JP2002265890A - 粘着テープ用基材、粘着テープ及び封缶テープ - Google Patents

粘着テープ用基材、粘着テープ及び封缶テープ

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JP2002265890A
JP2002265890A JP2001061092A JP2001061092A JP2002265890A JP 2002265890 A JP2002265890 A JP 2002265890A JP 2001061092 A JP2001061092 A JP 2001061092A JP 2001061092 A JP2001061092 A JP 2001061092A JP 2002265890 A JP2002265890 A JP 2002265890A
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carbon atoms
tape
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JP2001061092A
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Junichi Matsumoto
淳一 松本
Tomohiro Nagao
知浩 長尾
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素ガスなどの有毒ガス等の発生する恐れが
少なく、かつべたつきが少なく、ポリ塩化ビニルと同等
の柔軟性を有する粘着テープ用基材を提供すること。 【解決手段】 (a)α−オレフィンと、(b)環状オ
レフィン及び/又は(c)芳香族ビニル化合物とを共重
合して得られ、かつガラス転移温度が−30〜40℃、
弾性回復率が20%以上、25℃貯蔵弾性率E’が50
0MPa以下及び25℃tan δが0.2以上である共重合
体を含む層少なくとも1層からなる粘着テープ用基材で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性を有する粘
着テープ用基材、該粘着テープ用基材に粘着剤を塗布し
た粘着テープ及び封缶テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】セロハンをテープ用基材として用いたセ
ロハン粘着テープが市販されて以来、紙、ポリ塩化ビニ
ル、ポリオレフィンなどの粘着テープ用基材に粘着剤を
塗布した粘着テープが開発され、様々な用途に使用され
てきた。最近では、粘着テープの生産量も急速に増大
し、民生用だけでなく、工業用や医療用など新しい応用
分野が開拓されている。現在、実用化されている粘着テ
ープの種類や用途を挙げると、包装・結束用粘着テー
プ、事務・家庭用粘着テープ、接合用粘着テープ、塗装
マスキング用粘着テープ、表面保護用粘着テープ、シー
リング用粘着テープ、防食・防水用粘着テープ、電気絶
縁用粘着テープ、電子機器用粘着テープ、医療・衛生材
料用粘着テープ、識別・装飾用粘着テープ、ラベル用粘
着テープ、封缶テープ、その他の特定用途などであり、
数多くの種類の粘着テープが開発され、商品化されてい
る。従来、お菓子等を入れる缶は、缶内の湿気防止や蓋
の脱落防止のためにテープを用いて封缶されている。缶
の蓋の縁は通常突起しているため、封缶テープはこの凹
凸に追従する必要があり、また、缶の形状が正方形や長
方形等の多角形のような複雑な形状である場合、缶に密
着して貼り付けるためには、更なる柔軟性が封缶テープ
に求められる。このため、従来から、柔軟性に優れた軟
質塩化ビニル樹脂を基材とした封缶テープが多用されて
きた。しかしながら、近年の環境問題により、塩化ビニ
ル樹脂を基材とするテープは、使用後の処分に特別な管
理(管理された焼却炉において焼却、または管理された
投棄場に埋める等)を必要とすることから、代替品が望
まれてきた。代替品には、コストと柔軟性の両面から、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを
基材として使用したテープが検討されている。封缶テー
プは、缶を開ける際に消費者により剥がされ、ごみとし
て捨てられるので、ほとんどの封缶テープは一般ごみと
混ざって管理されない状態で焼却されているのが現状で
ある。軟質塩化ビニル樹脂の代替として有用な材料とし
て、ポリオレフィン系材料が挙げられる。ポリオレフィ
ン系材料は、焼却時に塩化ビニル樹脂のように有毒ガス
が発生することがなく、かつ柔軟性に優れているので、
複雑な形状に追従するという点では封缶テープ用基材と
して適している。しかし、ポリエチレンフィルム等に見
られるように、引張った際にネッキングと呼ばれる局所
的なくびれが生じる。このような材料を基材とした封缶
テープで、機械により複雑な形状の缶を封缶した場合に
は、缶のコーナー部でネッキングが生じ、見栄えが悪く
なる。また、ポリプロピレンフィルム等はネッキングに
加え、柔軟性が低いために被着面の凹凸に追従しにくい
という問題があった。このような理由により、従来のポ
リオレフィン系フィルムを封缶テープの基材として使用
することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着テープ
用基材における上記の問題点を解決し、塩素ガスなどの
有毒ガス等の発生する恐れが少なく、かつべたつきが少
なく、ポリ塩化ビニルと同等の柔軟性を有する粘着テー
プ用基材、該基材を使用した粘着テープ及び封缶テープ
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、を少なくとも
一層、あるいは特定のオレフィン系共重合体とオレフィ
ン系重合体を含む樹脂組成物からなる層を少なくとも一
層有する粘着テープ用基材が、本目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(a)α−オレフィンと、(b)環状オレフィン
及び/又は(c)芳香族ビニル化合物とを共重合して得
られ、かつガラス転移温度が−30〜40℃、弾性回復
率が20%以上、25℃貯蔵弾性率E’が500MPa
以下及び25℃tan δが0.2以上である共重合体を含む
層少なくとも1層からなる粘着テープ用基材を提供する
ものである。また、共重合体を含む層が、共重合体と共
に、該共重合体に含まれる熱可塑性樹脂以外の熱可塑性
樹脂を含む層である前記ポリオレフィン系床材、さら
に、粘着テープ用基材に粘着剤が塗布された粘着テープ
及び封缶テープを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の粘着テープ用基材におい
て用いられる共重合体は、本発明の粘着テープ用基材
は、(1)(a)α−オレフィンと(b)環状オレフィ
ンとの共重合体、(2)(a)α−オレフィンと(c)
芳香族ビニル化合物との共重合体、又は(3)(a)α
−オレフィンと(b)環状オレフィンと(c)芳香族ビ
ニル化合物との共重合体である。(a)成分のα−オレ
フィンとしては、炭素数2〜22のα−モノオレフィン
類、ハロゲン置換α−オレフィン類及び鎖状ジオレフィ
ン類の中から選ばれる少なくとも一種を挙げることがで
きる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、4−フェニル−1−ブテ
ン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、3, 3−ジメチル−1−ペンテ
ン、3, 4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘ
キセン、5−メチル−1−ヘキセン、6−フェニル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等のα
−モノオレフィン類、ヘキサフルオロプロペン、テトラ
フルオロエチレン、2−フルオロプロペン、フルオロエ
チレン、1, 1−ジフルオロエチレン、3−フルオロプ
ロペン、トリフルオロエチレン、3,4−ジクロロ−1
−ブテン等のハロゲン置換α−オレフィン類、ブタジエ
ン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキ
サジエンなどの鎖状ジオレフィン類を挙げることができ
る。これらのα−オレフィンは、一種を単独で用いても
よく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
(b)成分の環状オレフィンとしては、特に制限はない
が、一般式(I)
【0006】
【化1】
【0007】(式中、kは0または1であり、mは0ま
たは1であり、nは0または自然数である。R1 〜R20
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、アルコキシ基又はアミノ基である)で表される化
合物が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。炭化
水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、
ナフチル基、トリル基、ベンジル基、フェニルエチル
基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
【0008】アルコキシ基としては、炭素数1〜20の
ものが好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、2,6
−ジメチルフェノキシ基、トリメチルシロキシ基などが
挙げられる。アミノ基としては、炭素数1〜20のもの
が好ましく、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、ピロリジニル基、ビス(トリメチルシリル)アミノ
基などが挙げられる。R17〜R20は、互いに結合して単
環または多環を形成していても良く、かつ該単環または
多環が二重結合を有していても良く、またR17とR18
で、またはR 19とR20とでアルキリデン基を形成してい
てもよい。上記一般式(I)で表される環状オレフィン
の具体的な例を示せば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン(ノルボルネン)、5−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソ
ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、エチ
リデンノルボルネンなどのビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン誘導体、トリシクロ[4.3.0.
