されるので、時間がかか
り、その効果はそれほど大きくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、亜鉛めっ
き鉄筋や、コンクリート中に腐食抑制剤を添加した亜鉛
めっき鉄筋コンクリートでは、鉄筋の防食効果はある程
度は期待できるものの、その効果は、特に塩化物濃度の
高い環境下ではなお不十分である。また、腐食抑制剤に
よる亜鉛めっきの溶解の抑制は即効性がない。
【0012】本発明は、コンクリートへの腐食抑制剤の
添加を利用せずに、塩化物濃度の高い環境でも、亜鉛め
っき鉄筋を用いた鉄筋コンクリート構造物の寿命を著し
く改善することができ、かつ亜鉛の溶解を効果的に抑制
できる即効性のある手段を開発することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、コンク
リートに腐食抑制剤を添加するのではなく、コンクリー
ト中に埋設される亜鉛めっき鋼材(例、亜鉛めっき鉄
筋)それ自体を、カルシウム化合物を含有する層で被覆
することにより、上記目的を達成することができる。こ
の被覆は、例えば、カルシウム化合物と好ましくはさら
に適当な有機または無機結合剤とを含有する被覆組成物
を、鋼材のめっき表面に塗布することにより形成するこ
とができる。
【0014】ここに、本発明は、コンクリート中に埋設
される、亜鉛系めっきが施された建設用鋼材であって、
めっき表面にカルシウム化合物を含有する被覆を有する
ことを特徴とする、建設用鋼材である。
【0015】ここで、亜鉛系めっきとは、亜鉛めっきと
亜鉛合金めっきとを包含する意味である。好適態様にあ
っては、コンクリート中に埋設される建設用鋼材は鉄
筋、鉄骨およびそれらの結合部材から選ばれ、鋼材の亜
鉛系めっきは、溶融亜鉛めっきまたは溶融亜鉛−アルミ
ニウム合金めっきであり、また前記被覆はカルシウム化
合物と無機および/または有機結合剤とから構成され
る。
【0016】別の側面からは、本発明は、コンクリート
中に埋設される、亜鉛系めっきが施された建設用鋼材に
塗布して、そのコンクリート中での耐食性を改善するた
めの被覆組成物であって、カルシウム化合物を含有する
ことを特徴とする被覆組成物である。この被覆組成物
は、さらに無機および/または有機結合剤を含有してい
ることが好ましい。
【0017】本発明に従ってカルシウム化合物を含有す
る被覆を亜鉛めっき鉄筋の表面に形成すると、コンクリ
ート中での亜鉛めっき鉄筋の耐食性が早期に改善され、
塩化物濃度が高い環境下でも亜鉛の溶解を抑制すること
ができるため、亜鉛めっき鉄筋の耐食性が向上し、これ
を用いたコンクリート構造物の寿命をさらに延長するこ
とができる。
【0018】この耐食性向上の詳しい機構は解明されて
いないが、現時点では次のように考えられる。カルシウ
ム化合物を含有する被覆から溶出したカルシウム(イオ
ン)は、めっきから溶出した亜鉛(イオン)およびコン
クリート水中の塩化物と水中で反応する。この反応によ
り、不溶性で保護効果の高い、カルシウム−亜鉛−塩化
物−酸化物系の複雑な化合物(塩素を含有する亜鉛酸カ
ルシウム系と呼ぶことができる化合物)が亜鉛めっき鉄
筋の表面に生成する。この反応は、前述したコンクリー
トに添加した腐食抑制剤のようにコンクリートからの拡
散が不要であるので、コンクリート水が生成した後すぐ
に起こる。
【0019】即ち、上記の亜鉛酸カルシウム系の複雑な
不溶性化合物は、本発明による被覆を施した鋼材がコン
クリートと接触してすぐに生成する。この化合物が高い
保護効果を示し、塩化物を含有するコンクリート水中で
のそれ以上の亜鉛の溶解を効果的に抑制できるのは、こ
の化合物がめっき表面で緻密なバリアー性の高い皮膜を
形成し、コンクリート水と亜鉛との接触を阻止するため
と考えられる。また、この化合物が未反応のカルシウム
化合物を含んでいて塩化物の捕捉作用を有していること
も考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の対象となる、コンクリー