2,5 ]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.
3.0.12,5 ]−3−デセン、5−メチルトリシクロ
[4.3.0.12,5 ]−3−デセンなどのトリシクロ
[4.3.0.12,5 ]−3−デセン誘導体、トリシク
ロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、10−メ
チルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセ
ンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウン
デセン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、2,10−ジメ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン誘導
体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ[7.
4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ペンタデセン
誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン化合物、ペンタ
シクロ[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−
ヘキサデセンなどのペンタシクロ[8.4.0.
2,5 .19, 12.08,13]−3−ヘキサデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14
−4−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.
1.13, 6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタ
デセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、1,4−メタノ−1,4,4a,9
a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ンなどが挙げられる。前記一般式(I)で表される化合
物以外の環状オレフィンとしては、1−シクロペンテ
ン、1−シクロオクテンなどの単環状オレフィン類、
1,3−シクロヘキサジエン、1,5−オクタジエン、
2,5−ノルボルナジエンなどの環状ジエン類などが挙
げられる。
【0009】これらの一般式(I)で表される環状オレ
フィン及び上記環状オレフィンは、一種を単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さら
に、(c)成分の芳香族ビニル化合物としてはスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−プ
ロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−ブチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、o−エチルスチレン、o−プロピルスチレ
ン、o−イソプロピルスチレン、m−メチルスチレン、
m−エチルスチレン、m−イソプロピルスチレン、m−
ブチルスチレン、メシチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチ
ルスチレン等のアルキルスチレン類、p−メトキシスチ
レン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン等
のアルコキシスチレン類、p −クロロスチレン、m−ク
ロロスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、m−ブロモスチレン、o−ブロモスチレン、p−フ
ルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o−フルオロ
スチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロ
ゲン化スチレン、更にはp−フェニルスチレン、p−ト
リメチルシリルスチレン、ビニル安息香酸エステル、ジ
ビニルベンゼン等を挙げることができる。これら芳香族
ビニル化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0010】本発明の粘着テープ用基材に用いられる共
重合体においては、α−オレフィン単位の含有量が70
〜99.9モル%、環状オレフィン単位の含有量が30〜
0モル%及び芳香族ビニル化合物単位の含有量が30〜
0モル%であり、かつ環状オレフィン単位と芳香族ビニ
ル化合物単位との合計含有量が30〜0.1モル%である
のが好ましい。α−オレフィン単位の含有量が70モル
%未満ではガラス転移温度(Tg)が高くなり、常温で
の柔軟性が失われるおそれがあり、99.9モル%を超え
ると結晶性が高くなり、弾性率が高くなって、柔軟性が
失われる上、透明性が低下するおそれが生じる。したが
って、各単位のより好ましい含有量は、α−オレフィン
単位が80〜98モル%、環状オレフィン単位が20〜
0モル%及び芳香族ビニル化合物単位が20〜0モル%
で、かつ環状オレフィン単位と芳香族ビニル化合物単位
との合計含有量が20〜2モル%であり、さらに好まし
くは、α−オレフィン単位が80〜96モル%、環状オ
レフィン単位が20〜4モル%及び芳香族ビニル化合物
単位が16〜0モル%である。
【0011】本発明においては、前記共重合体は、ガラ
ス転移温度(Tg)が、−30〜40℃の範囲にあるこ
とが必要である。このTgが−30℃より低いと物性バ
ランスが悪くなり、特に透明性と柔軟性が低下したり、
弾性回復性が低下することがある。一方、Tgが40℃
を超えると常温での柔軟性が失われる。したがって、好
ましいTgは−20〜30℃の範囲であり、特に−10
〜25℃の範囲が好ましい。なお、共重合体のガラス転
移温度(Tg)は、共重合体を温度190℃、圧力10
MPaで加熱プレス成形にて試験片(幅4mm、長さ4
0mm、厚さ0.1mm)を作製し、測定装置として東洋
ボールディング社製バイブロン11−EA型を用い、昇
温速度3℃/分、周波数3.5Hzで測定し、この時の損
失弾性率(E”)のピークから求められるものである。
【0012】また、該共重合体は、弾性回復率が20%
以上であることが必要である。この弾性回復率が20%
未満では巻き戻り性が悪くなるおそれがある。好ましい
弾性回復率は50%以上であり、特に70%以上が好適
である。なお、この弾性回復率は、オートグラフを用
い、引っ張り速度62mm/分で、幅6mm、クランプ
間50mm(L0)の側底片を150%伸ばして引っ張
り、5分間そのままの状態を保った後、はね返させるこ
となく急に収縮させ、1分後にクランプ間のシートの長
さ(L1 )を測定し、式 弾性回復率(%)=[ 1−〔(L1 −L0 )/L0 〕]
×100 より求めた値である。一方、該共重合体は、25℃貯蔵
弾性率E’が500MPa以下であることが必要であ
る。この貯蔵弾性率E’が500MPaを超えると柔軟
性が低下し、硬くなる場合がある。また、低すぎると機
械的強度が低下し、好ましくない。したがって、好まし
い25℃貯蔵弾性率E’は5〜200MPaの範囲であ
り、特に10〜150MPaの範囲が好適である。さら
に、該共重合体は、25℃tan δ(損失係数)が0.2以
上である。このtan δが0.2未満では粘弾性に劣り、反
撥弾性が強いので、下地形状への追従性が悪くなる。な
お、前記25℃貯蔵弾性率E’及び25℃tan δは、イ
ワモト社製「Visco-Elastic Spectrometer Type F-III
型」を用い、昇温速度5℃/分、周波数2Hzの条件で
測定した値である。
【0013】該共重合体の結晶化度は20%以下が好ま
しい。この結晶化度が20%を超えると透明性や柔軟性
が低下するおそれがあり、また低すぎると成形時にべと
つきやすくなる。したがって、より好ましい結晶化度は
15%以下であり、特に0.1〜10%の範囲が好適であ
る。また、内部ヘイズ値は5%以下が好ましい。なお、
結晶化度は、X線回折分析法で求めた値であり、内部ヘ
イズ値は、熱プレス成形により0.1mm厚のフィルムを
作製し、デジタルヘイズメーターを用い、JIS K7
105に準拠して求めた値である。
【0014】次に、この共重合体のメルトインデックス
(MI)は、通常0.01〜30g/10分、好ましく
は、0.5〜10g/10分の範囲である。このMIが0.
01g/10分未満では成形性は低下する恐れがある。
一方、MIが30g/10分を超えるとブロッキングし
やすくなるが、フィラーを充填する場合には、ある程度
高いMIが必要な場合がある。このMIは、JIS K
7210に準拠し、測定温度190℃、測定荷重21.1
8Nの条件で測定した値である。このような性状を有す
る本発明で用いられる共重合体の製造方法としては、前
記の性状を有するものが得られる方法であればよく、特
に制限はないが、以下に示す方法により、効率よく製造
することができる。
【0015】この方法においては、(A)下記の一般式
(II)〜(V)で表される周期率表4〜6族の遷移金属化
合物及び周期律表第8〜10族の遷移金属化合物の中か
ら選ばれる少なくとも一種と、(B)イオン化剤、すな
わち(B−1)含酸素有機金属化合物、(B−2)該遷
移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成し得るイ
オン性化合物及び(B−3)粘土、粘土鉱物又はイオン
交換性層状化合物の中から選ばれる少なくとも一種との
組合せからなるオレフィン重合触媒の存在下、α−オレ
フィンと環状オレフィン及び/又は芳香族ビニル化合物
を共重合体させることにより、所望の共重合体が得られ
る。
【0016】上記(A)成分の遷移金属化合物は、下記
の一般式(II),(III),(IV) 及び(V) Q1 a (C5 5-a-b 21 b )(C5 5-a-c 22 c )M1 1 1 ・・・(II) Q2 a (C5 5-a-d 23 d )Z1 1 1 1 ・・・(III) (C5 5-e 24 e )M1 1 1 1 ・・・(IV) L1 2 2 1 1 ・・・(V) 〔式中、Q1 は二つの共役五員環配位子(C5 5-a-b
21 b )及び(C5 5- a-c 22 c )を架橋する結合性
基を示し、Q2 は共役五員環配位子(C5 5-a- d 23
d )とZ1 基を架橋する結合性基を示す。R21、R22
23及びR24は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素
基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示
し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、
互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又
は2である。b、c及びdは、a=0のときはそれぞれ
0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、
a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。eは0〜
5の整数を示す。M1 は周期律表第4〜6族及び周期律
表第8〜10族の遷移金属を、M2 は周期律表第8〜1
0族の遷移金属を示す。また、L1 、L2 はそれぞれ共
有結合性又は配位結合性の配位子を示し、それぞれ互い
に結合してもよい。また、X1 、Y1 、Z1 、W1 はそ
れぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を示し、X
1 、Y1 及びW1 は、それぞれ互いに結合してもよ
い。〕で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一
種である。
【0017】前記一般式(II)及び(III) 式中のQ1 及び
2 は結合性基を示すが、具体例としては、(ア)メチ
レン基、エチレン基、イソプロピレン基、メチルフェニ
ルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレ
ン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、シクロアルキ
レン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換
体、(イ)シリレン基、ジメチルシリレン基、メチルフ
ェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン
基、テトラメチルジシリレン基などのシリレン基、オリ
ゴシリレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニ
ル置換体、(ウ)ゲルマニウム、リン、窒素、硼素又は
アルミニウムを含む炭化水素基〔低級アルキル基、フェ
ニル基、ヒドロカルビルオキシ基(好ましくは低級アル
コキシ基)など〕、具体的には(CH3 2 Ge基、
(C6 5 2 Ge基、(CH3 )P基、(C6 5
P基、(C4 9 )N基、(C6 5 )N基、(C
3 )B基、(C4 9 )B基、(C6 5 )B基、
(C6 5 )Al基、(CH3 O)Al基などが挙げら
れる。Q1 及びQ2 としては、これらの中で、アルキレ
ン基及びシリレン基が好ましい。
【0018】また、(C5 5-a-b 21 b )、(C5
5-a-c 22 c )及び(C5 5-a-d23 d )は共役五員
環配位子であり、R21、R22及びR23は、それぞれ炭化
水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水
素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又は硼
素含有炭化水素基を示し、aは0、1又は2である。
b、c及びdは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整
数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のと
きはそれぞれ0〜3の整数を示す。ここで、炭化水素基
としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に炭素
数1〜12のものが好ましい。この炭化水素基は一価の
基として、共役五員環基であるシクロペンタジエニル基
と結合していてもよく、またこれが複数個存在する場合
には、その2個が互いに結合してシクロペンタジエニル
基の一部と共に環構造を形成していてもよい。すなわ
ち、該共役五員環配位子の代表例としては、置換又は非
置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基及びフル
オレニル基が挙げられる。
【0019】ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ
素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、
炭素数1〜12のものが好ましく挙げられる。珪素含有
炭化水素基としては、例えば−Si(R25)(R26
(R27)(R25、R26及びR27は炭素数1〜24の炭化
水素基)などが挙げられ、リン含有炭化水素基、窒素含
有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基としては、それぞ
れ−P(R28)(R29)、−N(R28)(R29)及び−
B(R28)(R29)(R28及びR 29は炭素数1〜18の
炭化水素基)などが挙げられる。R21、R22及びR23
それぞれ複数ある場合には、複数のR21、複数のR22
び複数のR23は、それぞれにおいて同一であっても異な
っていてもよい。また、一般式(II)において、共役五員
環配位子(C5 5-a-b 21 b )及び(C5 5-a-c
22 c )は同一であっても異なっていてもよい。
【0020】一方、M1 は周期律表第4〜6族及び周期
律表第8〜10族の遷移金属元素を示し、具体例として
はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニ
オブ、モリブテン、タングステン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、パラジウム、白金などを挙げることができるが、
これらの中でチタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、
ニッケル及びパラジウムが好ましい。Z1 は共有結合性
の配位子であり、具体的には酸素(−O−)、硫黄(−
S−)、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコ
キシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオア
ルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒
素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜1
8のリン含有炭化水素基を示す。X1 及びY1 は、それ
ぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子であり、具体
的には水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好まし
くは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例え
ば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例え
ば、トリメチルシリル基など)、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有ホウ
素化合物(例えばB(C6 5 ) 4 、BF 4 )を示す。
これらの中でハロゲン原子、炭化水素基及びアルコキシ
基が好ましい。X1 及びY1 としてはたがいに同一であ
っても異なっていてもよい。
【0021】次に、上記一般式(IV)において、M1
上記と同様に周期律表第4〜6族及び周期律表第8〜1
0族の遷移金属であり、また、W1 は共有結合性又はイ
オン結合性の配位子であり、具体的には水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化
水素基、炭素数1〜30、好ましくは1〜20のアルコ
キシ基、アミノ基、アミジナート基、炭素数1〜20、
好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジ
フェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメ
チルシリル基など)、炭素数1〜20、好ましくは1〜
12の炭化水素基あるいはハロゲン含有ホウ素化合物
(例えばB(C6 5 ) 4 、BF4 )を示す。これらの