ト中に埋設される建設用鋼材とは、そのような建設用鋼
材の全てを包含するが、代表例としては、鉄筋、鉄骨、
およびそれらの結合部材、例えば、アンカーボルトを含
むボルト類が挙げられる。
【0021】本発明では、このような建設用鋼材のう
ち、耐食性改善のために亜鉛系めっきが施されているも
のを対象とする。この亜鉛系めっきは、溶融めっきと電
気めっきのいずれでもよいが、建設用鋼材の場合は、低
コストで厚目付のめっき被膜を形成できる溶融めっきが
通常は採用される。めっき金属は、亜鉛と亜鉛合金のい
ずれでもよい。溶融亜鉛合金めっきの例は、Zn−5%Al
合金めっきおよびZn−55%Al合金めっきであり、これら
は大気中では亜鉛めっきより良好な耐食性を示すことが
知られている。
【0022】本発明で使用するのが好ましい亜鉛系めっ
き鋼材は、溶融亜鉛めっき鋼材と溶融Zn−5%Al合金め
っき鋼材であり、中でも溶融亜鉛めっき鋼材が好まし
い。以下では、説明の簡略化のために、めっきが亜鉛め
っきである亜鉛めっき鉄筋を例にとって本発明を説明す
るが、本発明の対象は亜鉛めっき鉄筋に限られるもので
はないことは、上の説明から明らかであろう。
【0023】本発明によれば、亜鉛めっき鉄筋の表面
に、カルシウム化合物を含有する被覆を形成する。この
被覆は、カルシウム化合物を含有していれば特に制限さ
れるものではないが、コンクリートに対して実質的な悪
影響を及ぼさないものとすべきである。例えば、コンク
リートと接触した時に、その硬化性に悪影響を及ぼす成
分や、起泡を生ずる成分が被覆中に存在することは好ま
しくない。
【0024】カルシウム化合物は、コンクリート水中に
少量のCaイオンを供給すればよいので、特にその種類は
制限されず、塩化物以外のカルシウム化合物であればど
れも使用できる。カルシウム化合物は難溶性であっても
よく、むしろ難溶性化合物の方がCaイオンを長期間にわ
たって徐々に供給できる点で有利である。また、カルシ
ウム化合物は有機化合物であってもよい。
【0025】好ましいカルシウム化合物は、ポルトラン
ドセメント中に含まれているカルシウム化合物である生
石灰 (酸化カルシウム) やセッコウ (硫酸カルシウム)
、ならびに石灰の水和物である消石灰 (水酸化カルシ
ウム) である。その他、リン酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム (セッコウ) 、炭酸カルシウムなども使用できる。
コストを考慮すると、酸化カルシウムおよび水酸化カル
シウムの使用が有利である。
【0026】また、カルシウム化合物は純品である必要
はない。コンクリートの性能に悪影響を及ぼさない他の
成分が共存する材料もカルシウム化合物として使用でき
る。従って、廃物から回収されたカルシウム化合物、例
えば、牡蛎殻などの貝殻の粉砕物(胡粉を含む)、も使
用でき、それによりさらにコスト面で有利となる。
【0027】亜鉛めっき鉄筋の表面にカルシウム化合物
を含有する被覆を形成する。この被覆は、結合剤を使用
せずに形成することも可能である。しかし、一般に、そ
のような被覆は強度が弱く、亜鉛めっき鉄筋の取り扱い
が困難になる。従って、結合剤によりカルシウム化合物
を結合させた被覆とすることが好ましい。その場合、カ
ルシウム化合物と結合剤とを含有する被覆組成物を亜鉛
めっき鉄筋に塗布し、塗膜を乾燥することにより、カル
シウム化合物と結合剤を含有する被覆を亜鉛めっき鉄筋
の表面に形成することができる。
【0028】この被覆組成物は多様な形態をとることが
できる。カルシウム化合物は、被覆組成物中に溶解して
いてもよく、あるいは粉末状態で存在させてもよい。結
合剤は、無機皮膜を形成する無機結合剤と有機皮膜を形
成する有機結合剤のいずれでもよく、両者の併用も可能
である。
【0029】結合剤は、水溶性または水分散性 (エマル
ジョン樹脂等) であっても、あるいは水不溶性で有機溶
剤に溶解する種類のものであってもよい。しかし、有機