中でハロゲン原子、炭化水素基及びアルコキシ基が好ま
しい。前記一般式(II)及び(III) で表される化合物の具
体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
【0022】(1)ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(n−ブ
チルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビ
ス(インデニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムクロロヒドリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、(シクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド
などの架橋する結合基を有さず共役五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、
【0023】(2)rac−メチレンビス(インデニ
ル)チタニウムジクロリド、rac−エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタニウ
ムジクロリド、エチレン(2,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロリド、rac−イソプロピリデ
ンビス(4,5−ベンゾインデニル)チタニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)チタニウムジクロリドなどのアルキレン基
で架橋した共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合
物、 (3)rac−ジメチルシリレンビス(インデニル)チ
タニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ra
c−フェニルメチルシリレンビス(インデニル)チタニ
ウムジクロリドなどのシリレン基架橋共役五員環配位子
を2個有する遷移金属化合物、
【0024】(4)rac−ジメチルゲルミレンビス
(インデニル)チタニウムジクロリドなどのゲルマニウ
ム、アルミニウム、硼素、リン又は窒素を含む炭化水素
基で架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属
化合物、 (5)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)[ビス
(フェニル)アミノ]チタニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(te
rt−ブチルアミノ)チタニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(2−インデニル)(tert−ブチルアミ
ノ)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−イ
ンデニル)(イソプロピルアミノ)チタニウムジクロリ
ド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
メトキシド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロリドなどの共役五員環配位子を1個有する
遷移金属化合物、
【0025】(6)(1,1’−ジメチルシリレン)
(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロリド、(1,2’−ジメチル
シリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(イン
デニル)チタニウムジクロリド、(1,1’−ジメチル
シリレン)(2,2’−エチレン)ビス(インデニル)
チタニウムジクロリド、(1,2’−エチレン)(2,
1’−エチレン)ビス(3−メチルインデニル)チタニ
ウムジクロリドなどの配位子同士が二重架橋された共役
五員環配位子を2個有する遷移金属化合物,
【0026】(7)さらには、上記(1)〜(6)に記
載の化合物において、これらの化合物の塩素原子を臭素
原子、ヨウ素原子、水素原子、メチル基、フェニル基な
どに置き換えたもの、また、上記遷移金属化合物の中心
金属のチタンをジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、モリブテン又はタングステンなどに置き換
えたものを挙げることができる。また、一般式(IV)で表
される遷移金属化合物の具体例としては、例えばシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロリド、メチルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロリド、ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、さらに
は、これらの化合物の塩素原子を臭素原子、ヨウ素原
子、水素原子、メチル基、フェニル基などに置き換えた
もの、また、上記遷移金属化合物の中心金属のチタンを
ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、モリ
ブテン又はタングステンなどに置き換えたものを挙げる
ことができる。一方、前記一般式(V)で表される遷移
金属化合物において、L1 、L2 はそれぞれ共有結合性
又は配位結合性の配位子を表わし、X1 、Y1 はそれぞ
れ共有結合性、又はイオン結合性の配位子を表してい
る。ここでX1 、Y1 については、前述したように、具
体的には水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好
ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜
20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、(例
えば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例え
ば、トリメチルシリル基など)、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有硼素
化合物(例えばB(C6 5 4 ,BF4 )を示す。こ
れらの中でハロゲン原子及び炭化水素基が好ましい。こ
のX1 及びY1 はたがいに同一であっても異なっていて
もよい。
【0027】さらに、L1 ,L2 の具体例としては、炭
素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素
数1〜30、好ましくは1〜20のアルコキシ基、アミ
ノ基、アミジナート基、炭素数1〜20、好ましくは1
〜12のリン含有炭化水素基(例えばジフェニルホスフ
ィン基など)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12
の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基な
ど)、トリフェニルホスフィン,アセトニトリル,ベン
ゾニトリル,1,2−ビスジフェニルホスフィノエタ
ン,1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン,1,
1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン,シクロオ
クタジエン,ピリジン,ビストリメチルシリルアミノビ
ストリメチルシリルイミノホスホランなどを挙げること
ができる。なお、上記L1 及びL2 ,X1 及びY1 は、
それぞれ互いに結合してもよい。この一般式(V)で表
される遷移金属化合物の具体例としては、ジブロモビス
トリフェニルホスフィンニッケルを挙げることができ
る。さらに、ジイミン化合物を配位子とするものが好ま
しく、このようなものとしては、例えば一般式(VI)
【0028】
【化2】
【0029】(式中、R30及びR33はそれぞれ独立に炭
素数1〜20の脂肪族炭化水素基または全炭素数7〜2
0の環上に炭化水素基を有する芳香族基、R31及びR32
はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化
水素基を示し、R31とR32はたがいに結合して環を形成
していてもよく、X2 及びY2 はそれぞれ独立に水素原
子または炭素数1〜20の炭化水素基、M2 は周期律表
第8〜10族の遷移金属を示す。)で表される錯体化合
物を挙げることができる。上記一般式(VI)において、R
30及びR33のうち、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基
としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のア
ルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基な
ど、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル
基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上に
は低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていて
もよい。また、全炭素数7〜20の環上に炭化水素基を
有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフチル
基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐
状または環状のアルキル基が1個以上導入された基など
が挙げられる。このR30及びR33としては、環上に炭化
水素基を有する芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイ
ソプロピルフェニル基が好適である。R30及びR 33は、
たがいに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0030】また、R31及びR32のうち、炭素数1〜2
0の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖
状若しくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロ
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜
20のアラルキル基などが挙げられる。ここで、炭素数
1〜20の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素数3
〜20のシクロアルキル基としては、前記R30及びR33
のうち、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の説明にお
いて例示したものと同じものを挙げることができる。ま
た炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニ
ル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフ
チル基などが挙げられ、炭素数7〜20のアラルキル基
としては、例えばベンジル基やフェネチル基などが挙げ
られる。このR31及びR32は、たがいに同一であっても
よく、異なっていてもよい。また、たがいに結合して環
を形成していてもよい。
【0031】一方、X2 及びY2 のうち、炭素数1〜2
0の炭化水素基としては、上記R31及びR32における炭
素数1〜20の炭化水素基について、説明したとおりで
ある。このX2 及びY2 としては、特にメチル基が好ま
しい。また、X2 とY2 は、たがいに同一であってもよ
く異なっていてもよい。M2 の周期律表第8〜10族の
遷移金属としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白
金、鉄、コバルト、ロジウム、ルテニウムなどが挙げら
れ、ニッケル、パラジウムが好ましい。本発明において
は、前記(A)成分の遷移金属化合物は、一種を単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いられるオレフィン重合触媒における
(B)成分のイオン化剤うちの(B−1)含酸素有機金
属化合物としては、一般式(VII) 又は一般式(VIII)
【0032】
【化3】
【0033】〔式中、R34〜R40は、各々独立に炭素数
1〜8のアルキル基を示し、A1 〜A5 は、各々独立に
周期律表第13族金属元素を示す。またh,i,j及び
uは、それぞれ0〜50の数であり、かつ(h+i)と
(j+u)は共に1以上である。]で表される化合物が
挙げられる。前記一般式(VII),(VIII)において、R34
40が表す炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種
ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプ
チル基、各種オクチル基が挙げられ、A1 〜A5 が表す
周期律表第13族金属元素としては、ホウ素、アルミニ
ウム、ガリウム、インジウム、タリウムが挙げられる。
これら金属元素の中では、ホウ素とアルミニウムが特に
好適に用いられる。またh,i,j及びuの値として
は、1〜20、特に1〜5の範囲であるものが好まし
い。
【0034】これらの一般式(VII),(VIII)で表される含
酸素有機金属化合物としては、例えばテトラメチルジア
ルモキサン、テトライソブチルジアルモキサン、メチル
アルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサ
ン、イソブチルアルモキサン等のアルモキサン類、トリ
メチルボロキシン、メチルボロキサン等のボロキサン類
が挙げられる。これらの内好ましくはアルモキサン類で
あり、特にメチルアルモキサンやイソブチルアルモキサ
ンが好適に用いられる。また、これらアルモキサン類
は、アルコール類で変性していてもよい。変性に用いら
れるアルコール類としては、具体的にはメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、トリフェニルメ
タノール、2,6−ジメチルフェノール、1,4−ブタ
ンジオール、カテコール、トリメチルシラノール、トリ
フェニルシラノール等が挙げられる。
【0035】また、(B)成分のうちの(B−2)遷移
金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるイオ
ン性化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオ
ンとカチオンとからなる配位錯化合物、またはルイス酸
が挙げられる。この複数の基が金属に結合したアニオン
とカチオンとからなる配位錯化合物としては、一般式(I
X)又は(X) ([L3 −H]g+f ([M3 1 2 ・・・Dp (p-q)-t (IX) ([L4 g+f ([M4 1 2 ・・・Dp (p-q)-t (X) [式中、L3 はルイス塩基、L4 は、後述のM5 、R41
426 またはR43 3 Cであり、M3 及びM4 は、それ
ぞれ周期律表の第5〜15族から選ばれる金属、M5
周期律表の第1族及び第8〜12族から選ばれる金属、
6 は、周期律表の第8〜10族から選ばれる金属、D
1 〜Dp は、それぞれ水素原子、ジアルキルアミノ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリ
ール基、アリールアルキル基、置換アルキル基、有機メ
タロイド基またはハロゲン原子を示す。R41及びR
42は、それぞれシクロペンタジエニル基、置換シクロペ
ンタジエニル基、インデニル基、またはフルオレニル基
を示し、R43はアルキル基を示す。qはM3 、M4 の原
子価で1〜7の整数、pは2〜8の整数、gは[L3
H]、[L4 ]のイオン価数で1〜7の整数、fは1以
上の整数であり、tは式[f×g/(p−q)]により
算出される値である。]で表される化合物が好適に用い
られる。
【0036】上記一般式(IX)、(X)におけるM3
びM4 が表す金属としては、ホウ素、アルミニウム、ケ
イ素、りん、ヒ素、アンチモンが好ましく、M5 が表す
金属としては、銀、銅、ナトリウム、リチウムが好まし
く、M6 が表す金属としては、鉄、コバルト、ニッケル
などが好適である。また、一般式(IX)、(X)におけ
るD1 〜Dp の具体例としては、例えば、ジアルキルア
ミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基
などが好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、n−ブトキシ基などが、アリールオキシ基
としては、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ
基、ナフチルオキシ基などが好ましい。
【0037】次に、炭素数1〜20のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基などが好ましく、炭素数6〜20のアリール基、
アルキルアリール基もしくはアリールアルキル基として
は、フェニル基、p−トリル基、ベンジル基、ペンタフ
ルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)
フェニル基、4―tert−ブチルフェニル基、2,6
−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、
2,4−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニ
ル基などが好ましい。さらにハロゲンとしては、フッ
素、塩素、臭素、沃素が好ましく、有機メタロイド基と
しては、ペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル
基、トリメチルゲルミル基、ジフェニルアルシン基、ジ
シクロヘキシルアンチモン基、ジフェニルホウ素基など
が好ましい。さらに、R41及びR42が表す置換シクロペ
ンタジエニル基としては、メチルシクロペンタジエニル
基、ブチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシク
ロペンタジエニル基などが好適なものとして挙げられ
る。
【0038】本発明において、複数の基が金属に結合し
たアニオンとしては、具体的にはB(C6 5 4 -
B(C6 HF4 4 - 、B(C6 2 3 4 - 、B
(C 6 3 2 4 - 、B(C6 4 F)4 - 、B[C
6 (CF3 )F4 4 - 、B(C6 5 4 - 、FB
(C6 5 3 - 、FB(C107 3 - 、PF6 -
P(C6 5 6 - 、Al(C6 5 4 - 、Al(C
6 HF4 4 - 、FAl(C6 5 3 - 、FAl(C
107 3 - などが好適なものとして挙げられる。ま
た、金属カチオンとしては、Cp2 Fe+ 、(MeC
p)2 Fe+ 、(tBuCp)2 Fe+ 、(Me2
p)2 Fe+ 、(Me3 Cp)2 Fe+ 、(Me 4
p)2 Fe+ 、(Me5 Cp)2 Fe+ 、Ag+ 、Na
+ 、Li+ などが好適なものとして挙げられる。
【0039】この他のカチオンとしては、ピリジニウ
ム、2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウ
ム、ジフェニルアンモニウム、p−ニトロアニリニウ
ム、2,5−ジクロロアニリニウム、p−ニトロ−N,
N−ジメチルアニリニウム、キノリニウム、N,N−ジ
メチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウムな
どの窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム、トリ
(4−メチルフェニル)カルベニウム、トリ(4−メト
キシフェニル)カルベニウムなどのカルベニウム化合
物、CH3 PH3 + 等のアルキルホスホニウムイオン、
及びC6 5 PH3 + などのアリールホスホニウムイオ
ンなどが挙げられる。次に、前記一般式(IX)で表され
る化合物としては、例えば、テトラフェニルホウ酸トリ
エチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ホウ酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ホウ酸N、N−ジメチルアニリ
ニウムなどが好適に用いられる。また、一般式(X)で
表される化合物としては、例えばテトラフェニルホウ酸
フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ酸トリチル、テトラフルオロホウ酸銀など
が好適に用いられる。さらに、ルイス酸として、例え
ば、B(C6 5 3 、B(C6 HF4 3 、B(C6
2 3 3 、B(C6 3 2 3 、B(C6
4 F)3 、B(C65 3 、BF3 、B[C6 (CF