溶剤の使用は環境に有害であり、コスト的にも不利であ
るので、水性または水分散性の結合剤を使用して、被覆
組成物を水系組成物とすることが好ましい。
【0030】その場合、乾燥後に形成される結合剤の被
膜それ自体が水溶性または水分散性となる結合剤が特に
好ましい。それにより、亜鉛めっき鉄筋がコンクリート
水と接触すると、すぐに被覆が崩壊してカルシウム化合
物が放出され、上記反応によるカルシウム化合物の防食
効果が発揮される。
【0031】被覆中の結合剤が水溶性または水分散性で
はなく、被覆が崩壊しない場合には、被覆それ自体が保
護効果を発揮し、また被覆表面に露出したカルシウム化
合物がコンクリート水中の成分と反応して、前述した化
合物の形成による防食効果を発揮する。さらに、この被
覆にピンホールや亀裂があると、そこからコンクリート
水が浸透して、カルシウム化合物と反応し、上記の防食
効果が得られる。この場合には、コンクリート水と接触
するカルシウム化合物の量が少なくなるので、カルシウ
ム化合物としては水溶性の高いカルシウム化合物を使用
することが好ましい。
【0032】このように、被覆中の結合剤が水溶性また
は水分散性である方が、被覆中のカルシウム化合物の利
用率が高く、前述した亜鉛めっきの保護効果の高い、亜
鉛酸カルシウム系の複雑な化合物からなる皮膜の形成に
有利である。従って、本発明ではこのような結合剤の使
用が好ましいが、結合剤が水溶性または水分散性ではな
い場合でも、被覆中にカルシウム化合物が存在すると、
カルシウム化合物が関与する亜鉛めっきの保護効果があ
る程度は得られる。
【0033】無機結合剤の例は、水ガラス、エチルシリ
ケート (有機物であるが、本質的にシリカからなる皮膜
を形成できる) などである。有機結合剤のうち、水溶性
結合剤の例としては、デンプン等の天然の水溶性高分
子、ポリビニルアルコール (PVA) 、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリエチレンオキサイドなどの合成ポリマ
ー、ならびにカルボキシメチルセルロース (CMC) 、
メチルセルロース等の半合成ポリマーが挙げられる。水
分散性の有機結合剤としては、エマルジョン塗料に使用
される各種樹脂 (例、酢酸ビニル、アクリル、ポリウレ
タン等) が挙げられる。
【0034】結合剤が水溶性または水分散性の結合剤で
ある水系被覆組成物の場合、カルシウム化合物は水溶性
と難溶性のいずれの化合物も使用できる。難溶性のカル
シウム化合物の場合には、この化合物の粉末を使用し
て、被覆組成物中にカルシウム化合物の粉末を分散させ
ることになる。被覆組成物は、水の量を非常に少なくし
て、ペースト状にしてもよい。ペースト状の被覆組成物
は、1回の塗布で比較的厚い被覆を形成することができ
るという利点がある。
【0035】被覆組成物中の結合剤の量は、カルシウム
化合物を結合するのに十分な量であればよい。この量は
結合剤の種類、カルシウム化合物の種類や難溶性カルシ
ウム化合物の場合にはその粒径等の条件によっても変動
するが、通常は、固形分基準で、カルシウム化合物100
質量部当たり1〜100 質量部の結合剤を使用することが
好ましい。
【0036】被覆組成物は、結合剤、カルシウム化合
物、および水 (または溶剤) のみから構成されるもので
よいが、コンクリートや鉄筋に悪影響を及ぼさなけれ
ば、他の成分を含有させることも可能である。例えば、
着色剤を含有させて被覆を着色することにより、被覆の
有無を識別しやすくしてもよい。
【0037】亜鉛めっき鉄筋への被覆組成物の塗布は常
法に従って実施すればよい。被覆組成物が液状である場
合には、スプレー、ロール塗装、テーピングなどの塗布
方法を採用できる。被覆組成物がペースト状である場合
には、刷毛塗り、吹き付けといった塗布方法が好適であ
る。
【0038】塗布後に塗膜を乾燥して、水または溶剤を
除去すると、カルシウム化合物と結合剤 (これを使用し