3 )F4 3 、B(C107 3 、FB(C
6 5 2 、PF5 、P(C6 5 5 、Al(C6
5 3 、Al(C6 HF 4 3 、Al(C107 3
ども用いることができる。
【0040】一方、(B)成分のうちの(B−3)粘
土、粘土鉱物又はイオン交換性層状化合物としては、下
記のものが挙げられる。 (1)粘土又は粘土鉱物 粘土とは、細かい含水ケイ酸塩鉱物の集合体であって、
適当量の水を混ぜてこねると可塑性を生じ、乾けば剛性
を示し、高温度で焼くと焼結するような物質をいう。ま
た、粘土鉱物とは、粘土の主成分をなす含水ケイ酸塩を
いう。これらは、天然産のものに限らず、人工合成した
ものであってもよい。 (2)イオン交換性層状化合物 このイオン交換性層状化合物とは、イオン結合等によっ
て構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なっ
た結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換
可能なものをいう。
【0041】本発明においては、前記(B−3)成分
は、(A)成分、他の(B−1)成分や(B−2)成
分、後述の(C)成分との接触にあたり、粘土、粘土鉱
物及びイオン交換性層状化合物中の不純物除去又は構造
及び機能の変化という点から、化学処理を施すことも好
ましい。また、上記(B−3)成分はそのまま用いても
よいし、新たに水を添加吸着させたものを用いてもよ
く、あるいは加熱脱水処理したものを用いてもよい。あ
るいは、さらに有機アルミニウム化合物及び/または有
機シラン化合物で処理したものを用いてもよい。
【0042】この(B−3)成分として、好ましいもの
は粘土または粘土鉱物であり、最も好ましいものはフィ
ロケイ酸類であり、中でもスメクタイトが良く、モンモ
リロナイトがさらに好ましい。本発明においては、
(B)成分として、前記の(B−1)成分を一種単独で
又は二種以上組み合わせて用いてもよいし、(B−2)
成分を一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いても
よく、(B−3)成分を一種単独で又は二種以上組み合
わせて用いてもよい。あるいは、(B−1)成分、(B
−2)成分及び(B−3)成分を適宜組み合わせて用い
てもよい。さらに、該オレフィン重合触媒においては、
必要に応じ、(C)成分として、一般式(XI) 、(XII)
及び(XIII) R44 r Al(OR45S 3-r-s ・・・(XI) R44 2 Mg ・・・(XII) R44 2 Zn ・・・(XIII) [上記式中R44及びR45は、各々独立に炭素数1〜8の
アルキル基を示し、Eは水素原子またはハロゲン原子を
示す。rは、0<r≦3であり、sは、0≦s<3であ
る。]で表される有機金属化合物が好適に用いられる。
これら一般式(XI)〜(XIII)におけるR44またはR
45が表すアルキル基としては、炭素数が1〜8であるも
の、好ましくは炭素数が1〜4であるもの、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、各種ブ
チル基等であるものが好ましい。また、同式中のrは、
2または3であるものが好ましく、3であるものがもっ
とも好ましい。さらにsは、0または1であるものが好
ましい。
【0043】そして、これら一般式(XI)〜(XIII)
で表される有機金属化合物としては、例えば、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プ
ロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミウムクロリド、ジn−プロピルアルミニ
ウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、
ジn−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリド、ジ−tert−ブチルアルミニウム
クロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、ジメチ
ルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメト
キシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチ
ルアルミニウムメトキシド等のジアルキルアルミニウム
アルコキシド、ジメチルアルミニウムヒドリド、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウ
ムヒドリド等の有機アルミニウム化合物や、ジメチルマ
グネシウム、ジエチルマグネシウム等のジアルキルマグ
ネシウム、ジエチル亜鉛等のジアルキル亜鉛が挙げられ
る。これら有機金属化合物の中でも、有機アルミニウム
化合物、特に、トリアルキルアルミニウムが好ましい。
本発明においては、(C)成分として、前記有機金属化
合物を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0044】次に、上記の各触媒成分を用いてオレフィ
ン重合触媒を調製する場合には、窒素ガス等の不活性ガ
ス雰囲気下にて行うことが望ましい。触媒としては、予
め触媒調製槽において調製したものであってもよいし、
α−オレフィンや芳香族ビニル化合物などの共重合を行
なう重合反応器内において調製したものであってもよ
い。この重合反応器内にて触媒の調製を行う場合には、
重合温度以下で行うことが望ましく、例えば−30〜2
00℃、好ましくは0〜80℃の範囲で行うのがよい。
【0045】そして、これら各成分の配合割合は、
(A)成分の遷移金属化合物に対して、(B−1)成分
をモル比において1:0.1〜1:100000、好まし
くは、1:0.5〜1:10000とするのがよい。また
(B−2)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の
錯体を形成しうるイオン性化合物をモル比において1:
0.1〜1:1000、好ましくは、1:1〜1:100
とするのがよい。また、(B−3)成分の粘土、粘土鉱
物またはイオン交換性層状化合物の配合割合は、(B−
3)成分の単位重量(g)に対する(A)成分の添加量
として、0.1〜1000マイクロモル、好ましくは1〜
200マイクロモルである。さらに、(C)成分有機金
属化合物の配合割合は、(A)成分の遷移金属化合物に
対して、モル比において1:1〜1:100000、好
ましくは1:10〜1:10000である。
【0046】本発明で使用する重合触媒は、上述した
(A)成分、(B−1)成分、(B−2)成分及び
(C)成分のうち少なくとも1つの成分が微粒子状担体
に担持されてなる固体状触媒であってもよい。また重合
触媒は、微粒子状担体、(A)成分、(B−1)成分
(または(B−2)成分)及び予備重合により生成する
重合体または共重合体と、必要に応じて(C)成分とか
らなる予備重合触媒であってもよい。固体状触媒及び予
備重合触媒に用いられる微粒子状担体は、無機あるいは
有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好ま
しくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固
体である。これらの中でSiO2 及びAl2 3 の中か
ら選ばれた少なくとも一種の成分を主成分とするものが
好ましい。
【0047】本発明における共重合体は、このようにし
て調製されたオレフィン重合触媒を用い、α−オレフィ
ンと環状オレフィン及び/又は芳香族ビニル化合物を、
ブタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭
化水素化合物や、液化α−オレフィンなどの溶媒存在
下、あるいは溶媒不在下に共重合させることにより製造
することができる。重合温度は特に制限されないが、好
ましくは−50℃〜250℃の範囲にあり、特に好まし
くは0℃〜200℃の範囲である。圧力は特に制限され
ないが、好ましくは、−50〜250℃の範囲であり、
特に好ましくは0℃〜200℃の範囲である。圧力は特
に制限されないが、好ましくは常圧20MPa、特に好
ましくは常圧〜10MPaの範囲である。本発明の粘着
テープ用基材においては、樹脂成分として、前記のよう
にして得られた共重合体のみを用いたものであってもよ
く、あるいは、本発明の目的が損なわれない範囲で、該
共重合体に該共重合体に含まれる熱可塑性樹脂以外の熱
可塑性樹脂(以下、他の熱可塑性樹脂ということがあ
る。)とをブレンドしてなる混合樹脂を用いたものであ
ってもよい。この場合、通常該共重合体と他の樹脂は、
重量比50:50〜99.9:0.1の割合でブレンドされ
ている。
【0048】上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば高
密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDP
E)、ポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフィン系樹
脂や、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体などの極性ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共
重合樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂などのその他
の樹脂や、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体、ブチルゴム、ハロゲン
化ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、EP
R、EPDM、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、フッ素ゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエン・
スチレンブロック共重合体ゴム、アクリロニトリル−E
PDM−スチレン三元共重合体、スチレン−メチルメタ
クリレート共重合体などの合成ゴム、その他天然ゴムや
熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは一種
を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよいが、これらの中で特に、結晶性ポリオレフィン系
樹脂が好ましい。本発明の粘着テープ用基材において、
該共重合体と結晶性ポリオレフィン系樹脂の混合割合
は、重量比で99:1〜50:50の範囲が好ましい。
結晶性ポリオレフィン系樹脂の量が上記範囲より少ない
と耐熱性、耐薬品性、表面硬度などの向上効果が充分に
発揮されにくく、逆に上記範囲より多いと柔軟性や透明
性などが低下する原因となる。該共重合体と結晶性ポリ
オレフィン系樹脂のより好ましい混合割合は、重量比で
95:5〜50:50の範囲である。
【0049】本発明の粘着テープ用基材を作製するに
は、まず、該共重合体を含む樹脂組成物からなる成形材
料を調製する。この成形材料は、該共重合体及び場合に
より用いられる前記他の樹脂からなる樹脂成分に対し、
本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により公知の
各種添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、結
晶核剤、顔料、染料、無機又は有機フィラーなどを配合
することにより、調製することができる。
【0050】上記無機や有機のフィラーは共重合体本来
の特性を損なわない範囲で配合することも、あるいは積
極的に着色させることや寸法安定性の向上や積圧耐久性
の向上を目的に配合することもできる。フィラーの添加
量が多すぎると硬く脆くなったり、意匠性が低下したり
する。フィラーの例としてはカーボンブラック、シリ
カ、シリカアルミナ、ケイ藻土、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウ
ム、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ガラス
ビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベント
ナイト、グラファイト、アルミニウム粉などの粉体、繊
維、ビーズ状物、難燃剤等を挙げることができる。これ
らのフィラーの中では、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、シリカアルミ
ナ、タルク、炭酸バリウムが好ましく用いられる。これ
らのフィラーは、一種または二種以上を組み合わせて用
いることができる。また、ナフテン油、パラフィン系鉱
物油などの可塑剤などを適宜配合することができる。
【0051】粘着テープ用基材に、印刷性や接着性など
を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化
法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸
処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照
射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例え
ばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。こ
れらの表面処理法としては、一般にはコロナ放電処理法
が効果及び操作法などの面から、好ましく用いられる。
また、プライマー処理を施すこともできる。本発明の粘
着テープ用基材は、上記共重合体を含む層のみ、あるい
はこの共重合体と他の熱可塑性樹脂を含む層を一層のみ
を有する単層構造のものであってもよく、これらの層を
少なくとも一層有する多層構造のものであってもよい。
多層構造の粘着テープ用基材は、層数が2以上のもので
あるが、層数は3〜10が好ましく、3〜5がより好ま
しい。
【0052】上記共重合体を含む層以外の層、あるいは
この共重合体と熱可塑性樹脂を含む層以外の層は、これ
らの層に、熱可塑性エラストマーをブレンドするか、あ
るいは上記他の熱可塑性樹脂で形成することができる。
この場合も、上述した各種添加剤を添加することができ
る。熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性エラスト
マーとしては、EPR(エチレン/プロピレンゴムエラ
ストマー),HSBR(水素添加−スチレン/ブタジエ
ンゴムエラストマー),SEPS(スチレン/エチレン
/プロピレン/スチレンエラストマー),SIPS(ス
チレン/イソプレン/スチレンエラストマー)などが挙
げられる。
【0053】本発明の粘着テープ用基材は、公知のシー
ト成形法(ベルトプロセス,カレンダー成形法,ナイフ
コーティング法,Tダイ押出し成形法,インフレーショ
ン成形法,キャスト成形法)により作製することができ
る。本発明の粘着テープ用基材の厚さは、0.05〜0.5
mmであることが好ましく、0.05〜0.2mmがより好
ましく、0.05〜0.15mmがさらに好ましく、0.05
〜0.1mmが特に好ましい。本発明の粘着テープ又は封
缶テープは、粘着テープ用基材の表面に粘着剤を塗布
し、粘着剤層を積層したものである。粘着剤としては、
アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、スチレン・イソ
プレンブロック共重合体(SIS),スチレン・ブタジ
エンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),ポリイ
ソブチレン(PIB),イソブチレン−イソプレンゴム
(IIR)等の合成ゴム系粘着剤、上記の天然ゴム系粘
着剤と合成ゴム系粘着剤との混合物などが挙げられる。
これらの中でも、高凝集性を有するという点から、アク
リル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤が好適に使用される。
これらの粘着剤は一種を単独で使用しても二種以上組み
合わせて使用してもよい。
【0054】粘着剤層の膜厚は、通常5〜100μm程
度であり、好ましくは10〜50μmである。粘着剤層
の膜厚が5μm未満であると、目標とする粘着力が得ら
れず、粘着テープや封缶テープにおいて、浮きや剥れが
生じやすくなる恐れがある。粘着剤層の膜厚が100μ
mを超えると、粘着力が強すぎてテープを除去するとき
の剥離性が悪く、また粘着剤が被粘着物に残る恐れがあ
る。粘着剤を基材に塗布する方法としては、従来一般に
使用されている方法、例えば、流エン法、ロールコータ
ー法、リバースコーター法、ドクターブレード法等を使
用することができる。また、必要に応じて、基材におけ
る粘着剤層形成面と反対の面に背面処理層を形成しても
よい。この背面処理層は、離型剤を塗布することにより
形成することができ。離型剤としては、例えば、長鎖ア
ルキル系、シリコーン系、フッ素系等の離型剤が挙げら
れる。
【0055】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
制限されるものではない。なお、製造例におけるポリマ
ーの物性は、明細書本文に記載した方法に従って測定し
た。また、ポリマーのコモノマー組成は、下記の方法に
より求めた。 (1)コモノマー組成 同位体炭素核磁気共鳴分光(13C−NMR)により、コ
モノマー単位の含有量を求めた。 調製例 (tert−ブチルアミド)(2−インデニル)ジメチ
ルシランチタニウムジクロリドの調製 (1)2−ブロモインデンの合成 インデンブロモヒドリン100g(0.47mol)を1
リットルのトルエンに溶解した。これに、3.5ミリリッ
トルの濃硫酸を加え1時間還流した。室温まで放冷した
後、水を加えて水洗した。有機層を分離した後、減圧下
で溶媒を溜去した。残渣を減圧蒸留することにより、収
量8.46g,収率9.42%で黄色オイルとして目的物を
得た。(1 H−NMR(COC13 ):3.52(s,2
H),6.88(s,H),6.97〜7.70(m,4
H)) (2)2−(ジメチルクロロシリル)インデンの合成 窒素気流下で、テトラヒドロフラン50ミリリットルに
マグネシウム2gを加えた。これに、1,2−ジブロモ
エタン0.1ミリリットルを加え、ドライヤーで加熱して
マグネシウムを活性化させた。減圧下で溶媒を溜去し、
新たにテトラヒドロフラン50ミリリットルを加えた。
これに、2−ブロモインデン5.90g(25.63mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液300ミリリットルを2
時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌し
た。反応混合物を−78℃に冷却し、これにジクロロジ
メチルシラン5.0ミリリットル(41mmol)のテト
ラヒドロフラン溶液200ミリリットルを1時間かけて
滴下した。滴下終了後、室温まで昇温し、そのまま室温
で12時間攪拌した後、減圧下で溶媒を溜去した。残渣
をヘキサンで抽出後、減圧下で溶媒を溜去し、目的物を
収量5.00g,収率93.2%で橙色オイルとして得た。
1 H−NMR(CDCl3 ):0.62(s,6H),
3.56(2H),6.9〜7.65(5H))
【0056】(3)(2−インデニル)−tert−ブ
チルアミノジメチルシランの合成 2−(ジメチルクロロシリル)インデン3.00g(14.
37mmol)をヘキサン100ミリリットルに溶解
し、氷冷した。これに、tert−ブチルアミン7.55
ミリリットル(71.9mmol)を10分で滴下した。
滴下後、室温に昇温し、12時間攪拌した。上澄みを濾
別し、減圧下で溶媒を溜去して目的物を収量3.08g,
収率87.3%で得た。(1 H−NMR(CDCl3 ):
0.29(s,6H),1.12(s,9H),3.48(2
H),7.0〜7.6(m,5H)) (4)(tert−ブチルアミド)(2−インデニル)
ジメチルシランチタニウムジクロリドの合成 (2−インデニル)−tert−ブチルアミノジメチル
シラン 3.05g(12.4mmol)をエーテル100
ミリリットルに溶解し、氷冷した。これにn−ブチルリ
チウム17.6ミリリットル(1.64モル/リットル,2
8.8mmol)を加え、室温まで昇温し12時間攪拌し
た。生じたリチウム塩の沈殿を濾別し、ヘキサン50ミ
リリットルで三回洗浄した後、減圧下で乾燥した。生じ
たリチウム塩は、1.65gであった。これをテトラヒド
ロフラン100ミリリットルに溶解し、−78℃に冷却
した。これにTiCl3 (THF)3 2.08g(5.6
1mmol)のテトラヒドロフラン溶液50ミリリット
ルを加えた。室温まで昇温し、そのまま12時間攪拌し
た。その後、反応混合物にAgCl 2.5g(17.4m
mol)を加え、そのまま24時間攪拌した。上澄みを
濾別し、減圧下で溶媒を溜去した。トルエン/ヘキサン
から結晶化し、さらにヘキサンで洗浄し目的物を収量0.
3gで得た。(1 H−NMR(CDCl3 ):0.78
(s,6H),1.41(s,9H),6.78(s,2
H),7.2〜7.5(m,2H),7.6〜7.8(m,
H))
【0057】製造例1 内容積100リットルオートクレーブに、トルエン37.