た場合) からなる被覆が亜鉛めっき鉄筋のめっき表面に
形成される。この乾燥は自然乾燥でも、加熱乾燥でもよ
い。但し、結合剤が熱硬化性樹脂のように加熱を必要と
する場合には、必要な加熱を行う。
【0039】被覆の厚みは特に制限されないが、本発明
の目的である亜鉛めっき鉄筋のめっき皮膜の溶解を抑制
するのに有効な厚みとすべきである。この厚みは、カル
シウム化合物や結合剤の種類、被覆中のカルシウム化合
物の含有量、コンクリート構造物の周囲環境の腐食性
(塩化物濃度) によっても変動する。一般には、カルシ
ウム化合物の付着量が0.05〜20 kg/m2となるように被覆
の厚みを設定することが好ましい。この付着量はより好
ましくは 0.5〜10 kg/m2、最も好ましくは2〜6kg/m2
である。好ましい付着量がかなり大きい値であるので、
被覆組成物はペースト状であることが有利である。
【0040】カルシウム化合物を含有する被覆は、コン
クリート水にCaイオンを供給して、前述した亜鉛酸カル
シウム系の複雑な化合物を形成することにより、亜鉛め
っき鉄筋の耐食性を改善する。即ち、この被覆それ自体
が保護被覆となるのではない。従って、カルシウム化合
物を含有する被覆は緻密である必要はなく、また亜鉛め
っき鉄筋のめっき表面を連続的に覆う必要もない。例え
ば、縞状といった不連続な被覆でも、Caイオンを効果的
に供給でき、本発明の効果を達成することができる。
【0041】本発明によりカルシウム化合物を含有する
被覆をめっき表面に形成した亜鉛めっき鉄筋を用いて鉄
筋コンクリート構造物を建造すると、亜鉛めっきの防食
効果を高める被覆が亜鉛めっき鉄筋の表面に予め成され
ているため、この被覆による防食効果がすぐに現れる。
即ち、この被覆を有する亜鉛めっき鉄筋を埋設するよう
にコンクリートを打ち込むと、被覆中のカルシウム化合
物はコンクリート水中の化学種とすぐに反応することが
できる。コンクリート水が塩化物を含有していると、こ
の反応によりカルシウム−亜鉛−塩化物−酸化物系 (塩
素を含む亜鉛酸カルシウム系) の複雑な塩からなるバリ
アー性の高い皮膜が鉄筋表面に形成され、この皮膜によ
る保護作用で内部の亜鉛めっき鉄筋が保護され、その耐
食性が向上する。
【0042】亜鉛めっき鉄筋のみでもコンクリート中の
鉄筋の寿命はかなり延びることが確かめられているが、
塩化物濃度が高い環境では亜鉛の溶解が進行するため、
亜鉛めっきだけで鉄筋を十分に保護することはできな
い。本発明によれば、亜鉛の溶解を著しく抑制すること
ができるので、塩化物濃度、さらにはNOx やSOx
濃度が高い腐食性が強い環境中での亜鉛めっき鉄筋の耐
食性の大幅な向上につながる。
【0043】
【実施例】
【実施例1】両面に溶融亜鉛めっきを施した鋼板 (めっ
き付着量:片面当たり550 g/m2) から1cm平方の試験片
を切り出した。この試験片の片面の亜鉛めっき面に、リ
ード線をつなげた後でエポキシ樹脂中に埋め込み、この
面をシールした。この面を裏面とする。次に、試験片の
反対側のめっき面 (表面とする) に、市販の水酸化カル
シウム粉末 (試薬級) 12質量部を10質量%濃度のCMC
水溶液10質量部 (樹脂固形分として1質量部) と一緒に
混練することにより作製したペーストをヘラで塗布し、
常温で乾燥して、カルシウム化合物を含有する被覆を形
成した。この被覆中の水酸化カルシウムの含有量は3.7
kg/m2 であった。
【0044】こうして得られた、水酸化カルシウムを含
有する被覆を片面に有する溶融亜鉛めっき鋼板の試験片
を、腐食試験に供した。腐食試験に用いた試験溶液は、
硬化後のコンクリートから滲出するコンクリート水を模
した、0.008 mol/l Ca(OH)2-0.13 mol/l Na0H-0.32 mol
/l KOHなる組成のアルカリ性水溶液 (pH 13.6)に、3質
量%の塩化ナトリウムを添加した水溶液であった。腐食
試験はサイクリックボルタンメトリー法により、次のよ
うにして行った。
【0045】上記試験片の裏面 (リード線に接続され、
エポキシ樹脂に埋め込まれた面) を作用電極とし、対極
にはらせん状の白金電極を、参照極としては銀/塩化銀
電極(3.3 kmol/m3 KCl)を用いた。これら3極を上記試
験溶液に浸漬して3極式セルを構成し、3極の他方の端
子をポテンシオスタットに接続した。関数発生器を用い
て電位について走査し、電流密度−電位曲線を作成し
て、耐食性を評価した。電位の走査は、自然浸漬電位
(R.P.)から−1500 mV (銀/塩化銀電極基準、以下同
じ) まで卑な方向に分極させた後、貴な方向に0V まで
分極させ、R.P.まで再び卑な方向に分極させることによ
り行った。走査速度は10 mV/sec とした。
【0046】比較のために、溶融亜鉛めっき鋼板の試験
片の表面に、カルシウム化合物を含有する被覆を形成せ
ずに (即ち、表面は裸の亜鉛めっき面のまま、裏面は上
記と同様) 、上記と同じ試験を実施した。この場合を
「被覆なし」、本発明に従ってカルシウム化合物を含有
する被覆を形成した場合を「被覆あり」とする。
【0047】図2に、「被覆なし」の試験片と「被覆あ
り」の試験片で得られた電流密度−電位曲線の−1500 m
V から0mVまで貴な方向に走査した部分を示す。いずれ
の曲線も、−1250 mV 近傍に電流密度のピークが見られ
る。これは、めっき皮膜中の亜鉛が溶解し、水溶液 (コ
ンクリート水) 中および「被覆あり」の場合は被覆中の
化学種と反応して、亜鉛酸カルシウム系のバリアー性皮
膜ができることによるものと考えられる。電流ピーク時
に生成したこのバリアー性皮膜は、生成後の水溶液中に
おける塩化物イオン等の腐食因子を遮断し、素地を保護
するため、その後、電流値は急激に低下している。
【0048】しかし、「被覆なし」の試験片では、電流
値が再び急増し、−1000 mV 近傍にシャープな電流密度
のピークができている。このピークは、−1250 mV 近傍
で生成した亜鉛酸カルシウム系のバリアー性被覆が溶解
し、亜鉛酸ナトリウムまたはカリウム系などの比較的溶
解し易い腐食生成物に置き換わる反応に対応していると
推定される。この腐食生成物はバリアー性が低く、素地
の亜鉛の溶解を生じやすいので、その後も電流密度が高
くなる。
【0049】これに対し、本発明に従った「被覆あり」
の試験片では、このピークがない。即ち、亜鉛酸カルシ
ウム系のバリアー性皮膜が溶解せずに保持され、この皮
膜による亜鉛めっきの保護効果が持続する。そのため、
その後も、全体的に「被覆なし」の試験片より低い電流
密度が維持され、亜鉛の溶解が抑制される。
【0050】このように、図1から、カルシウム化合物
を含有する被覆を亜鉛めっき表面に形成することによ
り、塩化物を含有するコンクリート水中での亜鉛の溶出
が効果的に抑制され、亜鉛めっき素地の保護能力が高ま
ることがわかる。
【0051】ここでは、鋼板の片面を本発明に従って処
理することにより試験したが、鉄筋といった鋼材の場合
にも同様の結果となることは当然である。従って、本発
明によりカルシウム化合物を含有する被覆を亜鉛めっき
鉄筋の表面に形成すると、塩化物を含有するコンクリー
ト水中での亜鉛の溶出が抑えられ、亜鉛めっき鉄筋の耐
食性が向上する。
【0052】
【実施例2】供試材として、溶融亜鉛めっき鋼板の代わ
りに、大気暴露に対してより良好な耐食性を示すことが
知られている、溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板または溶
融55%Al−Zn合金めっき鋼板を用いて、実施例1と全く
同様にして、めっき鋼板の試験片の片面に水酸化カルシ
ウムを含有する被覆を形成した後、電流密度−電位曲線
を作成して、コンクリート水中での耐食性を評価した。
また、比較のために、上記2種類の溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板の「被覆なし」のめっき鋼板の供試材を用いて、
同じ試験を実施した。