5リットル、トリイソブチルアルミニウム115ミリモ
ル、コモノマー成分であるノルボルネン80モル、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリ
ニウム160マイクロモル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジクロロジルコニウム100マイクロモルを仕込ん
だのち、エチレン分圧0.75MPa、重合温度90℃の
条件で150分間重合を行い、エチレン−ノルボルネン
共重合体(EPO−1)を得た。得られたポリマーの13
C−NMR分析によるノルボルネン単位含有量は14.6
モル%であった。また、温度190℃、荷重21.18N
の条件で測定したメルトインデックス(MI)は4.3g
/10分であった。評価結果を第1表に示す。
【0058】製造例2 製造例1において、ノルボルネンの使用量を45モルに
変え、温度90℃で重合した以外は、製造例1と同様に
して、エチレン−ノルボルネン共重合体(EPO−2)
を得た。このポリマーのノルボルネン単位含有量は8.9
モル%、メルトインデックス(MI)は3.2g/10分
であった。評価結果を第1表に示す。 製造例3 製造例2において、ノルボルネンの使用量を30モルに
変えた以外は、製造例2と同様にしてエチレン−ノルボ
ルネン共重合体(EPO−3)を得た。このポリマーの
ノルボルネン単位含有量は5.0モル%であった。評価結
果を第1表に示す。比較のために、市販のエチレン−オ
クテン−1共重合体(LLDPE)〔出光石油化学社製
「モアテックV−0398CN」〕についての性状評価
結果を第1表に示す。
【0059】製造例4 内容積10リットルの触媒投入管付きのオートクレーブ
に、トルエン2リットル、スチレン30ミリリットル、
ノルボルネン90ミリリットル、トリイソブチルアルミ
ニウムの1.0モル/リットル濃度のトルエン溶液3ミリ
リットルを順次投入し、45℃に昇温した。次いで、こ
のオートクレーブに、エチレンをその圧力が0.3MPa
・Gとなるように導入した。そして、触媒投入管より、
30マイクロモルの(tert−ブチルアミド)(2−
インデニル)ジメチルシランチタニウムジクロリド、3
0ミリモルのメチルアルモキサンをトルエン250ミリ
リットルに溶解させた溶液を投入した。エチレン、スチ
レン、ノルボルネンの共重合の進展に伴って、オートク
レーブの内圧が低下するので、エチレンの圧力が0.3M
Pa・Gを維持できるように、連続的に導入しながら、
1時間共重合反応を行った。その後、メタノールの添加
により共重合を停止した。反応生成物には、さらに大量
のメタノールを加えて、ろ過分離し、生成固体を減圧下
に60℃で4時間乾燥した。この結果、エチレン−スチ
レン−ノルボルネン共重合体(EPO−4)を得た。評
価結果を第1表に示す。
【0060】
【表1】
【0061】実施例1 製造例1で得られたEPO−1を、押出機(プラコー社
製,PO−65)のTダイから押出し、成形温度250
℃、引き速度4m/分の条件で成形して原反シートを作
製した。また、この原反シートにコロナ処理を行い、表
面張力を420μN/cm調整した後、ゴム系の粘着剤
を厚さ塗布し、封缶テープを作製した。以下に示す「粘
着テープ用基材及び封缶テープ用の特性の評価方法」に
よる評価結果を第2表に示す。
【0062】<粘着テープ用基材及び封缶テープの特性
の評価方法> (1)引張弾性率 粘着剤を塗布する前の基材について、JIS K 71
13に準拠した引張試験により測定した。 クロスヘッド速度:50mm/min ロードセル:100kg 測定方向:マシン方向(MD方向) (2)テープの評価 自動封缶機を使用し、長方形缶(100mm×200m
m×200mm)の100mm×200mmの周囲につ
いて封缶作業を行なって特性を評価した。浮き(コーナ
ー部、直線部)については、浮きがないものを○、浮き
が確認されたものを×とした。ネッキングについては、
コーナー部においてテープ幅が狭くなっていないものを
○、コーナー部においてテープ幅が狭くなっているもの
を×とした。端末剥がれについては、剥がれや位置ずれ
がないものを○、剥がれや浮きが生じたものを×とし
た。
【0063】実施例2 実施例1においてEPO−1の代わりに製造例2で得ら
れたEPO−2を用いた以外は、実施例1と同様にして
原反シート及び封缶テープを作製し、同様の評価を行っ
た。これらの評価結果を第2表に示す。 実施例3 実施例1においてEPO−1の代わりに製造例3で得ら
れたEPO−3を用いた以外は、実施例1と同様にして
原反シート及び封缶テープを作製し、同様の評価を行っ
た。これらの評価結果を第2表に示す。 実施例4 実施例1においてEPO−1の代わりに製造例4で得ら
れたEPO−4を用いた以外は、実施例1と同様にして
原反シート及び封缶テープを作製し、同様の評価を行っ
た。これらの評価結果を第2表に示す。 実施例5 実施例1で用いたものと同様の押出機を3台使用し、そ
れぞれの押出機のTダイから、出光石油化学社製のポリ
プロピレンF−744NP(プロピレンランダムコポリ
マー,メルトインデックス=7)(第2表においては7
44と記す)からなる層、EPO−1からなる層及びポ
リプロピレンF−744NPからなる層を押出し、これ
らの層が厚さの比1/8/1で順次積層された3層構造
を有する原反シート及び封缶テープを作製した。これら
の評価結果を第2表に示す。
【0064】実施例6 実施例5において、EPO−1からなる層をEPO−2
からなる層に変えた以外は実施例5と同様にして原反シ
ート及び封缶テープを作製した。これらの評価結果を第
2表に示す。 実施例7 実施例1において、EPO−1からなる層を、100重
量部のEPO−1に東京インキ社製の白色の着色剤のマ
スターバッチ(第2表においては白M/Bと記す、以下
同様)(PEX197101 WHITE)10重量部
を配合したものからなる層に変えた以外は実施例1と同
様にして原反シート及び封缶テープを作製した。これら
の評価結果を第2表に示す。
【0065】実施例8 実施例1において、EPO−1からなる層を、100重
量部のEPO−2に東京インキ社製の白色の着色剤のマ
スターバッチ(PEX197101 WHITE)10
重量部を配合したものからなる層に変えた以外は実施例
1と同様にして原反シート及び封缶テープを作製した。
これらの評価結果を第2表に示す。 実施例9 実施例5において、EPO−1からなる層を、100重
量部のEPO−1に東京インキ社製の白色の着色剤のマ
スターバッチ(PEX197101 WHITE)10
重量部を配合したものからなる層に変えた以外は実施例
1と同様にして原反シート及び封缶テープを作製した。
これらの評価結果を第2表に示す。 比較例1 実施例1において、EPO−1の代わりに市販のエチレ
ン−オクテン−1共重合体(LLDPE)〔出光石油化
学社製「モアテックV−0398CN」〕を用いた以外
は実施例1と同様にして原反シート及び封缶テープを作
製した。これらの評価結果を第2表に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、塩素ガスなどの有毒ガ
ス等の発生する恐れが少なく、かつべたつきが少なく、
ポリ塩化ビニルと同等の柔軟性を有する粘着テープ用基
材を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 232/00 C08F 232/00 C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES C08L 23/00 C08L 23/00 25/00 25/00 45/00 45/00 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA14X AA15 AA15X AA20 AA21 AA22 AA22X AA76 AA80 AA86 AH19 BA01 BB02 BB04 BB06 BB09 BC01 4F100 AK01A AK01B AK02 AK02A AK02B AK02J AK03A AK03B AK03J AK04 AK11A AK11B AK11J AK12 AK12J AL01 AL01A AL01B AL05A AL05B AN02 AN02G BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA15 CA16C CB05 CB05C EH17 EH46 GB15 GB90 JA05A JA05B JB16A JB16B JB20 JK07 JK07A JK07B JK13 JK17 YY00A YY00B 4J002 AA01X BB01W BB03X BB04W BB06X BB12X BB14W BB17W BC02W BC08W BC11W BC12W BD12X BE02X BG10X BK00W BN15X CP03X FD010 GJ00 4J004 AA04 AA05 AA07 AA10 AB01 CA03 CA04 CC02 CC03 CE01 EA01 FA08 4J100 AA02P AA03P AA04P AA07P AA09P AA15P AA16P AA17P AA19P AA20P AA21P AB01P AB01Q AB02Q AB03Q AB07Q AB08Q AB09Q AB10Q AB16Q AC22P AC25P AC26P AC27P AC30P AG08Q AR09Q AR11Q AS02P AS03P AS11P BA04Q BA05Q BA06Q BA77Q BB01Q BB03Q BB05Q BB07Q BC04Q BC43Q BC48Q BC49Q CA04 CA05 JA00 JA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)α−オレフィンと、(b)環状オ
    レフィン及び/又は(c)芳香族ビニル化合物とを共重
    合して得られ、かつガラス転移温度が−30〜40℃、
    弾性回復率が20%以上、25℃貯蔵弾性率E’が50
    0MPa以下及び25℃tan δが0.2以上である共重合
    体を含む層少なくとも1層からなる粘着テープ用基材。
  2. 【請求項2】 共重合体を含む層が、共重合体と共に、
    該共重合体に含まれる熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂
    を含む層である請求項1に記載の粘着テープ用基材。
  3. 【請求項3】 粘着テープ用基材が、多層構造のもので
    ある請求項1又は2に記載の粘着テープ用基材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テ
    ープ用基材の少なくとも片面に粘着剤が塗布されている
    ことを特徴とする粘着テープ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テ
    ープ用基材の少なくとも片面に粘着剤が塗布されている
    ことを特徴とする封缶テープ。
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