【0053】5%Al−Zn合金めっき鋼板および55%Al−
Zn合金めっき鋼板のそれぞれについて、比較用の「被覆
なし」のめっき鋼板と「被覆あり」のめっき鋼板の電流
密度−電位曲線を対比した。いずれのめっき鋼板でも、
「被覆なし」のめっき鋼板に比べて、本発明に従った
「被覆あり」のめっき鋼板の方が、全体的に電流密度が
減少し、耐食性が向上することがわかった。
【0054】しかし、実施例1の溶融亜鉛めっき鋼板の
場合に比べて、「被覆あり」と「被覆なし」との電流密
度の差、即ち、カルシウム化合物を含有する被覆による
電流密度の低下の幅、が小さくなった。特に、Alの添加
量が多い55%Al−Zn合金めっき鋼板の場合に、この差が
小さかった。
【0055】従って、本発明によるカルシウム化合物を
含有する被覆の形成によるコンクリート水中での耐食性
の改善効果は、亜鉛 合金めっきより純亜鉛めっきの方
がより顕著となり、亜鉛合金めっきの中は、合金元素の
添加量が少ない亜鉛 合金めっきの方がより有効である
ことがわかる。ただし、例えば、55%Al−Zn合金めっき
のように合金元素の含有量が多い亜鉛合金めっきの場合
でも、本発明による耐食性改善効果は確かに認められ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明により、亜鉛めっき鉄筋のような
亜鉛系めっきが施された建設用鋼材のコンクリート中に
おける耐食性を、コンクリート中に埋設した初期の段階
から改善することができる。それにより、海岸地域等の
塩害によるコンクリート中の鋼材の腐食が懸念されるよ
うな環境にあっても鋼材の腐食を効果的に抑制すること
ができ、コンクリート構造物の寿命を大幅に延長するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って、水酸化カルシウムとCMCか
らなる被覆を溶融亜鉛めっき表面に形成した場合 (「被
覆あり」) と、被覆がない場合の、塩化物を含有する擬
似的コンクリート水中での電流密度−電位曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E164 AA02 AA11 BA01 BA02 4F100 AB03A AB10B AB18B AB31B AK53 BA02 EH71B GB07 JB02 JL00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート中に埋設される、亜鉛系め
    っきが施された建設用鋼材であって、めっき表面にカル
    シウム化合物を含有する被覆を有することを特徴とす
    る、建設用鋼材。
  2. 【請求項2】 前記建設用鋼材が鉄筋、鉄骨およびそれ
    らの結合部材から選ばれる請求項1記載の建設用鋼材。
  3. 【請求項3】 亜鉛系めっきが溶融亜鉛めっきまたは溶
    融亜鉛−アルミニウム合金めっきである請求項1または
    2記載の建設用鋼材。
  4. 【請求項4】 被覆がカルシウム化合物と無機および/
    または有機結合剤とから構成される請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の建設用鋼材。
  5. 【請求項5】 被覆中の結合剤が水溶性または水分散性
    である、請求項4記載の建設用鋼材。
  6. 【請求項6】 コンクリート中に埋設される亜鉛系めっ
    きが施された建設用鋼材に塗布して、そのコンクリート
    中での耐食性を改善するための被覆組成物であって、カ
    ルシウム化合物を含有することを特徴とする被覆組成
    物。
  7. 【請求項7】 さらに無機および/または有機結合剤を
    含有する、請求項6記載の被覆組成物。
  8. 【請求項8】 結合剤が水溶性または水分散性である、
    請求項7記載の被覆組成物。
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